JPH06308017A - 摺動摩耗解析方法とその解析装置 - Google Patents

摺動摩耗解析方法とその解析装置

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JPH06308017A
JPH06308017A JP5094582A JP9458293A JPH06308017A JP H06308017 A JPH06308017 A JP H06308017A JP 5094582 A JP5094582 A JP 5094582A JP 9458293 A JP9458293 A JP 9458293A JP H06308017 A JPH06308017 A JP H06308017A
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JP
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sliding
displacement
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JP5094582A
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English (en)
Inventor
Masao Fukuda
応夫 福田
Masanori Ueki
正憲 植木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、摺動摩耗を伴う機器において、摺
動摩耗に伴う現象に関する複数の情報の複合解析を可能
にし、摺動摩耗の解析を容易にする摺動摩耗解析方法と
その解析装置を提供する。 【構成】 摺動摩耗を解析するために必要な複数の情報
とそれらの情報を測定した位置を用いて複合解析を行う
摺動摩耗解析方法。摺動摩耗を解析するために必要な複
数の情報と、それらの情報を測定した位置を測定する機
構、及びそれらの情報を記録・複合解析するための機構
を備えた摺動摩耗解析装置。 【効果】 従来よりはるかに詳細な摺動摩耗の解析が可
能となり、各種産業機器の保守や耐摩擦・耐摩擦新材料
の開発に有用な情報を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動摩耗現象において
得られる情報を測定・記録・解析する方法、及びその解
析装置に関するものである。ここで対象とする摺動摩耗
現象は、各種産業機器や摩擦・摩耗試験機等で広く現出
するものであり、例えばピンオンディスク型摩耗試験機
に代表されるような、摺動する複数の部品あるいは試験
片等の物質(以下部品や試験片等の物質をまとめて試験
片と称する)を持つ機器におけるものがその典型であ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、摺動摩耗を解析する場合に用い
られる情報には、摩擦力(トライボロジスト,35(1
990)770)、荷重変動、試験片変位(潤滑,23
(1978)519)、アコースティックエミッショ
ン、摩擦面電位、試験片間接触電気抵抗、摺動面温度、
表面粗さ、観察や分析に利用される電子あるいは電磁波
の放射等がある。ここでいう電子あるいは電磁波の放射
とは、電子顕微鏡や光学顕微鏡による観察、EPMA・
XPS・AES等による分析に用いられるもので、摺動
面の形状変化や化学変化等の情報を知るために利用され
る。
【0003】従来、上述の摺動摩耗を解析するための情
報は単にペンレコーダー等で記録される場合が多く、ま
たパーソナルコンピューター等で収集したとしても平均
値や変動等を議論する程度であり有効に活用されてはい
なかった。筆者らは摩擦力の情報を有効に活用するた
め、摩擦力測定の際にその測定位置に関する情報を同時
に測定し、図2に示したような試験片における摩擦力
(あるいは摩擦力を荷重により除した摩擦係数)の分布
や、その繰り返し摺動による変化を追跡可能な手法を提
案した(特願平4−208949)。当該手法は摺動摩
耗を解析する上で非常に有力であるが、摩擦力の支配要
因は、物質間の凝着・機械的なひっかかり・物質の堀り
起こし抵抗等複数考えられ、摩耗機構を特定するための
手法としては十分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、摺動摩耗を
伴う産業機器あるいは摺動摩耗試験機において、摺動に
伴う各種現象に関する複数の情報を従来より精密に測定
・記録し、さらにそれら複数の情報の複合解析を可能に
し、摺動摩耗の解析を容易にすることにより、各種産業
機器の保守や耐摩擦・耐摩耗新材料等の開発に有用な情
報を獲得することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は摺動摩耗を伴う
各種産業機器や摩擦・摩耗試験機において摺動摩耗解析
を行う際に、摩擦力、荷重変動、試験片変位、アコース
ティックエミッション、摩擦面電位、試験片間接触電気
抵抗、摺動面温度、表面粗さ、電子あるいは電磁波の放
射等の中から選ばれた複数の情報を用い、これら複数の
情報が測定された位置の情報をも利用して情報間の相関
や情報の複合解析を行うことにより摺動摩耗を解析する
摺動摩耗解析方法及びその解析装置である。
【0006】以下にピンオンディスク摩耗試験機におい
て複数の情報間の相関や複合情報を解析する例を述べ
る。摩擦力とピン試験片の変位を情報として用いた場
合、一般的な摩擦・摩耗の形態としては機械的なひっか
かりと表面の凝着を伴うため、摩擦力の大きさとピン試
験片の変位は正の相関を持つ。それに対し、ピンの変位
の増大(持ち上がり)が摩擦の増大を伴わない場合は、
摩擦面に存在する微小な摩耗粉がコロの働きをするマイ
クロベアリング効果が生じており、逆にピンの変位が小
さいのに摩擦力が大きい場合は試験片間の化学的な凝着
のみが生じているという解析が可能になる。
【0007】ピン試験片の変位と接触電気抵抗を情報と
して用いた場合、金属試験片同士の摺動においては一般
に接触電気抵抗は小さいが、ピンの変位の増大と共に電
気抵抗が増大した場合は金属の酸化物が生成して摺動面
に付着しているという解析が可能で、その後急激な変位
の減少と共に電気抵抗が減少(回復)したとすれば、酸
化物の付着はピン試験片の側に生じておりそれが脱落し
たことが解析可能である。
【0008】摩擦力と摺動面温度を情報として用いた場
合、試験荷重や摺動速度を増大させた際に摺動面温度の
急激な上昇と共に摩擦力が減少したとすれば、摺動表面
の微小な真実接触部分の溶融による潤滑がディスク摺動
面に部分的に生じている様子が解析可能である。
【0009】以下にジャーナル軸受けにおいて複数の情
報間の相関や複合情報を解析する例を述べる。ジャーナ
ル軸受けは軸がその直径よりもやや大きな直径を持つ軸
受けの内部で偏心して油潤滑されているが、その偏心変
位(試験片変位)と回転トルク(摩擦力)を情報として
用いると、回転トルクの増大が偏心変位に対してランダ
ムに生じている場合は摩耗粉が油中に排出されており、
回転トルクの増大が偏心変位から軸と軸受けの隙間が最
小と判断される位置に軸の特定部位が摺動する際に生じ
る場合は軸に凝着物が発生していることが解析可能で、
軸の焼け付きの危険があることが判断される。
【0010】以下に各種産業機器や摩擦・摩耗試験機に
設置し、摺動摩耗の解析を可能にする摺動摩耗の解析装
置について述べる。摺動摩耗の解析に必要な情報は、そ
れぞれロードセルやギャップセンサー等必要なセンサー
を適当な場所に設置することにより測定し、その測定位
置を回転信号やロータリーエンコーダー、各種変位計等
により測定し、それぞれ記録する。情報の記録は後の情
報間の相関や複合情報の解析等の情報処理に便利なよう
に、アナログレコーダーやAD変換器を介した後デジタ
ルレコーダーやパーソナルコンピューター等で電磁気的
に記録することが好ましい。また解析された情報は図6
に示したように色分けにより表示をしたり、解析の結果
が機器にとり焼き付き等危険なものであれば警告音を発
すること等も可能である。
【0011】
【作用】摺動摩耗を伴う機器において、摺動中に、摺動
摩耗を解析するために必要な複数の情報とそれらの情報
を測定した位置に関する情報を測定し、それらの中から
必要な情報を電磁気的に記録し、それら複数の情報を複
合的に解析することにより摺動摩耗機構を解明する。
【0012】
【実施例】ピンオンディスク型摩耗試験機に、本発明に
よる摺動摩耗解析方法を適用した例を図1に示す。ピン
オンディスク摩耗試験機は、回転するディスク試験片1
にピン試験片2を押し付けて、摩擦や摩耗を測定する装
置である。
【0013】摺動摩耗を解析するために用いる情報とし
ては、摩擦力とピン試験片の変位を測定した。摩擦力の
測定はピン試験片ホルダー3に貼付けられた歪ゲージ4
で行い、ピン試験片の変位測定は試験片ホルダー3の上
下動を、渦電流方式の非接触式変位計5を用いて行っ
た。
【0014】摩擦力、ピン試験片の変位、いずれの情報
も測定はピン試験片が摺動している位置で行われるの
で、ピンによる摺動位置がこれらの情報を測定した位置
に関する情報となる。
【0015】測定位置はディスク試験片の回転角度とし
て測定し、等速回転しているディスク試験片の回転軸6
に設けられた反射板7と、光学式回転計8により一回転
につき一度得られる信号を用いた。当該信号からの時間
とディスク試験片の回転周期の比から、ピン試験片が摺
動しているディスク試験片上の位置を知ることができ
る。
【0016】測定された摩擦力、ピン試験片の変位、回
転信号、回転信号からの時間の情報はいずれもAD変換
器を用いてデジタル信号に変換された後、共にパーソナ
ルコンピューターにより記録される。摩擦力とピン試験
片変位の情報を得た位置を特定できれば、回転信号と回
転信号からの時間の情報は記録を省略可能で、本実施例
では各情報につきディスク試験片の一回転あたり150
点、連続的に測定し、測定の開始は回転信号が発せられ
た位置としたので、これら回転に関する情報を記録しな
くても位置の特定が可能である。
【0017】以下に得られたデータの利用方法を述べ
る。図2〜4は、炭素鋼のピン試験片とディスク試験片
を無潤滑で摺動した場合の、摩擦係数(摩擦力を荷重で
除して得た係数)とピン試験片の変位を示したものであ
る。いずれの図も、横軸はディスクの中の摺動位置の回
転角度で示しており、縦軸は摺動回数を示している。摩
擦係数の大きさや変位の大きさは、色の濃淡で示した
が、これを図5のように高さで示して三次元的に表現し
てもよい。
【0018】以下に得られた摩擦力とピン試験片の変位
の情報を情報処理し、複合的に解析した例について述べ
る。ピン試験片の変位は、図4,5に示したように正弦
波状の変動を示しているが、これはディスク試験片の試
験機への組み付け精度の問題で、その摺動面が回転軸に
対して垂直になっていないためであり、摩耗現象に起因
すると考えられる微小な変位を解析する際の障害とな
る。そこでフーリエ変換を利用した解析を行うことによ
り低周波成分を除去してやると、図3に示すように摺動
面におけるミクロン単位の微小な変位を抽出することが
可能となる。
【0019】図3と図2に示された情報を複合処理する
ことにより、初めて摺動面における摩耗現象をより詳細
に理解することができる。ピン試験片の微小な変位が生
じ、かつ摩擦係数の変動が少ない場合には、摺動面にお
ける微小な摩耗粉が小さなコロの働きをするマイクロベ
アリング効果が生じていることが理解される。またピン
試験片の微小な変位が少なく、かつ大きな摩擦係数の変
動が生じている場合は凝着を主因とする摩擦係数増大で
あると理解される。それ以外の場合は一般の機械的効果
と凝着効果の複合的な摩擦係数挙動と理解される。
【0020】以上の複合解析の結果を示したのが図6で
あり、凝着と理解された部分を黒で、マイクロベアリン
グ効果と理解された部分を白で、その他の部分を灰色で
示すことにより摺動摩耗の解析が容易になっていること
が明らかである。
【0021】
【発明の効果】本発明は、摺動摩耗現象において得られ
る情報を測定・記録・解析する方法、及びその解析装置
に関するものであり、得られた情報や解析結果は、各種
産業機器の保守や耐摩擦・耐摩耗新材料の開発に有用な
情報を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による摺動摩耗解析方法をピンオンディ
スク型摩耗試験機に適用した例を示す図である。
【図2】摺動摩耗解析方法により測定された摩擦力を荷
重により除して摩擦係数とし、ディスク上の位置と繰り
返し摺動回数を軸として示した図である。
【図3】本発明による摺動摩耗解析方法により測定され
たピン試験片の変位から低周波成分を除去し、ディスク
上の位置と繰り返し摺動回数を軸として示した図であ
る。
【図4】本発明による摺動摩耗解析方法により測定され
たピン試験片の変位を、ディスク上の位置と繰り返し摺
動回数を軸とし、色の濃淡で示した図である。
【図5】本発明による摺動摩耗解析方法により測定され
たピン試験片の変位を、ディスク上の位置と繰り返し摺
動回数を軸とし、高さで示した図である。
【図6】本発明による摺動摩耗解析方法により測定され
た情報を複合的に解析し明らかにされた摩耗機構を、デ
ィスク上の位置と繰り返し摺動回数を軸とし、色の濃淡
で示した図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動摩耗を伴う機器において、摺動中
    に、摺動摩耗を解析するために必要な複数の情報及びそ
    れらの情報を測定した位置に関する情報を測定・記録
    し、それら複数の情報を複合して解析することにより摺
    動摩耗を解析する摺動摩耗解析方法。
  2. 【請求項2】 複合して摺動摩耗を解析するために必要
    な複数の情報が、摩擦力・荷重変動・摺動する物質の変
    位・アコースティックエミッション・摩擦面電位・摺動
    する物質間の接触電気抵抗・摺動面温度・表面粗さ・電
    子あるいは電磁波の放射の2種類以上である、請求項1
    に記載の摺動摩耗解析方法。
  3. 【請求項3】 摺動摩耗解析装置であって、摺動摩耗を
    解析するために必要な複数の情報の測定機構と、それら
    の情報を測定した位置に関する情報を測定する機構、及
    び測定された情報を記録し、それらを複合して解析する
    機構を備えたことを特徴とする摺動摩耗解析装置。
JP5094582A 1993-04-21 1993-04-21 摺動摩耗解析方法とその解析装置 Withdrawn JPH06308017A (ja)

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