JP4848076B2 - 真空注型装置 - Google Patents
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Description
上記作業の中、型に注型材を注入する注入作業は、型毎に異なる注入位置に合わせて注入作業を行う必要があり、そのため型の注入口を大きくしたり、樹脂だまりと称する注入用の漏斗状の物を注入口に装着するなどの必要があった。
また、特許文献1に示すように、供給ポットや樹脂供給管を使用して注入する装置も提案されている。
また、後者の装置の場合、異なる注入口位置に対応できない問題がある。また供給ポットや樹脂供給管に付着する注型材の無駄がでる上、供給ポットや樹脂供給管の洗浄が必要である等の問題がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
前記位置設定装置により設定された注入口位置に基づいて前記移動装置と注入装置を制御して、前記注型材容器を移動させ、該注型材容器を傾動させ、該注型材容器から注型材を直接型に注入させる、制御装置と、を備えたことを特徴とする。
上記構成により、注入口位置の設定が可能であり、制御装置により該注入口位置において注入動作が確実に行われ、装置の自動化が可能になる。また、確実な注入位置あわせができるから、樹脂だまりが不要になり、注型材の無駄を抑制できる。
上記構成に加えて、更に前記注型材容器の注型材の量を設定する注型材量設定装置、を更に設け、前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量に基づいて注入動作を制御する、ように構成することも可能である。即ち注型材カップ1の注型材が流出を開始する角度はその量により異なるから、該角度に応じて注入位置を微調整し、また該角度までは例えば高速で傾動させ、該角度に達してからは、注入に適した傾動速度とする等の制御を行う。この構成により注型材の量に応じた注入動作を行わせることができ、更に確実な注入動作を得ることがきる。
更に前記注型材の種類を設定する注型材種類設定装置を設け、前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量と注型材の種類に基づいて、注型位置と注入動作を制御する、ように構成することも可能である。たとえば高粘度材の場合には、注型材カップ1の傾動速度を早め、粘度の低い注型材の場合は傾動速度を遅くする。この構成により上記に加えて注型材の種類に応じた注入動作を得ることができる。
なお前記注入動作の制御には上記の他に種々のものがあるが、少なくとも前記注型材容器の傾動角制御を含むことが望ましい。
図1及び図2において、減圧室1が設けられ、その内部は真空ポンプ10により所定の圧力まで減圧される。減圧室1内部には、揺振動テーブル7が設置されており、減圧室1の外部に設けられた揺振動装置70により揺振動するようになっている。
揺振動テーブル7の上には注型用型6が載置可能になっており、この注型用型6に樹脂等を流し込んで硬化、成型するようになっている。
支持装置3は傾斜体30と昇降部33とを有する。傾斜体30は長尺体であり、その下端から4分の1程度の位置で軸支され、傾斜モータ31により図1において左右方向に傾斜可能になっている。また傾斜モータ31により連続的に左右方向に傾斜させることにより搖動可能であり、所謂振り子運動をするように構成されている。注型材カップ2は上下運動装置である昇降部33の下端に装着された容器保持具20上に載置される。
振り子運動はこの実施形態では振幅を30゜(±15゜)と40゜(±20゜)を選択できるようになっており、注型材の種類に応じて振幅を変えることができるように構成されている。
この上下動作については、後に詳細に説明する。
この注型材カップ2の傾動動作により、傾斜体30の運動に合わせて注型材カップ2を傾動させて、注型材カップ2の姿勢を保つことができ、また前記したように注型材カップ2から注型用型6への注入動作等を行わせることが可能になっている。従ってこの昇降部33が注型材の注入装置を構成している。
注型用型6の注入口60の位置はその型により様々である。そのため、本発明においては該位置を制御装置9に設定することにより、種々の注入口60の位置に対応可能になっている。前記したように、注型材カップ2は傾斜体30の傾斜と昇降部33の昇降により減圧室1の任意の位置に移動可能であり、注入口60の左右方向位置と高さとを設定しておけば、該位置に自動的に移動させることが可能である。
制御装置9の概略を図3のブロック図に示す。
なお、この実施形態では奥行き方向位置は一定位置としているが、奥行き方向位置を可変とし、奥行き方向の移動機構を加えて、注型用型6を奥行き方向移動可能としても良い。
ここでは注型材量表示95がなされると共に、注入口60の左右方向位置表示96と高さ位置表示97がなされている。
またこの実施形態では注型材カップ2の容積の設定、攪拌プロペラ4の容積の設定、硬化剤カップ5の容積の設定が行われ、それぞれの設定値が表示されている。
該注型材カップ2による注入動作は、注型材カップ2内の注型材の量と種類に応じて制御される。即ち注型材の量により注型材カップ2から流れ出す時の注型材カップ2の角度は異なるから、該角度に応じて注入位置を微調整した上で、該流れ出し角度まで昇降部33は最高速度で注型材カップ2を傾け、その後は注型材の種類に応じて傾動速度を制御する。高粘度材の場合注型材カップ2の傾動速度を早くし、粘度が低い注型材の場合は注型材カップ2の傾動速度を遅くするように制御する。これにより注入動作、即ち注入位置と注入速度の制御がなされる。
最初に操作者は注型材を注型材カップ2に入れ、また硬化剤を硬化剤カップ5に入れる。また注型用型6を揺振動テーブル7上に載置する。そして、減圧室1を密閉し、注型材設定キー91により注型材の種類及び量の設定を行う。
注型材の種類に応じて操作パネル90の画面が変わり、該画面上から該注型材に対応した種々の設定を行う。
次に、注入口位置設定キー92により使用する注型用型6の注入口60の位置を設定する。この実施形態では奥行き方向は一定としているため、注入口60の左右位置と高さを設定する。
この動作をフローチャートに基づいて説明する。
図4において、操作者により設定された注型材が高粘度材の場合(ステップS1)、高粘度材用の脱泡動作を実行する(ステップS2)。注型材カップ2を移動させ、注型材カップ2の内部に撹拌プロペラ4が装入される脱泡位置に注型材カップ2を設定する。
そして、撹拌プロペラ4を回動させて脱泡を行うが、高粘度材は粘度が非常に高いため、普通の動作では撹拌プロペラ4を回動させるのが困難である。そのため、本発明では、注型材カップ2を上下動させ、高粘度材を撹拌プロペラ4で切りつつ撹拌プロペラ4を正逆に回転させて攪拌し、脱泡を行う。この際、減圧室1は当然に真空に近くまで減圧されているが、高粘度材の膨張が大きくなる場合は、小リーク弁12を開として圧力を上げることも可能である。
該上下運動のストロークは可変になっており、該ストロークを大きくすることにより注型材カップ2の底部までの攪拌が可能になる。制御装置9には、予め注型材カップ2の深さに応じた限界位置が設定されており、該位置まで攪拌プロペラ4の先端が到達できるようになっている。この構成により、注型材カップ2の底部又は底部近傍まで攪拌を行える。なお、センサ等を設けて底又は底近傍への到達を検出しても良い。
図7に示すように、攪拌動作においては脱泡と同様に撹拌プロペラ4の回転及び正逆回転と注型材カップ2の上下動を行うが、これらに加えて更に傾斜体30を左右方向に搖動させて、所謂振り子運動を同時に行わせる。
この振り子運動により、注型材カップ2の底部に付着した注型材が移動し、撹拌プロペラ4による攪拌が効率的に行える。
そして前述した注入動作を実行し(ステップS6)。作業を終了する。
この注入動作においては、更に減圧室1の圧力制御を行っているが、これについては後に詳細に説明する。
撹拌プロペラ4を回転させ(ステップS20)、注型材カップ2を所定のストロークNで上下動させる(ステップS21)。この注型材カップ2の上下動により撹拌プロペラ4は高粘度材の粘着により阻害されることなく回転可能となり、高粘度材を切るような動作を実行し、これにより高粘度材を攪拌して脱泡を行う。所定時間経過したら(ステップS22)、ストロークNを増加しN+aのストロークで上下動させる(ステップS23)。これにより、撹拌プロペラ4が注型材カップ2に深く入り、注型材カップ2の底部分の高粘度材の攪拌も行える。制御装置9は、撹拌プロペラ4が注型材カップ2の予め設定した底或いは底の近傍に到達したら(ステップS24)、撹拌プロペラ4の回転を停止し、注型材カップ2の上下動を停止する(ステップS25)。
上記動作終了後、図4の硬化剤注入動作(ステップS3)に移動する。
なお、脱泡動作の際にも上記した振り子運動を行っても良い。
攪拌動作においては、脱泡動作に傾斜体30による振り子動作が加わる。
この振り子動作は傾斜体30による傾斜を動作を交互に方向を変えて連続的に行うことにより得られる。
傾斜体30により振り子運動を開始し(ステップS40)、同時に撹拌プロペラ4を回転させ(ステップS41)、更に注型材カップ2を所定のストロークNで上下動させる(ステップS42)。この注型材カップ2の上下動により高粘度材を切りつつ攪拌し、更に振り子運動により注型材カップ2の底部の注型材も効果的に攪拌される。所定時間経過したら(ステップS43)、ストロークNを増加しN+aのストロークで上下動させる(ステップS44)。これにより、撹拌プロペラ4が注型材カップ2に深く入り、注型材カップ2の底部分の高粘度材の攪拌が更に効果的に行われる。撹拌プロペラ4が注型材カップ2の底に到達或いは底の近傍に到達したら(ステップS45)、撹拌プロペラ4の回転を停止し、注型材カップ2の上下動を停止する(ステップS46)。また傾斜体30を停止し、振り子運動を停止する(ステップS47)。
最初に、制御装置9において、リークの繰り返しカウンタNを所定数に設定する(ステップS80)。次に注型材カップ2を注入口60位置に移動させたら、注入/昇降モータ21により一方のラック35を移動させて、注型材カップ2を傾けて攪拌した注型材を注入口60に注入する(ステップS81)。同時に揺振動装置70を駆動し、揺振動テーブル7を振動させる(ステップS82)。この時、減圧室1内は最も圧力の低い状態になっている。
そして、小リーク弁12を開とし(ステップS83)、所定の設定圧力まで減圧室1内部の圧力を上昇させる(ステップS84)。この圧力上昇により、注入口60に注入された注型材は注型用型6内部に効果的に進入する。そして小リーク弁12を閉じて、減圧室1を減圧し(真空ポンプ10は継続的に稼働している)(ステップS85)、上記動作をN回行う(ステップS86、87)。N回終了したら、大リーク弁11を開として(ステップS88)、動作を停止し(ステップS89)する。
上記した加圧動作の繰り返しと、揺振動テーブル7の搖動により、樹脂は注型用型6に効果的に進入する。特に高粘度材の場合、注入動作が難しかったが、上記構成により効率的な注入が行える。
Claims (4)
- 注型材を注入するための注入口を備えた型を収納可能な減圧室と、
前記減圧室内に収納され、注型材を収納する注型材容器と、
前記減圧室内に収納され、前記注型材容器を移動させる移動装置と、
前記減圧室内に収納され、前記注型材容器を傾動させることにより注型材を前記型に注型材容器から直接注入する注入装置と、
前記型の注入口位置を設定する位置設定装置と、
前記位置設定装置により設定された注入口位置に基づいて前記移動装置と注入装置を制御して、前記注型材容器を移動させ、該注型材容器を傾動させ、該注型材容器から注型材を直接型に注入させる、制御装置と、
を備えたことを特徴とする真空注型装置。 - 前記注型材容器の注型材の量を設定する注型材量設定装置、を更に設け、
前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量に基づいて注入動作を制御する、
請求項1の真空注型装置。 - 前記注型材の種類を設定する注型材種類設定装置、を更に設け、
前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量と注型材の種類に基づいて注入動作を制御する、
請求項2の真空注型装置。 - 前記注入動作の制御が、少なくとも前記注型材容器の傾動角制御を含む、
請求項1又は2又は3の真空注型装置。
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