JP2021038026A - シリコン材料の輸送用袋及びシリコン材料の梱包体 - Google Patents

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Abstract

【課題】輸送時に外袋が損傷してしまったとしても、内容物であるシリコン材料の汚染を抑制することのできるシリコン材料の輸送用袋及びシリコン材料の梱包体を提供する。【解決手段】シリコン材料の輸送用袋は、第1の袋と、前記第1の袋内に配置される第2の袋とを備え、前記第2の袋を構成する包装材料が、バリア層を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、シリコン材料の輸送用袋及びシリコン材料の梱包体に関する。
半導体製品等の製造に用いられるシリコンウェハや、シリコンウェハの原材料であるポリシリコン等のシリコン材料は、一般に、二重の袋に梱包された状態で輸送される。このような二重梱包の袋としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等のプラスチック袋の積層体により構成される内袋と、アルミニウム箔やシリカ蒸着ポリエステル等のバリア層を有する積層体により構成される外袋とを備えるものが知られている(特許文献1参照)。外袋にバリア層が設けられていることで、遮光性や酸素ガスバリア性等を奏することができる。
特開2012−223942号公報
上記特許文献1に開示されている二重梱包の袋にシリコン材料が梱包された梱包体が輸送中に衝撃を受け、外袋が損傷してしまった場合に、内袋がバリア層を有していないため、内容物であるシリコン材料が汚染されるおそれがある。
上記課題に鑑みて、本開示は、輸送時に外袋が損傷してしまったとしても、内容物であるシリコン材料の汚染を抑制することのできるシリコン材料の輸送用袋及びシリコン材料の梱包体を提供することを一目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態として、シリコン材料の輸送用袋であって、第1の袋と、前記第1の袋内に配置される第2の袋とを備え、前記第2の袋を構成する包装材料が、バリア層を含むシリコン材料の輸送用袋が提供される。
前記バリア層は、シリカ又はアルミナを含んでいてもよく、前記第2の袋を構成する包装材料は、樹脂基材層と、前記バリア層と、シーラント層とをこの順で有する積層材料であり、前記シーラント層が、前記第2の袋の内側に位置していてもよい。
前記樹脂基材層が、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂により構成されていてもよく、前記包装材料は、前記樹脂基材層と前記バリア層との間に位置する接着剤層をさらに有する積層材料であってもよく、前記バリア層と前記シーラント層との間に位置するポリエステル系樹脂を含む樹脂層をさらに有する積層材料であってもよい。
前記第2の袋を構成する包装材料は、樹脂基材層と、前記バリア層と、樹脂層と、シーラント層とをこの順で有する積層材料であり、前記樹脂基材層と前記樹脂層とが、同一の樹脂を含み、前記シーラント層が、前記第2の袋の内側に位置していてもよい。
前記第2の袋を構成する包装材料は、透明であってもよく、前記第1の袋を構成する包装材料は、ポリエステル樹脂を含む樹脂基材層とシーラント層とをこの順で有する積層材料であり、前記シーラント層が、前記第1の袋の内側に位置していてもよい。
前記第1の袋を構成する包装材料は、バリア層を含まない積層材料により構成されていてもよく、ポリアミド樹脂を含まない積層材料により構成されていてもよく、前記第1の袋を構成する包装材料が有する前記樹脂基材層の厚さが、8μm〜30μmであってもよい。
本開示の一実施形態として、上記シリコン材料の輸送用袋と、前記シリコン材料の輸送用袋の前記第2の袋内に収容されているシリコン材料とを備えるシリコン材料の梱包体が提供される。
本開示によれば、輸送時に外袋が損傷してしまったとしても、内容物であるシリコン材料の汚染を抑制することのできるシリコン材料の輸送用袋及びシリコン材料の梱包体を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るシリコン材料の輸送用袋の一態様の概略構成を示す斜視図である。 図2は、本開示の一実施形態における第1の袋の一態様の概略構成を示す斜視図である。 図3は、本開示の一実施形態における第2の袋の一態様の概略構成を示す斜視図である。 図4は、本開示の一実施形態における第1の包装材料の一態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図5は、本開示の一実施形態における第2の包装材料の一態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図6は、本開示の一実施形態における第2の包装材料の他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図7は、本開示の一実施形態における第2の包装材料の他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図8は、本開示の一実施形態における第2の包装材料の他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図9は、本開示の一実施形態における第1の包装材料のシーラント層の一態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図10は、本開示の一実施形態における第1の包装材料のシーラント層の他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図11は、本開示の一実施形態における第2の包装材料のシーラント層の一態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図12は、本開示の一実施形態における第2の包装材料のシーラント層の他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図13は、本開示の一実施形態におけるシリコン材料の梱包体の一態様の概略構成を示す斜視図である。 図14Aは、試料1のGC/MS分析結果を示すマススペクトルである。 図14Bは、試料2のGC/MS分析結果を示すマススペクトルである。 図14Cは、試料3のGC/MS分析結果を示すマススペクトルである。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るシリコン材料の輸送用袋1は、第1の袋10と、第1の袋10内に配置される第2の袋20とを備える二重包装袋である。第1の袋10がいわゆる外袋であり、第2の袋20がいわゆる内袋である。
第1の袋10及び第2の袋20は、いずれも広げることで略方体状(略直方体状)となる包装袋であって、第1側面フィルム11,21、第2側面フィルム12,22、第1ガゼットフィルム13,23及び第2ガゼットフィルム14,24によって構成されている。第1側面フィルム11、第2側面フィルム12、第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14は、いずれも第1の包装材料30により構成されている。第1側面フィルム21、第2側面フィルム22、第1ガゼットフィルム23及び第2ガゼットフィルム24は、いずれも第2の包装材料40により構成されている。第2の袋20の外径寸法は、第1の袋10内に配置可能な寸法であればよい。すなわち、第1の袋10は、第2の袋20よりもわずかに大きい。なお、第1の袋10及び第2の袋20は、いずれも第1ガゼットフィルム13,23及び第2ガゼットフィルム14,24を有しないものであってもよい。この場合において、第1側面フィルム11,21及び第2側面フィルム12,22を、互いのシーラント層32,42の第1面32A,42Aを対向させるようにして3つの側縁部をヒートシールすればよい。
第1の袋10の各フィルム(第1側面フィルム11、第2側面フィルム12、第1ガゼットフィルム13、第2ガゼットフィルム14)を構成する第1の包装材料30は、一方面31A及びそれに対向する他方面31Bを有する樹脂基材層31と、樹脂基材層31の一方面31A側に積層されているシーラント層32とを有する(図4参照)。なお、第1の包装材料30は、樹脂基材層31とシーラント層32との二層構造に限定されない。例えば、樹脂基材層31とシーラント層32との間に、樹脂層や接着剤層等の他の層が設けられていてもよい。同様に、樹脂基材層31のシーラント層32側とは反対側に上記他の層が設けられていてもよいし、シーラント層32の樹脂基材層31側とは反対側に上記他の層が設けられていてもよい。
第2の袋20の各フィルム(第1側面フィルム21、第2側面フィルム22、第1ガゼットフィルム23、第2ガゼットフィルム24)を構成する第2の包装材料40は、一方面41A及びそれに対向する他方面41Bを有する樹脂基材層41と、樹脂基材層41の一方面41A側に積層されているバリア層43と、バリア層43上に積層されているシーラント層42とを有する(図5参照)。第2の包装材料40は、図5に示す態様の他、バリア層43、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を含む樹脂層44、シーラント層42をこの順で積層するものであってもよいし(図6参照)、樹脂基材層41、バリア層43、樹脂層44、シーラント層42をこの順で積層するものであってもよいし(図7参照)、樹脂基材層41、接着剤層45、バリア層43、シーラント層42をこの順で積層するものであってもよい(図8参照)。なお、上記第1の包装材料30と同様に、第2の包装材料40においても、上記の層構成に限定されず、上記他の層が設けられていてもよい。
樹脂層44に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂材料等が挙げられる。図7に示す態様において、樹脂基材層41と樹脂層44とは同一材料を含んでいてもよいし、異なる材料を含んでいてもよいが、同一材料を含んでいることが好ましい。これにより、バリア層43の両面で応力差が生じ難くなり、バリア層43にクラックが生じることを抑制することができる。
図7では、シーラント層42とバリア層43との間に1層の樹脂層44が設けられているが、複数層の樹脂層44が設けられていてもよい。また、複数層の樹脂層44が設けられる場合、当該複数層の樹脂層44は、互いに同一材料を含んでいてもよいし、異なる材料を含んでいてもよい。例えば、図示はしないが、樹脂基材層、バリア層、第1樹脂層、第2樹脂層、シーラント層をこの順で積層する場合、第1樹脂層がポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、第2樹脂層がポリエチレン(PE)を含んでいてもよい。
接着剤層45は、接着剤を用いて形成され得る。接着剤としては、例えば、2液型ウレタン樹脂接着剤等が挙げられる。より具体的には、主剤(ロックペイント社製、Ru77t)と硬化剤(ロックペイント社製、H−7)とを混合した2液型ウレタン樹脂接着剤が挙げられる。接着剤層45は、バリア層43よりも内側又は外側に配置され得るが、バリア層43よりも外側に配置されることがより好ましい。第2の包装材料40を用いて袋を作製した際に、バリア層43よりも袋の外側に接着剤層45が配置されるため、接着剤層45からの有機成分が袋の内部に移動することを抑えることができる。これにより、当該袋にシリコン材料を収容したときには、袋内のシリコン材料の劣化が生じるのを抑制することができる。接着剤層45の厚みは、例えば、1μm〜5μm程度であればよく、2μm〜4μm程度であるのが好ましい。接着剤層45の厚みが1μmよりも薄いと、十分な接着強度を得ることができないおそれがある。一方、接着剤層45の厚みが5μmよりも厚いと、硬化反応に時間を要することで、未反応物や残留溶剤等が接着剤層45により多く含まれてしまうおそれがある。
なお、「バリア層よりも内側」とは、第2の包装材料40を用いて第2の袋20を作製したしたとき、第2の包装材料40のバリア層43よりも第2の袋20の内側に位置することを意味する。一方、「バリア層よりも外側」とは、第2の包装材料40を用いて第2の袋20を作製したとき、第2の包装材料40のバリア層43よりも第2の袋20の外側に位置することを意味する。
第1の包装材料30の樹脂基材層31は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂材料等により構成され、1種の樹脂材料の単層体であってもよいし、2種以上の樹脂材料の積層体であってもよい。樹脂基材層31は、ナイロン(Ny,登録商標)等のポリアミド系樹脂材料を含んでいても構わないが、当該ポリアミド系樹脂材料を含んでいない方が好ましい。樹脂基材層31がポリアミド系樹脂材料を含んでいないことで、第1の袋10の開封時等に内容物であるシリコン材料を汚染させてしまう可能性を低減することができる。なお、樹脂基材層31とシーラント層32との間には、例えば、ポリエチレン(PE)等の層を含んでいてもよい。
第2の包装材料40の樹脂基材層41は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂材料、ナイロン(登録商標,Ny)等のポリアミド系樹脂材料等から選択される1種の樹脂材料又は2種以上の樹脂材料の積層体により構成される。樹脂基材層41は、ナイロン(Ny,登録商標)等のポリアミド系樹脂材料を含んでいない方が好ましい。ポリアミド系樹脂材料の残存モノマーであるカプロラクタムは内容物であるシリコン材料を汚染させてしまうおそれがあるが、第2の袋20が樹脂基材層41の内側に位置するバリア層43を有することで、当該カプロラクタムによる汚染を抑制することができる。この点、樹脂基材層41がポリアミド系樹脂材料を含んでいると、第2の袋20の開封時に、樹脂基材層41に含まれ得るカプロラクタムによるシリコン材料の汚染が生じるおそれを否定することはできないが、樹脂基材層41がポリアミド系樹脂材料を含んでいないことで、内容物であるシリコン材料を汚染させてしまう可能性をさらに低減することができる。
第1の包装材料30の樹脂基材層31及び第2の包装材料40の樹脂基材層41の厚さは、例えば、8μm〜30μmであればよく、10μm〜27μmであるのが好ましい。当該厚さが8μm未満であると、第1の袋10及び第2の袋20の袋形状を維持することができ難く、シリコン材料の輸送用袋1にシリコン材料を収容する際の作業性が悪化するおそれがあり、30μmを超えると、第1の袋10及び第2の袋20が変形し難くなり、シリコン材料の輸送用袋1にシリコン材料を収容し、脱気して梱包する際に、第1の袋10及び第2の袋20の追従性が低下するおそれがある。
第1の包装材料30のシーラント層32は、第1面32A及びそれに対向する第2面32Bを有する。第1の包装材料30において、シーラント層32の第2面32Bが樹脂基材層31側に位置する。シーラント層32は、第1面32A側に位置する第1表面層321と、第2面32B側に位置する第2表面層322と、第1表面層321及び第2表面層322の間に挟まれている中間層323とを有する積層構造体であってもよいし(図9参照)、第1面32A及び第2面32Bを有する単層構造体であってもよい(図10参照)。
シーラント層32は、熱融着可能な樹脂成分を含んでいればよく、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィン等を含んでいればよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンとのブロックコポリマー等)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンとのランダムコポリマー等)等のポリプロピレン;エチレン?ブテン?プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。
環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4?メチル?1?ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。
カルボン酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、あるいは環状ポリオレフィンに対してα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。
後述するように、第2の袋20を構成する第2の包装材料40のシーラント層42は、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン等を含むものであればよいため、第1の袋10を構成する第1の包装材料30が備えるシーラント層32もまた、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン等を含むものであるのが好ましい。なお、第1の包装材料30のシーラント層32は、第2の包装材料40のシーラント層42を構成する低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン等と略同一のシール温度であったり、所望のシール強度が得られたりする等、同等のシール特性を有するものであれば、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン等を含むもの以外のものであってもよい。第1の包装材料30のシーラント層32と第2の包装材料40のシーラント層42とのシール特性(例えばシール温度条件)が異なると、シリコン材料の輸送用袋1にシリコン材料を収容してシリコン材料の梱包体60を作製する際に、工程上の不具合等が生じるおそれがある。
シーラント層32の第1面32A側に位置する第1表面層321は、スリップ剤が実質的に添加されていない低密度ポリエチレン(LDPE)を含む層であってもよく、第2面32B側に位置する第2表面層322は、第1表面層321と同様に、例えば、スリップ剤が実質的に添加されていない低密度ポリエチレン(LDPE)を含む層であってもよく、第1表面層321と第2表面層322との間に挟まれている中間層323は、例えば、スリップ剤が実質的に添加されていないリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む層であってもよい。なお、本実施形態において「スリップ剤が実質的に添加されていない」とは、スリップ剤としてシーラントの表面の滑り性を実際に向上させる成分がシーラントの表面の滑り性に実際に影響を与える目的でシーラントの表面の滑り性に実際に影響を与える量を超えて添加されていないことを意味する。スリップ剤としては、例えば、炭酸カルシウムまたはタルクなどの粒子や、シリコーン樹脂または四級アンモニウム塩化合物などの界面活性剤が挙げられる。
第2の包装材料40のシーラント層42は、第1の包装材料30のシーラント層32と同様に、第1面42A及びそれに対向する第2面42Bを有する。第2の包装材料40において、シーラント層42の第2面42Bが樹脂基材層41側に位置する。シーラント層42は、第1面42A側に位置する第1表面層421と、第2面42B側に位置する第2表面層422と、第1表面層421及び第2表面層422の間に挟まれている中間層423とを有する積層構造体であってもよいし(図11参照)、第1面42A及び第2面42Bを有する単層構造体であってもよい(図12参照)。
シーラント層42は、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン等を含んでいればよく、スリップ剤が実質的に添加されていない低密度ポリエチレン(LDPE)、スリップ剤が実質的に添加されていないリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等を含んでいるのが好ましい。
シーラント層42は、第2の袋20の最内層に位置するため、シーラント層42に由来する揮発成分(シーラント層42由来のアウトガス成分等)が内容物であるポリシリコンやシリコンウェハに付着してしまうと、当該シリコンウェハを用いて製造される半導体装置において欠陥を生じさせてしまうおそれがある。そのため、シーラント層42に由来する揮発成分は、可能な限り少ないのが望ましい。シーラント層42に由来する揮発成分を低減させるためには、シーラント層42の厚みT42を可能な限り薄くするのが望ましい。シーラント層42の厚みT42が相対的に薄いことで、シーラント層42に由来する揮発成分がフィルム外部へ放出されるため、シーラント層42に由来する揮発成分を低減させることができる。一方で、シーラント層42の厚みT42を薄くし過ぎると、引張強度等の機械的特性に対する耐性が低くなってしまい、内容物を梱包する袋として機能が低下するおそれがある。この点、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)は、低密度ポリエチレン(LDPE)に比べ、伸縮性が高く、折り曲げに対する耐性が高いため、シーラント層42としてリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることで、シーラント層42の厚みT42を相対的に薄くすることができる。
また、第2の袋20に樹脂ケース51を収容した後、当該第2の袋20から脱気して梱包されるため、当該第2の袋20を構成する第2の包装材料40に含まれるシーラント層42には、良好な追従性が求められる。この点においても、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)は相対的に高い伸縮性を有するため、当該リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)が用いられることで、シーラント層42の追従性を良好にすることができる。
シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されれば、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されるシーラント層の押込弾性率を150MPa〜600MPa程度に調整することができるため、シーラント層の厚みを薄くすることができると考えられる。また、シーラント層の追従性を良好にすることを考慮しても、シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されるのは好ましいということができる。しかし、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の重合時の圧力は、低密度ポリエチレン(LDPE)の重合時の圧力よりも低いために、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)においては、低密度ポリエチレン(LDPE)に比べて低分子成分が揮発しやすい。そのため、シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されていると、シーラント層の厚みを薄くすることができたとしても、シーラント層に由来する揮発成分によってシリコン材料が汚染されてしまうおそれがあると考えられる。また、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)は、低密度ポリエチレン(LDPE)よりも滑り性が低くなる傾向があるため、シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されていると、シーラント層の表面の滑り性が低くなるおそれがあると考えられる。第2の袋20に用いられるシーラント層42は、異物になるおそれがあるスリップ剤は実質的に添加されないことが好ましいため、スリップ剤の使用以外の手段で滑り性を向上させることが好ましい。本実施形態においては、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む中間層423が、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む第1表面層421及び第2表面層422により挟まれていてもよい。そのため、第2の袋20のシーラント層42においては、その厚みT42を相対的に薄くすることができ、追従性や滑り性も良好であり、また中間層423に含まれるリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)から低分子成分が揮発するのを防止することができる。
図10及び図12に示す単層構造体のシーラント層32,42は、低密度ポリエチレン(LDPE)とリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)とを含んでいてもよい。このシーラント層32,42において、低密度ポリエチレン(LDPE)とリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)との配合比が、50:50〜70:30程度であればよい。このように、低密度ポリエチレン(LDPE)の配合量がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の配合量よりも多いことで、シーラント層32,42の第1面32A,42A側において低密度ポリエチレン(LDPE)の存在量を多くすることができるとともに、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)によりシーラント層32,42の厚みT32,T42を薄くするという効果、すなわち低分子成分が揮発するのを防止するという効果が奏される。なお、シーラント層32,42の厚み方向で見たときに、低密度ポリエチレン(LDPE)とリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)とが実質的に均一に存在していてもよいし、第1面32A,42A側及び第2面32B,42B側に低密度ポリエチレン(LDPE)が偏在していてもよい。
シーラント層32,42の厚みT32,T42は、第1の包装材料30により構成される第1の袋10の厚さ、第2の包装材料40により構成される第2の袋20の厚さ等に応じて適宜設定され得るものであるが、例えば、35μm〜100μm程度であればよい。
図9及び図11に示す態様において、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む第1表面層321,421及び低密度ポリエチレン(LDPE)を含む第2表面層322,422が中間層323,423を挟んで配置されていることで、シーラント層32,42の一方面側の内部応力と他方面側の内部応力とがある程度相殺され、シーラント層32,42がカールすることを抑制できる。また、図9及び図11に示す態様において第1表面層321,421及び第2表面層322,422のそれぞれの厚みT321,T322,T421,T422は、いずれも中間層323,423の厚みT323,T423よりも薄い。第1表面層321,421及び第2表面層322,422のそれぞれの厚みT321,T322,T421,T422が中間層323,423の厚みT323,T423よりも薄く構成されていることで、シーラント層32,42に所定の追従性が付与され得る。第1表面層321,421の厚みT321,T421と中間層323,423の厚みT323,T423との比は、1:1〜10程度であればよく、1:2〜3程度であるのが好ましい。当該厚みの比が上記範囲であることで、中間層323,423に含まれる低密度リニアポリエチレン(LLDPE)による十分な追従性がシーラント層32,42に付与され、シーラント層32,42の押込弾性率を300MPa〜500MPaの範囲とすることができる。なお、押込弾性率は、微小硬さ試験機(製品名「ピコデンター(PICODENTOR) HM500」、フィッシャー・インスツルメント社製)により測定され得る。
シーラントのシール強度は、ヒートシール時のシール温度、シール圧力、シール時間等によりコントロール可能であることが知られている。一般に、シール温度が高くなるほどに、シール強度が向上する傾向を有するが、シール温度が高すぎると、必要以上にシーラントが溶融してしまい、却ってシール強度を低下させてしまうおそれがある。本実施形態においては、シール温度150℃、シール圧力0.1MPa、シール時間1秒のヒートシール条件下で、シーラント層32,42の第1面32A,42A同士をシールしたときのシール強度が、30N/15mm以上であればよく、50N/15mm以上60N/15mm未満であるのが好ましい。当該シール強度が30N/15mm未満であると、シーラント層32,42を有する第1及び第2の包装材料30,40により構成される第1及び第2の袋10,20を有するシリコン材料の輸送用袋1に包装されたシリコン材料の梱包体60の輸送途中に、当該シリコン材料の輸送用袋1のヒートシール部(例えば上面ヒートシール部HST1,HST2等(図13参照))が剥離してしまうおそれがある。
上述したように、シーラント層42の厚みT42を相対的に薄くする観点から、シーラント層42の構成材料としてリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用するのが好適であると考えられる。しかしながら、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成されるシーラント層においては、所定のシール強度を得るために必要なシール温度が相対的に高くなってしまう。この点、本実施形態においては、シーラント層42の第1表面層421が低密度ポリエチレン(LDPE)を含むことで、所定のシール強度を得るために必要なシール温度を相対的に低下させることができる。
本実施形態におけるシーラント層42のヘイズは、25%以下であればよく、20%以下であるのが好ましい。シーラント層42のヘイズが20%以下であることで、第2の袋20の内部の視認性を良好にすることができる。また、シリコン材料をシリコン材料の輸送用包装体に包装する前に、シーラント層42の第1面41Aに異物が付着しているか否かを確認することができ、シリコン材料の汚染を未然に防止することもできる。なお、シーラント層42のヘイズは、例えば、ヘイズメーター(製品名:HM−150,村上色彩研究所社製)を用いて、JIS−K7136に準拠して測定され得る。
上述した構成を有するシーラント層32,42は、従来公知のフィルム成膜法を用いて製造され得る。例えば、図9及び図11に示す構成を有するシーラント層32,42は、ダイコート法、インフレーション法等の塗工法等を用いて、第2表面層322,422、中間層323,423及び第1表面層321,421を積層形成することで製造され得る。図10及び図12に示す構成を有するシーラント層32,42も同様に、上記塗工法、押出インフレーション法等を用いて製造され得る。
本実施形態における第2の包装材料40が有するバリア層43は、例えば、シリカ又はアルミナ等の無機酸化物等を、例えばPET層等に蒸着させた蒸着膜等であればよい。第2の包装材料40がバリア層43を有することで、第2の袋20の外部から、内容物であるシリコン材料表面を汚染するガス等が侵入するのを抑制することができる。バリア層43は、樹脂基材層41や樹脂層44にアルミニウム等の金属を蒸着させてなる金属蒸着膜や、アルミニウム等の金属箔等であってもよい。バリア層43がこれらの金属蒸着膜や金属箔である場合、第2の袋20において透明性が確保されないが、第2の袋20にバリア性の他、光遮蔽性をも付与することができる。また、この態様において、シーラント層42が所定の透明性を有することで、第2の袋20におけるシーラント層42の第1面42Aに異物が付着しているか否かを、より容易に確認することができる。
上述したように、シーラント層32,42は、シリコン材料の輸送用袋1(図1参照)にシリコン材料が包装されたときに、当該輸送用袋1内部を視認可能な程度の透明性を有する。そのため、当該シーラント層32,42を有する第1の包装材料30及び第2の包装材料40においても、同様に、輸送用袋1の内部を視認可能な程度の透明性を有しているのが望ましい。そのような観点から、本実施形態における第1の包装材料30及び第2の包装材料40のヘイズは、例えば、30%以下であればよく、25%以下であるのが好ましい。第1の包装材料30及び第2の包装材料40のヘイズが30%を超えると、第1の包装材料30及び第2の包装材料40のそれぞれから製造される第1の袋10及び第2の袋20を有するシリコン材料の輸送用袋1の内部の視認性が悪化してしまったり、シリコン材料の輸送用袋1におけるシーラント層32,42の第1面32A,42Aに異物が付着しているか否かの確認が困難になったりするおそれがある。なお、第1の包装材料30及び第2の包装材料40のヘイズは、例えば、ヘイズメーター(製品名:HM−150,村上色彩研究所社製)を用いて、JIS−K7136に準拠して測定され得る。
ここで、第1表面層421の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)を用い、中間層423の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)及びリニア低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLLDPE,プライムポリマー社製,製品名:ウルトゼックス3500ZA)の溶融混合物(配合比=1:1(質量基準))を用い、第2表面層422の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)を用い、多層共押出インフレーション成膜法により、図11に示す構成を有するシーラント層42(第1表面層421(膜厚:8μm)、中間層423(膜厚:24μm)、第2表面層422(膜厚:8μm))を作製した(試料1)。
また、低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)のペレット及びリニア低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLLDPE,プライムポリマー社製,製品名:ウルトゼックス3500ZA)のペレットを配合比7:3(質量基準)で溶融混合し、インフレーション成膜法により、図12に示す構成を有するシーラント層42(厚み:40μm)を作製した(試料2)。
さらに、無添加リニア低密度ポリエチレン(無添加LLDPE,タマポリ社製,製品名:NB−1)からなるシーラント層(厚み:50μm)を準備した(試料3)。
上記試料1〜3のシーラント層を100mm×25mmに切り出した切片をエタノールに60℃で1週間浸漬させた後、当該切片からの揮発成分を、下記条件のGC/MSにて分析し、マススペクトルを得た。得られたマススペクトルを図14A〜図14Cに示す。
<GC/MS条件>
・ガスクロマトグラフ:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
・カラム:670−15003−03(長さ:30mm,内径:0.25mm,島津製作所社製)
・カラムオーブン温度:50℃
・注入量:1μL
・キャリアガス:He(57.1mL/分)
・気化室温度設定:300℃
・測定モード:スプリット
図14A〜図14Cに示すマススペクトルのように、試料1及び試料2のシーラント層からは、揮発成分が検出されなかったが、試料3のシーラント層からは、揮発成分が検出された。試料1及び試料2のように、第1面42A側に位置する第1部分が低密度ポリエチレン(LDPE)を含み、それよりも第2面42B側に位置する第2部分がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むことで、シーラント層から低分子成分の揮発を防止可能であると推察され得る。
また、上記試料1〜3のシーラント層から所望サイズで切り出した切片について、ISO14577:2015に準拠して、温度23℃±2℃、湿度60%RH±5%RHの雰囲気で押込弾性率を測定した。まず、20mm×20mmの大きさに切り出した上記切片の第1面42Aが上面となるように市販のスライドガラス(以下「第1スライドガラス」という。)に、接着樹脂(製品名「アロンアルフア(登録商標)一般用」、東亜合成社製)を介して固定した。具体的には、第1スライドガラス(製品名「スライドガラス(切放タイプ)1−9645−11」、アズワン社製)の中央部に上記接着樹脂を滴下した。この際、接着樹脂を塗り広げず、また後述するように押し広げたときに接着樹脂が上記切片からはみ出さないように1滴の接着樹脂を滴下した。その後、上記切片を第1面42A側が上面になり、かつ切片の中央部に接着樹脂が位置するように第1スライドガラスに接触させ、第1スライドガラスと切片との間で接着樹脂を押し広げ、仮接着した。そして、別の新しいスライドガラス(以下「第2スライドガラス」という。)を切片の上に載せ、第1スライトガラス/接着樹脂/切片/第2スライドガラスの積層体を得た。次いで、第2スライドガラスの上に30g以上50gの重りを置き、12時間室温で放置した。その後、重りと第2スライドガラスを取り外し、これを測定用サンプルとした。そして、この測定用サンプルを除振台に平行に設置した微小硬さ試験機(製品名:ピコデンター(PICODENTOR)HM500、フィッシャー・インスツルメント社製)の測定ステージに固定した。この固定は、測定サンプルが動かないように、第1スライドガラスの4辺をテープ(製品名:セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)で固定した。次に、切片の第1面42Aにおいて、ビッカース圧子(対面角136°の正四角錐のダイヤモンド圧子)を装着させた超微小負荷硬さ試験機(ピコデンターHM500,フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、押込速度0.15μm/秒、押込深さ3μm、保持時間5秒間、引き抜き速度0.15μm/秒の条件で押込弾性率(MPa)を測定した。1つの切片において、少なくとも異なる5箇所で測定し、それらの測定値の平均を、シーラントについてその条件での押込弾性率の値とした。
その結果、試料1の押込弾性率は457.3MPa、試料2の押込弾性率は371.6MPa、試料3の押込弾性率は159.0MPaであり、試料1及び試料2の押込弾性率は、試料3の押込弾性率よりも大きいものの、実用上、十分な追従性を発揮可能な程度に伸縮性を有し、耐屈曲性を有するものと推察される。また、試料1及び試料2のシーラント層は、十分な透明性を確保可能であると推察される。
さらに、試料1〜3のシーラント層の第1面同士を、シール温度110℃、120℃、130℃、140℃及び150℃でヒートシールし、ヒートシール部を含む15mm幅のヒートシール試験片を採取し、当該ヒートシール試験片の各シール温度におけるシール強度(N/15mm)をJIS−Z1711に準拠して求めた。
その結果、シール温度130℃の条件における試料1のシール強度が13.7N/15mm、試料2のシール強度が9.4N/15mmであったのに対し、試料3のシール強度は2.3N/15mmであった。また、シール温度140℃の条件におけるシール強度が26.1N/15mm、試料2のシール強度が55.7N/15mmであったのに対し、試料3のシール強度は9.2N/15mmであった。この結果から、試料1及び試料2のシーラント層においては、試料3のシーラント層に比して、より低いシール温度で高いシール強度を得ることができると推察される。なお、シール温度110℃及び120℃の条件においては、試料1〜3のいずれも満足するシール強度が得られなかった。
第1の袋10は、第1側面フィルム11、第2側面フィルム12、第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14の各シーラント層32の第1面32Aが最内面に位置し、樹脂基材層31の他方面31B側が最外面に位置するように構成されている。第2の袋20は、第1側面フィルム21、第2側面フィルム22、第1ガゼットフィルム23及び第2ガゼットフィルム24の各シーラント層42の第1面42Aが最内面に位置し、樹脂基材層41の他方面41B(図5及び図7参照)又はバリア層43(図6参照)側が最外面に位置するように構成されている。
上記第1の袋10及び第2の袋20のそれぞれにおいて、第1側面フィルム11,21の2つの対向する側縁部の一方と折り込まれた第1ガゼットフィルム13,23の2つの対向する側縁部の一方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第1ヒートシール部HS11,HS21が形成され、第1側面フィルム11,21の上記側縁部の他方と折り込まれた第2ガゼットフィルム14,24の2つの対向する側縁部の一方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第2ヒートシール部HS12,HS22が形成されている。また、第2側面フィルム12,22の2つの対向する側縁部の一方と折り込まれた第1ガゼットフィルム13,23の上記側縁部の他方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第3ヒートシール部HS13,HS23が形成され、第2側面フィルム12,22の上記側縁部の他方と折り込まれた第2ガゼットフィルム14,24の上記側縁部の他方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第4ヒートシール部HS14,HS24が形成されている。第1側面フィルム11,21及び第2側面フィルム12,22のそれぞれの側縁部を重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる底面ヒートシール部HSB1,HSB2が形成され、底面ヒートシール部HSB1,HSB2に対向して位置する第1側面フィルム11,21及び第2側面フィルム12,22のそれぞれの側縁部は、ヒートシールされずに第1の袋10及び第2の袋20の開口部15,25を形成している。
第1ガゼットフィルム23及び第2ガゼットフィルム24を折り込んだ第2の袋20が多数積み重ねられている状態で、第1側面フィルム21又は第2側面フィルム22を吸着保持して上方に持ち上げることで、開口部25を開くことができる。その開いた開口部25から、第2の袋20内にシリコン材料52を格納する樹脂ケース51(図13参照)を収容し、当該開口部25における第1側面フィルム21及び第2側面フィルム22のそれぞれの側縁部を重ね合わせてヒートシールすることで、上面ヒートシール部HST2を形成する。続いて、第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14を折り込んだ第1の袋10が多数積み重ねられている状態で、第1側面フィルム11又は第2側面フィルム12を吸着保持して上方に持ち上げることで、開口部15を開くことができる。その開いた開口部15から、樹脂ケース51が収容され、上面ヒートシール部HST2が形成された第2の袋20を収容する。そして、当該開口部15における第1側面フィルム11及び第2側面フィルム12のそれぞれの側縁部を重ね合わせてヒートシールすることで、上面ヒートシール部HST1を形成する。このようにして、シリコン材料の梱包体60が作製され得る。
本実施形態における第2の袋20においては、その最内層に位置するシーラント層42の第1面42A側に低密度ポリエチレン(LDPE)が含まれ、それよりも第2面42B側にリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)が含まれている。シーラント層42を構成するリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)により、シーラント層42の厚みT42を相対的に薄くすることができ、追従性を良好にすることができるとともに、シーラント層42の第1面42A側に含まれる低密度ポリエチレン(LDPE)によって、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)からの低分子成分の揮発を防止することができる。なお、第2の袋20を構成する第2の包装材料40のバリア層43が金属蒸着膜や金属箔等である場合、所定の透明性が確保されないが、バリア層43が金属蒸着膜や金属箔であることで、第2の袋20にバリア性や光遮蔽性を付与することができる。また、シーラント層42において所定の透明性が確保されていることで、第2の袋20におけるシーラント層42の第1面42Aに異物が付着しているか否かを容易に確認することができる。
以上説明した実施形態は、本開示の理解を容易にするために記載されたものであって、本開示を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本開示の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…シリコン材料の輸送用袋
10…第1の袋
20…第2の袋
30,40…包装材料
31,41…樹脂基材層
32,42…シーラント層
43…バリア層
44…樹脂層
52…シリコン材料
60…シリコン材料の梱包体

Claims (1)

  1. シリコン材料の輸送用袋であって、
    第1の袋と、
    前記第1の袋内に配置される第2の袋と
    を備え、
    前記第2の袋を構成する包装材料が、バリア層を含む
    シリコン材料の輸送用袋。
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