JPH10277473A - 連続塗工の塗膜厚制御方法 - Google Patents

連続塗工の塗膜厚制御方法

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JPH10277473A
JPH10277473A JP8931697A JP8931697A JPH10277473A JP H10277473 A JPH10277473 A JP H10277473A JP 8931697 A JP8931697 A JP 8931697A JP 8931697 A JP8931697 A JP 8931697A JP H10277473 A JPH10277473 A JP H10277473A
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JP
Japan
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roll
coating
paint
pickup
metering
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Application number
JP8931697A
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English (en)
Inventor
Yasutaka Morikawa
容任 森川
Munehiro Ishioka
宗浩 石岡
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続塗工によって形成される塗膜の厚さを精度
良く制御する。 【解決手段】ピックアップロール3とメタリングロール
4、ピックアップロール3とアプリケータロール5、ア
プリケータロール5と金属帯8のそれぞれの間を通過す
る塗料9の流量を用いて塗膜厚を求める塗膜厚モデル式
から、目標塗膜厚となる塗膜を形成するのに適したピッ
クアップロール3とメタリングロール4の間のギャップ
を求め、この求めたギャップからピックアップロール3
とメタリングロール4の間の塗料9のせん断速度を求
め、この求めたせん断速度からピックアップロール3と
メタリングロール4の間を通過する塗料9の粘度を求
め、潤滑流体理論に基づいて、求めた塗料9の粘度か
ら、ピックアップロール3とメタリングロール4の間の
押し付け荷重を求め、当該潤滑流体理論に基づいて求め
られた押し付け荷重を用いて連続塗工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗工ライン上を連
続走行する例えば鋼帯等のような金属帯に塗料を塗布す
る連続塗工によって形成される塗膜の塗膜厚を、高精度
に制御する連続塗工の塗膜厚制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、連続して走行する例えば鋼帯
のような金属帯に塗料を塗布する連続塗工においては、
図8に示すようなロールコータが用いられている。この
ロールコータ1は、塗料9を貯留する塗料パン皿2と、
4つのロール3、4、5、6と、ドクターブレード7と
で構成されている。
【0003】連続塗工においては、まず、塗料パン皿2
に貯留されている塗料9が、ピックアップロール3によ
って汲み上げられる。このピックアップロール3によっ
て汲み上げられた塗料9の量は、メタリングロール4に
よって調整され、その後、ピックアップロール3からア
プリケータロール5に供給される。アプリケータロール
5は、ピックアップロール3から供給された塗料9を、
アプリケータロール5とバックアップロール6の間を連
続走行する金属帯8に塗布する。これにより金属帯8に
塗膜が形成される。また、メタリングロール4の近傍に
は、このメタリングロール4に供給された塗料9をかき
落とすためのドクターブレード7が設けられている。
【0004】連続塗工により金属帯8に形成される塗膜
の塗膜厚に影響を与える因子としては、ロール3、4、
5のロール周速、ライン速度、ピックアップロール3と
メタリングロール4の間の押し付け荷重(押し付け
圧)、ピックアップロール3とアプリケータロール5の
間の押し付け荷重、アプリケータロール5と金属帯8の
間の押し付け荷重等の操業条件が挙げられる。また、こ
の操業条件に加えて、塗料粘度、希釈率等の塗料9の物
性値も塗膜厚に影響を与える因子となる。
【0005】このように、塗膜厚を調整する因子として
様々なものが挙げられるが、連続塗工においては、通
常、ライン速度は所定の値に設定される傾向がある。ま
た、所定のライン速度で塗装する場合に、塗装むらが発
生しないように、ロール3、4、5のロール周速も所定
の値に設定される傾向がある。
【0006】例えば、ピックアップロール3のロール周
速に対して、メタリングロール4のロール周速が適正な
範囲より極端に大きい場合には、さざ波状模様の塗装む
らが発生する。
【0007】一方、ピックアップロール3のロール周速
に対して、メタリングロール4のロール周速が適正な範
囲より極端に小さい場合には、ロール目模様の塗装むら
が発生する。
【0008】したがって、所定のライン速度が設定され
れば、同時に、この設定された所定のライン速度に対し
て適正なアプリケータロール5のロール周速の範囲が設
定され、このアプリケータロール5のロール周速に対し
て適正なピックアップロール3のロール周速の範囲が設
定され、さらに、このピックアップロール3のロール周
速に対して適正なメタリングロール4のロール周速の範
囲が設定される。
【0009】このように、連続塗工においては、所定の
ライン速度が設定され、この所定のライン速度に対して
ほぼ一義的にロール3、4、5のロール周速が設定され
るため、ライン速度及びロール3、4、5のロール周速
を塗膜厚の調整に用いるのは困難である。
【0010】したがって、一般的な連続塗工において、
塗膜厚は、ライン速度やロール3、4、5のロール周速
ではなく、ロール3、4、5の間の押し付け荷重によっ
て制御される。
【0011】具体的な従来の塗膜厚制御方法としては、
塗工開始前に、仮の操業条件を設定して塗装試験を行
い、この塗装試験から適正な操業条件の設定を試みる経
験的な方法が用いられる。
【0012】また特開平3−178357号公報に、塗
工ライン中に設置された塗膜厚検出器により塗装後の塗
膜厚を検出し、その塗膜厚の信号から目標塗膜厚との偏
差に応じてロール3、4、5の押し付け荷重を制御する
塗膜厚制御方法が開示されており、この塗膜厚制御方法
が用いられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗装試
験を行って適正な操業条件を設定し、これにより目標塗
膜厚を得る従来の塗膜厚制御方法においては、塗料替え
の度に、再度塗装試験を行って操業条件を設定する必要
があり、生産能率が大幅に低下し、塗装試験を行う分だ
け歩留りが低下する。
【0014】また、上記の特開平3−178357号公
報に開示された塗膜厚制御方法においては、この制御方
法の具体的なモデル式が開示されていない。さらに、特
開平3−178357号公報に開示された塗膜厚制御方
法においては、ロールコータによって塗装し、その後オ
ーブンによって焼付け・乾燥を行って形成された塗膜の
塗膜厚を信号によって検出し、この検出した塗膜厚が目
標塗膜厚となるようにロール3、4、5の押し付け荷重
を制御するので、形成される塗膜が目標塗膜厚となるま
でに、ある程度の時間を必要とする。
【0015】ゆえに、歩留り及び生産性が低下するの
で、塗工開始前から精度良く塗膜厚の調整を行う必要が
ある。特に、カラー鋼板といわれる塗装鋼板等を連続塗
工によって生産する場合には、塗料粘度がせん断速度依
存性を持つ非ニュートン流体の塗料が多く用いられる。
非ニュートン流体においては、せん断速度が変化すると
塗料粘度も変化する。また、この塗料粘度は、塗膜厚に
影響を与える因子の一つであるため、結果的にせん断速
度も塗膜厚に影響を与える因子の一つとなりうる。
【0016】ゆえに、非ニュートン流体の塗料によって
形成された塗膜厚を、検出された信号に基づいて、精度
良く制御するには、予めせん断速度と塗料粘度の関係を
考慮した上でロールの押し付け荷重を制御する必要があ
る。
【0017】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、例えば塗料として、塗料の粘度がせん断速度に依存
する非ニュートン流体の塗料を用いた場合においても、
ロール間のギャップにおけるせん断速度と塗料の粘度を
求め、このせん断速度と塗料の粘度を考慮して塗膜厚の
制御を行うことで、精度良く塗膜厚を制御する連続塗工
の塗膜厚制御方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に対応する発明は、ピックアップロールが
塗料を汲み上げ、ピックアップロールに接触するメタリ
ングロールがピックアップロールの汲み上げた塗料の量
を調整し、塗料の量の調整されたピックアップロールに
接触するアプリケータロールが当該ピックアップロール
から塗料を受け取り、塗料を受け取ったアプリケータロ
ールが塗工ライン上を連続走行する金属帯に接触して金
属帯に塗料を塗布する連続塗工によって形成される金属
帯の塗膜の塗膜厚を目標塗膜厚に制御する連続塗工の塗
膜厚制御方法において、ピックアップロールとメタリン
グロールの間を通過する塗料の流量から、ピックアップ
ロールとアプリケータロールの間を通過する塗料の流量
と、アプリケータロールと金属帯の間を通過する塗料の
流量を差し引いた差引流量値を求め、差引流量値を用い
て塗膜厚を求める塗膜厚モデル式から、目標塗膜厚とな
る塗膜を形成するのに適したピックアップロールとメタ
リングロールの間のロール間ギャップを求め、塗膜厚モ
デル式に基づいて求めたピックアップロールとメタリン
グロールの間のロール間ギャップから、ピックアップロ
ールとメタリングロールの間の塗料のせん断速度を求
め、ピックアップロールとメタリングロールの間の塗料
のせん断速度から、ピックアップロールとメタリングロ
ールの間を通過する塗料の粘度を求め、潤滑流体理論に
基づいて、ピックアップロールとメタリングロールの間
を通過する塗料の粘度から、ピックアップロールとメタ
リングロールの間の押し付け荷重を求め、当該潤滑流体
理論に基づいて求められたピックアップロールとメタリ
ングロールの間の押し付け荷重を用いて連続塗工を行う
連続塗工の塗膜厚制御方法である。
【0019】したがって、請求項1に対応する発明にお
いては、せん断速度と塗料粘度の関係を反映させて塗膜
厚の制御を行うため、高精度に塗膜厚を制御することが
できる。
【0020】ゆえに、操業前の塗装試験時間を削減で
き、大幅に生産能率及び歩留りを向上させることができ
る。次に、請求項2に対応する発明は、請求項1記載の
連続塗工の塗膜厚制御方法において、連続塗工により金
属帯に形成された塗膜の塗膜厚を測定し、当該測定によ
って得られる測定塗膜厚が目標塗膜厚に近づくように制
御する場合に、測定塗膜厚と目標塗膜厚の差を求めて塗
膜厚差とし、塗膜厚モデル式に基づいて、塗膜厚差に対
応するピックアップロールとメタリングロールの間を通
過する塗料の流量を求め、塗膜厚差に対応するピックア
ップロールとメタリングロールの間を通過する塗料の流
量を用いて、ピックアップロールとメタリングロールの
間のロール間ギャップを目標塗膜厚を形成するのに適し
たものに補正し、補正したピックアップロールとメタリ
ングロールの間のロール間ギャップから、ピックアップ
ロールとメタリングロールの間の塗料のせん断速度を求
め、ピックアップロールとメタリングロールの間の塗料
のせん断速度から、ピックアップロールとメタリングロ
ールの間を通過する塗料の粘度を求め、潤滑流体理論に
基づいて、ピックアップロールとメタリングロールの間
を通過する塗料の粘度から、ピックアップロールとメタ
リングロールの間の押し付け荷重を求め、当該潤滑流体
理論に基づいて求められたピックアップロールとメタリ
ングロールの間の押し付け荷重を用いて連続塗工を行う
連続塗工の塗膜厚制御方法である。
【0021】したがって、請求項2に対応する発明にお
いては、塗工中の塗膜厚の変動に対しても応答性よく目
標塗膜厚に制御することができるため、塗膜厚外れによ
る欠陥を減少させることができ、これにより歩留りを向
上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形
態による塗膜厚制御方法を用いて連続塗工を行うための
ロールコータの一例を示す構成図である。ここで、図8
と同一の部分には同一符号を付して説明を省略するか、
または簡単に説明する。なお、ここでは、連続塗工に用
いる塗料として、非ニュートン流体の場合を例に挙げて
説明する。
【0023】すなわち、このロールコータ1は、塗料9
が貯留されている塗料パン皿2からピックアップロール
3によって塗料9を汲み上げ、このピックアップロール
3に接触させたメタリングロール4によってピックアッ
プロール3が汲み上げた塗料9の量を調整し、さらにピ
ックアップロール3とアプリケータロール5を接触させ
てアプリケータロール5に塗料9を供給し、アプリケー
タロール5から連続走行する金属帯8に塗料9を塗布す
る。
【0024】このようなロールコータ1において、乾燥
後の金属帯8の塗膜厚tは、ピックアップロール3とメ
タリングロール4の間を通過する流量qpmから、ピック
アップロール3からアプリケータロール5に塗料9を供
給する際に両ロール間を通過する流量qap、及びアプリ
ケータロール5から金属帯8に塗料9を塗布する際にこ
のアプリケータロール5と金属帯8の間を通過する流量
saを差し引いた量と、塗料9の固形分濃度Nv と、金
属帯8のライン速度LSとで、(1)式のように表され
る。
【0025】 t=Nv ・(qpm−qap−qsa)/LS …(1) Nv :塗料9の固形分濃度 LS:金属帯8のライン速度 図2は、ロール間ギャップとロール間の周速差の積と、
ロール間を通過する流量との関係の一例を示す図であ
る。このように、ロール間ギャップとロール間の周速差
の積と、ロール間を通過する流量との関係は比例関係で
あることから、流量qpm、流量qap、流量qsaはそれぞ
れ(2)〜(4)式で表される。
【0026】 qpm=λ・(Vp −Vm )・Hpm …(2) qap=λ・(Vp −Va )・Hap …(3) qsa=λ・(Va −LS)・Hsa …(4) ここで、Vp 、Vm 、Va はそれぞれピックアップロー
ル3のロール周速、メタリングロール4のロール周速、
アプリケータロール5のロール周速である。また、
pm、Hap、Hsaはそれぞれピックアップロール3とメ
タリングロール4の間のロール間ギャップ、ピックアッ
プロール3とアプリケータロール5の間のロール間ギャ
ップ、アプリケータロール5と金属帯8の間のギャップ
である。さらに、λは、実験値等によって定められる比
例定数である。
【0027】また、(2)〜(4)式における各ロール
間ギャップHpm、Hap、Hsaは、流体潤滑理論を用いて
(5)〜(7)式によって求めることができる。 Hpm=α(Vp +Vm0.5 ・ηpm 0.5 ・Fpm -0.17 …(5) Hap=β(Vp +Va0.5 ・ηap 0.5 ・Fap -0.17 …(6) Hsa=γ(Va +LS)0.5 ・ηsa 0.5 ・Fsa -0.17 …(7) ここで、α、β、γは、それぞれロール3、4、5にお
けるロール半径、ロール表面の硬度によって定められる
定数である。また、Fpm、Fap、Fsaは、それぞれピッ
クアップロール3とメタリングロール4の間の単位長さ
あたりの押し付け荷重、ピックアップロール3とアプリ
ケータロール5の間の単位長さあたりの押し付け荷重、
アプリケータロール5と金属帯8の間の単位長さあたり
の押し付け荷重である。
【0028】さらに、ηpm、ηap、ηsaは、それぞれピ
ックアップロール3とメタリングロール4の間のギャッ
プ中における塗料粘度、ピックアップロール3とアプリ
ケータロール5の間のギャップ中における塗料粘度、ア
プリケータロール5と金属帯8の間のギャップ中におけ
る塗料粘度である。この塗料粘度ηpm、ηap、ηsaは、
(8)〜(10)式により求まるロール間の相対速度W
pm、Wap、Wsaと、ロール間のギャップHpm、Hap、H
saとによる関数から求まる。
【0029】Wpm=Vp +Vm …(8) Wap=Vp +Va …(9) Wsa=Va +LS …(10) すなわち、塗料9が非ニュートン流体の場合において、
塗料粘度ηpm、ηap、ηsaとせん断速度Dpm、Dap、D
saの関係は、一般的に図3に示すようなものであり、塗
料粘度ηpm、ηap、ηsaはせん断速度Dpm、Dap、Dsa
による関数から求まり、この関数は(11)〜(13)
式のように表される。
【0030】ηpm=f(Dpm) …(11) ηap=f(Dap) …(12) ηsa=f(Dsa) …(13) また、せん断速度Dpm、Dap、Dsaは、ロール間の相対
速度Wpm、Wap、Wsaとロール間ギャップHpm、Hap
saによって(14)〜(16)式のように表される。
【0031】Dpm=Wpm/Hpm …(14) Dap=Wap/Hap …(15) Dsa=Wsa/Hsa …(16) よって、塗料粘度は(17)〜(19)式のように表さ
れる。
【0032】ηpm=f(Wpm/Hpm) …(17) ηap=f(Wap/Hap) …(18) ηsa=f(Wsa/Hsa) …(19) 次に、上記の(1)〜(19)式を用いて、本実施の形
態による連続塗工の塗膜厚制御方法によって塗膜厚を目
標塗膜厚に制御する場合の処理について説明する。
【0033】まず、所定のライン速度に基づいて、ロー
ル周速Vp 、Vm 、Va を定め、ロール間の単位長さあ
たりの押し付け荷重Fap、Fsaを定める。また、(8)
〜(10)式によって、ロール周速Vp 、Vm 、Va
ら、ロール間の相対速度Wpm、Wap、Wsaを求める。
【0034】次に、ロール間ギャップHapを仮に定め、
(18)式によって、この仮定のHapとロール間の相対
速度Wapから、塗料粘度ηapを求める。次に、(18)
式によって求めたηapと、ロール周速Vp 、Va と、押
し付け荷重Fapを(6)式に代入してロール間ギャップ
apを求める。
【0035】ここで、(6)式によって求めたロール間
ギャップHapと先に述べた仮定のロール間ギャップHap
を比較し、(6)式によって求めたロール間ギャップH
apと仮定のロール間ギャップHapが、ほぼ一致するまで
仮定のロール間ギャップHapを変化させ、この比較及び
変化を繰り返し行い、ほぼ一致するロール間ギャップH
apを求める。
【0036】すなわち、仮定のロール間ギャップH
apと、(6)式によって求めたロール間ギャップH
apが、近づくように収束処理を行ってロール間ギャップ
apを求める。
【0037】同様に、仮定のロール間ギャップHsaを定
め、(19)式及び(7)式を用いて、収束処理を行っ
てロール間ギャップHsaを求める。次に、求めたロール
間ギャップHapを(3)式に代入し、流量qapを求め
る。
【0038】同様に、求めたロール間ギャップHsa
(4)式に代入し、流量qsaを求める。次に、求めた流
量qap、qsaと目標塗膜厚tを(1)式に代入し、流量
pmを求める。
【0039】次に、求めたqpmを(2)式に代入してロ
ール間ギャップHpmを求める。次に、求めたロール間ギ
ャップHpmと相対速度Wpmを(17)式に代入して塗膜
粘度ηpmを求める。
【0040】そして、求めたロール間ギャップHpmと求
めた塗膜粘度ηpmを(5)式に代入して押し付け荷重F
pmを求め、ピックアップロール3とメンタリングロール
4の間の押し付け荷重をこの求めた押し付け荷重Fpm
設定して、塗膜を形成する。
【0041】ここで、ロールコータ1の下流側に塗膜厚
計を設置し、上記の塗膜厚制御方法によって設定された
押し付け荷重Fpmによる連続塗工の実行中において、塗
膜厚計によって測定された塗膜厚が変動した場合の処理
について説明する。
【0042】まず、塗膜厚によって測定された塗膜厚が
変動した場合、目標塗膜厚と測定された塗膜厚の差を求
め、この求めた差をΔtとする。次に、(1)式の塗膜
厚tに求めたΔtを代入し、この場合の流量qpmを求め
てΔqpmとする。
【0043】次に、(2)式の流量qpmに求めたΔqpm
を代入し、この場合のロール間ギャップHpmを求めてΔ
pmとする。次に、(2)式によって求めたΔHpmを用
いて、ロール間ギャップHpmを補正する。
【0044】次に、補正したロール間ギャップHpmと相
対速度Wpmを(17)式に代入して塗膜粘度ηpmを求め
る。そして、補正したロール間ギャップHpmと求めた塗
膜粘度ηpmを(5)式に代入して押し付け荷重Fpmを求
め、ピックアップロール3とメンタリングロール4の間
の押し付け荷重をこの求めた押し付け荷重Fpmに設定
し、塗膜を形成する。
【0045】以上のように本実施の形態による連続塗工
の塗膜厚制御方法においては、非ニュートン流体の塗料
9に対しても、せん断速度Dpm、Dap、Dsaと塗料粘度
ηpm、ηap、ηsaの関係を反映させて、ピックアップロ
ール3とメタリングロール4の間の押し付け荷重を求
め、当該押し付け荷重Fpmを用いて連続塗工を行うの
で、高精度に塗膜厚を制御することができる。
【0046】したがって、操業前の塗装試験時間を削減
でき、大幅に生産能率及び歩留りを向上させることがで
きる。また、測定塗膜厚を目標塗膜厚に修正する場合
に、測定塗膜厚と目標塗膜厚の差に基づいてピックアッ
プロール3とメタリングロール4の間のロール間ギャッ
プを補正し、この補正したロール間ギャップに基づいて
せん断速度Dpmと塗料粘度ηpmを求め、このせん断速度
pmと塗料粘度ηpmの関係を考慮した上で、ピックアッ
プロール3とメタリングロール4の間の押し付け荷重を
求め、当該押し付け荷重Fpmを用いて連続塗工を行うの
で、高精度に塗膜厚を制御することができる。
【0047】また、塗工中の塗膜厚の変動に対しても応
答性よく目標塗膜厚に制御することができるため、塗膜
厚外れによる欠陥を減少させることができ、これにより
歩留りを向上させることができる。
【0048】なお、本実施の形態による連続塗工の塗膜
厚制御方法は、図4に示すように、ロールコータ1にバ
ックアップロール6がない場合においても同様に適用で
き、また、図5に示すように、ロールコータ1にバック
アップロール6がなく、かつ走行ラインが垂直方向の場
合においても同様に適用できる。
【0049】また、本実施の形態による連続塗工の塗装
厚制御方法においては、塗料9が非ニュートン流体の場
合を例として挙げたが、塗料9が非ニュートン流体でな
い場合においても同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
【実施例】図1に示したピックアップロール3、メタリ
ングロール4、アプリケータロール5を持つロールコー
タ1を用い、操業条件及び塗料9の物性値を表1に示す
操業範囲に設定し、塗料9に非ニュートン流体である1
3種類のポリエステル系塗料を用いて、本発明に係る連
続塗工の塗膜厚制御方法を適用した結果について説明す
る。
【0051】
【表1】
【0052】各塗料について、せん断速度と塗料粘度の
関係は、予め塗料粘度の測定を行って求めている。表1
の操業範囲に対して本発明に係る連続塗工の塗膜厚制御
方法を適用し、ピックアップロール3とメタリングロー
ル4の間の押し付け荷重を求めて塗膜を形成した場合に
おいて、本制御方法を適用して形成された塗膜を測定し
た測定塗膜厚と目標塗膜厚の関係は、図6に示すように
なり、塗膜厚のばらつきσは1.1μmであった。
【0053】次に、ロールコータ1の下流側に塗膜厚計
を設置し、この塗膜厚計により測定された塗膜厚値が目
標塗膜厚と異なる場合において、本制御方法を適用した
場合の結果について説明する。
【0054】図7は、測定塗膜厚と目標塗膜厚が異なる
場合における本制御方法による塗膜厚の変化及び従来の
制御方法による塗膜厚の変化の一例を示す図である。本
制御方法においては、予め、塗料粘度の測定を行ってせ
ん断速度と塗料粘度の関係が明らかになっている塗料を
用いており、ライン速度40mpmにおいて塗膜厚30
μmを目標塗膜厚20±2μmとなるように制御を試み
ている。
【0055】一方、従来の制御方法には、操業実施デー
タを基にした重回帰計算により制御を試みている。従来
の制御方法においては、制御開始から1.8秒後に測定
塗膜厚値を目標塗膜厚以内に収めることができたのに対
して、本制御方法では、制御開始から0.3秒後に測定
塗膜厚値を目標塗膜厚以内に収めており、本制御方法の
方がより応答性良く塗膜厚を制御していることを示して
いる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る連続
塗工の塗膜厚制御方法によれば、せん断速度と塗料粘度
の関係を考慮した上で、ピックアップロールとメタリン
グの間の押し付け荷重を求め、当該押し付け荷重を用い
て連続塗工を行うので、高精度に塗膜厚を制御すること
ができる。
【0057】したがって、操業前の塗装試験時間を削減
でき、大幅に生産能率及び歩留りを向上させることがで
きる。また、別の発明によれば、連続塗工により金属帯
に形成された塗膜の塗膜厚を測定し、当該測定によって
得られる測定塗膜厚が目標塗膜厚に近づくように制御す
る場合に、測定塗膜厚と目標塗膜厚の差を求めて塗膜厚
差とし、この塗膜厚差に基づいてピックアップロールと
メタリングロールの間のロール間ギャップを補正し、こ
の補正したロール間ギャップに基づいて求まるせん断速
度と塗料粘度の関係を考慮した上で、ピックアップロー
ルとメタリングロールの間の押し付け荷重を求め、当該
押し付け荷重を用いて連続塗工を行うので、高精度に塗
膜厚を制御することができる。
【0058】また、塗工中の塗膜厚の変動に対しても応
答性よく目標塗膜厚に制御することができるため、塗膜
厚外れによる欠陥を減少させることができ、これにより
歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態による塗膜厚制御方法
を用いて連続塗工を行うためのロールコータの一例を示
す構成図。
【図2】ロール間ギャップとロール間の周速差の積と、
ロール間を通過する流量との関係の一例を示す図。
【図3】非ニュートン流体の塗料における塗料粘度とせ
ん断速度の関係の一例を示す図。
【図4】バックアップロールのないロールコータの一例
を示す図。
【図5】走行ラインが垂直方向なロールコータの一例を
示す図。
【図6】本発明に係る連続塗工の塗膜厚制御方法を適用
して形成された塗膜を測定した測定塗膜厚と目標塗膜厚
の関係の一例を示す図。
【図7】測定塗膜厚と目標塗膜厚が異なる場合における
本制御方法による塗膜厚の変化及び従来の制御方法によ
る塗膜厚の変化の一例を示す図。
【図8】連続塗工に用いられるロールコータの一例を示
す図。
【符号の説明】
1…ロールコータ 2…塗料パン皿 3…ピックアップロール 4…メタリングロール 5…アプリケータロール 6…バックアップロール 7…ドクターブレード 8…金属帯 9…塗料

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピックアップロールが塗料を汲み上げ、
    前記ピックアップロールに接触するメタリングロールが
    ピックアップロールの汲み上げた塗料の量を調整し、前
    記塗料の量の調整されたピックアップロールに接触する
    アプリケータロールが当該ピックアップロールから塗料
    を受け取り、前記塗料を受け取ったアプリケータロール
    が塗工ライン上を連続走行する金属帯に接触して前記金
    属帯に塗料を塗布する連続塗工によって形成される前記
    金属帯の塗膜の塗膜厚を目標塗膜厚に制御する連続塗工
    の塗膜厚制御方法において、 前記ピックアップロールと前記メタリングロールの間を
    通過する塗料の流量から、前記ピックアップロールと前
    記アプリケータロールの間を通過する塗料の流量と、前
    記アプリケータロールと前記金属帯の間を通過する塗料
    の流量を差し引いた差引流量値を求め、 前記差引流量値を用いて塗膜厚を求める塗膜厚モデル式
    から、目標塗膜厚となる塗膜を形成するのに適した前記
    ピックアップロールと前記メタリングロールの間のロー
    ル間ギャップを求め、 前記塗膜厚モデル式に基づいて求めた前記ピックアップ
    ロールとメタリングロールの間のロール間ギャップか
    ら、前記ピックアップロールと前記メタリングロールの
    間の塗料のせん断速度を求め、 前記ピックアップロールと前記メタリングロールの間の
    塗料のせん断速度から、前記ピックアップロールと前記
    メタリングロールの間を通過する塗料の粘度を求め、 潤滑流体理論に基づいて、前記ピックアップロールと前
    記メタリングロールの間を通過する塗料の粘度から、前
    記ピックアップロールと前記メタリングロールの間の押
    し付け荷重を求め、 当該潤滑流体理論に基づいて求められた前記ピックアッ
    プロールと前記メタリングロールの間の押し付け荷重を
    用いて連続塗工を行うことを特徴とする連続塗工の塗膜
    厚制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の連続塗工の塗膜厚制御方
    法において、 前記連続塗工により前記金属帯に形成された塗膜の塗膜
    厚を測定し、当該測定によって得られる測定塗膜厚が前
    記目標塗膜厚に近づくように制御する場合に、 前記測定塗膜厚と前記目標塗膜厚の差を求めて塗膜厚差
    とし、 前記塗膜厚モデル式に基づいて、前記塗膜厚差に対応す
    るピックアップロールとメタリングロールの間を通過す
    る塗料の流量を求め、 前記塗膜厚差に対応するピックアップロールとメタリン
    グロールの間を通過する塗料の流量を用いて、前記ピッ
    クアップロールと前記メタリングロールの間のロール間
    ギャップを目標塗膜厚を形成するのに適したものに補正
    し、 前記補正したピックアップロールとメタリングロールの
    間のロール間ギャップから、前記ピックアップロールと
    前記メタリングロールの間の塗料のせん断速度を求め、 前記ピックアップロールと前記メタリングロールの間の
    塗料のせん断速度から、前記ピックアップロールと前記
    メタリングロールの間を通過する塗料の粘度を求め、 潤滑流体理論に基づいて、前記ピックアップロールと前
    記メタリングロールの間を通過する塗料の粘度から、前
    記ピックアップロールと前記メタリングロールの間の押
    し付け荷重を求め、 当該潤滑流体理論に基づいて求められた前記ピックアッ
    プロールと前記メタリングロールの間の押し付け荷重を
    用いて連続塗工を行うことを特徴とする連続塗工の塗膜
    厚制御方法。
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