JPH10270469A - p型II−VI族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製造方法 - Google Patents

p型II−VI族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製造方法

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JPH10270469A
JPH10270469A JP7529897A JP7529897A JPH10270469A JP H10270469 A JPH10270469 A JP H10270469A JP 7529897 A JP7529897 A JP 7529897A JP 7529897 A JP7529897 A JP 7529897A JP H10270469 A JPH10270469 A JP H10270469A
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epitaxial growth
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JP7529897A
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Nobuyuki Okuda
伸之 奥田
Yoshinobu Ueha
良信 上羽
Shiro Nishine
士郎 西根
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素をアクセプターとして効率的に活性化
し、キャリア濃度の高いNドープp型II-VI 族化合物半
導体のエピタキシャル膜を製造することにある。 【解決手段】 金属アミド化合物をドーピング用ガスソ
ースとして用い、MBE法でエピタキシャル成長させる
ことを特徴とするNドープp型II-VI 族化合物半導体エ
ピタキシャル成長膜の製造方法及びその装置、前記方法
で製造されたエピタキシャル成長膜、該膜を用いた化合
物半導体発光ダイオード装置、並びに、化合物半導体レ
ーザーダイオード装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、p型II-VI 族化合
物半導体エピタキシャル成長膜の製造方法及びその装
置、前記方法で製造したp型II-VI 族化合物半導体エピ
タキシャル成長膜、該成長膜を用いた発光ダイオード、
並びに、該成長膜を用いたレーザーダイオードに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、MBE(分子線エピタキシャル)
法でZnSe系化合物半導体のエピタキシャル成長膜を
製造するときに、p型導電性の化合物半導体を得るため
に、窒素をドーパントとして用いてきた。
【0003】この窒素のドーピングは、高周波(RF)
やマイクロ波を印加したり、電子サイクロトロン共鳴
(ECR)により、電気的に中性で活性な励起種である
窒素ラジカルを発生させ、これをドーパントとしてエピ
タキシャル成長するZnSe中に導入する方法が知られ
ている(J.Qiu.et.al.,Journal of Crystal Growth 12
7,278,(1993) 参照) 。
【0004】しかし、窒素ラジカルをドーピングする方
法では、得られたエピタキシャル膜のキャリア濃度は1
×1018cm-3が限界であった。さらに、窒素を高濃度
でドーピングしようとすると、活性化率が低下し、キャ
リア濃度も低下するという問題があった。
【0005】また、亜鉛アミドを用いてMOVPE法
で、ZnSeへのp型ドーピングの試みがなされた(W.
S.Rees,Jr,et.al.,Journal of Electronics Material 2
1,(3),361,(1992)参照)。
【0006】しかし、上記のMOVPE法では、原料の
有機金属化合物等のキャリアガスとして水素ガスを用い
るため、窒素と水素が結合する。その結果、窒素がアク
セプターとして活性化せず(水素パッシベーション)、
p型キャリアが発生していないと考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題点を解消し、窒素をアクセプターとして効率的
に活性化してキャリア濃度の高いp型II-VI 族化合物半
導体のエピタキシャル膜の製造方法及びその装置、該方
法で製造されたエピタキシャル膜、該エピタキシャル膜
を用いた化合物半導体発光ダイオード装置、並びに、該
エピタキシャル膜を用いた化合物半導体レーザーダイオ
ード装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
採用することにより、上記の課題の解決に成功した。 (1) Nドープp型II-VI 族化合物半導体のエピタキシャ
ル成長膜を製造する方法において、前記II-VI 族化合物
のII族原子を含有する金属アミド化合物をドーピング用
ガスソースとして用い、これをクラッキングしてMBE
法でエピタキシャル成長させることを特徴とするNドー
プp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製
造方法。
【0009】(2) 前記金属アミド化合物が下記一般式
(I) 又は(II)で表される化合物であることを特徴とする
上記(1) 記載のNドープp型II-VI 族化合物半導体エピ
タキシャル成長膜の製造方法。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、MはZn,Cd,Hg,Be及び
Mgの群から選択される原子である。R1 ,R2 ,R3
及びR4 は水素、脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数
が1〜8の範囲のアルキル基、脂環式炭化水素基、好ま
しくはシクロヘキシル基、アルコキシ基、好ましくは炭
素数が1〜8の範囲のアルコキシ基、アリル基、好まし
くはCH2 =CH−CH2 −、アリール基、好ましくは
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のア
リール基、及び、トリアルキルシリル基、好ましくは炭
素数が1〜4の範囲のアルキル置換基を有するトリアル
キルシリル基の群から選ばれる置換基であり、同じでも
異なっていてもよい。)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、MはZn,Cd,Hg,Be及び
Mgの群から選択される原子である。R5 ,R6 及びR
7 は水素、脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数が1〜
8の範囲のアルキル基、脂環式炭化水素基、好ましくは
シクロヘキシル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数が
1〜8の範囲のアルコキシ基、アリル基、アリール基、
好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチ
ル基等のアリール基、及び、トリアルキルシリル基、好
ましくは炭素数が1〜4の範囲のアルキル置換基を有す
るトリアルキルシリル基の群から選ばれる置換基であ
り、同じでも異なっていてもよい。)
【0014】(3) 前記II-VI 族化合物半導体がZnSe
系化合物半導体であることを特徴とする上記(1) 又は
(2) 記載のNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキ
シャル成長膜の製造方法。
【0015】(4) 前記金属アミド化合物の金属原子がZ
nであることを特徴とする上記(3)記載のNドープp型I
I-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製造方
法。
【0016】(5) 前記金属アミド化合物のクラッキング
を熱クラッキング及び/又は光照射クラッキングで行う
ことを特徴とする上記(1) 〜(4) のいずれか1つに記載
のNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成
長膜の製造方法。
【0017】(6) 前記熱クラッキングは200〜800
℃、好ましくは300〜600℃の範囲の温度に加熱す
ることを特徴とする上記(5) 記載のNドープp型II-VI
族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製造方法。
【0018】(7) 前記光照射クラッキングの光源とし
て、超高圧水銀灯を用いることを特徴とする上記(5) 記
載のNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル
成長膜の製造方法。
【0019】(8) 前記基板上の反応を活性化するため
に、基板に光を照射するすることを特徴とする上記(1)
〜(7) のいずれか1つに記載のNドープp型II-VI 族化
合物半導体エピタキシャル成長膜の製造方法。
【0020】(9) 前記基板照射用の光源として、超高圧
水銀灯を用いることを特徴とする上記(8) 記載のNドー
プp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製
造方法。
【0021】(10)前記p型II-VI 族化合物半導体エピタ
キシャル成長膜を不活性雰囲気中で熱アニールすること
を特徴とする上記(1) 〜(9) のいずれか1つに記載のN
ドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜
の製造方法。
【0022】(11)前記熱アニールは、200〜400
℃、好ましくは250〜350℃の範囲の温度で、3〜
20時間、好ましくは5〜10時間加熱することを特徴
とする上記(10)記載のNドープp型II-VI 族化合物半導
体エピタキシャル成長膜の製造方法。
【0023】(12)Nドープp型II-VI 族化合物半導体エ
ピタキシャル成長膜の製造装置において、II族元素の分
子線セル、VI族元素の分子線セル、及び、前記II-VI 族
化合物のII族原子を含有する金属アミド化合物用のガス
セルを、基板に対向して配置したことを特徴とするNド
ープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の
製造装置。
【0024】(13)前記ガスセルに熱クラッキング用のヒ
ータを配置したことを特徴とする上記(12)記載のNドー
プp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製
造装置。
【0025】(14)前記熱クラッキング用ガスセルのクラ
ッキング部分の反応管を、石英又はpBNで構成したこ
とを特徴とする上記(13)記載のNドープp型II-VI 族化
合物半導体エピタキシャル成長膜の製造装置。
【0026】(15)前記ガスセルからの蒸気を光照射クラ
ッキングする光照射用ポートを配置したことを特徴とす
る上記(12)〜(14)のいずれか1つに記載のNドープp型
II-VI族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製造装
置。
【0027】(16)前記光照射クラッキング用光源とし
て、超高圧水銀灯を用いたことを特徴とする上記(15)記
載のNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル
成長膜の製造装置。
【0028】(17)前記基板上の反応を活性化するための
光照射用ポートを前記基板に対向して配置したことを特
徴とする上記(13)〜(17)のいずれか1つに記載のNドー
プp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製
造装置。
【0029】(18)前記基板への光照射用光源として、超
高圧水銀灯を用いたことを特徴とする上記(17)記載のN
ドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜
の製造装置。
【0030】(19)上記(1) 〜(11)のいずれか1つに記載
の方法で製造したNドープp型II-VI 族化合物半導体エ
ピタキシャル成長膜。
【0031】(20)上記(19)記載のNドープp型II-VI 族
化合物半導体エピタキシャル成長膜を用いた化合物半導
体発光ダイオード装置。
【0032】(21)上記(19)記載のNドープp型II-VI 族
化合物半導体エピタキシャル成長膜を用いた化合物半導
体レーザーダイオード装置。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明は、金属アミド化合物、好
ましくはII-VI 族化合物半導体を構成するII族金属のア
ミド化合物をドーパント原料とし、ガスソースMBE法
でII-VI 族化合物半導体の単結晶をエピタキシャル成長
するため、キャリアガスが必要でなくなり、水素パッシ
ベーションを回避することに成功した。
【0034】図1は、本発明のp型ZnSeエピタキシ
ャル成長膜を製造するためのMBE装置の概念図であ
る。基板2はマニピュレータ1で支持され、Znを収容
する分子線セル3、Seを収容する分子線セル4及びガ
スセル5を基板2に対向配置し、金属アミド化合物を収
容する原料ボトル6をクールニクス7で一定温度に保持
し、原料ボトル6とガスセル5とをニードルバルブ8を
介して結合した。
【0035】そして、ガスセル5から放出される金属ア
ミド化合物を光照射クラッキングするための光照射用ポ
ート9は、ガスセル5の開口部近くに向けて配置した。
なお、基板を照射する光照射用ポート10は、ガスセル
5で分解しきれなかったガスをさらに分解する目的と、
基板上における反応を活性化し、成長膜中への活性種を
取り込み効果を向上させる目的で必要に応じて設置され
る。
【0036】図2は、金属アミドを熱クラッキングする
ためのガスセルの断面図である。pBN製るつぼ13の
中に反応管11を配置し、その後端に原料ガス導管を接
続し、るつぼ13の周囲にヒータ12を配置し、反応管
11の先端より金属アミド熱クラッキングガスを放出す
る構造になっている。
【0037】なお、るつぼ13はヒータ12が反応管1
1と接触することを避けるために設けたもので、省略す
ることも可能である。また、反応管11には例えば直径
1mm以下のオリフィスを設けた隔壁を設け、隣接する
隔壁はオリフィスの数を変えたりしてクラッキングガス
の反応管内の滞留時間を長くし、必要に応じて、隔壁で
分離された隔室に石英等の充填材を収容して熱クラッキ
ングの効率を向上させることができる。
【0038】図3は、光照射クラッキングの状況を説明
するための図であり、ガスセルから放出される原料ガス
の分子線に対して、光を照射してクラッキングを行う状
況を示したものである。光源は、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、エキシマレーザ等の紫外、可視領域の光を放射す
るものであればよい。なお、熱クラッキングセルの出口
に向けて光照射用ポートを配置して光照射クラッキング
を熱クラッキングと併用することも可能である。
【0039】ガスセルのクラッキング部分である反応管
は、通常、高温でも脱ガスの少ないTa,W等の金属製
のものが用いられる。また、金属アミド化合物のクラッ
キングに際して、金属の触媒作用で金属アミド化合物か
ら水素が解離するおそれがあるので、これを抑制する目
的で、反応管を金属製から石英製やpBN製にすること
も有効である。
【0040】本発明の方法で製造すII-VI 族化合物半導
体は、ZnS、ZnSx Se1-x 、Zny Cd1-y Se
等であり、Nドーピング用の金属アミド化合物は、II-V
I 族化合物半導体のII族原子を含有する金属アミド化合
物が使用される。本発明の金属アミド化合物は、上記一
般式(I) 及び(II)で表される化合物が適しており、具体
的な化合物は表1、2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】以下、金属アミド化合物として亜鉛アミド
化合物をドーパントとして用い、Nドープp型ZnSe
半導体を製造する場合を例にして説明する。本発明は、
上記のようにガスソースMBE法を用いることにより、
キャリアガスを使用する必要がなくなるので、水素パッ
シベーションの影響がない。ガスクセルを用いてZnア
ミド化合物のクラッキングを行うと、亜鉛と窒素が結合
したZn−N活性種が生成され、例えばZnSe結晶中
にドーピングされると、窒素は亜鉛の隣のセレンサイト
に入り、窒素はアクセプターとして効率よく活性化す
る。
【0044】図4は、亜鉛アミド化合物としてトリメチ
ルシリルアミド亜鉛(Zn〔N(Si(CH3 3
22 、以下TMSAZという)を用い、ZnSe単結
晶中にNをドーピングするときのモデルを図示したもの
である。TMSAZは熱クラッキング及び/又は光照射
クラッキングにより、N−Zn−N又はZn−Nの活性
種が生成され、その形のままZnSe中にドープされ、
ZnSeのSeサイトにNが入ってアクセプターとして
活性化しているものと推定される。
【0045】
【実施例】
〔実施例1〕図1のMBE装置を用いてp型ZnSeエ
ピタキシャル膜を製造した。硫酸・過酸化水素系のエッ
チャントでエッチングしたGaAs基板を用い、分子線
セルには、それぞれ亜鉛とセレンを入れ、ガスセルの原
料ボトルにはトリメチルシリルアミド亜鉛(TMSA
Z)を入れた。成長室内は5×10-9Torr以下まず
真空排気され、マニピュレータ(MP)の設定温度を6
80℃に保持して30分間サーマルクリーニングした
後、400℃(MP設定温度)に保持した。このときの
基板の表面温度(成長温度)は250〜300℃である
と思われる。
【0046】まず、Znセル及びSeセルのシャッター
を開け、ノンドープZnSeを500オングストローム
成長し、引き続きガスクラッキングセルのニードルバル
ブを調節してTMSAZをガスセル内に導入してZnS
eの成長と共にドーピングを行った。このときのガスク
ラッキングセルのクラッキング温度は400℃であり、
原料ボトルの温度はクールニクスで20℃に制御した。
このドーピング時に、ガスセルからのガスに対する光照
射ポート及び基板照射用の光照射ポートには500Wの
超高圧水銀灯を用いて光照射を行った。
【0047】このようにして作製した膜厚1.2μmの
エピタキシャル膜は、金電極を設けて室温でC−V測定
を行ったところ、3×1018cm-3という高いp型キャ
リア濃度が確認された。
【0048】〔実施例2〜5及び比較例1〕実施例1に
おいて、ドーピング条件(クラッキング方法等)を表3
に記載のように変化させ、その他の条件は実施例1と同
様にしてエピタキシャル成長を行った。得られたエピタ
キシャル膜のキャリア濃度は実施例1と同様に測定し、
結果を表3に示した。なお、実施例2〜5及び比較例1
のエピタキシャル膜の膜厚は、全て1〜1.2μmの範
囲にあった。
【0049】
【表3】
【0050】比較例1では、TMSAZを熱クラッキン
グも光照射クラッキングも行わずにNをドープしたもの
で、高いキャリア濃度が得られずp型化していないこと
が分かる。このエピタキシャル膜は、TMSAZがクラ
ッキングされずに、大きな分子のままドープされ、結晶
性を悪くしているものと考えられる。
【0051】実施例1、4は、実施例2に比べて熱クラ
ッキング温度が低いが、光照射クラッキングを併用した
り、さらに、基板光照射を併用することにより、キャリ
ア濃度が向上していることが分かる。実施例5は、実施
例2と同じ600℃という熱クラッキング温度を採用し
ているが、ガスセル反応管の材質をタンタルから石英に
変更したため、タンタル金属の触媒効果によるTMSA
Zからの水素の解離を抑制することができ、その結果、
キャリア濃度が向上したものと考えられる。
【0052】〔実施例6〕実施例2において、熱クラッ
キング温度を800℃とし、その他の条件を実施例2と
同様にしてエピタキシャル成長を行った。得られたエピ
タキシャル膜を実施例1と同様に測定した結果、p型キ
ャリア濃度は1×1018cm-3であった。このエピタキ
シャル膜を窒素雰囲気中で300℃10時間熱アニーリ
ングを行ったところ、キャリア濃度が2×1018cm-3
まで増加できたことが確認された。
【0053】これは、クラッキング温度が高いため、T
MSAZのクラッキングの過程で水素や低分子物質(C
H,CH2 ,CH3 ,NH,NH2 ,SiH,Si
2 ,SiH3 等)が生成され、エピタキシャル膜中に
ドーピングされ、水素パッシベーション等の窒素アクセ
プターの不活性化が起こっていたものが、不活性雰囲気
中での熱アニーリングにより、これらの低分子物質がエ
ピタキシャル膜から放出されたため、p型キャリア濃度
が向上したものと考えられる。
【0054】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、これまで不可能と思われていた1×1018cm-3
以上のキャリア濃度を有するp型II-VI 族化合物半導体
エピタキシャル膜の製造を可能とし、化合物半導体発光
ダイオード装置や化合物半導体レーザダイオード装置の
製造が容易になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のp型II-VI 族化合物半導体エピタキシ
ャル膜の製造装置の概念図である。
【図2】図1の装置に用いる熱クラッキングセルの断面
図である。
【図3】図1の装置に用いる光照射クラッキングの状況
を説明するための図である。
【図4】TMSAZを用いてZnSeエピタキシャル成
長を行うときの、ZnSeへの窒素のドーピングを説明
するためのモデル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 33/00 H01L 33/00 D

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Nドープp型II-VI 族化合物半導体のエ
    ピタキシャル成長膜を製造する方法において、前記II-V
    I 族化合物のII族原子を含有する金属アミド化合物をド
    ーピング用ガスソースとして用い、これをクラッキング
    してMBE法でエピタキシャル成長させることを特徴と
    するNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル
    成長膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属アミド化合物が下記一般式(I)
    又は(II)で表される化合物であることを特徴とする請求
    項1記載のNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキ
    シャル成長膜の製造方法。 【化1】 (式中、MはZn,Cd,Hg,Be及びMgの群から
    選択される原子である。R1 ,R2 ,R3 及びR4 は水
    素、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、アルコキシ
    基、アリル基、アリール基、及び、トリアルキルシリル
    基の群から選ばれる置換基であり、同じでも異なってい
    てもよい。) 【化2】 (式中、MはZn,Cd,Hg,Be及びMgの群から
    選択される原子である。R5 ,R6 及びR7 は水素、脂
    肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、アルコキシ基、ア
    リル基、アリール基、及び、トリアルキルシリル基の群
    から選ばれる置換基であり、同じでも異なっていてもよ
    い。)
  3. 【請求項3】 前記II-VI 族化合物半導体がZnSe系
    化合物半導体であることを特徴とする請求項1又は2記
    載のNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル
    成長膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属アミド化合物の金属原子がZn
    であることを特徴とする請求項3記載のNドープp型II
    -VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属アミド化合物のクラッキングを
    熱クラッキング及び/又は光照射クラッキングで行うこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のN
    ドープp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板上の反応を活性化するために、
    基板に光を照射するすることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載のNドープp型II-VI族化合物半
    導体エピタキシャル成長膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記p型II-VI 族化合物半導体エピタキ
    シャル成長膜を不活性雰囲気中で熱アニールすることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のNドー
    プp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 Nドープp型II-VI 族化合物半導体エピ
    タキシャル成長膜の製造装置において、II族元素の分子
    線セル、VI族元素の分子線セル、及び、前記II-VI 族化
    合物のII族原子を含有する金属アミド化合物用のガスセ
    ルを、基板に対向して配置したことを特徴とするNドー
    プp型II-VI 族化合物半導体エピタキシャル成長膜の製
    造装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方
    法で製造したNドープp型II-VI 族化合物半導体エピタ
    キシャル成長膜。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のp型II-VI 族化合物半
    導体エピタキシャル成長膜を用いた化合物半導体発光ダ
    イオード装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のp型II-VI 族化合物半
    導体エピタキシャル成長膜を用いた化合物半導体レーザ
    ーダイオード装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007122949A1 (ja) * 2006-03-23 2007-11-01 Ngk Insulators, Ltd. 窒化物単結晶の製造装置

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