JP2000111451A - 微小変位特性測定装置及び微小変位特性測定方法 - Google Patents

微小変位特性測定装置及び微小変位特性測定方法

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JP2000111451A
JP2000111451A JP10285683A JP28568398A JP2000111451A JP 2000111451 A JP2000111451 A JP 2000111451A JP 10285683 A JP10285683 A JP 10285683A JP 28568398 A JP28568398 A JP 28568398A JP 2000111451 A JP2000111451 A JP 2000111451A
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displacement
force
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moving part
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JP10285683A
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Jiro Otsuka
二郎 大塚
Yoshiaki Kaneko
義昭 金子
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Japan Science and Technology Agency
Key Safety Systems Japan KK
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Key Safety Systems Japan KK
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送りネジ、軸受及びリニアガイドにあって、
転がり又は滑り摩擦力より小さい変位力により変位する
微小変位領域における特性を簡単な装置により測定す
る。 【解決手段】 変位発生手段37により所定周期の変位
力を発生し、該変位力Fをロードセル43にて検出する
と共に、該変位力に基づくトルクをナット31に作用す
る。ナットは、固定送りネジ軸31との間で、摩擦力よ
り小さい力に基づく変位を生じ、該変位を、非接触変位
センサ36a,36b,46にて検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送りネジ装置、直
線及び回転案内装置(転がり要素を介在するもの及び滑
りによるものを含む)等の移動体において、それらの摩
擦力より小さい力が作用して弾性変形する微小変位特性
を測定する装置及び方法に係る。
【0002】即ち、ボールネジ、角ネジ又は台形ネジ等
の送りネジ等の送りネジ装置、転がり転受、すべり転受
等の回転案内装置、転がりリニアガイド、滑りリニアガ
イド等の直線案内装置にあって、摩擦力(F0 )より小
さい力(F)が作用して弾性変形により微小変位(y)
したり、また摩擦トルクより小さいトルク(T)が作用
して変性(θ)することが知られており、これら力
(F,T)と微小変位(y,θ)との間には非線形バネ
のような特性があるものと推測されている。
【0003】本発明は、上記微小変位特性を簡単に測定
するための装置及び方法に関するものである。
【0004】
【従来の技術】近時、工作機械、特に半導体製造装置に
あっては、高速での送り及び超精密な位置決めが求めら
れている。
【0005】図1に一般的な送り・位置決め装置を示
す。該装置は、送りネジ軸1を軸受を介して回転自在に
支持すると共に、該送りネジ軸にサーボモータ2を連結
している。また、上記送りネジ軸の左右に案内杆3,3
を平行に配設し、該案内杆に移動自在にテーブル5を支
持し、かつ該テーブルに、前記送りネジ軸1に螺合する
ナット6を一体に連結している。これにより、サーボモ
ータ2の回転により、送りネジ軸1が回転し、該ネジ軸
に螺合するナット6がテーブル5を案内杆3,3に案内
して軸方向に移動し、所定位置に位置決めする。この
際、テーブル5を大きく移動して、送りネジ軸、軸受及
び案内において転がり又は滑りを示す領域と、転がり又
は滑りを生じない非常に小さく移動する微小変位を示す
領域とが存在する。
【0006】上記軸受、案内及び送りネジ等に高価な磁
気浮動や流体浮動を用いることなく、高速での高精度送
りを達成するためには、ボール又はローラリニアガイド
とボールネジによる送り装置を用いることが好ましい
が、これらリニアガイド及びボールネジは、静的剛性が
充分であっても、ダンピング性能、特に回転周波数と固
有振動数が一致している個所では、共振びびりが生じや
すいという問題点がある。
【0007】上記ダンピング性能は、ボール又はローラ
等の転がり体に転がり状態になる前の微小力が作用した
際の転がり体の弾性変形が大きく影響すると考えられ、
また該微小変位時の特性は、転がり体(又は滑り体)が
転がり接触(又は滑り接触)する際の変位特性とは大き
く相違し、上記変位特性に合せた異なる制御を行うこと
が望ましい。
【0008】なお、最近、上記回転モータと送りネジを
排除して、リニアモータによる送り・位置決め装置も案
出されているが、このものでも、ボールリニアガイドが
用いられており、この点で微小変位特性が問題となる。
【0009】従来、この種、特にボールネジの微小変位
特性を測定する装置として図2に示すものが提案されて
いる。このものは、ラジアルベアリング9及びスラスト
ベアリング10により軸方向に移動不能にかつ回転自在
にボールネジ11を支持し、該ボールネジに揺動アクチ
ュエータ12により微小トルクを作用する。該揺動アク
チュエータ12は支持部材13aに揺動体13bを揺動
自在に支持し、かつ該揺動体を、ブラケットを介して前
記ボールネジ11に連結しており、更に支持部材13a
と揺動体13bとの間にピニゾ素子15及びロードセル
16が直列に介在している。なお、揺動体13bにはキ
ャパシティケージ17及び電動マイクロソータ18が設
置されている。
【0010】また、ボールネジ11にはボールナット1
9が螺合しており、該ナットには非作用継手20を介し
てリニアスライダ21が連結されている。該リニアスラ
イダ21は、フレーム22に摺動自在に支持されてお
り、かつ該スライダ21の変位は、非接触型の微小量隙
間ケージ(変位センサ)23及び前後の差動隙間ケージ
(変位センサ)25a,25bにて検出される。
【0011】上記微小変位特性測定装置は、ピニゾ素子
15による微小作動力が揺動体13bを介してトルクと
してボールネジ11に作用し、該微小作動力(従ってト
ルク)がロードセル16により検出されると共に、これ
に基づくボールナット19及びスライダ21の微小変位
が隙間ケージ23,25a,25bにより換出される。
【0012】前記微小変位領域における上記微小作動力
(トルク)と微小変位との関係並びにピニゾ素子に所定
周波数fにより所定作動力T1 を作用する周波数応答試
験[T=T1 sin(2πft)]により、微小変位領
域におけるバネ特性及び粘性(減衰)特性を求めること
ができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した微小変位特性
測定装置は、前記ベアリング9,10に摩擦トルクが作
用すると、ボールネジ11とナット19との間のトルク
を測定することができなくなるので、これらベアリング
に静圧空気軸受を用いて摩擦力を0にする必要があり、
また同様の理由により、リニアスライダ21とフレーム
22との間に静圧空気ガイドを用いる必要があり、装置
が複雑で大変高価なものになっていた。
【0014】そこで、本発明は、簡単な構造により微小
変位領域における特性を測定することを可能とし、もっ
て上記課題を解決した微小変位特性測定装置及び方法を
提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明は
(図3〜図5及び図7〜図9参照)、固定部材(53)
に固定される固定部(30,50,61)及び該固定部
に対して相対的に移動し得る移動部(31,51,5
5,60)を有する被測定物(39,49,59)と、
前記被測定物の固定部及び移動部の間の摩擦力より小さ
い所定力を発生する変位力発生手段(37,71)と、
該変位力発生手段と前記被測定物の移動部とを連結する
連結手段(45,70)と、該連結手段に介在し、前記
変位力発生手段から前記移動部に作用する変位力を検出
する変位力検出手段(43)と、前記移動部の変位を検
出する非接触変位センサ(36a,36b,46)と、
を備え、前記変位力検出手段及び非接触変位センサの検
出値に基づき、前記摩擦力より小さい変位力による微小
変位領域における前記被測定物の変位特性を検出するこ
とを特徴とする、微小変位特性測定装置にある。
【0016】請求項2に係る本発明は(図3及び図7参
照)、前記被測定物(39)は、前記固定部を構成する
送りネジ軸(30)と、前記移動部を構成するナット
(31)とを有し、前記送りネジ軸に支持部材(35)
を固定し、該支持部材に所定等角度を隔てて複数の前記
非接触変位センサ(36a,36b)を配置し、これら
複数の非接触変位センサの検出値の平均値により前記ナ
ットの軸方向変位(y)を検出してなる、請求項1記載
の微小変位特性測定装置にある。
【0017】請求項3に係る本発明は(図3〜図10参
照)、固定部材(53)に固定される固定部(30,5
0,61)に対して相対的に移動し得る移動部(31,
51,55,60)を有する被測定物(39,49,5
9)の、前記固定部と移動部との間の摩擦力より小さい
変位力に基づく前記移動部の変位を測定する微小変位特
性測定方法であって、前記移動部に所定変位力(F,
T)を付与すると共に該変位力を検出し、前記所定変位
力に基づく移動部の変位(y,θ)を、非接触変位セン
サ(36a,36b,46)にて測定し、前記測定した
変位力及び変位に基づき、前記摩擦力より小さい変位力
による微小変位領域における前記被測定物の変位特性を
検出することを特徴とする、微小変位特性測定方法にあ
る。
【0018】請求項4に係る本発明は(図7〜図9参
照)、前記移動部(31,51,55,60)に、人力
により加減した所定変位力を付与すると共に、該変位力
をロードセル(43)にて検出してなる、請求項3記載
の微小変位特性測定方法にある。
【0019】
【発明の効果】請求項1及び3に係る本発明によると、
簡単な測定装置により、ボールネジ、滑りネジ(台形及
び角ネジ)等の送りネジ、転がり又は滑り軸受、並びに
転がり又は滑り直動案内等の被測定物の微小変位領域に
おける変位特性を比較的容易に測定することができる。
これにより、微小変位領域におけるバネ定数、減衰(粘
性)係数及び共振点等のデータを容易に得ることがで
き、半導体製造装置等に用いるの超精密位置決め装置の
設計の容易化を図って、ボールネジ及びボールリニアガ
イド等による比較的安価でメンテナンスの容易な装置を
用いた超精密位置決め装置を可能とすることができる。
【0020】更に、本発明に係る測定装置又は測定方法
を超精密位置決め装置に組込んで、該測定結果に基づき
フィードバック補正又は学習制御によるフィードフォワ
ード補正を行い、比較的簡単な装置を用いて、高速で超
高精度の位置決めを可能とすることができる。
【0021】請求項2に係る本発明によると、送りネジ
軸に対するナットの多少の傾きが生じても、正確にネジ
による軸方向変位を検出することができ、精度の高い送
りネジの微小変位特性測定装置を得ることができる。
【0022】請求項4に係る本発明によると、指先によ
る微妙な力加減により変位力を付与するので、大掛りな
装置を必要とせず、簡単な装置でもってどのような場所
でも、被測定物の微小変位特性を容易に測定することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って本発明の実施
の形態について説明する。図3(a) (b)は、送りネジの
測定に適用した実施例を示すものであって、(a) は正面
図、(b) はそのB−B矢視断面図である。図中、39
は、被測定物となる送りネジ装置であって、送りネジ軸
30と、該送りネジ軸に螺合しているナット31とを有
し、台形ネジ又は角ネジ等の滑り接触によるものでも、
ボール又はコロを介在した転がり接触によるものでもよ
い。
【0024】送りネジ軸30は、図示しない部分におい
て固定部材53に回転及び軸方向移動不能に固定して設
置されており、ナット31は該送りネジに螺合して、回
転しつつ軸方向に移動し得る。該ナット31のフランジ
部31aにはボルト等により所定角度(例えば180
度)隔てて2個のアーム32,33がそれぞれ外径方向
に突出するように固着されている。また、送りネジ軸3
0には、前記ナット31に臨む部分に、該ネジ軸に螺合
しかつ止めネジ34により廻り止めされて環状の支持部
材35が固着されている。該支持部材35には、180
度等の所定等角度隔てた位置にそれぞれ非接触変位セン
サ36a,36bが設置されており、これらセンサは、
支持部材35を貫通して送りネジの軸線に平行に延びて
おり、その先端が前記ナットのフランジ部31a端面に
微小間隔を隔てて対向している。なお、センサ先端とフ
ランジ端面との間隔yは、前記2個のセンサ36a,3
6bが同じ量となるように設定してある。
【0025】一方、前記ナット部分に隣接して変位力発
生装置37が配設されている。該変位発生装置は、駆動
力源38(例えばパルスモータ等の電気力を用いるもの
又はつまみ等の人力を用いるもの等どのようなものでも
よい)、該駆動源に連動している送りネジ40を有して
おり、更に該送りネジにはナット41が螺合していると
共に、該ナット41には軸方向にのみ移動自在に案内さ
れる移動体42が一体に固定されている。そして、該移
動体42にはロードセル43が固定されており、かつ該
ロードセルにリンク45が連結され、更に該リンクの先
端部が点Pにより所定量揺動自在に前記一方のアーム3
2に連結されている。
【0026】また、前記他方のアーム33に臨んで、非
接触変位センサ46が固定部材53に設置されている。
該センサ46は、他方のアーム33に対面しており、該
アームとの間隔を非接触にて検出することにより、ナッ
ト31の回転角度θを検出し得る。なお、上記他方のア
ーム33を設けずに、非接触変化センサ46を、一方の
アーム32に対面するように設置してもよい。
【0027】以上構成に基づき、本送りネジ用微小変位
測定装置は、パルスモータ等の駆動源38を所定周期1
/fで正逆転することにより、変位力発生装置37は、
所定周波数fのプラス及びマイナス方向の微小交播変位
力Fを発生し、更にロードセル43及びリンク45を介
してアーム32の先端Pに所定トルクTを付与する。こ
れにより、アーム32を介してナット31にプラス及び
マイナス方向の微小トルクが交互に付与され、固定され
ている送りネジ軸30と該ナット31との間で滑り又は
転がり摩擦限界より小さい微小力に基づく微小変位θを
発生する。なお、駆動源38がつまみ等の人力による場
合、所定周波数fの変位力ではなく、プラス又はマイナ
スの所定変位力を発生するだけでもよい。
【0028】前記変位力発生装置37による力Fは、ロ
ードセル(ストレインゲージ)43により測定され、従
って該力Fに基づくトルクTは、送りネジ軸30の中心
から点Pまで距離を乗ずることにより求められる。ま
た、上記固定送りネジ軸30とナット30との間に発生
する変位回転角θは、他方のアーム33との間隔変化を
非接触変位センサ46が検出することにより検知され
る。同時に、ナット31は、リードに基づく軸方向変位
を生ずるが、該変位yは、2個の非接触変位センサ36
a,36bがナットのフランジ31a端面との間隔変化
量を検出することにより検知される。なお、上記変位セ
ンサ36a,36bは180度隔てた対称位置に配置さ
れており、例えナット30が送りネジ軸30の軸線に対
して多少傾いたとしても、上記2個のセンサ36a,3
6bの検出量を平均化することによりナットの正確な軸
方向変位yを測定することができる。
【0029】図4は、ボールリニアガイド等の転がり直
動案内装置の微小変位特性を測定する装置を示すもの
で、変位力発生装置37、ロードセル43等は、先の実
施例と同様である。なお、変位力発生装置37におい
て、送りネジ40とつまみ38aを示してある。また、
該変位力発生装置は、つまみ等の人力に限らず電気モー
タ等の他の駆動源でもよい。被測定物となるボールリニ
アガイドのモデル49は、上下のレース50,51の間
に介在するボール52又はローラ(コロ)等の転がり体
からなり、かつ一方レースの50を固定部材53上に固
定し、また他方のレース51上に被駆動体(テーブル)
55を一体固定すると共に所定予圧力を上記モデル49
に作用する。
【0030】そして、上記被駆動体55の一端部をフッ
ク56を介して前記ロードセル43に設けられたリンク
45に点Pにて連結する。また、前記被駆動体55の他
側面に対向して非接触変位センサ46を配置する。
【0031】これにより、変位力発生装置37により所
定周波数の微小力Fを発生し、該微小力Fは点Pから被
駆動体55に伝達される。被駆動体55は、固定側レー
ル50に対して可動側レース51がボール52の転がる
前の状態(転がり摩擦限界値以下の微小力)にて専ら該
ボールが弾性変位することに基づき変位yする。そし
て、前記変位力発生装置37から被駆動体55に作用す
る微小力Fがロードセル43により検出されると共に、
非接触変位センサ46が被駆動体55との間の間隔の変
化量を検出することにより、上記専らボールの弾性変形
に基づく被駆動体55の変化を検出する。
【0032】なお、上記実施例は、両レースの間に転が
り体52を介在したが、該転がり体を介在せず、直接滑
り接触することにより、滑りリニアガイドのモデルを構
成して、該滑りリニアガイドの微小変位特性を測定する
ことができる。
【0033】図5は、ボール又はローラ等の転がり軸受
の微小変位特性を測定する装置を示すもので、変位力発
生装置37、ロードセル43及びリンク45等は、先の
実施例と同様である。被測定物となる転がり軸受のモデ
ル59は、インナレース60、アウタレース61及び両
レースの間に介在するボール62又はローラ(コロ)等
の転がり体からなり、かつアウタレース61が固定部材
53に固定されている。更に、インナレース60には1
80度隔てた対称位置にアーム63,64が外径方向に
突出して設けられており、一方のアーム63が点Pによ
り前記リンク45に連結している。また、非接触変位セ
ンサ46が他方のアーム64に対向する位置に設置され
ており、該センサ46は、アーム64の側面との間隔y
を検出し得る。
【0034】本転がり軸受用微小変位測定は、先の実施
例と同様に、変位力発生装置37による所定周波数の微
小力Fが、点Pを介して転がり軸受59のインナレース
60に所定トルクTとして作用し、該ボール等の転がり
摩擦限界値前の微小トルクに対して、固定アウタレース
61との間で、専らボール等の転がり体が弾性変形する
ことに基づき、アーム64が所定微小変位yして、該微
小変位の変化量を非接触変位センサ46にて検出するこ
とにより変位回転角θを検知する。
【0035】図6は、上述した測定装置による測定結果
のモデルを示すものであり、縦軸に変位力F又はトルク
Tをとり、横軸に変位y又は変位回転角θをとる。変位
力発生装置により、まずプラス方向の変位力F(又はト
ルクT)を発生すると、送りネジ軸、ボールリニアガイ
ド又は転がり軸受の変位y(又は変化回転角θ)は、O
点から徐々に増大して実線の曲線に示す特性で変化して
最大値O1 となり、ついで変位力発生装置のマイナス方
向の変位力F(トルクT)へ変化により、変位y(回転
角θ)は徐々に減少して、変位力FのO点にあっては、
変位yはO2 点にあり、更に変位力のマイナス域での減
少により、変位yは徐々に変化し、そして最小値O3
なり、ついで再び変位力発生装置の変位力Fがプラス方
向に変化すると、O4 点を通り最大値O1 点に至るヒス
テリシスループを描く。
【0036】上記変位力F(又はトルクT)は、ロード
セル43にて検出され、また変位y(又は変位回転角
θ)は、非接触変位センサ36a,36b,46にて検
出される。そして、上記ヒステリシスループにおけるO
1 ,O3 を結ぶ直線の勾配が微小変位領域でのバネ定数
となり、またヒステリシスの面積(O1 ,O2 ,O3
4 )から粘性特性(減衰特性)が演算される。
【0037】また、上記微小変位特性は、図6(b) に示
すように、変位力発生装置の周波数の振幅を徐々に変化
するようにして求めることが好ましい。即ち、小さい振
幅A−A′から、徐々に振幅B−B′,C−C′と増大
して、微小変位領域の特性を求める。図6(b) におい
て、AA′,BB′CC′との勾配がバネ定数となる。
また、F0 ,T0 は転がり又は滑り摩擦力(限界値)又
は摩擦トルクである。更に、周波数を変化することによ
り、超精密位置決め装置に存在するいくつかの共振点を
算出することができる。なお、F=F1 sin(2πf
t)(ここではfは周波数、tは時間)とする上記図6
(b) に示す周波数応答試験によると、周波数fが十分に
小さいとき、慣性力や粘性力を無視できる。即ち、移動
体31,55,61の慣性力や、ボールやころ等の転が
り体52,62における粘性力が、微小変位特性に影響
を与えないように、変位力をゆっくり与えることが必要
である。
【0038】ついで、図7,図8,図9に沿って、一部
変更した実施の形態について説明する。本実施の形態
は、簡単な装置で手軽に測定し得るものであって、先の
実施の形態における変位力発生装置を省いて、人の指先
71による微妙な力加減を作用すると共に、リンクの代
りに実質的に伸びのない(伸びを無視し得る)紐70に
よりロードセル43と被測定物を連結したものである。
【0039】即ち、図7は、図3に示したものと同様
に、送りネジ39に適用した実施例を示すもので、ナッ
ト31に紐70の一端を固定して所定角度以上巻掛ける
と共に、該紐70の他端をロードセル43の一端部に連
結する。そして、該ロードセルの他端を人力Fにて引く
ことにより、微妙なトルクをナット31に作用し、固定
されている送りネジ軸30に対してナット31を微小変
位する。該微小変位は、180度隔てて設置された無接
触変位センサ36a,36bにより軸方向変位量の変化
として検出される。
【0040】図8は、図4に示すものと同様に、ボール
リニアガイドモデル49に適用した実施例を示すもの
で、指先71により引くことにより、ロードセル43及
び紐70を介して被駆動体(テーブル)55に所定微小
力Fを作用し、かつ該力Fによるボールリニアガイドモ
デル49の弾性変位を無接触変位センサ46にて検出す
る。
【0041】図9は、図5に示すものと同様に、転がり
軸受モデル59に適用した実施例を示すもので、紐70
をアーム63の基端部に固定したものである。従って、
指先71によりロードセル43を引くことにより、紐7
0を介してインナレース60に所定トルクを作用し、固
定アウタレース61との間に微小弾性変位を生じ、該変
位を非接触変位センサに46にて検出する。
【0042】図10は、図7に示す測定方法による結果
を示すもので、指先71による微妙な力加減に基づきナ
ット31に作用するトルクT[Nm]を徐々に増加す
る。すると、非接触変位センサ36a,36bの平均値
により求められるナットの軸方向変位量y[μm]が徐
々に増加し、そして摩擦トルク限定値T0 の前で上記指
先による力Fを減少する。
【0043】これにより、ロードセル43による微小ト
ルクTと非接触変位センサ36a,36bによる変位y
とに基づき、図10の実線に示すような、微小変位領域
におけるプラス範囲の特性が描ける。該人力を用いる簡
易な測定装置では、紐を用いかつ微妙な指先の力加減に
よるため、マイナス範囲の特性を直接検出することはで
きないが、該マイナス範囲は、原点Oに対して概ね対称
になることが前述した実施の形態による測定等により解
っているので、点線で示すように、マイナス範囲及び該
マイナスからプラスへの移行部分を推定して描くことが
できる。
【0044】図11,図12,図13は、図3に示す測
定装置により実際に測定した微小変位特性の測定例を示
す。図11は、30度の台形ネジで、外径20[m
m]、リード4[mm]の滑り送りネジ軸を用い、かつ
ナットの間に予荷重用のバネを介在しているものを測定
した結果である。図12は、外径20[mm]、リード
5[mm]のボールネジ軸を用い、かつボールを、標準
品より大きいもの(オーバサイズ)を用いてバックラッ
シュを除いたものを測定した結果を示す。図13は、外
径20[mm]、リード4[mm]のボールネジ軸を用
い、かつダブルナットの間に所定間座を介在して締め付
けて所定予荷重を作用したものを測定した結果を示す。
【0045】なお、上記実施の形態は、測定装置及び測
定方法についてのみ説明したが、本測定装置及び測定方
法を、半導体製造装置等の超精密位置決め装置に組込ん
で、測定した微小変位特性に基づき、位置決めの装置の
駆動諸元(送り量、送り速度、周波数等)を自動的に補
正するように制御するものに適用し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来から一般に用いられる送り・位置決め装置
を示す斜視図。
【図2】従来の微小変位特性を測定する装置を示す斜視
図。
【図3】送りネジに適用した本発明の実施例を示す図で
(a) は正面図、(b) はそのB−B矢視図。
【図4】転がり直動案内装置に適用した本発明の実施例
を示す正面図。
【図5】転がり軸受に適用した本発明の実施例を示す正
面図。
【図6】(a) は、図3〜図5に示す本発明の実施の形態
による微小変位特性を示す図、(b) は、周波数応答試験
による測定結果を示す図。
【図7】送りネジに適用した本発明の他の実施例を示す
図で(a) は正面図、(b) はその側面図。
【図8】直動案内装置に適用した本発明の他の実施例を
示す正面図。
【図9】軸受に適用した本発明の他の実施例を示す正面
図。
【図10】図7〜図9に示す本発明の他の実施の形態に
よる微小変位特性を示す図。
【図11】(a) は、予圧用バネを介在した滑り送りネジ
を示し、(b) は、その測定結果を示す図。
【図12】(a) は、オーバサイズのボールを用いたボー
ルネジを示し、(b) は、その測定結果を示す図。
【図13】(a) は、ダブルナットにより所定予圧を作用
したボールネジを示し、(b) は、その測定結果を示す
図。
【符号の説明】
30 固定部(送りネジ軸) 31 移動部(ナット) 36a,36b 非接触変位センサ 37 変位力発生手段 39 被測定物(送りネジ) 43 変位力検出手段(ロードセル) 45 連結手段(リンク) 46 非接触変位センサ 49 被測定物(ボールリニアガイドモデル) 50 固定部(レース) 51,55 移動体(レース、被駆動体) 59 被測定物(転がり軸受モデル) 70 連結手段(紐) 71 変位力発生手段(指先) F,T 変位力(力、トルク) y,θ 変位(変位角度)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F069 AA02 AA06 BB01 BB04 CC10 DD27 GG04 GG59 GG62 GG64 HH09 MM31 MM38 2G024 AA30 BA11 CA04 CA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に固定される固定部及び該固定
    部に対して相対的に移動し得る移動部を有する被測定物
    と、 前記被測定物の固定部及び移動部の間の摩擦力より小さ
    い所定力を発生する変位力発生手段と、 該変位力発生手段と前記被測定物の移動部とを連結する
    連結手段と、 該連結手段に介在し、前記変位力発生手段から前記移動
    部に作用する変位力を検出する変位力検出手段と、 前記移動部の変位を検出する非接触変位センサと、を備
    え、 前記変位力検出手段及び非接触変位センサの検出値に基
    づき、前記摩擦力より小さい変位力による微小変位領域
    における前記被測定物の変位特性を検出することを特徴
    とする、微小変位特性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記被測定物は、前記固定部を構成する
    送りネジ軸と、前記移動部を構成するナットとを有し、 前記送りネジ軸に支持部材を固定し、該支持部材に所定
    等角度を隔てて複数の前記非接触変位センサを配置し、 これら複数の非接触変位センサの検出値の平均値により
    前記ナットの軸方向変位を検出してなる、 請求項1記載の微小変位特性測定装置。
  3. 【請求項3】 固定部材に固定される固定部に対して相
    対的に移動し得る移動部を有する被測定物の、前記固定
    部と移動部との間の摩擦力より小さい変位力に基づく前
    記移動部の変位を測定する微小変位特性測定方法であっ
    て、 前記移動部に所定変位力を付与すると共に該変位力を検
    出し、 前記所定変位力に基づく移動部の変位を、非接触変位セ
    ンサにて測定し、 前記測定した変位力及び変位に基づき、前記摩擦力より
    小さい変位力による微小変位領域における前記被測定物
    の変位特性を検出することを特徴とする、微小変位特性
    測定方法。
  4. 【請求項4】 前記移動部に、人力により加減した所定
    変位力を付与すると共に、該変位力をロードセルにて検
    出してなる、 請求項3記載の微小変位特性測定方法。
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