JP2001091445A - スクラッチ強度試験装置および試験方法 - Google Patents

スクラッチ強度試験装置および試験方法

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JP2001091445A
JP2001091445A JP27378999A JP27378999A JP2001091445A JP 2001091445 A JP2001091445 A JP 2001091445A JP 27378999 A JP27378999 A JP 27378999A JP 27378999 A JP27378999 A JP 27378999A JP 2001091445 A JP2001091445 A JP 2001091445A
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Kouji Tani
谷  弘詞
Yoko Ogawa
陽子 小川
Toru Sasaoka
徹 笹岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速で連続的に荷重を変化させながらスクラッ
チ試験を行うことが可能なスクラッチ強度試験装置及び
方法を提供する。 【解決手段】薄膜のスクラッチ強度を試験する試験装置
において、薄膜の試験サンプルを搭載・固定するステー
ジと、該ステージを傾斜させた状態で歳差回転させる回
転機構と、上記サンプル表面を引っ掻くスクラッチ針
と、該スクラッチ針の高さを決める垂直方向の位置決め
機構と、回転中心からの上記スクラッチ針の水平方向距
離を連続的に変化させる直線運動機構と、上記スクラッ
チ針にかかる摩擦力を検出する機構と、上記スクラッチ
針が上記試験サンプルを引っ掻く際の荷重をかける機構
とを有することを特徴とするスクラッチ強度試験装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜のスクラッチ
強度試験を行うためのスクラッチ強度試験装置、および
スクラッチ強度試験方法に係り、特に、磁気ディスク媒
体を用いたときの実稼働状態に近い高速でのスクラッチ
試験を可能にするスクラッチ強度試験装置、およびスク
ラッチ強度試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜の密着性、破壊じん性などの試験方
法としてスクラッチ試験は一般的に行われている。スク
ラッチ試験とは、ダイヤモンドなどの硬質の先端の鋭い
針を試験する薄膜に押しつけ薄膜と相対運動を行いなが
ら、徐々に荷重を上げていき破壊する荷重、あるいは摩
擦力の変化、膜の破壊により発生するAE(アコーステ
ィックエミッション)などを測定し、薄膜の強度を調べ
る試験である。例えば、特開平5−118974、7−
270295号各公報にこのようなスクラッチ試験が開
示されている。しかし、従来はスクラッチ針の相対運動
速度は非常に低速であり、(例えば10mm/s以下)高
速でのスクラッチ試験は困難であった。一方、振り子式
のスクラッチ試験器として振り子の先にスクラッチ針を
取り付け、振り子の落ちる速度で高速でスクラッチ試験
を行う試験器も存在するが、振り子の腕の長さが大きく
なるため試験器自体が大きくなること、大きい分寸法精
度を上げることが困難であることなどの問題がある。ま
た、スクラッチ試験中の荷重に対する摩擦力の変化など
を測定するためには、随時、振り子の腕の長さ、あるい
は試料との距離を変化させる必要があり、測定のための
条件設定が困難、時間がかかるという問題がある。
【0003】また、特開昭63−65337号公報には
薄膜トライボロジ試験機として回転ステージタイプのス
クラッチ試験機が開示されている。この従来例は、試験
サンプルを回転させその表面に垂直な方向よりスクラッ
チ針をサンプル表面までの距離を制御しつつ垂直直線ス
テージの移動により押し当て試験を行い、一周の試験が
終了した時点で半径方向にスクラッチ針を移動させスク
ラッチ試験を行うものである。この場合、薄膜サンプル
表面までの距離を計測する機構に精度が要求されるこ
と、高速回転した場合には回転による振動のため距離計
測精度が劣化する。また、本従来例のように同心円状に
スクラッチ試験を行い基本的に一回転で一回のスクラッ
チ試験が終了する試験機の場合には、次の問題がある。
薄膜の破壊する際の荷重を求めるために、高速でスクラ
ッチ試験を行い、1回だけのスクラッチで針に負荷する
荷重を増加させて破壊荷重を求めることは困難である。
すなわち、高速であるために短時間内で荷重を増加・減
少させることが必要で、そのためには、高速でスクラッ
チ針をサンプル表面に押しつけなければならず、ステー
ジの機構が複雑となるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のスクラッチ試験器における上記問題点を解決するため
に、高速でスクラッチ試験を行うことが簡便に可能とな
り、荷重に対しての薄膜の破壊荷重、あるいはスクラッ
チ速度の依存性を試験可能なスクラッチ強度試験装置、
および試験方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記スクラッチ試験機の
目的を達成するためには、スクラッチ毎に荷重を徐々に
増加して破壊する荷重を求めるのが最適である。その実
現方法としては一回の試験として多数回のスクラッチを
行い、(1)スクラッチ毎にスクラッチ位置を自動的に
変化させること、(2)荷重を自動的に微増させるこ
と、(3)スクラッチ速度に連動して高速で荷重を自動
的に増加・減少させることを行うことである。
【0006】一方、薄膜の強度、密着性が重要となる試
験対象物としては磁気ディスク媒体のような非磁性基板
上に、数10nm〜数100nmの薄膜磁性膜、保護膜
を形成したものがあり、磁気ディスク媒体の場合には、
磁気ヘッドとの接触によりクラッシュしないためには、
膜の密着性、強度を知ることが非常に重要である。しか
しながら、磁気ディスク媒体の場合には、4000〜10000r
pm程度の高速で回転しており、磁気ヘッドが接触する際
には非常に大きいせん断力が磁気ディスク媒体に作用す
る。そのため、従来のスクラッチ試験機で行うような低
速でのスクラッチ試験とは、薄膜の内部応力の分布が異
なると考えられ、実使用状態でのクラッシュに対する膜
の強度を示唆するものではない。そのため、高速でのス
クラッチ試験の結果と、低速でのスクラッチ試験の結果
は、全く異なる結果を示す場合があると考えられる。こ
うしたことからも実際に高速接触での薄膜の強度を知る
ためには、実稼働状態に近い高速でのスクラッチ試験方
法が必要であり、このような試験によって初めて正確な
薄膜のスクラッチ強度を評価出来る。このため、本発明
の装置は、薄膜試験サンプルを搭載・固定する円盤状の
ステージと、サンプルを固定したステージを傾斜させた
状態で歳差回転させる回転機構と、サンプル表面を引っ
掻くスクラッチ針と、試験サンプル上においてスクラッ
チ針の高さを決める垂直方向の位置決め機構と、回転中
心からスクラッチ針の水平方向距離を連続的に変化させ
る直線運動機構と、スクラッチ針にかかる摩擦力を検出
する機構と、スクラッチ針が試験サンプルを引っ掻く際
の荷重をかける機構を有する装置とした。
【0007】上記スクラッチ試験方法は、上記の構造を
持つスクラッチ試験装置によりスクラッチ試験をおこな
うことにより達成される。
【0008】円盤状のサンプル固定ステージは、サンプ
ルを固定し回転するためのものであり、モータによりサ
ンプルステージを傾斜させ歳差回転運動させることは、
円盤とスクラッチ針が円盤の円弧部分で接触し、高速で
スクラッチ試験を行う事を可能とする。この方法により
スクラッチ針は高速でサンプル表面に接触した後、徐々
に荷重を増加させ、傾斜の最大点を通過した後に除荷さ
れる。歳差回転数が高速となってもスクラッチ針の荷重
変化は回転数に応じて高速になされるため、特殊な荷重
制御機構も必要とせず、機構が簡便となる。試験サンプ
ル上においてスクラッチ針とサンプルまでの距離を決め
る垂直方向の位置決め機構は、スクラッチ針の高さを固
定するものである。回転中心からスクラッチ針の水平方
向距離を連続的に変化させる直線運動機構は、一度スク
ラッチ試験を行った部分をさけ1回転毎にスクラッチ試
験を行うことができる。さらにスクラッチ針の高さは固
定されているため、回転中心から外周へ移動するほどス
クラッチ針がサンプル表面に深く彫り込もうとするた
め、スクラッチ荷重を連続的に大きくすることが可能と
なる。摩擦力の検出機構は回転毎のスクラッチ時の摩擦
力を検出し、スクラッチ毎の荷重での摩擦力の測定を行
い、薄膜が破壊した場合の摩擦力変化をとらえる。この
ような機構により回転毎に新たな部分をスクラッチ荷重
を連続的に変化させながら高速でスクラッチ試験を行う
ことが可能となり、スクラッチ破壊荷重を精度よく求め
ることが可能である。
【0009】このような高速のスクラッチ試験機におい
て実際に数10nm程度の薄膜の強度を測定するためには回
転数を大きくすることが必要であり100rpm以上の回転数
で歳差回転させることが必要である。また低速で回転さ
せた場合には、1回転に時間がかかることから最終的に
薄膜が破壊に至るまで長時間必要とする。さらにスクラ
ッチ針が接触する時間も長くなるため摩擦力データの処
理量が大きくなる。
【0010】次に高速歳差回転させる場合に必要な傾斜
角度として、傾斜角度が小さいとスクラッチ針とサンプ
ルの接触距離が長くなるため針の摩耗が大きくなるこ
と、接触時間も長くなるためデータ処理量が多くなるこ
と、針の荷重増加に時間を要すことが問題となり、傾斜
角度が大きいと傾斜ステージの振動が大きくなり、精度
の良い摩擦力検出ができなくなること、同じ場所をスク
ラッチしないように回転中心から外周にスクラッチ針を
移動させたときの針荷重増加が大きくなり、測定される
荷重対摩擦力のデータが離散的となり精度の良い破壊荷
重測定ができないことが問題となる。そのため、現実的
な高速スクラッチ試験としては、磁気ディスク媒体の場
合、100〜1000rpm程度が薄膜の破壊荷重の差を出すには
好適であり実使用状態の回転数の1/10程度の回転数が必
要である。この回転数の場合に傾斜角度としては、前述
した問題点を考慮して1度〜10度の間であることが好ま
しい。
【0011】このように回転数、傾斜角度を最適化する
ことで、高速でのスクラッチ試験としては非常に簡便で
かつ精度良い試験を行うことが可能となる。
【0012】この試験装置の測定対象物として好ましい
ものは薄膜でかつ円盤状であり、高速でのスクラッチ試
験を必要とする磁気ディスク媒体のような円盤状記録媒
体であるが、試験サンプルは必ずしも円盤状である必要
はない。例えば、円盤状のステージに四角形のサンプル
を取り付けたもの等でも良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について述
べる。図1にスクラッチ試験装置の概念図を示す。
【0014】1はスクラッチ針の高さ位置決め機構、2
はスクラッチ時のスクラッチ針にかかる摩擦力を検出す
るための力センサ、3はダイヤモンド製スクラッチ針、
4はステージを微小傾斜させてスピンドルモータに取り
付けるためのハブ、5はサンプル(スクラッチ試料)を
搭載したステージ、6はステージを回転させるスピンド
ルモータ、7はスクラッチ荷重を変化させるために針を
回転中心から外周側方向に移動させるための自動連続移
動機構である。傾斜して取り付けたステージはモータの
軸を回転中心にして歳差回転運動を行う。
【0015】次に、実際のスクラッチ試験装置の外観図
を図2に示す。
【0016】図2に示す番号は図1に示した番号と同じ
意味である。
【0017】次に傾斜角度5度にてステージ(円盤)を
取り付け回転させた場合の角度に対する半径15、2
0、30、40、45mmでのスクラッチ針下の円盤面
の高さの変化を図3に示す。
【0018】図3によりスクラッチ試験の方法を示す。
スクラッチ針を半径15mm、角度180度において、
荷重0の状態で接触させ、スピンドルモータを回転させ
たとする。その後スクラッチ針を徐々に内周より外周へ
移動させたとすると図に示すように、外周側ではスクラ
ッチ部分の高さは高くなってくるため、スクラッチ針に
大きな力で接触することとなる。このときの力は、スク
ラッチ針を保持する部分の垂直方向の剛性とスクラッチ
部分の高さにより決定される。このように円盤を傾斜回
転させた状態で、スクラッチ針を内周より外周に移動さ
せることでスクラッチ荷重を連続的に増加させつつ、ス
クラッチ試験を行うことが可能である。このときの円盤
面上での針の移動とスクラッチする場所を図4に模式的
に示す。
【0019】図4でスクラッチ針は円盤回転開始すると
試験開始点10より螺旋状に外周側へと移動してゆき、傾
斜の高い部分に円弧状のスクラッチ8を付ける。最終的
に薄膜が破壊する部分9で試験は終了する。
【0020】図5、図6に本発明の高速スクラッチ試験
機による測定結果を実施例として、磁気ディスク媒体を
スクラッチ試験した結果を示す。磁気ディスク媒体はガ
ラス基板上にシード層、下地層、磁性層、保護膜、潤滑
膜の層構成を持つものを用いた。サンプルAはシード層
がNiCrZr膜40nm、CoCrZr膜10nm、下地層としてCrTi膜25
nm、磁性膜としてCo系合金20nm、保護膜としてカーボン
膜8nm、潤滑膜として末端官能基に水酸基を持つパーフ
ルオロポリエーテル潤滑剤2nmからなる層構成とした。
サンプルBはシード層がCoCrZr膜20nm、AlCr膜5nm、NiCr
Zr膜20nm、下地層としてCrTi膜25nm、磁性膜としてCo系
合金20nm、保護膜としてカーボン膜8nm、潤滑膜として
末端官能基に水酸基を持つパーフルオロポリエーテル潤
滑剤2nmからなる層構成とした。サンプルAは、Bに比較
して塵埃耐久性に優れている。この二つのサンプルを薄
膜スクラッチ試験機として市販されている振動型スクラ
ッチ試験機と図2に示した本発明の高速スクラッチ試験
装置で試験した。振動型スクラッチ試験機の試験条件
は、振動振幅50ミクロン、周波数30Hz(最大速度9.4×1
0-3m/s)でダイヤモンド針の曲率半径は5ミクロン、傾
斜角度は5度とした。
【0021】つぎに第6図に高速スクラッチテスタによ
り測定した結果を示す。この時のサンプルAとサンプルB
のスクラッチ時の相対速度は1.1m/s(回転数600rpm)で
あり、ダイヤモンド針の曲率半径は5ミクロン、傾斜角
度は5度、荷重増加のためのステージ送り速度は30ミ
クロン/秒である。
【0022】図5からはサンプルA,Bの破壊する時の荷
重の差はほとんど判らない。これに対し、図6の測定結
果からは、スクラッチ荷重を連続的に増加してゆくとそ
れに応じて摩擦力は増加して、ある荷重に達したときに
膜の破壊を示す摩擦力変化が観察される。摩擦力の変化
する荷重を破壊荷重とすると、サンプルAとBで破壊荷重
が異なっていることが明らかに確認できた。すなわち、
本発明の試験機によれば従来のスクラッチ試験機では確
認できない差を明確にすることができる。また、従来の
回転式スクラッチ試験機では、このように連続的に荷重
を変化させつつ膜の破壊する過程を観察することは不可
能と考えられていたが、本発明では可能となった。この
ように本発明では、スクラッチ速度を大きくすることで
低速でのスクラッチ試験に比較して数10nmレベルの薄膜
積層膜であっても、スクラッチ試験が可能であり、膜の
強度差を評価することが可能である。
【0023】図7に図6のサンプルAのスクラッチ試験後
の膜の破壊した部分の光学顕微鏡像を示す。
【0024】図7に示したようにスクラッチ痕は円弧状
の破壊形状であり、スクラッチのスタート点、終了点は
幅が小さく中心部で幅が大きくなっており、スクラッチ
荷重の増加・減少に対応していることがわかる。このこ
とから傾斜回転ステージと自動直線移動ステージを併用
することで高速でのスクラッチ試験が可能であることが
示された。
【0025】さらにスクラッチ速度を大きくすることで
従来の低速で行われてきたスクラッチ試験と測定結果が
どう変化するかを図8、図9にて説明する。図8にサンプ
ルBについて、ダイヤモンド針曲率半径5ミクロン、傾
斜角度5度、荷重増加用ステージ送り速度30ミクロン/秒
にてスクラッチ速度(ステージ回転数)を変化させた場
合の測定結果を示す。
【0026】それぞれ相対速度が0.56m/s(300rpm)、
1.1m/s(600rpm)、1.9m/s(1000rpm)の場合を
示している。速度が増加するに従い、破壊荷重は増加し
ていく。図5に示した従来のスクラッチ試験機による測
定結果は、そのスクラッチ速度が最大速度9.4×10-3m/s
ときわめて遅いために、スクラッチが全く異なる薄膜内
の応力状態に至った後に破壊すると考えている。図9
は、スクラッチ速度をパラメータとしてサンプルA,Bに
ついての破壊荷重を示したものであるが、速度0.1m/s
(回転数60rpm)でサンプルA,Bの差が出ていることか
ら、スクラッチ速度0.1m/s以上とすることで磁気ディス
クのような積層薄膜のスクラッチ強度をきわめて精度良
く測定できるといえる。
【0027】このように0.1m/s以上の高速にて傾斜回転
しながら自動直線移動ステージで連続的に荷重を変化さ
せることで従来とは明らかに異なる薄膜のスクラッチ試
験を行うことが可能となった。
【0028】傾斜回転ステージの傾斜角度について、そ
の最適角度について検討を行った。本実施例中では傾斜
角5度での試験結果を示しているが、前述した理由によ
り1度以上10度以下が本発明の傾斜回転型高速スクラッ
チ試験機には適していることが判った。
【0029】こうして本実施例で示したように本試験装
置により高速での連続的なスクラッチ試験が可能となり
従来の試験方法より信頼性の高い検査あるいは試験を行
うことが可能となる。また円盤状の記録媒体に対してこ
のスクラッチ試験を行うことで記録媒体の薄膜の耐スク
ラッチ強度を判定することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】微小傾斜してモータに取り付けた円盤上
の薄膜を高速で歳差回転運動させ円盤表面にスクラッチ
針を押し当て内周より外周へ連続的にスクラッチ針を移
動させることで連続的にスクラッチ荷重が変化するた
め、実稼働状態に近い高速でのスクラッチ試験が可能と
なり、薄膜の破壊限界荷重を試験できる。
【0031】本発明により高速での連続スクラッチ試験
が可能となり、試験精度、及び実使用状態に近いスクラ
ッチ強度の試験が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクラッチ強度試験装置の概念図。
【図2】本発明のスクラッチ強度試験装置の外観図。
【図3】本発明の装置による円盤の傾斜角度に対するス
クラッチ針下の円盤面の高さの変化を示す図。
【図4】本発明の装置、方法によりスクラッチする場所
を示す模式図。
【図5】従来の振動型スクラッチ試験機による測定結果
を示す図。
【図6】本発明のスクラッチ強度試験装置、方法による
測定結果を示す図。
【図7】本発明の装置、方法を用いて得られたスクラッ
チ部分の形状を示す図。
【図8】本発明の装置、方法でスクラッチ速度を変化さ
せたときの測定結果を示す図。
【図9】本発明の装置、方法によるスクラッチ速度での
破壊荷重変化を示す図。
【符号の説明】
1…スクラッチ針の上下動機構、2…スクラッチ時のス
クラッチ針にかかる摩擦力を検出するための力センサ、
3…スクラッチ針、4…ステージを微小傾斜させてスピ
ンドルモータに取り付けるためのハブ、5…サンプル
(スクラッチ試料)を搭載したステージ、6…ステージ
を回転させるスピンドルモータ、7…自動連続移動機
構、8…スクラッチ、9…最終的に薄膜が破壊する部分、
10…試験開始点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹岡 徹 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 Fターム(参考) 2G061 BA01 CB16 CB18 DA01 EA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜のスクラッチ強度を試験する試験装置
    において、薄膜の試験サンプルを搭載・固定するステー
    ジと、該ステージを傾斜させた状態で歳差回転させる回
    転機構と、上記サンプル表面を引っ掻くスクラッチ針
    と、該スクラッチ針の高さを決める垂直方向の位置決め
    機構と、回転中心からの上記スクラッチ針の水平方向距
    離を連続的に変化させる直線運動機構と、上記スクラッ
    チ針にかかる摩擦力を検出する機構と、上記スクラッチ
    針が上記試験サンプルを引っ掻く際の荷重をかける機構
    とを有することを特徴とするスクラッチ強度試験装置。
  2. 【請求項2】上記薄膜が円盤形状の磁気ディスク媒体で
    あることを特徴とするスクラッチ強度試験装置。
  3. 【請求項3】薄膜のスクラッチ強度を試験する試験装置
    において、薄膜の試験サンプルを搭載・固定するステー
    ジと、該ステージを傾斜させた状態で100rpm以上の回転
    数で歳差回転させる回転機構と、上記サンプル表面を引
    っ掻くスクラッチ針と、該スクラッチ針の高さを決める
    垂直方向の位置決め機構と、回転中心からスクラッチ針
    の水平方向距離を連続的に変化させる直線運動機構と、
    上記スクラッチ針にかかる摩擦力を検出する機構と、上
    記スクラッチ針が試験サンプルを引っ掻く際の荷重をか
    ける機構とを有することを特徴とするスクラッチ強度試
    験装置
  4. 【請求項4】上記薄膜が円盤形状の磁気ディスク媒体で
    あることを特徴とするスクラッチ強度試験装置。
  5. 【請求項5】薄膜のスクラッチ強度を試験する試験装置
    において、薄膜の試験サンプルを搭載・固定するステー
    ジと、該ステージを傾斜角度が回転軸に垂直な面に対し
    て1〜10度となるように傾斜させた状態で歳差回転させ
    る回転機構と、上記サンプル表面を引っ掻くスクラッチ
    針と、該スクラッチ針の高さを決める垂直方向の位置決
    め機構と、回転中心からの上記スクラッチ針の水平方向
    距離を連続的に変化させる直線運動機構と、上記スクラ
    ッチ針にかかる摩擦力を検出する機構と、上記スクラッ
    チ針が上記試験サンプルを引っ掻く際の荷重をかける機
    構とを有することを特徴とするスクラッチ強度試験装
    置。
  6. 【請求項6】上記薄膜が円盤形状の磁気ディスク媒体で
    あることを特徴とするスクラッチ強度試験装置。
  7. 【請求項7】薄膜のスクラッチ強度を試験する試験方法
    において、ステージに薄膜の試験サンプルを搭載・固定
    する工程と、スクラッチ針に上記試験サンプルを引っ掻
    くための荷重をかけながら、該スクラッチ針の垂直方向
    の高さを位置決めし、回転中心からの上記スクラッチ針
    の水平方向距離を連続的に変化させ、かつ上記ステージ
    を傾斜させた状態で歳差回転させることにより上記サン
    プル表面を引っ掻き、上記スクラッチ針にかかる摩擦力
    を検出する工程とを有することを特徴とするスクラッチ
    強度試験方法。
  8. 【請求項8】上記薄膜が円盤形状の磁気ディスク媒体で
    あることを特徴とするスクラッチ強度試験装置。
  9. 【請求項9】薄膜のスクラッチ強度を試験する試験方法
    において、微小傾斜した円盤状ステージに薄膜の試験サ
    ンプルを取り付ける工程と、該円盤状ステージを高速で
    歳差回転運動させ、該試験サンプル表面にスクラッチ針
    を押し当てながら、上記円盤状ステージの内周より外周
    へ連続的にスクラッチ針を移動させ連続的にスクラッチ
    荷重を変化させる工程とを有することを特徴とするスク
    ラッチ強度試験方法。
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