JP2010127766A - 摩擦試験装置および摩擦試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】適正且つ信頼性の高い評価を行えるようにした摩擦試験装置および摩擦試験方法を提供する。
【解決手段】スライドテーブル3に載せた試験片Sに対し摩擦子24を所定の負荷条件にて当接させ、スライドテーブル3を水平方向に往復移動させて試験を行う摩擦試験装置である。スライドテーブル3の往復移動に基づく試験片Sと摩擦子24との相対摺動回数の増加に併せて、摺動面がMのように摩耗することを考慮し、スライドテーブル3の往復動ストロークがS1〜S3のように次第に小さくなるように設定してある。例えば、スライドテーブルの往復回数1000回毎に、ストロークを片側1.0mmずつ合計で2.0mm短縮し、試験終了までストロークが段階的に小さくなるように制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、摺動部材の耐摩耗性や摩擦力の評価のための摩耗試験装置および摩擦試験方法に関する。
水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を負荷機構による所定の負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを水平方向に往復移動させて耐摩耗性の評価を行う試験装置が知られている。そして、そのテーブルを往復移動させるための駆動手段としていわゆるスライダ−クランク機構を用いたものが特許文献1に、上記駆動手段としていわゆるラック&ピニオン機構あるいはボールねじを用いたものが特許文献2,3にそれぞれ記載されている。
のものが提案されている。
特開平8−189885号公報 特許第3977766号公報 特許第3670947号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の試験装置では、試験片の摩耗が進行するとスティックスリップ現象が発生しやすくなるばかりでなく、そのスティックスリップ現象が発生した際に、摩擦子の上下方向の振動が増幅されてバウンド現象が発生することがある。そして、バウンド現象が発生すると、予め設定した負荷荷重よりも大きな負荷荷重が加わることにより、摩耗や摩滅が促進されるだけでなく、適正な試験結果を得ることができず、結果として信頼性の高い評価を行うことができないという問題がある。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、従来の不具合を解消して、適正且つ信頼性の高い評価を行えるようにした摩擦試験装置および摩擦試験方法を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて試験を行う摩擦試験装置であって、上記テーブルの往復移動に基づく試験片と摩擦子との相対摺動回数の増加に併せてテーブルの往復動ストロークが次第に小さくなるように設定してあることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて試験を行う摩擦試験装置であって、上記試験片と摩擦子との相対摺動に伴う試験片の摩耗量を検出する摩耗量検出手段を備えていて、その摩耗量検出手段による実測値の増大に併せてテーブルの往復動ストロークが次第に小さくなるように設定してあることを特徴とする。
より具体的には、請求項3に記載のように、上記試験片の摺動面についてその摺動方向の摩耗深さを連続的に計測し、摺動面の摺動方向中央部に対する摺動方向両端部の高低差が予め定めてある管理限界値となったときに、その管理限界値となった摺動方向両端部の少なくとも一部を除外するように、テーブルの往復動ストロークが次第に小さくなるように設定してあることが望ましい。
この場合において、試験そのものがテーブルの往復移動に大きく依存していることから、請求項4に記載のように、上記テーブルの往復動ストロークを二分するストロークセンタ位置は不変であって、そのストロークセンタ位置から往復動ストロークの両端までの距離が段階的に小さくなるように設定してあることが望ましい。
また、先に述べたような試験中の上下方向の振動を抑制する上では、装置の具体的な構造として請求項5に記載の構造とすることが望ましい。
すなわち、請求項5に記載の発明は、上記テーブルに載せた試験片に対して摩擦子を負荷機構による負荷条件にて垂直に当接させるようになっていて、上記負荷機構は、上記テーブルの上方においてその長手方向を当該テーブルの移動方向に一致させて配置した少なくとも上下二本のバランスアームと、上記摩擦子のほかその摩擦子に加わる力を検出する歪み計を有して、バランスアームの一端に連結された測定ヘッド部と、上記バランスアームを揺動可能に支持していて、そのバランスアームおよび測定ヘッド部とともに四節平行リンク機構を形成している支持体と、上記下側のバランスアームのうち支点をはさんで測定ヘッド部とは反対側の端部に固定されたカウンタウエイトと、を備えているものとする。その上で、上記カウンタウエイトは、その軸線が下側のバランスアームの長手方向に対して直角となり、且つそれ自体の重心が下側のバランスアームよりも下側となるように取り付けてある。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の技術を摩擦試験方法として捉えたものであって、水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて摩擦試験を行う方法として、上記テーブルの往復移動に基づく試験片と摩擦子との相対摺動回数の増加に併せてテーブルの往復動ストロークを次第に小さくすることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の技術を摩擦試験方法として捉えたものであって、水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて摩擦試験を行う方法として、試験中における試験片と摩擦子との相対摺動に伴う試験片の摩耗量を検出し、その摩耗量の実測値の増大に併せてテーブルの往復動ストロークを次第に小さくすることを特徴とする。
ここで、上記のようにテーブルの往復移動に基づいて試験片と摩擦子とを相対摺動動作させた場合、試験片の摺動面での摩耗深さは、負荷荷重の大きさだけでなくテーブルの移動速度にも依存する。その速度特性は、往復動の駆動手段によっても異なり、例えば駆動手段がスライダ−クランク機構の場合には、速度特性はいわゆるサインカーブ状のものになるのに対して、駆動手段がラック&ピニオン機構あるいはボールねじ機構の場合には速度特性は略台形状のものとなる。
そして、特に駆動手段がラック&ピニオン機構あるいはボールねじ機構の場合には、往復動ストロークの両端部は加速または減速区間となることから、往復動ストロークの中央部分が速度的に最も安定した定速摺動区間となる。それに伴って試験片の摺動面の摩耗についても、定速摺動区間に相当する部分での摩耗量が最大となり、加速または減速区間に相当する部分では摩耗深さが漸次増大または減少するいわゆる徐変部分となる。
摩耗深さの変化は摩擦子の上下方向の動きにほかならず、振動発生の原因となる。その上、摩耗深さの変化が大きいと、相対的に摩耗深さが小さい部位で持ち上げられた摩擦子が摺動方向の反転後に下降するかたちとなるため、ミクロ的にはその運動エネルギー成分が負荷加重として上乗せされ、局所的な摩耗を促進するとともに、異常摩耗へとつながり、先に述べたような摩擦子の振動現象あるいはバウンド現象を引き起こすことになる。
このようなことから、請求項1,2に記載の発明のように、試験片と摩擦子との相対摺動回数の増加に併せて、あるいは摩耗量検出手段による実測値の増大に併せてテーブルの往復動ストロークが次第に小さくなるように設定してあると、試験片の摩耗が進行したとしても、摩耗深さが漸次増大または減少するいわゆる徐変部分の影響を受けにくくなり、結果として摩擦子の上下方向での振動現象が抑制されて、バウンド現象が発生しにくいものとなる。
なお、往復動ストロークのうち速度的に最も安定した定速摺動区間での試験結果をもって例えば耐摩耗性等を評価するので、往復動ストロークが次第に小さくなることは何ら問題となることはない。
請求項1,2および請求項6,7に記載の発明によれば、試験片の摩耗が進行したとしても、摩擦子の上下方向での振動やバウンド現象が抑制されて、適正且つ信頼性の高い摩擦評価を行うことができるようになる。
請求項3に記載の発明によれば、摩耗量の実測値に応じてストローク調整量が決定されるので、ストローク調整のタイミングとその調整量が最適化されて、安定した試験結果を得ることができるとともに、適正且つ信頼性の高い摩擦評価を行う上で一段と有利となる。
請求項4に記載の発明によれば、テーブルの往復動ストロークは変化してもそのストロークセンタ位置は不変であるため、試験片と摩擦子との安定した相対摺動動作が行われる。
請求項5に記載の発明によれば、スティックスリップ現象または振動現象が発生した際に摩擦子が試験片から浮き上がるような挙動をしたとしても、それに伴うバランスアームおよびカウンタウエイトの変位によって摩擦子を元の状態に戻すような復元力が作用するため、摩擦子が上下方向に振動するのを抑制または減衰することができるとともに、摩擦子の振動が摩擦評価に与える影響を低減することが可能となり、これによってもまた一段と適正且つ信頼性の高い摩擦評価を行うことができるようになる。
[第1の実施の形態]
図1〜5および表1は本発明のより具体的な第1の実施の形態を示し、特に図1,2には耐摩耗性試験のための摩擦試験装置の一例を示している。ここでの摩擦試験装置は、後述するように、水平なスライドテーブル3に載せた試験片Sに対して摩擦子24を負荷機構11による所定の負荷条件にて垂直に当接させ、その状態でスライドテーブル3を水平方向に往復移動させて試験を行うものである。
図1に示すように、台座1上に、試験片Sをサンプルホルダ2を介して載置するための水平なスライドテーブル3と、そのスライドテーブル3を水平方向に往復移動させるための駆動源であるサーボモータ(以下、単に「モータ」と言う。)4とを搭載してあるとともに、両者をボールねじ5にて接続してある。スライドテーブル3はその下方のスライダ6に固定してあるとともに、スライダ6はリニアガイド7にスライド可能に案内支持させてある。また、モータ4の出力軸にはカップリング8を介してボールねじ5のスクリューシャフト9を連結してあるとともに、そのスクリューシャフト9はスライダ6側の図示しないナット部材に螺合させてある。
したがって、モータ4によりスクリューシャフト9を正転または逆転駆動することで、スライドテーブル3がスライダ6とともに所定ストロークのもとで往復移動することになる。そして、以上の説明から明らかなように、モータ4とボールねじ5とでスライドテーブル駆動装置10を形成してある。
台座1上には上記ボールねじ5のスクリューシャフト9と干渉しないように負荷機構11の主要素となる支持体としてのポスト12を直立姿勢にて立設してある。このポスト12には支点となるピン13と図示外の軸受を介して互いに平行な上下二本のバランスアーム14,15をシーソー式に揺動または旋回可能に支持させてある。そして、上下二本のバランスアーム14,15の長手方向はスライドテーブル3のスライド方向と一致していて、それらのバランスアーム14,15の一端にはピン16と図示外の軸受とをもってスライドテーブル3の上方に位置するように測定ヘッド部17を連結してあるとともに、他端には同じくピン18と図示外の軸受とをもってリンク19を連結してある。さらに、上側のバランスアーム14の他端には、これを延長するように突出するねじ軸20に微調整用のウエイト21を位置調整可能に螺合させてあるとともに、下側のアーム15の他端には所定重量のカウンタウエイト22を取り付けてある。
これらの要素のうち、上下二本のバランスアーム14,15はポスト12や測定ヘッド部17とともに四節平行リンク機構を構成していて(以下、このリンク機構を「右側の四節平行リンク機構」と称する。)、同時に上下二本のバランスアーム14,15はポスト12やリンク19とともに四節平行リンク機構を構成している(以下、このリンク機構を「左側の四節平行リンク機構」と称する。)。その結果、バランスアーム14,15の傾斜あるいは姿勢の変化にかかわらず、測定ヘッド部17の軸線はスライドテーブル3に対して直角となるように設定してある。
ここで、上下一対のバランスアーム14,15について、測定ヘッド部17との連結部からリンク19との連結部までの距離である総スパンL1の中間位置にポスト12との連結位置を設定してあり、結果として図1の測定ヘッド部17寄りのアーム長L2とリンク19寄りのアーム長L3とは共に等しく設定してある。
カウンタウエイト22は測定ヘッド部17との重量バランスをとるために例えば中実円筒状または角筒状に形成されているもので、下側のバランスアーム15の他端の下面に直接固定してある。このカウンタウエイト22の軸心は下側のバランスアーム15の長手方向に対して直角となり、且つそれ自体の重心Gが下側のバランスアーム15よりも下側に位置するように設定してある。
測定ヘッド部17は、ヘッド部本体23の下端に装着されて且つその下方の試験片Sと直接接触することになる摩擦子24とともに、その摩擦子24に加わる力を検出するための歪み計としてのロードセル25を装着したものである。そして、ヘッド部本体23の上端の支持ロッド26には、実際の試験に際しての定格荷重相当分のウエイト27が着脱可能に装着されることになる。なお、試験片Sと摩擦子24とが相対移動する際にその摩擦子24に加わる摩擦力がロードセル25によって検出され、その検出出力は例えばパーソナルコンピュータ等にて形成された後述の制御コントローラ30(図2参照)のデータ記録部31に記録される。
図2は上記摩擦試験装置におけるスライドテーブル3の駆動系のブロック回路図を示し、周知のようにモータ4はロータリーエンコーダ等の位置検出器28を位置フィードバック要素として有していて、サーボコントローラ29からの指令によりその正逆転駆動が行われる。その結果として、スライドテーブル3が所定のストロークのもとで往動と復動とを繰り返すことになる。サーボコントローラ29の上位側の制御コントローラ30は、先に述べたデータ記録部31のほか、メイン制御部32と、スライドテーブル3の往復動ストロークを可変制御するためのストローク短縮範囲演算部33を有しているとともに、初期条件入力装置34と補正条件入力装置5が付帯している。
ここでは、後述するように、スライドテーブル3の往復移動に基づく試験片Sと摩擦子24との相対摺動回数の増加に併せてあるいは連動して、スライドテーブル3の往復動ストロークが次第に小さくなるように積極的に可変制御するものである。ただし、スライドテーブル3の往復動ストロークを二分するストロークセンタ位置は不変であって、そのストロークセンタ位置から往復動ストロークの始終両端までの距離が共に等しく且つ段階的に小さくなるように制御するものとする。
そのため、図2ほか表1に示すように、初期条件入力装置34からは、スライドテーブル3の設定速度(mm/sec)、サイクル時間(ms/往復)、初期ストローク(mm)、および初期反転時間(ms)が入力されて、メイン制御部32に設定値指令として与えられる。なお、上記反転時間とは、スライドテーブル3が往動から復動、あるいはその反対に復動から往動に反転する際の待機時間のことである。
その一方、補正条件入力装置35からは上記のようなスライドテーブル3の往復動ストロークの可変制御に必要な情報、すなわちスライドテーブル3の往復動ストロークを段階的に小さくするのに必要なストローク調整時期とストローク調整幅、および反転時間調整量がそれぞれに入力されて、ストローク短縮範囲演算部33の補正条件指令として与えられる。
ここでは、表1に示すように、摩擦子24と試験片Sとの相対摺動回数(往復回数)として例えば20000回程度を想定していて、スライドテーブル3のn回の往復動ストロークにつき一回、つまり、スライドテーブル3のn回の往復回数毎に、上記のようにストロークセンタ位置から往復動ストロークの始終両端までの距離が共に等しく且つ段階的に小さくなるようにストロークを可変制御するものとし、ストローク調整時期として上記n回に相当する回数(例えば、1000回)と、ストローク調整幅(例えば、片側1.0mmずつ減ずる場合には合計で2.0mm)とを、上記補正条件入力装置35から入力して、ストローク短縮範囲演算部33に設定することになる。
この場合において、表1に示すように、例えば往復回数が1000回となった時に減ずるストローク調整幅を2.0mmとすると、往復回数が2000回となった時に減ずるストローク調整幅は合計で4.0mm、往復回数が3000回となった時に減ずるストローク調整幅は合計で6.0mm、となる。表1のストロークの欄における括弧内数字はこれらのストローク調整幅を示しており、例えば「98.0(−2.0)」は、それまで100mmであったストロークを片側1.0mmずつ減じて両側で2.0mm短縮して、98.0mmにする、ことを表している。同様に、「96.0(−4.0)」は、それまで98.0mmであったストロークをさらに片側1.0mmずつ減じて両側で2.0mm短縮して、96.0mmにする、ことを表している。
このことは、表1の反転時間についても同様であって、1サイクルあたりの所要時間が一定となるように、ストロークが短くなった分だけ反転時間が漸次増加するように設定している。例えば表1の反転時間の欄における「58(+8)」は、それまで50msであった反転時間を8ms増加させて58msにする、ことを表している。同様に、「66(+16)」は、それまで58msであった反転時間をさらに8ms増加させて66msにする、ことを表している。
Figure 2010127766
そして、ストローク短縮範囲演算部33は、モータ4側の位置検出器28からの回転位置情報をもとにスライドテーブル3の往復動回数を計数・積算する機能を有していて、スライドテーブル3の往復動回数が上記の設定回数に達したならば、同じく上記のように予め設定されているストローク調整幅をもってストローク補正条件を演算し、その補正データをもって既存のストローク指令を補正するべく、メイン制御部33に対して補正フィードバック指令として出力することになる。なお、上記反転時補正についても同様である。
このように構成された摩擦試験装置によれば、試験に先立って、測定ヘッド部17の支持ロッド26にウエイト27が装着されていない状態で、測定ヘッド部17とカウンタウエイト22とが釣り合ってバランスアーム14,15が水平姿勢となるようにバランス調整を行う。その際に、必要に応じて微調整用のウエイト21の位置を調整する。
バランス調整を終えたならば、スライドテーブル3上に例えば平板状のゴムあるいはTPO等の弾性材料の試験片Sをセットし、後述するような摩擦子24との相対摺動によっても容易に移動することがないようにその試験片Sをサンプルホルダ2に固定する。その上で、測定ヘッド部17の支持ロッド26に対して定格荷重のウエイト27を載せて、その定格荷重を試験片Sに負荷する。なお、ここでは、試験片Sとしてドアグラスランに代表されるような自動車用のシール部材のサンプルを用い、その耐摩耗性評価を想定している。
この後にスライドテーブル駆動装置10のモータ4を起動して実際の試験に移行する。すなわち、モータ4の正逆転駆動によりボールねじ5のスクリューシャフト9の正転と逆転とを交互に繰り返して、所定ストロークおよび所定速度のもとでスライドテーブル3を往復移動させる。スライドテーブル3の往復移動に伴い所定の摩擦力をもって試験片Sと摩擦子24とが相対的な摺動動作を繰り返し、その相対摺動方向において摩擦子24に加わる加重すなわち摩擦力がロードセル25によってリアルタイムで且つ連続的に検出されて耐摩耗性評価データとして図2のデータ記録部31に記録される。
この場合において、表1に示すように、例えば初期段階ではスライドテーブル3の設定速度を240mm/sec、サイクル時間を1000ms/往復、ストロークを100mm、反転時間を50msとして試験を開始する。そして、スライドテーブル駆動装置10の動力源としてボールねじ5を採用しているが故に、試験片Sの摺動面の摩耗状況は先にも述べたようにスライドテーブル3の速度特性に依存し、図3に示すように往復動ストロークの中央部ではその摩耗深さ(摩耗量)Mが比較的一定しているものの、ストロークの始終両端部では摩耗深さMが漸次増大または減少するいわゆる徐変部分Qの発生が不可避となる。
そこで、上記徐変部分Qの少なくとも一部をその摩耗進行に併せて往復動ストロークの範囲から除外するべく、図3に示すように、スライドテーブル3の往復動ストロークをS1からS2へ、さらにS2からS3へと順次段階的に変化させるものとする。すなわち、上記徐変部分Qの少なくとも一部をその摩耗進行に併せて往復動ストロークの範囲から除外するべく、スライドテーブル3の往復動ストロークの回数で1000回ごとに、ストロークを2.0mm(片側1.0mm)ずつ段階的に短縮し、同時に反転時間を8msずつ段階的に増加させる。
この結果、本試験での規定の往復動ストロークの回数(摩擦子24と試験片Sとの相対摺動往復回数)を例えば20000回とした場合、試験末期に至ってその回数が19000回を超えた段階では、表1に示すように、当初は100mmであったストロークが62.0mmまで短縮され、同時に当初は50msであった反転時間が202msまで増加することになる。これによって、ストロークが短くなった分だけ反転時間を増加させることで、1サイクルあたりの所要時間がほぼ一定したものとなる。
このように、試験片Sと摩擦子24との相対摺動往復回数の増加に併せて、スライドテーブル3の往復動ストロークが漸次段階的に小さくなるように設定してあると、試験片Sの摩耗が進行したとしても、摩耗深さMが漸次増大または減少するいわゆる徐変部分Qの影響を受けにくくなり、結果として摩擦子24の上下方向での振動現象が抑制されて、バウンド現象が発生しにくいものとなる。なお、往復動ストロークが次第に小さくなることは耐摩耗性評価の上で何ら支障はない。
さらに、所定の定格加重の負荷条件のもとで試験片Sに対して圧接している摩擦子24を含む測定ヘッド部17は、それらの測定ヘッド部17やポスト12とともに四節平行リンク機構を形成している上下二本のバランスアーム14,15に支持されていることから、バランスアーム14,15が傾斜姿勢にあるか水平姿勢にあるかにかかわらず測定ヘッド部17の軸心は鉛直方向を指向していて変化することはない。したがって、試験中において試験片Sが摩耗することがあっても、試験片Sに対して摩擦子24を常時直角に押し当てることができるから、試験中において試験片Sに対する摩擦子24側の面圧が変化してしまうことがなく、負荷条件の安定化が図れるようになる。
また、試験片Sと摩擦子24とが相対摺動する過程において、試験片Sの材質等によっては摩擦子24を含む測定ヘッド部17がいわゆるスティックスリップ現象を生ずることがある。このスティックスリップ現象を放置すると、測定ヘッド部17が周期的に試験片Sから浮き上がり気味となり、次第に測定ヘッド部17全体の上下方向の振動へと増幅されてしまい、測定ヘッド部17全体が周期的なバウンド現象を生ずる結果、摩擦試験による適性な評価を行うことが困難となることがあることは先に述べたとおりである。
これに対して本実施の形態では、スティックスリップ現象の発生により測定ヘッド部17が試験片Sから浮き上がり気味となると、それと同時に図4に示すようにバランスアーム14,15が反時計回り方向に左下がりのかたちで揺動してカウンタウエイト22が下降することになる。このバランスアーム14,15の揺動に伴いカウンタウエイト22の軸心が傾き、当該カウンタウエイト22の重心Gが所定量だけ従前よりも支点13側に近付くことになる。なお、図4では、説明の都合上、バランスアーム14,15の傾きを誇張して描いてある。
すなわち、図4のほか図5から明らかなように、下側のバランスアーム15が反時計回り方向に揺動する前と後とでは、その下側のバランスアーム15とカウンタウエイト22との相対位置関係は不変であるから、下側のバランスアーム15の反時計回り方向への揺動に伴ってカウンタウエイト22の重心Gが支点13寄りに近付くことは、支点13からカウンタウエイト22の重心Gの位置までの距離(アーム長)が従前よりも所定量αだけ小さくなる故に、そのアーム長とカウンタウエイト22の重量との積である回転モーメントが従前よりも小さくなることを意味する。
そうすると、図4,5に示すように、バランスアーム14,15が反時計回り方向に揺動したことによる反動として、上記のようにカウンタウエイト22側での回転モーメントが従前よりも小さくなることで、相対的に一対のバランスアーム14,15を時計回り方向側に揺動させて元の状態に戻そうとする復元力Fが作用することになる。この復元力Fは、先にも述べたようにスティックスリップ現象の発生に伴い一旦は試験片Sから浮き上がろうとした測定ヘッド部17を再び試験片Sに押し付ける方向に作用する。
なお、図6に示すように、下側のバランスアーム15にカウンタウエイト22が固定されてはいても、カウンタウエイト22の重心Gの位置がバランスアーム15の長手方向と一致していたり、あるいはバランスアームよりも上方にあると、所定量αがきわめて小さいために上記復元力Fを期待することはできない。
上記復元力Fが積極的に発生する結果として、試験中のスティックスリップ現象の発生によって、測定ヘッド部17の上下方向の振動が増幅されてしまうことがなく、逆に上記の復元力Fが測定ヘッド部17の上下方向の振動を減衰または収束(抑制)するように作用することから、無用な振動が摩擦試験ひいては耐摩耗性試験の評価に及ぼす影響を抑制することが可能となる。
ここで、上記実施の形態では、ボールねじ5によりスライドテーブル3を往復移動させるようにしているが、スライドテーブル3の往復駆動手段は特に特に問わないものである。例えば、上記のボールねじ5に代えてラック&ピニオン機構にてスライドテーブル3を往復駆動するようにしても所期の目的を達成することができる。
また、図2の補正条件入力装置35から入力される数値条件は、任意の値に適宜変更できることは言うまでもない。
[第2の実施の形態]
表2は本発明の第2の実施の形態を示し、ストローク調整時期およびストローク調整幅ともに表1と比べて1/10にして、いわゆるよりきめ細かな制御を行うようにしたものである。
すなわち、表2では、スライドテーブル3の往復動ストロークの回数で100回ごとに、そのストロークを0.2mm(片側0.1mm)ずつ段階的に短縮し、同時に反転時間を1msずつ段階的に増加させるよにしたものである。この結果、本試験での規定の往復動ストロークの回数(摩擦子24と試験片Sとの相対摺動往復回数)を上記と同様に例えば20000回とした場合、試験末期に至ってその回数が19900回を超えた段階では、表2に示すように、当初は100mmであったストロークが60.2mmまで短縮され、同時に当初は50msであった反転時間が209msまで増加することになる。
Figure 2010127766
[第3の実施の形態]
図7〜9および表3は本発明の第3の実施の形態を示し、図7において図2と共通する部分には同一符号を付してある。
この第3の実施の形態では、試験片Sの摩耗量を実測してその変化を監視し、その実測値に応じてストロークや反転時間を可変制御するようにしたものである。
すなわち、表3から明らかなように、試験片Sの摺動面におけるストローク方向中央部が摩耗深さ(摩耗量)設定値である100μm摩耗する毎に、ストロークを10.0mm(片側5.0mm)ずつ短縮するとともに、反転時間を40msずつ増加させるようにしたものである。したがって、上記摩耗深さ設定値、ストローク調整幅および反転時間調整量を入力するための図7の補正条件入力装置35の機能は図2のものと同様である。
Figure 2010127766
図8において、測定ヘッド部17におけるロードセル25の外側には、摩擦子25に近接して光学式等の非接触式の変位センサ(測距センサ)36を下向きに装着してある。この変位センサ36は試験中であるか否かにかかわらずスライドテーブル3の上面までの距離、ここではサンプルホルダ2の上面までの距離を摩擦子24の高さ位置として連続的に検出可能となっていて、その検出出力は図7の制御コントローラ30の摩耗深さ演算部37に取り込まれる。つまり、試験片Sにおける摺動面の摩耗に伴ってその摺動面に当接している摩擦子24が高さ位置が変化するので、摩擦子24の高さ変位は上記摩耗深さ(摩耗量)の実測値にほかならず、上記摩擦子24の高さ変位が上記摩耗深さの実測値として摩耗深さ演算部37に取り込まれることになる。
図7の摩耗深さ演算部37には、変位センサ36の検出出力のほかモータ4側の位置検出器28の回転位置情報が取り込まれるようになっていて、これらの情報に基づいて、図3に示したように試験片Sにおけるストローク全域の摺動面の摩耗深さMが算出される。
本実施の形態では、図8に示すように、試験開始前に、スライドテーブル3が往復動ストロークの中間位置にある状態で、サンプルホルダ2の上面までの距離を初期高さH1として検出し、この値を図7の制御コントローラ30の摩耗深さ演算部37に記憶・保持しておく。
その一方、試験中において、スライドテーブル3の往復移動に伴い試験片Sと摩擦子24とが相対摺動している過程では、スライドテーブル3が往復動ストロークの全域において、図9に示すようにサンプルホルダ2の上面までの距離を試験中高さH2としてリアルタイムで検出して、図7の制御コントローラ30の摩耗深さ演算部37側に取り込む。この試験中高さH2のデータは例えば図3に示すような摩耗した摺動面の波形に相当する時系列のデータであり、例えば往動および復動のその都度または一往復毎にそれらのデータのうちストローク方向中央部のデータを抽出した上で先の初期高さH1と比較して両者の差分を摩耗深さ実測値Mとして算出し、そのままストローク短縮範囲演算部33に対して出力する。
また、ストローク短縮範囲演算部33では、先に補正条件入力装置35から入力されている摩耗深さ設定値(100μm)が予め記憶・設定されているので、上記摩耗深さ実測値Mが摩耗深さ設定値と一致したか否かを常時監視している。摩耗深さ実測値Mが摩耗深さ設定値と一致すると、同じく上記のように予め設定されているストローク調整幅をもってストローク補正条件を演算し、その補正データをもって既存のストローク指令を補正するべく、メイン制御部32に対して補正フィードバック指令として出力することになる。なお、上記反転時補正についても同様である。
その結果として、表3にも示すように、試験片Sの摺動面における中央部が100μm摩耗する毎に、ストロークを10.0mm(片側5.0mm)ずつ短縮するとともに、反転時間を40msずつ増加させることになる。すなわち、表3に示すように、当初は100mmであったストロークが、摩耗量が400μmに達するようになる段階では、60mmまで短縮され、同時に当初は50msであった反転時間が210msまで増加することになる。
この第3の実施の形態においても、先の第1の実施の形態と同様の効果が得られることになる。
[第4の実施の形態]
表4は本発明の第4の実施の形態を示し、摩耗深さ設定値およびストローク調整幅ともに表3と比べて1/10にして、いわゆるよりきめ細かな制御を行うようにしたものである。
表4では、試験片Sの摺動面における中央部が10μm摩耗する毎に、ストロークを1.0mm(片側0.5mm)ずつ短縮するとともに、反転時間を4msずつ増加させている。すなわち、表4に示すように、当初は100mmであったストロークが、摩耗量が490μmに達するようになる段階では、51mmまで短縮され、同時に当初は50msであった反転時間が246msまで増加することになる。
Figure 2010127766

[第5の実施の形態]
図10および表5は本発明の第5の実施の形態を示すものである。なお、図10において図7と共通する部分には同一符号を付してある。
この第5の実施の形態では、試験片Sにおける摺動面の中央部の摩耗深さM(図3,9参照)が例えば100μm(この値を、摩耗深さ設定値とする。)に到達した場合に、図3に示すようなストロークの始終両端部の徐変部分Qであって且つ摩耗深さが例えば50μm(この値を、除外する範囲の深さ基準値とする。)以下となる領域を往復動ストロークから除外するようにしたものである。それ以降は、試験片Sにおける摺動面の中央部が例えば50μm(この値も、摩耗深さ設定値とする。)摩耗する毎に、上記除外する範囲の摩耗深さ基準値を50μmずつ増大させるものとする。こうすることにより、実往復動ストローク内における摺動面の高低差は50μm以下の範囲に抑えることが可能となる。
なお、この実施の形態では、試験片Sにおける摺動面の摺動方向中央部に対する摺動方向両端部の高低差が所定の値となったときにストロークを短縮することにほかならず、上記摩耗深さ設定値や除外する範囲の摩耗深さ基準値は予め定めてある管理限界値として機能する。
図10において、制御コントローラ30に付帯する補正条件入力装置35からはストローク短縮範囲演算部33に対して、上記の摩耗深さ設定値と除外する範囲の深さ基準値のほか、ストローク調整幅および反転時間調整量がそれぞれ入力されて設定・記憶される。なお、表5から明らかなように、摩耗深さの増大とともに、除外する範囲の深さ基準値およびストローク調整幅ともに、段階的に徐変させるようにしてある。
また、制御コントローラ30の摩耗深さ演算部37には、先の実施の形態と同様に、変位センサ36の検出出力のほかモータ4側の位置検出器28の回転位置情報が取り込まれるようになっていて、これらの情報に基づいて、図3に示したように試験片Sにおけるストローク全域の摺動面の摩耗深さMが算出される。
本実施の形態においても、図8に示すように、試験開始前に、スライドテーブル3が往復動ストロークの中間位置にある状態で、サンプルホルダ2の上面までの距離を初期高さH1として検出し、この値を図10の制御コントローラ30の摩耗深さ演算部37に記憶・保持しておく。
その一方、試験中において、スライドテーブル3の往復移動に伴い試験片Sと摩擦子24とが相対摺動している過程では、スライドテーブル3の往復動ストロークの全域において、図9に示すようにサンプルホルダ2の上面までの距離を試験中高さH2としてリアルタイムで検出して、図10の制御コントローラ30の摩耗深さ演算部37側に取り込む。この試験中高さH2のデータは例えば図3に示すような摩耗した摺動面の波形に相当するストローク方向の時系列のデータであり、例えば往動および復動のその都度または一往復毎に、先の初期高さH1と比較して両者の差分を摩耗深さ実測値Mの時系列の波形データを生成し、そのままストローク短縮範囲演算部33に対して出力する。
また、ストローク短縮範囲演算部33では、先に補正条件入力装置35から入力されている摩耗深さ設定値(100μm)等が予め記憶・設定されているので、上記のように摩耗深さ実測値Mの時系列の波形データが入力されるとそれらのデータのうちからストローク方向の中央部のデータを抽出した上で、摩耗深さ設定値と一致したか否かを常時監視している。ここで、ストローク方向の中央部のデータとは、試験片Sにおける摺動面のストローク方向中央部の摩耗深さMにほかならない。
この試験片Sにおける摺動面のストローク方向中央部の摩耗深さMが摩耗深さ設定値と一致したならば、同じく摩耗深さ実測値Mの時系列の波形データのうちストローク方向の始終両端部において、先に述べたような除外する範囲の深さ基準値(上記の例では50μm)以下の範囲を特定して、ストロークの始終両端部において当該ストロークから除外する(短縮する)範囲を特定する。そして、そのストローク除外範囲に基づくストローク補正条件を演算し、その補正データをもって既存のストローク指令を補正するべく、メイン制御部32に対して補正フィードバック指令として出力することになる。なお、上記反転時補正についても同様である。
その結果として、メイン制御部32からモータ4に対して出力されるテーブルの往復動ストロークに関する駆動指令が更新され、表5にも示すように、試験片Sの摺動面における中央部の摩耗深さMが摩耗深さ設定値である100μmに到達した場合に、図3に示すようなストロークの始終両端部の徐変部分Qであって且つ除外する範囲の深さ基準値であるところの50μm以下となる領域が往復動ストロークから除外され、同時に反転時間が40msだけ増加することになる。そして、以降は、試験片Sにおける摺動面の中央部が例えば50μm摩耗する毎に、上記のような除外する範囲の摩耗深さ基準値も50μmずつ増加することになる。
表5では、当初は100mmであったストロークが、摩耗量が450μmに達するようになる段階では54mmまで短縮され、同時に当初は50msであった反転時間が234msまで増加することになる。
Figure 2010127766
ここで、上記表5の条件よりもさらに決め細かく制御することももちろん可能であり、この場合には図10の補正条件入力装置35から入力される各種数値条件を適宜変更すれば良い。
例えば、試験片Sにおける摺動面の中央部の摩耗深さMが例えば20μmに到達した場合に、図3に示すようなストロークの始終両端部の徐変部分Qであって且つ摩耗深さMが例えば10μm以下となる領域を往復動ストロークから除外するようにする。それ以降は、試験片Sにおける摺動面の中央部が例えば10μm摩耗する毎に、上記のような除外する範囲の摩耗深さ基準値を10μmずつ増大させるものとする。こうすることにより、表5よりも一段ときめ細かく制御することができ、実往復動ストローク内における摺動面の高低差は10μm以下の範囲に抑えることが可能となる。
[第6の実施の形態]
図11は本発明の第6の実施の形態を示す図で、先の図10と共通する部分には同一符号を付してある。この第6の実施の形態では、図11におけるストローク短縮範囲演算部33の処理方式を図10のものとは異ならせて、後述するように摩耗深さの平均変化率を採用して、ストロークを段階的に短縮するようにしたものである。
最初に、経験的にまたは事前のトライアル等により獲得したデータに基づいて摩耗深さの平均変化率設定値を決定し、図11の補正条件入力装置35から摩耗深さの平均変化率設定値として例えば0.01という数値を入力して、ストローク調整幅および反転時間調整量とともにストローク短縮範囲演算部33に予め記憶・設定しておく。その上で、スライドテーブル3の往復動ストロークである初期ストロークを先のいくつかの実施の形態と同様に例えば100mmに設定しておく。
試験中において、スライドテーブル3の往復移動に伴い試験片Sと摩擦子24とが相対摺動している過程では、スライドテーブル3の往復動ストロークの全域において、サンプルホルダ2の上面までの距離を試験中高さH2としてリアルタイムで検出して図11の制御コントローラ30の摩耗深さ演算部37側に取り込む。この試験中高さH2のデータは例えば図3に示すような摩耗した摺動面の波形に相当するストローク方向の時系列のデータであり、例えば往動および復動のその都度または一往復毎に、先の初期高さH1と比較して両者の差分を摩耗深さ実測値Mの時系列の波形データを生成し、そのままストローク短縮範囲演算部33に対して出力する。なお、ここまでの処理は先の第5の実施の形態と同様である。
図11の制御コントローラ30におけるストローク短縮範囲演算部33では、ストローク全域(ストローク長100mm分)の摩耗深さ実測値Mの時系列の波形データを5.0mmピッチの複数の区間に細分割し、それぞれの区間内での摩耗深さの差(摩耗深さの最大値と最小値との差で、その区間での高低差とも言うべきもの)を算出した上で、各区間の平均変化率を算出する。例えば、ピッチが5.0mmの特定の区間の摩擦深さの差が100μmであった場合には、その区間の平均変化率として0.10mm/5.0mm=0.02を算出する。その上で、算出した平均変化率と予め設定してある平均変化率設定値とを比較する。
例えば、スライドテーブル3の往復回数が4000回前後の時点で、上記のようにストロークの始終両端部のうちいずれか一方の最も端に位置する区間の平均変化率が平均変化率設定値を超えた場合に、ストロークの始終両端部の最も端に位置するピッチ5.0mmの区間を除外するべく、メイン制御部32に付与すべきストロークの補正データを作成するものとする。そして、その補正データをメイン制御部32に対して補正フィードバック指令として出力することになる。その結果として、スライドテーブル3のストロークとして初期ストロークが100mmであったものを、片側5.0mmずつ合計で10.0mm短縮して、ストロークを90mmに更新したことになる。
以降も同様の処理を行い、先に述べたようにストローク全域の摩耗深さ実測値Mの時系列の波形データを5.0mmピッチの複数の区間に細分割し、それぞれの区間内での摩耗深さの平均変化率を算出した上で平均変化率設定値と比較し、ストロークの始端または終端における摩耗深さの平均変化率が平均変化率設定値を超えた場合には、その都度ストロークを片側5.0mmずつ合計で10.0mm短縮して、ストロークを摩耗進行に併せて段階的に短くするものとする。
ここで、ストロークの始端または終端における摩耗深さの平均変化率が平均変化率設定値を超えた場合には、その都度ストロークの片側だけでなく両側のストロークを短縮しているのは、先にも述べたように、スライドテーブル3の往復動ストロークを二分するストロークセンタ位置は不変とし、そのストロークセンタ位置から往復動ストロークの始終両端までの距離が共に等しくなるようにするためである。
したがって、そのストロークセンタ位置から往復動ストロークの始終両端までの距離が共に等しいことが条件とされない場合には、ストロークの始端または終端における摩耗深さの平均変化率が平均変化率設定値を超えた場合に、その平均変化率が平均変化率設定値を超えた片側についてのみストロークを短縮することももちろん可能である。
本発明に係る摩擦試験装置の第1の実施の形態を示す構成説明図。 図1に示したスライドテーブル駆動系のブロック回路図。 図1における試験片の摩耗進行状態を示す説明図。 図1の摩擦試験装置の挙動を誇張して示す説明図。 図4の要部拡大図。 図5の構造に対して好ましくない比較例を示す要部構成説明図。 本発明に係る摩擦試験装置の第3の実施の形態を示す図で、スライドテーブル駆動系のブロック回路図。 (A)は摩擦子と試験片との相互関係を示す要部拡大説明図、(B)は同図(A)の側面説明図。 (A)は図8の(A)の状態から摩耗が進行した状態を示す説明図、(B)は同図(A)の側面説明図。 本発明に係る摩擦試験装置の第5の実施の形態を示す図で、スライドテーブル駆動系のブロック回路図。 本発明に係る摩擦試験装置の第5の実施の形態を示す図で、スライドテーブル駆動系のブロック回路図。
符号の説明
3…スライドテーブル(テーブル)
4…サーボモータ
5…ボールねじ
10…スライドテーブル駆動装置
11…負荷機構
12…ポスト(支持体)
13…ピン(支点)
14,15…バランスアーム
17…測定ヘッド部
22…カウンタウエイト
24…摩擦子
25…ロードセル(歪み計)
28…位置検出器
29…サーボコントローラ
30…制御コントローラ
32…メイン制御部
33…ストローク短縮範囲演算部
34…初期条件入力装置
35…補正条件入力装置
36…変位センサ(摩耗量検出手段)
G…重心
S…試験片

Claims (7)

  1. 水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて試験を行う摩擦試験装置であって、
    上記テーブルの往復移動に基づく試験片と摩擦子との相対摺動回数の増加に併せてテーブルの往復動ストロークが次第に小さくなるように設定してあることを特徴とする摩擦試験装置。
  2. 水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて試験を行う摩擦試験装置であって、
    上記試験片と摩擦子との相対摺動に伴う試験片の摩耗量を検出する摩耗量検出手段を備えていて、
    その摩耗量検出手段による実測値の増大に併せてテーブルの往復動ストロークが次第に小さくなるように設定してあることを特徴とする摩擦試験装置。
  3. 上記試験片の摺動面についてその摺動方向の摩耗深さを連続的に計測し、
    摺動面の摺動方向中央部に対する摺動方向両端部の高低差が予め定めてある管理限界値となったときに、その管理限界値となった摺動方向両端部の少なくとも一部を除外するように、テーブルの往復動ストロークが次第に小さくなるように設定してあることを特徴とする請求項2に記載の摩擦試験装置。
  4. 上記テーブルの往復動ストロークを二分するストロークセンタ位置は不変であって、
    そのストロークセンタ位置から往復動ストロークの両端までの距離が段階的に小さくなるように設定してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦試験装置。
  5. 上記テーブルに載せた試験片に対して摩擦子を負荷機構による負荷条件にて垂直に当接させるようになっていて、
    上記負荷機構は、
    上記テーブルの上方においてその長手方向を当該テーブルの移動方向に一致させて配置した少なくとも上下二本のバランスアームと、
    上記摩擦子のほかその摩擦子に加わる力を検出する歪み計を有して、バランスアームの一端に連結された測定ヘッド部と、
    上記バランスアームを揺動可能に支持していて、そのバランスアームおよび測定ヘッド部とともに四節平行リンク機構を形成している支持体と、
    上記下側のバランスアームのうち支点をはさんで測定ヘッド部とは反対側の端部に固定されたカウンタウエイトと、
    を備えていて、
    上記カウンタウエイトは、その軸線が下側のバランスアームの長手方向に対して直角となり、且つそれ自体の重心が下側のバランスアームよりも下側となるように取り付けてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦試験装置。
  6. 水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて摩擦試験を行う方法であって、
    上記テーブルの往復移動に基づく試験片と摩擦子との相対摺動回数の増加に併せてテーブルの往復動ストロークを次第に小さくすることを特徴とする摩擦試験方法。
  7. 水平なテーブルに載せた試験片に対して摩擦子を予め設定した負荷条件にて当接させ、その状態でテーブルを予め設定したストロークのもとで水平方向に往復移動させて摩擦試験を行う方法であって、
    試験中における試験片と摩擦子との相対摺動に伴う試験片の摩耗量を検出し、
    その摩耗量の実測値の増大に併せてテーブルの往復動ストロークを次第に小さくすることを特徴とする摩擦試験方法。
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