JP3592480B2 - マニプレータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体基板やLCD基板等を移送することができるマニプレータ装置に関し、詳しくは、異なる雰囲気状態に設置された駆動部と駆動腕を有するマニプレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、半導体の高性能化、高密度化、高集積化は目覚しいものがあるが、その一方で他の工業製品に比較して歩留りも低く、その不良の発生原因としては塵によるものが殆どである。
この不良原因となる塵は、半導体の微細な絶縁層の幅より大きな粒径のものが殆どであるため、絶縁層の幅より大きな粒径の塵を無くすための努力が続いているが、この塵が相変らず最大の不良発生原因となっている。
【0003】
また、半導体の市場ニーズは高性能化、高密度化、高集積化の要求が益々高まっており、その市場ニーズに対応するために絶縁層の幅の微細化は益々高いものが要求されている。したがって、製品不良の原因となる塵の粒径もより一層微細化し、その数は指数関数的に増大し、不良原因に占める割合は益々増えている。
このような半導体は、真空チャンバー内において真空下で公知のプロセスを経て製造されるのが一般的であり、この真空チャンバー内でマニプレータ装置等の移送装置で保持されることにより、製造プロセス位置に搬送されてこの位置で製造作業が行なわれている。
【0004】
ここで、従来のこの種のマニプレータ装置の構造を図8に基づいて説明する。
図8(a)において、1、2は関節3を支点として揺動可能な一対のリンクであり、このリンク1、2の関節3はモータ等の駆動源に連結されている。このリンク1、2の先端部には関節4、5を介してリンク6、7の基端部が取付けられており、このリンク6、7の先端部には図示しない基板を保持するハンド8が取付けられ、このリンク6、7の先端部はベルト10に連続し、ハンド8を駆動する関節を構成している。
【0005】
また、リンク1、2の基端部には関節11、12を介してリンク13、14の基端部が取付けられており、このリンク13、14の先端部は図示しない基板を保持するハンド15が取付けられ、このリンク13、14の先端部はベルト17に接続され、ハンド15を駆動する関節を構成している。
また、上述した各関節4、5、11、12、ハンド8、15と各リンク6、7、13、14の連結部分は、図8(b)に示すように、一方のリンクまたはハンドを構成する部材Aに取付けられた軸部材Bが軸受Cを介して他方のリンクまたはハンドを構成する部材Dに回転自在に連結される構造になっている。
【0006】
このマニプレータ装置は各リンク1、2、6、7、13、14が真空チャンバー内に設けられており、ハンド8、15で基板を保持してチャンバー内において無塵状態でプロセス処理を行なう。
ところで、このようなマニプレータ装置では、軸部材Bおよび軸受Cによって連結された機械的接触運動を行なう部材Aと部材Dを有する上に、この部材Aと部材Dの間に隙間が形成されていたため、この連結部の接触運動によって発生する摩耗粉Xが矢印で示すように隙間を通して真空中に放出されてしまい、半導体の製造不良の原因となってしまった。
【0007】
そこで、このような不具合を解消するために、従来、図9に示すように駆動アーム内を密閉するようにしたものがある。
図9(a)(b)において、21は真空シール22によって真空チャンバー外の大気と真空状態の真空チャンバー内を隔離する隔壁であり、この隔壁21からは大気圧下に設けられた図示しない第1の駆動モータによって駆動される制御軸23aに取付けられた第1アーム23が突出している。この第1アーム23には制御軸24aに取付けられた第2アーム24が取付けられており、この第2アーム24には制御軸25に取付けられたハンド26が取付けられている。
【0008】
また、第1アーム23の内部空間にはプーリ27が設けられており、このプーリ27は大気圧下に設けられた図示しない第2の駆動モータの制御軸28によって駆動されるようになっている。また、この制御軸28と制御軸23aの間には真空シール29が介装されており、この真空シール29によって第1アーム23内は大気に対して遮断される。
【0009】
また、プーリ27はベルト30によって制御軸24aに接続されており、第2アーム24はベルト30および制御軸24aを介して駆動される。また、制御軸24a内には第1アーム23に連結された制御軸31が設けられており、この制御軸31は第2アーム25内に設けられたプーリ32、ベルト33およびプーリ34を介して制御軸25に連結されている。そして、第1アーム23が駆動されると、ハンド26は制御軸31、プーリ32、ベルト33およびプーリ34を介して駆動されるようになっている。
【0010】
また、制御軸25と第2アーム24の連結部および制御軸24aと第2アーム25の連結部には磁性流体を備えた真空ダストシール35、36が介装されており、第1、2アーム23、24は磁性流体からなる真空ダストシール35、36によって真空状態に対して密閉可能になっている。
このマニプレータ装置には、第1、2アーム23、24にそれぞれ形成された開口部23b、24bにフィルター37、38を設けることにより、第1、2アーム23、24内から機械的接触によって発生する摩耗粉等の塵が飛散するのを防止するようになっている。
【0011】
さらに、第1、2アーム23、24内は大気圧と完全に遮断されるため、このフィルター37、38を通して第1、2アーム23、24内とその周囲を気体呼吸用として連通させることにより、第1、2アーム23、24内が大気圧下から真空状態に減圧されるときに第1、2アーム23、24内を周囲の気圧(真空圧)と同圧にして真空ダストシール35、36が破損するのを防止するようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のマニプレータ装置にあっては、フィルター37、38によって第1、2アーム23、24から比較的大きな塵が発生するのを防止することができるが、このフィルター37、38から矢印で示すように微小な塵Yが飛散するのを防止することができず、防塵効果を十分に発揮することができなかった。この結果、真空下で半導体を製造する際等に半導体に塵が付着して歩留りが低下していた。
【0013】
そこで本発明は、異なる第1および第2の雰囲気状態の一方の雰囲気状態で駆動腕によって作業を行なう際に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止することができるようにして、作業の対象となる部品の品質および歩留りが低下するのを防止することができるマニプレータ装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明は、上記課題を解決するために、第1の雰囲気状態内に設置される中空支持部材と、前記中空支持部材から突出して設けられ前記第1の雰囲気状態とは異なる第2の雰囲気状態内に設置される腕部と、前記中空支持部材内に設けられて前記腕部を駆動する駆動部と、前記腕部内を前記第1の雰囲気状態に対して密閉する第1の密閉部材と、前記腕部内を前記第2の雰囲気状態に対して密閉する第2の密閉部材と、前記第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3の雰囲気状態に前記腕部内を調整する圧力調整手段とを備え、前記中空支持部材及び前記腕部は、前記腕部内と前記圧力調整手段とを連通する連通孔が形成され、前記腕部は、前記中空支持部材から突出して設けられた第1の軸部材と、前記第1の軸部材とは独立して動作可能に前記第1の軸部材の内側に設けられた第2の軸部材とを有し、前記第1の軸部材及び前記第2の軸部材のうち前記第1の軸部材のみに前記連通孔が形成されたことを特徴とする。
【0015】
その場合、運動軸と駆動腕の連結部に設けられた密閉部材によって駆動腕内を第2の雰囲気状態に対して完全に遮断して密閉するとともに、駆動腕内を第1貫通孔および第2貫通孔を通して圧力調整手段に連通して第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3の雰囲気状態にすることができるので、駆動腕と運動軸の機械的な接触によって発生した塵が第2の雰囲気状態中に飛散するのを完全に防止することができる。
【0016】
また、圧力調整手段によって駆動腕内の圧力を第3の雰囲気状態になるように調整することができるため、駆動腕内を密閉状態にしても駆動腕内の圧力を第3の雰囲気状態にすることができ、密閉部材が第1の雰囲気状態との圧力差によって破損するのを防止することができる。
この結果、異なる第1および第2の雰囲気状態の一方の雰囲気状態で駆動腕によって作業を行なう際に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止することができ、作業の対象となる部品の品質および歩留りが低下するのを防止することができる。
【0017】
発明は、前記第1の密閉部材の圧力許容差は、前記第2の密閉部材の圧力許容差以下であることを特徴とする。
【0018】
発明は、上記課題を解決するために、前記第1の雰囲気状態が大気圧であるとともに、前記第2の雰囲気状態が真空圧であることを特徴としている。
【0019】
その場合、真空下で製造される半導体基板やLCD基板等に塵等が付着するのを防止することができ、半導体やLCD等の品質および歩留りを向上させることができる。
本発明は、上記課題を解決するために、第1の雰囲気状態内に設置される中空支持部材と、前記中空支持部材から突出して設けられ前記第1の雰囲気状態とは異なる第2の雰囲気状態内に設置される腕部と、前記中空支持部材内に設けられて前記腕部を駆動する駆動部と、前記腕部内を前記第1の雰囲気状態に対して密閉する第1の密閉部材と、前記腕部内を前記第2の雰囲気状態に対して密閉する第2の密閉部材と、前記第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3の雰囲気状態に前記腕部内を調整する圧力調整手段とを備え、前記中空支持部材及び前記腕部は、前記腕部内と前記圧力調整手段とを連通する連通孔が形成され、前記第1の密閉部材は、前記中空支持部材内に設けられて前記駆動部の動力を前記腕部に伝達する動力導入隔壁を含み、前記駆動部は、前記第1の雰囲気状態内に配置されたことを特徴とする。
その場合、動力入力隔壁によって中空支持部材の内部が第1の雰囲気状態と第3の雰囲気状態に区画されるため、中空支持部材の内部を第1の雰囲気状態と第3の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少なくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は本発明に係るマニプレータ装置の第1実施形態を示す図であり、真空下で半導体を製造する装置に適用される例を示している。
まず、構成を説明する。図1、2において、40は第2の雰囲気を構成する真空チャンバーと第1の雰囲気を構成する真空チャンバー外(大気中)を区画する隔壁であり、この隔壁40は大気側に配置された中空支持部材41と一体的に形成されている。
【0021】
また、中空支持部材41内にはブラケット42が設けられており、このブラケット42には駆動部を構成する制御モータ43が取付けられている。この制御モータ43の出力軸の先端部には非円形拡径部(例えば楕円形)44が取付けられており、この非円形拡径部44は可撓性の軸受47を介して薄い金属からなる可撓性部材45の内周面に接触している。
【0022】
この可撓性部材45は一端部がブラケット42に固定されるとともに、他端部の外周面に円周方向に亘って外歯45aが形成され、この外歯45aは運動軸を構成する中空状の駆動軸46の底部内周面に形成された内歯46aに噛合可能になっており、この内歯46aは外歯45aよりも多い歯数を有している。
そして、制御モータ43により非円形拡径部44が回転すると、非円形拡径部44の長径部分に押し広げられて可撓性の軸受47が撓み、その撓みに応じて可撓性部材45が非円形拡径部44の回転に伴って撓みながら外歯45aが駆動軸46の内歯46aに順次接触することにより、駆動軸46が外歯45a、内歯46aの歯数差に応じてゆっくり減速回転するようになっている。
【0023】
この駆動軸46は軸受48を介して中空支持部材41に回転自在に支持されているとともに、中空支持部材41から真空チャンバー側に突出しており、駆動腕を構成し、内部に貫通孔49aが形成された第1アーム49に一体的に取付けられている。
また、駆動軸46には駆動部を構成する制御モータ50が取付けられており、この駆動モータ50の出力軸には駆動軸46内に設けられたプーリ51が取付けられている。このプーリ51はベルト52を介してプーリ53に取付けられており、このプーリ53は非円形拡径部(例えば、楕円形)54と一体的に形成されている。
【0024】
この非円形拡径部54は可撓性の軸受55を介して薄い金属からなる可撓性部材56の内周面の所定箇所に接触している。
この可撓性部材56は一端部が軸受57a、57bを介して第1アーム49に回転自在に取付けられた回転軸56aに固定されるとともに、他端部の外周面に円周方向に亘って外歯56bが形成され、この外歯56bは駆動軸46の内周面に形成された内歯46bに噛合可能になっており、この外歯56bは内歯46bよりも多い歯数を有している。
【0025】
そして、制御モータ50によりベルト52を介して非円形拡径部54が回転すると、非円形拡径部54の長径部分に押し広げられて可撓性の軸受55が撓み、その撓みに応じて可撓性部材56が非円形拡径部54の回転に伴って撓みながら外歯56bが駆動軸46の内歯46bに順次接触することにより、可撓性部材56が内歯46b、外歯56bの歯数差に応じてゆっくり減速回転することにより、回転軸56aを回転する。
【0026】
また、回転軸56aにはプーリ58が取付けられており、このプーリ58はベルト59を介して運動軸を構成する駆動軸60の外周部に連結されている。この駆動軸60は軸受61a、61bを介して第1アーム49に回転自在に設けられており、この駆動軸60は駆動腕を構成し、貫通孔62aを有する第2アーム62に一体的に取付けられている。
【0027】
したがって、上述したように制御モータ50によって回転軸56aが回転すると、プーリ58、ベルト59、駆動軸60を介して第2アーム62が揺動するようになっている。
また、駆動軸60は貫通孔60aが形成されており、この貫通孔60a内には第1アーム49に固定された固定軸63が貫通している。この固定軸63には軸受64a、64bを介して第2アーム62が揺動自在に取付けられているとともに、外周部に取付けられたプーリ65がベルト66を介してプーリ68に連結しており、このプーリ68は運動軸を構成する駆動軸67に取付けられている。この駆動軸67は軸受69a、69bを介して第2アーム62に回転自在に取付けられており、この駆動軸67は図示しない半導体(部品)を保持するハンド70に連結されている。
【0028】
したがって、第1アーム49に対して第2アーム62が揺動すると、ベルト66を介して駆動軸67が回転することにより、ハンド70が第2アーム62の揺動位置に拘らず、第2アーム62に対して常に同じ向きに位置する。
即ち、駆動軸 46 、第1アーム 49 、固定軸 63 、プーリ 65 、ベルト 66 、プーリ 68 、駆動軸 67 、ハンド 70 、回転軸 56 a、プーリ 58 、ベルト 59 、駆動軸 60 、第2アーム 62 は、本発明の腕部を構成している。
また、駆動軸 46 は、本発明の第1の軸部材を構成しており、回転軸 56 aは、本発明の第2の軸部材を構成している。なお、駆動軸 46 は、本発明の軸部材をも構成している。
また、第1アーム 49 は、本発明の腕部材を構成している。
一方、第1アーム49の貫通孔49aおよび第2アーム62の貫通孔62aは貫通孔60aによって連通しているとともに、駆動軸67と第2アーム62の連結部分および駆動軸60と第1アーム49の連結部分には公知の磁性流体を備えた真空ダストシール 71 72が介装されている。このため、貫通孔49a、60aおよび62aは真空ダストシール71、72によって真空チャンバー内との連通が遮断され、密閉されている。
【0029】
また、回転軸56aと駆動軸46の間には磁性流体を備えた真空シール73が介装されているとともに、中空支持部材41と駆動軸46の間には磁性流体を備えた真空シール 74、75が介装されており、これら各真空シール73〜75は真空チャンバー内と中空支持部材41の連通を遮断して中空支持部材41内を密閉している。
即ち、真空ダストシール 71 72 及び真空シール 74 は、本発明の第1の密閉部材を構成しており、真空シール 73 75 は、本発明の第2の密閉部材を構成している。
【0030】
また、第1アーム49および中空支持部材41には貫通孔76、77が形成されており、この貫通孔76、77は貫通孔49aに連通している。また、貫通孔77には一端部が図示しない真空ポンプに接続された図示しない配管の他端部が連結されており、貫通孔77は真空ポンプによって真空吸引されるようになっている。したがって、貫通孔76、49a、60aおよび62a全体が連通していることから、貫通孔77が真空吸引されると、貫通孔49a、60a、62a内は真空引きされるようになっている。即ち、貫通孔 76 77 は、本発明の連通孔を構成している。
【0031】
本実施形態は、貫通孔76、49a、60aおよび62aが第1貫通孔を形成するとともに、貫通孔77が第2貫通孔を形成することにより、各貫通孔49a、60a、62aが真空チャンバー内と遮断されて連通するようになっており、配管および真空ポンプにより真空引きされると、真空チャンバー内の圧力との差が少なくなるように、または同圧になるように調整されるようになっている。
【0032】
すなわち、本実施形態では、配管および真空ポンプが圧力調整手段を構成しており、この圧力調整手段は貫通孔49a、60a、62a内の圧力を第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3の雰囲気状態になるように調整している。なお、貫通孔49a、60a、62a内を第3の雰囲気状態に調整するためには、送風量が可変可能なポンプを使用したり、送風量が一定の場合には配管に圧力調整弁を設ければ良い。
【0033】
また、中空支持部材41と駆動軸46の間に真空シール74、75を介装したため、貫通孔77と真空チャンバー内の第2の雰囲気状態とが遮断されて、貫通孔49a、60a、62aが第3の雰囲気状態に密閉される。
また、真空シールと真空ダストシールの相違点を簡単に説明すると、真空ダストシールは磁性流体の粘度が低く、シール両端面の圧力許容差が1気未満の箇所に使用され、真空シールは磁性流体の粘度が高く、シール両端面の圧力許容差が1気圧以上の箇所に使用されるものである。
【0034】
次に、作用を説明する。
半導体の製造プロセスには、複数枚の半導体基板を一括して処理するバッチ処理と1枚ずつ処理する枚葉処理があるが、何れの処理にあっても真空下に減圧された真空チャンバー内で無塵状態で製造プロセスを実行する必要がある。
何れの処理にあっても、真空チャンバー内でハンド70によって単数またはユニット化された複数の半導体基板を保持して移動する。
【0035】
ここで、バッチ処理と枚葉処理について簡単に説明する。
バッチ処理では、半導体基板を大気中でハンド70で保持して、真空チャンバー内のプロセス処理位置に移送し、真空チャンバー内を真空引きした後、半導体の製造プロセスを行なう。この真空引きにはプロセスと同等の時間を要する。
また、枚葉処理では、真空引きの時間を節約するために真空環境中で半導体基板をプロセス装置の所定位置に移送する必要があり、真空チャンバーに連通した真空予備室に多数枚設置された半導体基板をハンド70で1枚ずつプロセス装置の所定位置に移送する。
【0036】
本実施形態のマニプレータ装置では、製造プロセスを実行する前に真空ポンプによって貫通孔77、76を通して貫通孔49a、60aおよび62a内を真空チャンバー内の気圧に近くなるように、または略同等になるように減圧して第3の雰囲気状態に設定した後、製造プロセスを実行する。
また、真空チャンバー内でハンド70によって半導体基板を移送するとき、駆動軸67と第2アーム62の連結部分、駆動軸60と第1アーム49の連結部分、駆動軸46と中空支持部材41の連結部分の機械的な接触によって微小な摩耗粉からなる塵が発生するが、この塵は、何れも貫通孔77、76、49a、60a、62aによって画成される第3の雰囲気状態内に飛散するだけであり、第1アーム49および第2アーム62から真空チャンバー内に飛散することがない。
【0037】
すなわち、本実施形態では、駆動軸67と第2アーム62の連結部分および駆動軸60と第1アーム49の連結部分を真空ダストシール71、72によって密閉するとともに、駆動軸46と中空支持部材41を真空シール74、75によって密閉し、第2アーム62、駆動軸60、第1アーム49および中空支持部材41を貫通孔77、76、49a、60a、62aによって連通し、さらに、貫通孔77、76、49a、60a、62a内を第3の雰囲気状態になるように調整する配管および真空ポンプを設けたため、上記各連結部分の機械的な接触によって微小な摩耗粉からなる塵が第1アーム49および第2アーム62から真空チャンバー内に飛散するのを防止することができる上に、第1および第2アーム49、62内を密閉状態にしても第1および第2アーム49、62内を第3の雰囲気状態にすることができ、真空ダストシール71、72が大気圧との圧力差によって破損するのを防止することができる。
【0038】
この結果、異なる第1および第2の雰囲気状態の一方の雰囲気状態で第1アーム49および第2アーム62によって半導体の製造作業を行なう際に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止することができ、半導体の品質および歩留りが低下するのを防止することができる。
なお、本実施形態では、2つの駆動アーム49、62を有するマニプレータ装置に適用しているが、駆動アームの数は1つでも良く、また、図3に示すように、2つのハンド78a、78bを有する3つの駆動アーム79a〜79cから構成しても良い。すなわち、本実施形態のマニプレータ装置は少なくとも1つ以上の駆動アームを有するものに適用することができる。
【0039】
図4は本発明に係るマニプレータ装置の第2実施形態を示す図であり、中空支持部材内に動力導入隔壁を設けた例を示している。なお、本実施形態では、第1アーム、第2アームの構成は第1実施形態と同様であり、中空支持部材内の構成が第1実施形態と異なるのみであるため、その部分の説明を行なう。
図4において、81は第2の雰囲気を構成する真空チャンバーと第1の雰囲気を構成する真空チャンバー外(大気中)を区画する隔壁であり、この隔壁81は下方の大気側に配置された中空支持部材82と一体的に形成されている。
【0040】
また、中空支持部材82の下端部にはステンレス等の金属からなる可撓性部材(動力導入隔壁)83の一端部側のフランジ部83aが固定されており、この可撓性部材83の他端部は有底筒状に形成され、この他端部はフランジ部83a側から運動軸を構成する駆動軸84の内周部に向かって延在している。
また、可撓性部材83のフランジ部83aには駆動部としての中空制御モータ85が取付けられており、この中空制御モータ85の中空出力軸86の先端部には非円形拡径部(例えば楕円形)86aが形成され、非円形拡径部86aは可撓性の軸受87を介して可撓性部材83の内周面の略中央部に接触している。
【0041】
この可撓性部材83の外周面には円周方向に亘って外歯83cが形成され、この外歯83cは駆動軸84の底部内周面に形成された内歯84aに噛合可能になっており、この内歯84aは外歯83cよりも多い歯数を有している。
そして、中空制御モータ85により非円形拡径部86aが回転すると、非円形拡径部86aの長径部分に押し広げられて可撓性の軸受87が撓み、その撓みに応じて可撓性部材83が非円形拡径部86aの回転に伴って撓みながら外歯83cが駆動軸84の内歯84aに順次接触することにより、駆動軸84が外歯83c、内歯84aの歯数差に応じてゆっくり減速回転する。
【0042】
また、中空制御モータ85にはブラケット88を介して駆動部としての制御モータ89が取付けられており、この制御モータ89の出力軸90は中空出力軸86内を貫通して可撓性部材83の他端部側に向かって延在している。
この出力軸90の先端部には非円形拡径部(例えば楕円形)90aが形成され、非円形拡径部90aは可撓性の軸受91を介して可撓性部材83の内周面の他端部側に接触している。
【0043】
この可撓性部材83の外周面には円周方向に亘って外歯83bが形成され、この外歯83bは駆動軸84に回転自在に支持された中空状のプーリ93の同軸上に配置された内周面に形成された内歯93aに噛合可能になっており、この内歯93aは外歯83bよりも多い歯数を有している。なお、プーリ93は第1実施形態と同様にベルト59を介して運動軸を構成する駆動軸60の外周部に連結されている。
即ち、駆動軸 84 、第1アーム 49 、固定軸 63 、プーリ 65 、ベルト 66 、プーリ 68 、駆動軸 67 、ハンド 70 、プーリ 93 、ベルト 59 、駆動軸 60 、第2アーム 62 は、本発明の腕部を構成している。
また、駆動軸 84 は、本発明の軸部材を構成している。
【0044】
そして、制御モータ89により非円形拡径部90aが回転すると、非円形拡径部90aの長径部分に押し広げられて可撓性の軸受91が撓み、その撓みに応じて可撓性部材83が非円形拡径部90aの回転に伴って撓みながら外歯83bがプーリ93の内歯93aに順次接触することにより、プーリ93が外歯83b、内歯93aの歯数差に応じてゆっくり減速回転する。
【0045】
また、中空支持部材82は軸受92を介して駆動軸84に連結されるとともに、中空支持部材82と駆動軸84の間には第1の密閉部材としての真空ダストシール 94が設けられており、この真空ダストシール94は真空チャンバーと第3の雰囲気状態を画成可能な駆動軸84の貫通孔(第1貫通孔)84aの連通を遮断している。また、中空支持部材82には第2貫通孔を構成するとともに真空ダストシール94によって真空チャンバーと画成される貫通孔95が設けられており、この貫通孔95は貫通孔84aを介して第1アーム49の貫通孔49a側に連通している。
【0046】
この貫通孔95には一端部が図示しない真空ポンプに接続された図示しない配管の他端部が連結されており、貫通孔95は真空ポンプによって真空吸引されるようになっている。即ち、貫通孔 84 a、 95 は、本発明の連通孔を構成している。したがって、貫通孔95、84a、49a、60aおよび62a全体が連通しているため、貫通孔95が真空吸引されると、第1実施形態と同様に貫通孔84a、49a、60a、62a内が真空引きされるようになっている上に、塵が貫通孔84a、49a、60a、62a内から外部に飛散するのを防止することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、本実施形態は、中空支持部材82内に、中空支持部材82内を貫通孔49a、84a内の第3の雰囲気状態と大気圧である第1の雰囲気状態とに隔離するとともに中空制御モータ85および制御モータ89の動力を駆動軸84およびプーリ93に伝達する第2の密閉部材としての可撓性部材83を設け、可撓性部材83に対して大気圧側に位置するように中空制御モータ85および制御モータ89を配置するとともに、貫通孔95を第3の雰囲気状態に晒すように中空支持部材82の所定箇所に設けたものであり、このようにすることによって、中空支持部材82の内部を第3の雰囲気状態と大気の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少なくすることができる。
【0048】
図5、6は本発明に係るマニプレータ装置の第3実施形態を示す図であり、駆動腕をリンクに適用した例を示している。
図5、6において、100は第2の雰囲気を構成する真空チャンバーと第1の雰囲気を構成する真空チャンバー外(大気中)を区画する隔壁であり、この隔壁100は大気側に配置された中空支持部材101と一体的に形成されている。また、中空支持部材101内には軸受102a、102bを介して駆動軸103が回転自在に取付けられており、この駆動軸103は中空支持部材101から真空チャンバー内に突出する駆動腕としての第1リンク104に一体的に取付けられている。
【0049】
また、中空支持部材101内には軸受105a、105bを介して駆動軸106が回転自在に取付けられており、この駆動軸106は中空支持部材101から真空チャンバー内に突出する駆動腕としての第1リンク107に一体的に取付けられている。
また、駆動軸103、106の外周部にはマグネット108、109が取付けられており、このマグネット108、109はコイル(駆動部)110、111に励磁されることにより、駆動軸103、106を回転させ、第1リンク104、107を揺動させるようになっている。
【0050】
また、マグネット108、109とコイル110、111は中空支持部材101に形成された第2の密閉部材としてのブラケット(動力導入隔壁)112によって隔離されており、中空支持部材101内はこのブラケット112によって大気の雰囲気状態と第3の雰囲気状態とに隔離され、コイル110、111を大気側に配置している。
また、第1リンク104の先端部には運動軸を構成する駆動軸113が取付けられており、この駆動軸113には軸受114を介して駆動腕を構成する第2リンク115が揺動自在に取付けられている。また、第1リンク107の先端部にも第1リンク104側と同様に運動軸を構成する駆動軸が取付けられており、この駆動軸には軸受を介して駆動腕を構成する第2リンク115が揺動自在に取付けられている。
【0051】
また、第2リンク115の先端部には軸受116を介して運動軸を構成する駆動軸117が取付けられており、この駆動軸117には図示しない半導体(部品)を保持するハンド118が取付けられている。
即ち、駆動軸 103 、第1リンク 104 、駆動軸 113 、第2リンク 115 、駆動軸 117 、駆動軸 106 、第1リンク 107 、ハンド 118 は、本発明の腕部を構成している。
また、駆動軸 103 106 は、それぞれ本発明の軸部材を構成している。
また、第1リンク 104 107 は、それぞれ本発明の腕部材を構成している。
また、2つの第2リンク115内、駆動軸113内、第1リンク104、107内および駆動軸103、106内にはそれぞれ第1貫通孔を構成する貫通孔119〜124(第1リンクの一方は図6中、図示していない)が形成されており、この貫通孔119〜124は互いに連通している。
【0052】
また、中空支持部材101の下端部には第2貫通孔を構成する貫通孔125が形成されており、この貫通孔125は貫通孔124に連通している。また、この貫通孔125には配管126の一端部が取付けられており、この配管126の他端部は図示しない真空ポンプに接続されている。このため、貫通孔125が真空ポンプによって真空吸引されると、貫通孔119〜124が連通していることから、貫通孔119〜124内が真空引きされる。即ち、貫通孔 124 125 は、本発明の連通孔を構成している。
【0053】
また、駆動軸117と第2リンク115の先端部の連結部分、駆動軸113と第2リンク115の基端部の連結部分、駆動軸106と第1リンク104の連結部分および中空支持部材101と駆動軸103の連結部分には第1実施形態と同様の機能を有する第1の密閉部材としての真空ダストシール 127 130が介装されており、ブラケット112によって貫通孔119〜124内は大気の雰囲気状態から遮断されている。
【0054】
すなわち、本実施形態は、2つの第2リンク115内、駆動軸113内、第1リンク104、107内および駆動軸103、106内に貫通孔119〜124を形成することにより、各貫通孔119〜124を真空チャンバー内と遮断して連通するようになっており、配管126および真空ポンプにより真空引きすると、真空チャンバー内の気圧との差が少なくなるように、または同圧になる第3の雰囲気状態に調整されるようになっている。なお、本実施形態では、配管126および真空ポンプが圧力調整手段を構成している。
【0055】
また、図5中、118aは駆動軸117同士を連結するベルトであり、このベルト118は、第1リンク104、107が同調しないで駆動された場合であっても、第2リンク115の一方を他方に引っ張ることにより、第2ハンド118が常に一定に位置になるように調整するものである。
次に、作用を説明する。
【0056】
本実施形態の半導体の製造プロセスにあっても、第1実施形態と同様に、真空チャンバー内でハンド118よって単数またはユニット化された複数の半導体基板を保持して所定の製造位置に移送することが必要である。
本実施形態のマニプレータ装置では、製造プロセスを実行する前に真空ポンプによって配管126および貫通孔125〜119を通して貫通孔119〜125内を真空チャンバー内の気圧に近くなるように、または略同等になるように減圧した後、製造プロセスを実行する。
【0057】
そして、本実施形態では、コイル110、111によりマグネット108、109を励磁して駆動軸103、106を回転させると、第1リンク104、107の先端部が近接、または離隔するように揺動するため、このリンク104、107に連結された第2リンク115の基端部が近接、または離隔するため、ハンド118が所定方向に沿って前進または後進して、半導体基板を移送する。
【0058】
このとき、駆動軸117と第2リンク115の先端部の連結部分、駆動軸113と第2リンク115の基端部の連結部分の機械的な接触によって微小な摩耗粉からなる塵が発生するが、この塵は、何れも貫通孔119〜124によって画成される第3の雰囲気状態内に飛散するだけであり、貫通孔119〜124内から真空チャンバー内に飛散することがない。
【0059】
また、真空ポンプによって貫通孔119〜124の圧力を第3の雰囲気状態になるように調整する配管126および真空ポンプを設けたため、第1リンク104、107および第2リンク115内を密閉状態にしても第1リンク104、107および第2リンク105内の圧力差を真空チャンバー内の圧力を第3の雰囲気状態にすることができ、真空ダストシール127〜129が大気圧との圧力差によって破損するのを防止することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、本実施形態では、ブラケット112によって中空支持部材101の第3の雰囲気状態と大気の雰囲気状態に離隔し、大気側にコイル110、111を配置したため、中空支持部材101の内部を第3の雰囲気状態と大気の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、駆動腕を一対の第1リンク104、107および一対の第2リンク115からなる2対のリンクを有するマニプレータ装置に適用しているが、このリンクは3対以上あっても良い。
【0061】
図7は本発明に係るマニプレータ装置の第4実施形態を示す図であり、駆動腕として動力導入隔壁のないリンクに適用した例を示している。
なお、本実施形態では、第2リンクの構成は第3実施形態と同様であり、中空支持部材内の構成および第1リンクの構成が第3実施形態と異なるのみであるため、その部分の説明を行なう。
【0062】
図7において、141は第2の雰囲気を構成する真空チャンバーと第1の雰囲気を構成する真空チャンバー外(大気中)を区画する隔壁であり、この隔壁141は大気側に配置された中空支持部材142と一体的に形成されている。
また、中空支持部材142の下端部には駆動部としての中空制御モータ143が取付けられており、この中空制御モータ143の中空出力軸144の先端部には非円形拡径部(例えば楕円形)144aが形成され、非円形拡径部144aは可撓性の軸受145を介して中空状の可撓性部材146の下端部に接触している。
【0063】
この可撓性部材146の下端部の外周面には円周方向に亘って外歯146aが形成されており、この外歯146aは中空支持部材142の内周面に形成された内歯142aに噛合可能になっており、この内歯142aは外歯146aよりも多い歯数を有している。また、可撓性部材146の上端部は運動軸を構成する駆動軸147の下端部に固定されている。
【0064】
そして、中空制御モータ143により非円形拡径部144aが回転すると、非円形拡径部144aの長径部分に押し広げられて可撓性の軸受145が撓み、その撓みに応じて可撓性部材146が非円形拡径部144aの回転に伴って撓みながら内歯146aが中空支持部材142の内歯142aに順次接触することにより、可撓性部材146と共に駆動軸147が内歯142a、外歯146aの歯数差に応じてゆっくり減速回転する。
【0065】
また、中空制御モータ143にはブラケット150を介して駆動部としての制御モータ148が取付けられており、この制御モータ148の出力軸149は中空出力軸144および可撓性部材146内を貫通して駆動軸147の下端部側に延在している。
この出力軸149の先端部には非円形拡径部(例えば楕円形)149aが形成され、非円形拡径部149aは可撓性の軸受151介して中空状の可撓性部材152の内周面の下端部側に接触している。
【0066】
この可撓性部材152の外周面には円周方向に亘って外歯152aが形成され、この外歯152aは駆動軸147の内周面に形成された内歯147aに噛合可能になっており、この内歯147aは外歯152aよりも多い歯数を有している。また、可撓性部材152の上端部は運動軸を構成する駆動軸153の下端部に固定されている。
そして、制御モータ148により非円形拡径部149aが回転すると、非円形拡径部149aの長径部分に押し広げられて可撓性の軸受151が撓み、その撓みに応じて可撓性部材152が非円形拡径部149aの回転に伴って撓みながら外歯152aが駆動軸147aの内歯147aに順次接触することにより、可撓性部材152と共に駆動軸153が内歯147a、外歯152aの歯数差に応じてゆっくり減速回転する。
【0067】
なお、駆動軸147および駆動軸153は第3実施形態と同様の構成を有する第1リンク104、107と一体的に形成されている。
駆動軸147と駆動軸153の間および中空支持部材142と駆動軸153の間には軸受154、155が介装されているとともに、駆動軸147と駆動軸153の間および中空支持部材142と駆動軸153の間には第1実施形態と同様の機能を有する真空シール156a、156b、157a、157 bが配設されており、中空支持部材141内の駆動部側は真空チャンバー内の雰囲気と遮断されて密閉されている。
【0068】
また、駆動軸147には貫通孔159が形成されており、この貫通孔159は貫通孔123を介して貫通孔121に連通している。また、駆動軸153には貫通孔160が形成されており、この貫通孔160は貫通孔123と貫通孔124を介して貫通孔122を連通している。また、中空支持部材141には貫通孔(第2貫通孔)161が形成されており、この貫通孔161は貫通孔159に連通している。
【0069】
また、貫通孔161には一端部が図示しない真空ポンプに接続された図示しない配管の他端部が連結されており、貫通孔161は真空ポンプによって真空吸引されるようになっている。したがって、貫通孔119〜124、159、160全体が連通していることから、貫通孔161が真空吸引されると、貫通孔119〜124、159、160内は真空引きされて第3の雰囲気状態に設定される。
【0070】
本実施形態にあっても、貫通孔119〜124、159、160内が第3の雰囲気状態に設定される上に、塵が貫通孔119〜124、159、160内から外部に飛散するのを防止することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態にあっては、半導体の製造を行なうマニプレータ装置に適用され、アームやリンクが真空チャンバー内に配置され、駆動側のモータやコイルが大気側に配置されているが、このマニプレータ装置はこれに限定されるものではない。
【0071】
すなわち、異なる第1の雰囲気状態および第2の雰囲気状態の一方にアームやリンク等の作業側の駆動腕を配置し、他方にモータやコイル等の駆動側を配設するようなものであれば何でも良い。
例えば、宇宙空間と宇宙船内、放射能雰囲気内と放射能雰囲気外、有毒ガス雰囲気内と有毒ガス雰囲気外、腐食ガス雰囲気内と腐食ガス雰囲気外等の異なる2つの雰囲気で作業を行なうマニプレータ装置であれば良い。
【0072】
但し、放射能雰囲気内、有毒ガス雰囲気内、腐食ガス雰囲気内等にアームやリンクを配設した場合には、圧力調整手段によってアーム内やリンク内の圧力をその雰囲気内の圧力と同等または若干高めに設定する必要がある。
また、上記各実施形態では、駆動アームやリンクが水平面内で揺動するマニプレータに適用しているが、これに限らず、水平面と直交する方向に移動するものに適用しても良い。
【0073】
【発明の効果】
発明によれば、運動軸と駆動腕の連結部に設けられた密閉部材によって駆動腕内を第2の雰囲気状態に対して完全に遮断して密閉するとともに、駆動腕内を第1貫通孔を第2貫通孔を第3の雰囲気状態になるようにしているので、駆動腕と運動軸の機械的な接触によって発生した塵が第2の雰囲気状態中に飛散するのを完全に防止することができる。
【0074】
また、圧力調整手段によって駆動腕内の圧力を第3の雰囲気状態になるように調整することができるため、駆動腕内を密閉状態にしても駆動腕内の圧力を第3の雰囲気状態にすることができ、密閉部材が第1の雰囲気状態との圧力差によって破損するのを防止することができる。
この結果、異なる第1および第2の雰囲気状態の一方の雰囲気状態で駆動腕によって作業を行なう際に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止することができ、作業の対象となる部品の品質および歩留りが低下するのを防止することができる。
【0075】
発明によれば、中空支持部材の内部が第1の雰囲気状態と第3の雰囲気状態に区画されるため、中空支持部材の内部を第1の雰囲気状態と第3の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少なくすることができる。
発明によれば、真空下で製造される半導体基板やLCD基板等に塵等が付着するのを防止することができ、半導体やLCD等の品質および歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマニプレータ装置の第1実施形態を示す図であり、その上面図である。
【図2】その要部正面断面図である。
【図3】マニプレータ装置の他の態様を示すその上面図である。
【図4】本発明に係るマニプレータ装置の第2実施形態を示す図であり、その要部断面図である。
【図5】本発明に係るマニプレータ装置の第3実施形態を示す図であり、その上面図である。
【図6】第3実施形態のマニプレータ装置の要部正面断面図である。
【図7】本発明に係るマニプレータ装置の第4実施形態を示す図であり、その要部断面図である。
【図8】(a)は従来のリンク式のマニプレータ装置の上面図、(b)はそのマニプレータ装置の運動軸部分の断面図である。
【図9】(a)は従来のアーム式のマニプレータ装置の上面図、(b)はそのマニプレータ装置の要部正面断面図である。
【符号の説明】
41、82、101、142 中空支持部材
43、50、89、148 制御モータ(駆動部)
46、60、84、103、106、113、117、147、153 駆動軸(運動軸)
49 第1アーム(駆動腕)
49a、62a、76、77、119〜124、159、160 貫通孔(第1貫通孔)
62 第2アーム(駆動腕)
71、72、127、128、129 真空ダストシール
73、94、130、156a、156b、157a、157b 真空シール
83 可撓性部材(動力導入隔壁)
85、143 中空制御モータ(駆動部)
104、107 第1リンク(駆動腕)
110、111 コイル(駆動部)
112 ブラケット(動力導入隔壁)
115 第2リンク(駆動腕)
126 配管(圧力調整手段)

Claims (4)

  1. 第1の雰囲気状態内に設置される中空支持部材と、前記中空支持部材から突出して設けられ前記第1の雰囲気状態とは異なる第2の雰囲気状態内に設置される腕部と、前記中空支持部材内に設けられて前記腕部を駆動する駆動部と、前記腕部内を前記第1の雰囲気状態に対して密閉する第1の密閉部材と、前記腕部内を前記第2の雰囲気状態に対して密閉する第2の密閉部材と、前記第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3の雰囲気状態に前記腕部内を調整する圧力調整手段とを備え、
    前記中空支持部材及び前記腕部は、前記腕部内と前記圧力調整手段とを連通する連通孔が形成され、
    前記腕部は、前記中空支持部材から突出して設けられた第1の軸部材と、前記第1の軸部材とは独立して動作可能に前記第1の軸部材の内側に設けられた第2の軸部材とを有し、
    前記第1の軸部材及び前記第2の軸部材のうち前記第1の軸部材のみに前記連通孔が形成されたことを特徴とするマニプレータ装置。
  2. 前記第1の密閉部材の圧力許容差は、前記第2の密閉部材の圧力許容差以下であることを特徴とする請求項1に記載のマニプレータ装置。
  3. 前記第1の雰囲気状態が大気圧であるとともに、前記第2の雰囲気状態が真空圧であることを特徴とする請求項1または2記載のマニプレータ装置。
  4. 第1の雰囲気状態内に設置される中空支持部材と、前記中空支持部材から突出して設けられ前記第1の雰囲気状態とは異なる第2の雰囲気状態内に設置される腕部と、前記中空支持部材内に設けられて前記腕部を駆動する駆動部と、前記腕部内を前記第1の雰囲気状態に対して密閉する第1の密閉部材と、前記腕部内を前記第2の雰囲気状態に対して密閉する第2の密閉部材と、前記第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3の雰囲気状態に前記腕部内を調整する圧力調整手段とを備え、
    前記中空支持部材及び前記腕部は、前記腕部内と前記圧力調整手段とを連通する連通孔が形成され、
    前記第1の密閉部材は、前記中空支持部材内に設けられて前記駆動部の動力を前記腕部に伝達する動力導入隔壁を含み、
    前記駆動部は、前記第1の雰囲気状態内に配置されたことを特徴とするマニプレータ装置。
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