JPH10263281A - 洗濯機の洗剤供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗剤を入れた洗剤ケースを給水ケースにセッ
トする際に、内部の洗剤が洗濯兼脱水槽内に流れ出て洗
濯物にかかって部分的に色落ちするようなことを防止
し、しかも、給水時には洗剤ケース内の洗剤が該ケース
内に残留することはなく確実に供給でき使い勝手のよい
洗濯機の洗剤供給装置を得る。 【解決手段】 箱型の洗剤ケースの背面側下部に洗濯兼
脱水槽への洗剤の流出口を形成し、底板を前記流出口の
方向に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成して、洗濯
兼脱水槽の上方に配設される給水ケースに引出し自在に
組み込む洗剤供給装置において、洗剤ケース９の給水ケ
ース８への組み込み時に前記流出口１０を閉塞する手段
として、洗剤ケース９の背面板９ａと底板９ｂとの間に
流出口１０となる隙間が自在に形成されるように背面板
９ａを回動自在なものとし、組み込み後に前記流出口２
０を開放する手段として突起１１を給水ケース８に設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機の洗剤供給
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】全自動洗濯機は、一例として、図６に示
すように外箱１内に水槽を防振吊棒で吊支し、該水槽内
に底部に回転翼を設けた洗濯兼脱水槽２を回転自在に配
設し、洗濯兼脱水槽２の上方の開口をフタ３で覆い、ま
た、上部にトップパネル４を取り付けている。

【０００３】そして、トップパネル４の下方位置に給水
装置５が配設される。この給水装置５は給水管６を介し
て水道栓に接続し、または風呂水ポンプ７を介して給水
管６を浴槽に接続するものであり、給水ケース８に洗剤
ケース９を手前に引出し自在に設けた。

【０００４】この洗剤ケース９は、従来は例えば図７、
図８に示すように、上面を開放した略箱型形状に本体を
形成し、前面に引出し操作用の把手１７を一体に設け、
背面板９ａの下方部を方形に切欠いて洗剤の流出口１８
に形成し、また、底板９ｂは洗剤がこの流出口１８の方
向に流れやすいように流出口１８の方向に向かって下方
に傾斜する傾斜面に形成した。

【０００５】かかる洗剤ケース９を給水ケース８に組み
込む洗剤供給装置は、全自動洗濯機においては特に予約
運転する場合に、運転開始時刻に洗剤が自動的に下方の
洗濯兼脱水槽２内に供給されるように使用するもので、
予約設定時などに洗剤ケース９を給水ケース８から引き
出して、洗剤ケース９内に洗剤を入れ、把手１７を持っ
て給水ケース８に再び押入れる。

【０００６】そして、予約した運転開始時刻になり、給
水弁が開いて給水管６から給水ケース８に給水される
と、ここに組み入れてある洗剤ケース９にも水が注がれ
この水で洗剤が溶かされて水とともに流出口１８から洗
濯兼脱水槽２内に吐出される。

【０００７】このとき、洗剤ケース９は底板９ｂが流出
口１８の方向に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成し
てあるから洗剤は流出口１８の方向にスムーズに流れ、
また、流出口１８も背面板９ａの下方部に形成してある
からここからスムーズに流れ出て、洗剤ケース９内に残
留することはない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】洗剤ケース９の底板９
ｂは後方に向かって下方に傾斜しており、しかも傾斜の
先端に流出口１８が位置しているから、洗剤を洗剤ケー
ス９内に入れた状態でこれを給水ケース８にセットする
作業時に、洗剤がこの流出口１８から洗濯兼脱水槽２内
に出てしまうことかあり、洗濯兼脱水槽２に投入してあ
る洗濯物にかかり、洗濯物に部分的な色落ちなどが発生
することがある。

【０００９】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、洗剤を入れた洗剤ケースを給水ケースにセットする
際に、内部の洗剤が洗濯兼脱水槽内に流れ出て洗濯物に
かかるようなことを防止し、しかも、給水時には洗剤ケ
ース内の洗剤が該ケース内に残留することはない使い勝
手のよい洗濯機の洗剤供給装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第１に、箱型の洗剤ケースの背面側下部に洗
濯兼脱水槽への洗剤の流出口を形成し、底板を前記流出
口の方向に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成して、
洗濯兼脱水槽の上方に配設される給水ケースに引出し自
在に組み込む洗剤供給装置において、洗剤ケースの給水
ケースへの組み込み時に前記流出口を閉塞する手段を洗
剤ケースに設け、組み込み後に前記流出口を開放する手
段を給水ケースに設けたことにより、洗剤を入れた洗剤
ケースを給水ケースにセットするときには、洗剤ケース
内の洗剤が流出口から流れ出ないから、洗濯物などにか
かって色落ちなどすることがない。

【００１１】そして、セット後は、流出口は開放される
から給水時には水に溶けて水とともに確実に洗濯兼脱水
槽内に供給される。

【００１２】第２に、流出口を閉塞する手段は洗剤ケー
スの背面板であり、該背面板の下端が底板の後端に当
接、離間して流出口を開閉するように、背面板の上部を
その両側の側板に回動自在に取り付けたから、洗剤ケー
スが給水ケース内に完全に納めるまでの間は背面板は自
重で垂直状態となり、その下端が底板に当接する。よっ
て、この間は背面板と底板との間に隙間は生じず、洗剤
の流出口が形成されることはなく、洗剤が洗剤ケースか
ら流れ出ることはない。また、背面板の一部で流出口を
塞ぐことで流出口を閉塞する手段としてフタなどを別途
格別に設ける必要がなく、構造が簡単である。

【００１３】第３に、流出口を開放する手段は給水ケー
スの背面板の内側から突設され、背面板を押圧する突起
であるから、洗剤ケースを給水ケースにセットすれば、
背面板は突起に必ず当たり、該突起により前方に押され
るから確実に回動し、流出口が形成される。

【００１４】第４に、流出口を閉塞する方向に背面板を
付勢する手段として、背面板の下部を底板の方向に引っ
張るバネを背面板と側板との間に介装することにより、
洗剤を入れた洗剤ケースを給水ケースにセットするまで
の間は、引っ張りバネが背面板を底板の方向に引っ張る
から背面板と底板との間に隙間が生じることはなく、流
出口は形成されない。

【００１５】第５に、流出口を閉塞する方向に背面板を
付勢する手段として、背面板の下部を肉厚部に形成し、
または重錘を取りつけるなどして重量増大部に形成する
とともに、底板を背面板側に延設して突出させ、この突
出部に前記背面板の下部の重量増大部を当接することに
より、洗剤を入れた洗剤ケースを給水ケースにセットす
るまでの間は、重量増大部の自重によって背面板の下部
は底板の方向に確実に付勢され、背面板と底板との間に
隙間が生じることはなく、流出口は形成されない。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面についての実施の実施
の形態を詳細に説明する。図１は本発明の洗濯機の洗剤
供給装置の第１実施形態を示す縦断側面図で、本発明の
洗剤供給装置が設置される洗濯機の構成は図６について
既に説明したが、ここで再度説明すると、外箱１内に水
槽を防振吊棒で吊支し、該水槽内に底部に回転翼を設け
た洗濯兼脱水槽２を回転自在に配設し、洗濯兼脱水槽２
の上方の開口をフタ３で覆い、また、上部にトップパネ
ル４を取り付け、該トップパネル４の下方位置に給水装
置５が配設される。

【００１７】この給水装置５は給水管６を介して水道栓
に接続し、または風呂水ポンプ７を介して給水管６を浴
槽に接続するものであり、給水ケース８に洗剤ケース９
を手前に引出し自在に設けた。

【００１８】この洗剤ケース９の構造として、図１〜図
３に示す第１実施形態では、上面を開放した略箱型形状
に本体を形成し、前面に引出し操作用の把手１７を一体
に設け、底板９ｂは後方に形成される後述の流出口１０
に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成した。

【００１９】流出口１０を閉塞する手段として、本体の
背面板９ａは、その下端が底板９ｂの後端に当接、離間
して流出口１０を開閉するように上部をその両側の側板
９ｃに軸着して回動自在に取り付けた。図中１２はその
軸着部を示す。

【００２０】また、流出口１０を開放する手段として、
給水ケース９の背面板９ａの内側から背面板９ａの上方
部を押圧する突起１１を突設する。

【００２１】次に動作について説明すると、洗剤ケース
９が給水ケース８から取り出されている状態では、図
１、図２に示すように背面板９ａは自重による垂直状態
にあり、その下端は底板９ｂの後端に当接し、背面板９
ａと底板９ｂとの間に隙間は生じず、洗剤の流出口１０
が形成されることはない。

【００２２】よって、この状態で洗剤ケース９内に洗剤
を入れ、底板９ｂの傾斜にそって内部の洗剤が後方の背
面板９ａの方向に流れても、流出口１０は形成されてい
ないから洗剤ケース９から洗剤が流れ出ることはない。

【００２３】この状態から洗剤ケース９を給水ケース８
内に差し入れれば、図３に示すように給水ケース８に設
けた突起１１で洗剤ケース９の背面板９ａが前方に押さ
れ、軸着部１２を中心にして下方部が後方に回動し、下
端が底板９ｂの後端から離間してここに隙間が生じ、流
出口１０が形成される。

【００２４】よって、給水ケース８に給水されれば、洗
剤ケース９内の洗剤はこの水で溶かされて水とともに洗
濯兼脱水槽２内に吐出する。

【００２５】図４は洗剤ケース９の第２実施形態を示す
もので、流出口１０を閉塞する方向に背面板９ａを付勢
する手段として、背面板９ａの下部を底板９ｂの方向に
引っ張るバネ１４を背面板９ａと側板９ｃとの間に介装
する。

【００２６】これにより、洗剤を入れた洗剤ケース９を
給水ケース８にセットするまでの間は、引っ張りバネ１
４が背面板９ａを底板９ｂの方向に引っ張るから背面板
９ａと底板９ｂとの間に隙間が生じることはなく、洗剤
ケース９を後方に傾けても軸着部１３を中心にして背面
板９ａが自重で回動して隙間が発生してしまうことや、
背面板９ａを内側から後方に多少押してもこれが回動す
ることはなく、流出口１０は形成されない。

【００２７】洗剤ケース９を給水ケース８にセットした
状態では、引っ張りバネ１４の弾力に抗して突起１１で
背面板９ａが前方に押され、流出口１０が形成される。

【００２８】図５は洗剤ケース９の第３実施形態を示
し、流出口１０を閉塞する方向に背面板９ａを付勢する
手段として、背面板９ａの下部を肉厚部に形成し、また
は図示は省略するが重錘を取りつけるなどして重量増大
部１５に形成するとともに、底板９ｂの後端を背面板９
ａ側に延設して突出させ、この突出部１６に前記背面板
９ａの下部の重量増大部１５を当接した。

【００２９】これにより、洗剤を入れた洗剤ケース９を
給水ケース８にセットするまでの間は、重量増大部１５
の自重によって背面板９ａの下部は底板９ｂの方向に確
実に付勢され、背面板９ａと底板９ｂとの間に隙間が生
じることはなく、流出口１０は形成されない。

【００３０】この場合、洗剤ケース９を後方に多少傾け
ても突出部１６によって背面板９ａは下部が後方に突出
するような傾斜状態にあるから、背面板９ａの下端が底
板９ｂの後端から容易に離間することはなく、流出口１
０は形成されない。

【００３１】洗剤ケース９を給水ケース８にセットした
状態では、重量増大部１５の重みに抗して突起１１で背
面板９ａが前方に押され、流出口１０が形成される。

【００３２】

【発明の効果】以上述べたように本発明の洗濯機の洗剤
供給装置は、第１に、箱型の洗剤ケースの背面側下部に
洗濯兼脱水槽への洗剤の流出口を形成し、底板を前記流
出口の方向に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成し
て、洗濯兼脱水槽の上方に配設される給水ケースに引出
し自在に組み込む洗剤供給装置において、洗剤ケースの
給水ケースへの組み込み時に前記流出口を閉塞する手段
を洗剤ケースに設け、組み込み後に前記流出口を開放す
る手段を給水ケースに設けたことにより、洗剤を入れた
洗剤ケースを給水ケースにセットするときには、洗剤ケ
ース内の洗剤が流出口から流れ出ないから、洗濯物など
にかかって色落ちなどすることがない。

【００３３】そして、セット後は、流出口は開放される
から給水時には水に溶けて水とともに確実に洗濯兼脱水
槽内に供給され、使い勝手のよいものである。

【００３４】第２に、流出口を閉塞する手段は洗剤ケー
スの背面板であり、該背面板の下端が底板の後端に当
接、離間して流出口を開閉するように、背面板の上部を
その両側の側板に回動自在に取り付けたから、洗剤ケー
スが給水ケース内に完全に納めるまでの間は背面板は自
重で垂直状態となり、その下端が底板に当接する。よっ
て、この間は背面板と底板との間に隙間は生じず、洗剤
の流出口が形成されることはなく、洗剤が洗剤ケースか
ら流れ出ることを確実に防止できる。また、背面板の一
部で流出口を塞ぐことで流出口を閉塞する手段としてフ
タなどを別途格別に設ける必要がなく、構造が簡単であ
る。

【００３５】第３に、流出口を開放する手段は給水ケー
スの背面板の内側から突設され、背面板を押圧する突起
であるから、洗剤ケースを給水ケースにセットすれば、
背面板は突起に必ず当たり、該突起により前方に押され
るから確実に回動し、洗剤ケースを差し込むだけでセッ
ト後は流出口が確実に形成される。

【００３６】第４に、流出口を閉塞する方向に背面板を
付勢する手段として、背面板の下部を底板の方向に引っ
張るバネを背面板と側板との間に介装することにより、
洗剤を入れた洗剤ケースを給水ケースにセットするまで
の間は、引っ張りバネが背面板を底板の方向に引っ張る
から背面板と底板との間に隙間が生じることはなく、給
水ケースにセットする前に流出口が形成されることを確
実に防止できる。

【００３７】第５に、流出口を閉塞する方向に背面板を
付勢する手段として、背面板の下部を肉厚部に形成し、
または重錘を取りつけるなどして重量増大部に形成する
とともに、底板を背面板側に延設して突出させ、この突
出部に前記背面板の下部の重量増大部を当接することに
より、洗剤を入れた洗剤ケースを給水ケースにセットす
るまでの間は、重量増大部の自重によって背面板の下部
は底板の方向に確実に付勢され、背面板と底板との間に
隙間が生じることはなく、給水ケースにセットする前に
流出口が形成されることを確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の洗濯機の洗剤供給装置の第１実施形
態を示す洗剤ケースの縦断側面図である。

【図２】 本発明の洗濯機の洗剤供給装置の第１実施形
態を示す洗剤ケースが給水ケースにセットされる前の状
態の縦断側面図である。

【図３】 本発明の洗濯機の洗剤供給装置の第１実施形
態を示す洗剤ケースが給水ケースにセットされた状態の
縦断側面図である。

【図４】 本発明の洗濯機の洗剤供給装置の第２実施形
態を示す洗剤ケースの一部の斜視図である。

【図５】 本発明の洗濯機の洗剤供給装置の第３実施形
態を示す洗剤ケースの縦断側面図である。

【図６】 洗剤供給装置を備えた洗濯機の一部の斜視図
である。

【図７】 従来の洗剤ケースの斜視図である。

【図８】 従来の洗剤ケースの縦断側面図である。

【符号の説明】

１…外箱 ２…洗濯兼脱水槽 ３…フタ ４…トップパネル ５…給水装置 ６…給水管 ７…風呂水ポンプ ８…給水ケース ９…洗剤ケース ９ａ…背面板 ９ｂ…底板 ９ｃ…側板 １０…流出口 １１…突起 １２…軸着部 １４…引っ張りバネ １５…重量増大部 １６…突出部 １７…把手 １８…流出口

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱型の洗剤ケースの背面側下部に洗濯兼
   脱水槽への洗剤の流出口を形成し、底板を前記流出口の
   方向に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成して、洗濯
   兼脱水槽の上方に配設される給水ケースに引出し自在に
   組み込む洗剤供給装置において、洗剤ケースの給水ケー
   スへの組み込み時に前記流出口を閉塞する手段を洗剤ケ
   ースに設け、組み込み後に前記流出口を開放する手段を
   給水ケースに設けたことを特徴する洗濯機の洗剤供給装
   置。
2. 【請求項２】 流出口を閉塞する手段は洗剤ケースの背
   面板であり、該背面板の下端が底板の後端に当接、離間
   して流出口を開閉するように、背面板の上部をその両側
   の側板に回動自在に取り付けたことを特徴する請求項１
   記載の洗濯機の洗剤供給装置。
3. 【請求項３】 流出口を開放する手段は給水ケースの背
   面板の内側から突設され、背面板を押圧する突起である
   ことを特徴とする請求項１記載の洗濯機の洗剤供給装
   置。
4. 【請求項４】 流出口を閉塞する方向に背面板を付勢す
   る手段として、背面板の下部を底板の方向に引っ張るバ
   ネを背面板と側板との間に介装することを特徴とする請
   求項１または請求項２に記載の洗濯機の洗剤供給装置。
5. 【請求項５】 流出口を閉塞する方向に背面板を付勢す
   る手段として、背面板の下部を肉厚部に形成し、または
   重錘を取りつけるなどして重量増大部に形成するととも
   に、底板を背面板側に延設して突出させ、この突出部に
   前記背面板の下部の重量増大部を当接することを特徴と
   する請求項１または請求項２に記載の洗濯機の洗剤供給
   装置。