JPH10269546A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JPH10269546A
JPH10269546A JP7235197A JP7235197A JPH10269546A JP H10269546 A JPH10269546 A JP H10269546A JP 7235197 A JP7235197 A JP 7235197A JP 7235197 A JP7235197 A JP 7235197A JP H10269546 A JPH10269546 A JP H10269546A
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JP
Japan
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protective film
magnetic
carbon protective
roll
durability
Prior art date
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Application number
JP7235197A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sato
研一 佐藤
Yukihiro Kojika
行広 小鹿
Jota Ito
条太 伊藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な耐久性が確保されるようなカーボン保
護膜の物性を規定し、耐久性を良好とする。 【解決手段】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜を形成
し、この上にガウス型の波形を使用して求められる波長
1300cm-1〜1400cm-1付近のピーク高さとス
ペクトル半値幅の積Idと、ガウス型の波形を使用して
求められる波長1500cm-1〜1600cm-1付近の
ピーク高さとスペクトル半値幅の積Igとの強度比Id
/Igが0.3≦Id/Ig≦1.5であるカーボン保
護膜を形成する。上記カーボン保護膜の厚さを2〜30
nm以下とすることが好ましく、波長1300cm-1
1400cm-1付近のスペクトル半値幅Wdを200c
-1≦Wd≦500cm-1とし、波長1500cm-1
1600cm-1付近のスペクトル半値幅Wgを100c
-1≦Wg≦400cm-1とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
金属磁性薄膜が形成され、この上にカーボン保護膜が形
成された磁気記録媒体に関する。詳しくは、カーボン保
護膜の物性を規定し、カーボン保護膜の耐久性を高め、
耐久性が向上された磁気記録媒体に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、酸化物磁
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリウレタン樹脂等の結合剤、有機溶剤よりなる磁
性塗料を非磁性支持体上に塗布することで磁性層が形成
される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使用され
ている。
【0003】これに対し、高密度記録化への要求の高ま
りとともに、Co、Co−Ni合金、Co−Cr合金、
Co−O等の金属磁性材料をめっきや真空薄膜形成技術
(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等)によってポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムやポリエチレンナフタレート(PEN)フ
ィルム、アラミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被
着させることで磁性層が形成される、いわゆる金属磁性
薄膜型の磁気記録媒体が提案され注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、塗
布型の磁気記録媒体に比べて保磁力、角形比等の磁気特
性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばかり
でなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能であ
るため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこ
と、磁性層中に非磁性材である結合剤等を混入する必要
がないことから、磁性材料の充填密度を高めることが可
能である等数々の利点を有している。
【0005】このような磁気記録媒体においては、電磁
変換特性を更に向上させ、より大きな出力を得ることを
可能とするために、磁性層形成時に磁性層を斜めに蒸着
するいわゆる斜方蒸着が提案され、実用化されている。
【0006】このような磁気記録媒体は、記録減磁が少
ないという優れた特性を有し、磁性層の構造に起因する
リングヘッドで記録し易いため、ビデオテープレコーダ
ー用の磁気記録媒体として既に実用化され、今後、ハイ
バンド8ミリビデオテープレコーダー、例えば家庭用等
のデジタルビデオテープレコーダー(VTR)等、更に
高品位なシステムへの対応が期待されている。
【0007】さらに、このような斜方蒸着型の金属薄膜
型磁気記録媒体においては、磁性層表面が鏡面に近い状
態となり、磁気ヘッドに対して貼り付きを起こし易いた
め、非磁性支持体の表面に微小な突起を設けるようにし
て磁性層表面に突起部が存在するようにし、磁気ヘッド
との実質的な接触面積を低減するようにして磁性層の耐
久性を確保し、磁気記録媒体の耐久性を確保するように
している。
【0008】しかしながら、デジタルVTRにおいて
は、高記録密度と共にデータの転送レートも高速となる
ため、磁気ヘッドと磁気記録媒体間の相対速度はアナロ
グ記録の場合の2倍以上が必要とされることとなる。ま
た、業務用の磁気記録媒体においては、編集モード等の
過酷な使用条件に対応可能な仕様が要求される。従っ
て、磁気ヘッドが高速回転する上記のような分野で使用
される磁気記録媒体においては、当該磁気記録媒体が受
ける損傷が大きく、磁気記録媒体の走行耐久性やスティ
ル耐久性等の耐久性の更なる向上が必要となる。このた
め、磁性層表面に保護膜を形成する技術の検討がされて
いる。そして、例えば家庭用のデジタルVTRにおいて
は、カーボン保護膜を形成するようにしている。
【0009】保護膜としては、上記カーボン膜の他、石
英(SiO2 )膜、ジルコニア(ZrO2 )膜等が検討
されており、なかでも高い硬度を有する硬質カーボン膜
(以下、ダイヤモンドライクカーボン膜:DLC膜と称
する。)は、特に静止モード等における耐久性を向上さ
せる摺動耐久性に優れている。
【0010】なお、このDLC膜は、スパッタリング法
あるいはCVD法によって形成されるが、スパッタリン
グ法は膜形成速度が比較的遅いことから、工業的にはC
VD法を用いる方が有利である。
【0011】CVD法は、電場や磁場を用いて発生させ
たプラズマのエネルギーを利用して原料となる気体に分
解、合成等の化学反応をおこさせ、この化学反応物を支
持体上に沈着させることで薄膜を形成する薄膜形成技術
である。
【0012】なお、カーボンには、グラファイト構造を
有するもの、ダイヤモンド構造を有するもの等が知られ
ており、ラマン分光スペクトルを測定すると、それぞれ
に由来するピークが観測される。
【0013】ここで言うダイヤモンドライクカーボン膜
とは、グラファイトに比べ、硬度が高いアモルファスカ
ーボンであり、ラマン分光において、波長1500cm
-1〜1600cm-1付近にsp2 結合に起因するピーク
を有し、波長1300cm-1〜1400cm-1付近にブ
ロードなショルダーピークを有するスペクトルを呈する
ものを指す。前者の波長1500cm-1〜1600cm
-1付近のピークは乱層構造によるスペクトルであるが、
当該ダイヤモンドライクカーボン膜の膜質は波長150
0cm-1〜1600cm-1付近のピークと波長1300
cm-1〜1400cm-1付近のピークに分離したスペク
トルにおいて、ガウス型の波形を使用して求められる波
長1300cm-1〜1400cm-1付近のピーク高さと
スペクトル半値幅の積であるIdと、ガウス型の波形を
使用して求められる波長1500cm-1〜1600cm
-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅の積であるIg
との強度比Id/Igにより解析される。
【0014】しかしながら、このDLC膜は成膜方法や
その条件によりその微妙な構造や物性が変化し易く、保
護膜とした場合に十分な耐久性、特に走行耐久性が得ら
れなくなってしまう可能性がある。
【0015】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、十分な耐久性が確保されるようなカ
ーボン保護膜の物性を規定し、耐久性の良好な磁気記録
媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成さ
れ、さらにカーボン保護膜が形成されてなる磁気記録媒
体であって、カーボン保護膜が、ガウス型(Gauss
型)の波形を使用して求められる波長1300cm-1
1400cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅の
積であるIdと、ガウス型(Gauss型)の波形を使
用して求められる波長1500cm-1〜1600cm-1
付近のピーク高さとスペクトル半値幅の積であるIgと
の強度比Id/Igが0.3≦Id/Ig≦1.5とさ
れる膜であることを特徴とするものである。
【0017】なお、上記の本発明の磁気記録媒体におい
ては、カーボン保護膜の厚さが2nm以上,30nm以
下であることが好ましい。
【0018】さらに、上記本発明の磁気記録媒体におい
ては、波長1300cm-1〜1400cm-1付近のスペ
クトル半値幅であるWdが、200cm-1≦Wd≦50
0cm-1であり、波長1500cm-1〜1600cm-1
付近のスペクトル半値幅であるWgが、100cm-1
Wg≦400cm-1であることが好ましい。
【0019】本発明の磁気記録媒体においては、非磁性
支持体上に金属磁性薄膜が形成され、さらにこの上にガ
ウス型の波形を使用して求められる波長1300cm-1
〜1400cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅
の積であるIdと、ガウス型の波形を使用して求められ
る波長1500cm-1〜1600cm-1付近のピーク高
さとスペクトル半値幅の積であるIgとの強度比Id/
Igが0.3≦Id/Ig≦1.5とされるカーボン保
護膜が形成されており、カーボン保護膜の物性が規定さ
れていることから、耐久性、特に走行耐久性が十分に確
保される。
【0020】また、本発明の磁気記録媒体において、カ
ーボン保護膜の厚さを2nm以上,30nm以下とすれ
ば、電磁変換特性や耐久性、特に静止モードにおける耐
久性(スティル耐久性)が向上する。
【0021】さらに、本発明の磁気記録媒体において、
波長1300cm-1〜1400cm-1付近のスペクトル
半値幅であるWdを200cm-1≦Wd≦500cm-1
とし、波長1500cm-1〜1600cm-1付近のスペ
クトル半値幅であるWgを100cm-1≦Wg≦400
cm-1とすれば、静止モードにおける耐久性(スティル
耐久性)が更に向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0023】本例の磁気記録媒体は、図1に示すよう
に、非磁性支持体21上に金属磁性薄膜22が形成さ
れ、この金属磁性薄膜22上にカーボン保護膜23が形
成されて主に構成されている。
【0024】上記非磁性支持体21としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリ
エチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セル
ローストリアセテート,セルロースダイアセテート,セ
ルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビ
ニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材料の
他、アルミニウム合金,チタン合金等の軽金属、アルミ
ナガラス等のセラミック等が挙げられる。非磁性支持体
にアルミニウム合金板やガラス板等の剛性を有する基板
を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等の酸
化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面を硬くする
ようにしてもよい。
【0025】上記金属磁性薄膜22は、強磁性金属材料
をメッキや真空薄膜形成手段によって非磁性支持体上に
被着することで形成される。
【0026】強磁性金属材料としては、金属磁性薄膜型
の磁気記録媒体で通常用いられているものがいずれも使
用可能であり、具体的にはFe,Co,Ni等の強磁性
金属、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、F
e−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Mn
−Bi、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−
Cr、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−C
o−Ni−Cr等の強磁性合金が挙げられる。金属磁性
薄膜としては、これら強磁性金属材料の単層膜であって
もよいし多層膜であってもよい。さらには、非磁性支持
体と金属磁性薄膜の間、多層膜の場合には各層間に、付
着力の向上、並びに抗磁力の制御等の目的で、下地層ま
たは中間層を設けるようにしても良い。また、金属磁性
膜表面近傍が耐食性改善等のために酸化物となされてい
ても良い。
【0027】強磁性金属材料を被着形成するための真空
薄膜形成手段としては、真空下で強磁性金属材料を加熱
蒸発させ、非磁性支持体上に沈着させる真空蒸着法や、
強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティ
ング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電
を起こし生じたアルゴンイオンでターゲット表面の原子
を叩き出すスパッタ法等、いわゆるPVD技術が挙げら
れる。
【0028】上記カーボン保護膜23は、媒体に耐久性
を付与するために設けられるもので、例えばCVD、ス
パッタ法等の薄膜形成手段によって形成される。
【0029】すなわち、本例の磁気記録媒体において
は、金属磁性薄膜22上に、カーボン保護膜23が設け
られることで、耐久性が付与される。
【0030】上記薄膜形成手段としては、薄膜形成材料
の蒸発を放電中で行うイオンプレーディング法、アルゴ
ンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生じ
たアルゴンイオンでターゲットの表面の原子をたたき出
すスパッタ法等のいわゆるPVD技術やプラズマCV
D、ECRプラズマCVD、アークジェットCVD等の
技術が例示される。
【0031】なお、本例の磁気記録媒体においては、カ
ーボン保護膜23上に例えばフッ素系の潤滑剤よりなる
潤滑剤層24を形成したり、非磁性支持体21の金属磁
性薄膜22が形成されない側、すなわち走行面側に例え
ばポリウレタンを主原料とするバックコート層25を形
成するようにしても良い。
【0032】そして、本例の磁気記録媒体においては特
に、上記カーボン保護膜23が、ガウス型の波形を使用
して求められる波長1300cm-1〜1400cm-1
近のピーク高さとスペクトル半値幅の積であるIdと、
ガウス型の波形を使用して求められる波長1500cm
-1〜1600cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値
幅の積であるIgとの強度比Id/Igが0.3≦Id
/Ig≦1.5とされる膜とされており、カーボン保護
膜の物性が規定されていることから、耐久性、特に走行
耐久性が十分に確保され、磁気記録媒体としての耐久性
が良好となる。
【0033】また、本例の磁気記録媒体においては、上
記カーボン保護膜23の厚さを2nm以上,30nm以
下としており、電磁変換特性や耐久性、特に静止モード
における耐久性が向上する。
【0034】さらに、本例の磁気記録媒体においては、
上記カーボン保護膜23が、波長1300cm-1〜14
00cm-1付近のスペクトル半値幅であるWdが200
cm-1≦Wd≦500cm-1とされ、波長1500cm
-1〜1600cm-1付近のスペクトル半値幅であるWg
が100cm-1≦Wg≦400cm-1とされた膜とされ
ているため、走行耐久性及び静止モードにおける耐久性
(スティル耐久性)が更に向上される。
【0035】
【実施例】次に、本発明の効果を確認するべく、以下に
示すような実験を行った。
【0036】実験例1 〈試料の作製〉先ず、図2に示すようにポリエチレンテ
レフタレートよりなる非磁性支持体を用意して非磁性支
持体用意ST1を行い、この一主面側にCox Ni
100-x (x=100〜80、数字は各元素の含有量を重
量%で表すものである。)よりなる金属磁性薄膜をCo
を原料として酸素を導入しながら形成して金属磁性薄膜
形成(蒸着)ST2を行った。この金属磁性薄膜は、図
3に示すような真空蒸着装置を用いて斜方蒸着を行って
形成するものとした。
【0037】この真空蒸着装置は、図3に示すように、
頭部と底部にそれぞれ設けられた排気口15から排気さ
れて内部が真空状態となされた真空室l内に、図中の時
計回り方向に定速回転する送りロール3と、図中の時計
回り方向に定速回転する巻取りロール4とが設けられ、
これら送りロール3から巻取りロール4にテープ状の非
磁性支持体2が順次走行するようになされている。
【0038】これら送りロール3から巻取りロール4側
に上記非磁性支持体2が走行する中途部には、上記各ロ
ール3,4の径よりも大径となされた冷却キャン5が設
けられている。この冷却キャン5は、上記非磁性支持体
2を図中下方に引き出すように設けられ、図中の時計回
り方向に定速回転する構成とされる。なお、上記送りロ
ール3、巻取りロール4及び冷却キャン5は、それぞれ
非磁性支持体2の幅と略同じ長さからなる円筒状をなす
ものである。また上記冷却キャン5には、内部に図示し
ない冷却装置が設けられ、上記非磁性支持体2の温度上
昇による変形等を抑制し得るようになされている。
【0039】従って、上記非磁性支持体2は、図中矢印
1 で示すように、送りロール3から順次送り出され、
さらに上記冷却キャン5の周面を通過し、巻取りロール
4に巻取られていくようになされている。なお、上記送
りロール3と上記冷却キャン5との間及び該冷却キャン
5と上記巻取りロール4との間にはそれぞれガイドロー
ル6、7が配設され、上記送りロール3から冷却キャン
5及び該冷却キャン5から巻取りロール4にわたって走
行する非磁性支持体2に所定のテンションをかけ、該非
磁性支持体2が円滑に走行するようになされている。ま
た、上記真空室1内には、上記冷却キャン5の下方にル
ツボ8が設けられ、このルツボ8内に金属磁性材料9が
充填されている。このルツボ8は、上記冷却キャン5の
長手方向の幅と略同一の幅を有している。
【0040】一方、上記真空室lの側壁部には、上記ル
ツボ8内に充填された金属磁性材料9を加熱蒸発させる
ための電子銃10が取り付けられる。この電子銃10
は、当該電子銃10より放出される図中矢印Xで示され
る電子線が上記ルツボ8内の金属磁性材料9に照射され
るような位置に配設される。そして、この電子銃10に
よって蒸発した金属磁性材料9が上記冷却キャン5の周
面を定速走行する非磁性支持体2上に磁性層として被着
形成されるようになっている。また、上記冷却キャン5
と上記ルツボ8との間であって該冷却キャン5の近傍に
は、シャッタ13が配設されている。このシャッタ13
は、上記冷却キャン5の周面を定速走行する非磁性支持
体2の所定領域を覆う形で形成され、このシャッタ13
により上記蒸発せしめられた金属磁性材料9が上記非磁
性支持体2に対して所定の最低入射角で斜めに蒸着され
るようになっている。さらに、このような蒸着に際し、
上記真空室1の側壁部を貫通して設けられる酸素ガス導
入口12を介してポンプ17より非磁性支持体2の表面
に酸素ガスが供給され、磁気特性、耐久性及び耐候性の
向上が図られている。
【0041】また、この真空蒸着装置においては、真空
室1内部をルツボ8等が設けられる下部と送りロール3
と巻取りロール4が設けられる上部に分割する分割板1
4が冷却キャン5の回転軸と略同じ高さの位置に冷却キ
ャンの回転を損なうことのないように設けられている。
さらに、この真空蒸着装置においては、ルツボ8内に金
属磁性材料9を供給するための磁性材料供給ボックス1
1が分割板11で仕切られた真空室1の上部に設けら
れ、ここから分割板14を貫通してルツボ8に金属磁性
材料9を供給する供給口16も設けられている。
【0042】なお、本実施例で採用した蒸着条件を以下
に示す。
【0043】蒸着条件 材料: PureCo 入射角: 45° 金属磁性薄膜厚: 0.2μm 蒸着速度: 25m/min 以上のようにして金属磁性薄膜を成膜した後、図2中に
示すように、カーボン保護膜形成(スパッタ)ST3を
行った。このカーボン保護膜は、図4に示すようなスパ
ッタ装置を用いて形成するものとした。
【0044】上記スパッタ装置は、図4に示すように、
上下に排気口45が配され内部が真空状態となされた真
空室41内に、送り出しロール42,巻取りロール4
3,キャンロール44が配され、送り出しロール42,
キャンロール44,巻取りロール43の間にはそれぞれ
ガイドロール46,47が配設されている。そして、こ
れら送り出しロール42,ガイドロール46,キャンロ
ール44,ガイドロール47,巻取りロール43の上を
非磁性支持体48が図中矢印M2 で示すような方向で順
次走行するようになされている。
【0045】上記キャンロール44は、送り出しロール
42に巻装されている非磁性支持体48を図中下方に引
き出すように設けられ、送り出しロール42や巻取りロ
ール43の径よりも大径となされている。なお、送り出
しロール42、巻取りロール43及びキャンロール44
は、それぞれ非磁性支持体48と略同一な幅を有する円
筒状をなすものであり、上記キャンロール44は、内部
に図示しない冷却装置が設けられ、上記非磁性支持体4
8の温度上昇による変形を抑制できるようになってい
る。
【0046】そして、ガイドロール46,47は、それ
ぞれ、送り出しロール42とキャンロール44の間、キ
ャンロール44と巻取りロール43の間に配設され、キ
ャンロール44よりも図中上方に設けられている。すな
わち、ガイドロール46,47は、送り出しロール42
からキャンロール44に供給され、キャンロール44か
ら巻取りロール43に巻取られる非磁性支持体48に所
定のテンションをかけ、該非磁性支持体48が確実にキ
ャンロール44の周面上を走行するようにするものであ
る。
【0047】そして、上記スパッタ装置においては、キ
ャンロール44の下方にスパッタ電極49が設けられ、
上記スパッタ電極49上には薄膜形成材料よりなるター
ゲット51が配されている。なお、上記スパッタ電極4
9とキャンロール44の間にはガスを導入するガス導入
管52が配されている。
【0048】従って、ガス導入管52から導入されるガ
スにより、ターゲット51をスパッタリングすれば、キ
ャンロール44の周面を定速走行する非磁性支持体48
上に薄膜形成材料が被着され、膜として被着形成され
る。
【0049】また、このスパッタ装置においては、真空
室41内部をスパッタ電極49等が設けられる下部と送
り出しロール42と巻取りロール43が設けられる上部
に分割する分割板50がキャンロール44の回転軸と略
同じ高さの位置にキャンロール44の回転を損なうこと
のないように設けられている。
【0050】すなわち、上記のような構成を有するスパ
ッタ装置を使用し、ターゲット51としてカーボンを使
用し、ガス導入管52より圧力を0.2Paとしてアル
ゴンガスを導入し、パワーを6.8W/cm2 としてス
パッタリングを行い、厚さ10μmのカーボン保護膜を
形成すれば良い。
【0051】続いて、図2中に示すように、非磁性支持
体の金属磁性薄膜が形成される主面とは反対側の主面に
カーボンを主体とするバックコート層を形成するバック
コート層形成ST4を行った。
【0052】さらに、図2中に示すように、カーボン保
護膜上にアルキルフェノールを塗布して防錆処理ST5
を行い、この上にフッ素材料であるZ−del−est
er(0.6重量%)を塗布して潤滑剤塗布ST6を行
い、8mm幅に裁断してスリットST7を行い、磁気テ
ープを作製し、これをサンプル1とした。
【0053】次に、カーボン保護膜形成時に導入するア
ルゴンガスの圧力を0.3Paとしてカーボン保護膜を
形成する以外はサンプル1と同様にして磁気テープを製
造し、これをサンプル2とした。さらには、カーボン保
護膜形成時に導入するアルゴンガスの圧力を0.5Pa
としてカーボン保護膜を形成する、カーボン保護膜形成
時に導入するアルゴンガスの圧力を0.8Paとしてカ
ーボン保護膜を形成する以外はサンプル1と同様にして
磁気テープを製造し、これをそれぞれサンプル3,サン
プル4とした。
【0054】さらに、比較のために、カーボン保護膜形
成時に導入するアルゴンガスの圧力を0.1Paとして
カーボン保護膜を形成する、カーボン保護膜形成時に導
入するアルゴンガスの圧力を1.0Paとしてカーボン
保護膜を形成する以外はサンプル1と同様にして磁気テ
ープを製造し、これをそれぞれサンプル5,サンプル6
とした。さらには、カーボン保護膜形成時に導入するア
ルゴンガスの圧力を1.2Paとしてカーボン保護膜を
形成する、カーボン保護膜形成時に導入するアルゴンガ
スの圧力を1.4Paとしてカーボン保護膜を形成する
以外はサンプル1と同様にして磁気テープを製造し、こ
れをそれぞれサンプル7,サンプル8とした。
【0055】〈特性の評価〉次に、上記のようにして製
造されたサンプル1〜4とサンプル5〜8の磁気テープ
のカーボン保護膜の膜質とこれらの走行耐久性を評価し
た。
【0056】上記カーボン保護膜の膜質の評価は、ラマ
ン分光分析により行った。先ず、上記サンプル1〜4及
びサンプル5〜8の磁気テープのカーボン保護膜のレー
ザ励起波長が488nmのときのラマンスペクトルをラ
マン分光装置によりそれぞれ検出した。ラマン分光装置
の検出感度には波長依存性があるため、全てのラマンス
ペクトルに対して別途測定したハロゲンランプのスペク
トルを基準とした除算処理を施すこととした。
【0057】続いて、上記のようにして得られたラマン
スペクトルに対して2つのガウス型(Gauss型)の
波形を仮定することによりパラメータフィッティングを
行い、スペクトルを乱層構造によるsp3 結合に起因す
るピーク1(Disordered Band)と黒鉛
構造によるsp2 結合に起因するピーク2(Graph
ite Band)の形状及び大きさを以下に示すよう
な方法で評価し、波長1300cm-1〜1400cm-1
付近のピーク高さとスペクトル半値幅の積であるId
と、ガウス型の波形を使用して求められる波長1500
cm-1〜1600cm-1付近のピーク高さとスペクトル
半値幅の積であるIgとの強度比Id/Igを求めた。
【0058】すなわち、例えば、図5に示すように図中
Aで示すスペクトルを乱層構造によるsp3 結合に起因
する波長1300cm-1〜1400cm-1付近(ここで
は波長1350cm-1)におけるピークと黒鉛構造によ
るsp2 結合に起因する波長1500cm-1〜1600
cm-1付近(ここでは波長1580cm-1)におけるピ
ークとに分離する。なお、図5中横軸は波長を示し、縦
軸は強度を示す。そして、これらのピークにおけるピー
ク高さとスペクトル半値幅の積をそれぞれ求め、130
0cm-1〜1400cm-1付近(ここでは波長1350
cm-1)におけるピークにおけるピーク高さとスペクト
ル半値幅の積をIdとし、1500cm-1〜1600c
-1付近(ここでは波長1580cm-1)におけるピー
ク高さとスペクトル半値幅の積をIgとしてこれらの強
度比Id/Igを求める。なお、Id及びIgを図5中
に併せて示すが、この場合のId/Igは0.91とな
る。
【0059】なお、上記のような計算は下記数1に示す
ような式を用いてソフトウエアー上にて行った。
【0060】
【数1】
【0061】上記数1中Hはピークの高さ(a.
u.)、ωは波長(:Raman Shift,c
-1)、Γ1/2 はピークの半値幅FWHM(cm-1)を
表し、添字D,Gはそれぞれ乱層構造、黒鉛構造による
ピークに関することを表す。バックグラウンドは直線で
近似できるものとしてa0 ,a1 を定数とする一次関数
を用いた。
【0062】このようにして得られたサンプル1〜4と
サンプル5〜8の磁気テープのカーボン保護膜の強度比
を表1に示す。なお、表1中には各磁気テープのカーボ
ン保護膜厚とアルゴンガス圧力も併せて示すこととす
る。
【0063】
【表1】
【0064】一方の走行耐久性は、ソニー社製 DCR
−VX1000(機種名)を用い、100回走行させた
前後における出力減衰量を測定して評価した。結果を表
1に併せて示すこととする。なお、この走行耐久性にお
いては、出力減衰量が2dB以下であることが要求され
ている。
【0065】表1を見てわかるように、カーボン保護膜
の強度比Id/Igが0.3≦Id/Ig≦1.5の範
囲とされるサンプル1〜4においては、出力減衰量が2
dB以下であり、カーボン保護膜の強度比Id/Igが
上記範囲外であるサンプル5〜8においては、出力減衰
量が2dBよりも大きいことがわかる。すなわち、本発
明の磁気記録媒体のように、カーボン保護膜として、ガ
ウス型の波形を使用して求められる波長1300cm-1
〜1400cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅
の積であるIdと、ガウス型の波形を使用して求められ
る波長1500cm-1〜1600cm-1付近のピーク高
さとスペクトル半値幅の積であるIgとの強度比Id/
Igが0.3≦Id/Ig≦1.5とされる膜を使用す
れば、良好な走行耐久性が確保され、耐久性が良好とな
ることが確認された。
【0066】実験例2 〈試料の作製〉先ず、実験例1で使用したサンプル1と
同様の手法で、非磁性支持体上に金属磁性薄膜を形成
し、その上にカーボン保護膜を形成する際のアルゴンガ
ス圧力を0.5Paに変更するとともに、非磁性支持体
をキャンロール上周面を定速走行させる速度を変更して
厚さ2nmのカーボン保護膜を形成し、バックコート層
の形成、防錆処理、潤滑剤塗布、スリットの各工程をサ
ンプル1と同様に実施して磁気テープを製造し、これを
サンプル9とした。
【0067】次にサンプル9と同様にして、カーボン保
護膜の厚さが10nm,30nmとされる磁気テープを
製造し、これをそれぞれサンプル10,11とした。
【0068】さらに比較のために、サンプル1と同様の
手法で、非磁性支持体上に金属磁性薄膜を形成し、この
上にカーボン保護膜を形成しないで、バックコート層の
形成、防錆処理、潤滑剤塗布、スリットの各工程をサン
プル1と同様に実施して磁気テープを製造し、これをサ
ンプル12とした。また、サンプル9と同様にして、カ
ーボン保護膜の厚さが1.5nm,35nmとされる磁
気テープを製造し、これをそれぞれサンプル13,14
とした。さらにまた、サンプル9と同様にして、カーボ
ン保護膜の厚さが2nmとされる磁気テープを製造し、
これをサンプル15とした。ただし、サンプル15にお
いては、アルゴンガス圧力を1.4Paに変更した。
【0069】〈特性の評価〉次に、上記のようにして得
られたサンプル9〜11及びサンプル12〜15のカー
ボン保護膜の膜質、電磁変換特性、静止モードにおける
耐久性、走行耐久性を評価した。
【0070】先ず、カーボン保護膜の膜質であるが、実
験例1で述べた手法と同様の手法で評価した。結果を表
2に示す。なお、表2中にはカーボン保護膜厚とアルゴ
ンガス圧力も併せて示すこととする。
【0071】
【表2】
【0072】また、走行耐久性についても実験例1と同
様の手法で評価した。結果を表2に併せて示す。
【0073】なお、電磁変換特性であるが、固定ヘッド
ドラムテスターを使用し、初期出力を測定して評価する
こととした。この電磁変換特性においては、初期出力が
−5dB以内であることが要求されている。さらに、静
止モードにおける耐久性であるが、ソニー社製 DCR
−VX1000(機種名)を使用して出力が3dB低下
するまでの時間を測定する、すなわちスティル耐久性と
して評価することとした。この静止モードにおける耐久
性であるが、1時間以上であることが要求されている。
これら初期出力及びスティル耐久性の結果も表2に併せ
て示すこととする。
【0074】表2の結果を見てわかるように、ガウス型
の波形を使用して求められる波長1300cm-1〜14
00cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅の積で
あるIdと、ガウス型の波形を使用して求められる波長
1500cm-1〜1600cm-1付近のピーク高さとス
ペクトル半値幅の積であるIgとの強度比Id/Igが
0.3≦Id/Ig≦1.5とされるカーボン保護膜が
形成されているサンプル9〜11及びサンプル13〜1
4においては、出力減衰量が2dB以下であり、カーボ
ン保護膜の強度比Id/Igが上記範囲外であるサンプ
ル15においては、出力減衰量が2dBよりも大きく、
カーボン保護膜が形成されていないサンプル12におい
ては、出力減衰量が他のサンプルと比較して非常に大き
な値となってしまうことがわかる。すなわち、本発明の
磁気記録媒体のように、カーボン保護膜を形成し、この
カーボン保護膜を、ガウス型の波形を使用して求められ
る波長1300cm-1〜1400cm-1付近のピーク高
さとスペクトル半値幅の積であるIdと、ガウス型の波
形を使用して求められる波長1500cm-1〜1600
cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅の積である
Igとの強度比Id/Igが0.3≦Id/Ig≦1.
5とされる膜とすれば、良好な走行耐久性が確保され、
耐久性が良好となることが確認された。
【0075】また、表2の結果から、カーボン保護膜の
厚さが2nm以上,30nm以下とされているサンプル
9〜11においては、初期出力が−5dB以下であり、
スティル耐久性が10時間以上と良好な結果が得られて
おり、カーボン保護膜の厚さが2nmよりも薄いサンプ
ル13においては、初期出力は−5dB以下であるもの
の、膜厚が薄いためにスティル耐久性が0.5時間と低
く、カーボン保護膜の厚さが30nmよりも厚いサンプ
ル14においては、スティル耐久性は10時間以上であ
るものの、スペーシングロスのために初期出力が−5d
Bよりも大きくなってしまうことがわかる。すなわち、
本発明の磁気記録媒体において、カーボン保護膜の物性
を上述のように規定するとともに、その厚さを2nm以
上,30nm以下とすれば、電磁変換特性や耐久性、特
に静止モードにおける耐久性が向上し、耐久性が更に良
好となることが確認された。
【0076】なお、本発明のようにカーボン保護膜の物
性を規定すれば、サンプル9のように膜厚が2nmと薄
くても十分な耐久性を確保することができることも確認
された。
【0077】実験例3 〈試料の作製〉先ず、図2に示すように厚さ6.0μm
で幅600mmのポリエチレンテレフタレートよりなる
非磁性支持体を用意して非磁性支持体用意ST1を行
い、この一主面側にCox Ni100-x (x=100〜8
0、数字は各元素の含有量を重量%で表すものであ
る。)よりなる金属磁性薄膜をCoを原料として酸素を
導入しながら形成して金属磁性薄膜形成(蒸着)ST2
を行った。この金属磁性薄膜は、図6に示すような真空
蒸着装置を用いて形成するものとした。
【0078】なお、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体にお
いては、非磁性支持体の金属磁性薄膜形成面の表面粗さ
がスティル耐久性に大きく影響することが知られてお
り、本実験例においては、非磁性支持体として既に市販
されているソニー社製デジタルビデオカセットテープに
使用されている非磁性支持体と同様の表面性を有する非
磁性支持体を使用することとし、非磁性支持体の表面性
に起因するスティル耐久性の劣化を防ぐこととした。な
お、このような非磁性支持体を使用すれば、蒸着テープ
の特長である短波長域における高出力が十分に発揮され
るものと思われる。
【0079】この真空蒸着装置は、先に図3に示した真
空蒸着装置と略同様の構成を有するものであり、図示し
ない真空ポンプにより内部が10-2Pa程度の真空状態
となされた真空室6l内に、図中の時計回り方向に定速
回転する送りロール63と、図中の反時計回り方向に定
速回転する巻取りロール64とが設けられ、これら送り
ロール63から巻取りロール64にテープ状の非磁性支
持体62が順次走行するようになされている。
【0080】これら送りロール63から巻取りロール6
4側に上記非磁性支持体62が走行する中途部には、上
記各ロール63,64の径よりも大径となされた冷却キ
ャン65が設けられている。この冷却キャン65は、上
記非磁性支持体62を図中左方に引き出すように設けら
れ、図中の反時計回り方向に定速回転する構成とされ
る。なお、上記送りロール63、巻取りロール64及び
冷却キャン65は、それぞれ非磁性支持体62の幅と略
同じ長さからなる円筒状をなすものである。また上記冷
却キャン65には、内部に図示しない冷却装置が設けら
れ、上記非磁性支持体62の温度上昇による溶解等を抑
制し得るようになされており、−20℃に冷却されてい
る。
【0081】従って、上記非磁性支持体62は、図中矢
印M3 で示すように、送りロール63から順次送り出さ
れ、さらに上記冷却キャン65の周面を通過し、巻取り
ロール64に巻取られていくようになされている。な
お、上記冷却キャン65と上記巻取りロール64との間
にはガイドロール67が配設され、上記冷却キャン65
から巻取りロール64にわたって走行する非磁性支持体
62に所定のテンションをかけ、該非磁性支持体62が
円滑に走行するようになされている。また、上記真空室
61内には、上記冷却キャン65の下方にルツボ68が
設けられ、このルツボ68内に金属磁性材料69が充填
されている。このルツボ68は、上記冷却キャン65の
長手方向の幅と略同一の幅を有している。
【0082】一方、上記真空室6lの上部には、上記ル
ツボ68内に充填された金属磁性材料69を加熱蒸発さ
せるための電子銃70が取り付けられる。この電子銃7
0は、当該電子銃70より放出される図中矢印Yで示さ
れる電子線が上記ルツボ68内の金属磁性材料69に照
射されるような位置に配設される。そして、この電子銃
70によって蒸発した金属磁性材料69が上記冷却キャ
ン65の周面を定速走行する非磁性支持体62上に磁性
層として被着形成されるようになっている。また、上記
冷却キャン65と上記ルツボ68との間であって該冷却
キャン65の近傍には、シャッタ73が配設されてい
る。このシャッタ73は、上記冷却キャン65の周面を
定速走行する非磁性支持体62の所定領域を覆う形で形
成され、このシャッタ73により上記蒸発せしめられた
金属磁性材料69が上記非磁性支持体62に対して所定
の入射角で蒸着されるようになっている。さらに、この
ような蒸着に際し、上記真空室61の底面を貫通して設
けられる酸素ガス導入口72を介して図示しないポンプ
より非磁性支持体62の表面に酸素ガスが供給され、磁
気特性の調整が図られている。
【0083】また、この真空蒸着装置においては、真空
室61内部をルツボ68等が設けられる左部と送りロー
ル63と巻取りロール64が設けられる右部に分割し、
さらにルツボ68を囲むような分割板74が、冷却キャ
ン65の周面の一部を露呈し、冷却キャン65の回転を
損なうことのないように設けられている。さらに、この
真空蒸着装置においては、ガイドロール67と巻取りロ
ール64の間に光透過率計66が設けられており、形成
される薄膜の厚さを観測できるようになされている。
【0084】なお、本実施例で採用した蒸着条件を以下
に示す。
【0085】蒸着条件 材料: PureCo 金属磁性薄膜厚: 0.2μm 蒸着速度: 25m/min 酸素導入量:1200cc/min 以上のようにして金属磁性薄膜を成膜した後、図2中に
示すように、カーボン保護膜形成(スパッタ)ST3を
行った。このカーボン保護膜は、図7に示すようなスパ
ッタ装置を用いて形成するものとした。
【0086】上記スパッタ装置は、先に図4に示したス
パッタ装置と略同様の構成を有するものであり、図7に
示すように、側壁に排気口85が配され真空ポンプ86
により内部が10-3Pa程度の真空状態となされた真空
室81内に、送り出しロール82,巻取りロール83,
キャンロール84が配設されている。そして、これら送
り出しロール82,キャンロール84,巻取りロール8
3の上を非磁性支持体88が図中矢印M4 で示すような
方向で順次走行するようになされている。
【0087】上記キャンロール84は、送り出しロール
82に巻装されている非磁性支持体88を図中下方に引
き出すように設けられ、送り出しロール82や巻取りロ
ール83の径よりも大径となされている。なお、送り出
しロール82、巻取りロール83及びキャンロール84
は、それぞれ非磁性支持体88と略同一な幅を有する円
筒状をなすものであり、上記キャンロール84は、内部
に図示しない冷却装置が設けられ、上記非磁性支持体8
8の温度上昇による変形を抑制できるようになってお
り、ここでは−40℃とすることとした。
【0088】そして、上記スパッタ装置においては、キ
ャンロール84の右斜め下方にスパッタ電極89が設け
られ、上記スパッタ電極89上には薄膜形成材料よりな
るターゲット91が配されている。そして、このスパッ
タ電極89には電力を印加するための電力供給部90が
接続されている。なお、上記スパッタ電極89とキャン
ロール84の対向部近傍にはガスを導入するガス導入管
92が配されており、これにはアルゴンガスを供給する
ガス供給部87が接続されている。
【0089】従って、ガス導入管92から導入されるガ
スにより、ターゲット91をスパッタリングすれば、キ
ャンロール84の周面を定速走行する非磁性支持体88
上に薄膜形成材料が被着され、膜として被着形成され
る。
【0090】さらに、上記スパッタ装置においては、キ
ャンロール84と巻取りロール83の間に可視光の反射
率計93が設けられており、形成される膜の厚さが検出
可能となされている。これは、予め断面TEMによって
膜の厚さと反射率の関係を求めておき、反射率から膜厚
を検出するものであり、1nmの精度で膜厚を検出可能
とするものである。
【0091】すなわち、上記のような構成を有するスパ
ッタ装置を使用し、ターゲット91としてカーボンを使
用し、ガス導入管92より圧力を0.5Paとしてアル
ゴンガスを導入し、カソード電力(パワー)を5W/c
2 としてスパッタリングを行い、厚さ10nmのカー
ボン保護膜を形成するようにした。
【0092】なお、本発明者等は、カーボン膜における
ガウス型の波形を使用して求められる波長1300cm
-1〜1400cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値
幅の積であるIdと、ガウス型の波形を使用して求めら
れる波長1500cm-1〜1600cm-1付近のピーク
高さとスペクトル半値幅の積であるIgとの強度比Id
/Igはアルゴンガスの圧力に大きく左右され、上記の
ような成膜条件下で0.3≦Id/Ig≦1.5とする
ためには、アルゴンガスの圧力を0.5Paとすれば良
いことを見い出しており、アルゴンガス圧を0.5Pa
とすることとした。
【0093】続いて、図2中に示すように、非磁性支持
体の金属磁性薄膜が形成される主面とは反対側の主面に
ポリウレタンを主体とするバックコート層を形成するバ
ックコート層形成ST4を行った。
【0094】さらに、ここでは図2中に示す防錆処理S
T5は省略して、カーボン保護膜上にフッ素材料を塗布
して潤滑剤塗布ST6を行い、6.35mm幅に裁断し
てスリットST7を行い、磁気テープを作製し、これを
サンプル16とした。
【0095】次に、カーボン保護膜形成時のカソード電
力を7W/cm2 としてカーボン保護膜を形成する以外
はサンプル16と同様にして磁気テープを製造し、これ
をサンプル17とした。さらには、カーボン保護膜形成
時のカソード電力を7W/cm2 とし、キャンロール温
度を−30℃としてカーボン保護膜を形成する、カーボ
ン保護膜形成時のカソード電力を7W/cm2 とし、キ
ャンロール温度を−20℃としてカーボン保護膜を形成
する以外はサンプル16と同様にして磁気テープを製造
し、これをそれぞれサンプル18,サンプル19とし
た。さらにまた、カーボン保護膜形成時のキャンロール
温度を−10℃としてカーボン保護膜を形成する、カー
ボン保護膜形成時のカソード電力を7W/cm2 とし、
キャンロール温度を−10℃としてカーボン保護膜を形
成する以外はサンプル16と同様にして磁気テープを製
造し、これをそれぞれサンプル20,サンプル21とし
た。
【0096】さらに、比較のために、カーボン保護膜形
成時のカソード電力を7W/cm2とし、キャンロール
温度を−50℃としてカーボン保護膜を形成する以外は
サンプル16と同様にして磁気テープを製造し、これを
サンプル22とした。さらに、カーボン保護膜形成時の
カソード電力を9W/cm2 とし、キャンロール温度を
−40℃としてカーボン保護膜を形成する、カーボン保
護膜形成時のキャンロール温度を−30℃としてカーボ
ン保護膜を形成する以外はサンプル16と同様にして磁
気テープを製造し、これをそれぞれサンプル23,サン
プル24とした。
【0097】さらにまた、カーボン保護膜形成時のカソ
ード電力を9W/cm2 とし、キャンロール温度を−3
0℃としてカーボン保護膜を形成する、カーボン保護膜
形成時のキャンロール温度を−20℃としてカーボン保
護膜を形成する以外はサンプル16と同様にして磁気テ
ープを製造し、これをそれぞれサンプル25,サンプル
26とした。さらに、カーボン保護膜形成時のカソード
電力を9W/cm2 とし、キャンロール温度を−20℃
としてカーボン保護膜を形成する、カーボン保護膜形成
時のカソード電力を9W/cm2 とし、キャンロール温
度を−10℃としてカーボン保護膜を形成する以外はサ
ンプル16と同様にして磁気テープを製造し、これらを
それぞれサンプル27,サンプル28とした。さらにま
た、カーボン保護膜形成時のキャンロール温度を0℃と
してカーボン保護膜を形成する、カーボン保護膜形成時
のカソード電力を7W/cm2 とし、キャンロール温度
を0℃としてカーボン保護膜を形成する以外はサンプル
16と同様にして磁気テープを製造し、これをそれぞれ
サンプル29,サンプル30とした。
【0098】すなわち、上記各サンプルのカーボン保護
膜形成条件は表3に示す通りとなる。
【0099】
【表3】
【0100】〈特性の評価〉次に、上記のようにして製
造されたサンプル16〜21とサンプル22〜30の磁
気テープのカーボン保護膜の膜質とこれらのスティル耐
久性を評価した。
【0101】上記カーボン保護膜の膜質の評価は、実験
例1と同様に行い、波長1300cm-1〜1400cm
-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅、波長1500
cm -1〜1600cm-1付近のピーク高さとスペクトル
半値幅の計算は900cm-1〜2000cm-1の範囲で
行うこととした。
【0102】図8にラマンスペクトルの測定結果に対し
て2つのガウス型(Gauss型)の波形を仮定するこ
とによりパラメータフィッティングを行った例を示す。
なお、図8中横軸は波長を示し、縦軸は強度を示す。す
なわち、例えば、図8に示すように図中Bで示すスペク
トルを図中Dで示すような乱層構造によるsp3 結合に
起因する波長1300cm-1〜1400cm-1付近にお
けるピークと図中Gで示すような黒鉛構造によるsp2
結合に起因する波長1500cm-1〜1600cm-1
近におけるピークとに分離する。
【0103】そして、各スペクトルの図中Hdで示す前
者のピークにおけるピーク高さと図中Wdで示す前者の
ピークにおけるスペクトル半値幅、図中Hgで示す後者
のピークにおけるピーク高さと図中Wgで示す後者のピ
ークにおけるスペクトル半値幅をそれぞれ求めた。さら
に、前者のピークのピーク高さHdとスペクトル半値幅
Wdの積であるIdと、後者のピークのピーク高さHg
とスペクトル半値幅Wgの積であるIgとの強度比Id
/Igもそれぞれ求めた。さらには、ピーク高さHd,
Hgは微妙な測定条件の変動により容易に変動してしま
うため、これらの絶対値を論じても意味がないため、こ
れらの相対値Hd/Hgをピーク値Hとしてそれぞれ求
めた。
【0104】このようにして得られたサンプル16〜2
1とサンプル22〜30の磁気テープのカーボン保護膜
のスペクトル半値幅Wg,Wd、ピーク値H、強度比I
d/Igを表4に示す。
【0105】
【表4】
【0106】一方のスティル耐久性は、ソニー社製 家
庭用デジタルVCR VX1000(機種名)を用い、
0.5μmの信号を記録した後、静止状態とし、再生出
力が初期出力から6dB低下するまでの時間を測定して
評価した。なお、この測定はスティル耐久性評価におい
て過酷な条件とされている−5℃の環境下にて行うこと
とした。結果を表4に併せて示す。この結果は業務用ビ
デオテープの目標値とされている100時間以上のステ
ィル耐久性を達成したものを○、達成できなかったもの
を×として表すこととした。
【0107】ただし、カーボン保護膜の強度比Id/I
gが0.3≦Id/Ig≦1.5の範囲とされるサンプ
ル16〜30の何れにおいても、スティル耐久性は21
時間以上であり、家庭用ビデオテープとしての耐久性は
十分満足していた。
【0108】次に、表4中のスペクトル半値幅Wd,W
gとスチル耐久性の関係を図9に示す。図9中縦軸は波
長1300cm-1〜1400cm-1付近のスペクトル半
値幅Wdを示し、横軸は波長1500cm-1〜1600
cm-1付近のスペクトル半値幅Wgを示し、図中○はス
ティル耐久性が100時間以上である場合を示し、図中
●はスティル耐久性が100時間未満である場合を示
す。
【0109】図9の結果から、波長1300cm-1〜1
400cm-1付近のスペクトル半値幅Wdが200cm
-1≦Wd≦500cm-1であり、波長1500cm-1
1600cm-1付近のスペクトル半値幅Wgが100c
-1≦Wg≦400cm-1である場合においては、ステ
ィル耐久性が100時間以上となっており、業務用ビデ
オテープとして使用可能な程にスティル耐久性が良好と
なることが確認された。
【0110】なお、本実験例により、このスペクトル半
値幅Wd,Wgはカーボン保護膜形成時のキャンロール
温度やカソード電力により調整可能であることも確認さ
れた。
【0111】さらに、本実験例においては、スペーシン
グロスによる電磁変換特性の劣化を考慮してカーボン保
護膜の厚さを10nmに固定して検討したが、波長13
00cm-1〜1400cm-1付近のスペクトル半値幅W
dを200cm-1≦Wd≦500cm-1とし、波長15
00cm-1〜1600cm-1付近のスペクトル半値幅W
gを100cm-1≦Wg≦400cm-1とすれば、カー
ボン保護膜の厚さに関係なく、スティル耐久性を向上す
ることが可能であると思われ、カーボン保護膜の厚さを
限定する必要はない。
【0112】ただし、上記のようなカーボン保護膜の厚
さを10nmよりも薄くして、家庭用ビデオテープ用途
に十分なスティル耐久性や電磁変換特性を得るようにす
ることは十分に考えられる。
【0113】また、非磁性支持体として金属磁性薄膜型
の磁気記録媒体の出力を十分得られる範囲の表面性を有
するものを使用するようにすれば、上記のようなカーボ
ン保護膜の効果は非磁性支持体の表面性の変化に関係な
く発揮されるものと思われる。
【0114】さらに、一般に、潤滑剤は、スティル耐久
性を低下させると言われているが、上記のようなカーボ
ン保護膜を形成するようにすれば、カーボン保護膜自体
がスティル耐久性を向上させるため、潤滑剤に関係な
く、スティル耐久性を向上させる効果を発揮するものと
思われる。
【0115】さらにまた、上記のようなカーボン保護膜
を形成できるような非磁性支持体、金属磁性膜、バック
コート層、潤滑剤層を用いれば、カーボン保護膜の効果
は十分に発揮されるものと思われる。
【0116】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体においては、非磁性支持体上に金属磁
性薄膜が形成され、さらにこの上にガウス型の波形を使
用して求められる波長1300cm-1〜1400cm-1
付近のピーク高さとスペクトル半値幅の積であるId
と、ガウス型の波形を使用して求められる波長1500
cm-1〜1600cm-1付近のピーク高さとスペクトル
半値幅の積であるIgとの強度比Id/Igが0.3≦
Id/Ig≦1.5とされるカーボン保護膜が形成され
ており、カーボン保護膜の物性が規定されていることか
ら、耐久性、特に走行耐久性が十分に確保される。
【0117】また、本発明の磁気記録媒体において、カ
ーボン保護膜の厚さを2nm以上,30nm以下とすれ
ば、電磁変換特性や耐久性、特に静止モードにおける耐
久性(スティル耐久性)が向上し、耐久性が更に向上す
る。
【0118】さらに、本発明の磁気記録媒体において、
波長1300cm-1〜1400cm-1付近のスペクトル
半値幅であるWdを200cm-1≦Wd≦500cm-1
とし、波長1500cm-1〜1600cm-1付近のスペ
クトル半値幅であるWgを100cm-1≦Wg≦400
cm-1とすれば、静止モードにおける耐久性(スティル
耐久性)が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一例を模式的
に示す要部概略断面図である。
【図2】本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法の一
例を示すフローチャートである。
【図3】真空蒸着装置の一例を模式的に示す要部概略断
面図である。
【図4】スパッタ装置の一例を模式的に示す要部概略断
面図である。
【図5】スペクトルと分離されたピークのピーク高さと
スペクトル半値幅の積の関係を示す特性図である。
【図6】真空蒸着装置の他の例を模式的に示す要部概略
断面図である。
【図7】スパッタ装置の他の例を模式的に示す要部概略
断面図である。
【図8】スペクトルと分離されたピークのピーク高さと
スペクトル半値幅の関係を示す特性図である。
【図9】スペクトル半値幅とスティル耐久性の関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
21 非磁性支持体、22 金属磁性薄膜、23 カー
ボン保護膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成さ
    れ、さらにカーボン保護膜が形成されてなる磁気記録媒
    体において、 カーボン保護膜が、ガウス型の波形を使用して求められ
    る波長1300cm-1〜1400cm-1付近のピーク高
    さとスペクトル半値幅の積であるIdと、ガウス型の波
    形を使用して求められる波長1500cm-1〜1600
    cm-1付近のピーク高さとスペクトル半値幅の積である
    Igとの強度比Id/Igが0.3≦Id/Ig≦1.
    5とされる膜であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 カーボン保護膜の厚さが2nm以上,3
    0nm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 波長1300cm-1〜1400cm-1
    近のスペクトル半値幅であるWdが、200cm-1≦W
    d≦500cm-1であり、波長1500cm-1〜160
    0cm-1付近のスペクトル半値幅であるWgが、100
    cm-1≦Wg≦400cm-1であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
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