JPH10274362A - Co2 サイクル用クーラーホース - Google Patents

Co2 サイクル用クーラーホース

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JPH10274362A
JPH10274362A JP8018297A JP8018297A JPH10274362A JP H10274362 A JPH10274362 A JP H10274362A JP 8018297 A JP8018297 A JP 8018297A JP 8018297 A JP8018297 A JP 8018297A JP H10274362 A JPH10274362 A JP H10274362A
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JP
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hose
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yarn
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JP8018297A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Arima
徹哉 有馬
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カーエアコン等に用いる冷媒として代替フロン
のかわりに要求仕様のより厳しい二酸化炭素を用いたと
しても、高圧において亀裂が入ったり破裂したりするこ
となく、しかも適度の柔軟性を備えるCO2 サイクル用
クーラーホースを提供する。 【解決手段】本発明のCO2 サイクル用クーラーホース
7は、内層8と、この内層8の外周面に、補強層9を介
して積層された外層10とを備える少なくとも三層から
なるホースであって、上記内層8の厚み(T)とホース
内径(P)とが下記の不等式(1)を満たすよう設定さ
れている。 【数1】0.05P≦T≦0.8P ……(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒が二酸化炭素
(CO2 )であるカーエアコンやエアコン等の配管に用
いられるCO2 サイクル用クーラーホースに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、カーエアコン等の冷媒とし
て、特定フロン(CFC−12等)が用いられている。
しかしながら、地球環境的な観点から、オゾン層を破壊
する特定フロンの使用が1995年末に全廃されてい
る。このため、この代替物質として、オゾン層を破壊し
ない代替フロン(HFC−134a等)が提案され、現
在では冷媒としてこの代替フロンを用いることが主流で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カーエ
アコンシステムに用いられる代替フロンはオゾン層破壊
係数(ODP)に関しては0であるのに対して、地球温
暖化係数(GWP)に関しては二酸化炭素(CO2 )よ
りも約1300倍と高く、地球の温暖化を促進する主要
因となりつつある。そこで、次世代カーエアコンシステ
ムの冷媒として、代替フロンのかわりに、地球温暖化係
数の比較的低い二酸化炭素を用いることが研究されてい
る。
【0004】ところが、代替フロンおよび二酸化炭素を
それぞれ冷媒として用いた場合のクーラーホースに対す
る要求仕様は、下記の表1に示すようになり、二酸化炭
素の方が厳しい条件となっている。
【0005】
【表1】
【0006】このため、代替フロン用のクーラーホース
を、そのまま二酸化炭素用のクーラーホースとして用い
ると、ホースに亀裂を生じたり破裂したりして耐久性が
損なわれることが判明している。そこで、これに対処す
るには、ホースの内層を厚くすることも考えられるが、
ただ厚みを大きくするだけでは、ホースの柔軟性が損な
われ、配管上の制約が大きく実用的ではない。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、カーエアコン等に用いる冷媒として、代替フロ
ンのかわりに要求仕様のより厳しい二酸化炭素を用いた
としても、高圧において亀裂が入ったり破裂したりする
ことなく、しかも適度の柔軟性を備えるCO2 サイクル
用クーラーホースの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のCO2 サイクル用クーラーホースは、内層
と、この内層の外周面に、補強層を介して積層された外
層とを備える少なくとも三層からなるホースであって、
上記内層の厚み(T)とホース内径(P)とが下記の不
等式(1)を満たすよう設定されているという構成をと
る。
【0009】
【数2】0.05P≦T≦0.8P ……(1)
【0010】すなわち、この発明者は、現在冷媒として
汎用されている代替フロンを二酸化炭素に代えても、耐
久性に問題を生じることなく、しかも取扱性を損なわな
い程度の柔軟性を備えているホースについて、一連の研
究を重ねた。そして、特に、ホースの厚みについて、耐
久性と柔軟性という相反する特性が、どちらの特性にも
支障が生じないようバランスのとれた状態となるよう研
究を重ねた。その結果、上記ホースの内層の厚みを、そ
の内径に対して特定の比率となるよう設定することによ
り、所期の目的を達成できることを見いだし、本発明に
到達した。
【0011】なお、上記内層を合成樹脂〔(A)成分〕
および合成樹脂と合成ゴムとを混合してなるゴムアロイ
品〔(B)成分〕の少なくとも一方からなる一層構造と
したものは、製法的に有利であるという利点を有する。
【0012】また、上記内層を特定の樹脂からなる樹脂
層と、中間ゴム層の二層構造にしたものは、ホース全体
がより一層優れた柔軟性を示すという利点を有する。
【0013】そして、上記補強層の形成材料として、低
収縮低伸度糸を用いると、強度的に非常に良好となっ
て、高圧仕様に適したホースとなる。また、ポリエステ
ルフィラメント糸を用いると、強度的には低収縮伸度糸
に劣るものの、低コスト化を実現できるという利点を有
する。
【0014】さらに、上記補強層の形成材料として、低
収縮伸度糸を一定の割合で含有した混撚糸を用いると、
高圧仕様に適したホースとなるとともに、安価なものと
なる。
【0015】なお、本発明において、「低収縮低伸度
糸」とは、上記特性(a)および(b)を備えるものの
総称である。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0017】本発明のCO2 サイクル用クーラーホース
の一例を図1に示す。このCO2 サイクル用クーラーホ
ース7は、内層8と、この内層8の外周面に形成された
補強層9と、この補強層9の外周に形成された外層10
との三層構造からなる。
【0018】上記内層8の形成材料としては、合成樹脂
〔(A)成分〕およびゴムアロイ品〔(B)成分〕があ
げられる。これらは、単独で用いてもよいし併用しても
よい。
【0019】上記合成樹脂〔(A)成分〕としては、ナ
イロン6、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン1
2等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート
(以下「PET」と略す)等のポリエステル樹脂、ナイ
ロン6−66共重合体、ナイロン6とナイロン66とポ
リオレフィンの混合樹脂等の耐久性に優れたものがあげ
られる。なかでも、二酸化炭素に対する透過性の低さと
柔軟性との兼ね合いから、ナイロン6が好ましい。
【0020】また、上記ゴムアロイ品〔(B)成分〕と
しては、上記合成樹脂をエチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体(EPDM)、水素化アクリロニトリル−
ブタジエンゴム(H−NBR)等でアロイ化したゴムア
ロイ品があげられる。なお、ゴムの配合割合は、内層8
全体に対して、ゴムが40重量%以下の範囲内で含有さ
れていることが好ましい。すなわち、ゴムが40重量%
を超えると、樹脂の特性である耐久性および二酸化炭素
に対する耐透過性を維持できなくなるおそれがあるから
である。なかでも、二酸化炭素の透過性が低く維持さ
れ、しかも柔軟性に優れるという点から、ナイロン6と
EPDMとのゴムアロイ品が好ましい。
【0021】一方、上記補強層9の形成材料としては、
特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えば、
アラミド繊維やガラス繊維、またはポリエステル系、ビ
ニロン系、ポリアミド系、レーヨン系、芳香族ポリアミ
ド系等の合成繊維、ワイヤー等の金属線等を用いること
ができる。これらは、単独で用いてもよいし、二種以上
併用してもよい。なかでも、この補強層9の形成材料と
して、下記の特性(a)および(b)を備える低収縮低
伸度糸とポリエステルフィラメント糸とからなる混撚糸
が好ましく、より好ましくは、上記低収縮低伸度糸が混
撚糸全体に対して、15重量%以上含有しているもので
ある。すなわち、低収縮低伸度糸の含有量が15重量%
未満の混撚糸では、乾熱収縮が比較的大きいポリエステ
ルフィラメント糸が、高温高圧状態で大きく収縮してし
まい、混撚糸間の隙間が広い部分に膨張した合成樹脂お
よび合成ゴム等の吹き出しが集中する。このため、補強
層9を形成する混撚糸が部分的に内層8側に食い込むと
いう現象(棚落ち現象)が生じ、結果的に、そこから破
裂しやすくなるおそれがあるからである。なお、低圧仕
様等で比較的耐熱条件のゆるい部位で用いられるホース
の場合、ポリエステルフィラメント糸のみを用いてもよ
い。
【0022】(a)乾熱収縮が0〜0.8%である。 (b)伸度が0.7〜1.7%である。
【0023】上記特性(a)に関しては、低い値程良好
であり、0.8%を超えると、棚落ちするおそれがあ
る。なお、上記乾熱収縮とは、150℃×60分間の乾
熱処理時の糸の収縮割合のことである。
【0024】上記特性(b)に関して、より好ましくは
1.0〜1.5%である。すなわち、上記伸度が0.7
%未満であると、ホース自体の柔軟性に支障を来すおそ
れがあるからであり、1.7%を超えると、補強材とし
ての機能を果たさなくなるおそれがあるからである。な
お、上記伸度とは、6.8kgの重量を掛けた時の糸の
伸びの割合のことである。
【0025】上記低収縮低伸度糸として、具体的には、
アラミドフィラメント糸(乾熱収縮:0.1%、伸度:
1.0%)、ポリエチレンナフタレートフィラメント糸
(乾熱収縮:0.5%、伸度:1.2%)等があげられ
る。
【0026】さらに、上記外層10の形成材料として
は、特に限定するものではなく従来公知のもの、例え
ば、EPDM、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NB
R)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素
化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(B
r−IIR)、ヒドリンゴム(CHC)、アクリルゴム
(ACM)等が用いられる。これらの形成材料を用いる
ことにより、耐候性に優れたものが得られる。
【0027】また、ポリウレタンエラストマー、ポリエ
ステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等を用い
ることで、優れた機械的強度を与え、金具とのアセンブ
リーを確実にすることができる。
【0028】本発明のCO2 サイクル用クーラーホース
7は、上記各材料を用い、例えば、つぎのようにして作
製される。すなわち、まず、内層8の形成材料を押出機
を用いて押し出して内層8となるチューブを成形する。
つぎに、上記内層8の外周面に、編組機を用いて補強層
9の形成材料をブレード状、スパイラル状等に編組して
補強層9を形成する。そして、補強層9の外周面に、外
層10の形成材料を押出機を用いて押し出して外層10
を形成する。このようにして、図1に示す、内層8と、
補強層9と、外層10の三層構造からなるCO2 サイク
ル用クーラーホース7を作製することができる。
【0029】ただし、上記CO2 サイクル用クーラーホ
ース7の内層8の厚み(図1においてTで示す)は、ホ
ース内径(図1においてPで示す)に対して、下記の不
等式(1)を満たすように設定されていなければならな
い。そして、ここが本発明の重要なポイントである。
【0030】
【数3】0.05P≦T≦0.8P ……(1)
【0031】すなわち、上記内層8の厚み(T)がホー
ス内径(P)の0.05倍未満であると、CO2 透過性
および耐久性に問題を生じるからであり、内層8の厚み
(T)がホース内径(P)の0.8倍を超えると、ホー
ス全体の柔軟性を確保できず、取り扱いが困難となるか
らである。
【0032】そして、上記範囲のなかでも、0.5〜5
mmの範囲内が好ましい。より好ましくは、2〜3mm
である。すなわち、上記範囲内において、耐久性および
柔軟性のバランスが良好で、しかも二酸化炭素に対する
透過性が低く、実用に最適だからである。
【0033】このようにして得られたCO2 サイクル用
クーラーホース7は、冷媒として二酸化炭素を用いて
も、厳しい要求仕様を満足するだけの耐久性(亀裂を生
じたり破裂したりしない)を備えている。また、ある程
度柔軟性があり、配管上の取扱において問題を生じるこ
とがない。
【0034】なお、上記補強層9の厚みは、形成材料の
太さに左右されるものであるが、通常0.8〜2.0m
mの範囲内が好ましい。より好ましくは、1.2〜1.
8mmである。すなわち、上記範囲内であると、ホース
全体の柔軟性と機械的強度を損なうおそれがないからで
ある。
【0035】また、上記外層10の厚みは、0.5〜
2.5mmであることが好ましい。より好ましくは、
1.0〜2.0mmである。すなわち、上記範囲内であ
ると、ホース全体の柔軟性と、耐候性とを充分に兼ね備
えたものが得られるからである。
【0036】本発明のCO2 サイクル用クーラーホース
の他の例を図2に示す。このCO2サイクル用クーラー
ホース7は、内層8が樹脂層11および中間ゴム層12
の二層からなり、この内層8の外周面(中間ゴム層12
の外周面)に、補強層9と、外層10とを備えた四層構
造からなる。
【0037】上記樹脂層11の形成材料としては、前記
図1における内層8の形成材料と同様、合成樹脂
〔(A)成分〕およびゴムアロイ品〔(B)成分〕が用
いられる。
【0038】また、上記中間ゴム層12の形成材料とし
ては、Cl−IIR、NBR、CSM、EPDM、II
R、Br−IIR、CHC、ACM、CR等が用いられ
る。なかでも、弾性に優れ、ホース全体の柔軟性を向上
させることのできるCl−IIRが好ましい。
【0039】そして、上記補強層9および外層10の形
成材料としては、前記図1に示すCO2 サイクル用クー
ラーホース7と同様のものが用いられる。
【0040】上記四層構造のCO2 サイクル用クーラー
ホース7は、上記各材料を用い、例えば、つぎのように
して作製される。すなわち、まず、樹脂層11の形成材
料を押出機を用いて押し出して樹脂層11となるチュー
ブを成形する。そして、上記樹脂層11の外周に、中間
ゴム層12の形成材料を用いて押し出して中間ゴム層1
2を形成する。なお、上記樹脂層11および中間ゴム層
12の二層が内層8となり、この内層8の厚み(図2に
おいてT’で示す)が、ホース内径(P)に対して、上
記不等式(1)を満たすように設定されていなければな
らない。そして、前記図1に示すCO2 サイクル用クー
ラーホース7と同様にして、内層8の外周面(中間ゴム
層12の外周面)に、補強層9を形成し、ついで補強層
9の外周面に外層10を形成する。このようにして、図
2に示す、樹脂層11および中間ゴム層12からなる内
層8と、補強層9と、外層10の四層構造からなるCO
2サイクル用クーラーホース7を作製することができ
る。
【0041】このようにして得られたCO2 サイクル用
クーラーホース7は、前記三層構造のものと同様、冷媒
として二酸化炭素を用いても、厳しい要求仕様を満足す
るだけの耐久性を備えている。また、内層8の一部が中
間ゴム層12で形成されているため、より一層柔軟性に
優れている。
【0042】また、前述のとおり、本発明において、上
記内層8は、補強層9より内周側の層のことであって、
一層からなる層であっても、二層以上からなる層であっ
てもよい。
【0043】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0044】
【実施例1〜9】まず、後記の表2〜表4に示す各層形
成材料を準備した。つぎに、内層形成材料を用いて、内
層となるチューブを押出機を用いて作製した。それか
ら、上記内層となるチューブの外周面に、補強層形成材
料を用い、編組機によりブレード状またはスパイラル状
に編組して補強層を形成した。なお、この形成条件を同
じく表2〜表4に示した。さらに、上記補強層の外周面
に、外層形成材料を用いて押出機により外層を形成し
た。このようにして、三層構造のCO2 サイクル用クー
ラーホースを作製した。なお、得られたCO2 サイクル
用クーラーホースの内径と各層の厚みを下記に示す方法
で測定し、さらに内層の厚みと内径との比(内層の厚み
/内径)を算出し、それらの結果を同じく表2〜表4に
示した。
【0045】〔内径および各層の厚み〕内径については
テーパーゲージを用いて測定し、各層の厚みについては
拡大鏡を用いて測定した。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【実施例10、11】まず、後記の表5に示す各層形成
材料を準備した。つぎに、樹脂層形成材料を用いて、樹
脂層となるチューブを押出機を用いて作製した。それか
ら、上記樹脂層となるチューブの外周面に、中間ゴム層
形成材料を用い、押出機を用いて中間ゴム層を形成し
た。なお、上記樹脂層と中間ゴム層とを内層とした。さ
らに、上記中間ゴム層の外周面に、補強層形成材料を用
い、編組機によりブレード状に編組して補強層を形成し
た。なお、この形成条件を同じく表5に示した。さら
に、上記補強層の外周面に、外層形成材料を用いて押出
機により外層を形成した。このようにして、四層構造の
CO2 サイクル用クーラーホースを作製した。なお、得
られたCO2 サイクル用クーラーホースの内径と各層の
厚みを前述の方法で測定し、さらに内層の厚みと内径と
の比(内層の厚み/内径)を算出し、それらの結果を同
じく表5に示した。
【0050】
【表5】
【0051】
【比較例1、2】まず、後記の表6に示す各層形成材料
を準備した。つぎに、内層形成材料を用いて、内層とな
るチューブを押出機を用いて作製した。それから、上記
内層となるチューブの外周面に、補強層形成材料を用
い、編組機によりブレード状に編組して補強層を形成し
た。なお、この形成条件を同じく表6に示した。さら
に、上記補強層の外周面に、外層形成材料を用いて押出
機により外層を形成した。このようにして、三層構造の
CO2 サイクル用クーラーホースを作製した。なお、得
られたCO2 サイクル用クーラーホースの内径と各層の
厚みを前述の方法で測定し、さらに内層の厚みと内径と
の比(内層の厚み/内径)を算出し、それらの結果を同
じく表6に示した。
【0052】
【表6】
【0053】上記実施例1品〜11品、比較例1品およ
び2品について、破裂圧、二酸化炭素透過量、柔軟性を
測定し、その結果を後記の表7および表8に示した。な
お、各測定方法は以下の通りである。
【0054】〔破裂圧〕各ホースに、昇圧速度1600
kgf/cm2 ・min×室温(25℃)の条件で水を
注入し、ホースが破裂する時の最高圧力を測定した。
【0055】〔二酸化炭素透過量〕各ホースに0.7g
/cm3 となるよう二酸化炭素を封入したのち、この二
酸化炭素封入済ホースを90℃×96時間の条件で老化
させ、24〜96時間における重量変化量から72時間
当時の二酸化炭素透過量を算出した。
【0056】〔柔軟性〕図3に示すように、各ホース2
0の一端を平面板21に取り付けて固定し、この固定し
たホース20に力を加えて、垂直状態(破線)から略L
自状となるようホース20を屈曲させた。そして、ホー
ス20の他端側の直線部分X−Yが平面板21と平行に
なった時点での矢印F方向の力を測定し、これを曲げ反
発力(kgf)として柔軟性評価の指標とした。すなわ
ち、曲げ反発力が小さいほど柔軟性に優れているといえ
る。
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】上記実施例1品〜11品はすべて、耐久性
に優れ、しかも取扱性に支障のない程度の柔軟性を備え
ている。特に、実施例10品および11品は、内層に中
間ゴム層を設けたため一層優れた柔軟性を備えている。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明のCO2 サイクル
用クーラーホースは、内層と、この内層の外周面に、補
強層を介して積層された外層とを備える少なくとも三層
からなるホースであって、上記内層が内径に対して特定
の厚みとなるよう設定されているため、二酸化炭素を冷
媒として用いた場合であっても、ホース自体に亀裂が入
ったり破裂したりすることがない。しかも、取扱性に支
障がない程度の柔軟性を備えている。
【0061】なお、上記内層を、合成樹脂〔(A)成
分〕および合成樹脂と合成ゴムとを混合してなるゴムア
ロイ品〔(B)成分〕の少なくとも一方からなる一層構
造としたものは、製法的に有利であるという利点を有す
る。
【0062】また、上記内層を特定の樹脂からなる樹脂
層と、中間ゴム層の二層構造にしたものは、ホース全体
がより一層優れた柔軟性を示すという利点を有する。
【0063】そして、上記補強層の形成材料として、低
収縮低伸度糸を用いると、強度的に非常に良好となっ
て、高圧仕様に適したホースとなる。また、ポリエステ
ルフィラメント糸を用いると、強度的には低収縮伸度糸
に劣るものの、低コスト化を実現できるという利点を有
する。
【0064】さらに、上記補強層の形成材料として、低
収縮伸度糸を一定の割合で含有した混撚糸を用いると、
高圧仕様に適したホースとなるとともに、安価なものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCO2 サイクル用クーラーホースの一
例を示す説明図である。
【図2】本発明のCO2 サイクル用クーラーホースの他
の例を示す説明図である。
【図3】柔軟性の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
7 CO2 サイクル用クーラーホース 8 内層 9 補強層 10 外層 T 内層の厚み P ホース内径

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層と、この内層の外周面に、補強層を
    介して積層された外層とを備える少なくとも三層からな
    るホースであって、上記内層の厚み(T)とホース内径
    (P)とが下記の不等式(1)を満たすよう設定されて
    いることを特徴とするCO2 サイクル用クーラーホー
    ス。 【数1】0.05P≦T≦0.8P ……(1)
  2. 【請求項2】 上記内層が、下記の(A)成分および
    (B)成分の少なくとも一方からなる請求項1記載のC
    2 サイクル用クーラーホース。 (A)合成樹脂。 (B)合成樹脂と合成ゴムとを混合してなるゴムアロイ
    品。
  3. 【請求項3】 上記内層が、下記の(A)成分および
    (B)成分の少なくとも一方からなる樹脂層と、中間ゴ
    ム層の二層からなる請求項1記載のCO2 サイクル用ク
    ーラーホース。 (A)合成樹脂。 (B)合成樹脂と合成ゴムとを混合してなるゴムアロイ
    品。
  4. 【請求項4】 上記補強層の形成材料が、ポリエステル
    フィラメント糸または下記の特性(a)および(b)を
    備える低収縮低伸度糸である請求項1〜3のいずれか一
    項に記載のCO2 サイクル用クーラーホース。 (a)乾熱収縮が0〜0.8%である。 (b)伸度が0.7〜1.7%である。
  5. 【請求項5】 上記補強層の形成材料が、ポリエステル
    フィラメント糸と上記低収縮低伸度糸とからなる混撚糸
    であって、上記低収縮低伸度糸が混撚糸中に15重量%
    以上含有されている請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のCO2 サイクル用クーラーホース。
JP8018297A 1997-03-31 1997-03-31 Co2 サイクル用クーラーホース Pending JPH10274362A (ja)

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