JPH10270789A - 光通信等に用いる半導体光素子及びその製造方法 - Google Patents

光通信等に用いる半導体光素子及びその製造方法

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JPH10270789A
JPH10270789A JP7373897A JP7373897A JPH10270789A JP H10270789 A JPH10270789 A JP H10270789A JP 7373897 A JP7373897 A JP 7373897A JP 7373897 A JP7373897 A JP 7373897A JP H10270789 A JPH10270789 A JP H10270789A
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diffraction grating
semiconductor
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optical device
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波方向の任意の位置で、分布反射器の光
結合係数の大きさを任意の値に制御できる半導体光素子
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 光導波方向に垂直なストライプからなる
回折格子を有する半導体光素子において、該ストライプ
の長さが、光導波路内において光導波方向の任意の位置
で変化していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等に用いる
半導体光素子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回折格子を用いた分布反射器を有する半
導体レーザや波長フィルタ等の半導体光素子において、
半導体レーザの単一軸モード制御、高出力特性及び歩留
まりの向上等、また波長フィルタの波長制御特性の向上
等を考えると、分布反射器の光結合係数を光導波方向で
最適に変化させる事、つまり、異なる光結合係数を有す
る領域を光導波方向の任意の位置に作製できる製造方法
が要求される。回折格子の従来の製造方法には以下のよ
うなものがある。
【0003】図6は異なる光結合係数κを有する2つの
領域からなる半導体光素子の軸方向断面模式図である。
従来の半導体光素子において、光導波方向に異なる光結
合係数κを有する複数の領域を形成するには、大きく2
つの方法があった。
【0004】一つは、図6(a)において、半導体基板
1の上に回折格子5を形成し、領域1の回折格子5を埋
め込む光導波層2を成長し、次にこの光導波層2の一部
を選択的にエッチングで除去した後、領域2の回折格子
5を埋め込む光導波層3を再成長する。更に、光導波層
2、3の上に、利得発生層等を含む光導波層4、クラッ
ド層11を成長して半導体光素子を得る方法である。こ
の作製方法では、光導波層2及び3の結晶組成を選ぶこ
とで異なる光結合係数を有する複数の領域を作製するこ
とができる。しかし、この方法では、1)光導波層2の
結晶成長→光導波層2のエッチング→光導波層3の再成
長→光導波層4、11の再成長と、プロセスが複雑であ
ること、2)領域2の回折格子は昇温工程を2度経るこ
とから、昇温時に回折格子形状が劣化すること、3)光
導波層2と3の境界で異常成長が生じ、両領域間での光
の結合効率が低下すること等の問題があった。
【0005】2つめの方法は、図6(b)において、半
導体基板1の上に領域1の分布反射器を構成する回折格
子5を形成し、更に選択エッチングを用いて、回折格子
5と深さの異なる回折格子6を形成し、領域2の分布反
射器を作製する。その後、光導波層2、4、クラッド層
11を成長して半導体光素子を得る方法である。この方
法を用いても、回折格子5、6の回折格子の深さを変え
ることで任意の光結合係数を有する複数の領域を作製す
ることができる。しかし、この方法では、1)回折格子
を形成する際、複数回のエッチングを行わなければなら
ず、プロセスが複雑であること、2)回折格子5と回折
格子6のエッチング深さの相対比を制御する事が難しい
こと、3)光導波層2を成長する際、回折格子の深さが
深い回折格子6上に成長される結晶の品質が劣化するこ
と等の問題があった。
【0006】更に、新しく別の方法として、電子ビーム
露光法を用いて、光結合係数κを制御する方法が、最近
Journal of Quantum Electronics vol.29, no.6, pp.2
081-2087, June 1993 に報告された。図7に、この方法
を用いた回折格子の作製法を示す。この方法の特徴は、
幅Lの光導波路内に櫛状の回折格子55を形成し、その
櫛の長さl1 を変えることで光結合係数κを変化させる
ことにある。(2l1)/Lが1のときに、最も大きな
光結合係数κmax が得られ、l1 が短くなるにしたがっ
て、光結合係数κが小さくなる。しかし、この方法で
は、1)櫛状に回折格子55が形成されているため、回
折格子は、常に光導波路の端の部分に位置することにな
り、光結合係数が櫛の長さl1 に対して線形に変化せず
制御が難しいこと、2)幅L=1〜2μmの狭い光導波
路内に櫛状の回折格子55が一つだけ形成されているた
め、デバイス化する際には、櫛状回折格子55が形成さ
れている幅Lがリブ型光導波路の幅に一致する構造にし
か適用できないこと等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、異なる光
結合係数を有する分布反射器の従来の作成方法では、そ
の作製工程が複雑であったり、適用できる半導体光素子
の構造が限定されたり、また3つ以上の任意の光結合係
数を有する分布反射器、または連続的に光結合係数が変
化する分布反射器を同一基板上に作成することが困難で
あった。
【0008】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、回折格子を用いた分布反
射器を有する半導体光素子において、光導波方向の任意
の位置で、分布反射器の光結合係数の大きさを任意の値
に制御できる半導体光素子およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0010】すなわち、本発明は、光導波方向に垂直な
ストライプからなる回折格子を有する半導体光素子にお
いて、該ストライプの長さが、光導波路内において光導
波方向の任意の位置で変化していることを特徴とする半
導体光素子を提案するものであり、前記の半導体光素子
において、前記ストライプの長さは光導波路幅以下であ
り、ストライプが光導波方向に対して垂直方向に、光導
波路幅よりも短い周期で、光導波路幅よりも二倍以上広
い領域に渡って周期的に形成されていることを含む。
【0011】また、本発明は、半導体基板上に、光導波
方向に垂直なストライプからなる回折格子を形成する工
程と、該回折格子に接する光導波層を形成する工程を含
む半導体光素子の製造方法において、該ストライプは、
EB露光法により、光導波路幅以下の長さで断片的に描
画することを特徴とする半導体光素子の製造方法を提案
するものであり、前記の半導体光素子の製造方法におい
て、前記光導波層を形成する工程は、前記半導体基板上
に、光導波方向の任意の位置で幅の変化した対向する一
対の誘電体薄膜を形成し、該誘電体薄膜に挟まれた光導
波路領域に光導波層を選択的に結晶成長すること、前記
の半導体光素子の製造方法において、前記光導波路領域
の幅が10μm以下であること、前記の半導体光素子の
製造方法において、半導体基板がInPであり、結晶成
長時に用いるIII 族原料が、Ga、In、またはAlを
含む有機金属であり、V族原料が、As、P、またはN
を含んでいることを含む。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の半導体光素子およびその
製造方法の実施の形態について説明する。本発明におい
ては、その目的は、回折格子を用いた分布反射器を有す
る半導体光素子において、光導波方向における分布反射
器の光結合係数κの大きさを任意に制御できる半導体光
素子およびその製造方法を提供することにあり、ストラ
イプ状回折格子において、ストライプ長さを変えること
による光結合係数κの制御について説明する。
【0013】図1に本発明のストライプ状回折格子5の
説明図を示す。本発明においては、InP等の半導体基
板上に電子ビーム露光法等を用いて、ストライプ状回折
格子5を周期Λ1 で描画する。この時、ストライプの描
画は、ストライプ長さl1 を、0から光導波路幅Wまで
の範囲で、光導波方向の任意の位置で変化させる。さら
に、ストライプは、光導波路幅Wを1周期として、光導
波方向と垂直方向に、光導波路幅の2倍以上の領域に渡
って周期的に描画することを特徴としている。このよう
にストライプ状回折格子5を形成した場合、回折格子の
レジストパターンを通常のウエットもしくはドライエッ
チング等でInP基板等へ転写したとき、回折格子のエ
ッチング深さが全ての領域で同じであっても、ストライ
プ長さl 1 を変化させることで、光結合係数κを制御す
ることができる。また、描画領域が、光導波路幅Wより
も十分広いため、このあとの半導体光素子の作製プロセ
スにおいて、光導波路パターンとストライプ状回折格子
5との位置合わせを容易にすることができる。
【0014】図2に、具体的に、光導波路幅Wで規格化
したストライプ長さl1 に対する、回折格子の規格化光
結合係数κ/κ0 依存性の実験結果を示す。光結合係数
κは、規格化ストライプ長さl1 /Wに対して、ほぼ線
形に変化することがわかる。実際に、1.55μm帯の
分布帰還型(DFB)半導体レーザの回折格子を形成し
たところ、回折格子の周期Λ1 =240nm、光導波路
幅W=1.5μmで、規格化ストライプ長さl1 /W=
1の時の光結合係数κを35cm-1と設定したとき、l
1 /W=0.5のときに、光結合係数κ=16cm-1
実現することができた。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0016】実施例1:分布反射(DR)型半導体レー
ザ 図3(c)は、第一の実施例である分布反射(DR)型
半導体レーザの構造を示す図である。図3(c)におい
て、まずn−InP基板1上に、電子ビーム露光法を用
いて、図3(a)に示すような回折格子パターンを描画
する。この時、領域1の回折格子7は、ストライプ長さ
1 、領域2の回折格子5はストライプ長さl2 であ
り、 l1 =l2 /2 となっている。また、これらの回折格子5,7は、光導
波方向と垂直方向には、光導波路幅W=1.5μmの周
期で、6周期、すなわちWEB=9μmの回折格子描画領
域に描画し、光導波方向については、回折格子7の周期
はΛ1 であり、回折格子5の周期はΛ2 と設定する。こ
の時、発振波長1.55μmに対する領域1の等価屈折
率をneq1 、領域2の等価屈折率をneq2 とすると、 neq1 Λ1 =neq2 Λ2 の関係を満足するように設定する。この後、回折格子パ
ターン5、7を用いて、通常のウエットエッチング等を
使って、n−InP基板1に、領域1、領域2ともに深
さ60nmの回折格子を形成する。このような、回折格
子を形成することで、領域1と領域2の回折格子を用い
た分布反射器のブラッグ波長を等しくすることができ、
さらに領域1の分布反射器の光結合係数κ1 を領域2の
分布反射器の光結合係数κ2 の1/2に設定することが
できる。この回折格子5,7が形成された基板上へ、図
3(b)に示すように<011>方向に、SiO2 成長
阻止マスク9を、領域1で幅Wmが30μm、領域2で
幅Wmが4μmとなるように、1.5μm幅の開口部
(光導波路領域)を挟んで対向するように形成する。こ
の成長阻止マスク9の形成においては、回折格子5、7
が回折格子描画領域幅W EB=9μmの広い領域に形成さ
れているため、1.5μm幅の開口部を簡単に、回折格
子上に配置することができた。次に、このマスクが形成
された基板上にn−InGaAsP半導体層2、n−I
nPスペーサ層8、n−InGaAsP光閉じ込め層
3、InGaAsP/InGaAsPの5層の多重量子
井戸層4、InGaAsP光閉じ込め層3、及びp−I
nP層10を選択成長する。この時、開口部に成長され
るInGaAsPの4元半導体層2及び3の組成は、領
域1と領域2で異なり、領域1では組成波長1.2μ
m、領域2では組成波長1.1μmとなる。このとき、
領域1の回折格子7の分布反射器の光結合係数は50c
-1が得られ、領域2の回折格子5の分布反射器の光結
合係数は100cm-1が得られた。更に、多重量子井戸
層4は、領域1では、InGaAsP量子井戸(組成波
長1.6μm、層厚7nm)とInGaAsPバリア層
(組成波長1.2μm、層厚10nm)とからなり、利
得ピーク波長を1.55μmに設定できた。領域2の多
重量子井戸層4は、InGaAsP量子井戸(組成波長
1.25μm、層厚3nm)とInGaAsPバリア層
(組成波長1.2μm、層厚5nm)とからなり、利得
ピーク波長を1.2μmに設定する事ができた。このよ
うにして、各半導体層を形成した後、成長阻止マスク9
のマスク開口幅Wを全領域で6μmになるように再度形
成し、このマスクを用いて、p−InP埋め込み層11
(層厚2.0μm)をMOVPEで選択成長する。その
後、SiO2 膜15を形成し、上部電極16、下部電極
17を通常のスパッタ法等により形成して半導体光素子
を得ることができた。光結合係数50cm-1の領域1を
活性領域に、光結合係数100cm-1の領域2を受動領
域とする事で、極めて容易に、光の片端面出射が可能で
高効率動作する、高性能な、波長1.55μm帯の分布
反射器(DR)型半導体レーザを実現する事ができた。
活性領域長200μm、受動領域長200μmの素子を
作製したところ、両端面劈開の状態で25℃において、
発振しきい値電流3.5mA、片側光出力35mW、片
側微分量子効率90%という良好な特性を得ることがで
きた。
【0017】実施例2:変調光結合係数を有する分布帰
還(DFB)型半導体レーザ 図4(c)は、第二の実施例である変調光結合係数を有
する分布帰還(DFB)型半導体レーザの構造を示す図
である。図4(c)において、まずn−InP基板1上
に、電子ビーム露光法を用いて、図4(a)に示すよう
な回折格子パターンを描画する。このとき、回折格子5
を構成する各ストライプの長さは、光導波方向の位置に
よって変化させており、回折格子を用いた分布反射器の
光結合係数が、光導波方向の位置によってκ1 〜κ5
範囲で変化するように設定する。また、光導波方向と垂
直方向には、光導波路幅W=1.5μmの周期で6周
期、すなわちWEB=9μmの回折格子描画領域に描画
し、光導波方向については、周期をΛ1 と設定する。そ
の後、通常のウエットエッチング等を使って、n−In
P基板1に、深さ50nmの回折格子5を形成する。次
に、この回折格子5が形成された基板上へ、図4(b)
に示すように<011>方向に、マスク幅Wm =15μ
mのSiO2 成長阻止マスク9を、1.5μm幅の開口
部(光導波路領域)を挟んで対向するように形成する。
そして、このマスクを用いて、1.5μm幅の開口部に
n−InGaAsP半導体層2、n−InPスペーサ層
8、InGaAsP光閉じ込め層3、InGaAsP/
InGaAsPの5層の多重量子井戸層4、InGaA
sP光閉じ込め層3、及びp−InP層10を選択成長
する。このとき、InGaAsP半導体層2、3の組成
波長は1.2μmであり、多重量子井戸層4は、InG
aAsP量子井戸(組成波長1.6μm、層厚7nm)
とInGaAsPバリア層(組成波長1.2μm、層厚
10nm)とからなり、量子井戸の利得ピーク波長を
1.55μmに設定できた。その結果、回折格子5を用
いた分布反射器の光結合係数κは、光導波方向の位置
で、κ1 =5cm-1、κ2 =10cm-1、κ3 =15c
-1、κ4 =20cm-1、κ5 =25cm-1と設定する
ことができた。次に、成長阻止マスク9のマスク幅を全
領域で4μmに、マスク開口幅を全領域で6μmになる
ように再度形成し、このマスクを用いて、層厚2.0μ
mのp−InP埋め込み層11をMOVPEで選択成長
する。その後、上部電極16、下部電極17を通常のス
パッタ法等により形成して変調光結合係数を有する分布
帰還(DFB)型半導体レーザを得ることができた。こ
うして作製した素子長300μmのDFBレーザは、共
振器中央で光結合係数が小さく、両端部で大きいため、
高出力時に問題となる軸方向空間ホールバーニングの影
響を低減することができ、従来、両端面劈開の状態で室
温25℃で光出力15mW程度で縦モードの飛び、及び
光出力の飽和が生じていたものが、光出力30mWまで
単一軸モードで出力飽和のない特性を達成する事ができ
た。
【0018】実施例3:分布ブラッグ反射(DBR)型
モード同期半導体レーザ 図5(c)は、第三の実施例である分布ブラッグ反射
(DBR)型モード同期半導体レーザの構造を示す図で
ある。レーザは、3つの領域から構成されている。図5
(c)において、まずn−InP基板1上に、電子ビー
ム露光法を用いて、図5(a)に示すような回折格子パ
ターンを、領域3のみに描画する。この時、回折格子5
のストライプ長さl1 は光導波路幅W=1.5μmの1
/5の長さであり、光導波方向と垂直方向には、光導波
路幅Wの周期で6周期、すなわち9μmの幅の領域に描
画する。また、光導波方向の周期はΛ1 である。その
後、この回折格子パターンをマスクとして、通常のウエ
ットエッチング等で、n−InP基板1を深さ50nm
エッチングし、図5(c)のような回折格子5を形成す
る。この回折格子5が形成された基板上へ、図5(b)
に示すように<011>方向に、SiO2 成長阻止マス
ク9を、領域1で幅Wmが30μm、領域2及び3で幅
Wmが10μmとなるように、1.5μm幅の開口部
(光導波路領域)を挟んで対向するように形成する。こ
の成長阻止マスク9の形成においては、回折格子5が幅
9μmの広い領域に形成されているため、1.5μm幅
の開口部を簡単に、回折格子5上に配置することができ
た。次に、このSiO2 マスク9が形成された基板上に
n−InGaAsP半導体層2、n−InPスペーサ層
8、n−InGaAsP光閉じ込め層3、InGaAs
P/InGaAsPの7層の多重量子井戸層4、InG
aAsP光閉じ込め層3、及びp−InP層10を選択
成長する。この時、開口部に成長されるInGaAsP
の4元半導体層2及び3の組成は、領域1と領域2及び
3で異なり、領域1では組成波長1.25μm、領域2
及び3では組成波長1.18μmとなる。このとき、領
域3の回折格子5の分布反射器の光結合係数κは10c
-1が得られた。更に、多重量子井戸層4は、領域1で
は、InGaAsP量子井戸(組成波長1.6μm、層
厚7nm)とInGaAsPバリア層(組成波長1.2
5μm、層厚10nm)とからなり、利得ピーク波長を
1.55μmに設定できた。領域2及び3の多重量子井
戸層4は、InGaAsP量子井戸(組成波長1.23
μm、層厚3nm)とInGaAsPバリア層(組成波
長1.18μm、層厚5nm)とからなり、利得ピーク
波長を1.21μmに設定する事ができた。このように
して、各半導体層を形成した後、更に2回のMOVPE
を用いて、Fe−InP電流ブロック層を形成し、その
後、SiO2 膜15を形成し、上部電極16、下部電極
17を通常のスパッタ法等により形成して半導体光素子
を得ることができた。領域1を活性領域、領域2を受動
領域、領域3をDBR領域とすることで、極めて容易
に、波長1.55μm帯の分布ブラッグ反射(DBR)
型モード同期半導体レーザを実現することができた。活
性領域長700μm、受動領域長4200μm、DBR
領域長600μmの素子を作製したところ、発振しきい
値電流20mAで、8.5GHzでモード同期し、幅1
9psのパルス発生という良好な特性を得ることができ
た。また、本発明の回折格子パターン(図5(a))を
用いることで、通常の深さ(50nm)の回折格子5で
簡単に、非常に弱い光結合係数κ=10cm-1を実現す
ることができ、分布ブラッグ反射(DBR)型モード同
期半導体レーザに必要な、弱い光結合係数を有する回折
格子を形成するプロセスの再現性が著しく向上し、素子
の歩留まり90%を得ることができた。
【0019】本発明の実施例2では、回折格子5を用い
た分布反射器の光結合係数κを、光導波方向で、κ1
κ2 、κ3 、κ4 、κ5 、κ4 、κ3 、κ2 、κ1 と9
段階に変調させた分布帰還(DFB)型半導体レーザの
例を示したが、実施例2の回折格子5のストライプ長さ
を、より細かく変化させて、光結合係数κをより多段階
に変調させた半導体光素子に対しても、本発明は有効で
ある。
【0020】本発明は、光導波方向に屈折率を変調させ
た回折格子だけでなく、利得及び損失を変調させる回折
格子の場合にも適用でき、例えば、利得(損失)結合型
DFBレーザ等へも適用可能である。また、本発明は、
InGaAsP/InP系以外の材料、例えばInGa
AsN/GaAs系、InGaAlAs/InGaAs
P系等の材料を用いた光集積素子及び、それを実現する
選択成長においても有効である。また、本発明では、S
iO2 マスクの開口幅を1.5μmとして光導波路を選
択成長で形成する方法について述べたが、選択成長のS
iO2 マスクの開口幅をもっと広くした選択成長法に対
しても有効である。
【0021】
【発明の効果】本発明による半導体光素子およびその製
造方法は、均一な周期、深さの回折格子を用いて、光結
合係数κの光導波方向での変調ができ、λ/4シフトD
FBレーザ、DRレーザ、DBRレーザ、SSG−DB
Rレーザ等を作製する上で非常に有望である。従来、こ
のような回折格子分布反射器を有する光素子構造を作製
する場合には、結晶成長とエッチングプロセスを組み合
わせた複雑な作製プロセスを必要としたが、本発明では
作製プロセスを大幅に簡単化できる利点がある。更に、
本発明による半導体光素子は、光結合係数が変調されて
いる場合にも分布反射器を構成している半導体層が連続
した層で接続されているため、各領域間の光結合効率を
ほぼ100%とできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストライプ状回折格子の説明図であ
る。
【図2】規格化したストライプ長さに対する回折格子の
規格化光結合係数の依存性の実験結果を示すグラフであ
る。
【図3】図3(a)、(b)、(c)は本発明の実施例
1の説明図である。
【図4】図4(a)、(b)、(c)は本発明の実施例
2の説明図である。
【図5】図5(a)、(b)、(c)は本発明の実施例
3の説明図である。
【図6】図6(a)、(b)は従来の半導体光素子の製
法を示す軸方向断面模式図である。
【図7】図7(a)、(b)は従来の回折格子の製法を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 InP半導体基板 2、3 光導波層 4 利得発生層を含む光導波層 5、7 回折格子 8 InPスペーサ層 9 SiO2 マスク 10 p−InPクラッド層 15 SiO2 16 上部電極 17 下部電極 55 櫛状回折格子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波方向に垂直なストライプからなる
    回折格子を有する半導体光素子において、該ストライプ
    の長さが、光導波路内において光導波方向の任意の位置
    で変化していることを特徴とする半導体光素子。
  2. 【請求項2】 前記の半導体光素子において、前記スト
    ライプの長さは光導波路幅以下であり、ストライプが光
    導波方向に対して垂直方向に、光導波路幅よりも短い周
    期で、光導波路幅よりも二倍以上広い領域に渡って周期
    的に形成されている、請求項1に記載の半導体光素子。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に、光導波方向に垂直なス
    トライプからなる回折格子を形成する工程と、該回折格
    子に接する光導波層を形成する工程を含む半導体光素子
    の製造方法において、該ストライプは、EB露光法によ
    り、光導波路幅以下の長さで断片的に描画することを特
    徴とする半導体光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記の半導体光素子の製造方法におい
    て、前記光導波層を形成する工程は、前記半導体基板上
    に、光導波方向の任意の位置で幅の変化した対向する一
    対の誘電体薄膜を形成し、該誘電体薄膜に挟まれた光導
    波路領域に光導波層を選択的に結晶成長する、請求項3
    に記載の半導体光素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記の半導体光素子の製造方法におい
    て、前記光導波路領域の幅が10μm以下である、請求
    項4に記載の半導体光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記の半導体光素子の製造方法におい
    て、半導体基板がInPであり、結晶成長時に用いるII
    I 族原料が、Ga、In、またはAlを含む有機金属で
    あり、V族原料が、As、P、またはNを含んでいる、
    請求項3〜5のうち、いずれか1項に記載の半導体光素
    子の製造方法。
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