JPH10271911A - 石膏系緑化基盤材及びその製造方法 - Google Patents

石膏系緑化基盤材及びその製造方法

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JPH10271911A
JPH10271911A JP9312247A JP31224797A JPH10271911A JP H10271911 A JPH10271911 A JP H10271911A JP 9312247 A JP9312247 A JP 9312247A JP 31224797 A JP31224797 A JP 31224797A JP H10271911 A JPH10271911 A JP H10271911A
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JP
Japan
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gypsum
base material
greening base
based greening
gypsum board
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Application number
JP9312247A
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English (en)
Inventor
Kenji Kasai
賢二 笠井
Yoshikazu Karasawa
義和 柄沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
URANO ENGEI KK
YOSHINO SEKKO KK
Yoshino Gypsum Co Ltd
Original Assignee
URANO ENGEI KK
YOSHINO SEKKO KK
Yoshino Gypsum Co Ltd
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Publication date
Application filed by URANO ENGEI KK, YOSHINO SEKKO KK, Yoshino Gypsum Co Ltd filed Critical URANO ENGEI KK
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業廃棄物の量とその処理費用とを減少さ
せ、地球環境汚染の改善を図ることができる石膏系緑化
基盤材を提供すること。 【解決手段】 破砕された石膏ボード廃材Sは、投入口
41bから綿状粉砕機本体41a内部へと投入され、綿
状粉砕機本体41a内において綿状粉砕機構により綿状
に粉砕される。この綿状に粉砕された石膏ボード廃材S
は、排出ダクト41cの内部を通過して、排出口41d
から排出され、篩い分け機51の網状篩い51b上に積
載される。この綿状粉砕機41によれば、破砕された石
膏ボード廃材Sの紙部分は、綿状に粉砕されるととも
に、その紙部分に含有される石膏部分は粉状石膏材に粉
砕される。この粉状石膏材を含有する綿状紙片が石膏系
緑化基盤材として、法面などの吹き付け材等として用い
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、石膏系緑化基盤
材に関し、特に、石膏ボード廃材や故紙等を原料として
製造される石膏系緑化基盤材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 石膏ボードは、防耐火性、遮音性及び
施工性等の優れた特性を有し、経済的であることから建
築用資材として多用されている。この石膏ボードは、石
膏を主体とする芯材を石膏ボード用原紙で接着被覆した
板状の構造となっており、例えば、製品厚さ12.5m
mの石膏ボードの場合には、石膏量が約94重量%およ
び原紙量が約6重量%の割合で構成されている。この石
膏ボードは、建築物のいたるところに使用されており、
建築現場においては、廃板や使用部位の寸法に合わせて
切断された端材等(以下「廃材」という)が多量に発生
している。廃材の発生量は、全使用量の約10重量%と
も言われており、日本における石膏ボードの年間使用量
が約500万トンであることを考えると、年間約50万
トンに達している。
【0003】廃材の一部は破砕され、石膏ボード用原料
として回収され、再生利用されている。しかし、原紙と
石膏とは分別し難く、紙片の石膏ボードへの混入は避け
られない。石膏ボード用原料に紙片が混入されると、石
膏ボードの破断面の見栄えを悪くするとともに、石膏ボ
ードの製品破断強度が低下してしまう。また、紙片の解
繊繊維が石膏中に混入することにより、石膏ボード成型
時の混練水量が大幅に上昇し、石膏ボードの製造効率が
低下してしまう。このため、石膏ボード廃材の大半は他
の産業廃棄物と共に投棄されるか、あるいは、焼却処分
されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、かか
る廃材は年々その量が増大しており、このまま産業廃棄
物として投棄され続けると、大量の産業廃棄物により、
環境破壊を招いてしまうという問題点がある。また、石
膏ボード廃材を産業廃棄物として投棄するとしても、そ
の投棄に多額の処分費用が必要になってしまうという問
題点がある。更に、投棄に代えて、石膏ボード廃材を焼
却処分する場合には、焼却設備が必要になるとともに、
廃材中に含まれる石膏分が焼却されることによって焼却
炉の損傷を招くので、その修繕費等に多額の費用が必要
になってしまうという問題点がある。
【0005】一方、我が国は山岳地帯が多く、経済発展
及び工事費用の関係等から、道路は山間部を縫って設け
られることが多い。このため、やむなく道路の両側もし
くは片側に傾斜面(法面)が生じるので、多くの新設工
事には法面工事を伴っている。この法面資材としては、
バーク材及び故紙等が法面の保水や植栽発芽までの種子
飛散防止の為に用いられることがあるが、その効果は今
一歩であり、資材コストも割高であるという問題点があ
る。また、法面資材には、植物の成長用に肥料が加えら
れることがあるが、この肥料は、ゴルフ場等の芝や植栽
の発育用に用いられる肥料を含め、雨水等によりその成
分が流出し、河川を汚染するという問題点がある。
【0006】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、産業廃棄物の量とその処理費用と
を減少させ、地球環境汚染の改善を図ることができる石
膏系緑化基盤材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段、及び、発明の効果】 こ
の目的を達成するために請求項1記載の石膏系緑化基盤
材は、粉砕された紙片と、その粉砕紙片と混入される石
膏材とを備えている。粉砕紙片は優れた吸水力を有して
いるので、この石膏系緑化基盤材を保水力に乏しい土壌
上に吹き付けることにより、その土壌に保水力及び吸水
力を与えることができるという効果がある。また、石膏
材により、吹き付けられた土壌にカルシウム及び硫黄を
補給することができるという効果がある。更に、かかる
硫酸カルシウムは中性の性状を有しているので、土壌が
酸性の性状へと変化することを緩和することができる
(pH緩衝機能を有している)という効果がある。
【0008】請求項2記載の石膏系緑化基盤材は、請求
項1記載の石膏系緑化基盤材において、前記紙片は粉砕
により離解して綿状に形成されている。よって、請求項
2記載の石膏系緑化基盤材は、請求項1記載の石膏系緑
化基盤材の奏する効果に加え、保水力及び吸水力をより
向上させることができるという効果がある。
【0009】請求項3記載の石膏系緑化基盤材は、請求
項1又は2に記載の石膏系緑化基盤材において、前記粉
砕紙片は、石膏ボード廃材の紙部分を粉砕することによ
り形成され、前記石膏材は、前記石膏ボード廃材の石膏
部分であって前記粉砕紙片に含有されている。よって、
請求項3記載の石膏系緑化基盤材は、請求項1又は2に
記載の石膏系緑化基盤材の奏する効果に加え、産業廃棄
物とされていた石膏ボード廃材を原料としているので、
産業廃棄物の量と、その廃棄コストとを減少することが
できるという効果がある。また、石膏ボード廃材を再利
用することにより、その焼却処分が不要となるので、焼
却設備が不要となり、設備費を低減することができると
いう効果がある。
【0010】請求項4記載の石膏系緑化基盤材は、請求
項1乃至3記載の石膏系緑化基盤材において、前記粉砕
紙片と混入される植物の種子を備えている。請求項4記
載の石膏系緑化基盤材は、請求項1乃至3記載の石膏系
緑化基盤材の奏する効果に加え、粉砕紙片には植物の種
子が混入されているので、石膏系緑化基盤材を土壌上に
吹き付ける場合、植物の種子を石膏系緑化基盤材の中に
埋没させて、即ち、表面に露出させることなく、その吹
き付けと同時に土壌上に蒔くことができる。よって、蒔
かれた植物の種子は、風等に吹き飛ばされることなく、
発芽することができるという効果がある。
【0011】請求項5記載の石膏系緑化基盤材は、請求
項1乃至4記載の石膏系緑化基盤材において、前記粉砕
紙片と混入される肥料又は土壌改良剤を備えている。よ
って、請求項5記載の石膏系緑化基盤材は、請求項1乃
至4記載の石膏系緑化基盤材の奏する効果に加え、肥料
又は土壌改良剤により、植物の成長に必要な栄養分を供
給し、その成長を促進させることができるという効果が
ある。
【0012】請求項6記載の石膏系緑化基盤材は、請求
項1乃至5記載の石膏系緑化基盤材において、前記粉砕
紙片と混入される粘着剤を備えている。よって、請求項
6記載の石膏系緑化基盤材は、請求項1乃至5記載の石
膏系緑化基盤材の奏する効果に加え、石膏系緑化基盤材
を法面に吹き付ける場合、石膏系緑化基盤材は粘着剤に
より互いに粘着される。よって、石膏系緑化基盤材の吹
き付け後に、石膏系緑化基盤材が法面から部分的に剥離
又は崩落することを防止することができるという効果が
ある。
【0013】請求項7記載の石膏系緑化基盤材の製造方
法は、石膏ボード廃材を破砕する第1工程と、その第1
工程により破砕された前記石膏ボード廃材を篩い分けし
て、破砕により生じた粉状石膏材を分離する第2工程
と、その第2工程により篩い分けられた前記石膏ボード
廃材の紙部分を綿状に粉砕して、粉状石膏材を含有する
綿状の石膏系緑化基盤材を製造する第3工程とを備えて
いる。
【0014】この請求項7記載の製造方法によって製造
される石膏系緑化基盤材は、石膏ボード廃材の紙部分が
綿状に粉砕されているので、その内部への水分の吸収が
促進される。よって、この石膏系緑化基盤材を保水力に
乏しい土壌上に吹き付けることにより、その土壌に保水
力及び吸水力を与えることができるという効果がある。
また、粉状石膏材により、吹き付けられた土壌にカルシ
ウム及び硫黄を補給することができるという効果があ
る。更に、かかる硫酸カルシウムは中性の性状を有して
いるので、土壌が酸性の性状へと変化することを緩和す
ることができる(pH緩衝機能を有している)。
【0015】また、かかる石膏系緑化基盤材は、産業廃
棄物とされていた石膏ボード廃材を原料として製造され
るので、産業廃棄物の量と、その廃棄コストとを減少す
ることができるという効果がある。更に、石膏ボード廃
材を再利用することにより、その焼却処分が不要となる
ので、焼却設備が不要となり、設備費を低減することが
できるという効果がある。
【0016】請求項8記載の石膏系緑化基盤材の製造方
法は、請求項7記載の製造方法において、前記第3工程
の粉砕物を更に篩い分けして、その第3工程の粉砕によ
り剥離した粉状石膏材を分離する第4工程を備えてい
る。よって、請求項8記載の石膏系緑化基盤材の製造方
法によれば、請求項7記載の製造方法の奏する効果に加
え、石膏系緑化基盤材の製造過程において、より多量の
石膏を回収することができ、石膏ボードへ再利用するこ
とができるという効果がある。
【0017】請求項9記載の石膏系緑化基盤材の製造方
法は、請求項7又は8記載の製造方法において、前記石
膏ボード廃材の紙部分又は石膏部分を加熱して、その紙
部分又は石膏部分の水分を蒸発させる加熱工程を備えて
おり、その加熱工程は前記いずれかの工程間又は工程中
に設けられている。この請求項9記載の石膏系緑化基盤
材の製造方法によれば、請求項7又は8記載の製造方法
の奏する効果に加え、石膏系緑化基盤材の内部に含まれ
る水分を蒸発させることができるので、水分を除去しつ
つ、その水分量の調整を行うことができる。よって、水
分除去による製品の軽量化と、水分量の調整による製品
の均質化とを図ることができるという効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について説明する。本発明の石膏系緑化基盤材は、粉砕
又は破砕された紙片に、粉状の石膏材が混入されたもの
であり、単に土壌と混合されて使用されるか、あるい
は、水と混合された後に、法面や土壌表面に吹き付け又
は散布されて使用される。
【0019】この石膏系緑化基盤材で対象とする紙片
は、石膏ボード廃材(端材を含む)の紙部分、新聞や雑
誌等の故紙、ダンボールその他のパルプ等を粉砕又は破
砕したものである。その解砕(粉砕又は破砕)された紙
の大きさは、小さいものが好ましいが、土壌と混合して
使用するときは、特に限定されず、約5mm程度の大き
さのものがあっても良い。
【0020】一方、法面等の固定或いは緑化のために、
石膏系緑化基盤材を噴霧する(吹き付ける)場合は、前
記した故紙などを粉砕手段等を用いて叩解し、一見綿状
ともみえる解繊繊維とする。この場合の解繊繊維の長さ
は10mm以下のものがよく、特に、3〜7mmのもの
が好ましい。また、その径は、大きくとも40〜50ミ
クロンのものが好ましい。このような長さ及び径を有す
る解繊繊維が、石膏系緑化基盤材中に、少なくとも80
重量%含まれていることが望ましい。
【0021】粉砕又は破砕された紙繊維は、吸水性に優
れ、約100重量%以上の水を保持する。これを土壌中
に混在させることにより、植物に適度な水量を長期間に
渡って供給することができる。また、紙繊維と植物種子
とを混在させることにより、植物種子が紙繊維中に埋没
されるので、風などによる植物種子の飛散が防止される
とともに、前記した適度な水の供給により、その植物の
発芽が助成される。
【0022】この石膏系緑化基盤材に混入される石膏
は、その形態として挙げられる2水塩及び半水塩を使用
できる。好ましくは2水塩であり、その粒径は約0〜1
00ミクロンのものが使用される。また、石膏は、植物
の肥効性や耐抗菌性があり、その効果を短期間に期待す
るほど、微細にすること、例えば、粉状にすることが望
まれる。また、石膏は豆腐等の食べ物に使用されている
ように、人体に無害なものなので、植栽用に用いた石膏
が流出しても河川等を汚染してしまうことはない。
【0023】石膏系緑化基盤材の紙片と、その紙片に付
着又は含有される石膏との割合は、使用目的に沿って変
更される。上記記載の如く、使用目的により要求される
大きさに応じて混合或いは粉砕することにより、目的に
応じた石膏系緑化基盤材を製造することができる。石膏
の紙片への付着状態は、密着していることが好ましく、
特に、吹き付けするときは、水との撹拌混合後に比重差
によって紙片の解繊繊維と石膏とが分離しないことが望
まれる。また、石膏と解繊繊維とが密着された石膏系緑
化基盤材を植栽に用いると、その保水性と肥効性が均一
に作用し、その植物の成長は著しい。
【0024】その点、石膏ボード廃材を粉砕して得られ
る石膏系緑化基盤材は、石膏の針状結晶が石膏ボード用
原紙接着面に食い込み、石膏芯と石膏ボード用原紙が強
固に一体化されているので、即ち、石膏は解繊繊維に含
有され両者は密着しているので、石膏ボードを微細に粉
砕しても両者は分離し難い。よって、石膏系緑化基盤材
の原料として、石膏ボード廃材は最適である。このよう
に、石膏ボード廃材を原料とする石膏系緑化基盤材は、
製品出荷後の搬送時等に加わる振動によっても石膏と解
繊繊維とは分離され難く、石膏と解繊繊維との混合状態
を均一に保ったまま出荷することができる。従って、こ
の石膏系緑化基盤材が使用された土壌や法面に、ほぼ均
一な作用を与えることができる。
【0025】石膏ボード廃材を粉砕することにより得ら
れる石膏系緑化基盤材では、粉砕により紙繊維から分離
された石膏は石膏ボード用の原料に回収され、石膏が付
着した紙繊維(原紙)のみがその原料となる。よって、
その石膏系緑化基盤材の紙繊維と石膏との割合は重量比
約20〜60(紙繊維):80〜40(石膏)とされ、
特に、重量比約30〜40(紙繊維):70〜60(石
膏)が好ましい。尚、この重量比は用途に応じて当然に
変更され得るものである。また、必ずしも、石膏ボード
廃材を原料とする必要はなく、用途によっては、新聞な
どの故紙が綿状に粉砕されたものに、粉状の石膏を混合
するようにしても良い。
【0026】石膏系緑化基盤材には、吹き付けた法面の
固化状態を確実にするために、予め、ポリビニールアル
コール、粉末のポリビニールアセテート、カルボキシメ
チルセルローズ、メチルセルローズ等の水溶性粘着剤
(水溶性接着剤、及び、水溶性増粘剤を含む)を添加し
ておくことができる。かかる場合は、粘着剤を均一に作
用させるため、粘着剤が糊化するのを待って、法面への
吹き付けを行う。
【0027】更に、この石膏系緑化基盤材に植物種子と
水分とを混合し、水圧又は空気圧を加えて土壌上に吹き
付けることにより、平坦面及び緩斜面に略2cm程度の厚
さで吹き付けることができる。このように平坦面及び緩
斜面を緑化させるための吹き付け材(客土吹付緑化材)
として使用することができる。
【0028】また、堆肥(例えば、バーク堆肥または汚
泥コンポスト等)を略45〜55%と、土壌改良剤(例
えば、ピートモスまたは草炭等)を略25〜40%と、
この石膏系緑化基盤材を略5〜30%と、肥料(例え
ば、高度化成肥料または緩効性(窒素入り化成)肥料)
と、植物の種子と、水溶性粘着剤(接着剤又は増粘剤)
とを混合する。これに水分を加えて、水圧又は空気圧で
吹き付けることにより、傾斜面に略5〜15cm程度の厚
さの吹き付けを行うことができる。よって、傾斜面を緑
化するための法面緑化基盤材として用いることができ
る。また、石膏系緑化基盤材に、速効性の肥料である高
度化成肥料または緩効性の肥料である緩効性(窒素入り
化成)肥料を混合することにより、吹き付けられた石膏
系緑化基盤材が固化した後も、植物種子の成長に必要な
栄養分を供給することができる。
【0029】この石膏系緑化基盤材には、更に、土壌改
良剤としてのバーミキュライトあるいはパーライトを混
入するようにしても良い。また、植物の種子は、石膏系
緑化基盤材の傾斜面への吹き付けと同時に混入しても良
いし、その吹き付け前に混入しておいてもよい。
【0030】畜舎等の下地は家畜の糞尿等の水分により
ぬかるんでおり、そのためおが粉等を下地に散布してい
た。このような畜舎の下地に、おが粉とともに、あるい
は、おが粉に代えて、石膏系緑化基盤材を散布すれば、
石膏系緑化基盤材により家畜の糞尿等の水分が吸収され
るため、糞尿等の発酵を促進することができる。また、
これらの家畜の糞尿等と、おが粉とを含む石膏系緑化基
盤材を堆肥として利用すれば、堆肥としての効果のみな
らず、土壌にカルシウム及び硫黄を補給するための土壌
改良剤としても機能する。更に、プランター用の培養土
に石膏系緑化基盤材を略10〜20%配合することによ
り、カルシウム及び硫黄入りの培養土を作ることができ
る。
【0031】石膏系緑化基盤材を土壌と混合して用いる
ときは、できるだけ均一に混合して使用する。また、石
膏系緑化基盤材は、上記したように、乾式吹き付け、及
び、湿式吹き付けをすることができる。乾式吹き付け
(紛状散布)の場合は、吹き付け後に十二分に散水を行
う。機械を用いて散水できるので作業を簡単に行うこと
ができる。湿式吹き付け(水と撹拌混合しての散布)の
場合は、水との馴染みを助長させるために、界面活性剤
を添加することができる。尚、上記乾式吹き付け及び湿
式吹き付けでは、一般に法面等に行っているシート掛け
などの養生手段を必要とせず、作業時間を短縮すること
ができる。
【0032】次に、本発明の石膏系緑化基盤材の製造工
程の一例を図面を参照して説明する。図1〜図3は、石
膏系緑化基盤材の製造工程を概念的に表した工程図であ
る。図1において、原料の紙材は(A1)、綿状の解繊
繊維に粉砕された後に(A2)、加熱される(A3)。
一方、石膏は(A4)、粉状に粉砕された後に(A
5)、加熱される(A6)。このため、粉砕された紙材
及び石膏に含まれる水分が蒸発により除去される。加熱
工程の後(A3,A6)、粉砕紙材と粉状石膏材とが混
合されるが(A7)、この際、必要に応じて、植物種子
(A8)、水溶性の粘着剤(接着作用又は増粘作用のあ
るものを含む)(A9)、肥料(A10)または土壌改
良材(A11)等が、共に混合される(A7)。この混
合により(A7)、石膏系緑化基盤材が製造される(A
12)。
【0033】図2の製造工程図では、まず、原料の紙材
に(B1)石膏材が混入され(B2)、紙材は石膏材と
共に粉砕される(B3)。この粉砕工程により(B
3)、原料の紙材は綿状の解繊繊維に粉砕されるととも
に、石膏は粉状に粉砕される。その後、粉砕紙材及び粉
状石膏材は共に加熱され(B4)、内部に含まれる水分
が蒸発により除去される。加熱工程の後(B4)、粉砕
紙材及び粉状石膏材には、必要に応じて、植物種子(B
6)、水溶性の粘着材(接着作用又は増粘作用のあるも
のを含む)(B7)、肥料(B8)または土壌改良材
(B9)等が混合される(B5)。この混合により(B
5)、石膏系緑化基盤材が製造される(B10)。
【0034】図3では、石膏ボード廃材(端材を含む)
を原料として、石膏系緑化基盤材を製造する製造工程図
が図示されている。まず、石膏ボード廃材(C1)を粗
粉砕(破砕)し(C2)、篩にかける(C3)。篩い工
程では(C3)、粗粉砕(破砕)により分離された粉状
石膏材が回収され(C4)、石膏ボードの原料として再
利用される。一方、篩い工程で残った篩い上の部分、即
ち、破砕後の石膏ボードの紙部分は(C5)加熱され
(C6)、その内部に含まれる水分が蒸発により除去さ
れ、乾燥される。乾燥後の紙部分は、綿状の解繊繊維に
微粉砕され(C7)、篩いにかけられる(C8)。この
篩い工程でも(C8)、微粉砕により紙部分と分離され
た粉状石膏材が回収され(C9)、石膏ボードの原料と
して再利用される。篩い工程後の綿状紙片には、必要に
応じて、植物種子(C11)、水溶性の粘着材(接着作
用又は増粘作用のあるものを含む)(C12)、肥料
(C13)または土壌改良材(C14)等が混合され
(C10)、石膏ボード廃材を原料とする石膏系緑化基
盤材が製造される(C15)。なお、図3の製造工程で
は、製造される石膏系緑化基盤材の使用目的に応じて、
微粉砕工程(C7)を省くようにしても良い。
【0035】次に、図4を参照して、石膏ボード廃材を
原料とする石膏系緑化基盤材製造システムを説明する。
なお、使用済みの石膏ボード廃材のみならず、石膏ボー
ドの製造過程等で生じる石膏ボードの破片としての端材
も、共に石膏ボード廃材として扱っている。
【0036】この石膏系緑化基盤材製造システム1は、
石膏ボード廃材を原料とする石膏系緑化基盤材を製造す
るための製造システムであり、破砕工程2と、分離工程
3と、綿状粉砕工程4と、分離工程5と、粉状石膏材回
収工程6と、製品加工工程7とを備えている。
【0037】破砕工程2は、石膏ボード廃材Sを破砕す
る工程であり、石膏ボード廃材Sを破砕するための破砕
機21と、破砕機21により破砕された石膏ボード廃材
Sを積載して篩い分け機31へと搬送する搬送装置22
とを備えている。
【0038】破砕機21は、公知の破砕機であり、石膏
ボード廃材Sを破砕するための破砕機本体21aと、そ
の石膏ボード廃材Sを破砕機本体21aへ投入するため
の投入口21bと、その破砕された石膏ボード廃材Sを
篩い分け機31へと供給するための排出ダクト21c
と、破砕された石膏ボード廃材Sが排出される排出口2
1dとを備えている。
【0039】破砕機本体21aは、直方体の箱状に形成
されており、その内部には石膏ボードを破砕するための
破砕機構、及び、石膏ボード廃材Sに混入された金属部
材(金属片)を除去するための金属除去用機器が配設さ
れている。投入口21bは、破砕機本体21a上面の上
流側端部に配設されており、その搬送方向断面は、下底
より上底が長い台形状に形成されている。よって、石膏
ボード廃材Sを容易に破砕機本体21a内へ投入するこ
とができる。
【0040】排出ダクト21cは、矩形状断面を有する
管状体であり、正面視L字型に形成されている。この排
出ダクト21cの一端部は、破砕機本体21aの下流側
面の下端部に配設されており、その他端部は、搬送装置
22の上方に突設されている。また、この排出ダクト2
1cの搬送装置22側の先端部には、排出口21dが設
けられており、この排出口21dより破砕された石膏ボ
ード廃材Sが排出される。
【0041】この破砕機21によれば、石膏ボード廃材
Sは、作業者により投入口21bに投入され、破砕機本
体21a内において、破砕機構により破砕される。ま
た、破砕機本体21内の空間には、金属除去用機器が配
設されているので、石膏ボード廃材Sに付着した金属片
は、この金属除去用機器の表面に吸着される。このよう
にして破砕された石膏ボード廃材Sは、排出ダクト21
cの内部を通過して、排出口21dから排出され、搬送
装置22のコンベヤベルトの搬送方向上流側端部に積載
される。
【0042】尚、破砕機本体21a内に配設された金属
除去用機器は、従来の破砕機に使用される金属除去用機
器よりも、更に磁力の強いものが使用されている。よっ
て、金属片の不純物をより確実に除去することができる
のである。
【0043】搬送装置22は、公知のベルトコンベヤ搬
送装置であり、破砕機21により破砕された石膏ボード
廃材Sは、搬送装置22の上流側端部の搬送面上に積載
され、その下流側端部へと搬送される。
【0044】分離工程3は、石膏ボード廃材Sを破砕す
ることにより生じる粉状石膏材を、破砕後の紙部分から
分離するための工程である。この分離工程3は、破砕さ
れた石膏ボード廃材Sを篩い分けするための篩い分け機
31と、その篩い分け機31により篩い分けされたも
の、即ち、破砕された石膏ボード廃材Sの紙部分を綿状
粉砕機41へと搬送するための搬送装置32と、破砕さ
れた石膏ボード廃材Sを加熱して乾燥させるための乾燥
装置33とを備えている。
【0045】篩い分け機31は、破砕された石膏ボード
廃材Sを篩い分けするための装置であり、篩い分け機本
体31aと、網状篩い31bと、その網状篩い31bの
一部に連結された振動機構31cとを備えている。
【0046】篩い分け機本体31aは、正面視台形に形
成された中空の箱状体であって、その篩い分け機本体3
1aの上面は、搬送装置22から搬送装置32へと傾斜
する傾斜面として形成されている。この篩い分け機本体
31aの傾斜面の全面には、上面視矩形状の開口が開設
されており、この開口の上方には、網状篩い31bが振
動機構31cを介して覆設されている。
【0047】網状篩い31bは、上面視長方形に形成さ
れた網状体であり、その格子幅は一片が略3〜5mmの正
方形に形成されている。この網状篩い31bの正背面側
の各辺の上下端部には、それぞれバネ状に形成された振
動機構31cが計4箇所配設されている。また、この振
動機構31cには、振動装置(図示せず)が連結されて
おり、この振動装置が駆動されると、振動機構31cを
介して、網状篩い31bが連続的に上下方向に振動され
る。
【0048】この篩い分け機31によれば、篩い分け機
本体31aの上面は、搬送方向に傾斜しているので、破
砕された石膏ボード廃材Sは、篩い分け機本体31aの
傾斜面に覆設された網状篩い31bの表面上を、搬送装
置22の下流側端部から搬送装置32の上流側端部へと
転落する。この際、破砕により生じた粉状石膏材であっ
て、網状篩い31bの格子幅より小さいものは、この網
状篩い31bの格子を通過して、篩い分け機本体31a
内の空間へと落下して堆積する。
【0049】また、網状篩い31b上の破砕された石膏
ボードの紙部分に付着した粉状石膏材は、網状篩い31
bが振動機構31cを介して振動されるので、その振動
の衝撃により、破砕された石膏ボード廃材Sの紙部分か
ら一部剥離して、篩い分け機本体31a内空間へと落下
して堆積する。このようにして破砕された石膏ボード廃
材Sは、粉状石膏材と破砕された石膏ボード廃材Sの紙
部分とに分離され、破砕された石膏ボード廃材Sの紙部
分が搬送装置32の上流側端部に積載される。
【0050】搬送装置32は、公知のベルトコンベヤ搬
送装置であり、破砕された石膏ボード廃材Sを、その上
流側端部から下流側端部へと搬送する。また、この搬送
装置32の搬送途中には、破砕された石膏ボード廃材S
の紙部分を加熱して乾燥させるための乾燥装置33が配
設されている。
【0051】乾燥装置33は、破砕された石膏ボード廃
材Sを加熱して乾燥させるための乾燥装置本体33a
と、その乾燥装置本体33aが配設される一対の支柱3
3bとを備えている。乾燥装置本体33aは、中空のド
ラム状に形成されており、その内部には、破砕された石
膏ボード廃材Sを加熱するための加熱機構を備えてい
る。乾燥装置本体33aは、そのドラム軸方向が搬送方
向に直交するように配設されており、そのドラム軸の両
端部は、一対の支柱33bの上方端部に回動可能な状態
で軸支されている。一対の支柱33bは、ともに四角柱
状に形成されており、それぞれの上端部には、乾燥装置
本体33aが軸支されている。この一対の支柱33b
は、それぞれ搬送装置32の正背面側に配設されてい
る。
【0052】この乾燥装置33によれば、搬送装置32
により搬送されてきた破砕後の石膏ボード廃材Sは、乾
燥装置本体33aの内部に取り込まれ、乾燥装置本体3
3aが回動することによりその内部で攪拌される。この
攪拌と共に、乾燥装置本体33a内部で加熱され乾燥さ
れた後、再び、搬送装置32に積載され、綿状粉砕工程
4へと更に搬送される。
【0053】このようにして、破砕された石膏ボード廃
材Sは加熱により乾燥されるので、その内部に含まれる
水分は蒸発する。よって、この水分の蒸発量を調整する
ことにより、破砕後の石膏ボード廃材S内に含まれる水
分量を調整(水分調整)することができる。その結果、
破砕後の石膏ボード廃材Sに付着した粉状石膏材は、乾
燥した状態となるので、剥離し易くなるのである。例え
ば、乾燥装置33により、破砕後の石膏ボード廃材Sを
略5分の間、摂氏略180度で加熱することにより、破
砕された石膏ボード廃材Sの内部に含まれる水分量が調
整される。
【0054】綿状粉砕工程4は、破砕された石膏ボード
廃材Sの紙部分を、綿状に粉砕する工程である。この綿
状粉砕工程4は、破砕された石膏ボード廃材Sの紙部分
を綿状に粉砕して、石膏系緑化基盤材を製造するための
綿状粉砕機41と、綿状粉砕機41により粉砕された石
膏ボード廃材Sを篩い分け機51まで吸引して搬送する
ための集塵機42とを備えている。
【0055】綿状粉砕機41は、公知の粉砕装置であ
り、破砕された石膏ボード廃材Sを綿状粉砕機本体41
aに投入するための投入口41bと、その投入口41b
から投入される破砕された石膏ボード廃材Sの紙部分を
綿状に粉砕して、粉状石膏材の付着した石膏系緑化基盤
材を製造するための綿状粉砕機本体41aと、その石膏
系緑化基盤材を篩い分け機51へ供給するための排出ダ
クト41cと、その排出ダクト41c内を通過した石膏
系緑化基盤材が排出される排出口41dとを備えてい
る。
【0056】綿状粉砕機本体41aは、直方体の箱状体
に形成されており、その内部には破砕後の石膏ボード廃
材Sを綿状に粉砕するための綿状粉砕機構が配設されて
いる。投入口41bは、破砕機本体41a上面の上流側
端部に配設されており、その搬送方向断面は、下底より
上底が長い台形状に形成されている。よって、破砕後の
石膏ボード廃材Sを容易に破砕機本体41a内へ投入す
ることができる。
【0057】排出ダクト41cは、矩形状断面を有する
管状体であり、正面視L字型に形成されている。この排
出ダクト41cの一端部は、破砕機本体41aの上流側
面の下端部に配設されており、その他端部は、篩い分け
機51の上方に突設されている。この排出ダクト41c
の下流側端部であって篩い分け機51上方の突設側に
は、排出口41dが設けられており、この排出口41d
から綿状に粉砕された石膏系緑化基盤材が排出される。
【0058】この綿状粉砕機41によれば、破砕された
石膏ボード廃材Sは、投入口41bから綿状粉砕機本体
41a内部へと投入され、綿状粉砕機本体41a内にお
いて綿状粉砕機構によって綿状に粉砕される。この綿状
に粉砕された石膏ボード廃材Sは、排出ダクト41cの
内部を通過して、排出口41dから排出され、篩い分け
機51の網状篩い51b上に積載される。よって、破砕
された石膏ボード廃材Sの紙部分は、綿状に粉砕される
とともに、その紙部分に付着した石膏部分は、粉状石膏
材に粉砕される。
【0059】集塵機42は、排出ダクト41c内を通過
する石膏系緑化基盤材を、吸引して、排出口41dより
排出させるための装置であり、排出ダクト41cに並設
されている。よって、排出ダクト41c内を通過する石
膏系緑化基盤材は、集塵機42により吸引され、排出ダ
クト41cの内部に堆積することなく排出口41dより
排出される。尚、図4中の矢印Aは集塵機42が排出ダ
クト41c内の大気を吸引して、石膏系緑化基盤材を搬
送する状態を図示したものである。
【0060】分離工程5は、綿状粉砕工程4により製造
された石膏系緑化基盤材を篩い分けするための篩い分け
機51と、その篩い分け機51により分離された石膏系
緑化基盤材のサイズを均一化するためのフィルタ52
と、石膏系緑化基盤材のうちサイズの大きいものを再
度、綿状粉砕機41に投入するためのダクト53と、そ
のダクト53内の大気を吸引して、綿状粉砕機41へ粉
砕された石膏ボード廃材Sを搬送するための集塵機54
とを備えている。
【0061】篩い分け機51は、篩い分け機本体51a
と、網状篩い51bと、その網状篩い51bの一部に連
結された振動機構51cとを備えている。篩い分け機本
体51aは、中空状の直方体である箱状体に形成されて
おり、その上面には、上面視矩形状の開口が開設されて
いる。この開口の上方には、網状篩い51bが振動機構
51cを介して覆設されている。
【0062】網状篩い51bは、上面視長方形に形成さ
れた網状体であり、その格子幅は粉状石膏材のみが通過
することのできるものに形成されている。この網状篩い
51bの正背面側の各辺の両端部には、それぞれバネ状
に形成された振動機構51cが計4箇所配設されてい
る。また、この振動機構51cには、振動装置(図示せ
ず)が連結されており、この振動装置が駆動されると、
振動機構51cを介して、網状篩い51bが連続的に上
下方向に振動される。
【0063】この篩い分け機51によれば、石膏系緑化
基盤材及び粉状石膏材は、網状篩い51b上に積載さ
れ、この網状篩い51bが振動機構51cを介して上下
方向に振動される。この振動の衝撃により、篩い分けが
なされて、粉状石膏材は、この網状篩い51bの格子を
通過して、篩い分け機本体51a内の空間へと落下し、
網状篩い51b上には、石膏系緑化基盤材のみが残留す
る。また、落下した粉状石膏材は、篩い分け機本体51
a内の空間に堆積する。よって、篩い分け機51によ
り、粉状石膏材と石膏系緑化基盤材とが分離される。
【0064】フィルタ52は、中空状の直方体であって
箱状体に形成されている。フィルタ52の上流側面に
は、篩い分け機51が連結されており、その下流側面に
は、ダクト53の一端部が配設され、その下面には、ダ
クト73の一端部が配設されている。ダクト53は、そ
の一端部がフィルタ52の下流側面に配設されており、
その他端部は、綿状粉砕機41の投入口41bの上方に
突設されている。集塵機54は、排出ダクト53内を通
過する石膏系緑化基盤材を吸引して、その石膏系緑化基
盤材を綿状粉砕機41の投入口41bへ再投入するため
の装置であり、排出ダクト53に並設されている。尚、
図4中の矢印Bは集塵機54が排出ダクト53内の大気
を吸引して、石膏系緑化基盤材を搬送する状態を図示し
たものである。また、矢印Cは、ダクト53内を通過し
てきた石膏系緑化基盤材が綿状粉砕機41の投入口41
bに再投入される経路を図示したものである。
【0065】フィルタ52は、篩い分け機51により分
離された石膏系緑化基盤材のうち、略5〜10mm以上の
大きさに粉砕された石膏系緑化基盤材をダクト53に供
給するとともに、略5mm未満の大きさに粉砕された石膏
系緑化基盤材をダクト73に供給するためのものであ
る。よって、この篩い分け機51aにより分離された石
膏系緑化基盤材は、そのサイズの均一化を図ることがで
き、略5mm以上の大きさの石膏系緑化基盤材を除去する
ことができる。ダクト53の内部の大気は、集塵機54
により吸引され、フィルタ52により分離された石膏系
緑化基盤材は、綿状粉砕機41の投入口41bに再投入
される。その結果、石膏系緑化基盤材のサイズの大きな
ものは再粉砕されるので、石膏系緑化基盤材のサイズを
均一化することができる。
【0066】粉状石膏材回収工程6は、破砕及び粉砕さ
れた石膏ボード廃材Sから剥離した石膏部分である粉状
石膏材を回収する工程であり、粉状石膏材を回収して貯
蔵するための粉状石膏材貯蔵庫61と、粉状石膏材を粉
状石膏材貯蔵庫61へと吸引するための集塵機62と、
その粉状石膏材を粉状石膏貯蔵庫61へと搬送する搬送
路であるダクト63とを備えている。
【0067】粉状石膏材貯蔵庫61は、無蓋の直方体に
形成されており、その内部には、集塵機62を介して、
ダクト63内を通過してきた粉状石膏材が貯蔵される。
集塵機62は、ダクト63内を通過する粉状石膏材を吸
引して、粉状石膏材貯蔵庫61へと供給するための装置
であり、ダクト63に並設されている。ダクト63は、
矩形状断面を有する管状体であって、篩い分け機31及
び51側が二股に分かれたものである。このダクト63
の一端部は粉状石膏材貯蔵庫61の上方に突設されてお
り、その二股に分かれたそれぞれの端部は、一方が篩い
分け機31の下面に配設されており、他方が篩い分け機
51の一方の側面に配設されている。尚、図4中の矢印
Dは集塵機62が排出ダクト63内の大気を吸引して、
粉状石膏材を搬送させる状態を図示したものである。
【0068】この粉状石膏材回収工程6によれば、篩い
分け機本体31a内の空間に堆積した粉状石膏材は、ダ
クト63内部を自由落下するか、或いは、その内部の大
気が集塵機62により吸引されているので、その大気の
流れに伴って、ダクト63の内部を通過して、粉状石膏
材貯蔵庫61に排出される。また、篩い分け機51の篩
い分け機本体51a内空間に堆積した粉状石膏材は、ダ
クト63内部の大気が集塵機62により吸引されている
ので、その大気の流れに伴って、ダクト63の内部を通
過して、粉状石膏材貯蔵庫61に排出される。よって、
粉状石膏材貯蔵庫61には、紙部分の混入していない粉
状石膏材が回収されるので、その粉状石膏材貯蔵庫61
に回収された粉状石膏材は、不純物(紙部分や金属な
ど)の混入していない石膏ボード製造用等の石膏原料と
して再利用することができる。
【0069】製品加工工程7は、石膏系緑化基盤材を加
工して出荷するための工程であり、石膏系緑化基盤材を
製品に加工するための製品加工機71と、フィルタ52
によりサイズが均一化された石膏系緑化基盤材を製品加
工機71へ吸引するための集塵機72と、その石膏系緑
化基盤材を製品加工機71へ搬送するための搬送路であ
るダクト73とを備えている。
【0070】製品加工機71は、直方体状に形成されて
おり、その内部には、集塵機72を介して、ダクト73
内を通過してきた石膏系緑化基盤材を、圧入により直方
体状の袋に袋詰めするための機構を備えている。集塵機
72は、ダクト73内を通過する石膏系緑化基盤材を吸
引して、製品加工機71へと供給するための装置であ
り、ダクト73に並設されている。ダクト73は、矩形
状断面を有する管状体であって正面視L字型に形成され
ている。このダクト73の一端部はフィルタ52の下面
に配設されており、その他端部は製品加工機71の一方
の側面に配設されている。尚、図4中の矢印Eは、集塵
機72が排出ダクト73内の大気を吸引して、石膏系緑
化基盤材を搬送する状態を図示したものである。
【0071】この製品加工工程7によれば、フィルタ5
2によりサイズが均一化された石膏系緑化基盤材は、ダ
クト73の内部の大気が集塵機72により吸引されるの
で、その大気の流れに伴って、ダクト73内部を通過し
て、製品加工機71へ供給される。製品加工機71へ供
給された石膏系緑化基盤材は、直方体状の袋に袋詰めさ
れ、出荷される。よって、ダクト73内を通過する石膏
系緑化基盤材は、集塵機72により吸引されるので、ダ
クト73内部に堆積することなく製品加工機71に供給
される。また、石膏系緑化基盤材は、直方体状の袋に袋
詰めされるので、容易に積載することができる。よっ
て、これを運搬する場合、無駄な間隙を生じることなく
積載することができ、効率良く大量の石膏系緑化基盤材
を一度に運搬することができる。更に、製品加工機71
と分離工程5のフィルタ52とを連結するダクト73の
途中に、貯蔵庫を設けることにより、石膏系緑化基盤材
を一時的に貯蔵することが可能となる。即ち、石膏系緑
化基盤材をかかる貯蔵庫に一時的にストックすることが
できるので、石膏系緑化基盤材をその需要に応じて袋詰
めして出荷することができる。
【0072】このように、本実施例の石膏系緑化基盤材
製造システム1によれば、石膏ボード廃材Sを破砕工程
2の破砕機21に供給することにより、粉状石膏材回収
工程6及び製品加工工程7から粉状石膏材及び石膏系緑
化基盤材を得ることができる。この石膏系緑化基盤材
は、吸水力及び保水力に優れ、ph緩衝機能を備えると
ともに、カルシウムや硫黄の補給を行うことができるの
で、緑化基盤材としての用途の他に、土壌改良剤、培養
土、種まき専用土、又は、畜舎などの水分調整剤等とし
て、使用することができる。尚、本実施例の石膏系緑化
基盤材製造システム1により、石膏ボード廃材(端材を
含む)を原料として製造された石膏系緑化基盤材を、本
願の出願日と同日付けの物件提出書を用いて、別途提出
する。
【0073】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0074】例えば、本実施例は、破砕工程2の後に、
分離工程3が設けられ、その後に綿状粉砕工程4が設け
られている。しかし、本発明は、分離工程3の後に、再
度破砕工程を設け、その破砕工程の後に、綿状粉砕工程
4を設けるようにしても良い。また、篩い分け機31及
び51の網状篩い31b及び51bの振動は、必ずしも
上下方向の振動に限られるものではなく、水平方向の振
動であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である石膏系緑化基盤材の
製造工程図である。
【図2】 石膏系緑化基盤材の別の製造工程図である。
【図3】 石膏ボード廃材を原料とする石膏系緑化基盤
材の製造工程図である。
【図4】 石膏ボード廃材を原料とする石膏系緑化基盤
材の製造システムの構成図である。
【符号の説明】
1 石膏系緑化基盤材製造シス
テム 2 破砕工程(第1工程) 3 分離工程(第2工程) 4 綿状粉砕工程(第3工程) 5 分離工程(第4工程) 6 粉状石膏材回収工程 7 製品加工工程 21 破砕機 22,32 搬送装置 31,51 篩い分け機 33 乾燥装置(加熱工程) 41 綿状粉砕機 42,54,62,72 集塵機 52 フィルタ 61 粉状石膏材貯蔵庫 71 製品加工機 S 石膏ボード廃材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柄沢 義和 愛知県宝飯郡御津町大字下佐脇字市場6番 地3 新成物流有限会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉砕された紙片と、その粉砕紙片と混入
    される石膏材とを備えていることを特徴とする石膏系緑
    化基盤材。
  2. 【請求項2】 前記紙片は粉砕により離解して綿状に形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の石膏系緑
    化基盤材。
  3. 【請求項3】 前記粉砕紙片は、石膏ボード廃材の紙部
    分を粉砕することにより形成され、 前記石膏材は、前記石膏ボード廃材の石膏部分であって
    前記粉砕紙片に含有されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の石膏系緑化基盤材。
  4. 【請求項4】 前記粉砕紙片と混入される植物の種子を
    備えていることを特徴とする請求項1乃至3記載の石膏
    系緑化基盤材。
  5. 【請求項5】 前記粉砕紙片と混入される肥料又は土壌
    改良剤を備えていることを特徴とする請求項1乃至4記
    載の石膏系緑化基盤材。
  6. 【請求項6】 前記粉砕紙片と混入される粘着剤を備え
    ていることを特徴とする請求項1乃至5記載の石膏系緑
    化基盤材。
  7. 【請求項7】 石膏ボード廃材を破砕する第1工程と、 その第1工程により破砕された前記石膏ボード廃材を篩
    い分けして、破砕により生じた粉状石膏材を分離する第
    2工程と、 その第2工程により篩い分けられた前記石膏ボード廃材
    の紙部分を綿状に粉砕して、粉状石膏材を含有する綿状
    の石膏系緑化基盤材を製造する第3工程とを備えている
    ことを特徴とする石膏系緑化基盤材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第3工程の粉砕物を更に篩い分けし
    て、その第3工程の粉砕により剥離した粉状石膏材を分
    離する第4工程を備えていることを特徴とする請求項7
    記載の石膏系緑化基盤材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記石膏ボード廃材の紙部分又は石膏部
    分を加熱して、その紙部分又は石膏部分の水分を蒸発さ
    せる加熱工程を備えており、 その加熱工程は前記いずれかの工程間又は工程中に設け
    られていることを特徴とする請求項7又は8に記載の石
    膏系緑化基盤材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100545001B1 (ko) * 2003-12-15 2006-01-24 주식회사 연우그린네트 사면 녹화용 조성물 및 그를 이용하는 녹화공법
JP2006050903A (ja) * 2004-08-09 2006-02-23 Kenjiro Noshita 植物栽培用土
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