JP3823635B2 - 玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置 - Google Patents

玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置は、例えばハードディスクドライブ装置(HDD)やビデオテープレコーダ(VTR)等の回転支持部分を構成する玉軸受に組み込む玉の表面形状の良否を判定する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
HDDやVTR等の回転支持部分は、例えば図9に示す様な玉軸受1により構成する。外輪2の内周面に形成した外輪軌道3と、内輪4の外周面に形成した内輪軌道5との間に複数の玉6、6を、保持器7により保持した状態で転動自在に設け、上記外輪2と内輪4との相対回転を自在としている。この様に構成される玉軸受1のうち、HDDやVTRに組み込むものには、きわめて高度の回転精度を要求される。例えばHDD用のモータスピンドルに組み込まれる玉軸受1(ミニアチュアベアリング)の場合には、このモータスピンドルにより回転駆動される磁気ディスク上の情報を磁気ヘッドが的確に読み取れる様にする為に、高度の回転精度が必要になる。この為に従来から、上記モータスピンドルに組み込まれる玉軸受1を構成する玉6、6の真球度を高めると共に、これら各玉6、6の転動面並びに上記各軌道3、5の加工誤差を最小限に抑える様にしている。
【0003】
但し、上記玉軸受1を構成する各玉6、6の転動面には、加工上避けられない微小な凹凸(うねり)が存在する。そして、各玉6、6の直径に基づく外輪軌道3と内輪軌道5との距離は、このうねりによって、上記各玉6、6の1回転中に微妙に変化する。この結果、外輪1に対する内輪3(或は内輪3に対する外輪1)の位置関係が、図10に曲線で示す様に、微妙に変化する、所謂振れが発生する。尚、図10の縦軸に表した変位は、玉軸受1の振動振幅である。この様な振れは、内輪4(或は外輪2)が1回転する毎に繰り返され、しかも1回転毎に振れの量(変位量)及び位置が微妙に異なる、所謂回転非同期振れ(NRRO)δが生じる。言い換えれば、上記外輪2と内輪4との位置関係が回転毎に再現性なく異なる振動が発生する。この結果、磁気ディスクへの情報の集積度を高めると、磁気ヘッドによる読み書き誤差を発生する可能性が生じる。この為、HDDの高密度化は、玉軸受1の性能面から制約を受ける事になる。
【0004】
これらから明らかな通り、HDDの高密度化を図る為には、玉軸受1の回転非同期振れを小さくする必要がある。又、この回転非同期振れを小さくする為には、各玉6、6の真球度を向上させ、これら各玉6、6の転動面のうねりを小さくすれば良い。一方、各玉6、6の加工精度を向上させる事は、限界に近くなっており、各玉6、6の真球度を向上させる事で上記回転非同期振れを小さくする事は、難しいのが現状である。又、仮に真球度を向上させられたとしても、コストが嵩み、得られた玉6、6を組み込んだ玉軸受1、延てはこの玉軸受1を組み込んだHDDの製造コストを高くしてしまう。
【0005】
この様な事情に鑑みて玉6、6の真球度を特に向上させなくても、回転非同期振れを小さくできる玉軸受として、特開平8−247151号公報に記載されたものが知られている。この公報に記載された玉軸受は、次の(1) 〜(3) のうちの何れかの要件を備える。
(1) 各玉6、6の転動面はうねりの山数成分のうち、偶数山成分の総和値が奇数山成分の総和値よりも小さい。
(2) 各玉6、6の転動面は、うねりの山数成分のうち、偶数山成分の片振幅の最大値が奇数山成分の片振幅の最大値よりも小さい。
(3) 各玉6、6の転動面は、うねりの山数成分のうち、偶数山成分の総和値が奇数山成分の総和値よりも小さく、且つ、偶数山成分の片振幅の最大値が奇数山成分の片振幅の最大値よりも小さい。
【0006】
上述の様に構成される、上記公報に記載された玉軸受の場合には、各玉6、6の転動面は総て、振動特性により大きな悪影響を及ぼす偶数山成分の総和値又は片振幅の最大値が、奇数山成分の総和値又は片振幅の最大値よりも小さい為、回転非同期振れを小さくできる。奇数山成分の総和値又は片振幅の最大値が振動特性に悪影響を及ぼす程度は小さい為、これら奇数山成分の総和値又は片振幅の最大値を従前に比べて小さくしなくても良い。従って、転動体の真球度若しくは真円度を特に向上させなくても、振動特性を向上させて、回転非同期振れを小さくできる。尚、偶数山成分の総和値又は片振幅の最大値を小さくすれば、奇数山成分の総和値又は片振幅の最大値を小さくしなくても、振動特性を向上させられる理由は、上記公報に詳しく記載されており、本発明の要旨と直接は関係しない為、説明は省略する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な特開平8−247151号公報に記載された発明の場合、高性能の玉軸受1及びHDD等を低コストで実現できる。但し、より一層の低コスト化を図る為には、造られた玉6、6の転動面の形状が、上記公報に記載されたものとなっているか否かを能率良く判定できる様にする必要がある。
【0008】
上述の様に玉6、6の転動面の良否を判定する為に従来は、一般的な形状測定器を使用していたが、被測定物である玉6、6を回転させる為に設けた測定器のスピンドルの回転誤差がそのまま測定値の誤差に結び付く。しかも、著しい場合には、この回転誤差が上記転動面のうねり成分よりも大きくなる場合がある。この為、スピンドルの回転精度を十分に高めなければならず、測定器の製作コストが嵩む事が避けられない。一方、市販のウェビネス測定器を使用する場合もあるが、この様な場合には、回転精度の確保が難しく、特に表面形状のうちの低周波成分を正確に評価できないだけでなく、測定作業に伴う玉の支承部の摩耗が著しく、玉の回転が不安定になって、正確な測定を行なえないだけでなく、測定の再現性も悪くなる。
【0009】
又、従来装置の場合、玉6、6の転動面のうねり量は、任意の通過周波数帯域を持つ複数の固定フィルタを通過したうねり成分を合計したもので評価する様になっている。この為、上記公報に記載された技術に則して、玉軸受の振動特性に悪影響を及ぼす特定のうねり成分に就いての評価を行なう事ができない。即ち、奇数山成分のうねりが大きいと、偶数山成分のうねりが小さくても、不良品と判定してしまう。この為、HDD等、玉軸受を組み込むべき機器の特性が分っても、この特性に合わせて最適の玉軸受を構成すべき玉6、6の評価を行なえない。
【0010】
更に、従来の測定器の場合には、測定の為の触針の先端が尖っていたり、或は球状凸面であった為、径が小さな玉6、6の評価を行なう場合、この触針の先端を測定部位に正しく突き当てる為の作業が難しい。即ち、玉6の転動面のうねりを測定する場合には、この玉6を回転させつつ上記触針の先端を、この玉6の中心点を通り回転中心軸に対し直交する仮想平面上に位置する、所謂赤道部分に突き当てる。この様な作業は、上記玉6が小径の場合には面倒で、時間を要する事が避けられない。
本発明の玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置は何れも、玉軸受用玉を所定の中心軸を中心として回転させつつ、この玉軸受用玉の中心点を通りこの中心軸に対し直交する仮想平面上に位置する部分で、この玉軸受用玉の形状を測定し、その測定値に基づいてこの玉軸受用玉の良否を判定可能とするものである。
【0012】
特に、請求項1に記載した玉軸受用玉の表面形状評価方法に於いては、上記玉軸受用玉を回転案内具に保持した状態で、回転成分のみをこの玉軸受用玉に伝達自在な回転駆動手段によりこの玉軸受用玉を、上記所定の中心軸を中心として回転させつつ、この玉軸受用玉の表面に、振動検出器の触針に設けた平坦面である先端面を突き当てて、この平坦面を突き当てた部分の表面形状を振動量として検出する。
この為に例えば、上記玉軸受用玉よりも小径の保持孔の開口外周縁部に形成した、この玉軸受用玉の表面の曲率とほぼ一致する曲率を有する保持曲面に、この玉軸受用玉の直径方向一端部を当接させた状態で、この玉軸受用玉の直径方向他端部に、調心機能を有し回転成分のみをこの玉軸受用玉に伝達自在な回転駆動手段の先端部を突き当てた状態で、この玉軸受用玉を回転させる。
そして、この様に玉軸受用玉を回転させつつ、この玉軸受用玉の表面で上記仮想平面上に位置する部分に、変位と速度と加速度とのうちの少なくとも何れかを検出する上記振動検出器の触針に設けた平坦面である先端面を突き当てて、この部分の表面形状を振動量として検出する。尚、上記触針を設けた振動検出器は、変位型、速度型、加速度型の何れの型式のものでも良く、被測定物である玉軸受用玉の振動特性等に応じて選定する。
次いで、この振動量を電気信号に変換した後、上記回転駆動手段に基づく上記玉軸受用 の回転速度と同期させた状態でサンプリングし加算平均化して得た平均値を周波数分析し、その値を変位と速度と加速度とのうちの少なくとも何れかの特性値(1個の特性値又は2個の特性値又は3個総ての特性値)を表す数値として評価し、その結果に基づいて上記玉軸受用玉の良否を判定可能とする。
【0013】
更に、請求項4に記載した玉軸受用玉の表面形状評価装置は、上記玉軸受用玉を回転自在に保持する回転案内具と、回転成分のみをこの玉軸受用玉に伝達自在な回転駆動手段と、この玉軸受用玉の表面で上記仮想平面上に位置する部分に、触針に設けた平坦面である先端面を突き当てて、この部分の表面形状を振動量として検出する振動検出手段とを備える。
より具体的には、回転案内具と、回転駆動手段と、振動検出手段と、変換手段と、同期加算手段と、判定手段とを備える。
このうちの回転案内具は、上記玉軸受用玉よりも小径の保持孔の開口外周縁部に形成した、この玉軸受用玉の表面の曲率とほぼ一致する曲率を有する保持曲面を有する。
又、上記回転駆動手段は、上記玉軸受用玉の直径方向一端部を上記保持曲面に当接させた状態でこの玉軸受用玉の直径方向他端部に、回転成分のみを伝達自在な調心機能を有する。
又、上記振動検出手段は、上記玉軸受用玉の表面で上記仮想平面上に位置する部分に、触針に設けた平坦面である先端面を突き当てて、この部分の表面形状を振動量として検出するもので、変位型、或は速度型、或は加速度型のものを使用する。
又、上記変換手段は、上記振動量を電気信号に変換する。
又、上記同期加算手段は、上記振動量を表す電気信号を、上記回転駆動手段に基づく上記玉軸受用玉の回転速度と同期させた状態でサンプリングし、加算平均化して平均値を得る。
更に、上記判定手段は、上記平均値を周波数分析し、その値を、変位と速度と加速度とのうちの少なくとも何れかの特性値(1個の特性値又は2個の特性値又は3個総ての特性値)を表す数値として評価する。そして、その結果に基づいて、上記玉軸受用玉の良否を判定可能とする。
【0014】
【作用】
上述の様に構成する本発明の玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置によれば、玉軸受の振動並びに音響に関する性能に影響を及ぼす表面形状を、回転駆動部の回転精度に影響を及ぼされる事なく、高精度で測定し、信頼性の高い評価を行なえる。又、測定作業も容易となる。
【0015】
即ち、玉軸受用玉を回転案内具の保持曲面により回転自在に支持した状態で、調心機能を有する回転駆動手段により回転させるので、上記玉軸受用玉を高精度で回転させる事ができる。又、振動検出手段を構成する触針の先端面は平坦面である為、この先端面を、玉軸受用玉の表面の一部でこの玉軸受用玉の中心点を通り回転中心軸に対し直交する仮想平面上に位置する部分に突き当てる作業を容易に行なえる。しかも、この触針の先端面と玉軸受用玉の転動面との当接部の接触面圧が小さくて済むので、この先端面の摩耗を抑えて、上記触針の耐久性も良好になる。
【0016】
又、同期加算手段が上記振動検出手段が検出した振動量を、上記回転駆動手段に基づく上記玉軸受用玉の回転速度と同期させた状態でサンプリングし加算平均化して平均値を得る為、この玉軸受用玉の回転変動の影響を少なくして、SN比の高い測定を行なえる。
又、上記振動量を表す電気信号を周波数分析し、変位と速度と加速度とのうちの少なくとも何れかの特性値を表す数値として評価する為、玉軸受用玉の表面形状の評価を柔軟に行なえる。即ち、この表面形状を、1回の測定作業のみで、変位、速度、加速度の何れの特性値からも評価する事ができる。例えば、回転非同期振れ(NRRO)に結び付く変位は、当該玉を組み込んだ玉軸受の振れに対応する値として、アンデロン値に結び付く速度並びにG値に結び付く加速度は、当該玉を組み込んだ玉軸受のラジアル振動或はアキシアル振動に対応する値として、それぞれ表面形状を評価する上から重要である。本発明によれば、この様な変位、速度、加速度を互いに独立して、或は関連付けて評価できる。
【0017】
そして、判定手段が、その結果に基づいて上記玉軸受用玉の良否を判定可能とする為、信頼性の高い判定を行なえる。
これらにより、玉軸受の振動並びに音響に関する性能、或はHDD等この玉軸受が組み込まれる機器の共振特性に適合した品質の弁別を、玉単体の段階で可能になる。そして、この玉の最適な加工条件や玉軸受の最適な仕様を得る事ができて、玉の加工時間の短縮や加工コストの低減を図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の玉軸受用玉の表面形状評価装置の実施の形態の1例を示している。先ず、図1のブロック図により、本例の表面形状評価装置の全体構成に就いて説明する。被測定物でもある玉6は、図2に示す様な回転案内具7に、鉛直軸を中心とする回転自在に保持案内されている。この状態で上記玉6は、調心機能付の回転駆動手段を構成する、図3に示す様な駆動腕8により、回転駆動される。
【0019】
上述の様な玉6の側方には、速度型の振動検出手段である検出器9を配置し、この検出器9の触針10を上記玉6の転動面の一部に当接させている。この触針10の中心軸は、この玉6の中心点を通過する水平線上に位置させている。又、この触針10の先端面11は、この触針10の中心軸に対し直交する平坦面としている。この様な先端面11は、上記玉6の転動面で、この玉6の中心点を通る仮想水平面上に位置する部分、即ち、この転動面の赤道部分に突き当てている。この状態で上記玉6を鉛直軸を中心に回転させれば、上記触針10が水平方向に亙り往復変位し、上記赤道部分の表面形状を振動量として検出する。
【0020】
尚、上記先端面11が平坦面である為、上記転動面の表面形状が微細な凹凸を有するものである場合に、上記先端面11が隣接する複数の凸部のうちの最も高い凸部を検出する場合がある。即ち、上記先端面11の中心が対向する部分よりも、この部分に隣接した部分が大きく突出していた場合に上記触針10は、この隣接した部分に応じて軸方向に変位する。従って、上述の様な先端面11の形状を採用する事で上記赤道部分の位置決めが容易となり、実用上有用な表面形状を正確に測定する事ができる。尚、玉6を玉軸受に組み込んだ場合に、この玉6の転動面と外輪軌道3及び内輪軌道5(図9参照)との当接状態も、隣接した凸部により変位する状態となる。従って、上述の様に、上記先端面11が隣接する複数の凸部のうちの最も高い凸部を検出する事は、上記玉6を実際に玉軸受に組み込んだ状態での挙動に則した測定状態となる為、好ましい。
【0021】
上述の様な検出器9による検出信号は、増幅器12により増幅してから、変換手段であるA/D変換器13に送る。このA/D変換器13は、上記検出器9から上記増幅器12を介して送られて来る振動量を表すアナログ信号をディジタル信号に変換し、ディジタル信号として送り出される。
【0022】
この様にして上記A/D変換器13から送り出される、振動量を表すディジタル信号は、同期加算手段である同期加算器14で同期加算される。この同期加算器14は、上記特性値を、前記駆動腕8に基づく上記玉6の回転速度と同期させた状態でサンプリングする。そして、サンプリングした複数の値を加算平均化して平均値を得る。即ち、上記玉6を複数回回転させて各回転毎に上記振動量を求めた後、各回転毎の振動量を加算後に回転数(サンプリング数)で除して、上記平均値を得る。
【0023】
この様にして求めた、上記振動量を表す値の平均値は、判定手段を構成する周波数分析器15とスペクトル演算器16とに順次送る。このうちの周波数分析器15は、上記A/D変換器13から送られて来る上記振動量の平均値を、高速フーリエ変換(FFT)により周波数分析し、上記スペクトル演算器16に送る。この際、上記振動量を、変位と速度と加速度とのうちの少なくとも何れかの特性値(1個の特性値又は2個の特性値又は3個総ての特性値)に変換する。そして、このスペクトル演算器16は、変換により得られた特性値に就いて、所望(作業者が自由に設定自在な任意)の山数成分に関するスペクトル演算処理を行なう。即ち、前述した特開平8−247151号公報に記載されている様に、玉6の転動面に存在するうねりには、各種の山数成分が存在する。又、山数により、当該玉6を玉軸受に組み込んだ場合の影響が異なる。例えば、偶数山の成分は奇数山の成分に比べて、回転非同期振れに及ぼす影響が大きい。そこで、上記スペクトル演算器16は、設定された山数に関して、上記玉6の転動面の赤道部分に存在するうねりを求め、その結果を、CRT、プリンタ等、図示しない表示器で出力する。作業者は、この表示器の出力を見て、上記玉6の良否を判定する。
【0024】
一方、上記玉6を、鉛直軸を中心とする回転自在に支持する為の、前記回転案内具7は、図2に示す様に、全体を円環状に造られており、中心部に上記玉6よりも小径の保持孔17を有する。そして、この保持孔17の上端開口周縁部に、この玉6の転動面の曲率とほぼ一致する曲率を有する(一致するか、僅かに大きな曲率半径を有する)球状凹面である保持曲面18を、ラップ加工等により形成している。この様な回転案内具7は、少なくともこの保持曲面18部分を、硬度が高く摩擦係数が低い材料により造る。この為に例えば、上記回転案内具7全体を人造ルビーにより造ったり、或はこの回転案内具7の本体部分を鉄系金属により造り、上記保持曲面18の表面部分に、人造ダイヤモンドの薄膜を形成する。この様な人造ダイヤモンドの薄膜の形成は、例えば公知のCVD法(化学的気相蒸着法)等により行なえる。
【0025】
上述の様な回転案内具7は、次述する図3に示す様な、本例の評価装置を構成し、上記玉6を鉛直軸を中心に回転駆動する為の駆動装置19に、上記回転案内具7の中心軸を鉛直方向に配置した状態で支持する。即ち、上記駆動装置19の基台20の上面に固定した支持台32の上面に設けた円形凹部21に上記回転案内具7を、ラジアル方向(水平方向)に亙る変位を不能にして、内嵌固定する。この状態で、上記玉6を上記保持曲面18上に載置すれば、この玉6は鉛直軸を中心として軽い力で回転自在となる。
【0026】
又、上記回転案内具7の上方には前記駆動腕8を、鉛直方向に亙り配設している。この駆動腕8は、鉛直方向に配置された状態で図示しない電動モータ等の駆動源により回転駆動されるスピンドル22の回転成分のみを、上記玉6に伝達するものである。言い換えれば、上記駆動腕8は、上記スピンドル22の駆動力を上記玉6に、ラジアル方向に亙る振れ成分を除き回転成分のみ伝達する為の調心機能を有する。
【0027】
この様な調心機能付の回転伝達機能を持たせる為に、本例の場合には、上記駆動腕8の上下両端面の中心部に、円すい状の係合凹部23、24をそれぞれ形成している。そして、このうちの下端面に形成した係合凹部24を、上記玉6の直径方向他端部である上端部に突き当て自在としている。一方、上記スピンドル22の下端中心部には凹孔25を、このスピンドル22の下端面に開口する状態で形成している。そして、この凹孔25の奥端面と上記駆動腕8との間に、この奥端面の側から順に、圧縮コイルばね26と間座27と調心球28とを、互いに直列に配置している。このうちの調心球28の下端部は、上記駆動腕8の上端面に形成した係合凹部23に嵌合している。
【0028】
上記玉6の転動面の形状を測定する為に、上記スピンドル22を回転させると、この回転は、上記圧縮コイルばね26と間座27と調心球28と駆動腕8とを介して、上記玉6に伝わる。この玉6の転動面の下端部と前記保持曲面18との当接部の摩擦力は、上記凹孔25の奥端面と上記圧縮コイルばね26の上端部との、この圧縮コイルばね26の下端部と上記間座27の上面との、この間座27の下面と上記調心球28の上端部との、この調心球28の下端部と上記係合凹部23との、各当接部に作用する摩擦力に比べて遥かに小さい。又、上記圧縮コイルばね26の捩り回転方向に関する剛性は、上記玉6の転動面の下端部と前記保持曲面18との当接部の摩擦力に比べて遥かに大きい。従って、上記スピンドル22の回転成分は、回転方向に関する位相がずれる事なく、そのまま上記玉6に伝わり、この玉6を鉛直軸を中心に回転させる。又、上記スピンドル22がラジアル方向に振れた場合でも、この振れはこのスピンドル22と上記駆動腕8とがラジアル方向に亙り相対変位する事で吸収され、上記玉6にまでは伝わらない。更に、上記スピンドル22がアキシアル方向に振れた場合には、上記圧縮コイルばね26が伸縮する事でこの振れを吸収する。従って、上記玉6の転動面の形状を測定する際に、この玉6は、鉛直軸を中心に回転するのみで、この玉6自体は、何れの方向にも振れ動く事はない。
【0029】
上述の様に構成する本例の玉軸受用玉の表面形状評価装置によれば、玉軸受の振動並びに音響に関する性能に影響を及ぼす、上記玉6の転動面の表面形状を、回転駆動部である上記スピンドル22の回転精度に影響を及ぼされる事なく、高精度で測定し、信頼性の高い評価を行なえる。又、測定作業も容易となる。
【0030】
即ち、玉6を回転案内具7の保持曲面18により回転自在に支持した状態で、調心機能を有する回転駆動手段により回転させるので、上記玉6を高精度で回転させる事ができる。言い換えれば、この玉6自体は振れ動く事がなく、単に鉛直軸を中心に回転するのみであるから、この玉6の転動面のうねり等の形状成分を正確に測定できる。
【0031】
又、本例の場合には、上記保持曲面18を、人造ルビー、人造ダイヤモンド等の硬質且つ低摩擦材料により構成しているので、この保持曲面18の摩耗を抑えて、長期間に亙り安定した、且つ高精度の測定を行なえる。この点に関して本発明者が行なった実験の結果を、図4に示す。実験では、比較的軟質の金属である銅により単なる円環状に形成した(玉6の転動面と接触する開口部に尖ったエッヂが存在する)回転案内具を比較例とし、人造ルビーにより造り、上記保持曲面18を有する回転案内具7を本発明品とした。そして、同一の玉6を使用する等、回転案内具を除く他の条件は全く同じとして、この玉6の転動面の形状精度を測定する作業を、それぞれ10回ずつ、合計20回行なった。
【0032】
この様にして行なった実験の結果を示す図4で、縦軸は上記玉6の転動面のうねりの測定値の誤差を、本発明品と比較例とを相対比較して表している。この実験の結果を示す図4から明らかな通り、硬質且つ低摩擦材により覆われた保持曲面18を有する回転案内具7を組み込む事により、玉6の転動面の形状測定の精度を飛躍的に向上させる事ができる。
【0033】
又、前記検出器9を構成する触針10の先端面11は平坦面である為、この先端面11を上記玉6の中心点を通り回転中心軸である鉛直軸に対し直交する仮想平面(玉6の中心点を含む水平面)上に位置する部分に突き当てる作業を容易に行なえる。しかも、上記触針10の先端面11と玉6の転動面の赤道部分との当接部の接触面圧が小さくて済むので、この先端面11の摩耗を抑えて、上記触針10の耐久性も良好になる。この先端面11を平坦面とする事で、上記玉6の赤道部分の実用上有用な表面形状を正確に測定する事ができ、上記玉6を実際に玉軸受に組み込んだ状態での挙動に則した測定状態となる為に好ましい事は、前述の通りである。
【0034】
又、本例の場合には、同期加算器14が上記振動量を表す値を、前記駆動装置19による前記玉6の回転速度と同期させた状態でサンプリングし加算平均化して平均値を得る為、上記玉6の回転変動の影響を少なくして、SN比の高い測定を行なえる。上記駆動装置19によれば、測定作業時にこの玉6の回転変動(回転中心である鉛直軸の水平方向に亙る振れ)を極小に抑える事ができるが、完全になくす事は難しい。そこで本例の場合には、上記玉6を複数回(できるだけ多い方が好ましい)回転させ、回転方向に関して同位相の測定値同士を足し合わせてから、足し合わせた回数で除して測定結果を平均化し、上記回転変動の影響を少なくする事により、上記SN比の向上を図っている。
【0035】
この様にしてSN比の向上を図って得た、上記振動量を表す信号は、前記周波数分析器15によりその強度を微分或は積分する。この様な演算処理により、上記玉6の転動面の形状を、変位、速度、加速度の何れの特性値でも評価できる様になり、上記玉6の表面形状の評価を柔軟に行なえる。即ち、この表面形状を、1回の測定作業のみで、変位、速度、加速度の何れの特性値からも評価する事ができる。例えば、回転非同期振れ(NRRO)に結び付く変位は、当該玉6を組み込んだ玉軸受の振れに対応する値として、アンデロン値に結び付く速度並びにG値に結び付く加速度は、当該玉を組み込んだ玉軸受のラジアル振動或はアキシアル振動に対応する値として、それぞれ表面形状を評価する上から重要である。
【0036】
例えば、玉軸受の使用者(HDD等のメーカー)から玉軸受のメーカーには、(例えばハウジング等の共振を防止する為に)所定の周波数の(ラジアル方向又はアキシアル方向の)振動を小さくすべき旨の要求が来る。一方、玉6の転動面に存在するうねりの山数と発生する振動の周波数との関係は、下記の表1に示す様に、従来から知られている。そこで、上述の様な場合には、要求された周波数の低減を図るべく、当該周波数に見合う山数のうねりを小さくする。
【0037】
【表1】
Figure 0003823635
【0038】
本例によれば、この様な場合に、変位、速度、加速度を互いに独立して、或は関連付けて評価できる為、上述の様な場合の対応が容易になる。即ち、上述の様な要求に対応する場合には、最終的にはうねりを小さく(ラジアル方向に亙る転動面の変位を小さく)すれば良いのであるが、山数が多くなった場合等、前記検出器9が検出した振動量からは、必ずしもうねりの存在自体を明瞭に識別できない場合もある。この様な場合に、うねりの存在に基づいて現れる、上記振動の速度或は加速度から、上記うねりの存在を知る事ができる。即ち、上記変位、速度、加速度のうち、最も明瞭に表われる値を観察する事で、特定の山数のうねりの存在を明瞭に知る事ができる。
【0039】
前記演算処理は、例えばハーモニック解析によっても行なえる。図5は、本例の玉軸受用玉の表面形状評価装置を使用して、同一の玉6の転動面の形状を測定し、その結果を変位、速度、加速度の特性値(変位振幅、速度振幅、加速度振幅)として、山数毎に表している。図5の(A)は山数毎の変位振幅(前記検出器9が検出した振動による変位の大きさ)を、(B)は同じく速度振幅(同じく振動の速度の大きさ)を、(C)は同じく加速度振幅(同じく加速度の大きさ)を、それぞれ表している。この図5から明らかな通り、山数が5以上になると、変位振幅は小さくなって、この変位振幅による評価は難しくなるが、速度振幅及び加速度振幅(特に加速度振幅)による評価は、山数が多くなった場合にも、十分に行なえる。
【0040】
この様な測定結果は、上記周波数分析器15の分析結果を前記スペクトル演算器16により演算処理してから、判定手段を構成する、CRT、プリンタ等の図示しない表示器で出力する。作業者は、この表示器の出力を見て、上記玉6の良否を判定する。尚、この判定を自動的に行なう為、上記玉6を組み込んで構成する玉軸受の振動や音響性能に悪影響を及ぼす山数の範囲の上限値及び下限値を、HDDのメーカー等の使用者からの要求に応じて設定し、その設定範囲内で上記各特性値の評価を行なう事もできる。この場合に、偶数の山数のうねりのみを抽出して、上記各特性値の評価を行なえば、性能向上に結び付く、信頼性の高い評価を能率的に行なえる。
【0041】
即ち、前述した通り、奇数の山数のうねりに比べて偶数の山数のうねりが玉軸受の振動や音響性能に悪影響を及ぼす程度は著しい。従来の場合は、奇数の山数のうねりと偶数の山数のうねりとを区別せず、これらを合わせた状態で評価していた為、奇数の山数のうねりが大きいと、偶数の山数のうねりが小さい場合でも不良品となっていた。この為、偶数の山数のうねりだけでなく、奇数の山数のうねりも小さくしなければ、良品としての判定を行なえなかった。この為、上記玉6の転動面の真円度を必要以上に良好にしなければならず、使用者からの要求に応じる為に要するコストが非常に嵩む事が避けられなかった。これに対して本例の場合には、玉軸受の振動や音響性能に悪影響を及ぼす程度が著しい、偶数の山数のうねりのみを抽出して評価を行なえる。言い換えれば、上記転動面の形状に関して、玉軸受の振動並びに音響性能との間での整合性が高い評価を行なえる。この為、上記転動面の真円度を必要以上に高くする必要がなく、使用者からの要求に応じる為に要するコストの低減を図れる。
【0042】
これらにより、玉軸受の振動並びに音響に関する性能、或はHDD等この玉軸受が組み込まれる機器の共振特性に適合した品質の弁別を、玉6単体の段階で可能になる。そして、この玉6の最適な加工条件や玉軸受の最適な仕様を得る事ができて、玉6の加工時間の短縮や加工コストの低減を図れる。又、本例によれば、玉6の転動面のうねりの大きさと、この玉6を組み込んだ玉軸受の運転時に発生する振動の大きさとの関係の整合性が大きくなる。
【0043】
図6は、この様な整合性に就いて、本発明者が行なった実験の結果を示している。実験は、名番が695(内径=5mm、外径=13mm、幅=4mm、玉径=2mm、玉数=8個)の玉軸受を使用して行なった。この様な条件で行なった実験の結果を示す図6で、縦軸は玉軸受の運転時に発生した振動の大きさ(アンデロン値)を、横軸は玉6の転動面に存在するうねりの振幅値に関する特性値のうちの速度を、それぞれ表している。又、黒丸は、本例の評価装置を使用して求めた玉6のうねりの振幅値と当該玉6を組み込んだ玉軸受の運転時に発生した振動の大きさとの関係を、白丸は、従来から知られているウェビネスメータを使用して求めた玉6のうねりの振幅値と当該玉6を組み込んだ玉軸受の運転時に発生した振動の大きさとの関係を、それぞれ表している。又、実線aは、上記黒丸で表した本発明に関する実験結果を最小自乗法によりまとめたものを、破線bは、上記白丸で表した従来技術に関する実験結果を最小自乗法によりまとめたものを、それぞれ表している。
【0044】
この様な実験結果を示す図6から明らかな通り、本例の玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置によれば、玉6の転動面の表面形状を測定する事により、当該玉6を組み込んだ玉軸受の運転時に発生する振動の大きさを、高精度で予測できる。即ち、上記実線aを挟んだ黒丸の分布、並びに上記破線bを挟んだ白丸の分布を見れば明らかな通り、本例によれば、玉6の転動面のうねりの振幅値から予測される玉軸受の運転時に発生する振動の大きさのばらつきが小さい。上記実線aに対する黒丸の分布、並びに上記破線bに対する白丸の分布から、それぞれ統計学上の相関係数rを求めると、上記実線aに対する黒丸の分布はr=0.9となり、上記破線bに対する白丸の分布はr=0.5となる。この事からも、本例の玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置により、玉6を組み込んだ玉軸受の運転時に発生する振動の大きさを、高精度で予測できる事が分る。
【0045】
次に、図7〜8は、本発明の実施の形態の第2〜3例として、駆動装置19部分の別構造の2例を示している。先ず、図7に示した第2例の場合には、駆動腕8aの上端部に、上方が開口した有底円筒状の受部29を設け、この受部29の底面と、スピンドル22の下端部に形成した凹孔25の奥面との間に、複数の圧縮コイルばね26a、26aを設けている。又、図8に示した第3例の場合には、駆動腕8bの上端面に球状凹面30を形成し、この球状凹面30に、上端面を除いて球状凸面とした伝達ピース31の下面部を、揺動変位自在に当接させている。そして、この伝達ピース31の上端面と、スピンドル22の下端部に形成した凹孔25の奥面との間に、圧縮コイルばね26を設けている。これら第2〜3例の場合も、上記スピンドル22の回転成分のみを、玉6(図3参照)に伝達できる。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0046】
尚、図示は省略するが、玉6の転動面の赤道部分のうねりを測定するのに、図示の例の様な、接触式の検出器9を使用するのに代えて、レーザドップラー式振動計等、非接触式の測定器を使用する事もできる。但し、この場合でも、測定部分に幅があり、この幅を持った測定範囲で、最も突出している部分を測定して上記うねりとして求められる構造のものを採用する。又、以上の説明は、ラジアル玉軸受を中心に説明したが、本発明により転動面のうねりを測定した玉6を組み込む玉軸受は、ラジアル玉軸受に限らず、スラスト玉軸受でも良い事は勿論である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、振動や音響に関して優れた性能を有する玉軸受の開発を能率良く行なって、高性能で安価な玉軸受の実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の玉軸受用玉の表面形状評価装置の実施の形態の1例を示すブロック図。
【図2】 玉を省略して示す、図3のA部拡大断面図。
【図3】 玉を回転駆動する為の駆動装置の第1例を示す縦断側面図。
【図4】 回転案内具の材質及び形状が測定結果に及ぼす影響を知る為に行なった実験の結果を示すグラフ。
【図5】 本発明の玉軸受用玉の表面形状評価装置による測定結果の1例を示すグラフ。
【図6】 測定方法の相違が、玉の転動面のうねりの大きさと、このうねりの大きさから予測される玉軸受の運転時に発生する振動の大きさとの関係に及ぼす影響を知る為に行なった実験の結果を示す線図。
【図7】 玉を回転駆動する為の駆動装置の第2例を示す縦断側面図。
【図8】 同第3例を示す縦断側面図。
【図9】 本発明による評価の対象となる玉を組み込んだ玉軸受の1例を示す拡大断面図。
【図10】 玉軸受の振動特性を示す線図。
【符号の説明】
1 玉軸受
2 外輪
3 外輪軌道
4 内輪
5 内輪軌道
6 玉
7 回転案内具
8、8a、8b 駆動腕
9 検出器
10 触針
11 先端面
12 増幅器
13 A/D変換器
14 同期加算器
15 周波数分析器
16 スペクトル演算器
17 保持孔
18 保持曲面
19 駆動装置
20 基台
21 円形凹部
22 スピンドル
23 係合凹部
24 係合凹部
25 凹孔
26、26a 圧縮コイルばね
27 間座
28 調心球
29 受部
30 球状凹面
31 伝達ピース
32 支持台

Claims (6)

  1. 玉軸受用玉を所定の中心軸を中心として回転させつつ、この玉軸受用玉の中心点を通りこの中心軸に対し直交する仮想平面上に位置する部分で、この玉軸受用玉の形状を測定し、その測定値に基づいてこの玉軸受用玉の良否を判定可能とする玉軸受用玉の表面形状評価方法に於いて、この玉軸受用玉を回転案内具に保持した状態で、回転成分のみをこの玉軸受用玉に伝達自在な回転駆動手段によりこの玉軸受用玉を、上記所定の中心軸を中心として回転させつつ、この玉軸受用玉の表面に、振動検出器の触針に設けた平坦面である先端面を突き当てて、この平坦面を突き当てた部分の表面形状を振動量として検出する事を特徴とする玉軸受用玉の表面形状評価方法。
  2. 回転駆動手段が調心機能を有する、請求項1に記載した玉軸受用玉の表面形状評価方法。
  3. 回転案内具が、玉軸受用玉よりも小径の保持孔の開口外周縁部に形成した、この玉軸受用玉の表面の曲率とほぼ一致する曲率を有する保持曲面を有するものである、請求項1〜2の何れかに記載した玉軸受用玉の表面形状評価方法。
  4. 玉軸受用玉を所定の中心軸を中心として回転させつつ、この玉軸受用玉の中心点を通りこの中心軸に対し直交する仮想平面上に位置する部分で、この玉軸受用玉の形状を測定し、その測定値に基づいてこの玉軸受用玉の良否を判定可能とする為の玉軸受用玉の表面形状評価装置に於いて、この玉軸受用玉を回転自在に保持する回転案内具と、回転成分のみをこの玉軸受用玉に伝達自在な回転駆動手段と、この玉軸受用玉の表面で上記仮想平面上に位置する部分に、触針に設けた平坦面である先端面を突き当てて、この部分の表面形状を振動量として検出する振動検出手段とを備える事を特徴とする玉軸受用玉の表面形状評価装置。
  5. 回転駆動手段が調心機能を有するものである、請求項4に記載した玉軸受用玉の表面形状評価装置。
  6. 回転案内具が、玉軸受用玉よりも小径の保持孔の開口外周縁部に形成した、この玉軸受用玉の表面の曲率とほぼ一致する曲率を有する保持曲面を有するものである、請求項4〜5の何れかに記載した玉軸受用玉の表面形状評価装置。
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