JPH1026581A - 摩擦摩耗試験機 - Google Patents
摩擦摩耗試験機Info
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- JPH1026581A JPH1026581A JP20131296A JP20131296A JPH1026581A JP H1026581 A JPH1026581 A JP H1026581A JP 20131296 A JP20131296 A JP 20131296A JP 20131296 A JP20131296 A JP 20131296A JP H1026581 A JPH1026581 A JP H1026581A
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- metal
- lubricating oil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 褶接して相対運動する一対の金属部品の褶接
面間に潤滑油により油膜形成された潤滑状態について、
物性の異なる潤滑状態の区分を正確に判定できるデータ
を得る摩擦摩耗試験機を提供することである。 【解決手段】 褶接して相対運動する一対の金属試料1
A,2の褶接面11a,2a間に潤滑油試料により油膜
Lを形成し、褶接面11a,2aが金属接触した時に接
触部を測温接点とする熱電対を金属試料1A,2、導通
部材41,42で構成するとともに熱電対で発生する熱
起電力を検出する熱起電力検出手段5を設け、かつ油膜
Lの膜厚を検出する膜厚検出手段6を設けて、熱起電力
の有無より混合潤滑と弾性流体潤滑の区分ができ、膜厚
の、流体潤滑の最低膜厚との比較により弾性流体潤滑と
流体潤滑の区分ができる構成とした。
面間に潤滑油により油膜形成された潤滑状態について、
物性の異なる潤滑状態の区分を正確に判定できるデータ
を得る摩擦摩耗試験機を提供することである。 【解決手段】 褶接して相対運動する一対の金属試料1
A,2の褶接面11a,2a間に潤滑油試料により油膜
Lを形成し、褶接面11a,2aが金属接触した時に接
触部を測温接点とする熱電対を金属試料1A,2、導通
部材41,42で構成するとともに熱電対で発生する熱
起電力を検出する熱起電力検出手段5を設け、かつ油膜
Lの膜厚を検出する膜厚検出手段6を設けて、熱起電力
の有無より混合潤滑と弾性流体潤滑の区分ができ、膜厚
の、流体潤滑の最低膜厚との比較により弾性流体潤滑と
流体潤滑の区分ができる構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属部品の潤滑状態
を評価する摩擦摩耗試験機に関する。
を評価する摩擦摩耗試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】ピストンやベアリング等のように潤滑油
を介して褶接しながら相対運動する金属部品は、自動車
等で広く用いられている。上記金属部品および潤滑油に
おいて、潤滑状態は金属部品の相対速度(以下、摩擦速
度という)や両金属部品間に作用する押し付け荷重等の
潤滑条件の変化により、流体潤滑、弾性流体潤滑、混合
潤滑に変化しそれぞれ異なった物性を示す。このうち理
想的な潤滑状態である流体潤滑と押し付け荷重を潤滑油
のみで吸収しきれない弾性流体潤滑との境界は、流体潤
滑を維持可能な潤滑油の使用量について最低量を知る上
で重要であり、弾性流体潤滑と金属部品同士が局所的に
金属接触する混合潤滑との境界は、潤滑油の潤滑性能の
限界を知る上で重要である。
を介して褶接しながら相対運動する金属部品は、自動車
等で広く用いられている。上記金属部品および潤滑油に
おいて、潤滑状態は金属部品の相対速度(以下、摩擦速
度という)や両金属部品間に作用する押し付け荷重等の
潤滑条件の変化により、流体潤滑、弾性流体潤滑、混合
潤滑に変化しそれぞれ異なった物性を示す。このうち理
想的な潤滑状態である流体潤滑と押し付け荷重を潤滑油
のみで吸収しきれない弾性流体潤滑との境界は、流体潤
滑を維持可能な潤滑油の使用量について最低量を知る上
で重要であり、弾性流体潤滑と金属部品同士が局所的に
金属接触する混合潤滑との境界は、潤滑油の潤滑性能の
限界を知る上で重要である。
【0003】かかる潤滑状態の境界を判定するために摩
擦摩耗試験機がある。摩擦摩耗試験機は従来褶接する一
対の金属試料間に潤滑油を油膜形成し、両金属試料をモ
ータで相対運動せしめるとともに、両金属試料間の摩擦
の大きさ(例えば摩擦係数μ)を測定するようにしたも
のが一般的に使われている。図7はこのような摩擦摩耗
試験機により得られるデータで、ストライベック曲線と
して知られる。横軸は摩擦速度N、潤滑油粘度η、押し
付け荷重PとしてNη/Pで定義される無次元項であ
り、潤滑条件を規定している。ストライベック曲線のプ
ロファイルより潤滑状態は図示のごとく混合潤滑、弾性
流体潤滑、流体潤滑におおよそ区分される。図8
(A),(B),(C),(D),(E),(F),
(G)はそれぞれ摩擦摩耗試験機における両金属試料の
褶動形態を示すもので、評価しようとする部品の褶動形
態に合わせて幾つかのものがあり、評価しようとする金
属部品の褶動形態に試料の褶動形態を合わせることによ
り、潤滑状態の区分に際し誤差が抑えられるようにして
いる。
擦摩耗試験機がある。摩擦摩耗試験機は従来褶接する一
対の金属試料間に潤滑油を油膜形成し、両金属試料をモ
ータで相対運動せしめるとともに、両金属試料間の摩擦
の大きさ(例えば摩擦係数μ)を測定するようにしたも
のが一般的に使われている。図7はこのような摩擦摩耗
試験機により得られるデータで、ストライベック曲線と
して知られる。横軸は摩擦速度N、潤滑油粘度η、押し
付け荷重PとしてNη/Pで定義される無次元項であ
り、潤滑条件を規定している。ストライベック曲線のプ
ロファイルより潤滑状態は図示のごとく混合潤滑、弾性
流体潤滑、流体潤滑におおよそ区分される。図8
(A),(B),(C),(D),(E),(F),
(G)はそれぞれ摩擦摩耗試験機における両金属試料の
褶動形態を示すもので、評価しようとする部品の褶動形
態に合わせて幾つかのものがあり、評価しようとする金
属部品の褶動形態に試料の褶動形態を合わせることによ
り、潤滑状態の区分に際し誤差が抑えられるようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら評価しよ
うとする部品の褶動形態に合わせて摩擦摩耗試験機を用
意するのではコスト的にもスペース的にも甚だしく不利
である。
うとする部品の褶動形態に合わせて摩擦摩耗試験機を用
意するのではコスト的にもスペース的にも甚だしく不利
である。
【0005】そこで本発明は、各潤滑状態の境界を正確
に判定することのできる摩擦摩耗試験機を提供すること
を目的とする。
に判定することのできる摩擦摩耗試験機を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、褶接して相対運動する一対の異種の金属試料の褶接
面間に潤滑油試料により油膜形成するとともに上記金属
試料の相対速度N、潤滑油の粘度η、上記金属試料間に
作用する押し付け荷重Pよりなる潤滑条件を可変とし、
上記両金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記金属
試料と一端が導通する導通部材の他端を基準接点とする
熱電対を形成するとともに、上記熱電対に発生する熱起
電力を検出する熱起電力検出手段を設けてNη/Pもし
くは経時時間に対する熱起電力の挙動を評価する構成と
することを特徴とする。
は、褶接して相対運動する一対の異種の金属試料の褶接
面間に潤滑油試料により油膜形成するとともに上記金属
試料の相対速度N、潤滑油の粘度η、上記金属試料間に
作用する押し付け荷重Pよりなる潤滑条件を可変とし、
上記両金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記金属
試料と一端が導通する導通部材の他端を基準接点とする
熱電対を形成するとともに、上記熱電対に発生する熱起
電力を検出する熱起電力検出手段を設けてNη/Pもし
くは経時時間に対する熱起電力の挙動を評価する構成と
することを特徴とする。
【0007】熱起電力の挙動より金属接触の有無が分か
り、混合潤滑と弾性流体潤滑の区分や潤滑油の劣化によ
る油膜破壊が判定できる。
り、混合潤滑と弾性流体潤滑の区分や潤滑油の劣化によ
る油膜破壊が判定できる。
【0008】請求項2記載の発明では、褶接して相対運
動する一対の金属試料の褶接面間に潤滑油試料により油
膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、潤滑油
の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け荷重P
よりなる潤滑条件を可変とし、上記褶接面間に形成され
た油膜の膜厚を検出する膜厚検出手段を設けてNη/P
に対する油膜の膜厚の挙動を評価する構成とすることを
特徴とする。
動する一対の金属試料の褶接面間に潤滑油試料により油
膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、潤滑油
の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け荷重P
よりなる潤滑条件を可変とし、上記褶接面間に形成され
た油膜の膜厚を検出する膜厚検出手段を設けてNη/P
に対する油膜の膜厚の挙動を評価する構成とすることを
特徴とする。
【0009】油膜の膜厚の挙動より、流体潤滑の最小膜
厚を越えるNη/Pの値が分かり、弾性流体潤滑と流体
潤滑とを区分できる。
厚を越えるNη/Pの値が分かり、弾性流体潤滑と流体
潤滑とを区分できる。
【0010】請求項3記載の発明では、褶接して相対運
動する一対の異種の金属試料の褶接面間に潤滑油試料に
より油膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、
潤滑油の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け
荷重Pよりなる潤滑条件を可変とし、上記褶接面間に形
成された油膜の膜厚を検出する膜厚検出手段を設けてN
η/Pに対する油膜の膜厚の挙動を評価する構成に、上
記両金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記金属試
料と一端が導通する導通部材の他端を基準接点とする熱
電対を形成するとともに、上記熱電対に発生する熱起電
力を検出する熱起電力検出手段を設けてNη/Pもしく
は経時時間に対する熱起電力の挙動をも評価する構成と
することを特徴とする。
動する一対の異種の金属試料の褶接面間に潤滑油試料に
より油膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、
潤滑油の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け
荷重Pよりなる潤滑条件を可変とし、上記褶接面間に形
成された油膜の膜厚を検出する膜厚検出手段を設けてN
η/Pに対する油膜の膜厚の挙動を評価する構成に、上
記両金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記金属試
料と一端が導通する導通部材の他端を基準接点とする熱
電対を形成するとともに、上記熱電対に発生する熱起電
力を検出する熱起電力検出手段を設けてNη/Pもしく
は経時時間に対する熱起電力の挙動をも評価する構成と
することを特徴とする。
【0011】油膜の膜厚の挙動より、流体潤滑の最小膜
厚を越えるNη/Pの値が分かり、弾性流体潤滑と流体
潤滑とを区分でき、熱起電力の挙動より金属接触の有無
が分かり、混合潤滑と弾性流体潤滑の区分や潤滑油の劣
化による油膜破壊が判定できるから流体潤滑から弾性流
体潤滑を経て混合潤滑へ到る潤滑状態の変化が一度の試
験で観察可能となる。
厚を越えるNη/Pの値が分かり、弾性流体潤滑と流体
潤滑とを区分でき、熱起電力の挙動より金属接触の有無
が分かり、混合潤滑と弾性流体潤滑の区分や潤滑油の劣
化による油膜破壊が判定できるから流体潤滑から弾性流
体潤滑を経て混合潤滑へ到る潤滑状態の変化が一度の試
験で観察可能となる。
【0012】請求項4記載の発明では、褶接して相対運
動する一対の金属試料の褶接面間に潤滑油試料により油
膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、潤滑油
の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け荷重P
よりなる潤滑条件を可変とし、上記金属試料に、その弾
性変形量を検出する歪み検出手段を設けてNη/Pに対
する弾性変形量の挙動を評価する構成とすることを特徴
とする。
動する一対の金属試料の褶接面間に潤滑油試料により油
膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、潤滑油
の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け荷重P
よりなる潤滑条件を可変とし、上記金属試料に、その弾
性変形量を検出する歪み検出手段を設けてNη/Pに対
する弾性変形量の挙動を評価する構成とすることを特徴
とする。
【0013】油膜が押し付け荷重Pを吸収できない弾性
流体潤滑では金属試料の弾性変形量がNη/Pに対して
敏感に変化するから、弾性変形量の挙動より弾性流体潤
滑と流体潤滑の境界が判定できる。
流体潤滑では金属試料の弾性変形量がNη/Pに対して
敏感に変化するから、弾性変形量の挙動より弾性流体潤
滑と流体潤滑の境界が判定できる。
【0014】請求項5記載の発明では、褶接して相対運
動する一対の異種の金属試料の褶接面間に潤滑油試料に
より油膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、
潤滑油の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け
荷重Pよりなる潤滑条件を可変とし、上記金属試料に、
その弾性変形量を検出する歪み検出手段を設けてNη/
Pに対する弾性変形量の挙動を評価する構成に、上記両
金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記金属試料と
一端が導通する導通部材の他端を基準接点とする熱電対
を形成するとともに、上記熱電対に発生する熱起電力を
検出する熱起電力検出手段を設けてNη/Pもしくは経
時時間に対する熱起電力の挙動をも評価する構成とする
ことを特徴とする。
動する一対の異種の金属試料の褶接面間に潤滑油試料に
より油膜形成するとともに上記金属試料の相対速度N、
潤滑油の粘度η、上記両金属試料間に作用する押し付け
荷重Pよりなる潤滑条件を可変とし、上記金属試料に、
その弾性変形量を検出する歪み検出手段を設けてNη/
Pに対する弾性変形量の挙動を評価する構成に、上記両
金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記金属試料と
一端が導通する導通部材の他端を基準接点とする熱電対
を形成するとともに、上記熱電対に発生する熱起電力を
検出する熱起電力検出手段を設けてNη/Pもしくは経
時時間に対する熱起電力の挙動をも評価する構成とする
ことを特徴とする。
【0015】油膜が押し付け荷重Pを吸収できない弾性
流体潤滑では金属試料の弾性変形量がNη/Pに対して
敏感に変化するから、弾性変形量の挙動より弾性流体潤
滑と流体潤滑の境界が判定でき、かつ熱起電力の挙動よ
り金属接触の有無が分かる。しかして流体潤滑から弾性
流体潤滑を経て混合潤滑へ到る潤滑状態の変化が一度の
試験で観察可能となる。
流体潤滑では金属試料の弾性変形量がNη/Pに対して
敏感に変化するから、弾性変形量の挙動より弾性流体潤
滑と流体潤滑の境界が判定でき、かつ熱起電力の挙動よ
り金属接触の有無が分かる。しかして流体潤滑から弾性
流体潤滑を経て混合潤滑へ到る潤滑状態の変化が一度の
試験で観察可能となる。
【0016】
(第1実施形態)図1(A)に本発明の摩擦摩耗試験機
を示し、図1(B)にその要部拡大側面図を示す。摩擦
摩耗試験機はピン−ディスク方式で、金属試料たるピン
1Aとディスク2とを相対運動せしめるロータ8は、モ
ータ81とその回転をディスク2に伝達するシャフト8
2で構成してある。モータ81は定回転のもので、ピン
1Aとディスク2間に荷重がかかると定回転を維持する
ためモータのトルクが増加するようになっている。
を示し、図1(B)にその要部拡大側面図を示す。摩擦
摩耗試験機はピン−ディスク方式で、金属試料たるピン
1Aとディスク2とを相対運動せしめるロータ8は、モ
ータ81とその回転をディスク2に伝達するシャフト8
2で構成してある。モータ81は定回転のもので、ピン
1Aとディスク2間に荷重がかかると定回転を維持する
ためモータのトルクが増加するようになっている。
【0017】ディスク2は金属板を円盤状に成形したも
ので、シャフト82と連結してある。ディスク2の下側
位置にはモータ81と同軸に、ディスク2と同材質のス
リップリング422が設けてある。スリップリング42
2はディスク2と褶接しディスク2の回転を吸収する。
ので、シャフト82と連結してある。ディスク2の下側
位置にはモータ81と同軸に、ディスク2と同材質のス
リップリング422が設けてある。スリップリング42
2はディスク2と褶接しディスク2の回転を吸収する。
【0018】ピン1Aはディスク2と異種の金属製の棒
状部材で、ディスク2の上側にシャフト82から偏心し
た位置にディスク2に対し垂直に設けてあり、その基端
面1bにはピン1Aに平行に押し付け荷重Pが加えられ
るようになっている。押し付け荷重Pは図略のロードセ
ルにより検出するようになっている。
状部材で、ディスク2の上側にシャフト82から偏心し
た位置にディスク2に対し垂直に設けてあり、その基端
面1bにはピン1Aに平行に押し付け荷重Pが加えられ
るようになっている。押し付け荷重Pは図略のロードセ
ルにより検出するようになっている。
【0019】ピン1Aはディスク2と対向する先端面1
aに、円形の突起部11が形成してあり、突起部11の
先端面11aは試験時にディスク2の表面2aと褶接す
る。
aに、円形の突起部11が形成してあり、突起部11の
先端面11aは試験時にディスク2の表面2aと褶接す
る。
【0020】またディスク2の上側の表面2aには潤滑
油供給口3より潤滑油試料たる潤滑油が供給されるよう
になっている。潤滑油供給口3よりディスク2の表面2
aに供給された潤滑油によりピン1Aの突起部11の先
端面11aとディスク2の表面2a間に油膜Lが形成さ
れる。
油供給口3より潤滑油試料たる潤滑油が供給されるよう
になっている。潤滑油供給口3よりディスク2の表面2
aに供給された潤滑油によりピン1Aの突起部11の先
端面11aとディスク2の表面2a間に油膜Lが形成さ
れる。
【0021】ピン1Aの先端面1aには膜厚検出手段た
る油膜センサ6が設けてある。油膜センサ6は渦電流式
の変位検出センサで、ピン1Aに形成した貫通穴12に
嵌設してある。油膜センサ6は、ディスク2の表面2a
と対向する検出面6aが突起部11の先端面11aと同
一面上に位置せしめてあり、検出面6aとディスク2の
表面2aの間隔を検出することにより油膜Lの膜厚を得
るようになっている。油膜センサ6の検出信号はピン1
Aの貫通穴12に挿通せしめたリード線61により取り
出される。
る油膜センサ6が設けてある。油膜センサ6は渦電流式
の変位検出センサで、ピン1Aに形成した貫通穴12に
嵌設してある。油膜センサ6は、ディスク2の表面2a
と対向する検出面6aが突起部11の先端面11aと同
一面上に位置せしめてあり、検出面6aとディスク2の
表面2aの間隔を検出することにより油膜Lの膜厚を得
るようになっている。油膜センサ6の検出信号はピン1
Aの貫通穴12に挿通せしめたリード線61により取り
出される。
【0022】ピン1Aにはこれと同材質の、導通部材た
る第1の導線41が結線してある。またスリップリング
422にはディスク2およびスリップリング422と同
材質の第2の導線421が結線してあり、スリップリン
グ422を介してディスク2と導通している。導線42
1とスリップリング422とは導通手段42を構成す
る。導線41,421には熱起電力検出手段たる熱起電
力検出器5の入力部51,52が接続してある。熱起電
力検出器5は入力部51,52間の電圧を測定する電圧
センサで、微小電圧を測定可能としてある。
る第1の導線41が結線してある。またスリップリング
422にはディスク2およびスリップリング422と同
材質の第2の導線421が結線してあり、スリップリン
グ422を介してディスク2と導通している。導線42
1とスリップリング422とは導通手段42を構成す
る。導線41,421には熱起電力検出手段たる熱起電
力検出器5の入力部51,52が接続してある。熱起電
力検出器5は入力部51,52間の電圧を測定する電圧
センサで、微小電圧を測定可能としてある。
【0023】ピン1A、ディスク2、導線41,42
1、スリップリング422は、ピン1Aとディスク2と
を測温接点とし熱起電力検出器5の入力部51,52を
基準接点とする熱電対を構成し、ピン1Aとディスク2
とが金属接触したときにゼーベック効果による熱起電力
を発生するようになっている。そして熱電対に発生した
熱起電力は熱起電力検出器5により検出されるようにな
っている。
1、スリップリング422は、ピン1Aとディスク2と
を測温接点とし熱起電力検出器5の入力部51,52を
基準接点とする熱電対を構成し、ピン1Aとディスク2
とが金属接触したときにゼーベック効果による熱起電力
を発生するようになっている。そして熱電対に発生した
熱起電力は熱起電力検出器5により検出されるようにな
っている。
【0024】またモータ81が発生させるトルクはトル
ク検出器83により検出されるようになっており、無負
荷時のトルクとの差よりピン1Aとディスク2間の摩擦
力によるひきずりトルクが得られるようになっている。
そしてひきずりトルクと、ピン1Aのディスク2に対す
る相対的な回転半径rよりピン1Aとディスク2の褶接
面11a,2aにおける摩擦力が得られる。
ク検出器83により検出されるようになっており、無負
荷時のトルクとの差よりピン1Aとディスク2間の摩擦
力によるひきずりトルクが得られるようになっている。
そしてひきずりトルクと、ピン1Aのディスク2に対す
る相対的な回転半径rよりピン1Aとディスク2の褶接
面11a,2aにおける摩擦力が得られる。
【0025】上記摩擦摩耗試験装置の作動を説明する。
潤滑条件を規定する無次元項Nη/Pは、摩擦速度Nが
回転半径rとモータ81の回転数の積で知られる。押し
付け荷重Pが上記ロードセルの検出信号より知られる。
潤滑油の粘度ηが別途粘度計等を用いることにより知ら
れる。そして熱起電力検出器5の出力より上記熱電対の
熱起電力が知られる。油膜センサ6の出力よりピン1A
の突起部11とディスク2の褶接面11a,2a間に形
成される油膜Lの膜厚が知られる。無次元項Nη/Pを
変化させながら、これに対する、熱起電力検出器5の出
力および油膜センサ6の出力のデータを収集する。
潤滑条件を規定する無次元項Nη/Pは、摩擦速度Nが
回転半径rとモータ81の回転数の積で知られる。押し
付け荷重Pが上記ロードセルの検出信号より知られる。
潤滑油の粘度ηが別途粘度計等を用いることにより知ら
れる。そして熱起電力検出器5の出力より上記熱電対の
熱起電力が知られる。油膜センサ6の出力よりピン1A
の突起部11とディスク2の褶接面11a,2a間に形
成される油膜Lの膜厚が知られる。無次元項Nη/Pを
変化させながら、これに対する、熱起電力検出器5の出
力および油膜センサ6の出力のデータを収集する。
【0026】得られたデータより流体潤滑と弾性流体潤
滑の境界は次のように判定する。無次元項Nη/Pが大
きい程厚い油膜が形成されるが混合潤滑と弾性流体潤滑
の境界では油膜の厚さは1μm程度であることが知られ
ている。したがってディスク2が1回転する間に油膜セ
ンサ6で検出される油膜Lの厚さの最小値が1μm以下
のとき弾性流体潤滑と判定し、1μm以上のとき流体潤
滑と判定する。
滑の境界は次のように判定する。無次元項Nη/Pが大
きい程厚い油膜が形成されるが混合潤滑と弾性流体潤滑
の境界では油膜の厚さは1μm程度であることが知られ
ている。したがってディスク2が1回転する間に油膜セ
ンサ6で検出される油膜Lの厚さの最小値が1μm以下
のとき弾性流体潤滑と判定し、1μm以上のとき流体潤
滑と判定する。
【0027】弾性流体潤滑と混合潤滑の境界は次のよう
に判定する。弾性流体潤滑ではピン1Aの突起部11と
ディスク2の褶接面11a,2a間にごく僅かながら油
膜Lが形成されているからピン1Aとディスク2とは金
属接触していない。混合潤滑では、局所的にピン1Aの
突起部11とディスク2の褶接面11a,2aとが潤滑
油を介さず接触し、その接触部に熱起電力が発生する。
すなわち熱起電力が発生している領域は混合潤滑と判定
し、熱起電力が発生し始めるところを混合潤滑と弾性流
体潤滑との境界とする。
に判定する。弾性流体潤滑ではピン1Aの突起部11と
ディスク2の褶接面11a,2a間にごく僅かながら油
膜Lが形成されているからピン1Aとディスク2とは金
属接触していない。混合潤滑では、局所的にピン1Aの
突起部11とディスク2の褶接面11a,2aとが潤滑
油を介さず接触し、その接触部に熱起電力が発生する。
すなわち熱起電力が発生している領域は混合潤滑と判定
し、熱起電力が発生し始めるところを混合潤滑と弾性流
体潤滑との境界とする。
【0028】図2(A)は本摩擦摩耗試験機により得ら
れたデータの一例で、供試試料の材質はピン1Aがアル
ミニウムでディスク2が鉄である。熱起電力は温度換算
値(以下、金属接触温度という)で示した。比較のため
別の温度センサで測定した、ピン1Aの突起部11とデ
ィスク2の褶接面11a,2aの潤滑油の油温(図中、
摩擦面温度)を併せて示す。またピン1Aの突起部11
とディスク2の褶接面11a,2aの摩擦力および押し
付け荷重Pより摩擦係数μを計算して得たストライベッ
ク曲線を併せて図示した。
れたデータの一例で、供試試料の材質はピン1Aがアル
ミニウムでディスク2が鉄である。熱起電力は温度換算
値(以下、金属接触温度という)で示した。比較のため
別の温度センサで測定した、ピン1Aの突起部11とデ
ィスク2の褶接面11a,2aの潤滑油の油温(図中、
摩擦面温度)を併せて示す。またピン1Aの突起部11
とディスク2の褶接面11a,2aの摩擦力および押し
付け荷重Pより摩擦係数μを計算して得たストライベッ
ク曲線を併せて図示した。
【0029】ストライベック曲線より混合潤滑と弾性流
体潤滑の境界は無次元項Nη/Pが大体0.5×10-4
のあたりであり、弾性流体潤滑と流体潤滑の境界は無次
元項Nη/Pが大体1×10-4のあたりであると推定さ
れるが正確には判定し難い。
体潤滑の境界は無次元項Nη/Pが大体0.5×10-4
のあたりであり、弾性流体潤滑と流体潤滑の境界は無次
元項Nη/Pが大体1×10-4のあたりであると推定さ
れるが正確には判定し難い。
【0030】一方、金属接触温度は無次元項Nη/P=
0.6×10-4以下の領域で検出された。なお測定され
た金属接触温度は摩擦面温度との間で完全に一致はして
いないが対応関係があり熱起電力が検出されているもの
と認められる。すなわち無次元項Nη/P=0.6×1
0-4以下の領域で、ピン1Aの突起部11とディスク2
の褶接面11a,2a間が局所的に金属接触しているも
のと認められる。しかして混合潤滑と弾性流体潤滑の境
界は無次元項Nη/P=0.6×10-4と判定できる。
0.6×10-4以下の領域で検出された。なお測定され
た金属接触温度は摩擦面温度との間で完全に一致はして
いないが対応関係があり熱起電力が検出されているもの
と認められる。すなわち無次元項Nη/P=0.6×1
0-4以下の領域で、ピン1Aの突起部11とディスク2
の褶接面11a,2a間が局所的に金属接触しているも
のと認められる。しかして混合潤滑と弾性流体潤滑の境
界は無次元項Nη/P=0.6×10-4と判定できる。
【0031】また図2(B)は潤滑油の油膜Lの厚さを
ロータ回転角に対して示したもので、図2(A)におけ
るA,B,Cに対応する無次元項Nη/Pの場合のデー
タである。油膜Lの最小厚さは無次元項Nη/Pに対し
て単調増加し、1μmになるのは無次元項Nη/P=
1.2×10-4の時である。しかして弾性流体潤滑と流
体潤滑の境界は無次元項Nη/P=1.2×10-4と判
定できる。
ロータ回転角に対して示したもので、図2(A)におけ
るA,B,Cに対応する無次元項Nη/Pの場合のデー
タである。油膜Lの最小厚さは無次元項Nη/Pに対し
て単調増加し、1μmになるのは無次元項Nη/P=
1.2×10-4の時である。しかして弾性流体潤滑と流
体潤滑の境界は無次元項Nη/P=1.2×10-4と判
定できる。
【0032】本摩擦摩耗試験機は潤滑油の劣化試験に用
い得る。すなわち連続してピン1Aとディスク2とを相
対運動せしめて、熱起電力検出器5の出力の経時変化を
モニタすればよい。図3は熱起電力検出器の出力の経時
変化の一例で、潤滑油が正常な潤滑性を維持している間
はピン1Aの突起部11とディスク2の褶接面11a,
2a間には油膜Lが保たれており、ピン1Aとディスク
2間には熱起電力は生じない。しかし潤滑油が劣化して
油膜破壊が生じると金属接触が生じ、上記熱電対に熱起
電力が発生する。しかして熱起電力が検出された時点T
B において潤滑油の劣化による油膜破壊が発生したもの
と判定できる。また油膜センサ6で検出される油膜Lの
厚さの最小値を併せてモニタし潤滑状態が流体潤滑から
弾性流体潤滑を経て混合潤滑に到る、潤滑油の経時劣化
を観察することもできる。
い得る。すなわち連続してピン1Aとディスク2とを相
対運動せしめて、熱起電力検出器5の出力の経時変化を
モニタすればよい。図3は熱起電力検出器の出力の経時
変化の一例で、潤滑油が正常な潤滑性を維持している間
はピン1Aの突起部11とディスク2の褶接面11a,
2a間には油膜Lが保たれており、ピン1Aとディスク
2間には熱起電力は生じない。しかし潤滑油が劣化して
油膜破壊が生じると金属接触が生じ、上記熱電対に熱起
電力が発生する。しかして熱起電力が検出された時点T
B において潤滑油の劣化による油膜破壊が発生したもの
と判定できる。また油膜センサ6で検出される油膜Lの
厚さの最小値を併せてモニタし潤滑状態が流体潤滑から
弾性流体潤滑を経て混合潤滑に到る、潤滑油の経時劣化
を観察することもできる。
【0033】なおモータ81のトルクを検出してピン1
Aの突起部11とディスク2の褶接面11a,2aにお
ける摩擦力を得るようにしたが、潤滑状態と無次元項N
η/Pの関係を得ることのみを評価の目的とするのであ
れば不要である。また潤滑状態を判定するだけであれば
摩擦速度Nや押し付け荷重Pの検出も不要である。
Aの突起部11とディスク2の褶接面11a,2aにお
ける摩擦力を得るようにしたが、潤滑状態と無次元項N
η/Pの関係を得ることのみを評価の目的とするのであ
れば不要である。また潤滑状態を判定するだけであれば
摩擦速度Nや押し付け荷重Pの検出も不要である。
【0034】また図1において熱起電力検出器5の入力
部51,52と導通している導線41,422の端部同
士を導通せしめてこれを基準接点となし、熱起電力検出
器5を導線41もしくは422の中途に挿置する構成と
してもよい。
部51,52と導通している導線41,422の端部同
士を導通せしめてこれを基準接点となし、熱起電力検出
器5を導線41もしくは422の中途に挿置する構成と
してもよい。
【0035】(第2実施形態)図4に本発明の別の摩擦
摩耗試験機の要部を示す。図1に示した摩擦摩耗試験機
のように油膜Lの厚さをピン1Aの先端面1aに嵌設し
た油膜センサ6で検出するのではなく別の構成で検出す
るようにしたもので、図中、図1と同一番号を付したも
のは実質的に同じ作用をするので第1実施形態との相違
点を中心に説明する。金属試料たるピン1Bは膜厚検出
用の基準面1cが突起部11の先端面11aに平行に形
成してある。油膜センサ6はその検出面6aがピン1B
の基準面1cに対向するように摩擦摩耗試験機の筐体8
4に設けてあり、検出面6aとピン1Bの基準面1c間
距離を検出するようになっている。油膜Lの厚さは、ピ
ン1Bの突起部11の先端面11aとディスク2の表面
2a間が密着した状態と油膜Lが形成された状態との、
油膜センサ6の検出値の差から得るようになっている。
摩耗試験機の要部を示す。図1に示した摩擦摩耗試験機
のように油膜Lの厚さをピン1Aの先端面1aに嵌設し
た油膜センサ6で検出するのではなく別の構成で検出す
るようにしたもので、図中、図1と同一番号を付したも
のは実質的に同じ作用をするので第1実施形態との相違
点を中心に説明する。金属試料たるピン1Bは膜厚検出
用の基準面1cが突起部11の先端面11aに平行に形
成してある。油膜センサ6はその検出面6aがピン1B
の基準面1cに対向するように摩擦摩耗試験機の筐体8
4に設けてあり、検出面6aとピン1Bの基準面1c間
距離を検出するようになっている。油膜Lの厚さは、ピ
ン1Bの突起部11の先端面11aとディスク2の表面
2a間が密着した状態と油膜Lが形成された状態との、
油膜センサ6の検出値の差から得るようになっている。
【0036】かかる構成によっても潤滑油の油膜Lの膜
厚を得ることができ、弾性流体潤滑と流体潤滑の境界が
判定できる。
厚を得ることができ、弾性流体潤滑と流体潤滑の境界が
判定できる。
【0037】(第3実施形態)図5に本発明のさらに別
の摩擦摩耗試験機を示す。図1の摩擦摩耗試験機の油膜
センサ6に代えて弾性流体潤滑と流体潤滑の境界を判定
する別のセンサを設けたもので、図中、図1と同一番号
を付したものは実質的に同じ作用をするので第1実施形
態との相違点を中心に説明する。金属試料たるピン1C
の突起部11の周面1dには径方向対称位置に膜厚検出
手段たる2つの歪みゲージ7が接着してあり、ピン1C
の突起部11の弾性変形量を検出するようになってい
る。歪みゲージ7の検出信号は、ピン1Cに形成した貫
通穴13に挿通せしめたリード線71により取り出され
る。なお歪みゲージ7を2つ設けたのは検出精度を高め
るためである。
の摩擦摩耗試験機を示す。図1の摩擦摩耗試験機の油膜
センサ6に代えて弾性流体潤滑と流体潤滑の境界を判定
する別のセンサを設けたもので、図中、図1と同一番号
を付したものは実質的に同じ作用をするので第1実施形
態との相違点を中心に説明する。金属試料たるピン1C
の突起部11の周面1dには径方向対称位置に膜厚検出
手段たる2つの歪みゲージ7が接着してあり、ピン1C
の突起部11の弾性変形量を検出するようになってい
る。歪みゲージ7の検出信号は、ピン1Cに形成した貫
通穴13に挿通せしめたリード線71により取り出され
る。なお歪みゲージ7を2つ設けたのは検出精度を高め
るためである。
【0038】本摩擦摩耗試験機は上記第1実施形態の摩
擦摩耗試験機のごとく潤滑条件を規定する無次元項Nη
/Pを変化させながら、これに対する、歪みゲージ7で
検出されるピン1Cの突起部11の弾性変形量のデータ
を収集する。
擦摩耗試験機のごとく潤滑条件を規定する無次元項Nη
/Pを変化させながら、これに対する、歪みゲージ7で
検出されるピン1Cの突起部11の弾性変形量のデータ
を収集する。
【0039】図6は歪みゲージ7で検出される弾性変形
量の無次元項Nη/Pに対する挙動のグラフで、弾性流
体潤滑および流体潤滑いずれの領域においても無次元項
に対して単調変化する。しかしその変化量は、充分な量
の潤滑油が存在し押し付け荷重Pを吸収し得る流体潤滑
ではごく小さい。一方ピン1Cの突起部11とディスク
2の褶接面11a,2a間に充分な量の潤滑油が存在せ
ず押し付け荷重Pを吸収し得ない弾性流体潤滑ではピン
1Cの突起部11とディスク2の褶接面11a,2aの
近傍で大きな弾性変形が生じ、その弾性変形量は無次元
項Nη/Pの変化に対して敏感に変化する。
量の無次元項Nη/Pに対する挙動のグラフで、弾性流
体潤滑および流体潤滑いずれの領域においても無次元項
に対して単調変化する。しかしその変化量は、充分な量
の潤滑油が存在し押し付け荷重Pを吸収し得る流体潤滑
ではごく小さい。一方ピン1Cの突起部11とディスク
2の褶接面11a,2a間に充分な量の潤滑油が存在せ
ず押し付け荷重Pを吸収し得ない弾性流体潤滑ではピン
1Cの突起部11とディスク2の褶接面11a,2aの
近傍で大きな弾性変形が生じ、その弾性変形量は無次元
項Nη/Pの変化に対して敏感に変化する。
【0040】したがって歪ゲージ7で検出される弾性変
形量は弾性流体潤滑と流体潤滑の境界では変曲点Gが現
れる。しかして歪みゲージ7の出力の変曲点Gより弾性
流体潤滑と流体潤滑の境界が知られる。
形量は弾性流体潤滑と流体潤滑の境界では変曲点Gが現
れる。しかして歪みゲージ7の出力の変曲点Gより弾性
流体潤滑と流体潤滑の境界が知られる。
【0041】なお上記各実施形態では混合潤滑、弾性流
体潤滑、流体潤滑の各境界の判定をできるようにした
が、混合潤滑と弾性流体潤滑の境界の判定が不要であれ
ば熱起電力検出器などの、ピンとディスク間の熱起電力
を検出するための構成は省略することができる。また弾
性流体潤滑と流体潤滑の境界の判定が不要であれば油膜
センサもしくは歪みゲージは省略することができる。
体潤滑、流体潤滑の各境界の判定をできるようにした
が、混合潤滑と弾性流体潤滑の境界の判定が不要であれ
ば熱起電力検出器などの、ピンとディスク間の熱起電力
を検出するための構成は省略することができる。また弾
性流体潤滑と流体潤滑の境界の判定が不要であれば油膜
センサもしくは歪みゲージは省略することができる。
【0042】また上記各実施形態ではピン−ディスク方
式の摩擦摩耗試験機としたが、図8(A)〜(G)に示
すような他の潤滑形態を与える方式の摩擦摩耗試験機と
することもできる。
式の摩擦摩耗試験機としたが、図8(A)〜(G)に示
すような他の潤滑形態を与える方式の摩擦摩耗試験機と
することもできる。
【図1】(A)は本発明の摩擦摩耗試験機の全体概要図
であり、(B)は本発明の摩擦摩耗試験機の要部の側面
図である。
であり、(B)は本発明の摩擦摩耗試験機の要部の側面
図である。
【図2】(A)は本発明の摩擦摩耗試験機の作動を説明
する第1のグラフであり、(B)は本発明の摩擦摩耗試
験機の作動を説明する第2のグラフである。
する第1のグラフであり、(B)は本発明の摩擦摩耗試
験機の作動を説明する第2のグラフである。
【図3】本発明の摩擦摩耗試験機の作動を説明する第3
のグラフである。
のグラフである。
【図4】本発明の別の摩擦摩耗試験機の要部の側面図で
ある。
ある。
【図5】本発明のさらに別の摩擦摩耗試験機の要部の側
面図である。
面図である。
【図6】本発明のさらに別の摩擦摩耗試験機の作動を説
明するグラフである。
明するグラフである。
【図7】従来の摩擦摩耗試験機で得られるデータの一例
である。
である。
【図8】(A),(B),(C),(D),(E),
(F),(G)はそれぞれ従来の摩擦摩耗試験機の一部
の例の斜視図である。
(F),(G)はそれぞれ従来の摩擦摩耗試験機の一部
の例の斜視図である。
【符号の説明】 1A,1B,1C ピン(金属試料) 2 ディスク(金属試料) 11a,2a 褶接面 41 導線(導通部材) 42 導通部材 5 熱起電力検出器(熱起電力検出手段) 6 油膜センサ(油膜検出手段) 7 歪みゲージ(歪み検出手段) L 油膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 融 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 冨田 正広 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 勝井 晋一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 褶接して相対運動する一対の異種の金属
試料の褶接面間に潤滑油試料により油膜形成するととも
に上記金属試料の相対速度N、潤滑油の粘度η、上記両
金属試料間に作用する押し付け荷重Pよりなる潤滑条件
を可変として上記両金属試料および潤滑油試料について
の潤滑状態を評価する摩擦摩耗試験機であって、上記両
金属試料にはそれぞれこれと同材質の導通部材をその一
端において導通せしめ、上記両金属試料と上記両導通部
材とで上記両金属試料間の接触部を測温接点としかつ上
記導通部材の他端を基準接点とする熱電対を形成すると
ともに、上記熱電対に発生する熱起電力を検出する熱起
電力検出手段を設けてNη/Pもしくは経時時間に対す
る熱起電力の挙動を評価することを特徴とする摩擦摩耗
試験機。 - 【請求項2】 褶接して相対運動する一対の金属試料の
褶接面間に潤滑油試料により油膜形成するとともに上記
金属試料の相対速度N、潤滑油の粘度η、上記両金属試
料間に作用する押し付け荷重Pよりなる潤滑条件を可変
として上記両金属試料および潤滑油試料についての潤滑
状態を評価する摩擦摩耗試験機であって、上記両金属試
料の褶接面に形成される油膜の膜厚を検出する膜厚検出
手段を設けてNη/Pに対する油膜の膜厚の挙動を評価
することを特徴とする摩擦摩耗試験機。 - 【請求項3】 請求項2記載の摩擦摩耗試験機におい
て、上記両金属試料は異種の金属とし、上記両金属試料
にはそれぞれこれと同材質の導通部材をその一端におい
て導通せしめ、上記両金属試料と上記両導通部材とで上
記両金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記導通部
材の他端を基準接点とする熱電対を形成するとともに、
上記熱電対に発生する熱起電力を検出する熱起電力検出
手段を設けてNη/Pもしくは経時時間に対する熱起電
力の挙動を評価することを特徴とする摩擦摩耗試験機。 - 【請求項4】 褶接して相対運動する一対の金属試料の
褶接面間に潤滑油試料により油膜形成するとともに上記
金属試料の相対速度N、潤滑油の粘度η、上記両金属試
料間に作用する押し付け荷重Pよりなる潤滑条件を可変
として上記両金属試料および潤滑油試料についての潤滑
状態を評価する摩擦摩耗試験機であって、上記金属試料
の少なくとも一方に、該金属試料の弾性変形量を検出す
る歪み検出手段を設けてNη/Pに対する弾性変形量の
挙動を評価することを特徴とする摩擦摩擦試験機。 - 【請求項5】 請求項4記載の摩擦摩耗試験機におい
て、上記両金属試料は異種の金属とし、上記両金属試料
にはそれぞれこれと同材質の導通部材をその一端におい
て導通せしめ、上記両金属試料と上記両導通部材とで上
記両金属試料間の接触部を測温接点としかつ上記導通部
材の他端を基準接点とする熱電対を形成するとともに、
上記熱電対に発生する熱起電力を検出する熱起電力検出
手段を設けてNη/Pもしくは経時時間に対する熱起電
力の挙動を評価することを特徴とする摩擦摩耗試験機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20131296A JPH1026581A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 摩擦摩耗試験機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20131296A JPH1026581A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 摩擦摩耗試験機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1026581A true JPH1026581A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16438929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20131296A Withdrawn JPH1026581A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 摩擦摩耗試験機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1026581A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001025752A1 (fr) * | 1999-10-06 | 2001-04-12 | S.A.R.L. Tribolinks | Tribometre a disque avec chauffage par induction |
JP2010256195A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Hitachi Ltd | 摩擦摩耗試験機 |
JP2011095056A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Nissei Plastics Ind Co | 摺動性評価方法及び摺動試験装置 |
JP2014122795A (ja) * | 2012-12-20 | 2014-07-03 | Hino Motors Ltd | 往復動摩耗試験中の油膜厚測定方法 |
CN105259064A (zh) * | 2015-10-13 | 2016-01-20 | 辽宁工业大学 | 一种试样表面晶粒具有择优取向的滑动磨损试验装置及计算方法 |
CN113390866A (zh) * | 2020-03-12 | 2021-09-14 | 西南林业大学 | 一种可调参数空化发生及演化过程观测器 |
-
1996
- 1996-07-11 JP JP20131296A patent/JPH1026581A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001025752A1 (fr) * | 1999-10-06 | 2001-04-12 | S.A.R.L. Tribolinks | Tribometre a disque avec chauffage par induction |
FR2799547A1 (fr) * | 1999-10-06 | 2001-04-13 | Gradient Ass | Tribometre a disque pour la mesure des phenomenes tribologiques |
US6783272B2 (en) | 1999-10-06 | 2004-08-31 | S.A.R.L. Tribolinks | Induction-heated disc tribometer |
JP2010256195A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Hitachi Ltd | 摩擦摩耗試験機 |
JP2011095056A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Nissei Plastics Ind Co | 摺動性評価方法及び摺動試験装置 |
JP2014122795A (ja) * | 2012-12-20 | 2014-07-03 | Hino Motors Ltd | 往復動摩耗試験中の油膜厚測定方法 |
CN105259064A (zh) * | 2015-10-13 | 2016-01-20 | 辽宁工业大学 | 一种试样表面晶粒具有择优取向的滑动磨损试验装置及计算方法 |
CN113390866A (zh) * | 2020-03-12 | 2021-09-14 | 西南林业大学 | 一种可调参数空化发生及演化过程观测器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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