JPH10272561A - 鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材の溶削方法 - Google Patents

鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材の溶削方法

Info

Publication number
JPH10272561A
JPH10272561A JP9078684A JP7868497A JPH10272561A JP H10272561 A JPH10272561 A JP H10272561A JP 9078684 A JP9078684 A JP 9078684A JP 7868497 A JP7868497 A JP 7868497A JP H10272561 A JPH10272561 A JP H10272561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
slit
nozzle unit
nozzle
flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9078684A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Okada
誠司 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP9078684A priority Critical patent/JPH10272561A/ja
Publication of JPH10272561A publication Critical patent/JPH10272561A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas Burners (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶削用の酸素流をノズルユニット内およびノズ
ルユニット間で均一に噴出でき、かつ、耐久性に優れた
鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材溶削方法を提供す
る。 【解決手段】主ヘッドスリット7を介して酸素ヘッダー
6に接続されるスリットノズル8を有する鋼材溶削用ノ
ズルユニット17において、主ヘッドスリット7に偏平
な管状体で形成される内装スリット10を備えるノズル
ユニット。酸素ヘッダー6内部に、酸素主管5に対応し
て1または2以上の孔を有する整流板、または、平面形
状が波型形状あるいは多角形状である整流板11と、酸
素ヘッダー6内での酸素の横方向の流れを阻止する仕切
板とを設けた酸素ヘッダーを備えるノズルユニット。上
記のノズルユニットを用いる溶削方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造設備や分
塊圧延設備から供給されるスラブ、ビレット、ブルーム
等の矩形断面をした鋼材の表面にある疵を除去するため
に鋼材表層部を溶削除去する際に用いられる鋼材溶削装
置および鋼材溶削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造設備や分塊圧延設備から供給さ
れるスラブ、ビレット、ブルーム等の鋼材を表面に欠陥
があるまま圧延すると圧延後の製品疵となる場合があ
る。このため、鋼材表面の欠陥は圧延前に除去しなけれ
ばならない。その除去手段として、鋼材表面に高速の酸
素流を吹き付け、鉄−酸素の酸化発熱反応を利用して鋼
材を溶融し除去する溶削方式が用いられている。
【0003】図11に溶削装置の配置状況の一例を示
す。スラブ12は搬送用ロール13により溶削装置に送
られる。溶削装置は、ノズルユニット17と溶削装置本
体16で構成される。ノズルユニット17の幅は、1台
個当たり200〜300mm前後であり、それぞれのノ
ズルユニットの幅に相当する部分のスラブ表面を溶削す
る。ノズルユニット17は鋼材の幅方向に並列して必要
な台数が配設される。スラブ12の表裏面および両側面
全てを同時に溶削できる。溶削装置本体16は、ノズル
ユニット17を保持するとともに、ノズルユニットに酸
素、燃料ガス、冷却水等を供給するための装備を備えて
いる。
【0004】図12に、従来の鋼材溶削用ノズルユニッ
トの一例の断面図を示す。ノズルユニット17の下を通
過するスラブ12の表面は燃料ガス18、19および酸
素21が吹き付けられて予熱された後、溶削用の高速の
酸素流9が吹き付けられる。この際に生じる鉄−酸素の
燃焼発熱反応熱によってスラブ表層部は溶融、除去され
る。
【0005】スラブ表面の溶削深さは、酸素の供給量、
つまり酸素流の圧力や流速に影響される。酸素流の圧力
が高い場合や流速が速い場合には溶削代(溶削深さ)が
大きく、逆に圧力が低い場合や流速が遅い場合には溶削
代が小さくなり、極端な場合は溶削不良になる。ノズル
ユニットの幅方向やノズルユニット間で酸素流の圧力や
流速に不均一な部分が生じることがある。酸素は、酸素
主管5から高速の酸素ガス流として酸素ヘッダー6に噴
射され、整流板11、主ヘッドスリット7およびスリッ
トノズル8を経て鋼材表面に吹き付けられる。しかし、
この酸素の流れは主ヘッドスリット7やスリットノズル
8を通過するだけでは均一化されず、溶削後の表面には
酸素主管5の位置に対応した凹凸が形成される。
【0006】図10に、従来の方法で溶削した表面に生
じる凹凸の状況を概念的に示した。溶削不良による凹凸
は、ノズルユニットの境界部分で生じる大きい凹凸(図
中a部)と、小さい間隔で生じる凹凸がある。凹凸が甚
だしくなると、これを圧延すると表面疵が発生する。こ
のため、ノズルユニットから噴出される溶削用の酸素流
の圧力や流速を均一にする方法が求められている。
【0007】実公平2−109134号公報には、鋼材
の幅方向に複数個配設されているノズルユニット同士の
当接部での酸素噴出流の不均一を防止するため、該当接
部の酸素噴出ノズル間に、先端に先細りテーパーを形成
した酸素流れ整流体を仕切り配置した装置を開示してい
る。しかしその整流体の先端部はノズル出口近くに位置
していることと、整流体の先端部分での酸素流は整流体
がない部分に較べて低速になることなどから、この部分
に溶削した時に付随的に生じるスラグが付着しやすい。
スラグが付着すると整流体の先端での酸素の流れが乱さ
れて溶削が不均一になる。また、酸素チャンバー後流側
のスリット内部に多数の孔をあけたオリフィス板を設置
してノズル内の酸素流の流れを均一化しようとしている
が、このオリフィス部にスラグが付着して酸素流の均一
性を乱すおそれがある。
【0008】実公平4−39566号公報には、ノズル
ユニット内での酸素の流れを均一にするため、酸素ヘッ
ダー内に矩形の板状のバッファー(整流板)を設けた装
置が開示されている。また、この整流板に酸素主管毎に
仕切り板を設置し、幅方向の均一化を図る方式もある。
しかし、酸素主管からの酸素の流れは直進性が強く、単
に板状の整流板を設けただけでは直進性を分散させて幅
方向に均一な酸素流を得るのは困難である。
【0009】特開平8−90226号公報には、溶削で
生じる表面の凹凸あるいは疵を後工程で検出し、研削流
体を用いて研削する金属片の手入れ方法が開示されてい
る。しかしこの方式では処理工程と処理費用が増加して
経済性に欠ける。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、スラブ、ビレット、ブルーム等の鋼材表層
部を溶削除去する際に、溶削用の酸素流をノズルユニッ
ト内およびノズルユニット間で均一に噴出でき、かつ、
長期間安定して使用できる耐久性に優れた鋼材溶削用ノ
ズルユニットおよびその溶削方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)、(2)に記載の鋼材溶削用ノズルユニットおよ
び、(3)、(4)に記載の鋼材溶削方法にある。
【0012】(1)主ヘッドスリットを介して酸素ヘッ
ダーに接続されるスリットノズルを有する鋼材溶削用ノ
ズルユニットにおいて、上記主ヘッドスリットが、その
内部に偏平な管状体で形成される内装スリットを備える
ことを特徴とする鋼材溶削用ノズルユニット。
【0013】(2)酸素ヘッダーの内部に、酸素供給口
に対応して1または2以上の孔を有する整流板、また
は、平面形状が波型形状もしくは多角形状である整流板
と、酸素ヘッダー内での酸素の横方向の流れを阻止する
仕切板とを設けた上記(1)に記載の鋼材溶削用ノズル
ユニット。
【0014】(3)主ヘッドスリットの内部に設けられ
た偏平な管状体で形成される内装スリットを介して酸素
ヘッダーからスリットノズルに酸素が供給されるノズル
ユニットを用いて鋼材表面を溶削する鋼材の溶削方法。
【0015】(4)内部に、酸素供給口に対応して1ま
たは2以上の孔を有する整流板、または、平面形状が波
型形状もしくは多角形状である整流板と、酸素ヘッダー
内での酸素の横方向の流れを阻止する仕切板とを設けた
酸素ヘッダーを用いる上記(3)に記載の鋼材の溶削方
法。
【0016】本発明の装置の一例を示す図を基に、本発
明の基になった考え方を説明する。
【0017】図1は、本発明に係わる一例のノズルユニ
ットの縦断面図である。ノズルユニット17は、主ヘッ
ド1、上部ブロック2、下部ブロック3、シューブロッ
ク4から構成されている。溶削装置本体16から供給さ
れる溶削用の酸素は、主ヘッド1に設けられた複数の酸
素主管5、円筒状の空間である酸素ヘッダー6、内装ス
リット10を通り、上部ブロック2と下部ブロック3で
構成されるスリットノズル8から噴出される。
【0018】図2(a)に、図1に記載したノズルユニ
ットのA−A断面を、図2(b)にB−B断面を示す。
主ヘッドスリット内に挿入された偏平な管状体10の内
部が酸素の流出路になっている。以下、この偏平な管状
体を単に「内装スリット」と記す。従来の主ヘッドスリ
ット7は、主ヘッドに直接加工されて設けられた空間で
あるが、主ヘッドスリット7の両端の側壁部20の厚さ
Tは、以下に述べる理由によって、出来るだけ薄くなる
ように設計される。
【0019】溶削装置のノズルユニットは高温に曝され
るので熱変形しやすく、鋼材の幅全体を1個のノズルで
処理するのは、ノズルが損傷した場合の保守が容易でな
いうえ、ノズルの寸法精度も確保しにくい。このため、
狭幅のノズルユニットを幅方向に複数個並べて鋼材の幅
全体を処理する。しかし、このようにノズルを分割する
と、ユニット同士の境界部で酸素の流れが分離される。
境界部での酸素の流れを均一にするべく、主ヘッドスリ
ット側壁部20の厚さTは極力薄くされる。
【0020】ノズルユニット17は使用中に鋼材との接
触、衝突等による衝撃や熱応力などを受けるため、この
側壁部20には亀裂が生じやすい。亀裂が生じるとその
部分から酸素が漏出して、酸素の流れが乱れる問題が生
じる。従来の方法では主ヘッドスリットの側壁部20の
亀裂を防止することは極めて困難であり、これがノズル
ユニットの寿命を短くする原因になっている。
【0021】実公平2−109134号公報に記載され
ている整流体はこの乱れを防ぐために設けられるもので
あるが、ノズル部に設けた整流体が酸素の流れを乱して
いるうえ、整流体の先端部にスラグが付着すると酸素流
の乱れが助長されるので好ましくないことは前述のとお
りである。
【0022】主ヘッドスリットの側壁部からの酸素漏出
を改善する方法として、本発明者は、主ヘッドスリット
の中に、偏平な管状体10を内装する方法を見いだし
た。主ヘッド構成部材とは別の金属で酸素流出路を形成
することで、主ヘッドスリットの側壁部20に亀裂が生
じても酸素の漏出が起こらず、酸素流の乱れが防止でき
る。これにより、従来ノズル部に必要であった整流体は
不要となり、酸素流の均一性が更に改善される。また、
内装スリット10の幅が酸素の流出方向に向かって広く
なるように末広がり状の形状にすることで、主ヘッド側
壁部で分断される酸素流を均一にさせる。
【0023】さらに、本発明では、酸素ヘッダー6内に
設ける整流板11を改善して酸素主管5から噴出される
酸素流の直進性を分散させ、スリットノズル8から噴出
される酸素流9の幅方向での流速分布を均一にする。こ
の方法の1つは、整流板11の適切な位置に適切な大き
さの孔を設けて高速の酸素流の直進性を分散させる方法
である。他の方法は、酸素の流路である整流板11と酸
素ヘッダー6の内壁面との間の空隙を、整流板11の平
面形状を変更することで調節し、整流板に衝突した後の
酸素の流出速度を均一化する方法である。
【0024】図9は、酸素主管5から圧送される高速の
酸素流が衝突する整流板の領域(以下、単に「衝突域」
と記す)に孔を設けたときの酸素の流れを示す概念図で
あり、(a)は本発明の一例を示し、(b)は従来例を
示す。従来の整流板では、整流板に衝突した後の酸素の
流れは衝突部以外への分散が不十分で、酸素主管の位置
に対応した流速分布が強く残留する。これに対し、衝突
域に適切な大きさの孔を設けることで酸素流の直進性が
分散され、衝突後の酸素流の大部分は、整流板と酸素ヘ
ッダー内壁との間の空隙からほぼ均一に流出する。孔の
部分から流出する酸素は僅かである。整流板の衝突域に
孔があると、整流板に沿った酸素の流れが乱されて酸素
流の直進性が分散されるものと推測される。
【0025】本発明は、新たに得られた以上のような知
見を基にして完成されたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照し、本発明
の鋼材の均一溶削装置について詳細に説明する。
【0027】図1に記したように、本発明では、酸素ヘ
ッダー6に連接する主ヘッドスリット内に内装スリット
10を設ける。
【0028】図2(b)に示すように、内装スリット1
0は偏平な形状の管状体であり、その内部が主ヘッド内
の酸素ヘッダー6と、スリットノズル8との間を連結す
る酸素流出路となる。内装スリット10を設けることに
より、主ヘッド側の側壁部分に亀裂などが生じてもスリ
ット内の酸素の流れは影響されなくなり、ノズルユニッ
ト間に酸素流の流速差や圧力差が生じるのを防止する。
隣接したノズルユニット同士の境界部分の酸素流を均一
にするために、内装スリット10の幅Hは、下流の方向
に対して広がりを持たせるのが好ましい。この広がり角
度θは2〜5度とするのがよい。内装スリットを形成す
る材料の種類は、ステンレス鋼、銅または銅合金など耐
食性と強度のある延性に富む金属の薄板を用いるのが好
ましい。また、その厚さは、整流を得やすくするために
1〜3mmとするのが好ましい。
【0029】本発明では、酸素ヘッダー6の内部に設け
る整流板11は、1または2以上の孔を有するか、酸素
ヘッダー内壁部と整流板の端部との間の空隙が変化する
ように、その形状を波型形状または多角形状をしたもの
である。
【0030】図3、4に本発明に係わる、孔が設けられ
ている整流板の例を示す。孔の大きさと位置は以下のよ
うにするのが好ましい。酸素流の衝突域には直径が2〜
5.5mmである大径の孔を少なくとも1個設ける。衝
突域に設けられる孔には、整流板通過後の酸素流の直進
性を分散させ、幅方向での流速分布を均一にする機能が
ある。孔の直径が2mmに満たない場合には流速分布を
均一にする効果が少なく、孔の直径が5.5mmを超え
ると孔を貫通して流れる酸素流が強くなり整流効果が不
十分になる。整流板の端部周辺には直径が1〜3.5m
mの小径の孔を衝突域に対して対称な位置に設けるとな
お効果的である。この小径の孔は、酸素が流出する経路
としてはたらく。小径の孔を整流板の端部周辺に設ける
ことで周辺部での酸素流出抵抗が減少し、流速分布が均
一になる効果がある。孔の数に特別な制限は無いが、小
径の孔が多いほど均一性を高める効果が増す。孔の形状
は円、楕円、矩形などいずれでも構わない。楕円や矩形
の場合の孔の大きさは、その面積が上記の直径の円の面
積範囲内であればよい。
【0031】図5は、本発明に係わる整流板の形状の他
の例である。通常、整流板は酸素ヘッダー内径の60〜
80%の幅のものが用いられる。本発明では、整流板の
幅を酸素ヘッダー内径の80〜95%として整流板と酸
素ヘッダー内壁との空隙を従来よりも狭くし、そこから
流出する酸素量を減らし、整流板に設けた多数の小径の
孔から酸素を均一に噴出させる。衝突域近傍では孔数を
少なくしたり、より小径の孔にするのが好ましい。この
方法は酸素ヘッダーでの圧損が大きくなるという問題が
あるが、酸素流の均一性は良好である。
【0032】図6〜8に、平面形状が多角波型形状ある
いは多角形状である整流板の形状例を示す。整流板の形
状を変えることで整流板と酸素ヘッダー内壁との空隙を
調整し、酸素流の流速が速い衝突点近傍の空隙を狭く
し、他の部分の空隙を広くすることで酸素ヘッダーの幅
方向での流速の均一性を改善する。図6は波型形状の
例、図7および図8は山型形状の例である。整流板の形
状は上記の例に限定されず、幅方向に空隙が変更できる
ものであればよい。
【0033】ヘッダー仕切板14は隣合う酸素主管の中
間に設けられ、それぞれの酸素主管からの酸素流の干渉
を避ける目的で設けられる。ヘッダー仕切板を設けると
ノズルユニットの幅方向での酸素流の均一性が向上す
る。整流板とヘッダー仕切板の材質は、特に規定するも
のではないが、銅または銅合金が好ましい。
【0034】従来の鋼材溶削装置に組み込まれているノ
ズルユニットを本発明のノズルユニットに置き換えて溶
削することで均一な溶削が安定して施せる。酸素や予熱
用燃料ガスの圧力や被溶削材の移動速度など、溶削する
場合の各種の溶削条件は従来の条件で構わない。本発明
のノズルユニットは従来のノズルユニットに簡単な加工
を加えることで容易に製作できる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)幅270mmのノズルユニットを、スラブ
搬送ラインの上面側に7基、下面側に7基、両側面に1
基づつ、合計16基を配設した溶削装置を用いてスラブ
表面を溶削した。上記搬送ラインの上面側の4基のノズ
ルユニットには、本発明に係わるノズルユニットを用い
た。他の11基のノズルユニットには、図12に断面構
造を示した従来のノズルユニットを用いた。
【0036】本発明のノズルユニットに設けた内装スリ
ットは図2に記載した形状のものであり、厚さt:2.
5mmの銅合金板を用いて製作され、スリット幅H:2
53mm、スリット間隔h:6mm、スリット幅の広が
り角度θ:4.5度であった。これを主ヘッドスリット
内に挿入し固定した。スリットノズル8のスリット間隔
は6mmとした。ノズルユニットには30mm間隔で1
基当たり合計9個の酸素主管が設けられており、酸素主
管の直径は12mm、酸素供給圧は1.1kg/cm
2 、酸素ヘッダーの内径は30mmである。整流板は、
本発明の各種の整流板を用いた場合と、従来の矩形形状
をした幅19mmの整流板を用いた場合を比較した。本
発明の多孔型の整流板の幅は19mm、衝突域に設けた
大径の孔の直径d1:4.5mm、衝突域の周辺に設け
た小径の孔の直径d2:2.5mmであった。多角形状
の整流板の寸法は、最大幅w1:25mm、最小幅w2
16mmとした。
【0037】従来のノズルユニットには30mm間隔で
1基当たり合計9個の酸素主管が設けられており、酸素
主管の直径は12mm、酸素供給圧は1.1kg/cm
2 、酸素ヘッダーの内径は30mm、スリットノズル8
のスリット間隔は6mmである。内装スリットは無く、
整流板は通常の矩形形状の幅19mmのものである。い
ずれの酸素ヘッダーにもヘッダー仕切り板を設けた。い
ずれのノズルユニットも主ヘッドは銅合金製である。
【0038】この溶削装置を用いてノズルユニットの耐
久性と溶削状況とを評価した。ノズルユニットの耐久性
は、これらのノズルユニットを使用開始後90〜100
本目と190〜200本目のスラブの表面の凹凸を測定
し、かつ、溶削したスラブから製造された冷延鋼板の表
面疵の発生状況を検査して評価した。耐久性の評価に用
いたスラブは、厚さ270mm、幅1200mmの普通
鋼のスラブであり、その表面温度が800℃、溶削代は
1.5mmを目標として溶削した。
【0039】溶削後のスラブ表面の凹凸の測定は、ノズ
ルユニットの当接部の位置に対応して270mm間隔で
生じる大きい凸部(図10のa部に相当)の高さと、ほ
ぼ30mm間隔で生じているノズルユニット内部で生じ
る小さい凹凸の高さを測定して、溶削代の均一性を評価
した。このスラブから製造した冷延鋼板の表面疵の発生
状況は、表面疵に対する要求が特別に厳しい外装用途に
使用できるものを◎、通常の外装用途に使用できるもの
を○、外装用途には不適であるが通常の内装用途使用で
きるものを△、大幅な不良部除去を要するものを×とし
て評価した。これらの測定結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】使用開始後90〜100本目のスラブのノ
ズルユニットの当接部相当位置に生じる大きい凹凸の高
さは、本発明のノズルユニットで溶削された部分と、従
来のノズルユニットで溶削された部分との間で差はな
く、いずれの部分とも0.3mm以下で良好であった。
また、ノズルユニットの当接部以外の部分の小さい凹凸
は、従来の整流板を用いた場合は0.3〜0.5mmで
あったが、本発明に係わる整流板を用いると0.1mm
以下になっていた。
【0042】使用開始後190〜200本目のスラブ表
面の大きい凸部の高さは、本発明のノズルユニットで溶
削された部分では0.2mm以下であり、90〜100
本目のスラブ表面と同様に良好であった。これに対し、
従来のノズルユニットで溶削した部分は、凸部の高さが
0.6〜2mmになっていた。ノズルユニット当接部以
外の部分の小さい凹凸の高さは、90〜100本目のス
ラブで認められたのと同様の結果であり、従来の整流板
を用いた場合は0.2〜0.6mmであったが、本発明
に係わる整流板を用いると0.1mm以下になってい
た。
【0043】これらのスラブから製造された冷延鋼板の
表面疵検査結果は、本発明のノズルユニットを用いた部
分は、表面疵に対する要求が厳しい外装用途に使用でき
るが、従来のノズルユニットを用いた部分では外装用途
には好ましくないことが確認された。
【0044】スラブ搬送ラインの上面側に設置した7基
のノズルユニットを取り外して点検したところ、いずれ
のノズルユニットとも、スリットノズル側壁部に亀裂が
発生していた。従来型のノズルユニットでは溶削時にこ
の亀裂部分から酸素が漏出したために溶削後の表面が悪
くなったものである。本発明の方法では内装スリットが
あるので、側壁部に亀裂が生じても酸素流の均一性が保
たれて良好な溶削結果が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明の装置を用いれば、溶削用の酸素
流が均一に噴出されるので溶削後の表面が凹凸少なく均
一に溶削される。また、本発明の装置は、安定して酸素
流の均一性を維持できる。このため、圧延後の表面疵を
安定して大幅に低減することが出来る。また、本発明の
装置は従来のノズルユニットを改造することで実現でき
るので経済性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる一例のノズルユニットの縦断面
図である。
【図2】図1に記載したノズルユニットのA−A断面お
よびB−B断面を示す図である。(a)は、A−A断面
図、(b)はB−B断面図である。
【図3】本発明に係わる整流板の孔の配置例を示す平面
図である。
【図4】本発明に係わる整流板の孔の他の配置例を示す
平面図である。
【図5】本発明に係わる整流板の孔の他の配置例を示す
平面図である。
【図6】本発明に係わる整流板の波型形状の概念を示す
平面図である。
【図7】本発明に係わる整流板の山型形状の概念を示す
平面図である。
【図8】本発明に係わる整流板の他の山型形状の概念を
示す平面図である。
【図9】整流板に設けた孔が酸素の流れに及ぼす影響を
示す斜視図であり、(a)は本発明に係わる整流板、
(b)は従来の整流板を示す。
【図10】スラブ表面に生じる凹凸状況の概念を示す模
式図である。
【図11】溶削装置の配置例を示す側面図である。
【図12】従来のノズルユニットの縦断面図である。
【符号の説明】
1:主ヘッド、2:上部ブロック、3:下部ブロック、
4:シューブロック、5:酸素主管、6:酸素ヘッダ
ー、7:主ヘッドスリット、8:スリットノズル、9:
溶削用の酸素流、10:内装スリット、11:整流板、
12:スラブ、13:搬送用ロール、14:ヘッダー仕
切り板、15:整流板孔、16:溶削装置本体、17:
ノズルユニット、18:予熱用燃料ガス、19:予熱用
燃料ガス、20:主ヘッドスリットの側壁部、21:酸
素 H:内装スリットの幅、h:内装スリットのスリット間
隔、t:内装スリット構成部材の厚さ、θ:内装スリッ
トの幅の広がり角度、T:主ヘッドスリット側壁部の厚
さ、d1、d2:整流板の孔径、w1、w2:整流板の幅

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主ヘッドスリットを介して酸素ヘッダーに
    接続されるスリットノズルを有する鋼材溶削用ノズルユ
    ニットにおいて、上記主ヘッドスリットが、その内部に
    偏平な管状体で形成される内装スリットを備えることを
    特徴とする鋼材溶削用ノズルユニット。
  2. 【請求項2】酸素ヘッダーの内部に、酸素供給口に対応
    して1または2以上の孔を有する整流板、または、平面
    形状が波型形状もしくは多角形状である整流板と、酸素
    ヘッダー内での酸素の横方向の流れを阻止する仕切板と
    を設けた請求項1に記載の鋼材溶削用ノズルユニット。
  3. 【請求項3】主ヘッドスリットの内部に設けられた偏平
    な管状体で形成される内装スリットを介して酸素ヘッダ
    ーからスリットノズルに酸素が供給されるノズルユニッ
    トを用いて鋼材表面を溶削する鋼材の溶削方法。
  4. 【請求項4】内部に、酸素供給口に対応して1または2
    以上の孔を有する整流板、または、平面形状が波型形状
    もしくは多角形状である整流板と、酸素ヘッダー内での
    酸素の横方向の流れを阻止する仕切板とを設けた酸素ヘ
    ッダーを用いる請求項3に記載の鋼材の溶削方法。
JP9078684A 1997-03-31 1997-03-31 鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材の溶削方法 Pending JPH10272561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9078684A JPH10272561A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材の溶削方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9078684A JPH10272561A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材の溶削方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10272561A true JPH10272561A (ja) 1998-10-13

Family

ID=13668708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9078684A Pending JPH10272561A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材の溶削方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10272561A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053403A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 継目無管の製造方法
WO2010055680A1 (ja) * 2008-11-13 2010-05-20 新日本製鐵株式会社 鋼片の溶削装置及びそのノズル詰まり検出方法
KR101086335B1 (ko) 2009-09-21 2011-11-24 주식회사 포스코 슬라브 에지용 스카핑 장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053403A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 継目無管の製造方法
WO2010055680A1 (ja) * 2008-11-13 2010-05-20 新日本製鐵株式会社 鋼片の溶削装置及びそのノズル詰まり検出方法
JP2010115689A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Nippon Steel Corp 鋼片の溶削装置及びそのノズル詰まり検出方法
KR101086335B1 (ko) 2009-09-21 2011-11-24 주식회사 포스코 슬라브 에지용 스카핑 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8881568B2 (en) Cooling equipment and cooling method for hot rolled steel plate
WO2008035510A1 (fr) Procédé de refroidissement d'une plaque en acier
US10974316B2 (en) Secondary cooling method and secondary cooling device for casting product in continuous casting
KR20080034966A (ko) 강판의 열간압연 설비 및 열간압연 방법
JP2010264498A (ja) 鋼板のデスケーリング方法およびその装置
JP5515483B2 (ja) 厚鋼板の冷却設備および冷却方法
JP4765344B2 (ja) 熱間圧延材のデスケーリング方法およびその装置
JPH11347629A (ja) 高温鋼板の矯正及び冷却装置並びにその矯正及び冷却方法
JPH10272561A (ja) 鋼材溶削用ノズルユニットおよび鋼材の溶削方法
JP5146006B2 (ja) 連続鋳造における二次冷却方法
JP4218461B2 (ja) 溶削装置
JP2005342767A (ja) 熱延鋼板の製造設備及び熱延鋼板の製造方法
JPH09174137A (ja) デスケール装置およびデスケール方法
JP5663846B2 (ja) 鋼板のデスケーリング装置およびデスケーリング方法
JP2004306064A (ja) 高温鋼板の冷却装置
JPH07214136A (ja) 高温金属板の下面冷却装置
JP3331860B2 (ja) 熱間圧延材のデスケーリング装置
JP2011245509A (ja) 鋼板のデスケーリング装置およびデスケーリング方法
JP2008168316A (ja) 鋼材の冷却装置および冷却方法
JP3284915B2 (ja) 高温鋼板の冷却装置
JP2014083578A (ja) 熱間圧延鋼材のデスケ―リング用ノズル
JPS638752Y2 (ja)
JPH10192951A (ja) 高温鋼板の冷却方法および装置
JPH1058026A (ja) 高温鋼板の冷却方法およびその装置
JP3873437B2 (ja) 熱延鋼板の冷却方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term