JPH10264930A - 剥離性開封部を有する包装体 - Google Patents

剥離性開封部を有する包装体

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JPH10264930A
JPH10264930A JP9164897A JP9164897A JPH10264930A JP H10264930 A JPH10264930 A JP H10264930A JP 9164897 A JP9164897 A JP 9164897A JP 9164897 A JP9164897 A JP 9164897A JP H10264930 A JPH10264930 A JP H10264930A
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JP
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heat
resin layer
layer
coc
package
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JP9164897A
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Isao Naito
勲 内藤
Toshihiro Hirai
敏宏 平井
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KEIHAN CELLOPHANE KK
Original Assignee
KEIHAN CELLOPHANE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール洩れの恐れが無いようにヒートシール
層での必要な強さの熱接着を行って完全な密封を可能と
し、かつ、所望の易開封性が得られるように調整可能で
あり、剥離性開封部の剥離面に毛羽立ちや糸引きなどが
生じることがなく開封後の見栄えも良好である包装体を
提供する。 【解決手段】 剥離性開封部14の剥離面38となる層
間密着面を、ヒートシール層24と、環状オレフィンと
エチレンとを付加重合させた共重合体からなりまたはそ
の共重合体を含有する中間層22とで形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】この発明は、樹脂層が積層された
構造をなして層間が剥離される剥離性開封部を有し、そ
の剥離性開封部の樹脂層間を指先で剥離することにより
開封されて内容物が取り出される、剥離性開封部を有す
る包装袋や包装容器などの包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】菓子類、インスタントラーメン、茶、乾
物などの食品は、工場において内容物を調製しそれを袋
詰め或いは容器詰めする際に内容物を完全密封し、これ
により、運搬中や店頭陳列中に雑菌などで内容物が汚染
されることがないようにしている。そして、食品を袋詰
めするには、例えば、ガスバリヤー性を有する基材フィ
ルム上に、熱接着(ヒートシール)性を有するポリオレ
フィン系樹脂層が設けられたヒートシーラント層を積層
させたシート材を、オレフィン系樹脂層が対面するよう
に折り重ね、あるいは、前記シート材を2枚、ポリオレ
フィン系樹脂層が互いに対面するように重ね合わせ、周
縁部を熱接着して袋形態に形成する包装袋が使用され
る。また、食品を容器詰めするには、例えば、基材フィ
ルム上に、熱接着性を有するオレフィン系樹脂層が設け
られたヒートシーラント層を積層させたシート材で形成
された覆蓋体により、そのオレフィン系樹脂層が容器本
体の開口面に対向するようにして容器本体の開口面を閉
塞し、容器本体の開口面周縁部と覆蓋体の周縁部とを熱
接着する包装容器が使用される。このような包装袋や包
装容器から、内部に封入された内容物を取り出すとき
は、包装袋では、熱接着された周縁部の一部を層間で剥
離させて開封させ、また包装容器では、容器本体の開口
面周縁部から覆蓋体を剥離させて開封するようにする。
【0003】以上のような包装袋や包装体においては、
熱接着部分のシール性(密封性)に優れ、かつ、内容物
の取出しに際しては、熱接着部分の剥離性開封部が容易
に層剥離して開封される(易開封性(イージーピール
性)に優れる)、といった一見相反する特性が要求され
る。このため、従来、種々の方法が採られている。例え
ば特開平4−211442号公報には、ポリエチレンま
たはエチレン・酢酸ビニル共重合体にポリブテン−1を
ブレンドさせて形成された層をヒートシール層とし、そ
のヒートシール層を基材フィルムに設け、その基材フィ
ルム上のヒートシール層と相手基材フィルム上のポリオ
レフィン系樹脂層とで熱接着面を形成するようにしたも
のが、また特開昭58−1672号公報には、低密度ポ
リエチレンにポリプロピレンをブレンドさせて形成され
た層をヒートシール層とし、そのヒートシール層を基材
フィルムに設け、その基材フィルム上のヒートシール層
と相手基材フィルム上のポリオレフィン系樹脂層とで熱
接着面を形成するようにしたものが、食品包装における
シール性および易開封性を有する包装材料としてそれぞ
れ開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
包装体では、シール強度、従って開封時に必要な剥離力
(以下、「抗剥離強度」という)が、ヒートシール温
度、圧力等のヒートシール条件や環境温度、ヒートシー
ル層面への内容物の付着などによって影響を受け易く、
往々にしてシール強度(抗剥離強度)のばらつきが発生
する。一般に、食品の包装体におけるシール洩れは、致
命的な商品欠陥となるので、従来は、シール洩れを防い
で商品の安全性を確保するために、易開封性を多少犠牲
にしても、ヒートシール温度や圧力を高目に設定する、
といった方法を採ることになる。この結果、包装体の剥
離性開封部に所望の易開封性を得ることが困難になる、
といった問題点がある。
【0005】また、上記した従来の包装材料では、ヒー
トシール層の形成材として異質の樹脂成分をブレンドさ
せたものを用いているため、包装体の剥離性開封部を層
剥離させたときに、剥離面(熱接着面)に毛羽立ちや糸
引きなどを生じて見栄えが悪くなる、といった問題点が
ある。
【0006】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、シール洩れの恐れが無いようにヒー
トシール層での必要な強さの熱接着を行って完全な密封
を可能とし、かつ、所望の易開封性(抗剥離強度)が得
られるように調整することが可能であり、さらに、剥離
性開封部の剥離面に毛羽立ちや糸引きなどが生じたりす
ることがなくて開封後の見栄えも良好であるような包装
体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の、
剥離性開封部を有する包装体は、剥離性開封部の剥離面
となる層間密着面が、熱接着性樹脂層と、化1の式(式
中、nは0または正の整数、R1〜R12は水素原子、ハ
ロゲン原子または炭化水素基)で表される環状オレフィ
ンとエチレンとを付加重合させた共重合体(非晶性環状
オレフィンコポリマー;以下、「COC」という)から
なる樹脂層またはCOCを含有する樹脂層とで形成され
たことを特徴とする。
【0008】
【化1】
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
包装体において、剥離性開封部が、熱接着性樹脂層と、
COCからなる樹脂層またはCOCを含有する樹脂層に
密着された熱接着性樹脂層とで熱接着された構造である
ことを特徴とする。
【0010】請求項1に係る発明の包装体では、熱接着
された剥離性開封部で開封したとき、COCからなる樹
脂層またはCOCを含有する樹脂層と熱接着性樹脂層と
の間が剥離する。従って、COCからなる樹脂層または
COCを含有する樹脂層と熱接着性樹脂層との間の密着
強度(ラミネート強度)が、包装体の剥離性開封部の密
封性に関係することとなり、また、その層間密着強度が
剥離性開封部の易剥離性(抗剥離強度)に関係すること
となる。ここで、本発明者らの研究および実験の結果、
密着した2つの樹脂層のうちの少なくとも一方の樹脂層
が、COCで形成されまたはCOCを含む樹脂混合物で
形成されていると、その層間密着強度は、包装袋や包装
容器の密封時におけるヒートシール温度、圧力等のヒー
トシール条件や環境温度によって殆んど影響を受けず、
また、COCを含有する樹脂層におけるCOCの配合比
率を変えることにより、あるいは、COCからなる樹脂
層またはCOCを含有する樹脂層に密着される樹脂層に
おける樹脂成分の組成を変えることにより、調整するこ
とが可能である、といったことが見い出された。従っ
て、この発明の包装体では、完全な密封が行われるよう
に熱接着性樹脂で熱接着して剥離性開封部を形成し、樹
脂層におけるCOCの配合比率および/または熱接着性
樹脂層における樹脂成分の組成を変えることにより、C
OCからなる樹脂層またはCOCを含有する樹脂層と熱
接着性樹脂層との間の密着強度を調整するようにすれ
ば、所望の易開封性が得られる。また、この包装体を開
封した後の剥離性開封部の剥離面は、白くなって透明感
が損なわれる、といったことがなく、毛羽立ちや糸引き
も発生しないので、見栄えが良好である。
【0011】請求項2に係る発明の包装体では、包装袋
や包装容器の密封時におけるヒートシール温度や圧力を
高目に設定することにより、両熱接着性樹脂層で形成さ
れる熱接着面のシール強度が高くなり、熱接着性樹脂層
面(ヒートシール層面)に内容物が付着したりしていて
も、剥離性開封部の熱接着面からのシール洩れが生じる
心配が無い。一方、開封時においては、熱接着された熱
接着性樹脂層間ではなくて、COCからなる樹脂層また
はCOCを含有する樹脂層と熱接着性樹脂層との間が剥
離するので、剥離性開封部の所望の易開封性を得ること
が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図面を参照しながら説明する。
【0013】図1および図2は、この発明の1実施形態
を示し、図1は、剥離性開封部を有する包装袋の密封状
態を示す部分拡大縦断面図であり、図2は、その包装袋
を開封した状態の部分拡大縦断面図である。なお、これ
らの図においては(図3ないし図6においても同様)、
内容物の図示を省略している。
【0014】この包装袋は、表裏2枚のシート材10、
12を互いに重ね合わせ、両シート材10、12の周縁
部同士を熱接着することにより袋形態に形成されてお
り、両シート材10、12の一部をそれぞれ指先で摘ま
んで両側へ引っ張ることにより剥離して開封される剥離
性開封部14を有している。内容物は、両シート材1
0、12の各内面と周縁部の熱接着部分とで囲まれた収
容部に封入される。なお、包装袋の構造としては、2枚
のシート材を互いに重ね合わせ周縁部同士を熱接着して
袋形態にしたものに限らず、例えば、1枚のシート材を
折り重ね、端縁部同士およびそれぞれの側縁部同士を熱
接着することにより袋形態に形成した合掌袋など、種々
の袋構造であってもよい。
【0015】各シート材10、12は、それぞれ基材フ
ィルム16、26上にヒートシーラント層18、28を
積層させ互いに密着させて形成されている。そして、ヒ
ートシーラント層18、28は、接着剤層20、30と
中間層22、32とヒートシール層24、34とが積層
しそれぞれ互いに密着して形成されている。基材フィル
ム16、26は、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(以下、「PET」という)フィルム、上質紙などで形
成されており、厚みが、例えば12μm程度である。接
着剤層20、30は、例えば直鎖状低密度ポリエチレン
(以下、「LLDPE」という)などで形成されてお
り、厚みが、例えば10〜30μm程度である。中間層
22、32は、COCで形成されており、あるいは、C
OCを含有する樹脂混合物、例えばCOCとLLDPE
などとをブレンドして形成されていて、厚みが、例えば
10〜20μm程度である。また、ヒートシール層2
4、34は、例えば、低密度ポリエチレン(以下、「L
DPE」という)単独、あるいは、LLDPEとLDP
Eとをブレンドした樹脂混合物などで形成されており、
厚みが、例えば1〜5μm程度である。そして、シート
材10、12は、公知の方法、例えば共押出しコーティ
ング法などにより加工形成されている。
【0016】中間層22、32を形成するCOCを得る
ための原料となる環状オレフィンは、化1の式で表され
る構造式を有するものである。化1の式中、nは0また
は正の整数、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子また
は炭化水素基である。
【0017】
【化1】
【0018】上記した環状オレフィンの具体例として
は、化2に示すような構造式のビシクロ〔2,2,1〕
ヘプト−2−エンがある。また、その化合物の誘導体で
ある6−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エ
ン、5,6−ジメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−
2−エン、1−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−
2−エン、6−エチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−
2−エン、6−n−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプ
ト−2−エン、6−イソブチルビシクロ〔2,2,1〕
ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ〔2,2,1〕
ヘプト−2−エンなどの環状オレフィンがある。
【0019】
【化2】
【0020】また、環状オレフィンの具体例として、化
3に示すような構造式のテトラシクロ〔4,4,0,1
2・5,17・10〕−3−ドデセンが挙げられる。また、そ
の化合物の誘導体である5,10−ジメチルテトラシク
ロ〔4,4,0,12・5,17 ・10〕−3−ドデセン、
2,10−ジメチルテトラシクロ〔4,4,0,
2・5,17・10〕−3−ドデセン、11,12−ジメチ
ルテトラシクロ〔4,4,0,12・5,17・10〕−3−
ドデセン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ〔4,
4,0,12・5,17・10〕−3−ドデセン、9−エチル
−2,7−ジエチルテトラシクロ〔4,4,0,
2・5,17・10〕−3−ドデセン、9,11,12−ト
リメチルテトラシクロ〔4,4,0,12・5,17・10
−3−ドデセン、5,8,9,10−テトラメチルテト
ラシクロ〔4,4,0,12・5,17・10〕−3−ドデセ
ン、8−メチルテトラシクロ〔4,4,0,12・5,1
7・10〕−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ〔4,
4,0,12・5,17・10〕−3−ドデセン、8,9−ジ
メチルテトラシクロ〔4,4,0,12・5,17・10〕−
3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ〔4,4,0,
2・5,17・10〕−3−ドデセン、8−ブロモテトラシ
クロ〔4,4,0,12・5,17・10〕−3−ドデセン、
8−フルオロテトラシクロ〔4,4,0,12・5,1
7・10〕−3−ドデセン、8,9−ジクロロテトラシクロ
〔4,4,0,12・5,17・10〕−3−ドデセンなどの
環状オレフィンが挙げられる。
【0021】
【化3】
【0022】以上のような環状オレフィンは公知であ
り、その環状オレフィンとエチレンとを付加重合させて
共重合体を製造する重合方法も、特開平2−27681
6号公報、特開平3−726号公報などにより公知であ
って、この発明は、そのような公知の材料であるCOC
を、包装体を形成するシート材10、12の層形成材料
として使用することに要旨がある。そして、シート材1
0、12の中間層22、32におけるCOCの配合比
率、例えばCOCとLLDPEとの配合比率を変える
か、ヒートシール層24、34における樹脂成分の組
成、例えはLLDPEとLDPEとの配合比率を変える
か、あるいはその両方を変えることにより、互いに密着
した中間層22、32とヒートシール層24、34との
間の密着強度を調整するようにする。
【0023】2枚のシート材10、12の周縁部同士を
熱接着して袋内部に内容物を封入する際には、両シート
材10、12の各ヒートシール層24、34同士が熱接
着して形成される熱接着面36が十分なシール強度を有
し完全な密封がなされてシール洩れが防止されるよう
に、ヒートシール温度や圧力を高目に設定するようにす
ればよい。そして、両ヒートシール層24、34間の熱
接着面36のシール強度が、中間層22、32とヒート
シール層24、34との間の密着強度より高くなる。こ
のような包装袋を開封するときは、両シート材10、1
2の一部をそれぞれ指先で摘まんで両側へ引っ張ると、
剥離性開封部14は、図2に示すように、両ヒートシー
ル層24、34間の熱接着面36ではなくて中間層22
とヒートシール層24との層間密着面(あるいは中間層
32とヒートシール層34との層間密着面)が部分的に
剥離しヒートシール層24の一部が断裂して、層間密着
面が剥離面38となる。従って、中間層22、32とヒ
ートシール層24、34との間の密着強度を適切に調整
しておくようにすれば、所望の易開封性(抗剥離強度)
が得られることとなる。
【0024】次に、図3および図4に密封状態および開
封状態の部分拡大縦断面図をそれぞれ示した包装袋は、
2枚のシート材40、42のそれぞれの層構造が相違し
た例である。一方のシート材40は、図1に示したシー
ト材10、12と同様に、接着剤層50と中間層52と
ヒートシール層54とを積層させてそれぞれ互いに密着
させたヒートシーラント層48を基材フィルム46上に
積層させ、互いに密着させて形成されており、基材フィ
ルム46、接着剤層50、中間層52およびヒートシー
ル層54をそれぞれ形成している材料も、図1に示した
シート材10、12と同様である。これに対し、他方の
シート材42は、PET、上質紙などで形成された基材
フィルム56上に、LDPE、LLDPEとLDPEと
の樹脂混合物などで形成されたヒートシール層58を積
層させ、互いに密着させて形成されている。そして、一
方のシート材40のヒートシール層54と他方のシート
材42のヒートシール層58とが熱接着して剥離性開封
部44が形成されている。
【0025】図3に示した包装袋においても、袋内部に
内容物を封入する際には、ヒートシール温度や圧力を高
目に設定して、両シート材40、42の各ヒートシール
層54、58同士が熱接着して形成される熱接着面60
が十分に高いシール強度を有し完全な密封がなされるよ
うにすればよい。また、一方のシート材40の中間層5
2におけるCOCの配合比率を変えるか、ヒートシール
層54における樹脂成分の組成を変えるか、あるいはそ
の両方を変えることにより、中間層52とヒートシール
層54との間の密着強度を適切に設定しておけば、包装
袋を開封した際に、図4に示すように、剥離性開封部4
4が中間層52とヒートシール層54との層間密着面で
部分的に剥離し、ヒートシール層54の一部が断裂し
て、層間密着面が剥離面62となり、所望の易開封性が
得られる。
【0026】また、図5および図6に密封状態および開
封状態の部分拡大縦断面図をそれぞれ示した包装袋で
は、一方のシート材64が、PET、上質紙などで形成
された基材フィルム70上にLLDPEなどで形成され
た接着剤層72を介して内面層74を積層させ密着させ
て形成されており、他方のシート材66が、PET、上
質紙などで形成された基材フィルム76上にLDPEあ
るいはLLDPEとLDPEとの樹脂混合物などで形成
されたヒートシール層78を積層させ密着させて形成さ
れている。一方のシート材64の内面層74は、COC
で形成されており、あるいは、COC含有する樹脂混合
物、例えばCOCとLLDPEとをブレンドして形成さ
れている。そして、一方のシート材64の内面層74と
他方のシート材66のヒートシール層78とが熱接着し
て剥離性開封部68が形成されている。
【0027】図5に示した包装袋においては、図6に示
すように開封したときに、剥離性開封部68が内面層7
4とヒートシール層78とで形成される熱接着面80で
剥離し、熱接着面が剥離面82となる。従って、一方の
シート材64の内面層74と他方のシート材66のヒー
トシール層78とが熱接着した熱接着面80が、必要か
つ十分なシール強度を有するとともに、満足し得る程度
の易開封性が得られるように、一方のシート材64の内
面層74におけるCOCの配合比率を変えるか、他方の
シート材66のヒートシール層78における樹脂成分の
組成を変えるか、あるいはその両方を変えるかして、シ
ール強度(抗剥離強度)を適切に設定する必要がある。
【0028】次に、図7および図8は、この発明を包装
容器に適用した例を示し、図7は、剥離性開封部を有す
る包装容器の密封状態を示す部分拡大縦断面図であり、
図8は、その包装容器を開封した状態を示す部分拡大縦
断面図である。
【0029】この包装容器は、上面が開口した容器本体
84の上部開口面全体をシート状覆蓋体86で完全に覆
い、容器本体84の上部開口面の周縁部と覆蓋体86の
周縁部とを熱接着して構成されており、覆蓋体86の一
部を指先で摘まんで斜め上方へ引っ張ることにより剥離
して開封される剥離性開封部88を有している。そし
て、容器内部に内容物90が封入される。
【0030】シート状覆蓋体86は、図1に示したシー
ト材10、12や図3に示した一方のシート材40と同
様の層構造を有しており、接着剤層(図7および図8で
は図示を省略)と中間層94とヒートシール層96とを
積層させてそれぞれ互いに密着させたヒートシーラント
層を基材フィルム92上に積層させ、互いに密着させて
形成されている。また、基材フィルム92、接着剤層、
中間層94およびヒートシール層96をそれぞれ形成し
ている材料も、図1に示したシート材10、12や図3
に示した一方のシート材40と同様である。一方、容器
本体84は、PET、上質紙などで形成された基材フィ
ルム98上に、LDPE、エチレン・酢酸ビニル共重合
体(以下、「EVA」という)などで形成されたヒート
シール層100を積層させて密着させた薄板材によって
形成されている。
【0031】図7に示した包装容器においては、容器内
部に内容物90を封入する際には、ヒートシール温度や
圧力を高目に設定して、覆蓋体86のヒートシール層9
6と容器本体84を形成する薄板材のヒートシール層1
00とが熱接着して形成される熱接着面102が十分に
高いシール強度を有し完全な密封がなされるようにすれ
ばよい。また、覆蓋体86の中間層94におけるCOC
の配合比率を変えるか、ヒートシール層96における樹
脂成分の組成を変えるか、あるいはその両方を変えるこ
とにより、中間層94とヒートシール層96との間の密
着強度を適切に設定しておけば、包装容器を開封した際
に、図8に示すように、剥離性開封部88が中間層94
とヒートシール層96との層間密着面で部分的に剥離
し、ヒートシール層96の一部が断裂して、層間密着面
が剥離面104となり、所望の易開封性が得られる。
【0032】なお、包装容器を構成するシート状覆蓋体
の層構造と容器本体を成す薄板材の層構造は、上記した
実施形態のものに限らず種々の構成を採り得る。例え
ば、容器本体を成す薄板材を、図1に示したシート材1
2と同様の構成としたり、シート状覆蓋体および容器本
体を成す薄板材を、図5に示した一方のシート材64お
よび他方のシート材66とそれぞれ同様の構成としたり
することができる。
【0033】
【実施例】次に、この発明のより具体的な実施例につい
て実験例や比較例を示しながら説明する。
【0034】まず、図1に示したように、接着剤層と中
間層とヒートシール層とを積層させてそれぞれ互いに密
着させたヒートシーラント層を基材フィルム上に積層さ
せ互いに密着させたシート材を作成し、そのシート材
を、ヒートシール層が対面するように折り重ね、周縁部
を熱接着して包装袋を作り、その包装袋の剥離性開封部
における抗剥離強度(開封時に必要な剥離力)の大きさ
を測定した。基材フィルムとしては、12μmの厚みの
PETフィルムを使用し、接着剤層を、20μmの厚み
の、密度0.905g/cm3のLLDPEの層とし、
中間層を、15μmの厚みの、密度1.02g/cm3
のCOCと密度0.905g/cm3のLLDPEとを
ブレンドした層とし、ヒートシール層を、5μmの厚み
の、密度0.919g/cm3のLDPEの層として、
共押出しコーティング法によりシート材を加工形成し
た。そして、中間層を形成するCOCとLLDPEとの
重量配合比率(COC:LLDPE)を7:3(シート
材)、6:4(シート材)、5:5(シート材)
および3:7(シート材)とそれぞれ変化させた。ま
た、比較例として、12μmの厚みのPETフィルムか
らなる基材フィルム上に、40μmの厚みの、密度0.
919g/cm3のLDPEで形成されたヒートシール
層を、共押出しコーティング法により積層させて互いに
密着させたシート材(シート材)を作成した。測定結
果を図9に示す。
【0035】図9に示した結果より、中間層を形成する
COCとLLDPEとの重量配合比率を変えることによ
り、包装袋の剥離性開封部における抗剥離強度を調整で
きることが分かる。従って、中間層を形成するCOCと
LLDPEとの重量配合比率を適切に設定すれば、所望
の易開封性が得られるということになる。なお、比較例
として作成したシート材を用いたものでは、抗剥離強
度が、ヒートシール層同士の熱接着で形成される熱接着
面のシール強度と等しいことになり、ヒートシール温度
の上昇とともに著しく大きくなって、易開封性が損なわ
れることとなる。一方、この発明の実施例であるシート
材〜を用いたものでは、ヒートシール温度を上げた
ときに、それぞれの曲線が曲線から乖離するまでの温
度範囲では、中間層とヒートシール層との間の密着強度
(ラミネート強度)の方がヒートシール層同士間の熱接
着面のシール強度よりも大きく、従って、熱接着面のシ
ール強度が抗剥離強度を示すことになり、それぞれの曲
線が曲線から乖離した後の温度範囲では、ヒートシー
ル層同士間の熱接着面のシール強度の方が中間層とヒー
トシール層との間の密着強度よりも大きく、従って、層
間の密着強度が抗剥離強度を示すことになる。
【0036】次に、上記と同様に、接着剤層と中間層と
ヒートシール層とを積層させてそれぞれ互いに密着させ
たヒートシーラント層を基材フィルム上に積層させ互い
に密着させたシート材を作成した。基材フィルムとして
は、12μmの厚みのPETフィルムを使用し、接着剤
層を、20μmの厚みの、密度0.905g/cm3
LLDPEの層とし、中間層を、15μmの厚みの、密
度1.02g/cm3のCOC単一の層とした。また、
ヒートシール層は、5μmの厚みとし、密度0.905
g/cm3のLLDPEの層としたもの(シート材
(1))、密度0.905g/cm3のLLDPEと密度
0.919g/cm3のLDPEとをブレンドした層と
して、LLDPEとLDPEとの重量配合比率(LLD
PE:LDPE)を3:7(シート材(2))、2:8
(シート材(3))および1:9(シート材(4))とそれぞ
れ変化させたもの、ならびに、密度0.919g/cm
3のLDPEの層としたもの(シート材(5))の5種類
とした。シート材の加工形成は、共押出しコーティング
法により行った。そして、それぞれのシート材と、12
μmの厚みのPETフィルムからなる基材フィルム上に
EVAからなるヒートシール層を積層させ互いに密着さ
せたシート材とを、ヒートシール層が互いに対面するよ
うに重ね合わせ、周縁部を熱接着して包装袋を作り、そ
の包装袋の剥離性開封部における抗剥離強度の大きさを
測定した。測定結果を図10に示す。
【0037】図10に示した結果より、中間層をCOC
単一の層とした場合に、その中間層に密着したヒートシ
ール層におけるLLDPEとLDPEとの重量配合比率
を変えることにより、包装袋の剥離性開封部における抗
剥離強度を調整可能であることが分かる。従って、中間
層をCOC単一の層とした場合には、ヒートシール層に
おけるLLDPEとLDPEとの重量配合比率を適切に
設定すれば、所望の易開封性が得られるということにな
る。
【0038】
【発明の効果】請求項1に係る発明の、剥離性開封部を
有する包装体を使用すると、シール洩れの恐れが無いよ
うにヒートシール層での必要な強さの熱接着を行って内
容物の完全な密封を行うことができ、かつ、所望の易開
封性(抗剥離強度)が得られるように調整することも可
能である。また、この包装体は、開封後における剥離性
開封部の剥離面が白くなって透明感が損なわれたり剥離
面に毛羽立ちや糸引きなどが生じたりすることがないの
で、開封後の見栄えも良好である。
【0039】請求項2に係る発明の包装体では、袋や容
器の密封時におけるヒートシール温度や圧力を高目に設
定して、両熱接着性樹脂層で形成される熱接着面のシー
ル強度を高くすることができるので、熱接着性樹脂層面
に内容物が付着していたとしても、剥離性開封部の熱接
着面からのシール洩れを確実に防止することができる。
一方、剥離性開封部を開封した際は、熱接着面ではなく
て、COCからなる樹脂層またはCOCを含有する樹脂
層と熱接着性樹脂層との間が剥離するので、剥離性開封
部の易開封性が損なわれることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施形態を示し、剥離性開封部を
有する包装袋の密封状態を示す部分拡大縦断面図であ
る。
【図2】図1に示した包装袋を開封した状態の部分拡大
縦断面図である。
【図3】この発明の別の実施形態を示し、剥離性開封部
を有する包装袋の密封状態を示す部分拡大縦断面図であ
る。
【図4】図3に示した包装袋を開封した状態の部分拡大
縦断面図である。
【図5】この発明のさらに別の実施形態を示し、剥離性
開封部を有する包装袋の密封状態を示す部分拡大縦断面
図である。
【図6】図5に示した包装袋を開封した状態の部分拡大
縦断面図である。
【図7】この発明を包装容器に適用した実施形態を示
し、剥離性開封部を有する包装容器の密封状態を示す部
分拡大縦断面図である。
【図8】図7に示した包装容器を開封した状態を示す部
分拡大縦断面図である。
【図9】この発明の実施例に係る実験結果を示す図であ
る。
【図10】この発明の別の実施例に係る実験結果を示す
図である。
【符号の説明】
10、12、40、42、64、66 シート材 14、44、68、88 剥離性開封部 16、26、46、56、70、76、92、98 基
材フィルム 18、28、48 ヒートシーラント層 20、30、50、72 接着剤層 22、32、52、94 中間層 24、34、54、58、78、96、100 ヒート
シール層 36、60、80、102 熱接着面 38、62、82、104 剥離面 74 内面層 84 容器本体 86 シート状覆蓋体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂層が積層された構造の剥離性開封部
    を有し内部に内容物を封入した包装体において、 前記剥離性開封部の剥離面となる層間密着面が、熱接着
    性樹脂層と、化1の式(式中、nは0または正の整数、
    1〜R12は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素
    基)で表される環状オレフィンとエチレンとを付加重合
    させた共重合体からなる樹脂層またはその共重合体を含
    有する樹脂層とで形成されたことを特徴とする、剥離性
    開封部を有する包装体。 【化1】
  2. 【請求項2】 剥離性開封部が、熱接着性樹脂層と、環
    状オレフィンとエチレンとを付加重合させた共重合体か
    らなる樹脂層またはその共重合体を含有する樹脂層に密
    着された熱接着性樹脂層とで熱接着された構造である請
    求項1記載の、剥離性開封部を有する包装体。
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