JPH10275403A - 摩耗摩擦試験方法 - Google Patents

摩耗摩擦試験方法

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JPH10275403A
JPH10275403A JP8090197A JP8090197A JPH10275403A JP H10275403 A JPH10275403 A JP H10275403A JP 8090197 A JP8090197 A JP 8090197A JP 8090197 A JP8090197 A JP 8090197A JP H10275403 A JPH10275403 A JP H10275403A
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friction
stylus
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JP8090197A
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Shigeru Umemura
茂 梅村
Shigeru Hirono
滋 廣野
Yasuko Ando
康子 安藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、AFMを用いた超低荷重条件
における摩耗摩擦特性評価試験において、AFMのラス
タースキャン方式では摺動速度の高速化に限界がある欠
点を克服して、AFMを用いても高摺動速度の摩耗摩擦
試験方法を実現することにある。 【解決手段】本発明は、円筒型PZTアクチュエータ1
のX電極2に余弦波、Y電極3に正弦波の電圧を同時に
印加して該円筒型PZTアクチュエータ1に回転運動を
生じさせ、円筒型PZTアクチュエータ1上に固着させ
た平板状試料6に触針8を押圧して該触針8と該平板状
試料6間に摩耗および摩擦を生じさせることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は相互に摺動する物質
間の摩耗摩擦試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質の面と面が接触し相互に摺動する機
構は非常に多くの装置で用いられており、その装置およ
び機構等の評価、開発のために、摩耗摩擦に関する様々
な試験方法がある。例えば、パーソナルコンピュータ等
に用いられている磁気ディスク装置ではコンタクト・ス
タート・ストップ(CSS)方式が採用されており、デ
ィスクの始動時および停止時に磁気ヘッドを搭載したス
ライダとディスクが摺動するため、スライダとディスク
間の摩耗摩擦特性の評価が必要となる。
【0003】図7はこの磁気ディスク摩耗摩擦試験機の
主要部を説明する図である。ここで、30は磁気ディス
ク、31は磁気ヘッド、32はサスペンション、33は
サスペンション支持部材、34は摩擦力検出センサを示
す。磁気ディスク30は回転機構(図示せず)上に固定
され、磁気ヘッド31はサスペンション32を介して、
磁気ディスク30表面に押圧されている。コンタクト・
スタート・ストップ(CSS)方式では、磁気ディスク
30の停止時に磁気ヘッド31は磁気ディスク30に接
触した状態で置かれており、磁気ディスク30が始動す
ると、磁気ディスク30と磁気ヘッド31は相互に摺動
する運動を受け、両者に摩擦および摩耗も生ずる。磁気
ディスク30の回転数があるレベルに達すると、磁気デ
ィスク30と磁気ヘッド31の間に流入する空気の圧力
によって磁気ヘッド31は浮上し、その摩擦力は極めて
小さな値を示すようになる。さらに、磁気ディスク30
が停止する際は、磁気ヘッド31は再度、磁気ディスク
30表面に接し、ここで摩擦および摩耗を生じる。磁気
ディスクの摩耗摩擦試験では、これらCSS時の摩擦特
性を評価する必要があり、CSS時の摩擦力を測定する
ため、サスペンション支持部材33に摩擦力検出センサ
34が取り付けられている。この、摩擦力検出センサ3
4には歪みゲージがよく用いられている。このような測
定系は実際のハードディスク装置に近いものであり、磁
気ヘッド31の押圧力は実際の装置と同様、10mNの
オーダにある。図7に示すような試験機は、実際のハー
ドディスク装置に近い形での試験が可能な利点があるも
のの、例えば、磁気ディスク30の表面に形成されてい
る保護膜に関して、より低荷重から摩耗摩擦特性を評価
するという場合には不向きな試験方法である。
【0004】一方、最近、原子間力顕微鏡(Atomi
c Force Microscopy:AFM)を用
いて、超低荷重条件における表面の微少な領域での摩耗
摩擦特性を評価することが盛んに行われるようになって
きており、磁気ディスク用保護膜などの極薄膜の摩耗摩
擦特性評価にも使われている。しかし、AFMの主用途
が表面の超微細な形状観察であることから、円筒型PZ
Tアクチュエータの駆動は図6に示すラスタースキャン
方式が用いられており、AFMの触針・試料表面間の相
対摺動速度は低速であるという欠点があった。なお、図
6はAFMのラスタースキャン方式の概略を示し、1が
円筒型PZTアクチュエータ、5が試料ホルダ、6が平
板状試料、7がカンチレバー、8が触針である。AFM
による摩耗試験では高荷重条件でのスキャンで図に示す
ような方法で摩耗痕を形成し、低荷重条件で表面形状を
測定して、摩耗痕形状、摩耗痕深さなど摩耗特性に関す
る情報を得る。
【0005】一般に、摩耗の状況は荷重(圧力)と摺動
速度によって大きく影響を受け、金属摩耗の場合には、
圧力と摺動速度をパラメータとしてマイルドウェア、シ
ビアウェアの領域分けがなされている。AFMを用いた
摩耗試験においても、荷重と摺動速度で摩耗がどのよう
に変化するかを明らかにし、摩耗が極微少である条件を
見いだすことができれば、超低摩耗が必要な分野への応
用展開が期待できる。そのため、AFMによる摩耗試験
でも高摺動速度の摩耗試験方法が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、AFMを用いた超低荷重条件に
おける摩耗摩擦特性評価試験において、AFMのラスタ
ースキャン方式では摺動速度の高速化に限界がある欠点
を克服して、AFMを用いても高摺動速度の摩耗摩擦試
験方法を確立することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の摩耗摩擦試験方法は、少なくとも直交する2
つの異なる水平方向へステージを変位させる駆動手段を
有する試料ホルダに対し、前記駆動手段の一方向の成分
を余弦波、もう一方向の成分を正弦波とすることによ
り、前記ステージに円運動させるステップと、前記ステ
ージ上に固定された平板状試料に対し、弾性体であるカ
ンチレバーに固定された触針を押圧して、前記試料と前
記触針との間に摩擦を発生させるとともに前記試料に摩
耗を生じさせるステップとを具備することを特徴とす
る。
【0008】また本発明は、上記摩耗摩擦試験方法にお
いて、前記摩擦を発生させている状態で、摩擦により前
記触針に印加される、前記円運動の接線方向の成分の力
を測定するステップを有することを特徴とする。
【0009】また本発明は、上記摩耗摩擦試験方法にお
いて、前記摩擦を発生させている状態で、前記押圧に伴
う前記触針の前記試料面に対する法線方向の変位を一定
に保つことにより、前記触針の前記試料に対する押圧を
一定に保つステップを有することを特徴とする また本発明は、上記摩耗摩擦試験方法において、前記摩
耗を生じさせた後に、前記試料面に押圧された前記触針
を前記試料平面内で移動させた場合の、前記触針の前記
試料面に対する法線方向の変位を測定することにより、
前記摩耗により形成された摩耗痕跡の形状及び深さを含
む摩耗量を測定するステップを有することを特徴とす
る。
【0010】以下に本発明の基本的構成を説明する。本
発明では、AFM装置の円筒型PZTアクチュエータの
X電極に余弦波、Y電極に正弦波の電圧を同時に印加し
て円筒型PZTアクチュエータに回転運動を生じさせ、
円筒型PZTアクチュエータ上の平板状試料に触針を押
圧して、触針と平板状試料間に摩耗摩擦を生じさせる方
法を考案した。さらに、本方法と摩耗痕深さおよび形状
を測定する方法を組み合わせて摩耗量を測定可能とする
試験方法、および、本方法と触針・平板状試料間の摩擦
力を測定する方法を組み合わせることによって、摩擦力
測定を可能とする試験方法を考案した。
【0011】AFMの主用途は前述のように表面の微細
な形状観察であり、形状情報のサンプリングレートは一
定であることから、触針のスキャン速度が一定であるラ
スタースキャン方式が用いられている。ラスタースキャ
ンを行うためには円筒型PZTアクチュエータの駆動に
三角波が用いられる。しかし、三角波駆動の場合は基本
周波数の奇数次の高調波成分が駆動波に含まれるため、
駆動周波数を上げていくと、奇数次の高調波成分が円筒
型PZTアクチュエータ共振周波数に近づいたところ
で、円筒型PZTアクチュエータの共振が生じる。しか
も、この共振はブロードが多くの帯域で生じるため、共
振の合間をぬって駆動周波数を選択できる自由度は小さ
い。例えば、実験では、X電極あるいはY電極の印加電
圧が±220Vのとき最大15μm変位する円筒型PZ
Tアクチュエータに平板状試料を搭載した場合、共振周
波数は約1.4kHzであったのに対して、外部から三
角波の駆動電圧を加えると、約60Hzという低周波数
から共振の兆候がみられた。円筒型PZTアクチュエー
タに共振が現れると、摺動速度にばらつきが生じるた
め、共振は避けなければならない。したがって、上記よ
り、約50Hzがラスタースキャンの駆動上限といえ
る。円筒型PZTアクチュエータのスキャン範囲とこの
駆動上限を考え合わせると、ラスタースキャン方式での
最大摺動速度は1×10-3m/sのオーダとなる。ま
た、摩耗摩擦試験を行う場合、摺動速度は可変であり、
かつ特定の摺動速度に一定に保てるようでなければなら
ない。
【0012】一方、円筒型PZTアクチュエータを正弦
波で駆動する場合は駆動波形に高調波成分が含まれない
ため、円筒型PZTアクチュエータの共振周波数近くま
で駆動周波数を高めることが可能である。さらに、円筒
型PZTアクチュエータを等速円運動させれば、触針と
試料間の摺動速度も等速度にできる。この、円筒型PZ
Tアクチュエータの等速円運動は、図3に示すように、
円筒型PZTアクチュエータのX電極、Y電極にそれぞ
れ位相のそろった余弦波、正弦波の駆動電圧を印加すれ
ば可能である。本発明では、この点に着目して、AFM
装置の円筒型PZTアクチュエータのX電極、Y電極に
位相のそろった余弦波、正弦波の駆動電圧を印加して円
筒型PZTアクチュエータを回転運動させる。これによ
り、摺動速度を高速化した摩耗摩擦試験方法が実現でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態例を詳細に説明する。本発明の第1の実施形態例
を図1に示す。図1は、通常のAFM装置に円筒型PZ
Tアクチュエータを回転運動させるための外部駆動電源
を接続したものである。ここで、1は円筒型PZTアク
チュエータ、2はX電極、3はY電極、4はZ電極、5
は試料ホルダ、6は平板状試料、7はカンチレバー、8
は触針、9はカンチレバーホルダ、10はカンチレバー
位置合わせ用アクチュエータ、11はカンチレバー保持
機構、12は変位センサ、13は変位センサプローブ、
14はカンチレバー保持機構支持部、15は支持台、1
6は2出力可変位相発振器、17はX電極用増幅器、1
7′はY電極用増幅器、18は制御回路、19はZ電極
用増幅器であり、16,17,17′が円筒型PZTア
クチュエータ1を回転運動させるための外部駆動電源で
ある。なお、図1で、AFM装置本来に備わっている円
筒型PZTアクチュエータ1をラスタースキャンさせる
ための電源は図示されていない。円筒型PZTアクチュ
エータ1の上部には試料ホルダ5が固定されており、そ
の上に平板状試料6が固定される。カンチレバー7はカ
ンチレバーホルダ9に固定され、さらにカンチレバーホ
ルダ9はカンチレバー位置合わせ用アクチュエータ10
の下部に固定されている。カンチレバーホルダ9とカン
チレバー位置合わせ用アクチュエータ10は、カンチレ
バー保持機構11によって、3次元的に、すなわち、
X,Y,Z軸に沿っての移動および各軸を中心とする回
転で位置合わせされる。これの他、カンチレバー7はカ
ンチレバー位置合わせ用アクチュエータ10によってZ
軸方向位置の微調整がなされる。カンチレバー7の先端
には触針8が取り付けられ、触針8の材料には通常ダイ
ヤモンドやサファイヤを三角錐状に研摩したものが使用
される。また、触針8がカンチレバー7のばね力によっ
て平板状試料6に押圧された状態で円筒型PZTアクチ
ュエータ1がスキャン運動すると、平板状試料6の表面
形状に応じてカンチレバー7が変位する。この変位を変
位センサ12、変位センサプローブ13によって測定す
ると、平板状試料6の表面形状に対応した情報が得られ
る。特に、円筒型PZTアクチュエータ1をラスタース
キャンし、カンチレバー7の変位をサンプリングして、
それとサンプリング時のX,Y座標を組み合わせると、
平板状試料6の表面形状に関する3次元情報が収集さ
れ、これを画像化すると表面形状が可視化できる。これ
が、AFMの基本原理である。一方、今述べたことは、
平板状試料6の表面形状に応じてカンチレバー7が変位
する、すなわち表面形状によって表面にかかる押圧力は
変化する。これに対して、カンチレバー7の変位量が常
に一定になるように制御回路18およびZ電極用増幅器
19によって、円筒型PZTアクチュエータ1をZ方向
に変位させると、表面にかかる押圧力を一定に保つこと
ができるとともに、円筒型PZTアクチュエータ1のZ
方向を変位させる制御回路18の信号が、平板状試料6
の表面形状に対応したものになる。この制御回路18の
信号を較正すれば、同時に表面形状の絶対値測定も可能
である。この測定方法は平板状試料6の表面形状にかか
る触針8の押圧力が一定のため、AFMにおいて力一定
のモードと呼ばれている。これに対して、前に述べた測
定法は高さ一定のモードと呼ばれている。なお、以上に
述べた各構成要素は、カンチレバー保持機構支持部14
を介して全体が支持台15上に配置されている。
【0014】次に、本発明の主眼である円筒型PZTア
クチュエータ1を回転させる駆動方法とそれによって得
られた結果例について説明する。まず、AFM装置に備
わっている円筒型PZTアクチュエータ1のX軸、Y軸
方向の駆動回路を切り、外部より円筒型PZTアクチュ
エータ1の回転のための電源を接続する。この電源は、
2出力可変位相発振器16とX電極用増幅器17、Y電
極用増幅器17′により、容易に構成することができ
る。円筒型PZTアクチュエータ1を回転運動させると
きは、図3に示すように、円筒型PZTアクチュエータ
1のX電極2、Y電極3にそれぞれ位相のあった余弦
波、正弦波の駆動電圧を印加する。これにより、カンチ
レバー7の押圧力、円筒型PZTアクチュエータ1の回
転周波数、総回転数をパラメータとする摩耗実験が可能
である。なお、円筒型PZTアクチュエータ1の回転中
のカンチレバー7の押圧力は、前記の力一定の測定モー
ドを使用すれば一定に保つことができ、また、前記の高
さ一定の測定モードであれば、平板状試料6にかかるカ
ンチレバー7の押圧力は平板状試料6の傾き度合によっ
て1回転のなかでばらつきを持つが、カンチレバー7の
変位量は変位センサ12によって測定可能のため、この
変位量とカンチレバー7のばね定数から押圧力を求める
ことができる。摩耗試験を終えたあと、AFM装置に備
わっている円筒型PZTアクチュエータ1のX軸、Y軸
方向の駆動回路を元に戻し、ラスタースキャン方式で平
板状試料6の表面形状を測定すれば、摩耗痕の形状や深
さについての情報を得ることができる。または単に、X
軸またはY軸方向に円筒型PZTアクチュエータ1を移
動させ、このときのカンチレバー7の変位量測定から摩
耗痕深さについての情報を得ることもできる。このよう
な摩耗試験結果の例として、触針8にダイヤモンドを使
用、平板状試料6に非晶質カーボン膜を使用、回転周波
数100Hz、総回転数1×104 回、荷重20〜60
μN(高さ一定の測定モードを使用のため1回転内でば
らつきを持つ)のときの摩耗痕形状を図4に示す。図の
ように円形の摩耗痕が形成されており、円筒型PZTア
クチュエータ1が確実に回転運動していることを示して
いる。また、もう一つの実施例として、摩耗高さの摺動
速度および荷重(Load)依存性の測定例を図5に示
す。図5に示すように、これまでラスタースキャン方式
では困難であった摩耗痕深さの摺動速度依存性のデータ
が得られている。本実験で使用した円筒型PZTアクチ
ュエータ1の共振周波数は平板状試料6搭載時で約1.
4kHzであり、回転駆動により約1kHzまでは安定
に回転することを光学顕微鏡観察によって確認してい
る。これにより、本実験の最大回転周波数は1kHzと
した。このときの摺動速度は2×10-2m/sである。
本実験の結果をもとに考えると、円筒型PZTアクチュ
エータの選択、駆動電源容量の増量により、摺動速度を
1×10-1m/sのオーダまで高めることは容易に可能
である。本発明により、ラスタースキャン方式での最大
摺動速度を2桁上回ることが可能である。
【0015】次に、図1に示した実施形態例による摩擦
力計測について説明する。平板状試料6が回転すると触
針8の先端の摩擦力によって、カンチレバー7は長手方
向の軸に沿ってねじれを生じる。図1に示した変位セン
サ12は、臨界角プリズム方式光変位センサ、光てこ方
式変位センサがよく使用されているが、両変位センサと
もカンチレバー7のZ方向の変位を測定するのみなら
ず、カンチレバー7の長手方向の軸に沿ってのねじれを
測定する機能を持っている。したがって、変位センサ1
2によってカンチレバー7のねじれ量を測定し、カンチ
レバー7のねじりばね定数より、摩擦力を求めることが
できる。すなわち、図1に示した第1の実施形態例は摩
耗試験装置のみならず、摩擦試験装置としての機能も持
っている。
【0016】次に、本発明の第2の実施形態例を図2に
示す。図2中、図1と同一部分は同一符号を付してその
説明を省略する。図2に示す第2の実施形態例が図1に
示す第1の実施形態例と異なる点は、カンチレバーホル
ダ9に摩擦力検出センサ21が取り付けられ、さらに摩
擦力検出センサ21のための摩擦力検出回路20が備え
られていることである。この第2の実施形態例は変位セ
ンサ12が、例えば静電容量変位センサ、光干渉変位セ
ンサのようにZ方向の変位測定機能のみを持つ場合に対
して、摩擦力測定を行う場合に有効な構成例である。こ
の第2の実施形態例で、摩耗試験、摩耗量測定の手順、
機能等は、前記の第1の実施形態例について説明した内
容と何等変わりはない。図2に示す実施形態例では、平
板状試料6と触針8に摩擦力が働くと、その力はカンチ
レバーホルダ9に水平方向の力となって作用するため、
例えば歪みゲージなどのセンサでその水平力を測定する
方式を採用している。このため、図2の実施形態例にお
けるカンチレバーホルダ9は水平方向にたわみやすくす
る必要があり、これは図7に示したサスペンション支持
部材33と同様な形状にすれば実現することができる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、AF
Mを用いた超低荷重条件における摩耗摩擦特性評価試験
において、AFMのラスタースキャン方式では摺動速度
の高速化に限界がある欠点を克服して、AFMを用いて
も高摺動速度の摩耗摩擦試験方法を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態例である摩耗摩擦試験
装置の主要部を示す構成説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態例である摩耗摩擦試験
装置の主要部を示す構成説明図である。
【図3】本発明に係る円筒型PZTアクチュエータのX
電極に余弦波、Y電極に正弦波の電圧を同時に印加して
該円筒型PZTアクチュエータに回転運動を生じさせる
ことを示す説明図である。
【図4】本発明に係る円筒型PZTアクチュエータの回
転運動によって生じた円形摩耗痕の測定例を示す顕微鏡
写真である。
【図5】本発明に係る摺動速度と摩耗深さの関係の一例
を示す特性図である。
【図6】従来のAFMのラスタースキャン方式による摩
耗試験方法を説明する斜視図である。
【図7】従来の磁気ディスク媒体と磁気ヘッド間の摩耗
および摩擦を試験する試験方法を説明する斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 円筒型PZTアクチュエータ 2 X電極 3 Y電極 4 Z電極 5 試料ホルダ 6 平板状試料 7 カンチレバー 8 触針 9 カンチレバーホルダ 10 カンチレバー位置合わせ用アクチュエータ 11 カンチレバー保持機構 12 変位センサ 13 変位センサプローブ 14 カンチレバー保持機構支持部 15 支持台 16 2出力可変位相発振器 17 X電極用増幅器 17′ Y電極用増幅器 18 制御回路 19 Z電極用増幅器 20 摩擦力検出回路 21 摩擦力検出センサ 30 磁気ディスク 31 磁気ヘッド 32 サスペンション 33 サスペンション支持部材 34 摩擦力検出センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも直交する2つの異なる水平方
    向へステージを変位させる駆動手段を有する試料ホルダ
    に対し、前記駆動手段の一方向の成分を余弦波、もう一
    方向の成分を正弦波とすることにより、前記ステージに
    円運動させるステップと、 前記ステージ上に固定された平板状試料に対し、弾性体
    であるカンチレバーに固定された触針を押圧して、前記
    試料と前記触針との間に摩擦を発生させるとともに前記
    試料に摩耗を生じさせるステップとを具備することを特
    徴とする摩耗摩擦試験方法。
  2. 【請求項2】 前記摩擦を発生させている状態で、摩擦
    により前記触針に印加される、前記円運動の接線方向の
    成分の力を測定するステップを有することを特徴とする
    請求項1記載の摩耗摩擦試験方法。
  3. 【請求項3】 前記摩擦を発生させている状態で、前記
    押圧に伴う前記触針の前記試料面に対する法線方向の変
    位を一定に保つことにより、前記触針の前記試料に対す
    る押圧を一定に保つステップを有することを特徴とする
    請求項1記載の摩耗摩擦試験方法。
  4. 【請求項4】 前記摩耗を生じさせた後に、前記試料面
    に押圧された前記触針を前記試料平面内で移動させた場
    合の、前記触針の前記試料面に対する法線方向の変位を
    測定することにより、前記摩耗により形成された摩耗痕
    跡の形状及び深さを含む摩耗量を測定するステップを有
    することを特徴とする請求項1記載の摩耗摩擦試験方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006524317A (ja) * 2002-12-20 2006-10-26 モレキュラー・イメージング・コーポレーション 走査プローブ型顕微鏡用の迅速走査ステージ

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