JPH08127081A - 冷媒用高圧ホース - Google Patents
冷媒用高圧ホースInfo
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- JPH08127081A JPH08127081A JP6292307A JP29230794A JPH08127081A JP H08127081 A JPH08127081 A JP H08127081A JP 6292307 A JP6292307 A JP 6292307A JP 29230794 A JP29230794 A JP 29230794A JP H08127081 A JPH08127081 A JP H08127081A
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Abstract
ゴム層をなくした簡単な構造を持ちながら、補強糸の棚
落ちがなく、従来の中間ゴム層と同等の耐圧性及び耐久
性を備えた冷媒用高圧ホースを提供する。 【構成】 内面樹脂チューブ1と、その外周面上に設け
た内側ゴム層2と、その外周面上に複数本の補強糸を引
き揃えてスパイラル状に巻き付けた第1補強層3と、そ
の外周上に複数本の補強糸を引き揃え前記第1補強層3
と逆方向にスパイラル状に巻き付けた第2補強層5と、
その外周上に設けた外側ゴム層6とで構成され、前記内
側ゴム層2は温度135℃における50%モジュラスM
50が20〜40kgf/cm2のゴム材料からなる冷媒
用高圧ホース。
Description
ンホース等として使用される冷媒用高圧ホース、特に補
強層をスパイラル状に巻き付けた冷媒用高圧ホースに関
する。
て、耐圧性と耐久性が要求される箇所では、複数本の補
強糸を用いて形成した補強層を有するホースが使用され
ている。補強層は繊維や金属の糸をブレード編みする
か、又はスパイラル状に巻き付けて編組されるが、低コ
スト化を図るためにスパイラル編組構造が採用されるこ
とが多い。
の捩れを防止するため、通常は、複数本の補強糸を引き
揃えてスパイラル状に巻き付けた第1補強層と、この第
1補強層と逆方向に複数本の繊維糸をスパイラル状に巻
き付けた第2補強層とを積層させている。このスパイラ
ル編組構造を持つ配管ホースの具体例としては、実使用
圧力が最大4kgf/cm2程度の低圧で使用されるフ
ューエルホース等の低圧ホースと、実使用圧力が最大2
0kgf/cm2程度の高圧で使用される高圧ホースと
がある。
%未満と非常に低く、使用圧力も低いので、2つの補強
層は直接積層されることが多い。一方、高圧ホースにお
いては、補強層の編組密度は約70〜90%と高く、2
つの補強層の結合性を高め、相互の摩耗を防止して耐久
性を高めるために、それらの間に中間ゴム層を介在させ
ることが必須となっている。
オンホース等が知られており、その構造は図2に示すよ
うに、冷媒に対して安定なポリアミド等の合成樹脂から
なる内面樹脂チューブ1と、その外周面上に設けた内側
ゴム層2と、その外周面上に複数本の補強糸を引き揃え
てスパイラル状に巻き付けた第1補強層3と、その外周
上に設けた中間ゴム層4と、外周面上に複数本の補強糸
を引き揃え第1補強層3と逆方向にスパイラル状に巻き
付けた第2補強層5と、その外周上に設けた外側ゴム層
6とで構成されている。
介在すると、図3に示すように、加硫時の内側ゴム層2
の膨張と補強糸3aの収縮によって、内側ゴム層2のゴ
ムが第1補強層3の補強糸3aの間から噴き出して中間
ゴム層4に流れ込むため、第1補強層3の補強糸3aが
内側ゴム層2の方向に落ち込む、いわゆる棚落ちが生じ
やすい。この棚落ちにより補強糸3aの編組が乱れる
と、その箇所の耐圧性が低下し、そこから破裂すること
になる。
ことも考えられたが、中間ゴム層がなくなると、2つの
補強層の結合性が低下して層間で分離が生じたり、ある
は直接積層された2つの補強層がこすれ合うことで摩耗
し、結果的に耐久性の低下を招く恐れがあるため、特に
冷媒用高圧ホースでは実用化されていなかった。
の事情に鑑み、スパイラル巻きした2つの補強層の間の
中間ゴム層をなくした簡単な構造を持ちながら、補強糸
の棚落ちがなく、従来の中間ゴム層と同等の耐圧性及び
耐久性を備えた冷媒用高圧ホースを提供することを目的
とする。
め、本発明の冷媒用高圧ホースにおいては、内面樹脂チ
ューブと、その外周面上に設けた内側ゴム層と、その外
周面上に複数本の補強糸を引き揃えてスパイラル状に巻
き付けた第1補強層と、その外周上に複数本の補強糸を
引き揃え前記第1補強層と逆方向にスパイラル状に巻き
付けた第2補強層と、その外周上に設けた外側ゴム層と
で構成され、前記内側ゴム層は温度135℃における5
0%モジュラスM50が20〜40kgf/cm2のゴム
材料からなることを特徴とする。
2つの補強層の間の中間ゴム層をなくすことで、構造を
簡単にして低コスト化を達成すると同時に、内側ゴム層
として50%モジュラスの高いゴム材料を採用すること
により、中間ゴム層がなくても優れた耐久性及び耐圧性
が得られるという、予測だにしない結果が得られたもの
である。
冷媒規制への対策として代替冷媒への切り替えが進んで
おり、カーエアコン用等としてはHFC−134aの使
用が一般化している。そして、このHFC−134aが
吸湿性の高いものであるため、これを流通させる内側ゴ
ム層の材料として、耐透湿性に優れるブチルゴム(II
R)が使用されている。
が低く、具体的には温度135℃における50%モジュ
ラスM50が10〜20kgf/cm2程度と低いため、
加硫時にIIRからなる内側ゴム層が流れやすく、棚落
ちの大きな原因になっていたと考えられる。
層のゴム材料として温度135℃における50%モジュ
ラスM50が20〜40kgf/cm2のものを使用して
いるため、加硫時に内側ゴム層が流れにくく、棚落ちが
効果的に抑えられる。
すると、内側の第1補強層と外側の第2補強層の編組径
の差がおおきくなり、同一本数の補強糸で編組した補強
層では編組密度や破裂圧に差異が生じる。この不均一性
のため、内圧によりホースに捩れが生じ、耐圧性や耐久
性を低下させていた。
くしたことにより、2つの補強層の編組径の差が補強糸
の径だけの差にまで小さくなり、従って2つの補強層の
編組密度や破裂圧は極めて近似した値となる。このた
め、ホースに内圧がかかっても、捩れによる変化を小さ
く抑えることができ、その分だけ耐圧性や耐久性が向上
し、中間ゴム層をなくしたことによる耐圧性や耐久性の
低下を補っているものと考えられる。又、M50が20〜
40kgf/cm2の内側ゴム層を使用しているため、
内圧時における径変化を小さく抑えることができる。
おいては、補強層の棚落ちがなくなり、十分な耐圧性と
耐久性を得ることができ、しかも補強糸の間隔も均一に
保たれ、間隔の広い箇所に応力が集中することもなくな
ったので、前記したごとく従来は十分な破裂圧を得るた
めに最低でも70%の編組密度が必要とされてきた補強
層の編組密度を、50%にまで下げることが可能とな
る。最大の編組密度は従来と同様に90%とする。
が、2つの補強層の間に中間ゴム層が存在しなくても、
補強層糸の目の間に内側ゴム層や外側ゴム層のゴム材料
が侵入して充填されるため、2つの補強層の間に十分な
結合力が得られ、補強層間の剥離が起こりにくいとい
う、予期せぬ効果が得られる。しかも、2つの補強層は
十分な結合力で結合されているため、補強糸の摩耗も極
めて少ないことが確認された。
げ半径の小さい曲管ホースとして使用すると耐久性が低
下することが分かったので、曲げ半径が70mm以上の
箇所に使用することが好ましい。
各材料については、内側ゴム層を除いて、従来から同様
の冷媒用高圧ホースにしようされている材料であって良
い。具体的には、内面樹脂チューブはナイロン等のポリ
アミド樹脂の外、ポリエステル樹脂等を使用することが
できる。外側ゴム層としては、EPDM、IIR、C
R、CPE等を使用できる。
ル繊維等の繊維糸を使用するが、なかでもポリエチレン
テレフタレートの繊維糸が好ましい。更に優れた耐久性
を得るためには、強度や伸度に優れ径変化が起こりにく
いアラミド、ポリエチレンナフタレート等の繊維糸を使
用することもできる。
内側ゴム層2、第1補強層3、第2補強層5、及び外側
ゴム層6が、この順序で順次積層された構造のホース
を、内側ゴム層2を構成するゴム材料を下記表1に示す
塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)又はブチルゴム(I
IR)のごとく変えることによって、複数種製造した。
ーブ1はナイロン6/オレフィン系エラストマーブレン
ド樹脂で0.15mmの厚さに形成し、外側ゴム層6は
EPDMで1.5mmの厚さに形成した。又、第1及び
第2補強層3、5は、いずれも4000デニールのポリ
エステルフィラメント糸を18本用い、巻き方向が逆に
なるように巻き回して編組した。尚、編組密度は第1補
強層が53%、第2補強層が51%、及び破裂圧は第1
補強層が176kgf/cm2、第2補強層が167k
gf/cm2となるように設計した。
おける補強糸の棚落ちの有無を調べ、棚落ちがなく補強
糸が一列に並んでいる場合には○、棚落ちの幅(ホース
厚さ方向における補強糸の移動距離)が補強糸の径未満
である場合には△、及び棚落ちの幅が補強糸の径以上で
ある場合には×と評価し、その結果を下記表2に示し
た。
下(120℃)における破裂圧、及び繰り返し加圧に対
する耐久性を調べ、結果を下記表2に示した。評価方法
は、いずれの場合も、切断長500mmのホースを曲げ
中心からホース径の中央までの距離が90mmとなるよ
うに半円状に曲げ、その両端を加圧用金具に取り付けた
状態で評価を行った。具体的な評価方法は、破裂圧に関
しては、ホースを室温又は120℃に保持した後、内圧
を50kgf/cm2から10kgf/cm2づつ昇圧し
て各1分間保持し、ホースが破裂する圧力を測定した。
又、耐久性に関しては、油温135℃において30cp
mのサイクルで、0kgf/cm2から54kgf/c
m2の内圧を繰り返し負荷し、ホースが破裂するまでの
サイクル数を調べた。
を省略したスパイラル構造のホースでは、内側ゴム層と
して135℃の50%モジュラスM50が20〜40kg
f/cm2の範囲にあるゴム材料を用いた本発明のホー
スは、いずれも棚落ちがなく、破裂圧が室温で200k
gf/cm2以上及び120℃で100kgf/cm2以
上並びに耐久性が15万回以上の目標を達成しているの
に対して、M50が上記範囲にある比較例のホースは耐久
性及び耐圧性共に劣っている。
用し、且つ補強糸のデニール数を変えると共に、第1補
強層と第2補強層ごとにその本数、編組密度、破裂圧の
各設計値を下記表3に示すごとく設定した以外は、実施
例1と同様にしてホースを作製した。ただし、試料1〜
6は実施例1と同様にポリエステルフィラメント糸であ
るが、試料7はアラミド糸を使用した。
層の間に、前記表1のゴム材料Cからなる厚さ0.3m
mの中間ゴム層を施した以外は、本実施例2と同様の構
造(内側ゴム層と中間ゴム層は同一ゴム材料)とした比
較例のホース(試料8、9)も作製した。得られた各ホ
ースについて、実施例1と同様に評価を行い、その結果
を表4に示した。
アラミド糸である。
ホースはいずれも棚落ちがなく、耐圧性及び耐久性に優
れていること、特に第1補強層と第2補強層の繊維糸の
本数を変えて編組密度を近似させた試料2、4〜6一層
優れた耐圧性と耐久性を有することが分かる。一方、中
間ゴム層を有する従来と同様の構造の試料8、9のホー
スは、棚落ちが発生し、耐久性にも劣ることが分かる。
つの補強層の間の中間ゴム層をなくした簡単な構造を持
ち、補強層の棚落ちをなくすと同時に、ホースの径変化
や捩れを小さく抑えることで、従来の中間ゴム層を持つ
ホースと同等の耐圧性及び耐久性を備えた、低コストの
冷媒用高圧ホースを提供することができる。
間ゴム層が存在しないにも拘らず、従来の常識に反し
て、2つの補強層の間に十分な結合力があるため、補強
層間の剥離が起こりにくく、且つ補強糸の摩耗も少ない
ので、これらの点からも十分な耐圧性及び耐久性を備え
ている。
て、その積層構造を示す一部切欠側面図である。
切欠側面図である。
概略断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 内面樹脂チューブと、その外周面上に設
けた内側ゴム層と、その外周面上に複数本の補強糸を引
き揃えてスパイラル状に巻き付けた第1補強層と、その
外周上に複数本の補強糸を引き揃え前記第1補強層と逆
方向にスパイラル状に巻き付けた第2補強層と、その外
周上に設けた外側ゴム層とで構成され、前記内側ゴム層
は温度135℃における50%モジュラスM50が20〜
40kgf/cm2のゴム材料からなることを特徴とす
る冷媒用高圧ホース。 - 【請求項2】 第2補強層の補強糸の本数を第1補強層
の本数よりも多くすることにより、両補強層の編組密度
を近似させたことを特徴とする、請求項1に記載の冷媒
用高圧ホース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29230794A JP3396975B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 冷媒用高圧ホース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29230794A JP3396975B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 冷媒用高圧ホース |
Publications (2)
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JPH08127081A true JPH08127081A (ja) | 1996-05-21 |
JP3396975B2 JP3396975B2 (ja) | 2003-04-14 |
Family
ID=17780077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29230794A Expired - Lifetime JP3396975B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 冷媒用高圧ホース |
Country Status (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003161386A (ja) * | 2001-11-27 | 2003-06-06 | Toyoda Gosei Co Ltd | ブレーキホース |
JP2004019752A (ja) * | 2002-06-14 | 2004-01-22 | Hitachi Cable Ltd | 車両用ブレーキホース |
JP2011256923A (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-22 | Bridgestone Corp | ホース |
JP2013130283A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-07-04 | Tokai Rubber Ind Ltd | 車両用エアコンホース |
JP2018100726A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | 株式会社ニチリン | 液圧ブレーキホース |
CN111055514A (zh) * | 2018-10-16 | 2020-04-24 | 湖南易净环保科技有限公司 | 一种连续大口径编织纤维增强的热固性拉挤管道及生产方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4954496B2 (ja) * | 2005-04-28 | 2012-06-13 | 横浜ゴム株式会社 | 冷媒用高圧ホース |
-
1994
- 1994-10-31 JP JP29230794A patent/JP3396975B2/ja not_active Expired - Lifetime
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