JPH10263311A - 高粘度液体充填物の生産方法並びにその装置 - Google Patents

高粘度液体充填物の生産方法並びにその装置

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JPH10263311A
JPH10263311A JP6820997A JP6820997A JPH10263311A JP H10263311 A JPH10263311 A JP H10263311A JP 6820997 A JP6820997 A JP 6820997A JP 6820997 A JP6820997 A JP 6820997A JP H10263311 A JPH10263311 A JP H10263311A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡混入のない高粘度液体充填物を生産する
こと 【解決手段】 容器1にあらかじめ定められた量の高粘
度液体2を注入する第1の注入工程と、この第1の注入
工程の後に、上記高粘度液体2の注入を停止し、上記第
1の注入工程で注入された高粘度液体2を振動させ、こ
の高粘度液体2の表面から上記第1の注入工程で注入さ
れた高粘度液体2内の気泡3を抜く第1の脱泡工程と、
この第1の脱泡工程の後に、上記第1の注入工程で注入
された高粘度液体2の上記表面上に、あらかじめ定めら
れた量の新たな高粘度液体2を上記容器1に注入する第
2の注入工程と、この第2の注入工程の後に、上記新た
な高粘度液体2の注入を停止し、上記第2の注入工程で
注入された高粘度液体2を振動させ、この高粘度液体2
内の気泡3を抜く第2の脱泡工程と、を備えたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、気泡の混入の少
ない高粘度液体充填物の生産方法並びにその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高粘度液体である高粘度樹脂自体
に混入した気泡を脱泡する方法は、減圧、加圧による方
法が広く行われている。特開平6−238103号公報
では、加圧下で超音波照射を連続又は間欠的に行うこと
で、気泡を超音波存波の腹部分に移動させ、気泡溶解効
率を高めて脱泡する方法が開示されている。また、特開
平3−16606号公報では、真空状態にある真空容器
内へ供給される樹脂をカーテン上の薄膜として落下させ
ることにより脱泡する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の脱
泡方法は、高粘度樹脂自体の気泡を脱泡する方法である
が、これらの方法によって高粘度樹脂自体の気泡を除去
したとしても、例えば、図10に示すような縦長の容器
に高粘度樹脂を充填する場合等では、注入時に新たに気
泡が発生しまう。図10は従来の技術における高粘度液
体充填方法を示しており、図10において、1は容器で
あるシリンジ、2は高粘度液体である高粘度樹脂、3は
充填時に混入してしまった気泡を示している。しかし、
上述のような従来の脱泡方法では、このように発生して
しまった気泡を十分に除去することができず、図11に
示すように上部の気泡は除去できても、下部の気泡3は
除去できないという問題があった。なお、図11におい
て、図10と同一の符号は同一又は相当の部分を表す。
すなわち、容器の下部付近に混入した気泡3は、上部に
上昇するまでに相当の時間が必要であり、容器の深さが
深い場合には気泡を除去することが難しいという問題が
あった。この発明は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、容器の下部付近に混入した気泡をも除去
することができる高粘度液体充填物の生産方法並びにそ
の装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の高粘度液体充
填物の生産方法には、容器にあらかじめ定められた量の
高粘度液体を注入する第1の注入工程と、この第1の注
入工程の後に、高粘度液体の注入を停止し、第1の注入
工程で注入された高粘度液体を振動させ、この高粘度液
体の表面から第1の注入工程で注入された高粘度液体内
の気泡を抜く第1の脱泡工程と、この第1の脱泡工程の
後に、第1の注入工程で注入された高粘度液体の表面上
に、あらかじめ定められた量の新たな高粘度液体を容器
に注入する第2の注入工程と、この第2の注入工程の後
に、新たな高粘度液体の注入を停止し、第2の注入工程
で注入された高粘度液体を振動させ、この高粘度液体内
の気泡を抜く第2の脱泡工程と、を備えたものである。
【0005】また、第2の注入工程は、第1の注入工程
で注入された高粘度液体の表面上ではなく、表面下付近
の第1の注入工程で注入された高粘度液体中に新たな高
粘度液体をあらかじめ定められた量注入するものであ
る。
【0006】また、第1の脱泡工程は、1気圧よりも低
い気圧下で実施されるものである。
【0007】また、高粘度液体は塗布用の高粘度樹脂で
あり、容器は塗布用シリンジであるものである。
【0008】また、この発明の高粘度液体充填物の生産
装置においては、開口部を有する容器の開口部から高粘
度液体を注入するノズル、このノズル内を流れる高粘度
液体の流量を制御する流量調整弁、容器内の高粘度液体
を振動させる振動手段、容器内に注入された高粘度液体
の量を検知する検知手段、この検知手段の検知結果に基
づいて、流量調整弁及び振動手段を制御する制御手段を
備え、制御手段は、流量調整弁を制御して高粘度液体を
容器へ注入し、検知手段の検知結果があらかじめ定めら
れた量となった場合に、流量調整弁を制御して容器への
注入を停止し、停止後に振動手段を制御して、容器内に
注入された高粘度液体の表面から気泡を抜く第1の制御
と、第1の制御後に流量調整弁を制御し、容器内であっ
て第1の制御によって注入された高粘度液体の表面上若
しくは表面下付近に新たな高粘度液体を注入し、検知手
段の検知結果があらかじめ定められた量となった場合
に、流量調整弁を制御して容器への注入を停止し、停止
後に振動手段を制御して、容器内に注入された高粘度液
体内の気泡を抜く第2の制御と、を行うものである。
【0009】また、検知手段の検知結果に基づいて、ノ
ズルを容器に対して相対的に移動させる駆動手段を備え
たものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1におけ
る第1の注入工程時のシリンジを示す断面図である。図
1〜図8において、1は容器であるシリンジであり、例
えば、塗布用プラスチックシリンジである。2は高粘度
液体である高粘度樹脂、3は気泡、4は高粘度樹脂2を
注入するために、シリンジ1上部の開口部から挿入され
たノズルである。一般的に、容器であるシリンジ1は内
容量が大きくなると縦長になる傾向がある。従来の技術
においては、図10に示すように充填初期段階に巻き込
んだ気泡3を真空脱泡にて除去するためには、下部の気
泡3が樹脂2上部に上がってくるのにかなりの時間がか
かり効率的な作業ができなくなる。そこで、この実施の
形態では、以下に示すような工程を取ることによって、
短時間で気泡を除去する。
【0011】まず、図1に示す第1の注入工程では、あ
らかじめ定められた量の高粘度樹脂2を注入する。この
とき、気泡3の発生を抑えるために、シリンジ1に注入
された高粘度樹脂2の表面とノズル4との間の距離が長
くならないように、高粘度樹脂2の表面の上昇に伴っ
て、ノズル4の高さを調整する。ここで、高粘度樹脂2
の表面は、例えば、高粘度樹脂2が容器1に接触してい
ない面であり、図9を用いて後述する真空炉10内の希
薄な空気若しくは真空となった空間に接しており、高粘
度樹脂2内の空気が抜けていく面をいう。注入した高粘
度樹脂2の量があらかじめ定められた量となった場合に
は、高粘度樹脂2の注入を停止する。この第1の注入工
程で注入する高粘度樹脂2の量は、高粘度樹脂2の粘度
及び容器の形状に基づいて決定される。
【0012】次に、第1の脱泡工程に移り、第1の注入
工程で混入してしまった気泡を脱泡する。このときの脱
泡の方法は、以下に示す方法を使用する。 (1)容器自体に物理的な振動、例えば、加振、打撃等を
与える方法 この方法では、シリンジ1に与えた振動により、シリン
ジ1の内面と高粘度樹脂2との間で摩擦熱が発生し、常
温時の樹脂粘度よりも、高粘度樹脂2の粘度が低下し、
注入時の混入気泡3を高粘度樹脂表面付近へ集中させや
すくなる。 (2)高粘度液体自体に物理的な振動、例えば、超音波照
射、電磁波照射等を与える方法 この方法では、樹脂内のフィラーが振動し、運動エネル
ギー、摩擦エネルギー等により、高粘度樹脂2の温度が
上昇し、常温時の樹脂粘度よりも高粘度樹脂2の粘度が
低下し、注入時の混入気泡3を高粘度樹脂表面付近へ集
中させやすくなる。ただし、これらの過程で発生する熱
量は、樹脂自体を変質又は可塑させるほどの熱量ではな
い。上述のように振動を加えると、図2に示すように気
泡3が高粘度樹脂2の表面付近、すなわち上部に集中す
る。ここで、高粘度樹脂2周りの気圧を1気圧以下の低
い気圧に下げて、真空脱泡を行う。すると、図3に示す
ように気泡が高粘度樹脂2の表面から抜けるため、短時
間で気泡が除去される。ここでは、上述(1)又は(2)の
振動を加えた後に真空脱泡を行う方法を用いているが、
気圧を減圧した状態で上述(1)又は(2)の振動を加える
方法を用いることもできる。その場合には、振動を与え
ている段階で気泡3が高粘度樹脂2から排出される。
【0013】この第1の脱泡工程が終了すると第2の注
入工程に移り、図4に示すようにあらかじめ定められた
量の高粘度樹脂2を注入する。この第2の注入工程は、
第1の注入工程と同様のものである。このとき、第1の
注入工程でも述べたように、高粘度樹脂2の注入に伴っ
てノズル4も上昇させる。第2の注入工程が終了する
と、図5に示すように第2の脱泡工程に移り、第2の注
入工程で発生した気泡3を取り除く。この第2の脱泡工
程は、上述第1の脱泡工程と同様のものである。第2の
注入工程では、第1の注入工程で注入された高粘度樹脂
2の上に高粘度樹脂2が積層されるため、第2の注入工
程終了時において、第1の注入工程で注入された高粘度
樹脂2の樹脂中から高粘度樹脂2の表面までの距離は、
第1の注入工程終了時と比べて長くなる。しかし、第1
の注入工程で発生した気泡3は第1の脱泡工程で既に除
去されているため、第1の注入工程で発生した気泡3は
高粘度樹脂2中に残らない。
【0014】第2の脱泡工程が終了すると、第3の注入
工程に移り、図6に示すようにあらかじめ定められた量
の高粘度樹脂2を注入する。この第3の注入工程は、第
1の注入工程と同様のものである。このとき、第1の注
入工程でも述べたように、高粘度樹脂2の注入に伴って
ノズル4も上昇させる。第3の注入工程が終了すると、
図7に示すように第3の脱泡工程に移り、第3の注入工
程で発生した気泡3を取り除く。この第3の脱泡工程
は、上述第1の脱泡工程と同様のものである。以上のよ
うに、注入工程、脱泡工程を順次繰り返すことにより、
深さの深い容器であっても、図8に示すように、下部付
近に気泡を残さずに高粘度樹脂2を充填することができ
る。従って、気泡のない、若しくは少ない高粘度液体充
填物を生産することができる。また、脱泡に必要な気泡
の高粘度樹脂内における移動距離が短いため、脱泡工程
の時間を短くすることができ、高速に高粘度液体充填物
を生産することができる。
【0015】なお、上述の実施の形態では、気泡3の発
生を抑えるために、シリンジ1に注入された高粘度樹脂
2の表面とノズル4との間の距離が長くならないよう
に、高粘度樹脂2の表面の上昇に伴って、ノズル4の高
さを調整することとしたが、ノズル4の吐出口が僅かに
高粘度樹脂2内に突っ込んでいるようにしてもよい。こ
のとき、ノズル4の吐出口は、気泡3の脱泡に影響を与
えない程度の深さに突っ込むことが必要である。
【0016】図9は、上述の高粘度液体充填物の生産方
法を実行するための高粘度液体充填物の生産装置であ
る。図9において、図1と同一の符号は同一または相当
の部分を表しており、5はノズル4に流れる高粘度樹脂
2の流量を制御する流量調整弁、6はノズル4を高低移
動させる駆動手段であるノズル駆動装置、7はノズル4
に流れる高粘度樹脂2の流量を計測する検知手段である
流量計である。8はシリンジ1が装着され、加振方向に
遊動自在に設けられた加振台、9はこの加振台8を振動
させる振動手段である駆動装置である。10はシリンジ
1を内包するように設けられ気密性を有する真空炉、1
1は真空炉10内の空気を抜くことにより、真空炉内を
非常に気圧が低い状態にするロータリーポンプ、12は
流量計7からの流量情報を受け、流量調整弁5、ノズル
駆動装置6、駆動装置9、ロータリーポンプ11の動作
を制御する制御手段である制御装置である。
【0017】なお、高粘度樹脂2が充填されたシリンジ
1を一度に複数生産する場合には、シリンジ1のそれぞ
れにノズル4、流量調整弁5、ノズル駆動装置6、及び
流量計7を設ける。なお、シリンジ1を一度に複数生産
する場合において、ノズル4、流量調整弁5、ノズル駆
動装置6、又は流量計7を複数のシリンジ1に対して、
共用することもできる。
【0018】次に、図9を用いて、この高粘度液体充填
物の生産装置の動作を説明する。まず、第1の注入工程
において、制御装置12は、ノズル駆動装置6を制御し
て、ノズル4をシリンジ1の底部付近まで低下させる。
次に、制御装置12は流量調整弁5を閉状態から開状態
にする。すると、高粘度樹脂2がシリンジ1内に注入さ
れる。このとき、流量計7はシリンジ1内に注入された
高粘度樹脂2の量を計測し、計測結果を流量情報として
制御装置12へ伝える。制御装置12は、この流量情報
を受けシリンジ1内に注入された高粘度樹脂2があらか
じめ定められた量となったか否かを判断する。あらかじ
め定められた量未満の場合には、流量調整弁5を開状態
のままとし、あらかじめ定められた量に達した場合に
は、流量調整弁5を閉状態として高粘度樹脂2の注入を
停止する。ここで、制御装置12は流量計7からの流量
情報に基づいて、シリンジ1内に注入された高粘度樹脂
2の表面の高さを演算し、この高さに比例してノズル4
を上昇させる。
【0019】次に、第1の脱泡工程に移り、制御装置1
2は、駆動装置9を停止状態から駆動状態にして、シリ
ンジ1に振動を加える。振動を加える時間は、高粘度樹
脂2の粘度、一回の注入ステップで注入する注入量に基
づいた時間であり、あらかじめ制御装置12内に設定さ
れている。続いて、制御装置12は、ロータリーポンプ
11を駆動して、真空炉10内の空気を抜き、真空炉1
0内の気圧をあらかじめ定められた値まで下げる。この
とき、振動によって高粘度樹脂2の表面付近に集まった
気泡3は、高粘度樹脂2表面から真空炉10内へ抜け
る。
【0020】次に、第2の注入工程、第2の脱泡工程お
いても、高粘度液体充填物の生産装置は、それぞれ上述
第1の注入工程、第1の脱泡工程と同様に動作し、第3
の注入工程、第3の脱泡工程においても同様に動作して
シリンジ1内に高粘度樹脂2を充填する。ここで、第2
の脱泡工程、第3の脱泡工程においては、第1の脱泡工
程において真空炉10内の気圧が低下しているため、第
2、第3の脱泡工程に入るときに気圧が十分に低い場合
には、ロータリーポンプ11を駆動しなくともよい。
【0021】ここで、第1の注入工程及び第1の脱泡工
程における制御装置12の制御は、第1の制御であり、
第2の注入工程及び第2の脱泡工程における制御装置1
2の制御は、第2の制御である。また、第2の注入工程
及び第2の脱泡工程における制御装置12の制御を第1
の制御とした場合には、第3の注入工程及び第3の脱泡
工程における制御装置12の制御が、第2の制御とな
る。
【0022】ここで、第1〜第3の脱泡工程において高
粘度液体2を振動させる方法としては、例えば、シリン
ジ1を加震する方法、シリンジ1を打震する方法、超音
波を照射する方法、電磁波を照射する方法等がある。シ
リンジ自体を加震する場合には、3〜10Gで5〜55
Hzで加震すると良好な結果を得ることができた。この
ような条件は、高粘度樹脂2に混入するフィラーの粒径
及び高粘度樹脂2の粘度に基づいて、適切な条件を設定
する。打震の場合には、垂直方向にシリンジ1を落下さ
せ振動を加えるとよい。これは、自動的に落下させる装
置のみならず、人手によって実施することも可能であ
る。超音波を照射して脱泡する場合には、共振周波数を
50〜100Hzとすると良好な結果を得ることができ
たが、この条件も高粘度樹脂2に混入するフィラーの粒
径及び高粘度樹脂2の粘度に基づいて適切な値を設定す
る。電磁波照射の場合には、高粘度樹脂2内のフィラー
が振動する周波数を設定する。ここで、高粘度液体の一
例としては、500P(ポアズ:poise)、50Pa・S以上
ある樹脂があげられる。
【0023】なお、上述の実施の形態では、高粘度樹脂
2の注入量の検知手段として、流量計7を用いたが、こ
の流量計の代わりに、タイマーを用いてあらかじめ定め
られた時間だけ、流量調整弁5を開くこともできる。ま
た、シリンジ1内の高粘度樹脂2表面の高さを計測する
距離センサーを用いて、流量調整弁5の開閉を制御する
こともできる。この場合には、距離センサーが計測した
距離情報を用いて、ノズル4の高低を正確に制御するこ
とができ、気泡3の発生をより少なくすることができる
という特徴がある。
【0024】また、上述の実施の形態では、振動手段と
して加振台8と駆動装置9を用いたが、これらの装置の
代わりに超音波振動発生器を用いて、高粘度樹脂2を振
動させてもよい。また、上述の実施の形態では、第1の
脱泡工程において真空炉10内の気圧を低下させたが、
第1の注入工程時若しくはそれ以前に真空炉10内の気
圧を低下させ、真空炉10が真空状態において、第1の
注入工程から第3の脱泡工程までの工程を実施してもよ
い。
【0025】また、上述の実施の形態では、第1、第
2、及び第3の注入工程において、シリンジ1内に注入
された高粘度樹脂2の表面の高低に比例してノズル4を
高低制御していたが、第1、第2、及び第3の注入工程
のそれぞれにおいて、ノズル4の位置を各注入工程ごと
にあらかじめ定められた位置に固定するようにしてもよ
い。この場合には、ノズル4の制御をより簡易な方法で
実現することができる。各注入工程ごとに定められたノ
ズル4の位置は、各注入工程における高粘度樹脂2の表
面位置の平均値、若しくは、最低位置付近に定めるとよ
い。また、上述実施の形態では、高粘度樹脂2の表面の
高低に比例してノズル4を高低制御していたが、シリン
ジ1を高低移動させることで、相対的にノズル4と高粘
度液体樹脂との距離を一定にするように制御することも
できる。また、第1、第2、及び第3の注入工程を振動
を加えながら行ってもよい。
【0026】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に記載されるような効果を奏す
る。
【0027】この発明の高粘度液体充填物の生産方法に
おいては、容器にあらかじめ定められた量の高粘度液体
を注入する第1の注入工程と、この第1の注入工程の後
に、高粘度液体の注入を停止し、第1の注入工程で注入
された高粘度液体を振動させ、この高粘度液体の表面か
ら第1の注入工程で注入された高粘度液体内の気泡を抜
く第1の脱泡工程と、この第1の脱泡工程の後に、第1
の注入工程で注入された高粘度液体の表面上に、あらか
じめ定められた量の新たな高粘度液体を容器に注入する
第2の注入工程と、この第2の注入工程の後に、新たな
高粘度液体の注入を停止し、第2の注入工程で注入され
た高粘度液体を振動させ、この高粘度液体内の気泡を抜
く第2の脱泡工程と、を備えたため、気泡混入の少ない
高粘度液体充填物を生産することができる。
【0028】また、第2の注入工程は、第1の注入工程
で注入された高粘度液体の表面上ではなく、表面下付近
の第1の注入工程で注入された高粘度液体中に新たな高
粘度液体をあらかじめ定められた量注入するため、気泡
混入の少ない高粘度液体充填物を生産することができ
る。
【0029】また、第1の脱泡工程は、1気圧よりも低
い気圧下で実施されるため、気泡混入の少ない高粘度液
体充填物を生産することができ、脱泡を高速に行うこと
ができる。
【0030】また、高粘度液体は塗布用の高粘度樹脂で
あり、容器は塗布用シリンジであるため、気泡混入の少
ない塗布用シリンジを生産することができる。
【0031】また、この発明の高粘度液体充填物の生産
装置においては、開口部を有する容器の開口部から高粘
度液体を注入するノズル、このノズル内を流れる高粘度
液体の流量を制御する流量調整弁、容器内の高粘度液体
を振動させる振動手段、容器内に注入された高粘度液体
の量を検知する検知手段、この検知手段の検知結果に基
づいて、流量調整弁及び振動手段を制御する制御手段を
備え、制御手段は、流量調整弁を制御して高粘度液体を
容器へ注入し、検知手段の検知結果があらかじめ定めら
れた量となった場合に、流量調整弁を制御して容器への
注入を停止し、停止後に振動手段を制御して、容器内に
注入された高粘度液体の表面から気泡を抜く第1の制御
と、第1の制御後に流量調整弁を制御し、容器内であっ
て第1の制御によって注入された高粘度液体の表面上若
しくは表面下付近に新たな高粘度液体を注入し、検知手
段の検知結果があらかじめ定められた量となった場合
に、流量調整弁を制御して容器への注入を停止し、停止
後に振動手段を制御して、容器内に注入された高粘度液
体内の気泡を抜く第2の制御と、を行うため、脱泡工程
を第1の脱泡工程、第2の脱泡工程に分けて実施するこ
とができるため、脱泡工程に要する総時間を短くするこ
とができる。
【0032】また、検知手段の検知結果に基づいて、ノ
ズルを容器に対して相対的に移動させる駆動手段を備え
たため、高粘度液体注入時における気泡の混入をより少
なくすることができ、脱泡工程に要する時間をより短く
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における第1の注入
工程時のシリンジを示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における第1の脱泡
工程時のシリンジを示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における第1の脱泡
工程終了後のシリンジを示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における第2の注入
工程時のシリンジを示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における第2の脱泡
工程時のシリンジを示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1における第3の注入
工程時のシリンジを示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1における第3の脱泡
工程時のシリンジを示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態1における第3の脱泡
工程完了後のシリンジを示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態1における高粘度液体
充填物の生産装置を示す機能ブロック図である。
【図10】 従来の技術における高粘度液体注入方法に
よる高粘度液体注入中のシリンジの断面図である。
【図11】 従来の技術における高粘度液体注入方法に
よる高粘度液体注入後のシリンジの断面図である。
【符号の説明】
1 シリンジ、 2 高粘度樹脂2 気泡、 4 ノズ
ル、 5 流量調整弁、 6 ノズル駆動装置、 7
流量計、 8 加振台、 9 駆動装置、 10 真空
炉、 11 ロータリーポンプ、 12 制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器にあらかじめ定められた量の高粘度
    液体を注入する第1の注入工程と、 この第1の注入工程の後に、上記高粘度液体の注入を停
    止し、上記第1の注入工程で注入された高粘度液体を振
    動させ、この高粘度液体の表面から上記第1の注入工程
    で注入された高粘度液体内の気泡を抜く第1の脱泡工程
    と、 この第1の脱泡工程の後に、上記第1の注入工程で注入
    された高粘度液体の上記表面上に、あらかじめ定められ
    た量の新たな高粘度液体を上記容器に注入する第2の注
    入工程と、 この第2の注入工程の後に、上記新たな高粘度液体の注
    入を停止し、上記第2の注入工程で注入された高粘度液
    体を振動させ、この高粘度液体内の気泡を抜く第2の脱
    泡工程と、を備えた高粘度液体充填物の生産方法。
  2. 【請求項2】 第2の注入工程は、第1の注入工程で注
    入された高粘度液体の表面上ではなく、上記表面下付近
    の上記第1の注入工程で注入された高粘度液体中に新た
    な高粘度液体をあらかじめ定められた量注入することを
    特徴とする請求項1に記載の高粘度液体充填物の生産方
    法。
  3. 【請求項3】 第1の脱泡工程は、1気圧よりも低い気
    圧下で実施されることを特徴とする請求項1に記載の高
    粘度液体充填物の生産方法。
  4. 【請求項4】 高粘度液体は塗布用の高粘度樹脂であ
    り、 容器は塗布用シリンジであることを特徴とする請求項1
    に記載の高粘度液体充填物の生産方法。
  5. 【請求項5】 開口部を有する容器の上記開口部から高
    粘度液体を注入するノズル、 このノズル内を流れる上記高粘度液体の流量を制御する
    流量調整弁、 上記容器内の高粘度液体を振動させる振動手段、 上記容器内に注入された高粘度液体の量を検知する検知
    手段、 この検知手段の検知結果に基づいて、上記流量調整弁及
    び振動手段を制御する制御手段を備え、 上記制御手段は、 上記流量調整弁を制御して上記高粘度液体を上記容器へ
    注入し、上記検知手段の検知結果があらかじめ定められ
    た量となった場合に、上記流量調整弁を制御して上記容
    器への注入を停止し、停止後に上記振動手段を制御し
    て、上記容器内に注入された高粘度液体の表面から気泡
    を抜く第1の制御と、 第1の制御後に上記流量調整弁を制御し、上記容器内で
    あって上記第1の制御によって注入された高粘度液体の
    上記表面上若しくは上記表面下付近に新たな高粘度液体
    を注入し、上記検知手段の検知結果があらかじめ定めら
    れた量となった場合に、上記流量調整弁を制御して上記
    容器への注入を停止し、停止後に上記振動手段を制御し
    て、上記容器内に注入された高粘度液体内の気泡を抜く
    第2の制御と、を行うことを特徴とする高粘度液体充填
    物の生産装置。
  6. 【請求項6】 検知手段の検知結果に基づいて、ノズル
    を容器に対して相対的に移動させる駆動手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項5に記載の高粘度液体充填物の生
    産装置。
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