JP4848075B2 - 注型材の攪拌装置及び真空注型装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
上記上下運動装置により、高粘度材と撹拌プロペラ4の粘着が断続的に切り離されるから、撹拌プロペラ4の回転が可能になる。換言すれば、攪拌プロペラ4により高粘度材を切りつつ攪拌するような運動が得られる。この構成により高粘度材の高粘度のために、従来の普通の動作では撹拌プロペラ4による回転が不可能であった問題点を解決し、高粘度材の自動攪拌が可能になり、脱泡及び攪拌動作の自動化が可能になる。
また上下運動装置が、前記攪拌装置による攪拌中に上下方向往復運動のストロークを変化させる、構成により注型容器内の注型材を均等に攪拌でき、特に容器底部の注型材の攪拌も可能になる。
更に前記注型材容器を支持し、前記攪拌装置による攪拌中に注型材容器を振り子運動させることが可能な振り子運動機構を備えることも可能であり、攪拌中に振り子運動をさせることにより、注型材容器中の注型材を流動させ、特に底部に滞留する注型材を流動させることにより効果的な攪拌を行え、攪拌効果が更に高まる。なお、前記注型材容器と攪拌装置と上下運動装置及び振り子運動機構は同一の減圧室に収納するのが望ましい。
更に本発明の真空注型装置は、注型材を注入するための注入口を備えた型を収納可能な減圧室と、前記減圧室内に収納され、該型に注入される注型材を収納する注型材容器と、前記減圧室内に収納され、前記注型材に必要に応じて添加される硬化剤を収納する硬化剤容器と、前記減圧室内に収納され、該注型材容器の内部に装入され、注型材を攪拌する攪拌プロペラを備えた攪拌装置と、前記減圧室内に収納され、前記攪拌プロペラと注型材容器とを相対的に上下方向に往復運動させ、前記攪拌装置による攪拌中に上下方向往復運動のストロークを変化させる上下運動装置と、前記減圧室内に収納され、前記注型材容器を支持し、前記攪拌装置による攪拌中に注型材容器を振り子運動させることが可能な振り子運動機構と、前記減圧室内に収納され、前記硬化剤収納器の硬化剤を必要に応じて前記注型材収納器の注型材に注入する硬化剤注入装置と、前記減圧室内に収納され、前記注型材収納器の注型材を、前記型の異なる注入口位置に対応して、任意位置から型への注入が可能な注型材注入装置と、前記注型材の種類と前記型の注入口位置に応じて、前記硬化剤注入装置と攪拌装置と上下運動装置と振り子運動機構と注型材注入装置とを制御して、注型材の種類に対応した攪拌動作、及び型の注入位置に応じた注入動作とを行わせる制御装置と、を備える。
以上の構成により、種々の注型材や異なる型に対応し、脱泡、攪拌、型への注入を一貫して行うことが可能になり、また良好な攪拌を得ることができる。
なお前記制御装置が、前記注型材の種類に応じた動作プログラムと、前記注型材の種類を設定する設定装置と、を備え、前記設定された注型材に対応した動作プログラムにより制御を実行する、ことが望ましい。また前記攪拌装置が、高粘度注型材の攪拌が可能であり、高粘度注型材の脱泡と攪拌が行える、ことが望ましい。更に、前記減圧室が、圧力調整可能であり、前記制御装置は、所定の圧力サイクルを実行させつつ、前記脱泡動作と型への注入動作の中の少なくも1を実行させる、ことが可能である。
図1及び図2において、減圧室1が設けられ、その内部は真空ポンプ10により所定の圧力まで減圧される。減圧室1内部には、揺振動テーブル7が設置されており、減圧室1の外部に設けられた揺振動装置70により揺振動するようになっている。
揺振動テーブル7の上には注型用型6が載置可能になっており、この注型用型6に樹脂等を流し込んで硬化、成型するようになっている。
支持装置3は傾斜体30と昇降部33とを有する。傾斜体30は長尺体であり、その下端から4分の1程度の位置で軸支され、傾斜モータ31により図1において左右方向に傾斜可能になっている。また傾斜モータ31により連続的に左右方向に傾斜させることにより搖動可能であり、所謂振り子運動をするように構成されている。注型材カップ2は上下運動装置である昇降部33の下端に装着された容器保持具20上に載置される。
振り子運動はこの実施形態では振幅を30゜(±15゜)と40゜(±20゜)を選択できるようになっており、注型材の種類に応じて振幅を変えることができるように構成されている。
この上下動作については、後に詳細に説明する。
この注型材カップ2の傾動動作により、傾斜体30の運動に合わせて注型材カップ2を傾動させて、注型材カップ2の姿勢を保つことができ、また注型材カップ2から注型用型6への注入動作等を行わせることが可能になっている。
注型用型6の注入口60の位置はその型により様々である。そのため、該位置を制御装置9に設定することにより、種々の注入口60の位置に対応可能になっている。前記したように、注型材カップ2は傾斜体30の傾斜と昇降部33の昇降により減圧室1の任意の位置に移動可能であり、注入口60の左右方向位置と高さとを設定しておけば、該位置に自動的に移動させることが可能である。
制御装置9の概略を図3のブロック図に示す。
最初に操作者は注型材を注型材カップ2に入れ、また硬化剤を硬化剤カップ5に入れる。また注型用型6を揺振動テーブル7上に載置する。そして、減圧室1を密閉し、注型材設定キー91により注型材の設定を行う。
注型材の種類に応じて操作パネル90の画面が変わり、該画面上から該注型材に対応した種々の設定を行う。
次に、注入口位置設定キー92により使用する注型用型6の注入口60を設定する。注入口60の左右位置と高さを設定する。
この動作をフローチャートに基づいて説明する。
図4において、操作者により設定された注型材が高粘度材の場合(ステップS1)、高粘度材用の脱泡動作を実行する(ステップS2)。注型材カップ2を移動させ、注型材カップ2の内部に撹拌プロペラ4が装入される脱泡位置に注型材カップ2を設定する。
そして、撹拌プロペラ4を回動させて脱泡を行うが、高粘度材は粘度が非常に高いため、普通の動作では撹拌プロペラ4を回動させるのが困難である。そのため、本発明では、注型材カップ2を上下動させ、高粘度材を撹拌プロペラ4で切りつつ撹拌プロペラ4を正逆に回転させて攪拌し、脱泡を行う。この際、減圧室1は当然に真空に近くまで減圧されているが、高粘度材の膨張が大きくなる場合は、小リーク弁12を開として圧力を上げることも可能である。
該上下運動のストロークは可変になっており、該ストロークを大きくすることにより注型材カップ2の底部までの攪拌が可能になる。制御装置9には、予め注型材カップ2の深さに応じた限界位置が設定されており、該位置まで攪拌プロペラ4の先端が到達できるようになっている。この構成により、注型材カップ2の底部又は底部近傍まで攪拌を行える。なお、センサ等を設けて底又は底近傍への到達を検出しても良い。
図7に示すように、攪拌動作においては脱泡と同様に撹拌プロペラ4の回転及び正逆回転と注型材カップ2の上下動を行うが、これらに加えて更に傾斜体30を左右方向に搖動させて、所謂振り子運動を同時に行わせる。
この振り子運動により、注型材カップ2の底部に付着した注型材が移動し、撹拌プロペラ4による攪拌が効率的に行える。
そして注入動作を実行し(ステップS6)。作業を終了する。この注入動作については後に詳細に説明する。
撹拌プロペラ4を回転させ(ステップS20)、注型材カップ2を所定のストロークNで上下動させる(ステップS21)。この注型材カップ2の上下動により撹拌プロペラ4は高粘度材の粘着により阻害されることなく回転可能となり、高粘度材を切るような動作を実行し、これにより高粘度材を攪拌して脱泡を行う。所定時間経過したら(ステップS22)、ストロークNを増加しN+aのストロークで上下動させる(ステップS23)。これにより、撹拌プロペラ4が注型材カップ2に深く入り、注型材カップ2の底部分の高粘度材の攪拌も行える。制御装置9は、撹拌プロペラ4が注型材カップ2の予め設定した底或いは底の近傍に到達したら(ステップS24)、撹拌プロペラ4の回転を停止し、注型材カップ2の上下動を停止する(ステップS25)。
上記動作終了後、図4の硬化剤注入動作(ステップS3)に移動する。
なお、脱泡動作の際にも上記した振り子運動を行っても良い。
攪拌動作においては、脱泡動作に傾斜体30による振り子動作が加わる。
この振り子動作は傾斜体30による傾斜を動作を交互に方向を変えて連続的に行うことにより得られる。
傾斜体30により振り子運動を開始し(ステップS40)、同時に撹拌プロペラ4を回転させ(ステップS41)、更に注型材カップ2を所定のストロークNで上下動させる(ステップS42)。この注型材カップ2の上下動により高粘度材を切りつつ攪拌し、更に振り子運動により注型材カップ2の底部の注型材も効果的に攪拌される。所定時間経過したら(ステップS43)、ストロークNを増加しN+aのストロークで上下動させる(ステップS44)。これにより、撹拌プロペラ4が注型材カップ2に深く入り、注型材カップ2の底部分の高粘度材の攪拌が更に効果的に行われる。撹拌プロペラ4が注型材カップ2の底に到達或いは底の近傍に到達したら(ステップS45)、撹拌プロペラ4の回転を停止し、注型材カップ2の上下動を停止する(ステップS46)。また傾斜体30を停止し、振り子運動を停止する(ステップS47)。
最初に、制御装置9において、リークの繰り返しカウンタNを所定数に設定する(ステップS80)。次に注型材カップ2を注入口60位置に移動させたら、注入/昇降モータ21により一方のラック35を移動させて、注型材カップ2を傾けて攪拌した注型材を注入口60に注入する(ステップS81)。同時に揺振動装置70を駆動し、揺振動テーブル7を振動させる(ステップS82)。この時、減圧室1内は最も圧力の低い状態になっている。
そして、小リーク弁12を開とし(ステップS83)、所定の設定圧力まで減圧室1内部の圧力を上昇させる(ステップS84)。この圧力上昇により、注入口60に注入された注型材は注型用型6内部に効果的に進入する。そして小リーク弁12を閉じて、減圧室1を減圧し(真空ポンプ10は継続的に稼働している)(ステップS85)、上記動作をN回行う(ステップS86、87)。N回終了したら、大リーク弁11を開として(ステップS88)、動作を停止し(ステップS89)する。
上記した加圧動作の繰り返しと、揺振動テーブル7の搖動により、樹脂は注型用型6に効果的に進入する。特に高粘度材の場合、注入動作が難しかったが、上記構成により効率的な注入が行える。
Claims (4)
- 注型材を収納する注型材容器と、
該注型材容器の内部に装入され、注型材を攪拌する攪拌プロペラを備えた攪拌装置と、
前記攪拌プロペラと注型材容器とを相対的に上下方向に往復運動させる上下運動装置と、を備え、
前記上下運動装置が、前記攪拌装置による攪拌中に上下方向往復運動のストロークを変化させる、
注型材の攪拌装置。 - 前記注型材容器を支持し、前記攪拌装置による攪拌中に注型材容器を振り子運動させることが可能な振り子運動機構、を更に備えた
請求項1の注型材の攪拌装置。 - 前記注型材容器と攪拌装置と上下運動装置とが減圧室に収納されている、
請求項1の注型材の攪拌装置。 - 注型材を注入するための注入口を備えた型を収納可能な減圧室と、
前記減圧室内に収納され、該型に注入される注型材を収納する注型材容器と、
前記減圧室内に収納され、前記注型材に必要に応じて添加される硬化剤を収納する硬化剤容器と、
前記減圧室内に収納され、該注型材容器の内部に装入され、注型材を攪拌する攪拌プロペラを備えた攪拌装置と、
前記減圧室内に収納され、前記攪拌プロペラと注型材容器とを相対的に上下方向に往復運動させ、前記攪拌装置による攪拌中に上下方向往復運動のストロークを変化させる上下運動装置と
前記減圧室内に収納され、前記注型材容器を支持し、前記攪拌装置による攪拌中に注型材容器を振り子運動させることが可能な振り子運動機構と、
前記減圧室内に収納され、前記硬化剤収納器の硬化剤を必要に応じて前記注型材収納器の注型材に注入する硬化剤注入装置と、
前記減圧室内に収納され、前記注型材収納器の注型材を、前記型の異なる注入口位置に対応して、任意位置から型への注入が可能な注型材注入装置と、
前記注型材の種類と前記型の注入口位置に応じて、前記硬化剤注入装置と攪拌装置と上下運動装置と振り子運動機構と注型材注入装置とを制御して、注型材の種類に対応した攪拌動作、及び型の注入位置に応じた注入動作とを行わせる制御装置と、
を備えたことを特徴とする真空注型装置。
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