JPH10247118A - マイクロダンパ、及び該マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該プローブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情報処理装置 - Google Patents
マイクロダンパ、及び該マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該プローブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情報処理装置Info
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- JPH10247118A JPH10247118A JP6377197A JP6377197A JPH10247118A JP H10247118 A JPH10247118 A JP H10247118A JP 6377197 A JP6377197 A JP 6377197A JP 6377197 A JP6377197 A JP 6377197A JP H10247118 A JPH10247118 A JP H10247118A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、真空中でも減衰力を得ることがで
き、その減衰力を制御することができるマイクロダンパ
と、該マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエー
タ、プローブ、並びに該プローブを有する走査型プロー
ブ顕微鏡、加工装置、情報処理装置等を提供することを
目的としている。 【解決手段】本発明は、相対的に可動な第1の部材と第
2の部材とを備えたマイクロ構造体の可動部の振動を制
御するマイクロダンパにおいて、前記第1の部材と第2
の部材のいずれか一方の部材に設けられた磁界発生手段
と、該磁界発生手段に対向して他方の部材に設けられた
導電性部材とによって、ダンピング力を働かせるように
したマイクロダンパを構成したことを特徴とするもので
あり、また該マイクロダンパを用いてダンピング特性の
優れた、センサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該
プローブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情
報処理装置を構成したことを特徴とするものである。
き、その減衰力を制御することができるマイクロダンパ
と、該マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエー
タ、プローブ、並びに該プローブを有する走査型プロー
ブ顕微鏡、加工装置、情報処理装置等を提供することを
目的としている。 【解決手段】本発明は、相対的に可動な第1の部材と第
2の部材とを備えたマイクロ構造体の可動部の振動を制
御するマイクロダンパにおいて、前記第1の部材と第2
の部材のいずれか一方の部材に設けられた磁界発生手段
と、該磁界発生手段に対向して他方の部材に設けられた
導電性部材とによって、ダンピング力を働かせるように
したマイクロダンパを構成したことを特徴とするもので
あり、また該マイクロダンパを用いてダンピング特性の
優れた、センサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該
プローブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情
報処理装置を構成したことを特徴とするものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロメカニク
ス技術を用いて製作されるマイクロダンパと、それを用
いたセンサ、アクチュエータ、プローブ及び、そのプロ
ーブを用いた原子間力顕微鏡(AFM)や摩擦力顕微鏡
(FFM)等の走査型力顕微鏡(SFM)、加工装置、
情報処理装置に関するものである。
ス技術を用いて製作されるマイクロダンパと、それを用
いたセンサ、アクチュエータ、プローブ及び、そのプロ
ーブを用いた原子間力顕微鏡(AFM)や摩擦力顕微鏡
(FFM)等の走査型力顕微鏡(SFM)、加工装置、
情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシニング技術を用いて
センサや、アクチュエータ等のマイクロマシンが作成さ
れるようになっている。これらのマイクロマシンにおい
ては、マクロな機械に比べて摩擦力の寄与が大きくなる
ため、これらの機械の多くは摺動部を使用せずに可動部
を弾性支持するように構成されている。一般に、弾性支
持された可動部を持つ機構は、必要以上の振動を押さえ
るためにダンパが必要となる。従来のマイクロマシンに
使用されるダンパは、空気の抵抗を用いたものが主流で
あった。その理由は、通常サイズの機械で広く使用され
ている油等の液体では減衰力が大きくなりすぎるためで
ある。
センサや、アクチュエータ等のマイクロマシンが作成さ
れるようになっている。これらのマイクロマシンにおい
ては、マクロな機械に比べて摩擦力の寄与が大きくなる
ため、これらの機械の多くは摺動部を使用せずに可動部
を弾性支持するように構成されている。一般に、弾性支
持された可動部を持つ機構は、必要以上の振動を押さえ
るためにダンパが必要となる。従来のマイクロマシンに
使用されるダンパは、空気の抵抗を用いたものが主流で
あった。その理由は、通常サイズの機械で広く使用され
ている油等の液体では減衰力が大きくなりすぎるためで
ある。
【0003】図6は空気のスクイーズ力をダンパに用い
た走査プローブ顕微鏡用プローブの例である(Y.Xu
and S.T.Smith,“Determina
tion of squeeze film damp
ing in capacitance−based
cantilever force probes,”
Precision Engineering 17:
94−100,1995)。601はティップ、602
はカンチレバー、603a、603bは変位検出電極、
604は基台である。このプローブは603aと603
bの間の静電容量を検出することでプローブに働く力を
検出するようになっている。このプローブにおいてはカ
ンチレバー602と基台604との距離を適当に設定す
ることで、カンチレバーに働く空気のスクイーズ力を制
御して比減衰率を最適にすることができる。図7は特開
平6−160417号公報に示された加速度センサで、
錘702が基台704上に弾性支持部材703で支持さ
れた構造になっている。加速度により錘702が上下す
ると空気等の圧力伝導体がオリフィス701を通り抜け
るようになっており、そのときの抵抗がダンパとして働
く。
た走査プローブ顕微鏡用プローブの例である(Y.Xu
and S.T.Smith,“Determina
tion of squeeze film damp
ing in capacitance−based
cantilever force probes,”
Precision Engineering 17:
94−100,1995)。601はティップ、602
はカンチレバー、603a、603bは変位検出電極、
604は基台である。このプローブは603aと603
bの間の静電容量を検出することでプローブに働く力を
検出するようになっている。このプローブにおいてはカ
ンチレバー602と基台604との距離を適当に設定す
ることで、カンチレバーに働く空気のスクイーズ力を制
御して比減衰率を最適にすることができる。図7は特開
平6−160417号公報に示された加速度センサで、
錘702が基台704上に弾性支持部材703で支持さ
れた構造になっている。加速度により錘702が上下す
ると空気等の圧力伝導体がオリフィス701を通り抜け
るようになっており、そのときの抵抗がダンパとして働
く。
【0004】また一方、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)や、走査型力顕微鏡(以下SFM)等の走査プロー
ブ顕微鏡(SPM)を用いることで、材料表面を原子オ
ーダーの分解能で観察することができるようになってき
ている。さらに、これらの走査プローブ顕微鏡(SP
M)は、基板に電気的、化学的あるいは物理的作用を及
ぼす事を目的とした微細加工技術や、メモリ技術にも応
用されつつある。これらの微細加工技術による加工精度
は原子レベルの大きさから数μm程度の大きさまで様々
である。また、メモリ装置に応用すると、1ビットを数
nmの大きさにできるので、媒体が1cm角のものでも
1012ビットオーダの記録容量を持つメモリ装置が実現
できる。
M)や、走査型力顕微鏡(以下SFM)等の走査プロー
ブ顕微鏡(SPM)を用いることで、材料表面を原子オ
ーダーの分解能で観察することができるようになってき
ている。さらに、これらの走査プローブ顕微鏡(SP
M)は、基板に電気的、化学的あるいは物理的作用を及
ぼす事を目的とした微細加工技術や、メモリ技術にも応
用されつつある。これらの微細加工技術による加工精度
は原子レベルの大きさから数μm程度の大きさまで様々
である。また、メモリ装置に応用すると、1ビットを数
nmの大きさにできるので、媒体が1cm角のものでも
1012ビットオーダの記録容量を持つメモリ装置が実現
できる。
【0005】SFMに用いるプローブは一般に先端径の
小さなティップ(探針)を持つカンチレバーであり、こ
れはマイクロマシニング技術を用いて製作される。ティ
ップと試料表面との間には、比較的遠距離では分散力に
よる微弱な引力が働き、近距離では斥力が働く。カンチ
レバーの変位は作用する力に比例するので、その変位を
測定することによって、ティップ先端とこれに数nm以
内に近接する試料表面間に働く微弱で局所的な力を検出
することが可能になる。更に試料表面に沿ってプローブ
を走査することで試料表面の力の2次元的情報が得られ
る。試料表面に垂直に働く力による変位すなわちカンチ
レバーのたわみを検出するものを原子間力顕微鏡(AF
M)、試料表面に平行に働く力による変位すなわちカン
チレバーのねじれを検出するものを摩擦力顕微鏡(FF
M)といって区別する場合もある。さらに、SFM/S
TM複合機においては、SFMにおけるカンチレバー部
とプローブに金属コート等によって導電性を持たせ、探
針−試料間にバイアス電圧を印加することによって、S
FMとしての機能に加えてSTMとしての機能を実現さ
せ、ティップに作用する力、及びトンネル電流という2
つの物理量を同時に複合検出することができる。
小さなティップ(探針)を持つカンチレバーであり、こ
れはマイクロマシニング技術を用いて製作される。ティ
ップと試料表面との間には、比較的遠距離では分散力に
よる微弱な引力が働き、近距離では斥力が働く。カンチ
レバーの変位は作用する力に比例するので、その変位を
測定することによって、ティップ先端とこれに数nm以
内に近接する試料表面間に働く微弱で局所的な力を検出
することが可能になる。更に試料表面に沿ってプローブ
を走査することで試料表面の力の2次元的情報が得られ
る。試料表面に垂直に働く力による変位すなわちカンチ
レバーのたわみを検出するものを原子間力顕微鏡(AF
M)、試料表面に平行に働く力による変位すなわちカン
チレバーのねじれを検出するものを摩擦力顕微鏡(FF
M)といって区別する場合もある。さらに、SFM/S
TM複合機においては、SFMにおけるカンチレバー部
とプローブに金属コート等によって導電性を持たせ、探
針−試料間にバイアス電圧を印加することによって、S
FMとしての機能に加えてSTMとしての機能を実現さ
せ、ティップに作用する力、及びトンネル電流という2
つの物理量を同時に複合検出することができる。
【0006】さて、SFM装置においてプローブを試料
表面に正確に追従させるためには、プローブのダンピン
グ特性が重要であることが知られている。一般にプロー
ブの共振周波数は高ければ高いほど、試料表面における
形状の急激な変動に追随しやすくなる。一方、ダンピン
グはプローブの振動を押さえる働きをするので適度な減
衰は必要であるが、減衰が強すぎると応答性が悪くなっ
てしまう。Whitehouseらは、プローブの比減
衰率(減衰力の臨界減衰に対する比)は0.4〜0.8
程度が最適だとしている(Whitehouse,D.
J.“Dynamic aspects of sca
nning surfaceinstruments
and microscopes,”Nanotech
nology,1990,1,93−102)。このよ
うな減衰力をプローブに生じさせるダンパは、図6のよ
うに空気の抵抗を用いる手法が主流である。
表面に正確に追従させるためには、プローブのダンピン
グ特性が重要であることが知られている。一般にプロー
ブの共振周波数は高ければ高いほど、試料表面における
形状の急激な変動に追随しやすくなる。一方、ダンピン
グはプローブの振動を押さえる働きをするので適度な減
衰は必要であるが、減衰が強すぎると応答性が悪くなっ
てしまう。Whitehouseらは、プローブの比減
衰率(減衰力の臨界減衰に対する比)は0.4〜0.8
程度が最適だとしている(Whitehouse,D.
J.“Dynamic aspects of sca
nning surfaceinstruments
and microscopes,”Nanotech
nology,1990,1,93−102)。このよ
うな減衰力をプローブに生じさせるダンパは、図6のよ
うに空気の抵抗を用いる手法が主流である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うなダンパは空気を用いているため、雰囲気によって減
衰力が変わり、特に高真空中では減衰力が全く働かなく
なってしまう。そのため、上記したダンパを用いたセン
サやアクチュエータを真空中で使用するためには、空気
とともにパッケージしなければならず、コストがかかる
という問題点があった。また、SFMのプローブのよう
に、外部と直接作用するものは、パッケージできないの
で、必要なダンピング特性が得られないという問題点が
あった。また、従来のダンパの減衰力は作成時に決まっ
てしまうため、減衰力を変化させることができないとい
う問題点があった。例えば、プローブの最適なダンピン
グ特性は試料の表面形状や、観察方法によって異なるた
め、観察場所や観察方法によって減衰力を変化させるの
が望ましいが、従来のプローブではプローブを取り替え
なければ減衰力を変化させることができないという点に
問題があった。
うなダンパは空気を用いているため、雰囲気によって減
衰力が変わり、特に高真空中では減衰力が全く働かなく
なってしまう。そのため、上記したダンパを用いたセン
サやアクチュエータを真空中で使用するためには、空気
とともにパッケージしなければならず、コストがかかる
という問題点があった。また、SFMのプローブのよう
に、外部と直接作用するものは、パッケージできないの
で、必要なダンピング特性が得られないという問題点が
あった。また、従来のダンパの減衰力は作成時に決まっ
てしまうため、減衰力を変化させることができないとい
う問題点があった。例えば、プローブの最適なダンピン
グ特性は試料の表面形状や、観察方法によって異なるた
め、観察場所や観察方法によって減衰力を変化させるの
が望ましいが、従来のプローブではプローブを取り替え
なければ減衰力を変化させることができないという点に
問題があった。
【0008】そこで、本発明は、上記従来技術が有する
課題を解決し、真空中でも減衰力を得ることができ、そ
の減衰力を制御することができるマイクロダンパと、該
マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエータ、プロ
ーブ、並びに該プローブを有する走査型プローブ顕微
鏡、加工装置、情報処理装置等を提供することを目的と
している。
課題を解決し、真空中でも減衰力を得ることができ、そ
の減衰力を制御することができるマイクロダンパと、該
マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエータ、プロ
ーブ、並びに該プローブを有する走査型プローブ顕微
鏡、加工装置、情報処理装置等を提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、マイクロダンパと、該マイクロダンパを有
するセンサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該プロ
ーブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情報処
理装置をつぎのように構成したことを特徴としている。 (1)本発明のマイクロダンパは、相対的に可動な第1
の部材と第2の部材とを備えたマイクロ構造体の可動部
の振動を制御するマイクロダンパにおいて、前記第1の
部材と第2の部材のいずれか一方の部材に設けられた磁
界発生手段と、該磁界発生手段に対向して他方の部材に
設けられた導電性部材とによって、ダンピング力を働か
せるようにしたことを特徴としている。 (2)本発明のマイクロダンパは(1)のマイクロダン
パにおいて前記磁界発生手段がコイルであることを特徴
としている。 (3)本発明の力学量センサは、(1)〜(2)のマイ
クロダンパにおける第1の部材と第2の部材のいずれか
一方の部材に、該第1の部材と第2の部材の相対的な変
位を検出する変位検出手段を有することを特徴としてい
る。 (4)本発明の静電アクチュエータは、(1)〜(2)
のマイクロダンパにおける第1の部材と第2の部材のい
ずれか一方の部材に、他方の導電性部材に対向する静電
駆動電極を有することを特徴としている。 (5)本発明のプローブは、(1)〜(2)のマイクロ
ダンパにおける第1の部材と第2の部材のいずれか一方
の部材に、ティップを有することを特徴とするプロー
ブ。 (6)本発明のプローブを走査して試料表面を観察する
走査型プローブ顕微鏡は、上記(5)に記載のプローブ
を有することを特徴としている。 (7)本発明の微細加工等を施す加工装置は、上記
(5)に記載のプローブを有することを特徴としてい
る。 (8)本発明のプローブを記録媒体に対して走査して情
報の記録・再生をする情報処理装置は、上記(5)に記
載のプローブを有することを特徴としている。
決するため、マイクロダンパと、該マイクロダンパを有
するセンサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該プロ
ーブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情報処
理装置をつぎのように構成したことを特徴としている。 (1)本発明のマイクロダンパは、相対的に可動な第1
の部材と第2の部材とを備えたマイクロ構造体の可動部
の振動を制御するマイクロダンパにおいて、前記第1の
部材と第2の部材のいずれか一方の部材に設けられた磁
界発生手段と、該磁界発生手段に対向して他方の部材に
設けられた導電性部材とによって、ダンピング力を働か
せるようにしたことを特徴としている。 (2)本発明のマイクロダンパは(1)のマイクロダン
パにおいて前記磁界発生手段がコイルであることを特徴
としている。 (3)本発明の力学量センサは、(1)〜(2)のマイ
クロダンパにおける第1の部材と第2の部材のいずれか
一方の部材に、該第1の部材と第2の部材の相対的な変
位を検出する変位検出手段を有することを特徴としてい
る。 (4)本発明の静電アクチュエータは、(1)〜(2)
のマイクロダンパにおける第1の部材と第2の部材のい
ずれか一方の部材に、他方の導電性部材に対向する静電
駆動電極を有することを特徴としている。 (5)本発明のプローブは、(1)〜(2)のマイクロ
ダンパにおける第1の部材と第2の部材のいずれか一方
の部材に、ティップを有することを特徴とするプロー
ブ。 (6)本発明のプローブを走査して試料表面を観察する
走査型プローブ顕微鏡は、上記(5)に記載のプローブ
を有することを特徴としている。 (7)本発明の微細加工等を施す加工装置は、上記
(5)に記載のプローブを有することを特徴としてい
る。 (8)本発明のプローブを記録媒体に対して走査して情
報の記録・再生をする情報処理装置は、上記(5)に記
載のプローブを有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、上記構成により、前述
した本発明の課題を達成するものであるが、つぎに、図
に基づいて本発明のマイクロダンパの具体的作用を説明
する。図3において、305は磁界発生手段、306は
導電性プレートである。磁界発生手段305により生じ
た磁界351中で、導電性プレート306が磁界発生手
段305に対して相対的に方向352の向きに移動する
と電磁誘導の原理により導電性プレート306中に渦電
流353が生じ、その渦電流353によって磁界354
が発生する。磁界354と磁界351は互いに反発する
力を及ぼし合うので、結果として導電性プレート306
の移動方向に逆らう向きに力が働く。同様に導電性プレ
ート306を方向352の逆向きに移動させた場合も移
動方向に逆らう向きに力が働く。すなわち、磁界発生手
段306と導電性発生プレート305はダンパとして働
くことが分かる。このダンパとしての作用は電磁力によ
るものなので、本発明のマイクロダンパによれば真空中
でも減衰力を働かせることが可能となる。また、本発明
のマイクロダンパにおいては、その磁界発生手段にコイ
ルを使用することにより、減衰力を制御することができ
る。また、本発明のマイクロダンパを用いた力学量セン
サ、または静電アクチュエータ、あるいはプローブによ
れば、真空中でも減衰力を働かせ、またその減衰力を制
御することが可能となる。また、本発明の走査型プロー
ブ顕微鏡によれば、雰囲気によらず減衰力が働くため、
雰囲気が変わっても正確な像を得ることができ、また異
なる測定モードでも減衰力を最適に制御することで正確
な像を得ることができる。また、本発明の加工装置によ
れば、雰囲気によらず減衰力が働くため、様々な雰囲気
中で加工を行うことができる。また、本発明の情報記録
装置によれば、雰囲気によらず減衰力が働くため、様々
な雰囲気で情報の記録再生を正確に行うことができる。
した本発明の課題を達成するものであるが、つぎに、図
に基づいて本発明のマイクロダンパの具体的作用を説明
する。図3において、305は磁界発生手段、306は
導電性プレートである。磁界発生手段305により生じ
た磁界351中で、導電性プレート306が磁界発生手
段305に対して相対的に方向352の向きに移動する
と電磁誘導の原理により導電性プレート306中に渦電
流353が生じ、その渦電流353によって磁界354
が発生する。磁界354と磁界351は互いに反発する
力を及ぼし合うので、結果として導電性プレート306
の移動方向に逆らう向きに力が働く。同様に導電性プレ
ート306を方向352の逆向きに移動させた場合も移
動方向に逆らう向きに力が働く。すなわち、磁界発生手
段306と導電性発生プレート305はダンパとして働
くことが分かる。このダンパとしての作用は電磁力によ
るものなので、本発明のマイクロダンパによれば真空中
でも減衰力を働かせることが可能となる。また、本発明
のマイクロダンパにおいては、その磁界発生手段にコイ
ルを使用することにより、減衰力を制御することができ
る。また、本発明のマイクロダンパを用いた力学量セン
サ、または静電アクチュエータ、あるいはプローブによ
れば、真空中でも減衰力を働かせ、またその減衰力を制
御することが可能となる。また、本発明の走査型プロー
ブ顕微鏡によれば、雰囲気によらず減衰力が働くため、
雰囲気が変わっても正確な像を得ることができ、また異
なる測定モードでも減衰力を最適に制御することで正確
な像を得ることができる。また、本発明の加工装置によ
れば、雰囲気によらず減衰力が働くため、様々な雰囲気
中で加工を行うことができる。また、本発明の情報記録
装置によれば、雰囲気によらず減衰力が働くため、様々
な雰囲気で情報の記録再生を正確に行うことができる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明をす
る。 [実施例1]図1は、実施例1を示すものであり、本発
明のマイクロダンパをSFM/STM複合観察装置用プ
ローブに適用した例である。図1において、102カン
チレバー、106導電性プレート、107電流検出信号
線は、構造が見易いように一部削って表示している。基
台104上には薄膜コイル105が形成され、薄膜コイ
ル105は磁界発生信号線108を介して電極110に
接続されている。また、基台104上には支持部材10
3を介してカンチレバー102が配置されている。カン
チレバー102の自由端には導電性材料からなるティッ
プ101が配置されており、薄膜コイル105に対向す
る位置には導電性プレート106が形成されている。テ
ィップ101は電流検出信号線を介して電極109に接
続されている。
る。 [実施例1]図1は、実施例1を示すものであり、本発
明のマイクロダンパをSFM/STM複合観察装置用プ
ローブに適用した例である。図1において、102カン
チレバー、106導電性プレート、107電流検出信号
線は、構造が見易いように一部削って表示している。基
台104上には薄膜コイル105が形成され、薄膜コイ
ル105は磁界発生信号線108を介して電極110に
接続されている。また、基台104上には支持部材10
3を介してカンチレバー102が配置されている。カン
チレバー102の自由端には導電性材料からなるティッ
プ101が配置されており、薄膜コイル105に対向す
る位置には導電性プレート106が形成されている。テ
ィップ101は電流検出信号線を介して電極109に接
続されている。
【0012】本発明の特徴である薄膜コイル105のよ
うな構造物は、半導体リソグラフィ技術で容易に作成で
きることが知られている。本実施例のプローブは、電極
110から薄膜コイル105に電流を流すと、真空中で
もダンピング力が働く。また、薄膜コイル105に流す
電流を制御することでダンピング量を制御することがで
きる。
うな構造物は、半導体リソグラフィ技術で容易に作成で
きることが知られている。本実施例のプローブは、電極
110から薄膜コイル105に電流を流すと、真空中で
もダンピング力が働く。また、薄膜コイル105に流す
電流を制御することでダンピング量を制御することがで
きる。
【0013】[実施例2]図2は実施例2を示すもので
あり、実施例1のプローブを用いたSFM/STM複合
観察装置の制御回路の概略を示したものである。図2で
は実施例1のプローブがXYZ駆動ステージ上に載った
試料に対向して配置されている。そしてカンチレバー1
02の先端の変位がレーザ発振器111と4分割フォト
ダイオード112からなる光てこで検出されるようにな
っている。なお、カンチレバーの変位の検出法はここに
示す方法に限定されるものではなく、図6に示すプロー
ブで使用される静電容量検出法や、カンチレバーに働く
応力をピエゾ抵抗の変化で読み取るピエゾ抵抗法など、
従来のSFMで用いられている検出法を用いることもで
きることはいうまでもない。
あり、実施例1のプローブを用いたSFM/STM複合
観察装置の制御回路の概略を示したものである。図2で
は実施例1のプローブがXYZ駆動ステージ上に載った
試料に対向して配置されている。そしてカンチレバー1
02の先端の変位がレーザ発振器111と4分割フォト
ダイオード112からなる光てこで検出されるようにな
っている。なお、カンチレバーの変位の検出法はここに
示す方法に限定されるものではなく、図6に示すプロー
ブで使用される静電容量検出法や、カンチレバーに働く
応力をピエゾ抵抗の変化で読み取るピエゾ抵抗法など、
従来のSFMで用いられている検出法を用いることもで
きることはいうまでもない。
【0014】まず、接触モードのAFM測定と導電率測
定を同時に行う方法について説明する。測定を行う際に
は、試料120とティップ101を接触するまで接近さ
せる。その後、試料120は走査信号発生回路119か
らの信号で駆動されるXYZ駆動ステージ113でティ
ップ101に対して相対的に走査される。ティップ10
1と試料120の間には測定バイアス印加回路117に
より測定バイアス電圧が印加されている。ここで、電流
検出回路118で検出される電流をティップ101の試
料120上の位置に対してマッピングして行くことで、
試料表面の導電率の2次元分布が求められる。また、変
位検出回路115から得られる変位信号のうち、カンチ
レバーのたわみ量をマッピングすればAFM像が得ら
れ、カンチレバーのねじれ量をマッピングすればFFM
像を得ることができる。これらの像の取得は全て同時に
行うことができる。
定を同時に行う方法について説明する。測定を行う際に
は、試料120とティップ101を接触するまで接近さ
せる。その後、試料120は走査信号発生回路119か
らの信号で駆動されるXYZ駆動ステージ113でティ
ップ101に対して相対的に走査される。ティップ10
1と試料120の間には測定バイアス印加回路117に
より測定バイアス電圧が印加されている。ここで、電流
検出回路118で検出される電流をティップ101の試
料120上の位置に対してマッピングして行くことで、
試料表面の導電率の2次元分布が求められる。また、変
位検出回路115から得られる変位信号のうち、カンチ
レバーのたわみ量をマッピングすればAFM像が得ら
れ、カンチレバーのねじれ量をマッピングすればFFM
像を得ることができる。これらの像の取得は全て同時に
行うことができる。
【0015】接触モードのAFM動作では、最適な減衰
比は0.4〜0.8程度なので減衰力が最適になるよう
に減衰力制御回路116から薄膜コイル105に電流を
流すようにする。真空中では空気のダンピング力が効か
なくなるので、大気中よりも多くの電流を流す必要があ
る。このように、本発明のプローブを用いたSFM/S
TM複合観察装置を使用すれば、真空中でも最適な減衰
力を得ることができる。次に、振動モードのAFM測定
を行う方法について説明する。測定を行う際には、試料
120とティップ101を接触しない程度に接近させ
る。そして、微動アクチュエータ制御回路122から駆
動信号を送って、微動アクチュエータ121をプローブ
の共振周波数付近で振動させ、ティップ101が試料1
20に対して振動するようにする。その後、試料120
は走査信号発生回路119からの信号で駆動されるXY
Z駆動ステージ113でティップ101に対して相対的
に走査される。
比は0.4〜0.8程度なので減衰力が最適になるよう
に減衰力制御回路116から薄膜コイル105に電流を
流すようにする。真空中では空気のダンピング力が効か
なくなるので、大気中よりも多くの電流を流す必要があ
る。このように、本発明のプローブを用いたSFM/S
TM複合観察装置を使用すれば、真空中でも最適な減衰
力を得ることができる。次に、振動モードのAFM測定
を行う方法について説明する。測定を行う際には、試料
120とティップ101を接触しない程度に接近させ
る。そして、微動アクチュエータ制御回路122から駆
動信号を送って、微動アクチュエータ121をプローブ
の共振周波数付近で振動させ、ティップ101が試料1
20に対して振動するようにする。その後、試料120
は走査信号発生回路119からの信号で駆動されるXY
Z駆動ステージ113でティップ101に対して相対的
に走査される。
【0016】ティップ101の振動の振幅や位相はティ
ップに作用する力によって変化するので、変位検出回路
115から得られる変位信号から、振動の振幅や、振動
の位相を抽出してティップ101の試料120上の位置
に対してマッピングして行くことで、試料の表面のティ
ップに働く力の2次元分布が求められる。振動モードの
AFM動作では、プローブの減衰は小さい方が望ましい
ので、薄膜コイル105には電流を流さないようにす
る。このように、本発明のプローブを用いたSFM/S
TM複合観察装置を使用すれば、同じプローブを使用し
ながら、接触モードと非接触モードでそれぞれ最適な減
衰力を得ることができる。
ップに作用する力によって変化するので、変位検出回路
115から得られる変位信号から、振動の振幅や、振動
の位相を抽出してティップ101の試料120上の位置
に対してマッピングして行くことで、試料の表面のティ
ップに働く力の2次元分布が求められる。振動モードの
AFM動作では、プローブの減衰は小さい方が望ましい
ので、薄膜コイル105には電流を流さないようにす
る。このように、本発明のプローブを用いたSFM/S
TM複合観察装置を使用すれば、同じプローブを使用し
ながら、接触モードと非接触モードでそれぞれ最適な減
衰力を得ることができる。
【0017】[実施例3]実施例3では、実施例2で示
したSFM/STM複合装置を用いて、試料としての記
録媒体に電気的な加工を施すことにより記録ビットの書
き込みを行ない、実際にそのビットを用いて情報の記録
再生消去を行なった。記録媒体としては特開昭63−1
61552号公報および特開昭63−161553号公
報に開示されている記録媒体であるAu電極上に積層さ
れたSOAZ−ラングミュアープロジェット(LB)膜
(2層膜)を試料として用いる。Au電極には抵抗加熱
によるAuの蒸着膜を用いている。
したSFM/STM複合装置を用いて、試料としての記
録媒体に電気的な加工を施すことにより記録ビットの書
き込みを行ない、実際にそのビットを用いて情報の記録
再生消去を行なった。記録媒体としては特開昭63−1
61552号公報および特開昭63−161553号公
報に開示されている記録媒体であるAu電極上に積層さ
れたSOAZ−ラングミュアープロジェット(LB)膜
(2層膜)を試料として用いる。Au電極には抵抗加熱
によるAuの蒸着膜を用いている。
【0018】この記録媒体に、カンチレバー上のティッ
プを用いて波高値−6Vおよび+1.5Vの連続したパ
ルス電圧を重畳したバイアスを探針と記録媒体の間に印
加することで電気的な情報の書き込みを行う。さらにそ
の書き込んだ情報を読み出すために、記録媒体上を走査
してトンネル電流を測定し、得られるトンネル電流信号
から、電気的加工によって書き込んだビット信号を抽出
し、抽出したビット信号から書き込んだ情報の再生を行
う。再生した情報は、トンネル電流信号の飽和や不検出
状態等が起こらず、情報の欠落等も発生せず、書き込ん
だ情報は100%再生できる。
プを用いて波高値−6Vおよび+1.5Vの連続したパ
ルス電圧を重畳したバイアスを探針と記録媒体の間に印
加することで電気的な情報の書き込みを行う。さらにそ
の書き込んだ情報を読み出すために、記録媒体上を走査
してトンネル電流を測定し、得られるトンネル電流信号
から、電気的加工によって書き込んだビット信号を抽出
し、抽出したビット信号から書き込んだ情報の再生を行
う。再生した情報は、トンネル電流信号の飽和や不検出
状態等が起こらず、情報の欠落等も発生せず、書き込ん
だ情報は100%再生できる。
【0019】また、一度書き込んだ一連の部分に上述の
バイアスと逆の大きさのパルスを重畳したバイアスを探
針と記録媒体の間に印加する。その後に一連のビットを
形成する部分を走査しトンネル電流を測定すると、すべ
てビットがない場合の大きさに戻っている、すなわち書
き込んだデータが消去されていることを確認できる。す
なわち、本発明によって、消去に対しても安定に探針制
御ができる。ティップにタングステン等酸化しやすい金
属を用いた場合には、酸化を防ぐために高真空中で情報
の記録再生をおこなうことでティップの寿命を長くする
ことができるが、従来のプローブでは雰囲気を高真空に
するとプローブにダンピングが働かないためプローブが
跳ねてしまい、走査速度を速くすることができないとい
う問題点があった。しかし、本発明の情報記録装置を用
いれば、真空中でもプローブにダンピング力が働くた
め、大気中と同じ走査速度で情報の記録再生を行うこと
ができる。
バイアスと逆の大きさのパルスを重畳したバイアスを探
針と記録媒体の間に印加する。その後に一連のビットを
形成する部分を走査しトンネル電流を測定すると、すべ
てビットがない場合の大きさに戻っている、すなわち書
き込んだデータが消去されていることを確認できる。す
なわち、本発明によって、消去に対しても安定に探針制
御ができる。ティップにタングステン等酸化しやすい金
属を用いた場合には、酸化を防ぐために高真空中で情報
の記録再生をおこなうことでティップの寿命を長くする
ことができるが、従来のプローブでは雰囲気を高真空に
するとプローブにダンピングが働かないためプローブが
跳ねてしまい、走査速度を速くすることができないとい
う問題点があった。しかし、本発明の情報記録装置を用
いれば、真空中でもプローブにダンピング力が働くた
め、大気中と同じ走査速度で情報の記録再生を行うこと
ができる。
【0020】[実施例4]図4は、実施例4を示すもの
であり、本発明のマイクロダンパを加速度センサに適用
した例である。図4において、基台404の上方におも
り403が弾性支持部402を介して支持されている。
弾性支持部402のたわみは歪みセンサ407で検出さ
れる。おもり403の1面には、金属製薄膜からなる導
電性プレート406が形成されており、基台404の上
には導電性プレート406に対向する位置に永久磁石4
05が配置されている。
であり、本発明のマイクロダンパを加速度センサに適用
した例である。図4において、基台404の上方におも
り403が弾性支持部402を介して支持されている。
弾性支持部402のたわみは歪みセンサ407で検出さ
れる。おもり403の1面には、金属製薄膜からなる導
電性プレート406が形成されており、基台404の上
には導電性プレート406に対向する位置に永久磁石4
05が配置されている。
【0021】おもり403が振動すると永久磁石405
の発生する磁界中で導電性プレート406が運動する。
このとき導電性プレート406に生じる渦電流がおもり
403の運動を妨げる向きに磁界を生じるので、ダンピ
ング力が発生する。このダンピング力は真空中でも働く
ので、本実施例の加速度センサはパッケージすることな
く真空中でも使用することができる。
の発生する磁界中で導電性プレート406が運動する。
このとき導電性プレート406に生じる渦電流がおもり
403の運動を妨げる向きに磁界を生じるので、ダンピ
ング力が発生する。このダンピング力は真空中でも働く
ので、本実施例の加速度センサはパッケージすることな
く真空中でも使用することができる。
【0022】[実施例5]図5は、実施例5を示すもの
であり、本発明のマイクロダンパを光変調用の静電アク
チュエータに適用した例である。基台504上には、薄
膜コイル505a、bと、静電駆動電極507a、bが
形成されており、基台504の上方には導電性材料から
なるミラー503がトーションバー502a、502b
を介して回転自由に支持されている。静電駆動電極50
7aとミラー503の間に電圧を印加すると、ミラー5
03は図中で左回りに変位し、静電駆動電極507bと
ミラー503の間に電圧を印加するとミラー503は図
中で右回りに変位する。
であり、本発明のマイクロダンパを光変調用の静電アク
チュエータに適用した例である。基台504上には、薄
膜コイル505a、bと、静電駆動電極507a、bが
形成されており、基台504の上方には導電性材料から
なるミラー503がトーションバー502a、502b
を介して回転自由に支持されている。静電駆動電極50
7aとミラー503の間に電圧を印加すると、ミラー5
03は図中で左回りに変位し、静電駆動電極507bと
ミラー503の間に電圧を印加するとミラー503は図
中で右回りに変位する。
【0023】薄膜コイル505aと505bに電流を流
して磁界が発生している状態で、ミラー503が運動す
ると、ミラー503中に渦電流が発生し、その運動を妨
げる向きにダンピング力が発生する。一方、薄膜コイル
505aと505bに電流を流さなければダンピング力
は発生しない。本実施例の光変調用の静電アクチュエー
タは、光をアクチュエータの固有振動数で振動させて走
査を行うときにはダンピングを働かせないようにし、光
を一定方向に反射するときはダンピングを強くしてミラ
ーのぶれを少なくするといった使用法ができるため、従
来のものに比べ応用範囲が広くなる。
して磁界が発生している状態で、ミラー503が運動す
ると、ミラー503中に渦電流が発生し、その運動を妨
げる向きにダンピング力が発生する。一方、薄膜コイル
505aと505bに電流を流さなければダンピング力
は発生しない。本実施例の光変調用の静電アクチュエー
タは、光をアクチュエータの固有振動数で振動させて走
査を行うときにはダンピングを働かせないようにし、光
を一定方向に反射するときはダンピングを強くしてミラ
ーのぶれを少なくするといった使用法ができるため、従
来のものに比べ応用範囲が広くなる。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上のとおり、磁気発生手段
に対向して設けられた導電性部材によって、ダンピング
力を働かせるようにした構成により、真空中でも減衰力
を得ることができると共に、その減衰力を制御すること
が可能なマイクロダンパを構成することができ、このよ
うなマイクロダンパによってダンピング特性の優れたセ
ンサ、アクチュエータ、プローブ、等を実現することが
できる。また、本発明のマイクロダンパによって走査型
プローブ顕微鏡を構成することにより、雰囲気によらず
正確な像を得ることができ、また、同一プローブを用い
て異なる測定モードにおける正確な像を得ることの可能
な走査型プローブ顕微鏡を実現することができる。ま
た、本発明のマイクロダンパによって加工装置を構成す
ることにより、雰囲気によらず正確な加工の可能な加工
装置を実現することができる。また、本発明のマイクロ
ダンパによって情報記録装置を構成することにより、雰
囲気によらず情報の正確な記録再生ができ、真空中でも
高速で情報の記録再生の可能な情報記録装置を実現する
ことができる。
に対向して設けられた導電性部材によって、ダンピング
力を働かせるようにした構成により、真空中でも減衰力
を得ることができると共に、その減衰力を制御すること
が可能なマイクロダンパを構成することができ、このよ
うなマイクロダンパによってダンピング特性の優れたセ
ンサ、アクチュエータ、プローブ、等を実現することが
できる。また、本発明のマイクロダンパによって走査型
プローブ顕微鏡を構成することにより、雰囲気によらず
正確な像を得ることができ、また、同一プローブを用い
て異なる測定モードにおける正確な像を得ることの可能
な走査型プローブ顕微鏡を実現することができる。ま
た、本発明のマイクロダンパによって加工装置を構成す
ることにより、雰囲気によらず正確な加工の可能な加工
装置を実現することができる。また、本発明のマイクロ
ダンパによって情報記録装置を構成することにより、雰
囲気によらず情報の正確な記録再生ができ、真空中でも
高速で情報の記録再生の可能な情報記録装置を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるSFM/STM複合
観察装置用プローブの斜視図である。
観察装置用プローブの斜視図である。
【図2】本発明の実施例2におけるSFM/STM複合
観察装置の制御回路の概略図である。
観察装置の制御回路の概略図である。
【図3】本発明のマイクロダンパの原理を説明する図で
ある。
ある。
【図4】本発明の実施例4における加速度センサの斜視
図である。
図である。
【図5】本発明の実施例5における光変調用アクチュエ
ータの斜視図である。
ータの斜視図である。
【図6】従来型のプローブの斜視図である。
【図7】従来型の加速度センサの断面図である。
101:ティップ 102:カンチレバー 103:支持部材 104:基台 105:薄膜コイル 106:導電性プレート 107:電流検出信号線 108:磁界発生信号線 109、110:電極 111:レーザ発振器 112:4分割フォトダイオード 113:XYZ駆動ステージ 114:制御コンピュータ 115:変位検出回路 116:減衰力制御回路 117:測定バイアス印加回路 118:電流検出回路 119:走査信号発生回路 120:試料 121:微動アクチュエータ 305:磁界発生手段 306:導電性プレート 351:磁界発生手段による磁界 352:移動方向 353:渦電流 354:渦電流による磁界 402:弾性支持部 403:おもり 404:基台 405:永久磁石 406:導電性プレート 407:歪みセンサ 502a、502b:トーションバー 503:ミラー 504:基台 505a、b:薄膜コイル 507a、b:静電駆動電極 601:ティップ 602:カンチレバー 603a、603b:変位検出電極 604:基台 701:オリフィス 702:錘 703:弾性支持部材 704:基台
Claims (8)
- 【請求項1】相対的に可動な第1の部材と第2の部材と
を備えたマイクロ構造体の可動部の振動を制御するマイ
クロダンパにおいて、前記第1の部材と第2の部材のい
ずれか一方の部材に設けられた磁界発生手段と、該磁界
発生手段に対向して他方の部材に設けられた導電性部材
とによって、ダンピング力を働かせるようにしたことを
特徴とするマイクロダンパ。 - 【請求項2】前記磁界発生手段が、コイルであることを
特徴とする請求項1に記載のマイクロダンパ。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のマイクロ
ダンパにおける第1の部材と第2の部材のいずれか一方
の部材に、該第1の部材と第2の部材の相対的な変位を
検出する変位検出手段を有することを特徴とする力学量
センサ。 - 【請求項4】請求項1または請求項2に記載のマイクロ
ダンパにおける第1の部材と第2の部材のいずれか一方
の部材に、他方の導電性部材に対向する静電駆動電極を
有することを特徴とする静電アクチュエータ。 - 【請求項5】請求項1または請求項2に記載のマイクロ
ダンパにおける第1の部材と第2の部材のいずれか一方
の部材に、ティップを有することを特徴とするプロー
ブ。 - 【請求項6】プローブを走査して試料表面を観察する走
査型プローブ顕微鏡において、請求項5に記載のプロー
ブを有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 - 【請求項7】微細加工等を施す加工装置において、請求
項5に記載のプローブを有することを特徴とする加工装
置。 - 【請求項8】プローブを記録媒体に対して走査して情報
の記録・再生をする情報処理装置において、請求項5に
記載のプローブを有することを特徴とする情報処理装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6377197A JPH10247118A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | マイクロダンパ、及び該マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該プローブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情報処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6377197A JPH10247118A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | マイクロダンパ、及び該マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該プローブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情報処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10247118A true JPH10247118A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=13238976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6377197A Pending JPH10247118A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | マイクロダンパ、及び該マイクロダンパを有するセンサ、アクチュエータ、プローブ、並びに該プローブを有する走査型プローブ顕微鏡、加工装置、情報処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10247118A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000059074A1 (fr) * | 1999-03-31 | 2000-10-05 | Seiko Epson Corporation | Procede de connexion d'electrodes, connecteur a pas etroit, dispositif de modification du pas, micromachine, actionneur piezoelectrique, actionneur electrostatique, tete a jet d'encre, imprimante a jet d'encre, dispositif a cristaux liquides et dispositif electronique |
WO2001005701A1 (en) * | 1999-07-16 | 2001-01-25 | Japan Science And Technology Corporation | Nanometer-order mechanical vibrator, production method thereof and measuring device using it |
JP2002181687A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-06-26 | Seiko Instruments Inc | 走査型プローブ顕微鏡 |
KR100418907B1 (ko) * | 2001-02-16 | 2004-02-14 | 엘지전자 주식회사 | Spm용 캔틸레버 |
KR100439423B1 (ko) * | 2002-01-16 | 2004-07-09 | 한국전자통신연구원 | 마이크로전자기계 액튜에이터 |
JP2005516299A (ja) * | 2002-02-01 | 2005-06-02 | ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− | 振動調節器 |
-
1997
- 1997-03-03 JP JP6377197A patent/JPH10247118A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2000059074A1 (fr) * | 1999-03-31 | 2000-10-05 | Seiko Epson Corporation | Procede de connexion d'electrodes, connecteur a pas etroit, dispositif de modification du pas, micromachine, actionneur piezoelectrique, actionneur electrostatique, tete a jet d'encre, imprimante a jet d'encre, dispositif a cristaux liquides et dispositif electronique |
US6619785B1 (en) | 1999-03-31 | 2003-09-16 | Seiko Epson Corporation | Method of connecting electrode, narrow pitch connector, pitch changing device, micromachine, piezoelectric actuator, electrostatic actuator, ink-jet head, ink-jet printer, liquid crystal device, and electronic device |
WO2001005701A1 (en) * | 1999-07-16 | 2001-01-25 | Japan Science And Technology Corporation | Nanometer-order mechanical vibrator, production method thereof and measuring device using it |
US6611178B1 (en) | 1999-07-16 | 2003-08-26 | Japan Science And Technology Corporation | Nanometer-order mechanical vibrator, production method thereof and measuring device using it |
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JP4510277B2 (ja) * | 2000-12-15 | 2010-07-21 | エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 | 走査型プローブ顕微鏡 |
KR100418907B1 (ko) * | 2001-02-16 | 2004-02-14 | 엘지전자 주식회사 | Spm용 캔틸레버 |
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