JPH10273386A - 大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置 - Google Patents
大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置Info
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- JPH10273386A JPH10273386A JP9139397A JP9139397A JPH10273386A JP H10273386 A JPH10273386 A JP H10273386A JP 9139397 A JP9139397 A JP 9139397A JP 9139397 A JP9139397 A JP 9139397A JP H10273386 A JPH10273386 A JP H10273386A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 単結晶くびれ部のキャッチ時や、その後の引
上げ作業中におけるガタツキを抑制し得る大口径半導体
単結晶引上炉用の吊持装置を得る。 【解決手段】 種結晶引上げ領域を同軸状に内包して等
角度間隔で配置され且つそれぞれ軸心方向に回転可能な
吊持軸と、その下端部から横向きに突出する爪部とを有
するキャッチャーアームを3つ以上備え、各吊持軸を軸
心回りに回転させて各爪部の先端を単結晶くびれ部に対
面させてラジアル方向から挟持させた際に、剛性リング
でほぼ爪部の高さ位置で外側から取り囲むことにより、
各キャッチャーアームに作用する荷重に抗して各キャッ
チャーアームの拡開を阻止する。
上げ作業中におけるガタツキを抑制し得る大口径半導体
単結晶引上炉用の吊持装置を得る。 【解決手段】 種結晶引上げ領域を同軸状に内包して等
角度間隔で配置され且つそれぞれ軸心方向に回転可能な
吊持軸と、その下端部から横向きに突出する爪部とを有
するキャッチャーアームを3つ以上備え、各吊持軸を軸
心回りに回転させて各爪部の先端を単結晶くびれ部に対
面させてラジアル方向から挟持させた際に、剛性リング
でほぼ爪部の高さ位置で外側から取り囲むことにより、
各キャッチャーアームに作用する荷重に抗して各キャッ
チャーアームの拡開を阻止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン等の単結
晶成長時の引上げに用いるものであり、特に、大口径半
導体単結晶引上炉用の吊持装置に関するものである。
晶成長時の引上げに用いるものであり、特に、大口径半
導体単結晶引上炉用の吊持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体結晶として用いられる例えばシリ
コン結晶の製造方法の一つとして、単結晶を引上げるこ
とによって製造する、所謂CZ(Czochralski:チョクラ
ルスキー) 法がある。これは、不活性ガスチャンバー炉
内のるつぼ中で塊粒状多結晶シリコンを加熱溶融し、こ
の溶融シリコンに種単結晶を接触させた後、冷却しつ
つ、回転させながらゆっくり種結晶を上昇させることに
よって、種結晶下端に単結晶を成長せしめる方法であ
る。
コン結晶の製造方法の一つとして、単結晶を引上げるこ
とによって製造する、所謂CZ(Czochralski:チョクラ
ルスキー) 法がある。これは、不活性ガスチャンバー炉
内のるつぼ中で塊粒状多結晶シリコンを加熱溶融し、こ
の溶融シリコンに種単結晶を接触させた後、冷却しつ
つ、回転させながらゆっくり種結晶を上昇させることに
よって、種結晶下端に単結晶を成長せしめる方法であ
る。
【0003】単結晶引上げのためには、従来から単結晶
引上げ装置が用いられている。この装置は、主に、種結
晶の固定取り付け部を下端に備えたワイヤーを、その軸
心方向に自転させながら巻き取る構成を持つものであ
る。
引上げ装置が用いられている。この装置は、主に、種結
晶の固定取り付け部を下端に備えたワイヤーを、その軸
心方向に自転させながら巻き取る構成を持つものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体装置の回
路集積量の増大に伴う大型化に応じて、半導体装置製造
の高効率化を図るために、単結晶は大径化の傾向にあ
る。従って、引上げ単結晶も大重量化することになる。
しかし、上記の如き引上げ装置のワイヤによる種結晶部
での引上げでは、耐荷重に限界があり、大重量単結晶を
引き上げることはできない。
路集積量の増大に伴う大型化に応じて、半導体装置製造
の高効率化を図るために、単結晶は大径化の傾向にあ
る。従って、引上げ単結晶も大重量化することになる。
しかし、上記の如き引上げ装置のワイヤによる種結晶部
での引上げでは、耐荷重に限界があり、大重量単結晶を
引き上げることはできない。
【0005】そこで、種結晶下の単結晶上部に拡径した
後に縮径することによって頭部を形成し、この頭部直下
のくびれ部分を係合挟持する複数のキャッチャーアーム
を等角度間隔で周状に持つ昇降軸を備えた装置が考えら
れている。これは、複数のキャッチャーアームが互いに
閉じることによって単結晶上部のくびれ部が挟持される
ものである。
後に縮径することによって頭部を形成し、この頭部直下
のくびれ部分を係合挟持する複数のキャッチャーアーム
を等角度間隔で周状に持つ昇降軸を備えた装置が考えら
れている。これは、複数のキャッチャーアームが互いに
閉じることによって単結晶上部のくびれ部が挟持される
ものである。
【0006】このようなキャッチャーアームによるくび
れ部の挟持は、通常、以下のような操作で行なわれる。
即ち、キャッチャーアームの単結晶頭部に対する相対位
置関係を一定に保ちながら、所定の上昇速度による単結
晶のワイヤ引上げを維持しつつ、キャッチャーアーム
を、その先端が予め挟持すべく定められたくびれ部上の
接触位置より下方位置に対向するような相対位置関係に
おいて閉じる。この閉状態においてキャッチャーアーム
の上昇速度を単結晶の上昇速度より早める。即ち、各キ
ャッチャーアーム先端からみると、単結晶頭部が落下す
るように下方へ相対移動し、各キャッチャーアーム先端
はくびれ部を前記所定の接触位置でキャッチし、係合・
挟持状態を得る。
れ部の挟持は、通常、以下のような操作で行なわれる。
即ち、キャッチャーアームの単結晶頭部に対する相対位
置関係を一定に保ちながら、所定の上昇速度による単結
晶のワイヤ引上げを維持しつつ、キャッチャーアーム
を、その先端が予め挟持すべく定められたくびれ部上の
接触位置より下方位置に対向するような相対位置関係に
おいて閉じる。この閉状態においてキャッチャーアーム
の上昇速度を単結晶の上昇速度より早める。即ち、各キ
ャッチャーアーム先端からみると、単結晶頭部が落下す
るように下方へ相対移動し、各キャッチャーアーム先端
はくびれ部を前記所定の接触位置でキャッチし、係合・
挟持状態を得る。
【0007】しかしながら、このようなキャッチャーア
ームによる単結晶くびれ部の挟持においては、上記頭部
をキャッチした際の荷重作用によってキャッチャーアー
ムが拡開してしまう。この拡開によってキャッチャーア
ーム先端のくびれ部に対する挟持位置のずれが、単結晶
全体にショックを生じせしめることがある。また、結晶
が落下してしまうこともある。
ームによる単結晶くびれ部の挟持においては、上記頭部
をキャッチした際の荷重作用によってキャッチャーアー
ムが拡開してしまう。この拡開によってキャッチャーア
ーム先端のくびれ部に対する挟持位置のずれが、単結晶
全体にショックを生じせしめることがある。また、結晶
が落下してしまうこともある。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑み、吊持用キャ
ッチャーアームによる単結晶くびれ部のキャッチ時や、
その後の引上げ作業中における挟持位置のずれに起因す
るガタツキを抑えることによって単結晶の成長に悪影響
を及ぼすようなショックを阻止し、良好な引上げを確実
に行なえ得る大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置の
提供を目的とする。
ッチャーアームによる単結晶くびれ部のキャッチ時や、
その後の引上げ作業中における挟持位置のずれに起因す
るガタツキを抑えることによって単結晶の成長に悪影響
を及ぼすようなショックを阻止し、良好な引上げを確実
に行なえ得る大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置の
提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る大口径半導体単結晶引
上炉用の吊持装置では、種結晶の下部に成長する単結晶
を引き上げることにより頭部直下に縮径したくびれ部を
介して目標直径の胴部を有する大口径単結晶を形成させ
る引上げ手段を備えたチョクラルスキー法による半導体
単結晶引上炉内での引き上げ中に前記くびれ部を挟持し
て大口径半導体単結晶を保持するための吊持装置であっ
て、前記引上げ手段による種結晶引上げに機械的に干渉
することなく軸方向移動可能に引上炉内に挿入配置さ
れ、前記引上げ手段による種結晶の引上げ領域を同軸状
に内包するように等角度間隔で配置されると共にそれぞ
れその軸を中心に回転可能な3本以上の吊持軸と、これ
ら吊持軸のそれぞれ下端部から横向きに突出する爪部と
を有する3つ以上のキャッチャーアームと、各吊持軸を
軸心回りに回転させて各々の爪部の先端を前記くびれ部
に対面させさせることによって前記各爪部が前記くびれ
部をラジアル方向から挟持した際に、各キャッチャーア
ームに作用する荷重に抗して各キャッチャーアームの拡
開を阻止するために各キャッチャーアームをほぼ爪部の
高さ位置で外側から取り囲む剛性リングと、を備えたも
のである。
め、請求項1に記載の発明に係る大口径半導体単結晶引
上炉用の吊持装置では、種結晶の下部に成長する単結晶
を引き上げることにより頭部直下に縮径したくびれ部を
介して目標直径の胴部を有する大口径単結晶を形成させ
る引上げ手段を備えたチョクラルスキー法による半導体
単結晶引上炉内での引き上げ中に前記くびれ部を挟持し
て大口径半導体単結晶を保持するための吊持装置であっ
て、前記引上げ手段による種結晶引上げに機械的に干渉
することなく軸方向移動可能に引上炉内に挿入配置さ
れ、前記引上げ手段による種結晶の引上げ領域を同軸状
に内包するように等角度間隔で配置されると共にそれぞ
れその軸を中心に回転可能な3本以上の吊持軸と、これ
ら吊持軸のそれぞれ下端部から横向きに突出する爪部と
を有する3つ以上のキャッチャーアームと、各吊持軸を
軸心回りに回転させて各々の爪部の先端を前記くびれ部
に対面させさせることによって前記各爪部が前記くびれ
部をラジアル方向から挟持した際に、各キャッチャーア
ームに作用する荷重に抗して各キャッチャーアームの拡
開を阻止するために各キャッチャーアームをほぼ爪部の
高さ位置で外側から取り囲む剛性リングと、を備えたも
のである。
【0010】また、請求項2に記載の発明に係る大口径
半導体単結晶引上炉用の吊持装置では、請求項1に記載
の大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置において、各
キャッチャーアームは、前記吊持軸の上端から前記爪部
の先端付近に亙って冷媒流通用の内部流路を備えたもの
である。
半導体単結晶引上炉用の吊持装置では、請求項1に記載
の大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置において、各
キャッチャーアームは、前記吊持軸の上端から前記爪部
の先端付近に亙って冷媒流通用の内部流路を備えたもの
である。
【0011】請求項1に記載の発明は、チョクラルスキ
ー法による半導体単結晶引上炉における引上げ手段によ
って種結晶の下部に成長する単結晶を引上げることによ
り頭部直下に縮径したくびれ部を介して大口径単結晶を
形成させる際に、くびれ部を挟持して大口径半導体単結
晶を保持する吊持装置である。
ー法による半導体単結晶引上炉における引上げ手段によ
って種結晶の下部に成長する単結晶を引上げることによ
り頭部直下に縮径したくびれ部を介して大口径単結晶を
形成させる際に、くびれ部を挟持して大口径半導体単結
晶を保持する吊持装置である。
【0012】本発明の吊持装置では、引上げ手段による
種結晶の引上げ領域を同軸状に内包するように等角度間
隔で配置されると共にそれぞれその軸を中心に回転可能
な吊持軸を有する3つ以上のキャッチャーアームが、引
上げ手段による種結晶引上げに機械的に干渉することな
く軸方向移動可能に引上炉内に挿入配置されるものであ
る。
種結晶の引上げ領域を同軸状に内包するように等角度間
隔で配置されると共にそれぞれその軸を中心に回転可能
な吊持軸を有する3つ以上のキャッチャーアームが、引
上げ手段による種結晶引上げに機械的に干渉することな
く軸方向移動可能に引上炉内に挿入配置されるものであ
る。
【0013】各キャッチャーアームは、各々の吊持軸の
下端部から横向きに突出する爪部を有しており、各吊持
軸を軸心回りに回転させて各々の爪部の先端をくびれ部
に対面させることによって各爪部がくびれ部をラジアル
方向から挟持するものである。また、本装置では、吊持
軸を回転させて各爪部の先端を結晶引上げ領域の軸中心
に対して外側に向けた状態が開状態となる。
下端部から横向きに突出する爪部を有しており、各吊持
軸を軸心回りに回転させて各々の爪部の先端をくびれ部
に対面させることによって各爪部がくびれ部をラジアル
方向から挟持するものである。また、本装置では、吊持
軸を回転させて各爪部の先端を結晶引上げ領域の軸中心
に対して外側に向けた状態が開状態となる。
【0014】さらに、本発明の吊持装置では、各キャッ
チャーアームをほぼ爪部の高さ位置で外側から取り囲む
剛性リングを備え、この剛性リングによって、各キャッ
チャーアームが単結晶頭部のくびれ部分を挟持した際
に、各キャッチャーアームに作用する荷重に抗して各キ
ャッチャーアームの拡開を阻止する構成とした。
チャーアームをほぼ爪部の高さ位置で外側から取り囲む
剛性リングを備え、この剛性リングによって、各キャッ
チャーアームが単結晶頭部のくびれ部分を挟持した際
に、各キャッチャーアームに作用する荷重に抗して各キ
ャッチャーアームの拡開を阻止する構成とした。
【0015】このような本発明の構成によれば、各爪部
先端をくびれ部に対面させて各キャッチャーアームを閉
状態とした後に剛性リングを爪部高さ位置に位置決めし
た状態で単結晶頭部のくびれ部をキャッチさせると、こ
のとき各キャッチャーアームに荷重作用が生じても、キ
ャッチャーアームを外側から取り囲む剛性リングがその
周方向の応力により荷重作用に抗してキャッチャーアー
ムの拡開を阻止する。従って、キャッチ時に爪部先端で
のくびれ部に対する挟持位置が大きくずれることは避け
られる。
先端をくびれ部に対面させて各キャッチャーアームを閉
状態とした後に剛性リングを爪部高さ位置に位置決めし
た状態で単結晶頭部のくびれ部をキャッチさせると、こ
のとき各キャッチャーアームに荷重作用が生じても、キ
ャッチャーアームを外側から取り囲む剛性リングがその
周方向の応力により荷重作用に抗してキャッチャーアー
ムの拡開を阻止する。従って、キャッチ時に爪部先端で
のくびれ部に対する挟持位置が大きくずれることは避け
られる。
【0016】なお、キャッチ前状態において、剛性リン
グ内面と各キャッチャーアーム外周面との間に例えば1
00μm程度の僅かな間隙が形成される設計としておけ
ば、この間隔によって各キャッチャーアームと剛性リン
グとが擦れることはない。したがって、擦れによる部材
の表面削れが不純物となって結晶に混入することが避け
られる。
グ内面と各キャッチャーアーム外周面との間に例えば1
00μm程度の僅かな間隙が形成される設計としておけ
ば、この間隔によって各キャッチャーアームと剛性リン
グとが擦れることはない。したがって、擦れによる部材
の表面削れが不純物となって結晶に混入することが避け
られる。
【0017】さらに、くびれ部キャッチ後の引上げ操作
が進行し、荷重が増加していく間にも、剛性リングによ
る各キャッチャーアームの拡開の阻止状態は維持され、
各爪部先端のくびれ部挟持位置は変化することはない。
従って、本発明の吊持装置によれば、各キャッチャーア
ームによる単結晶頭部の吊持状態は常に一定であり、ガ
タツキのない安定した大口径半導体単結晶保持が可能と
成るため、単結晶成長への悪影響が回避され、スムーズ
な大口径単結晶製造作業が良好に行なえる。
が進行し、荷重が増加していく間にも、剛性リングによ
る各キャッチャーアームの拡開の阻止状態は維持され、
各爪部先端のくびれ部挟持位置は変化することはない。
従って、本発明の吊持装置によれば、各キャッチャーア
ームによる単結晶頭部の吊持状態は常に一定であり、ガ
タツキのない安定した大口径半導体単結晶保持が可能と
成るため、単結晶成長への悪影響が回避され、スムーズ
な大口径単結晶製造作業が良好に行なえる。
【0018】なお、本発明の吊持装置におけるキャッチ
ャーアームは、少なくとも3つであれば良いが、もちろ
んそれ以上であっても良く、多い程、安定して挟持状態
が得られる。例えば、結晶成長方向が<100>で、頭
部くびれ部に4つの晶癖線がほぼ等間隔で現れる場合に
は、4個、8個、と4の倍数個とすると、各キャッチャ
ーアームの爪部先端のくびれ部に対する接触状態が均一
になりやすく、さらに引上げ作業中にガタツキが生じに
くくなる。
ャーアームは、少なくとも3つであれば良いが、もちろ
んそれ以上であっても良く、多い程、安定して挟持状態
が得られる。例えば、結晶成長方向が<100>で、頭
部くびれ部に4つの晶癖線がほぼ等間隔で現れる場合に
は、4個、8個、と4の倍数個とすると、各キャッチャ
ーアームの爪部先端のくびれ部に対する接触状態が均一
になりやすく、さらに引上げ作業中にガタツキが生じに
くくなる。
【0019】但し、本吊持装置では、各吊持軸を回転さ
せて爪部の先端を外側に向けることによって各キャッチ
ャーアームを開状態とし、各吊持軸を回転させて爪部の
先端をくびれ部に対面させる、即ち結晶引上げ領域の軸
中心に向けることによって各キャッチャーアームを閉状
態とする構成であるので、このような吊持軸の回転の際
に隣り合う爪部同士が干渉しない程度に各キャッチャー
アーム間に間隔を取る必要がある。
せて爪部の先端を外側に向けることによって各キャッチ
ャーアームを開状態とし、各吊持軸を回転させて爪部の
先端をくびれ部に対面させる、即ち結晶引上げ領域の軸
中心に向けることによって各キャッチャーアームを閉状
態とする構成であるので、このような吊持軸の回転の際
に隣り合う爪部同士が干渉しない程度に各キャッチャー
アーム間に間隔を取る必要がある。
【0020】従って、本発明の吊持装置では、キャッチ
ャーアーム個数の上限は、等角度間隔で配置される吊持
軸で形成される円周の径と爪部の横方向突出長さ等の設
計値から決定される上記間隔の距離に基づいて、適宜設
定されるものである。
ャーアーム個数の上限は、等角度間隔で配置される吊持
軸で形成される円周の径と爪部の横方向突出長さ等の設
計値から決定される上記間隔の距離に基づいて、適宜設
定されるものである。
【0021】また、本発明の吊持装置における各キャッ
チャーアームは、吊持軸から爪部まで一体形成できる簡
便な構成であるので、請求項2に記載した如く、吊持軸
の上端から爪部の先端付近に亙って冷媒流通用の内部流
路を形成し、実際にくびれ部に接触する一部先端領域の
断熱材部分以外を冷媒によって冷却することができる。
チャーアームは、吊持軸から爪部まで一体形成できる簡
便な構成であるので、請求項2に記載した如く、吊持軸
の上端から爪部の先端付近に亙って冷媒流通用の内部流
路を形成し、実際にくびれ部に接触する一部先端領域の
断熱材部分以外を冷媒によって冷却することができる。
【0022】このように各キャッチャーアームのほぼ全
体を冷却できれば、高温であっても従来よりるつぼの液
面近くで結晶の保持や離反(メルトバック時)操作が行
なえる。従って、くびれ部形成後の比較的早い時期に、
即ち種結晶部分での引上げに係る負担が小さいうちに吊
持装置による大口径半導体単結晶の安定した保持状態へ
移行できるものである。また、剛性リングについても、
同様に冷媒流通用の内部流路を形成すれば、剛性リング
を所定位置に支持する支持棒等を介して冷却することが
できる。
体を冷却できれば、高温であっても従来よりるつぼの液
面近くで結晶の保持や離反(メルトバック時)操作が行
なえる。従って、くびれ部形成後の比較的早い時期に、
即ち種結晶部分での引上げに係る負担が小さいうちに吊
持装置による大口径半導体単結晶の安定した保持状態へ
移行できるものである。また、剛性リングについても、
同様に冷媒流通用の内部流路を形成すれば、剛性リング
を所定位置に支持する支持棒等を介して冷却することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例として、吊持軸とこの吊持軸下端から横方向に突出す
る爪部とからなる略L字状のキャッチャーアーム4本と
これらキャッチャーアームを外側から取り囲む剛性リン
グを備えた大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置を図
1に示す。図1(a)は、本吊持装置の概略構成を示す
縦断面図であり、(b)はキャッチャーアーム下部付近
の部分拡大断面図、(c)はキャッチャーアームを下側
から見た平面図である。
例として、吊持軸とこの吊持軸下端から横方向に突出す
る爪部とからなる略L字状のキャッチャーアーム4本と
これらキャッチャーアームを外側から取り囲む剛性リン
グを備えた大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置を図
1に示す。図1(a)は、本吊持装置の概略構成を示す
縦断面図であり、(b)はキャッチャーアーム下部付近
の部分拡大断面図、(c)はキャッチャーアームを下側
から見た平面図である。
【0024】なお本装置は、ワイヤ11を軸心回りに自
転可能に巻き取り、或は繰り出すことによって下端のシ
ードチャック12を昇降させる不図示の引上げ装置(引
上げ手段)を備えたものである。これは、図1(a)に
も示すように、シードチャック12に固定した種結晶1
3をるつぼ20中の溶融シリコンに接触させた後、引上
げ装置で予め定められた回転速度でワイヤ11を軸心回
りに自転させながら巻き上げることによって種結晶13
をゆっくり上昇させ、種結晶下端に単結晶を成長せしめ
る、所謂チョクラルスキー法による半導体単結晶引上炉
に用いられるものである。
転可能に巻き取り、或は繰り出すことによって下端のシ
ードチャック12を昇降させる不図示の引上げ装置(引
上げ手段)を備えたものである。これは、図1(a)に
も示すように、シードチャック12に固定した種結晶1
3をるつぼ20中の溶融シリコンに接触させた後、引上
げ装置で予め定められた回転速度でワイヤ11を軸心回
りに自転させながら巻き上げることによって種結晶13
をゆっくり上昇させ、種結晶下端に単結晶を成長せしめ
る、所謂チョクラルスキー法による半導体単結晶引上炉
に用いられるものである。
【0025】上記ワイヤ引上げ装置や、全キャッチャー
アーム1を軸方向に所定の速度で回転させながら移動さ
せる回転昇降ヘッド10などの駆動装置は、るつぼ20
上部の駆動制御系10に配置されるものとした。回転昇
降ヘッド10は、その下部に4つのキャッチャーアーム
1が各々吊持軸2を軸心方向に回転させる回転装置4を
介して等角度間隔で且つ前記ワイヤ11を同軸状に内包
するように配設されている。また剛性リング6も、4本
のキャッチャーアーム1を外側から取り囲むように等角
度間隔で配列された4本のリング支持棒5を介して回転
昇降ヘッド10の下部に取付けられている。
アーム1を軸方向に所定の速度で回転させながら移動さ
せる回転昇降ヘッド10などの駆動装置は、るつぼ20
上部の駆動制御系10に配置されるものとした。回転昇
降ヘッド10は、その下部に4つのキャッチャーアーム
1が各々吊持軸2を軸心方向に回転させる回転装置4を
介して等角度間隔で且つ前記ワイヤ11を同軸状に内包
するように配設されている。また剛性リング6も、4本
のキャッチャーアーム1を外側から取り囲むように等角
度間隔で配列された4本のリング支持棒5を介して回転
昇降ヘッド10の下部に取付けられている。
【0026】また、各吊持軸2を軸心方向に回転させる
回転装置4は、各爪部3の高さ位置を剛性リング6に対
して相対的に変動させるために、各吊持軸2を軸方向へ
爪部3の厚み分程度昇降させる昇降機構も備えたものと
する。
回転装置4は、各爪部3の高さ位置を剛性リング6に対
して相対的に変動させるために、各吊持軸2を軸方向へ
爪部3の厚み分程度昇降させる昇降機構も備えたものと
する。
【0027】キャッチャーアーム1は、図1(b)に示
すように、各回転装置4によってそれぞれの吊持軸2を
軸方向へ下降させて各々の爪部3を剛性リング6より下
方に位置させたうえで、各吊持軸2を軸心方向に回転さ
せて各爪部3先端を外側へ放射状に向かせた状態を開状
態とする。
すように、各回転装置4によってそれぞれの吊持軸2を
軸方向へ下降させて各々の爪部3を剛性リング6より下
方に位置させたうえで、各吊持軸2を軸心方向に回転さ
せて各爪部3先端を外側へ放射状に向かせた状態を開状
態とする。
【0028】これに対して、単結晶くびれ部を挟持する
ための閉状態は、各回転装置4によってそれぞれの吊持
軸2を軸方向へ上昇させて、各爪部3が剛性リング6に
外側から取り囲まれるように位置させたうえで、各吊持
軸2を軸心方向に回転させて各爪部3先端をワイヤの軸
中心に向けた状態とする。
ための閉状態は、各回転装置4によってそれぞれの吊持
軸2を軸方向へ上昇させて、各爪部3が剛性リング6に
外側から取り囲まれるように位置させたうえで、各吊持
軸2を軸心方向に回転させて各爪部3先端をワイヤの軸
中心に向けた状態とする。
【0029】このような閉状態においては、単結晶頭部
をキャッチした際にキャッチャーアーム1に荷重が作用
しても、図1(c)にも示すように、各爪部3の外周が
剛性せリング6の内周面で押えられ、キャッチャーアー
ム1の拡開が阻止される。なお上記の如きキャッチャー
アーム1の開閉をスムーズにするため、各回転装置4を
同期制御し、各吊持軸2の昇降および回転を同調させ
る。
をキャッチした際にキャッチャーアーム1に荷重が作用
しても、図1(c)にも示すように、各爪部3の外周が
剛性せリング6の内周面で押えられ、キャッチャーアー
ム1の拡開が阻止される。なお上記の如きキャッチャー
アーム1の開閉をスムーズにするため、各回転装置4を
同期制御し、各吊持軸2の昇降および回転を同調させ
る。
【0030】各キャッチャーアーム1は、爪部3先端の
実際に単結晶に当接する一部領域のみが例えばカーボン
等の断熱材であり、その他の吊持軸2上端から爪部3先
端までステンレス製である。また、各キャッチャーアー
ムには、図2の部分断面部(ここでは説明の便宜上一つ
のキャッチャーアームについてのみ図示した)に示すよ
うに、吊持軸2上端から爪部3先端付近へ、さらに再び
吊持軸2上端まで冷却水等の冷媒を流通循環させるため
の内部流路30が形成されている。
実際に単結晶に当接する一部領域のみが例えばカーボン
等の断熱材であり、その他の吊持軸2上端から爪部3先
端までステンレス製である。また、各キャッチャーアー
ムには、図2の部分断面部(ここでは説明の便宜上一つ
のキャッチャーアームについてのみ図示した)に示すよ
うに、吊持軸2上端から爪部3先端付近へ、さらに再び
吊持軸2上端まで冷却水等の冷媒を流通循環させるため
の内部流路30が形成されている。
【0031】冷却水は、外部の供給源(不図示)からポ
ンプによって冷却水パイプ33を通って回転昇降ヘッド
10内へ導かれ、分岐部32で各々分岐された注入用チ
ューブTINを介して各キャッチャーアームの吊持軸上端
部から内部流路30へ導入される。各内部流路30へ導
入された冷却水は、爪部3先端付近を廻った後、吊持軸
2を上昇し、吊持軸上端部から排水として排出され、排
水用チューブTout を介して分岐部32へ戻る。各キャ
ッチャーアーム1の内部流路30から戻った排水はここ
で合流して冷却水パイプ33を通って外部のポンプへ戻
される。
ンプによって冷却水パイプ33を通って回転昇降ヘッド
10内へ導かれ、分岐部32で各々分岐された注入用チ
ューブTINを介して各キャッチャーアームの吊持軸上端
部から内部流路30へ導入される。各内部流路30へ導
入された冷却水は、爪部3先端付近を廻った後、吊持軸
2を上昇し、吊持軸上端部から排水として排出され、排
水用チューブTout を介して分岐部32へ戻る。各キャ
ッチャーアーム1の内部流路30から戻った排水はここ
で合流して冷却水パイプ33を通って外部のポンプへ戻
される。
【0032】このように本吊持装置では、冷却水を循環
させることによって単結晶頭部21キャッチの際に各キ
ャッチャーアーム1を先端まで冷却することができるた
め、従来よりもより高温な雰囲気中に位置させられる。
従って、その分、よりるつぼ20の液面に近い位置で、
即ち、シードチャック12による種結晶13の引上げ部
に対する荷重負担が小さいうちに、キャッチャーアーム
1によるくびれ部22挟持を行なえ、比較的早い時期に
本吊持装置による大口径半導体単結晶の保持に移行でき
る。
させることによって単結晶頭部21キャッチの際に各キ
ャッチャーアーム1を先端まで冷却することができるた
め、従来よりもより高温な雰囲気中に位置させられる。
従って、その分、よりるつぼ20の液面に近い位置で、
即ち、シードチャック12による種結晶13の引上げ部
に対する荷重負担が小さいうちに、キャッチャーアーム
1によるくびれ部22挟持を行なえ、比較的早い時期に
本吊持装置による大口径半導体単結晶の保持に移行でき
る。
【0033】また、本実施形態においては、剛性リング
6とリング支持棒5とをステンレス製の一体構成とし、
いずれか或は全部のリング支持棒5を介して剛性リング
6にも冷媒用の内部流路31を形成し、冷却水を循環さ
せて剛性リング6も冷却可能な構成とした。この剛性リ
ング6の冷却には、各キャッチャーアーム1に用いた供
給源、ポンプ、パイプ33等を兼用する。
6とリング支持棒5とをステンレス製の一体構成とし、
いずれか或は全部のリング支持棒5を介して剛性リング
6にも冷媒用の内部流路31を形成し、冷却水を循環さ
せて剛性リング6も冷却可能な構成とした。この剛性リ
ング6の冷却には、各キャッチャーアーム1に用いた供
給源、ポンプ、パイプ33等を兼用する。
【0034】以上の如き構成をもつ吊持装置の、大口径
半導体単結晶引上炉における単結晶引上げ動作を以下に
示す。まず、初期位置として、冷却水ポンプの駆動して
冷却水の循環を行ないながら回転昇降ヘッド10によっ
てキャッチャーアーム1および剛性リング6をるつぼ2
0の液面から例えば400〜500mm程度の高さ位置
まで下降させておく。
半導体単結晶引上炉における単結晶引上げ動作を以下に
示す。まず、初期位置として、冷却水ポンプの駆動して
冷却水の循環を行ないながら回転昇降ヘッド10によっ
てキャッチャーアーム1および剛性リング6をるつぼ2
0の液面から例えば400〜500mm程度の高さ位置
まで下降させておく。
【0035】そこで、各回転装置4の駆動によってそれ
ぞれの吊持軸2を軸方向にさらに下降させて各爪部3を
剛性リング6の下端より下に位置させ、さらに各吊持軸
2を軸心方向に回転させ、各々の爪部3の先端を外側に
向けさせてキャッチャーアーム1を開状態にしておく。
ぞれの吊持軸2を軸方向にさらに下降させて各爪部3を
剛性リング6の下端より下に位置させ、さらに各吊持軸
2を軸心方向に回転させ、各々の爪部3の先端を外側に
向けさせてキャッチャーアーム1を開状態にしておく。
【0036】上記の如く各キャッチャーアーム1を開状
態とした状況で、駆動制御系内のワイヤ引上げ装置を制
御して、るつぼ20中の溶融シリコン(溶融液回転速度
0.1〜15rpm)に、ワイヤ11下端のカーボン製
シードチャック11に保持された種結晶13を接触させ
る。
態とした状況で、駆動制御系内のワイヤ引上げ装置を制
御して、るつぼ20中の溶融シリコン(溶融液回転速度
0.1〜15rpm)に、ワイヤ11下端のカーボン製
シードチャック11に保持された種結晶13を接触させ
る。
【0037】その後、所定の回転速度約10rpmで引
上げワイヤ11を軸心方向に自転させつつ、同時に引上
げ装置を制御して種結晶13が所定の上昇速度約3.0
mm/minで上昇するようにワイヤ11を引上げる。
この上昇によって種結晶13下端に直径約5mm程度の
単結晶を成長せしめる。
上げワイヤ11を軸心方向に自転させつつ、同時に引上
げ装置を制御して種結晶13が所定の上昇速度約3.0
mm/minで上昇するようにワイヤ11を引上げる。
この上昇によって種結晶13下端に直径約5mm程度の
単結晶を成長せしめる。
【0038】次いで、引上げ装置を制御して上昇速度を
約0.5mm/minと低下させることによって単結晶
直径を増大させる。直径が約50mm程度にまで増大し
た後、上昇速度を約1.0mm/minと早め、単結晶
を縮径させる。以上の操作によって単結晶頭部21が形
成される。単結晶頭部21直下が直径約30mmまで減
少した後、さらに引上げ装置を制御して上昇速度を約
0.5mm/minと低下させて単結晶直径を増大させ
る。この拡径が進むと、頭部21直下にくびれ部22が
形成される。
約0.5mm/minと低下させることによって単結晶
直径を増大させる。直径が約50mm程度にまで増大し
た後、上昇速度を約1.0mm/minと早め、単結晶
を縮径させる。以上の操作によって単結晶頭部21が形
成される。単結晶頭部21直下が直径約30mmまで減
少した後、さらに引上げ装置を制御して上昇速度を約
0.5mm/minと低下させて単結晶直径を増大させ
る。この拡径が進むと、頭部21直下にくびれ部22が
形成される。
【0039】実際には、このような単結晶直径の制御
は、例えば光反射方式等を利用して経時的に単結晶の直
径を計測し、そのデータに基づいて駆動制御系内の各装
置相互の動作を制御するプログラム、所謂自動直径制御
システムを用い、コンピュータ制御で回転昇降ヘッド1
0やワイヤ引上げ装置等の上昇や回転速度の調整を行な
う。
は、例えば光反射方式等を利用して経時的に単結晶の直
径を計測し、そのデータに基づいて駆動制御系内の各装
置相互の動作を制御するプログラム、所謂自動直径制御
システムを用い、コンピュータ制御で回転昇降ヘッド1
0やワイヤ引上げ装置等の上昇や回転速度の調整を行な
う。
【0040】頭部21が閉状態の各キャッチャーアーム
1の爪部3の間を上昇しつつくびれ部22が形成された
ら、上記直径制御システムによって所定の上昇速度を維
持させながら単結晶引上げが継続するように各駆動系を
制御しつつ、各キャッチャーアーム1の閉状態への移行
を開始させる。このとき、各キャッチャーアーム1およ
び剛性リング6は、回転昇降ヘッド10によって頭部2
1に対する相対位置関係を一定に保つようにそれぞれ上
軸方向への移動が開始される。
1の爪部3の間を上昇しつつくびれ部22が形成された
ら、上記直径制御システムによって所定の上昇速度を維
持させながら単結晶引上げが継続するように各駆動系を
制御しつつ、各キャッチャーアーム1の閉状態への移行
を開始させる。このとき、各キャッチャーアーム1およ
び剛性リング6は、回転昇降ヘッド10によって頭部2
1に対する相対位置関係を一定に保つようにそれぞれ上
軸方向への移動が開始される。
【0041】但し、この上軸方向への移動開始当初の各
キャッチャーアーム1の単結晶に対する相対位置は、後
に閉状態なった際の爪部3先端の単結晶に対向する位置
が、くびれ部分22の各爪部3によって挟持されるべく
定められた接触位置よりも下方位置とする。
キャッチャーアーム1の単結晶に対する相対位置は、後
に閉状態なった際の爪部3先端の単結晶に対向する位置
が、くびれ部分22の各爪部3によって挟持されるべく
定められた接触位置よりも下方位置とする。
【0042】この相対位置関係を維持しながら単結晶引
上げが継続されるなかで、まず回転装置4によって各吊
持軸2を軸心方向にほぼ180°回転させ、各爪部3の
先端をくびれ部22に対面させる。その後、各回転装置
4を駆動して各吊持軸を剛性リング6に対して相対的に
上方へ昇降し、全爪部32が剛性リング6に外側から取
り囲まれるように位置決めする。これによって、図1
(c)に示すような閉状態となる。
上げが継続されるなかで、まず回転装置4によって各吊
持軸2を軸心方向にほぼ180°回転させ、各爪部3の
先端をくびれ部22に対面させる。その後、各回転装置
4を駆動して各吊持軸を剛性リング6に対して相対的に
上方へ昇降し、全爪部32が剛性リング6に外側から取
り囲まれるように位置決めする。これによって、図1
(c)に示すような閉状態となる。
【0043】このとき、各キャッチャーアーム1の先端
は、前述のように、くびれ部22面上の挟持すべく定め
られた接触位置より下方位置に対向しており、且つ、各
爪部3先端どうしの相対間隔はくびれ部22の前記所定
の接触位置における直径にほぼ相当し、この時点で対向
するくびれ部22表面に対して僅かな間隙を持つものと
する。さらに、各爪部3の外周面と剛性リング6内周面
との間には、100μm程度の間隙があるものとする。
は、前述のように、くびれ部22面上の挟持すべく定め
られた接触位置より下方位置に対向しており、且つ、各
爪部3先端どうしの相対間隔はくびれ部22の前記所定
の接触位置における直径にほぼ相当し、この時点で対向
するくびれ部22表面に対して僅かな間隙を持つものと
する。さらに、各爪部3の外周面と剛性リング6内周面
との間には、100μm程度の間隙があるものとする。
【0044】上記の如きキャッチャーアーム1の閉状態
への移行が完了したら、剛性リング6と各キャッチャー
アーム1との相対位置関係を維持したまま、回転昇降ヘ
ッド10のによるキャッチャーアーム1および剛性リン
グ6の上軸方向への移動速度を単結晶頭部14の上昇速
度より早める。この速度制御によって、閉状態の各キャ
ッチャーアーム1の爪部3先端は、単結晶頭部21に対
して上方向に相対移動し、前記くびれ部22の予め定め
られた接触位置に接触する。即ち、各キャッチャーアー
ム1の爪部3先端からみると、単結晶頭部21が落下す
ることとなり、、前記所定の接触位置でくびれ部21を
キャッチする。このキャッチによって各キャッチャーア
ーム1によるくびれ部22の係合・挟持状態が得られ
る。
への移行が完了したら、剛性リング6と各キャッチャー
アーム1との相対位置関係を維持したまま、回転昇降ヘ
ッド10のによるキャッチャーアーム1および剛性リン
グ6の上軸方向への移動速度を単結晶頭部14の上昇速
度より早める。この速度制御によって、閉状態の各キャ
ッチャーアーム1の爪部3先端は、単結晶頭部21に対
して上方向に相対移動し、前記くびれ部22の予め定め
られた接触位置に接触する。即ち、各キャッチャーアー
ム1の爪部3先端からみると、単結晶頭部21が落下す
ることとなり、、前記所定の接触位置でくびれ部21を
キャッチする。このキャッチによって各キャッチャーア
ーム1によるくびれ部22の係合・挟持状態が得られ
る。
【0045】このような頭部21の吊持状態が得られた
後も、所定の回転および上昇速度での引上げが継続する
ように回転昇降ヘッド10を介して各キャッチャーアー
ム1及び剛性リング6の上軸方向の移動を制御する。単
結晶が製品直径まで増大したら、その後は直径を一定に
して単結晶肩部23を形成し、胴部を所望の長さまで成
長させる。
後も、所定の回転および上昇速度での引上げが継続する
ように回転昇降ヘッド10を介して各キャッチャーアー
ム1及び剛性リング6の上軸方向の移動を制御する。単
結晶が製品直径まで増大したら、その後は直径を一定に
して単結晶肩部23を形成し、胴部を所望の長さまで成
長させる。
【0046】また、単結晶引上げが進んで荷重作用が徐
々に大きくなっていっても、剛性リング6によってキャ
ッチャーアーム1の挟持状態は固定されているので、爪
部3先端のくびれ部22面上での当接位置がずれること
はない。このように、本実施形態による吊持装置では、
全キャッチャーアーム1によるくびれ部22の挟持が剛
性リング6の周方向の応力によって確実に維持されるつ
つ単結晶引上げが進行し、その進行中に挟持位置のすれ
によるガタツキは抑えられ、単結晶成長への悪影響は回
避されるため、大口径半導体単結晶の引上げ作業が良好
に行なえる。
々に大きくなっていっても、剛性リング6によってキャ
ッチャーアーム1の挟持状態は固定されているので、爪
部3先端のくびれ部22面上での当接位置がずれること
はない。このように、本実施形態による吊持装置では、
全キャッチャーアーム1によるくびれ部22の挟持が剛
性リング6の周方向の応力によって確実に維持されるつ
つ単結晶引上げが進行し、その進行中に挟持位置のすれ
によるガタツキは抑えられ、単結晶成長への悪影響は回
避されるため、大口径半導体単結晶の引上げ作業が良好
に行なえる。
【0047】また、上記の如き簡便な本吊持装置の構成
によれば、キャッチャーアームがくびれ部キャッチ後に
爪部外周面で剛性リング内周面に当接する以外は、炉内
で部材同士が擦れる領域がなく、不純物として結晶に混
入する恐れと成るような擦れによる部材表面の削れゴミ
は非常に少ない。
によれば、キャッチャーアームがくびれ部キャッチ後に
爪部外周面で剛性リング内周面に当接する以外は、炉内
で部材同士が擦れる領域がなく、不純物として結晶に混
入する恐れと成るような擦れによる部材表面の削れゴミ
は非常に少ない。
【0048】なお、本発明の剛性リングは、上記実施形
態のように、少なくともキャッチャーアームの爪部を外
側から取り囲む環状部分を持つものであれば良いが、キ
ャッチャーアーム全体を囲むように回転昇降ヘッド直下
から下端に亙る円筒状であっても良い。
態のように、少なくともキャッチャーアームの爪部を外
側から取り囲む環状部分を持つものであれば良いが、キ
ャッチャーアーム全体を囲むように回転昇降ヘッド直下
から下端に亙る円筒状であっても良い。
【0049】また、上記実施の形態においては、キャッ
チャーアームの開状態で爪部先端を外側へ向けるものと
し、閉状態において吊持軸を軸心方向にほぼ180°回
転させて爪部先端をくびれ部に対面させる構成とした
が、本発明はこれに限られるものではない。たとえば、
図3に示すように、剛性リングの内周うあ爪部の突出長
さ等の設計によっては、剛性リング内周から外へ突出す
るまで爪部を回転させなくても単結晶頭部が通過上昇す
るのに充分な空間が爪部間で得られるのであれば、剛性
リングを常に爪部の高さ位置で外側から取り囲む位置に
固定し、吊持軸の回転は剛性リング内で爪部が移動可能
な範囲内のみとしても良い。
チャーアームの開状態で爪部先端を外側へ向けるものと
し、閉状態において吊持軸を軸心方向にほぼ180°回
転させて爪部先端をくびれ部に対面させる構成とした
が、本発明はこれに限られるものではない。たとえば、
図3に示すように、剛性リングの内周うあ爪部の突出長
さ等の設計によっては、剛性リング内周から外へ突出す
るまで爪部を回転させなくても単結晶頭部が通過上昇す
るのに充分な空間が爪部間で得られるのであれば、剛性
リングを常に爪部の高さ位置で外側から取り囲む位置に
固定し、吊持軸の回転は剛性リング内で爪部が移動可能
な範囲内のみとしても良い。
【0050】この場合、開閉状態の移行に応じて爪部を
剛性リングに対して相対移動させる必要がないので、吊
持軸を軸心方向へ回転させるための回転装置に吊持軸を
軸方向へ昇降させる機構を持たせる必要もなくなり、装
置の設計がより簡便となる。
剛性リングに対して相対移動させる必要がないので、吊
持軸を軸心方向へ回転させるための回転装置に吊持軸を
軸方向へ昇降させる機構を持たせる必要もなくなり、装
置の設計がより簡便となる。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、簡便な構
成でありながらも、キャッチャーアームによる単結晶く
びれ部のキャッチや、その後の引上げ作業中における挟
持位置のずれやガタツキが押えられ、大口径半導体単結
晶の場合においても良好な引上げ作業が行なえるという
効果がある。
成でありながらも、キャッチャーアームによる単結晶く
びれ部のキャッチや、その後の引上げ作業中における挟
持位置のずれやガタツキが押えられ、大口径半導体単結
晶の場合においても良好な引上げ作業が行なえるという
効果がある。
【0052】また、吊持軸上端から爪部先端付近に亙っ
てキャッチャーアームに冷媒流通用の内部流路を備えた
ことによりキャッチャーアームを冷却することができ、
従来よりるつぼ液面に近い位置でキャッチャーアームに
よる単結晶くびれ部の挟持が行なえるので、より早い時
期に吊持装置による大口径半導体単結晶の保持へ移行す
ることができる。
てキャッチャーアームに冷媒流通用の内部流路を備えた
ことによりキャッチャーアームを冷却することができ、
従来よりるつぼ液面に近い位置でキャッチャーアームに
よる単結晶くびれ部の挟持が行なえるので、より早い時
期に吊持装置による大口径半導体単結晶の保持へ移行す
ることができる。
【図1】本発明の一実施の形態としての大口径半導体単
結晶引上炉用の吊持装置を示す概略構成図であり、
(a)は全体の縦断面図、(b)はキャッチャーアーム
下部付近の部分拡大断面図、(c)は吊持装置を下側
(剛性リング下)から見た平面図である。
結晶引上炉用の吊持装置を示す概略構成図であり、
(a)は全体の縦断面図、(b)はキャッチャーアーム
下部付近の部分拡大断面図、(c)は吊持装置を下側
(剛性リング下)から見た平面図である。
【図2】図1の吊持装置のキャッチャーアームおよび剛
性リングの冷却機構を説明するための部分断面図であ
る。
性リングの冷却機構を説明するための部分断面図であ
る。
【図3】本発明の他の実施形態としての吊持装置におけ
るキャッチャーアームの開状態を示す平面図である。
るキャッチャーアームの開状態を示す平面図である。
1:キャッチャーアーム 2:吊持軸 3:爪部 3a:断熱材 4:回転装置 5:リング支持棒 6:剛性リング 10:回転昇降ヘッド 11:ワイヤ 12:シードチャック 13:種結晶 20:るつぼ 21:単結晶頭部 22:くびれ部 23:単結晶型部 30,31:内部流路 32:分岐部 33:冷却水用パイプ TIN:注入用チューブ TOUT :排水用チューブ
Claims (2)
- 【請求項1】 種結晶の下部に成長する単結晶を引き上
げることにより頭部直下に縮径したくびれ部を介して目
標直径の胴部を有する大口径単結晶を形成させる引上げ
手段を備えたチョクラルスキー法による半導体単結晶引
上炉内での引き上げ中に前記くびれ部を挟持して大口径
半導体単結晶を保持するための吊持装置であって、 前記引上げ手段による種結晶引上げに機械的に干渉する
ことなく軸方向移動可能に引上炉内に挿入配置され、前
記引上げ手段による種結晶の引上げ領域を同軸状に内包
するように等角度間隔で配置されると共にそれぞれその
軸を中心に回転可能な3本以上の吊持軸と、これら吊持
軸のそれぞれ下端部から横向きに突出する爪部とを有す
る3つ以上のキャッチャーアームと、 各吊持軸を軸心回りに回転させて各々の爪部の先端を前
記くびれ部に対面させさせることによって前記各爪部が
前記くびれ部をラジアル方向から挟持した際に、各キャ
ッチャーアームに作用する荷重に抗して各キャッチャー
アームの拡開を阻止するために各キャッチャーアームを
ほぼ爪部の高さ位置で外側から取り囲む剛性リングと、
を備えたことを特徴とする大口径半導体単結晶引上炉用
の吊持装置。 - 【請求項2】 各キャッチャーアームは、前記吊持軸の
上端から前記爪部の先端付近に亙って冷媒流通用の内部
流路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の大口径
半導体単結晶引上炉用の吊持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9139397A JPH10273386A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9139397A JPH10273386A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10273386A true JPH10273386A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=14025147
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9139397A Pending JPH10273386A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 大口径半導体単結晶引上炉用の吊持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10273386A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016172260A (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-29 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間三次元加工装置における鋼材のチャック、屈曲部材の製造方法および製造装置 |
CN115341286A (zh) * | 2022-08-01 | 2022-11-15 | 中电化合物半导体有限公司 | 一种双热场晶片退火炉 |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP9139397A patent/JPH10273386A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016172260A (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-29 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間三次元加工装置における鋼材のチャック、屈曲部材の製造方法および製造装置 |
CN115341286A (zh) * | 2022-08-01 | 2022-11-15 | 中电化合物半导体有限公司 | 一种双热场晶片退火炉 |
CN115341286B (zh) * | 2022-08-01 | 2023-08-29 | 中电化合物半导体有限公司 | 一种双热场晶片退火炉 |
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