JP3639794B2 - 繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化方法および粒状化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化方法および粒状化装置、詳しくは、住宅建築用外装材ならびに屋根材等の現場残材などを粒状化するための粒状化方法および粒状化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護および資源の有効活用の観点より、住宅建築用外装材や屋根材等の現場残材などの窯業系建築材料を、粉砕して、肥料や土壌改質剤等として用いることが知られている。このような窯業系建築材料は、たとえば、セメントやセッコウにパルプ等などの補強繊維が配合されてなり、粉砕時には、粉状に粉砕される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように、窯業系建築材料が粉状に粉砕されると、微粉が多量に生じるため、移動時および散布時、さらには、散布後に、多量の微粉が大気中に浮遊してしまい、環境の低下をもたらすという不具合を生じる。
【0004】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたもので、その目的とするところは、窯業系建築材料を、ある程度の大きさとなるように粒状化して、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等として調製し得る、繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化方法および粒状化装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置であって、繊維質を含有する窯業系建築材料を粉砕するための粉砕部と、前記粉砕部において粉砕された粉砕物を計量するための計量部と、前記計量部から所定量供給される前記粉砕物を造粒するための造粒部とを備え、前記粉砕部は、前記窯業系建築材料を粉砕する、ロータおよび衝撃刃を有するハンマーミルと、粉砕された粉砕物の粒径を調整するための、孔の大きさが5〜10mmであるふるいとを備え、前記ハンマーミルと前記ふるいとにより、前記窯業系建築材料を、2〜10mmの大きさの粒を10重量%以上含有するように、かつ、繊維が露出する粒が形成されるように構成されていることを特徴としている。
【0006】
このような構成によると、繊維質を含有する窯業系建築材料は、まず、粉砕部において粉砕されて、計量部において所定量計量された後、造粒部において造粒される。そのため、繊維質を含有する窯業系建築材料は、粉砕部において、たとえ粉状に粉砕されても、造粒部において、ある程度の大きさに造粒することができるので、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等として調製することができる。
【0007】
また、このような構成によると、ふるいの孔の大きさが5〜10mmであるため、2〜10mmの大きさの粒を10重量%以上含有する粉砕物を、簡易かつ確実に調製することができる。
【0008】
そのため、粉砕部において、窯業系建築材料が2〜10mmの大きさの粒を10重量%以上含有するように粉砕されるので、造粒時においては、その2〜10mmの大きさの粒をシードとして、粒成長させることにより造粒することができる。そのため、粉状の粉砕物を簡易かつ確実に造粒して、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等を調製することができる。
【0009】
また、たとえば、窯業系建築材料をカッタで切断する場合には、繊維質も切断されてしまい、切り口が平坦に形成されてしまうが、この構成のように、窯業系建築材料をハンマーミルの衝撃刃によって粉砕すれば、窯業系建築材料を割るようにして砕くので、良好に繊維質を露出させることができる。
【0010】
しかも、このような構成によると、得られた粉砕物には、外方に繊維質が突出した形状の粒が含まれるので、造粒部での造粒において、より微粉を付着させやすくすることができる。そのため、より一層良好な造粒を達成することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記造粒部は、給水手段および/またはバインダ供給手段を備え、前記粉砕物に、水および/またはバインダを供給して造粒するように構成されていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、造粒部における造粒時には、水および/またはバインダが供給されるので、粉砕物の表面を水および/またはバインダにより濡らして付着性を向上させることができる。そのため、より一層良好に造粒することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記造粒部は、第1羽根および第2羽根を備え、前記第1羽根および前記第2羽根は、互いに周速差をもって同方向に回転するか、または、逆方向に回転するように構成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、造粒部の造粒時には、第1羽根および第2羽根が、互いに周速差をもって同方向に回転するか、または、逆方向に回転するので、粉砕物が第1羽根および第2羽根の間において旋回し、これによって、良好に造粒することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記粉砕部、前記計量部および前記造粒部を、運搬可能なように、一体的に構成していることを特徴としている。
【0018】
窯業系建築材料が、住宅建築用外装材や屋根材等の現場残材などである場合には、従来では、その現場から窯業系建築材料を引き取った後に、粉砕処理を行っており、引き取りの手間やそのためのコストが不回避となる。
【0019】
しかし、このように粒状化装置を、運搬可能なように、粉砕部、計量部および造粒部を一体的に構成すれば、たとえば、その装置を車載して現場に運送し、その現場において、窯業系建築材料を粒状化して、そのまま、肥料や土壌改質剤等として散布することができる。そのため、窯業系建築材料の引き取りの手間やそのためのコストが不要となり、効率的な処理を実現することができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化方法であって、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置により、繊維質を含有する窯業系建築材料を粉砕し、次いで、粉砕された粉砕物を所定量計量し、次いで、所定量計量された粉砕物を造粒することを特徴としている。
【0021】
このような方法によると、繊維質を含有する窯業系建築材料は、たとえ粉状に粉砕されても、ある程度の大きさに造粒されるので、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等として調製することができる。また、このように粉砕すると、造粒時においては、その2〜10mmの大きさの粒をシードとして、粒成長させることにより造粒することができる。そのため、粉状の粉砕物を簡易かつ確実に造粒して、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等を調製することができる。しかも、このように、粉砕すると、得られた粉砕物には、外方に繊維質が突出した形状の粒が含まれるので、造粒時において、より微粉を付着させやすくすることができる。そのため、より一層良好な造粒を達成することができる。また、このようなふるいによって調整すると、2〜10mmの大きさの粒を10重量%以上含有する粉砕物を、簡易かつ確実に調製することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置の一実施形態としての粉砕造粒装置を示す概略構成図である。
【0033】
図1において、この粉砕造粒装置1は、たとえば、住宅建築用外装材や屋根材等の現場残材などの窯業系建築材料を粉砕して、肥料や土壌改質剤等とするために用いられ、ホッパ部2と、造粒部3とが連結されて一体的に構成されている。なお、この粉砕造粒装置1では、セメントやセッコウにパルプ等などの補強繊維が配合されてなる窯業系建築材料が処理対象とされる。
【0034】
ホッパ部2は、略円筒形状をなし、下部が漏斗状に形成されており、窯業系建築材料を粉砕するための粉砕部4と、粉砕部4において粉砕された粉砕物を計量するための計量部5とを備えている。また、このホッパ部2の上部には、窯業系建築材料を投入するための筒状の投入口6が形成されるとともに、その下端部には、粉砕された粉砕物を造粒部3に供給するための供給口7が形成されている。
【0035】
粉砕部4は、ホッパ部2内における上部に設けられており、粉砕手段としてのハンマーミル8と、ふるいとしてのスクリーン9とを備えている。
【0036】
ハンマーミル8は、ホッパ部2の上部中央において回転可能に支持されるロータ10と、そのロータ10から径方向外方に延びる複数の衝撃刃11とを備えている。投入口6から投入される窯業系建築材料は、ロータ10の高速回転により、衝撃刃11で割るようにして砕かれることによって、補強繊維が露出する粒が形成されるように粉砕される。たとえば、窯業系建築材料をカッターミルなどで切断する場合には、補強繊維も切断されてしまい、切り口が平坦に形成されてしまうが、ハンマーミル8によって粉砕すれば、このように、良好に補強繊維を露出させることができる。なお、ハンマーミル8のロータ10は、後述する原動機37からの駆動がハンマーミル側エンドレスベルト40を介して伝達されることによって、高速回転される。
【0037】
スクリーン9は、ハンマーミル8によって粉砕された粉砕物の粒径を調整するために用いられ、ハンマーミル8の下方において、ハンマーミル8が設けられるホッパ部2の上部と、計量部5が設けられる下部との間を仕切るようにして設けられている。このスクリーン9は、略平板円弧状をなし、ふるい目として多数の孔12が開口形成されている。この孔12の大きさ(最大長さ)は、孔径で5〜10mmφとして形成されている。孔径が5mmφより小さいと、粉砕物における粉状成分の通過が多くなり、一方、孔径が10mmφより大きいと、粉砕物における粒状成分の通過が多くなる。そのため、このように孔径を5〜10mmφとすることで、粉状成分中にバランス良く粒状成分を混在させた粉砕物を、簡易かつ確実に調製しながら通過させることができる。より具体的には、このスクリーン9では、孔12の孔径を5〜10mmφとすることで、後述する造粒部3での造粒において、粒をシードとして粒成長させて造粒させるべく、2〜10mmの大きさ(最大長さ)の粒、好ましくは、2〜5mmの大きさ(最大長さ)の粒を10重量%以上、好ましくは、20〜50重量%含有するような粉砕物として通過させるようにしている。なお、2〜10mmの大きさ(最大長さ)の粒が10重量%よりも少ないと、粉砕物が良好に造粒されない場合がある。
【0038】
計量部5は、ホッパ部2の下部において、ホッパ部2のケーシング13がそのまま粉砕物を計量するための容器として用いられており、粉砕物が所定量となったことを検知するための検知手段として、レベル計14が所定の位置に設けられるとともに、そのケーシング13の下端部には、供給口7を開閉するための供給ゲート15が設けられている。なお、供給ゲート15は、供給口7を開放または閉鎖するスライドゲート16と、そのスライドゲート16を開閉動作させるためのエアシリンダ17とを備えている。エアシリンダ17には、後述するエアコンプレッサ41が接続されており、このエアコンプレッサ41からの圧空によってエアシリンダ17が駆動され、これによって、スライドゲート16が開閉動作される。また、この計量部5では、レベル計14に代えて検知手段としてロードセルなどを用いてもよい。
【0039】
そして、この計量部5では、スクリーン9を通過した粉砕物がホッパ部2の下部のケーシング13内に次第に溜まり、所定量となったことをレベル計14が検知した時に、エアシリンダ17の駆動によりスライドゲート16を開動作させて供給口7を開放することにより、供給口7から粉砕物を一定量で、次に述べる造粒部3に供給するようにしている。
【0040】
造粒部3は、粉砕物を受け入れるケーシング18と、第1羽根としての内羽根19と、第2羽根としての外羽根20と、給水手段としての給水管21と、バインダ供給手段としてのバインダ供給管22とを備えている。
【0041】
ケーシング18は、断面略矩形状をなし、その底部に軸受部材23を備えるとともに、この造粒部3において造粒された造粒物を排出するための筒状の排出口24が形成されており、この排出口24には、排出ゲート25が設けられている。軸受部材23は、後述する内羽根軸30を軸受け支持する内側軸受28と、内側軸受28の外周に設けられ、後述する外羽根軸34を軸受け支持する外側軸受29とを備えている。また、排出ゲート25は、排出口24を開放または閉鎖するスライドゲート26と、そのスライドゲート26を開閉動作させるためのエアシリンダ27とを備えている。なお、エアシリンダ27には、後述するエアコンプレッサ41が接続されており、このエアコンプレッサ41からの圧空によってエアシリンダ27が駆動され、これによって、スライドゲート26が開閉動作される。
【0042】
内羽根19は、ケーシング18の底部中央において内側軸受28に回転可能に支持される内羽根軸30と、その内羽根軸30の上端に設けられる羽根部材31と、内羽根軸30の下端に設けられる内羽根側プーリ32とを備えている。なお、羽根部材31は、径方向外方に延びる複数の内側回転刃33を備えている。
【0043】
また、外羽根20は、ケーシング18の底部中央において、内羽根軸30を内装し、かつ、外側軸受29に回転可能に支持される筒状の外羽根軸34と、その外羽根軸34の上端に設けられる複数の外側回転刃35と、外羽根軸34の下端に設けられる外羽根側プーリ36とを備えている。なお、外側回転刃35は、外羽根軸34から径方向外方に延び、さらに、ケーシング18の側壁に沿って、上方に延びるように屈曲形成されている。
【0044】
そして、これら内羽根19および外羽根20は、互いに独立して回転駆動されるように構成されており、より具体的には、互いに周速差をもって同方向に回転するか、または、逆方向に回転するように構成されている。なお、互いに周速差をもって同方向に回転する場合には、内羽根19の回転速度が200〜350回/minで、外羽根20の回転速度が20〜50回/minとなるように回転駆動させることが好ましく、逆方向に回転する場合には、内羽根19および外羽根20を、回転速度20〜350回/minで同速度で回転駆動させてもよく、また、上記した回転速度で互いに周速差をもって回転駆動させてもよい。なお、内羽根側プーリ32および外羽根側プーリ36は、後述する原動機37からの駆動が内羽根側エンドレスベルト38および外羽根側エンドレスベルト39をそれぞれ介して伝達されることによって、それぞれ回転される。
【0045】
また、給水管21およびバインダ供給管22は、その開口端部がケーシング18の上方に配置され、ケーシング18内に、給水およびバインダを供給することができるように構成されている。なお、給水管21には、給水弁45を介して水を貯蔵する水タンク42が接続されるとともに、バインダ供給管22には、バインダ供給弁46を介してバインダを貯蔵するバインダタンク43が接続されており、給水弁45の開閉動作により、所定量の水を給水し、また、バインダ供給弁46の開閉動作により所定量のバインダを供給することができるように構成されている。また、バインダタンク43に貯蔵されるバインダは、粉砕物を互いに結合させための結合剤であって、たとえば、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、水ガラスなどの公知の粘性液体が用いられる。
【0046】
そして、この造粒部3では、供給口7から一定量で供給される粉砕物を、窯業系建築材料の種類により、適宜、給水管21および/またはバインダ供給管22から水および/またはバインダを供給しながら、内羽根19および外羽根20の回転により造粒するようにしている。得られた造粒物は、排出ゲート25の開動作によって、排出口24が開放されることにより、外部に排出される。
【0047】
なお、この粉砕造粒装置1には、駆動手段として原動機37が設けられており、この1つの原動機37によって、内羽根側プーリ32が内羽根側エンドレスベルト38を介して駆動されるとともに、外羽根側プーリ36が外羽根側エンドレスベルト39を介して駆動され、さらに、ハンマーミル8がハンマーミル側エンドレスベルト40を介して駆動されるように構成されている。
【0048】
また、この粉砕造粒装置1には、エアコンプレッサ41が設けられており、この1つのエアコンプレッサ41が、供給ゲート15のエアシリンダ17および排出ゲート25のエアシリンダ27に接続されて、供給ゲート15および排出ゲート25を開閉するように構成されている。また、この粉砕造粒装置1では、一体的に構成されるホッパ部2および造粒部3、原動機37、エアコンプレッサ41、水タンク42およびバインダタンク43が、車載可能なように、1つの本体ケーシング44に収容されている。
【0049】
そして、この粉砕造粒装置1によって、窯業系建築材料を処理するには、まず、投入口6から窯業系建築材料を投入して、粉砕部4において粉砕する。粉砕部4においては、窯業系建築材料が、ハンマーミル8によって、ロータ10の高速回転により、衝撃刃11で割るようにして砕かれ、補強繊維が露出する粒が形成されるように粉砕される。そして、ハンマーミル8によって粉砕された粉砕物は、2〜10mmの大きさ(最大長さ)の粒を10重量%以上含有するような粉砕物としてスクリーン9を通過した後、計量部5において、所定量となった時に、供給口7から造粒部3に供給される。
【0050】
次いで、供給口7から供給された一定量の粉砕物を造粒部3において造粒する。造粒部3においては、粉砕物が、内羽根19および外羽根20の高速回転(上記したように、内羽根19および外羽根20は、互いに周速差をもって同方向に回転するか、または、逆方向に回転する。)によって、内羽根19および外羽根20の間において8の字状に旋回するため、これによって、良好に団子状に造粒される。しかも、この造粒においては、粉砕物中に2〜10mmの大きさ(最大長さ)の粒が10重量%以上含有されているので、その2〜10mmの大きさ(最大長さ)の粒がシードとなり、粒成長によって良好に造粒される。そのため、この造粒部3においては、粉状の粉砕物を簡易かつ確実に造粒して、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等を調製することができる。
【0051】
さらに、粉砕物は、補強繊維が露出する粒が形成されるように粉砕されているので、その粒は、外方に多数の補強繊維が突出した形状となっており、この造粒において、微紛がより付着されやすく、より一層良好な造粒が達成されている。
【0052】
また、この造粒時には、適宜、給水管21および/またはバインダ供給管22から、水および/またはバインダが供給される。水および/またはバインダを供給すれば、粉砕物の表面を水および/またはバインダにより濡らして付着性を向上させることができ、より一層良好な造粒を達成することができる。
【0053】
より具体的には、水およびバインダの両方を供給することが好ましく、とりわけ、まず、水を一挙に供給して粉砕物の表面を濡らし、粉砕物がその水を吸収せず表面が濡れている間にバインダを供給することが好ましい。このように供給することで、バインダの使用量を低減することができる。
【0054】
なお、この場合において、粉砕物は、補強繊維が露出する粒が形成されるように粉砕されているので、水および/またはバインダが供給されると、外方に突出する補強繊維の間に、表面張力によって水および/またはバインダの膜が形成され、これによって、表面の濡れ性がより一層向上される。
【0055】
そして、このように造粒された造粒物は、排出口24から排出され、肥料や土壌改質剤等として用いられる。なお、この粉砕造粒装置1では、造粒物の排出が完了するまでは、計量部5において粉砕物の計量が終了していても、供給ゲート15が開動作されないようなインターロック機構が設けられている。
【0056】
このような粉砕造粒装置1においては、窯業系建築材料が、まず、粉砕部4において粉砕された後、造粒部3において造粒されるので、窯業系建築材料は、粉砕部4において、たとえ粉状に粉砕されても、造粒部3において、ある程度の大きさに造粒されるので、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等として調製される。そのため、このようにして得られた肥料や土壌改質剤等は、移動時および散布時、さらには、散布後に、微粉が大気中に浮遊することが少ないので、環境に良好な肥料や土壌改質剤等として有効に用いられる。
【0057】
また、この粉砕造粒装置1は、上記したように、一体的に構成されるホッパ部2および造粒部3、原動機37、エアコンプレッサ41、水タンク42およびバインダタンク43が、車載可能なように、1つの本体ケーシング44に収容されている。
【0058】
たとえば、窯業系建築材料が、住宅建築用外装材や屋根材等の現場残材などである場合には、従来では、その現場から窯業系建築材料を引き取った後に、粉砕処理を行なっており、引き取りの手間やそのためのコストが不回避となっているが、このように粉砕造粒装置1を車載可能とすれば、この粉砕造粒装置1を車載して現場に運送し、その現場において、窯業系建築材料を処理して、そのまま、肥料や土壌改質剤等として散布することができる。そのため、窯業系建築材料の引き取りの手間やそのためのコストが不要となり、効率的な処理を実現することができる。なお、この粉砕造粒装置1を車載して現場にて処理を行なう場合には、原動機37を、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンもしくは100V電源にて駆動可能な電動機により構成することが好ましい。
【0059】
なお、上記の説明においては、給水弁45およびバインダ供給弁46の開閉動作により、水およびバインダを供給するようにしているが、これら給水弁45およびバインダ供給弁46に代えて、給水ポンプおよびバインダ供給ポンプを用いてもよい。また、給水管21には、水タンク42に代えて、水道管を接続して、水道圧によって給水するようにしてもよい。
【0060】
また、上記の説明においては、1つの原動機37によって、内羽根19、外羽根20およびハンマーミル8が駆動されるように構成されているが、その目的および用途などによっては、それぞれ個別に原動機37を設けてもよい。
【0061】
また、上記の説明においては、ハンマー式粉砕機として、ハンマーミル8を採用しているが、本発明のハンマー式粉砕機には、インパクトミル、ハンマークラッシャーなどの衝撃式粉砕機などが含まれる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等として調製することができるので、移動時および散布時、さらには、散布後に、微粉が大気中に浮遊することが少なく、環境の低下を有効に防止することができる。また、粉状の粉砕物を簡易かつ確実に造粒して、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等を調製することができる。しかも、窯業系建築材料をハンマーミルによって割るようにして砕くことにより、良好に繊維質を露出させることができる。そのため、粒に微粉を付着させやすくすることができ、より一層良好な造粒を達成することができる。
【0066】
また、請求項2に記載の発明によれば、粉砕物の表面を水および/またはバインダにより濡らして付着性を向上させることができ、より一層良好に造粒を達成することができる。
【0067】
また、請求項3に記載の発明によれば、粉砕物が第1羽根および第2羽根の間において旋回し、これによって、より一層良好な造粒を達成することができる。
【0068】
また、請求項4に記載の発明によれば、窯業系建築材料の引き取りの手間やそのためのコストが不要となり、効率的な処理を実現することができる。
【0069】
また、請求項5に記載の発明によれば、微粉の少ない肥料や土壌改質剤等として調製することができるので、移動時および散布時、さらには、散布後に、微粉が大気中に浮遊することが少なく、環境の低下を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置の一実施形態としての粉砕造粒装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 粉砕造粒装置
3 造粒部
4 粉砕部
8 ハンマーミル
9 スクリーン
12 孔
19 内羽根
20 外羽根
21 給水管
22 バインダ供給管
Claims (5)
- 繊維質を含有する窯業系建築材料を粉砕するための粉砕部と、前記粉砕部において粉砕された粉砕物を計量するための計量部と、前記計量部から所定量供給される前記粉砕物を造粒するための造粒部とを備え、
前記粉砕部は、前記窯業系建築材料を粉砕する、ロータおよび衝撃刃を有するハンマーミルと、粉砕された粉砕物の粒径を調整するための、孔の大きさが5〜10mmであるふるいとを備え、前記ハンマーミルと前記ふるいとにより、
前記窯業系建築材料を、2〜10mmの大きさの粒を10重量%以上含有するように、かつ、繊維が露出する粒が形成されるように構成されていることを特徴とする、繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置。 - 前記造粒部は、給水手段および/またはバインダ供給手段を備え、前記粉砕物に、水および/またはバインダを供給して造粒するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置。
- 前記造粒部は、第1羽根および第2羽根を備え、前記第1羽根および前記第2羽根は、互いに周速差をもって同方向に回転するか、または、逆方向に回転するように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置。
- 前記粉砕部、前記計量部および前記造粒部を、運搬可能なように、一体的に構成していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化装置により、繊維質を含有する窯業系建築材料を粉砕し、次いで、粉砕された粉砕物を所定量計量し、次いで、所定量計量された粉砕物を造粒することを特徴とする、繊維質を含有する窯業系建築材料の粒状化方法。
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