JPH10263087A - カテーテル及びその製造方法 - Google Patents

カテーテル及びその製造方法

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JPH10263087A
JPH10263087A JP9090143A JP9014397A JPH10263087A JP H10263087 A JPH10263087 A JP H10263087A JP 9090143 A JP9090143 A JP 9090143A JP 9014397 A JP9014397 A JP 9014397A JP H10263087 A JPH10263087 A JP H10263087A
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JP
Japan
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catheter
catheter shaft
vapor deposition
coating
hardness
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JP9090143A
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Takashi Kawabata
隆司 川端
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長さ方向になだらかに硬度が変化し、トルク伝
達性とプッシャビリティーが良好で、かつ血管を傷つけ
るおそれが少なく、特にPTCAカテーテル又はマイク
ロカテーテルに適したカテーテル及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】カテーテルシャフトの少なくとも一部に蒸
着重合法によるキシリレンポリマーのコーティングが施
され、該コーティングの膜厚により長さ方向に硬度が変
化していることを特徴とするカテーテル、及び、カテー
テルシャフトに蒸着重合法によりキシリレンポリマーの
コーティングを施すことを特徴とする該カテーテルの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテル及びそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、長さ
方向になだらかに硬度が変化し、特にPTCAカテーテ
ル又はマイクロカテーテルに適したカテーテル及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】検査や治療を目的として、カテーテルが
広く用いられるようになっている。例えば、血管の狭窄
に由来する疾病に対しては、従来の手術に代わって、バ
ルーン拡張カテーテルによって、簡便に処置、回復させ
るいわゆるPTCA(経皮経管冠動脈拡張術)カテーテ
ルや、動脈瘤などを固めるために、いわゆるマイクロカ
テーテルが頻繁に用いられている。医師の技術が向上す
るとともに、より早く、より簡単かつ確実に、従来処置
できなかった、より末梢の病変をも処置したいという要
望が強くなった。このため、カテーテルについても、従
来予想されなかったような性能を有する製品が求められ
るようになった。例えば、心臓の冠状動脈の処置におい
ては、まず冠状動脈入り口までガイディングカテーテル
が挿入され、この後、ガイドワイヤーが狭窄部を超えて
挿入される。次に、バルーン拡張カテーテルが狭窄部ま
で押し込まれ、狭窄部を拡張し、血流を再通する。この
ときのバルーン拡張カテーテルの狭窄部への入り易さ
は、狭窄通過性と呼ばれる。狭窄通過性は、バルーン拡
張カテーテルのプロファイル(投影断面積)とともに、
カテーテルの腰の強さ(プッシャビリティー)に大きく
依存することが経験的に知られている。一方で、末梢血
管にカテーテルを進めるためには、カテーテルを巧みに
回転させ、必要な分岐にカテーテルを進めていかなけれ
ばならない。この回転のさせ易さを、トルク伝達性とい
う。また、カテーテルが硬すぎると、血管を傷めてしま
うおそれがあるので、カテーテル先端は極力柔軟である
ことが要求される。カテーテルの腰の強さと柔軟性、柔
軟性とトルク伝達性は、互いに相反する性質であり、こ
れらを調和させた構造としては、カテーテルシャフトの
近位端側が硬く、遠位端側に近づくほど徐々に柔軟にな
るものが望ましい。カテーテルをこのような構造とする
ために、従来よりさまざまな試みがなされてきた。例え
ば、硬度の異なる複数のシャフトを接続して1本のカテ
ーテルシャフトとすることが試みられた。しかし、この
ようなカテーテルシャフトはその製造工程が複雑であ
り、かつカテーテルシャフトの硬度が接続部で急激に変
化するため、使用しづらいという問題があった。また、
硬度の異なる2種類のポリマーの押出割合を長さ方向に
変化させる、いわゆる二相押出法により、長さ方向に硬
度が変化するカテーテルシャフトの製造が試みられた。
しかし、二相押出法は、長さ方向の調整が難しい上に、
カテーテルを組み立ててからの調整ができないという問
題があった。さらに、カテーテルシャフトの後加工によ
る硬化も試みられたが、加工条件によってカテーテルの
均一性が失われやすいという問題があった。カテーテル
シャフトへの可塑剤の添加による軟化なども試みられた
が、同様にカテーテルの均一性が失われやすいという問
題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長さ方向に
なだらかに硬度が変化し、トルク伝達性とプッシャビリ
ティーが良好で、かつ血管を傷つけるおそれが少なく、
特にPTCAカテーテル又はマイクロカテーテルに適し
たカテーテル及びその製造方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カテーテルシャフ
トに蒸着重合法によりキシリレンポリマーのコーティン
グを施し、その膜厚を制御することにより、カテーテル
シャフトの長さ方向に硬度を変化させることが可能であ
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(1)カテーテルシ
ャフトの少なくとも一部に蒸着重合法によるキシリレン
ポリマーのコーティングが施され、該コーティングの膜
厚により長さ方向に硬度が変化していることを特徴とす
るカテーテル、及び、(2)カテーテルシャフトに、蒸
着重合法によりキシリレンポリマーのコーティングを施
すことを特徴とするカテーテルの製造方法、を提供する
ものである。さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)遠位端側が近位端側より柔軟である第(1)項記載
のカテーテル、(4)カテーテルシャフトの遠位端近傍
にバルーンを有する第(1)項又は第(3)項記載のカテー
テル、(5)カテーテルシャフトの長さ方向に、キシリ
レンモノマーの蒸気濃度を変化させることにより、キシ
リレンポリマーのコーティングの膜厚を変化させる第
(2)項記載のカテーテルの製造方法、(6)カテーテル
シャフトの長さ方向に、蒸着重合時間を変化させること
により、キシリレンポリマーのコーティングの膜厚を変
化させる第(2)項記載のカテーテルの製造方法、及び、
(7)カテーテルシャフトにスパイラル状にマスキング
を施すことにより、カテーテルシャフトにスパイラル状
にキシリレンポリマーのコーティングを形成する第(2)
項記載のカテーテルの製造方法、を挙げることができ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のカテーテルは、カテーテ
ルシャフトの少なくとも一部に蒸着重合法によるキシリ
レンポリマーのコーティングが施され、該コーティング
の膜厚により長さ方向に硬度が変化している。本発明の
カテーテルに用いるカテーテルシャフトの材料には特に
制限はなく、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、PFA、FEP、ETFEな
どのフッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの
ほか、これらのブレンド物や多層体などを挙げることが
できる。本発明において、カテーテルシャフトの寸法に
は特に制限はなく、例えば、外径1〜10F、有効長5
0〜150cmのカテーテルシャフトを用いることがで
き、さらに、ガイドワイヤー挿通用内腔や、流体送液用
内腔などを備えたカテーテルシャフトを用いることがで
きる。適合するガイドワイヤーとしては、直径0.00
8〜0.018インチのワイヤーを挙げることができ
る。本発明においては、式[1]、式[2]、式
[3]、式[4]、式[5]などにより示されるキシリ
レンダイマーの蒸着重合により、キシリレンポリマーの
コーティングを施すことができる。
【化1】
【0006】式[1]で示されるキシリレンダイマーよ
り得られるキシリレンポリマーは、引張強度45MP
a、ロックウェル硬度R85を有し、式[2]で示され
るキシリレンダイマーより得られるキシリレンポリマー
は、引張強度70MPa、ロックウェル硬度R80を有
するので、カテーテルシャフトを構成する材料の硬度に
基づいて、カテーテルシャフトの材料より硬度の大きい
キシリレンポリマーを選択し、コーティングの膜厚を調
整することによりカテーテルシャフトの長さ方向に所望
する硬度の変化を与えることができる。図1は、本発明
のカテーテルの製造方法の一態様の説明図である。本態
様においては、製造装置として、気化装置1、熱分解炉
2、蒸着チャンバー3、冷却トラップ4及び真空ポンプ
5を備えた装置を使用する。所望の形状に成形されたカ
テーテルシャフトを、蒸着チャンバーに収めるととも
に、コーティング材料の原料である式[1]〜[5]な
どで示されるキシリレンダイマーを気化装置に仕込み、
キシリレンダイマーを加熱することにより蒸発させる。
気化装置における加熱温度は、170〜200℃である
ことが好ましい。気化装置において発生した原料蒸気
は、熱分解炉に導かれ、熱分解炉中で加熱されてモノマ
ーとなる。熱分解炉における加熱温度は、600〜70
0℃であることが好ましい。熱分解炉において発生した
モノマーは、常温に保たれた蒸着チャンバーに導かれ、
蒸着チャンバー内においてカテーテルシャフトの表面に
凝縮する。キシリレンダイマーから発生するモノマー
は、キシリレンビラジカルであり、凝縮したモノマーは
凝縮相においてラジカル重合によりポリマーとなるとと
もに、カテーテルシャフトの材料とラジカル的に反応し
て共有結合により強固に結合し、通常のコーティングの
ように剥落することがない。
【0007】図2は、蒸着チャンバーの一態様の説明図
である。図2(a)は、蒸着チャンバーの斜視図である。
熱分解炉において発生したモノマーが、矢印で示される
ように左方より蒸着チャンバーに送り込まれる。図2
(b)は、蒸着チャンバー内に収められる蒸着ケーシング
の斜視図である。本図に示す蒸着ケーシングは、4枚の
カテーテルシャフト支持板6が、支持板固定棒7により
固定され、カテーテルシャフト支持板には、カテーテル
シャフト支持孔8が設けられ、カテーテルシャフト9は
4個のカテーテルシャフト支持孔に挿通することにより
支持される。本図においては、簡略に図示するために、
カテーテルシャフトは1本のみを示しているが、本図の
蒸着ケーシングにより8本のカテーテルシャフトを支持
することができる。本発明方法においては、蒸着重合
中、蒸着チャンバー又は蒸着ケーシングを軸を中心とし
て回転することが好ましい。蒸着チャンバー又は蒸着ケ
ーシングを軸を中心として回転することにより、キシリ
レンポリマーをカテーテルシャフトの直径方向にむらな
く均一にコーティングすることができる。図2(c)は、
カテーテルシャフト支持板とカテーテルシャフトの部分
拡大図である。蒸着チャンバー内に送り込まれたモノマ
ーは、カテーテルシャフト9の外面のみならず、ガイド
ワイヤー挿通用内腔10や、流体送液用内腔11の内面
においても凝縮し、重合してコーティングを形成する。
本態様の蒸着ケーシングにおいては、カテーテルシャフ
ト支持板は同時に隔壁としても作用するので、2枚のカ
テーテルシャフト支持板により仕切られた空間内のモノ
マー濃度は、左方の空間より右方の空間に移るにつれて
低くなり、カテーテルシャフトに形成されるコーティン
グの膜厚は、左方に位置する表面より右方に位置する表
面の方が薄くなる。
【0008】図3は、蒸着チャンバーの他の態様の説明
図である。本態様の蒸着チャンバー3は垂直に位置し、
カテーテルシャフト9は蒸着ハンガー12により蒸着チ
ャンバーの中に吊り下げられる。本図においては、簡略
に図示するために、カテーテルシャフトは2本のみを示
しているが、本図の蒸着ハンガーにより8本のカテーテ
ルシャフトを吊り下げられることができる。本態様の蒸
着チャンバーにおいて、モノマー蒸気を送り込む方向に
は特に制限はないが、キシリレンモノマーの密度は比較
的大きいので、矢印で示すように上向流とすることが好
ましい。本発明方法においては、カテーテルシャフトの
長さ方向に、蒸着重合時間を変化させることによりキシ
リレンポリマーのコーティングの膜厚を変化させること
ができる。蒸着重合時間を変化させる方法には特に制限
はないが、カテーテルシャフトにマスキングを施して蒸
着重合することにより、あるいは、カテーテルシャフト
にマスキングを施して蒸着重合したのち、マスキングを
除去してさらに蒸着重合を続けることにより、蒸着重合
時間を変化させ、キシリレンポリマーのコーティングの
膜厚を変化させることができる。カテーテルシャフトに
マスキングを施す方法には特に制限はなく、例えば、プ
ラスチック製の収縮性チューブ、金属フォイル、マスキ
ングテープ、マスキング塗料などを利用してマスキング
することができる。
【0009】図4は、カテーテルシャフトのマスキング
の態様を示す斜視図である。図4(a)においては、A部
分にマスキングを施し、B部分にマスキングを施してい
ない。この状態で蒸着重合したのちマスキングを外す
と、A部分にはコーティングがなく、B部分がコーティ
ングされ、A部分が柔軟でB部分が硬いカテーテルシャ
フトが得られる。図4(b)においては、C部分とD部分
にマスキングを施し、E部分にマスキングを施していな
い。この状態で蒸着重合したのちD部分のマスキングを
外し、さらに蒸着重合を続けたのちC部分のマスキング
を外すと、C部分にはコーティングがなく、D部分はコ
ーティングされ、E部分はさらに厚くコーティングされ
て、C部分が柔軟で、D部分、E部分に移るにつれてし
だいに硬くなるカテーテルシャフトが得られる。マスキ
ングの態様は、所望のカテーテルシャフトの性質に応じ
て任意に選ぶことができ、例えば、図4(c)に示すよう
にF部分にマスキングテープをスパイラル状に巻き付け
ることができ、あるいは、図4(d)に示すようにH部分
のマスキングテープのピッチを変化させることができ
る。図4(e)においては、J部分にスパイラル状のマス
キングを施し、K部分に通常のマスキングを施し、L部
分にマスキングを施していない。この状態で蒸着重合し
たのち、K部分のマスキングを外してさらに蒸着重合を
続けると、遠位端が柔軟でありながら潰れることのない
部分硬化カテーテルを得ることができる。
【0010】本発明方法によれば、カテーテルシャフト
の少なくとも一部にキシリレンポリマーのコーティング
を施し、コーティングの膜厚を調整することにより、カ
テーテルシャフトの長さ方向に硬度を容易に変化させる
ことができる。本発明のカテーテルは、カテーテルシャ
フトの硬度や太さが長さ方向に急激に変化することがな
いので、カテーテルシャフトの遠位端側が近位端側より
柔軟であるカテーテルとして使用することにより、遠位
端が柔軟で、トルク伝達性、プッシャビリティ及び狭窄
通過性に優れ、検査、治療などに際して使い勝手の良好
なカテーテルとなる。本発明のカテーテルの用途には特
に制限はないが、遠位端近傍にバルーンを有するPTC
A(経皮経管冠動脈拡張術)カテーテル及びバルーンを
有しないマイクロカテーテルとして特に好適に使用する
ことができる。PTCAカテーテルにおいて使用するバ
ルーンに特に制限はないが、バルーンも、バルーンのベ
ース材料がキシリレンポリマーによりコーティングされ
たものであることが好ましい。バルーンのベース材料の
成形方法には特に制限はないが、通常は、ベース材料と
なる高分子材料を所望の直径を有するチューブ状に成形
し、所望の長さに切断し、必要に応じて、バルーンマシ
ーンを用いて、直径の異なる接着部と膨張部の賦形を行
うことができる。バルーンのベース材料は、二軸延伸す
ることが好ましく、延伸倍率には特に制限はないが、通
常は、直径方向を2〜4倍、軸方向を1〜3倍に延伸す
ることが好ましい。PTCAカテーテルのバルーンとし
ては、例えば、バルーンの外径1.2〜6.0mm、バルー
ン長10〜100mmとすることができる。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 ナイロン11を材料とし、外径が3Fで、ガイドワイヤ
ー挿通用内腔及び流体送液用内腔を有し、全長が150
cmであるカテーテルシャフトを作製した。図5(a)に示
すように、このカテーテルシャフトの遠位端から10cm
までの部分(M)及び遠位端から10cmと30cmの間の
部分(N)に別々にマスキングを施した。このカテーテ
ルシャフトを蒸着ケーシングにセットし、蒸着チャンバ
ーに入れて式[2]
【化2】 で示されるパリレンCを用いて蒸着重合を2時間行っ
た。次いで、遠位端から10cmと30cmの間(N)の部
分のマスキングを外し、さらにパリレンCを用いて蒸着
重合を2時間行ったのち、遠位端から10cmまでの部分
(M)のマスキングを外した。この操作により、遠位端
から10cmまでの部分(M)はパリレンCのコーティン
グがなく柔軟であり、遠位端から10cmと30cmの間の
部分(N)は膜厚10μmのパリレンCのコーティング
があってやや硬く、遠位端から30cmと近位端の間の部
分(O)は膜厚20μmのパリレンCのコーティングが
あってさらに硬くなっているカテーテルシャフトを得
た。別に、線状低密度ポリエチレンを用いて、肉厚40
μm、直径方向の延伸倍率3倍、軸方向の延伸倍率1.
2倍、拡張バルーン外径4.00mm、長さ20.0mmのベ
ース材料を作製した。このベース材料の外面に、パリレ
ンCを用いて蒸着重合を2時間行い、膜厚10μmの皮
膜を形成して、バルーンを得た。このカテーテルシャフ
トの遠位端近傍にバルーン、近位端にYコネクターを装
着して、図5(b)に示されるPTCA用バルーン拡張カ
テーテルを得た。 実施例2 硬度がJIS−80Aであるポリウレタンを材料とし
て、外径が3Fで、ガイドワイヤー挿通用内腔を有し、
全長が150cmであるカテーテルシャフトを作製した。
図5(c)に示すように、このカテーテルシャフトの遠位
端から10cmまでの部分(P)及び遠位端から10cmと
30cmの間の部分(Q)に別々にマスキングを施した。
このカテーテルシャフトを蒸着ケーシングにセットし、
蒸着チャンバーに入れ、パリレンCを用いて蒸着重合を
2時間行った。次いで、遠位端から10cmと30cmの間
の部分(Q)のマスキングを外し、さらにパリレンCを
用いて蒸着重合を2時間行ったのち、遠位端から10cm
までの部分(P)のマスキングを外した。この操作によ
り、遠位端から10cmまでの部分(P)はパリレンCの
コーティングがなく柔軟であり、遠位端から10cmと3
0cmの間の部分(Q)は膜厚10μmのパリレンCのコ
ーティングがあってやや硬く、遠位端から30cmと近位
端の間の部分(R)は膜厚20μmのパリレンCのコー
ティングがあってさらに硬くなっているカテーテルシャ
フトを得た。このカテーテルシャフトの近位端にYコネ
クターを装着して、図5(d)に示される柔軟なマイクロ
カテーテルを得た。 実施例3 硬度がJIS−80Aであるポリウレタンを材料とし
て、外径が3Fで、ガイドワイヤー挿通用内腔を有し、
全長が150cmであるカテーテルシャフトを作製した。
図5(e)に示すように、このカテーテルシャフトの遠位
端から30cmまでの部分(S)にマスキングを施した。
このカテーテルシャフトを蒸着ケーシングにセットし、
蒸着チャンバーに入れ、パリレンCを用いて蒸着重合を
2時間行った。次いで、いったんマスキングを外したの
ち、図5(f)に示すように、遠位端から10cmまでの部
分(T)に幅1mmのテープ材によりピッチ2mmでスパイ
ラル状にマスキングし、さらにパリレンCを用いて蒸着
重合を2時間行ったのち、遠位端から10cmまでの部分
(T)のマスキングを外した。この操作により、遠位端
から10cmまでの部分(T)に膜厚10μm、幅1mm、
ピッチ2mmのスパイラル状にパリレンCのコーティング
があり、遠位端から10cmと30cmの間の部分(U)は
膜厚10μmのパリレンCのコーティングがあってやや
硬く、遠位端から30cmと近位端の間の部分(V)は膜
厚20μmのパリレンCのコーティングがあってさらに
硬くなっているカテーテルシャフトを得た。このカテー
テルシャフトの近位端にYコネクターを装着して、図5
(g)に示される先端が柔軟でかつ潰れない部分硬化カテ
ーテルを得た。
【0012】
【発明の効果】本発明のカテーテルは、カテーテルシャ
フトの長さ方向の硬度や太さの急激な変化がなく、遠位
端側の柔軟性を維持したまま、優れたトルク伝達性、プ
ッシャビリティ、狭窄通過性を有する。本発明方法によ
れば、カテーテルシャフトの接続や、二相押出などの複
雑な工程によることなく、長さ方向に硬度がなだらかに
変化するカテーテルシャフトを容易に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のカテーテルの製造方法の一態
様の説明図である。
【図2】図2は、蒸着チャンバーの一態様の説明図であ
る。
【図3】図3は、蒸着チャンバーの他の態様の説明図で
ある。
【図4】図4は、カテーテルシャフトのマスキングの態
様を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施例における製造方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 気化装置 2 熱分解炉 3 蒸着チャンバー 4 冷却トラップ 5 真空ポンプ 6 カテーテルシャフト支持板 7 支持板固定棒 8 カテーテルシャフト支持孔 9 カテーテルシャフト 10 ガイドワイヤー挿通用内腔 11 流体送液用内腔 12 蒸着ハンガー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カテーテルシャフトの少なくとも一部に蒸
    着重合法によるキシリレンポリマーのコーティングが施
    され、該コーティングの膜厚により長さ方向に硬度が変
    化していることを特徴とするカテーテル。
  2. 【請求項2】カテーテルシャフトに、蒸着重合法により
    キシリレンポリマーのコーティングを施すことを特徴と
    するカテーテルの製造方法。
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