JP2011095056A - 摺動性評価方法及び摺動試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不等速直線運動の摺動性が評価できる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】電動モータ15を運転すると、クランクピン26が点P1〜点P4のように旋回する。すると、棒状部材27が想像線で示すように移動し、結果、移動側テスト材12は矢印(1)のように往復直線移動する。点P1−点P2−点P3の移動を「前進移動」とすれば、点P3−点P4−点P1の移動は「後進移動」となる。そして、点P1及び点P3で「停止」する。すなわち、前進−停止−後進−停止−前進・・・の如く不等速の直線往復運動が実施される。電力測定部54は、アンペア(A)×電圧(V)=電力(W)の演算を行う。電力量演算部55は、電力に時間の要素を加えて演算し、電力量(Ws)を出力する。
【効果】摺動性を、摩擦係数ではなく、消費電力量で評価する。
【選択図】図3

Description

本発明は、摺動性評価技術及びその技術に供する試験装置に関する。
産業機械においては、平軸受に代表されるような摺動部が多数存在する。この摺動部での摩擦抵抗が大きいと、駆動源の容量を高める必要がある。摩擦抵抗の大きさは、摩擦係数の大きさで説明され、摩擦係数の測定が必要となる。
この摩擦係数を測定することができる試験技術が提案されている(例えば、特許文献1(図1及び第3頁)参照。)。
特許文献1の図1に示されるように、摩耗試験装置では、支持体(7)(括弧付き数字は、特許文献1に記載されている符号を示す。以下同様)の上面に試験材料(2A、2B)が取付けられ、支持体(7)の上方に配置されている回転保持体(3)の下面に試験材料(1)が取付けられる。そして、下部のシリンダ(9)により、試験材料(1)に試験材料(2A、2B)を押し当てる。
この状態で上部の駆動装置(5)により回転保持体(3)を回し、試験材料(1)に試験材料(2A、2B)を摺接させ、摩耗させる。駆動装置(5)で付与するトルクはトルク検出器(4)で検出する。
ところで、上方の駆動装置(5)の回転軸(3a)に対して、シリンダ(9)の軸が傾いていると、均等な摩耗が行えない。そこで、特許文献1では、球面支持部(15)を設け、この球面支持部(15)でシリンダ(9)の軸の傾斜を調整できるようにしている。
摩擦係数は、トルク検出装置(9)で回転軸にかかる力(摩擦抵抗力)を測定し、得られた摩擦抵抗力を押し付け力で除することで求める(特許文献1段落番号[0015])。
以上に説明した従来の摩耗試験装置には、次に述べる問題がある。
上方の回転軸(3a)に対して、下方のシリンダ(9)の軸が傾く可能性のある構造であるため、球面支持部(15)のような傾斜調整機構が不可欠となり、結果、装置の構造が複雑となり、装置は大型で高価なものとなる。
また、従来の摩擦試験装置では、一定の速度で回転摩擦を実施する。これにより、摩耗量と摩擦係数の両方が計測可能となる。
一方、例えば、シリンダユニットは、直線運動が基本であって、且つ、前進、停止、後進、停止、前進・・・が繰り返される。このような不等速直線運動に対する摩擦係数を、従来の摩擦試験装置では求めることはできない。
しかし、産業機械においては、不等速直線運動が行われる摺動部は数多くある。
そのため、不等速直線運動の摺動性が評価でき且つ試験装置の構造を簡単にすることができる技術が必要となる。
特開平6−102160号公報
本発明は、不等速直線運動の摺動性が評価でき且つ試験装置の構造を簡単にすることができる技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来、摩擦係数に基づいて摺動性を評価するという、従来の手法を再検討することにした。すなわち、摩擦係数は、静摩擦と動摩擦で値が異なることや、ストライベック曲線で説明されるように、境界潤滑領域と混合潤滑領域と流体潤滑領域とで値が大きく変化する。そのため、摩擦係数を産業機械の評価に用いるには、細心の注意を払う必要がある。
そこで、本発明者らは、摩擦係数を用いないで、不等速直線運動の摺動性が評価できる技術を開発することを目的に研究を進め、その技術を完成させるに至った。完成した技術は次の通りである。
請求項1に係る摺動性評価方法は、電動モータを駆動源とするテスト材移動機構により移動側テスト材を往復移動させ、このような移動側テスト材を、潤滑油を介して静止側テスト材に摺接させる工程と、
この工程に並行して、前記テスト材移動機構での移動速度を変化させる、若しくは前記移動側テスト材に付与する荷重を変化させる、又は前記潤滑油の種類を変えながら、前記電動モータで消費される電力を測定し、電力量を求める工程と、
この工程で得られた電力量の変化が、前記移動速度の変化若しくは前記荷重の変化又は前記潤滑油の種類の変更に相関があるか否かにより、摺動性の良否を判定する工程と、からなることを特徴とする。
請求項2に係る摺動試験装置は、静止側テスト材の上面が水平になるようにして前記静止側テスト材を固定する機台と、この機台に設けられ前記静止側テスト材に載せた移動側テスト材を往復移動させるテスト材移動機構と、前記移動側テスト材に載せられるウエイトと、前記静止側テスト材と前記移動側テスト材との間に潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、前記機台に設けられ前記テスト材移動機構を駆動する電動モータと、この電動モータで消費される電力を測定する電力測定部と、得られた電力を電力量に換算する電力量換算手段とからなることを特徴とする。
請求項3に係る摺動試験装置では、移動側テスト材とウエイトとの間に中継部材が挟まれ、この中継部材は、水平方向でのテスト材移動機構の作用力を伝達し且つ中継部材の上下移動を許容する自在継手を介してテスト材移動機構に連結されていることを特徴とする。
請求項4に係る摺動試験装置では、潤滑油供給手段は、移動側テスト材の底面に設けられる油溝と、移動側テスト材内に設けられ一端が油溝に繋がる油路とを含んでいることを特徴とする。
請求項1に係る摺動性評価方法では、摺動性の評価を摩擦係数ではなく、消費電力量によって行う。消費電力であれば、静摩擦、動摩擦の区別無く、一括して摺動性を評価することができる。
請求項2に係る摺動試験装置では、テスト材移動機構、電動モータ、電力測定部及び電力量演算部が、摺動試験装置の要部となる。テスト材移動機構、電動モータ、電力測定部及び電力量演算部は小型化が可能であるため、摺動試験装置の小型化が容易に達成できる。
請求項3に係る摺動試験装置では、移動側テスト材とウエイトとの間に中継部材が挟まれ、この中継部材は、水平方向でのテスト材移動機構の作用力を伝達し且つ中継部材の上下移動を許容する自在継手を介してテスト材移動機構に連結されている。
移動側テスト材は、静止側テスト材に載せるだけでよい。すなわち、静止側テスト材の心に移動側テスト材の心が自動的に合致するため、心合わせ機構を別途準備する必要はない。したがって、摺動試験装置が簡単になり、一層の小型化が可能となる。
請求項4に係る摺動試験装置では、移動側テスト材の底面に設けられる油溝と、移動側テスト材内に設けられ一端が油溝に繋がる油路とを含んでいる。
油路や油溝は、移動側テスト材に設けるタイプと、静止側テスト材に設けるタイプと、両テスト材に設けるタイプの3タイプが想定される。
静止側テスト材と移動側テスト材のうちで、移動側テスト材は心合わせが不要であるため、交換が容易である。
更には、移動側テスト材は静止側テスト材に載せて移動させるが、このような移動側テスト材の下面に油溝を設けると、この油溝は静止側テスト材で隠されて外から見えない。そのため、油溝に外からゴミ等が侵入する心配が無くなる。すなわち、移動側テスト材に油溝を設けたことにより、外部からのゴミ等の侵入が防止できる。
そこで、本発明では、交換容易な移動側テスト材側に油路や油溝を設けることにした。
すなわち、移動側テスト材であれば、油路や油溝を任意の形状に設定することができ、実験の多様化が容易に図れる。
本発明に係る摺動試験装置の分解斜視図である。 移動側テスト材の底面図である。 本発明に係る摺動試験装置の平面図兼作用を説明する図である。 本発明に係る摺動試験装置の側面図兼流体潤滑領域を説明する図である。 測定した電力波形から電力量を求める図である。 往復運動における電力量の平均値を求める図である。 荷重と消費電力量の関係図である。 速度と消費電力量の関係図である。 三種の潤滑油と消費電力量の関係図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、摺動試験装置10は、静止側テスト材11に載せた移動側テスト材12を往復移動させる装置であり、高さ調節可能なアジャスターAjで支持され静止側テスト材11を支える矩形平板状の機台13と、この機台13上に設けられ移動側テスト材12を往復移動させるテスト材移動機構14と、このテスト材移動機構14の駆動源である電動モータ15と、この電動モータ15で消費する電力を測定する電力測定部(詳細後述)を主要素とする装置である。
このような構成の摺動試験装置10は、高速での往復移動が頻繁に行われる、型締機構(樹脂成形において、成形金型の開閉を行う機構)の摺動部の評価に好適である。しかし、一般機械、すなわち産業機械の摺動部の評価に使用することは差し支えない。
移動側テスト材12は、付与する荷重の設定を変えた形態で静止側テスト材11に載せられる。付与する荷重は、ウエイト16の質量を変えることで変更できる。ウエイト16の質量は、枚数を変更することで、容易に変えることができる。ウエイト16を直接移動側テスト材12に載せることは差し支えないが、本例では、中継部材17を用い、中継部材17の下面にボルト18で移動側テスト材12を取付け、中継部材17の上面にボルト19でウエイト16を取付けるようにした。
テスト材移動機構14は、電動モータ15の回転運動を直線運動に変換する機構であれば種類は問わないが、この例では、電動モータ15のモータ軸21で回される駆動プーリ22と、この駆動プーリ22で回されるベルト23と、このベルト23で回される従動プーリ24と、この従動プーリ24で回されるクランク部材25と、このクランク部材25から突出するクランクピン26で押し引きされる棒状部材27と、この棒状部材27の先端に軸受28を介して略T字形状を呈するように連結されたクロスメンバー31と、このクロスメンバー31の直線移動を確保する一対のガイドバー32、32と、クロスメンバー31と中継部材17とを繋ぐ自在継手33とからなる。
自在継手33は、水平方向でのテスト材移動機構14の作用力を伝達し且つ中継部材17の上下移動を許容する連結具であり、例えば、中継部材17から水平にクロスメンバー31に向かって延ばす雄側部材34と、クロスメンバー31に設けられ雄側部材34に嵌合するコ字状の雌側部材35とからなる。
雄側部材34に縦溝36、36を設けておき、雌側部材35の凹部内にコロ37、37を設けておく。コロ37は、上下方向に相対移動可能に縦溝36に嵌め込まれる。
水平方向の作用力は、コロ37、37及び縦溝36、36を介して伝達され、中継部材17は水平に往復移動される。
一方、中継部材17がクロスメンバー31に対して、相対的に上下動する場合は、縦溝36に沿ってコロ37が移動するため、中継部材17の相対的上下動が規制されない。
このような中継部材17の下面に取付けられる移動側テスト材12に、潤滑油供給手段38の油路39を設けると共に、この油路39の一端に、潤滑油ポンプ41から延びる潤滑油ホース42の先端に連結することが望ましい。
すなわち、潤滑油供給手段38は、静止側テスト材11と移動側テスト材12との間に潤滑油を供給する役割を果たし、潤滑油タンクを備える潤滑油ポンプ41と、この潤滑油ポンプ41から加圧された潤滑油を導き出す潤滑油ホース42と、この潤滑油ホース42に介設され潤滑油の流量を監視する流量計43及び流量を制御する弁44と、移動側テスト材12の内部に設けられている油路39とからなる。
移動側テスト材12に設ける油路39の形態を、次図で説明する。
図2は移動側テスト材の底面図であり、(a)に示すように、矩形底面の移動側テスト材12に1本の油路39を設けて、底面45へ潤滑油を供給するようにする。
または、(b)に示すように、矩形底面の移動側テスト材12に油路39を設けて、底面45へ潤滑油を供給するようにすると共に、底面45に油を溜める油溝46、46を設けてもよい。これらの油溝46、46は、油路39に直接繋がっていないが、底面45に沿って流れる潤滑油を溜める役割を果たす。
または、(c)に示すように、矩形底面の移動側テスト材12に油路39を設けて、底面45へ潤滑油を供給するようにすると共に、この油路39に直接繋がるX字状の油溝47を底面45に設けてもよい。この油溝47は油路39に直接繋がっているため、供給された潤滑油の大部分は、油路39→油溝47→底面45の順に流れる。
または、(d)に示すように、円形底面の移動側テスト材12に油路39を設けて、底面45へ潤滑油を供給するようにすると共に、この油路39に直接繋がるX字状の油溝47を底面45に設けてもよい。
または、(e)に示すように、矩形底面の移動側テスト材12に短い油路39を設けて、底面45へ潤滑油を供給するようにすると共に、この油路39に直接繋がる直線状の長い油溝48を底面45に設けてもよい。
次に、電力測定部を説明する。
図3に示すように、ACコネクタ51及びハーネス52を介して取り込んだ電力は、制御部53で制御された後に電動モータ15に供給される。制御部53では、電動モータ15の回転速度、運転、停止を制御する。
ハーネス52から電流情報と電圧情報を電力測定部54に取り込む。この電力測定部54は、電流(アンペア:A)×電圧(ボルト:V)=電力(ワット:W)の演算を行い、出力する。
電力測定部54から電力情報を電力量演算部55に取り込む。この電力量演算部55は、電力に時間の要素を加えて演算し、電力量(ワット秒:Ws)を出力する。この演算の方法は後述する。
電動モータ15を運転すると、クランクピン26が点P1〜点P4のように旋回する。すると、棒状部材27が想像線で示すように移動し、結果、移動側テスト材12は矢印(1)のように往復直線移動する。
点P1−点P2−点P3の移動を「前進移動」とすれば、点P3−点P4−点P1の移動は「後進移動」となる。そして、点P1及び点P3で「停止」する。すなわち、前進−停止−後進−停止−前進・・・の如く不等速の直線往復運動が実施される。
なお、機台13の一辺56が実験者に対向するように機台13を配置することが望ましい。平面視にて棒状部材27に、略直角にベルト23が張られている。この結果、電動モータ15を実験者側に配置することができる。電動モータ15には、制御部53、電力測定部54及び電力量演算部55が接続されており、電動モータ15が実験者側に置かれるため、これらの制御部53、電力測定部54及び電力量演算部55を容易に実験者側に並べることができる。
図3で摺動試験装置の平面図を示したが、次の図4で側面図を示す。
図4に示すように、電動モータ15はモータ軸21が下へ延びる形態で設けられているため、機台13の上面からH1だけ上方にモータケース57が置かれる。
実験の条件によっては、潤滑油58に、テスト材11、12を漬けた状態での実験(ストライベック曲線での流体潤滑領域実験に相当する。)が求められる。
摺動試験装置10を油槽59に沈めても、油面61からH2だけ上方にモータケース57が置かれるため、電動モータ15のモータケース57に潤滑油が侵入するという不具合は起こらない。なお、図4では油槽59が潤滑油供給手段となる。
油槽59に沈めて実施する実験は、流体潤滑領域実験に相当する。すなわち、速度、荷重、粘度の設定条件によっては、静止側テスト材と移動側テスト材との間に油膜が形成され、金属表面同士が直接接触しない状況で行われる流体潤滑領域実験に相当する。
また、図1での潤滑油供給手段38で、少量の潤滑油を供給しながら実施する実験は、境界潤滑領域実験となる。この境界潤滑領域実験と流体潤滑領域実験との間が混合潤滑領域実験となる。
したがって、本発明の摺動試験装置10で、ストライベック曲線での境界潤滑領域実験と混合潤滑領域実験と流体潤滑領域実験が、実施可能となる。
また、図4に示すように、雌側部材35には、縦に並べた複数(例えば4個)のコロ取付穴62が設けられている。コロ37は任意のコロ取付穴62に取り付けることができるため、装置の使い勝手が良くなる。
ここで、コロ37は、縦に並べた複数のコロ取付穴62の1個(左右で都合2個)取りつけることが望ましい。仮に、(片側)2個取付けると、この2個のコロ37は縦溝36で案内され、その他の移動が抑制されるため、結果として、雌側部材35の自由度が限定される。
この点、コロ37が1個であれば、このコロ37を中心にして、雌側部材37が、上下移動に加えて、回転も可能となり、雌側部材35の自由度が大いに高まる。
また、図4に示すように、上下相対移動を許容する自在継手33でクロスメンバー31と中継部材17とが繋がれている。実験中に静止側テスト材11及び移動側テスト材12が摩耗する。この摩耗量が大きいと、中継部材17が下がる。一方、クロスメンバー31は下がらない。普通であれば、高低差により実験が継続できなくなる。
しかし、本発明によれば、自在継手33の存在により、実験は支障なく続けられる。
摺動試験装置10では、水平の静止側テスト材11に、移動側テスト材12を単に載せるだけで済み、移動側テスト材12は常に静止側テスト材11に沿って移動する。テスト材11、12同士が自動的に心合わせされていることとなる。
従来の摩耗試験装置では、静止側テスト材と移動側テスト材との心合わせに複雑な機構を採用していたが、本発明ではその必要がない。
結果、図4や図1に示すように、摺動試験装置10は単純な構造となり、装置の小型化が容易に達成できる。
次に、電力量の演算方法を説明する。
先ず、図3に示す電力測定部54に、微少時間a(ms)に1回の割合で、電圧と電流を取り込み、電圧×電流=電力の算式により、電力(W)を得る。得られた電力の波形図の一例は、図5(a)に示される通りである。
図5(a)では、停止時間を前進と後進とに含めた。そのため、前進と後進とが交互に現れる。そして、(a)に示す通り、前進と後進とで、波形に微少の差があり、前進と後進とで消費電力に差が認められる。
(a)の波形図中、任意の1波形を取り出し、拡大したものを(b)に示す。この波形の高さはb(W)である。微少時間a(ms)の平均電力がb(W)と近似する。なお、微少時間は、秒に換算すると、a/1000(s)となる。
周知の通り、消費電力量は、消費される電力と、消費した時間の積で演算される。
(b)での微少時間a(ms)は微少時間a/1000(s)と換算され、この時間での消費電力量は、b×a/1000(Ws)となる。
すなわち、微少時間a(ms)での消費電力量は、b×a/1000(Ws)となる。
(c)に示すように、前進時間中に、微少時間a/1000(s)がN個あるとすれば、前進1回当たりの消費電力量=Σ(bi×a/1000)、(ただし、i=1+2+・・・+N)のような算式で演算される。この演算を図3の電力量演算部55で実施させる。
後進についても同様である。
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○摺動試験装置:
機台の縦横寸法:283mm×450mm
摺動ストローク:50mm
移動側テスト材:底面の縦横寸法:75mm×75mm
ウエイト:20N(ニュートン)/1個
電動モータ:減速比10:1の減速機構を備えた最高3000rpmのサーボモータ
電動モータの出力軸:最高300rpm
電力測定部:日置電気製メモリーハイコーダ8855
サンプリング時間:1ms
○設定:
潤滑油の有無:有り(潤滑条件は、図9を除いて、全実験で同一)。
電動モータの速度設定:80rpm(毎分回転数)、150rpm
荷重の設定:20N(ニュートン)、100N、180N
往復の数:4.5往復(前進5+後進4)
○計測値の処理:
先ず、80rpmと20Nとの組合せ条件下で、4.5往復の実験を行った。
そして、図6に示すように、第1前進→第1後進→第2前進→第2後進→・・・→第5前進までの電力波形が電力測定部により得られた。得られた電力波形を図5で説明した手順で演算させ、電力量D1〜D9を得た。9個の電力量を算術平均して平均消費電力量Daveを得た。このDaveは、次の表1の第2行第2欄に示すように、7.3Wsであった。速度と荷重との組合せ条件を変更して、表1に示す平均消費電力量(Ws)を得た。
Figure 2011095056
表1の荷重設定を横軸にとり、平均消費電力量を縦軸にとったグラフを、図7に示す。
平均消費電力量は、荷重に一次比例すると考えられる。すると、150rpmで曲線が上に凸であるため、予想より平均消費電力量が増えていることになる。80rpmの曲線より150rpmの曲線の方が、摺動性が悪いことが分かる。
そこで、150rpmについては、潤滑油の種類や粘度を変更することや、テスト材の材質、形状、表面あらさを変更するなどの修正を加えて、曲線を直線に近づける必要がある。
表1の速度設定を横軸にとり、平均消費電力量を縦軸にとったグラフを、図8に示す。
平均消費電力量は、速度を上げると減少する傾向にあり、20Nと180Nは、その傾向が認められる。一方、100Nではその傾向が乏しいので、100Nについては、潤滑油の種類や粘度を変更することや、テスト材の材質、形状、表面あらさを変更するなどして、再度、実験を行うことが推奨される。
次に、荷重及び速度は一定のままで、潤滑油の種類や粘度を変更することを検討する。
潤滑油は、E種、F種、J種の三種類を検討する。
図9に示すように、E種の潤滑油を用いて、4.5往復の実験を実施する。この際に、第1前進での消費電力量はE1、第1後進での消費電力量はE2、第2前進での消費電力量はE3・・・第5前進での消費電力量はE9であった。
同様に、F種の潤滑油で、第1前進での消費電力量F1、第1後進での消費電力量F2、第2前進での消費電力量F3・・・第5前進での消費電力量F9を得た。
同じく、J種の潤滑油で、第1前進での消費電力量J1、第1後進での消費電力量J2、第2前進での消費電力量J3・・・第5前進での消費電力量J9を得た。
得られた消費電力量を、E種、F種、J種についてプロットすると、図9のようになった。なお、プロットされる点は縦に一列に並べることを原則としたが、点同士が重なる場合は、右又は左に並べた。
消費電力量で判断すると、F種が良く、J種が悪いことになるが、F種はばらつきが大きい。そこで、ばらつきの度合いを検討する。
先ず、次に示す表2により、平均値と分散とを計算する。
Figure 2011095056
平均値は算術平均値である。分散νは標準偏差σの二乗値である。計算の結果、F種でのνが最も大きかった。分散νが大きいと、摩擦係数が大きく変動することが想定される。長期間にわたって往復直線運動を行わせる産業機械において、摩擦係数の変動は好ましくない。
この観点から、三種の潤滑油のうち、J種が最良と判断できる。
以上に述べたように、本発明の摺動性評価方法は、電動モータを駆動源とするテスト材移動機構により移動側テスト材を往復移動させ、このような移動側テスト材を、潤滑油を介して静止側テスト材に摺接させる工程と、
この工程に並行して、前記テスト材移動機構での移動速度を変化させる、若しくは前記移動側テスト材に付与する荷重を変化させる、又は前記潤滑油の種類を変えながら、前記電動モータで消費される電力を測定し、電力量を求める工程と、
この工程で得られた電力量の変化が、前記移動速度の変化若しくは前記荷重の変化又は前記潤滑油の種類の変更に相関があるか否かにより、摺動性の良否を判定する工程と、からなる。
摺動性の評価を摩擦係数ではなく、消費電力量によって行う。消費電力であれば、静摩擦、動摩擦の区別無く、一括して摺動性を評価することができ、実用的である。
本発明の摺動試験技術は、高速での往復移動が頻繁に行われる、型締機構の摺動部の評価に好適である。
10…摺動試験装置、11…静止側テスト材、12…移動側テスト材、13…機台、14…テスト材移動機構、15…電動モータ、16…ウエイト、17…中継部材、33…自在継手、38…潤滑油供給手段、39…油路、45…移動側テスト材の底面、46〜48…油溝、54…電力測定部、55…電力量演算部、58…潤滑油。

Claims (4)

  1. 電動モータを駆動源とするテスト材移動機構により移動側テスト材を往復移動させ、このような移動側テスト材を、潤滑油を介して静止側テスト材に摺接させる工程と、
    この工程に並行して、前記テスト材移動機構での移動速度を変化させる、若しくは前記移動側テスト材に付与する荷重を変化させる、又は前記潤滑油の種類を変えながら、前記電動モータで消費される電力を測定し、電力量を求める工程と、
    この工程で得られた電力量の変化が、前記移動速度の変化若しくは前記荷重の変化又は前記潤滑油の種類の変更に相関があるか否かにより、摺動性の良否を判定する工程と、からなることを特徴とする摺動性評価方法。
  2. 静止側テスト材の上面が水平になるようにして前記静止側テスト材を固定する機台と、この機台に設けられ前記静止側テスト材に載せた移動側テスト材を往復移動させるテスト材移動機構と、前記移動側テスト材に載せられるウエイトと、前記静止側テスト材と前記移動側テスト材との間に潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、前記機台に設けられ前記テスト材移動機構を駆動する電動モータと、この電動モータで消費される電力を測定する電力測定部と、得られた電力を電力量に換算する電力量換算手段とからなることを特徴とする摺動試験装置。
  3. 前記移動側テスト材と前記ウエイトとの間に中継部材が挟まれ、この中継部材は、水平方向でのテスト材移動機構の作用力を伝達し且つ前記中継部材の上下移動を許容する自在継手を介して前記テスト材移動機構に連結されていることを特徴とする請求項2記載の摺動試験装置。
  4. 前記潤滑油供給手段は、前記移動側テスト材の底面に設けられる油溝と、前記移動側テスト材内に設けられ一端が前記油溝に繋がる油路とを含んでいることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の摺動試験装置。
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