JPH10273798A - 片面銅めっきステンレス鋼帯の製造方法 - Google Patents

片面銅めっきステンレス鋼帯の製造方法

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JPH10273798A
JPH10273798A JP9272897A JP9272897A JPH10273798A JP H10273798 A JPH10273798 A JP H10273798A JP 9272897 A JP9272897 A JP 9272897A JP 9272897 A JP9272897 A JP 9272897A JP H10273798 A JPH10273798 A JP H10273798A
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JP
Japan
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steel strip
plating
copper
stainless steel
plating layer
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JP9272897A
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English (en)
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Yoshihisa Kakou
佳久 家口
Masayoshi Tatano
政義 多々野
Yukio Uchida
幸夫 内田
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 片面銅めっきステンレス鋼帯のめっき不要面
に電析した銅めっき層を電解法により溶解除去する際
に、電解除去面の銅による再汚染を防止するとともに、
めっき必要面の銅めっき層の過剰の溶解を防止する。 【解決手段】 電解液としてアンモニウムイオンを1
3.5〜80g/l含有する電解液を用い、対極の幅を
銅めっきステンレス鋼帯の幅よりも50mm以上狭くし
て陽極電解を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気めっき法によ
る片面銅めっきステンレス鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コイル状のステンレス鋼帯の片面のみに
銅めっきを施した片面銅めっきステンレス鋼帯は、連続
電気めっきラインにおいて鋼帯のめっき必要面側にのみ
対極を配設し、鋼帯を陰極として電解することにより製
造されるが、その際、電流がめっき不要面まで回り込む
ため、めっき不要面にも僅かであるが銅めっき層が形成
される。
【0003】片面銅めっきステンレス鋼帯の用途とし
て、例えば、セルフブレージングによる造管用材料があ
る。この場合、銅めっきステンレス鋼帯を多重に巻きあ
げ、それを銅の融点以上に短時間保持し、巻き重ね面間
の銅めっき層を溶融させることによりステンレス鋼帯相
互を融着接合させてパイプを形成する。このセルフブレ
ージングによる銅めっきステンレス鋼パイプは、熱交換
器等への適用が検討されているが、近年のフロン使用規
制により熱冷媒として再度注目を浴びているアンモニア
の場合には、めっき不要面に銅が存在するとアンモニア
中に溶解するため、片面銅めっきステンレス鋼帯のめっ
き不要面の銅めっき層を完全に除去する必要がある。
【0004】不要のめっき層を除去する手段としては、
機械的研削法、化学的溶解法、および電気化学的溶解
(電解)法等が挙げられる。ここで、機械的研削法は、
片面のめっき層のみを選択除去するには適した方法であ
るが、連続ライン内でインライン処理することが時間的
に困難であり、かつ粉塵発生等の作業環境上の問題も発
生する。また、化学的溶解法の場合には、片面めっきの
場合と同様に、非処理面を連続的にシールすることが困
難であり、片面のめっき層のみを選択的に除去すること
は困難である。
【0005】電解法の場合には、対極をめっき不要面側
にのみ配設して陽極電解することにより、片面のめっき
層を選択的に溶解除去することが可能である。片面に銅
めっきを施したステンレス鋼帯のめっき不要面に析出し
た銅めっき層を、電解法により除去する技術が、例えば
特開昭59−219491号公報に開示されている。こ
の場合、電解除去は銅めっきと同一の電解槽で行ってお
り、めっき除去用の電解液として電気銅めっきの電解浴
をそのまま使用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、不要の銅めっ
き層の電解除去に銅めっき浴そのものを使用すると、ス
テンレス鋼帯表面が電解反応により活性化した領域に銅
が再析出したり、電解液の付着等により、電解除去面が
銅により再汚染されることは避け難い。また、銅の再汚
染の問題とは別に、めっき不要面のみを片面電解する
と、めっき時の電流の回り込みとは正反対の現象で、め
っき必要面のめっき層も一部電解除去される問題が発生
する。
【0007】本発明の目的は、上記の問題を解決し、片
面銅めっきステンレス鋼帯を安定的に製造する方法を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、ステンレス鋼帯のめっき必要
面に電気ニッケルストライクめっきおよび電気銅めっき
を施した後、めっき不要面に電析した銅めっき層を電解
法により溶解除去する片面銅めっきステンレス鋼帯の製
造方法において、めっき層溶解除去用の電解液として、
電解質が主としてアンモニウムイオンおよび硫酸塩イオ
ンからなり、そのアンモニウムイオン濃度が13.5〜
80g/lであり、かつpHが9以下の水溶液を用い、
鋼帯の幅より50mmもしくはそれ以上狭い幅を有する
対極をめっき不要面側に配設して陰極とし、陽極電流密
度が1〜30A/dm2 の条件で銅めっき層を電解除去
することを特徴とする片面銅めっきステンレス鋼帯の製
造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】銅めっき層の電解除去のための電
解液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の酸の水溶液を使用
することが可能である。しかし、これらの溶液を使用す
ると、銅めっき層を除去したステンレス鋼表面がエッチ
ングされること、また、電解液中に溶解した銅イオンに
よる再汚染が避けられないために、電解除去の電解液と
しては不適当である。電解除去面の銅による再汚染を抑
制するためには、電解液中に溶解した銅イオンを錯イオ
ンとし、安定化することが効果的である。このような作
用を示す錯化剤にはアンモニウムイオン、シアン化物イ
オン、ピロりん酸塩イオン等の無機イオンやEDTA等
の有機キレート化合物がある。この中でシアン化物は有
毒であり、作業環境および廃液処理の面で工業的に使用
することは困難である。またピロりん酸塩および各種の
有機キレート剤は高価であり、コスト上昇を招くため、
工業的な電解除去に使用することはやはり困難である。
【0010】上記の錯化剤の中でアンモニウム塩は安価
であり、かつ入手が容易であり、電解除去に用いるもの
として好適である。電解液中のアンモニウムイオン濃度
としては、13.5〜80g/lが好ましい。濃度が1
3.5g/l未満では錯化能力が不足であり、銅の再汚
染が起こってしまう。また、濃度が80g/lを超える
場合には、錯化能力の点で問題はないが、走行する鋼帯
に付着して電解槽外に持ち出される電解質の量が増大
し、電解液の濃度調整に要する費用が上昇するので好ま
しくない。
【0011】アンモニウムイオンと対をなすアニオン種
としては、硫酸塩イオン、硝酸塩イオンや塩化物イオン
等の通常用いられる無機酸塩イオンを含め、いかなるア
ニオン種も使用可能であるが、連続電気銅めっき工程の
場合、ストライクめっき後の本めっきには、通常、大電
流密度での電解が可能な硫酸銅浴を用いることが多いの
で、電解質の持ち込み・混入を考慮すると、硫酸塩イオ
ンの使用が好ましい。
【0012】電解液のpHとしては9以下が好適であ
る。またpHが10以上では、電解除去時の電流効率が
低下するために、コスト上昇となり、好ましくない。な
お、電解浴の建浴時や電解後のアンモニウムイオン濃度
およびpHの調整には、主として硫酸アンモニウム、硫
酸およびアンモニア水またはそれらの水溶液を用いる。
また、電解除去のための電解液は、電解質として主とし
てアンモニウムイオンと硫酸塩イオンとを含むものであ
るが、これら以外に、他の支持電解質、鋼素地の腐食を
抑制するインヒビター、鋼素地より溶解した鉄イオンを
錯化するための錯化剤や、pH調整剤等を添加すること
も可能である。
【0013】片面のめっき層のみを電解除去するために
は、電解槽中のめっき不要面側のみに対極を配設して陰
極とし、非処理物である銅めっきステンレス鋼帯を陽極
として電解を行い、銅めっき層を電気化学的に溶解す
る。その際、本発明の電解液は多量の電解質を含み導電
性が高いため、非電解面(めっき層が必要な面)への電
流の回り込みが起こり、この面のエッジ部のめっき層が
一部溶解する。
【0014】電流の回り込みを防止する手段としては、
対極と銅めっきステンレス鋼帯の中間で、鋼帯の両エッ
ジ部に絶縁性の電流遮蔽板を配設する方法や、対極の幅
を非処理物のそれよりも狭くする方法がある。前者で
は、処理する銅めっきステンレス鋼帯の幅に合わせて電
解槽の配置を変更する必要があり、実用上困難である。
後者の場合には、電解に必要な対極の幅に許容度があ
り、同一の対極幅で複数の幅の銅めっきステンレス鋼帯
の処理が可能であり、工業的な製造に好適である。本発
明において、電解除去に用いる対極は、その幅が被処理
物である銅めっきステンレス鋼帯のそれよりも50mm
もしくはそれ以上狭いものとすることが必要である。
【0015】電解除去の電流密度としては、1〜30A
/dm2 の範囲が好ましい。電流密度が1A/dm2
満では処理速度が遅く、製造コストが増大するので好ま
しくない。電流密度が30A/dm2 を超える場合、電
解電圧が上昇して、対極の幅を上述の範囲に設定しても
電流の回り込みが起こり、非電解面エッジ部の溶解が起
こるため不適当である。
【0016】表1に、好適な電解条件を設定するための
予備的調査の結果を示す。板厚2mm(面積1dm2
の無酸素銅板を陽極とし、硫酸アンモニウム50〜30
0g/l(アンモニウムイオン濃度13.5〜80g/
lに相当)、pH4〜10、浴温45℃の電解液中、電
流密度20A/dm2 で10分間電解を行い、銅板の重
量減少量を測定して電流効率を算出した。本発明の電解
条件に相当する試料番号1から6の場合は何れも、電流
効率が100%であったが、電解液pHの高い試料番号
7および8では、電流効率が低下した。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例1】板厚0.3mmで板幅300mmのSUS
304ステンレス鋼帯に、常法に従って電解脱脂および
酸洗処理を施した後、塩化ニッケルストライクめっき浴
(ウッド浴)でニッケルストライクめっきを施し、さら
に硫酸銅めっき浴(本めっき)で8μmの銅めっきを施
した後、板幅の異なる無酸素銅板を陰極として、硫酸ア
ンモニウム200g/l、pH7、浴温45電解液中、
電流密度20A/dm2 でめっき不要面の銅めっき層が
全量溶解するまで電解し、めっき必要面の銅めっき層の
溶解量を調査した。
【0019】めっき不要面の銅めっき層の全量を電解除
去後に、鋼帯エッジから5mmの位置のめっき必要面の
銅めっき層厚さを蛍光X線膜厚計により5点測定した平
均値につき、電解前後の膜厚の差を溶解膜厚とし、その
値が銅めっき鋼帯製造時に通常発生するエッジオーバー
コート量(2μm)以下のものを良、それを超えるもの
を不良と判定した。測定結果を表2に示す。鋼帯の幅と
対極の幅の差を50mm以上にすると、溶解膜厚が2μ
m以下になり、片面銅めっき鋼帯の製造上問題がない。
【0020】
【表2】
【0021】
【実施例2】実施例1と同じ条件で銅めっきを施したス
テンレス鋼帯を、同一条件の電解液中、対極幅を鋼帯の
それより50mm狭くし、電流密度1〜50A/dm2
でめっき不要面の銅めっき層が全量溶解するまで電解
し、めっき必要面の銅めっき層の溶解量を調査した。調
査結果を表3に示す。電流密度1〜30A/dm2 の範
囲で溶解膜厚が2μm以下になり、片面銅めっきステン
レス鋼帯の製造上問題がない。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上説明したとおり、アンモニウムイオ
ンを含有する電解液中で、対極幅を鋼帯幅より50mm
以上狭くして電解することにより、片面銅めっきステン
レス鋼帯を簡易に製造することが可能になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼帯のめっき必要面に電気ニッ
    ケルストライクめっきおよび電気銅めっきを施した後、
    めっき不要面に電析した銅めっき層を電解法により溶解
    除去する片面銅めっきステンレス鋼帯の製造方法におい
    て、めっき層溶解除去用の電解液として、電解質が主と
    してアンモニウムイオンおよび硫酸塩イオンからなり、
    そのアンモニウムイオン濃度が13.5〜80g/lで
    あり、かつpHが9以下の水溶液を用い、鋼帯の幅より
    50mmもしくはそれ以上狭い幅を有する対極をめっき
    不要面側に配設して陰極とし、陽極電流密度が1〜30
    A/dm2 の条件で銅めっき層を電解除去することを特
    徴とする片面銅めっきステンレス鋼帯の製造方法。
JP9272897A 1997-03-28 1997-03-28 片面銅めっきステンレス鋼帯の製造方法 Withdrawn JPH10273798A (ja)

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