JPH07185010A - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents
医療用ガイドワイヤInfo
- Publication number
- JPH07185010A JPH07185010A JP5337814A JP33781493A JPH07185010A JP H07185010 A JPH07185010 A JP H07185010A JP 5337814 A JP5337814 A JP 5337814A JP 33781493 A JP33781493 A JP 33781493A JP H07185010 A JPH07185010 A JP H07185010A
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- JP
- Japan
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- guide wire
- catheter
- para
- wire
- tip
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ステンレススチールやピアノ線などの金属線
の一端側を、先端に向けて縮径に形成し、先端にコイル
状のコイルばね5を溶接などにて形成する。コイルばね
5の先端側には、血管の内面に円滑に案内させるべく先
端を半球状に形成する。ガイドワイヤ3の表面に、パラ
−キシレン重合体の潤滑被膜7を約0.5〜1μmの膜
厚で薄膜形成する。コイルばね5の先端を血管内に導入
する。体外に位置するガイドワイヤ3に、合成樹脂製で
可撓性を有し細長筒状のカテーテルを嵌挿する。徐々に
ガイドワイヤ3を血管内に導入し、カテーテル1を血管
内の所定の箇所に誘導する。 【効果】 潤滑被膜7に亀裂などの発生を低減でき、剥
落を防止できる。潤滑被膜7を略均一に薄膜形成でき、
過剰な膜厚や膜厚の不均一による亀裂や剥離を防止でき
る。
の一端側を、先端に向けて縮径に形成し、先端にコイル
状のコイルばね5を溶接などにて形成する。コイルばね
5の先端側には、血管の内面に円滑に案内させるべく先
端を半球状に形成する。ガイドワイヤ3の表面に、パラ
−キシレン重合体の潤滑被膜7を約0.5〜1μmの膜
厚で薄膜形成する。コイルばね5の先端を血管内に導入
する。体外に位置するガイドワイヤ3に、合成樹脂製で
可撓性を有し細長筒状のカテーテルを嵌挿する。徐々に
ガイドワイヤ3を血管内に導入し、カテーテル1を血管
内の所定の箇所に誘導する。 【効果】 潤滑被膜7に亀裂などの発生を低減でき、剥
落を防止できる。潤滑被膜7を略均一に薄膜形成でき、
過剰な膜厚や膜厚の不均一による亀裂や剥離を防止でき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体内にカテーテルを誘
導する潤滑被膜が設けられた医療用ガイドワイヤに関す
る。
導する潤滑被膜が設けられた医療用ガイドワイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、治療や検査などのためにカテーテ
ルを例えば血管内の所定の箇所に誘導して導入させる医
療用ガイドワイヤとしては、例えばステンレススチール
やピアノ線などの金属線の一端側を先端に向けて縮径に
形成し、この一端側の先端にコイル状のコイルばねを形
成して、先端に従って柔軟性を有するように形成してい
るものがある。
ルを例えば血管内の所定の箇所に誘導して導入させる医
療用ガイドワイヤとしては、例えばステンレススチール
やピアノ線などの金属線の一端側を先端に向けて縮径に
形成し、この一端側の先端にコイル状のコイルばねを形
成して、先端に従って柔軟性を有するように形成してい
るものがある。
【0003】そして、針などにてガイドワイヤのコイル
ばね側を経皮的に血管内に導入し、体外に位置するガイ
ドワイヤの他端側から、可撓性を有した合成樹脂製で細
長筒状のカテーテルを嵌挿し、徐々にガイドワイヤを血
管内に導入しつつ、嵌挿するカテーテルを血管内の所定
の箇所に誘導する。
ばね側を経皮的に血管内に導入し、体外に位置するガイ
ドワイヤの他端側から、可撓性を有した合成樹脂製で細
長筒状のカテーテルを嵌挿し、徐々にガイドワイヤを血
管内に導入しつつ、嵌挿するカテーテルを血管内の所定
の箇所に誘導する。
【0004】ところで、細長く曲がりくねった血管内
に、柔軟性に富んだコイルばねを血管の内面に案内され
ながら、徐々にガイドワイヤを導入して、このガイドワ
イヤに徐々にカテーテルを嵌挿させて所定箇所に誘導し
て導入させるため、ガイドワイヤとカテーテルとの摩擦
抵抗が大きいと、スムーズにカテーテルを誘導できず、
医療や検査に支障をきたす。このため、ガイドワイヤの
表面には、ガイドワイヤとカテーテルとの摩擦抵抗を低
減させるために、フッ素樹脂であるフッ化エチレン(F
CH2 CH2 F)の重合体を被覆して潤滑被膜を薄膜形
成している。
に、柔軟性に富んだコイルばねを血管の内面に案内され
ながら、徐々にガイドワイヤを導入して、このガイドワ
イヤに徐々にカテーテルを嵌挿させて所定箇所に誘導し
て導入させるため、ガイドワイヤとカテーテルとの摩擦
抵抗が大きいと、スムーズにカテーテルを誘導できず、
医療や検査に支障をきたす。このため、ガイドワイヤの
表面には、ガイドワイヤとカテーテルとの摩擦抵抗を低
減させるために、フッ素樹脂であるフッ化エチレン(F
CH2 CH2 F)の重合体を被覆して潤滑被膜を薄膜形
成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガイド
ワイヤの表面に形成されるフッ化エチレン重合体による
潤滑被膜の形成法は、フッ化エチレン重合体溶液を吹き
付けて高温焼結して被膜形成されるために膜厚は厚く、
ガイドワイヤが血管内で屈曲されることにより、潤滑被
膜に亀裂などが生じ、しいては潤滑被膜が剥離するおそ
れがある。特に、コイルばねの部分には、コイルばねの
表面に均一に被覆形成できず、隣接するコイル線間も一
緒に被覆形成されコイルばね全体が一体化されるため柔
軟性が低下し、屈曲されると被膜が割れ剥落が顕著とな
る。このため、コイル部分や特に柔軟性が大きいガイド
ワイヤの先端側の縮径の部分には、フッ化エチレン重合
体の潤滑被膜の形成は適さず薄膜形成を行なっていな
い。
ワイヤの表面に形成されるフッ化エチレン重合体による
潤滑被膜の形成法は、フッ化エチレン重合体溶液を吹き
付けて高温焼結して被膜形成されるために膜厚は厚く、
ガイドワイヤが血管内で屈曲されることにより、潤滑被
膜に亀裂などが生じ、しいては潤滑被膜が剥離するおそ
れがある。特に、コイルばねの部分には、コイルばねの
表面に均一に被覆形成できず、隣接するコイル線間も一
緒に被覆形成されコイルばね全体が一体化されるため柔
軟性が低下し、屈曲されると被膜が割れ剥落が顕著とな
る。このため、コイル部分や特に柔軟性が大きいガイド
ワイヤの先端側の縮径の部分には、フッ化エチレン重合
体の潤滑被膜の形成は適さず薄膜形成を行なっていな
い。
【0006】したがって、血管の内面とガイドワイヤの
コイルばねとの摩擦、ガイドワイヤの縮径部分とカテー
テルとの摩擦が低減できない問題がある。
コイルばねとの摩擦、ガイドワイヤの縮径部分とカテー
テルとの摩擦が低減できない問題がある。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑み、コイルばね
に被覆しても剥落しない潤滑被膜を表面に形成した医療
用ガイドワイヤを提供することを目的とするものであ
る。
に被覆しても剥落しない潤滑被膜を表面に形成した医療
用ガイドワイヤを提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の医療用ガイドワ
イヤは、先端に向けて縮径された縮径部と、この縮径部
の先端に設けられ先端に向かうに従って柔軟性が増加す
るとともに表面に潤滑被膜が設けられたコイル状のコイ
ルばね体とを備え、可撓性を有する合成樹脂製で細長筒
状のカテーテルに軸方向に摺動自在に嵌挿し誘導する医
療用ガイドワイヤにおいて、前記潤滑被膜は、パラ−キ
シレン系重合体にて薄膜被覆形成したものである。
イヤは、先端に向けて縮径された縮径部と、この縮径部
の先端に設けられ先端に向かうに従って柔軟性が増加す
るとともに表面に潤滑被膜が設けられたコイル状のコイ
ルばね体とを備え、可撓性を有する合成樹脂製で細長筒
状のカテーテルに軸方向に摺動自在に嵌挿し誘導する医
療用ガイドワイヤにおいて、前記潤滑被膜は、パラ−キ
シレン系重合体にて薄膜被覆形成したものである。
【0009】
【作用】本発明の医療用ガイドワイヤは、ガイドワイヤ
の表面にパラ−キシレン系重合体の潤滑被膜を薄膜被覆
形成したため、潤滑被膜が剥落することなくガイドワイ
ヤとカテーテルおよび体内との摩擦が低減する。
の表面にパラ−キシレン系重合体の潤滑被膜を薄膜被覆
形成したため、潤滑被膜が剥落することなくガイドワイ
ヤとカテーテルおよび体内との摩擦が低減する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の医療用ガイドワイヤ用の一実
施例を図面を参照して説明する。
施例を図面を参照して説明する。
【0011】図1において、1は例えば血管用のカテー
テルで、このカテーテル1は、ポリエチレン系やナイロ
ン系などの合成樹脂製で、可撓性を有し両端が開口した
細長筒状に形成されている。なお、合成樹脂は、柔軟性
を付与するために重合度を低く生成することが好まし
い。さらに、このカテーテル1の一端には、各種治療器
具保持や薬剤投入などのための操作部2が設けられてい
る。
テルで、このカテーテル1は、ポリエチレン系やナイロ
ン系などの合成樹脂製で、可撓性を有し両端が開口した
細長筒状に形成されている。なお、合成樹脂は、柔軟性
を付与するために重合度を低く生成することが好まし
い。さらに、このカテーテル1の一端には、各種治療器
具保持や薬剤投入などのための操作部2が設けられてい
る。
【0012】一方、3はガイドワイヤで、このガイドワ
イヤ3は、長さが約1.8m、直径が約0.4mmのステ
ンレススチールやピアノ線などの金属線からなり、一端
側は、先端に向けて縮径して先端の直径が約0.02mm
の縮径部4が形成されている。
イヤ3は、長さが約1.8m、直径が約0.4mmのステ
ンレススチールやピアノ線などの金属線からなり、一端
側は、先端に向けて縮径して先端の直径が約0.02mm
の縮径部4が形成されている。
【0013】また、ガイドワイヤ3の縮径部4の先端側
には、外径が約0.3mmのコイル状のコイルばね5をか
ぶせ、縮径部4とコイルばね5との接合部5bを、溶接な
どにより固定形成している。さらに、このコイルばね5
は、コイルばね5の先端と縮径部4の先端とが溶接など
により固定保持され、血管の内面に円滑に案内されるよ
うに先端が半球状に当接部5aが形成されている。
には、外径が約0.3mmのコイル状のコイルばね5をか
ぶせ、縮径部4とコイルばね5との接合部5bを、溶接な
どにより固定形成している。さらに、このコイルばね5
は、コイルばね5の先端と縮径部4の先端とが溶接など
により固定保持され、血管の内面に円滑に案内されるよ
うに先端が半球状に当接部5aが形成されている。
【0014】そして、ガイドワイヤ3は、先端に従って
柔軟性が増大するように形成されている。
柔軟性が増大するように形成されている。
【0015】さらに、ガイドワイヤの表面には、パラ−
キシレン系重合体(Poly-Para-Xylene)の潤滑被膜7が
約0.5〜1μmの膜厚となるように、薄膜形成されて
いる。
キシレン系重合体(Poly-Para-Xylene)の潤滑被膜7が
約0.5〜1μmの膜厚となるように、薄膜形成されて
いる。
【0016】そして、潤滑被膜7の形成は、化学蒸着
法、すなわち、図3に示すように、例えばパラ−キシレ
ン(Para-Xylene )を水蒸気の存在下で約900℃に加
熱分解してパラ−キシリレン(Para-Xylylene )を生成
し、このパラ−キシリレンをベンゼンやトルエンなどの
有機溶剤中で50〜250℃に急冷させて、ジ−パラ−
キシレン(Di-Para-Xylene)を生成させる。次に、この
ジ−パラ−キシレンを低圧下で約600℃に加熱し、ジ
−パラ−キシリレン(Di-Para-Xylylene)のラジカルガ
スを生成させ、これを約35℃、ジ−パラ−キシリレン
の分圧が約0.1トールでガイドワイヤ3に蒸着させ
て、パラ−キシレン系重合体の潤滑被膜7を被覆形成す
る。
法、すなわち、図3に示すように、例えばパラ−キシレ
ン(Para-Xylene )を水蒸気の存在下で約900℃に加
熱分解してパラ−キシリレン(Para-Xylylene )を生成
し、このパラ−キシリレンをベンゼンやトルエンなどの
有機溶剤中で50〜250℃に急冷させて、ジ−パラ−
キシレン(Di-Para-Xylene)を生成させる。次に、この
ジ−パラ−キシレンを低圧下で約600℃に加熱し、ジ
−パラ−キシリレン(Di-Para-Xylylene)のラジカルガ
スを生成させ、これを約35℃、ジ−パラ−キシリレン
の分圧が約0.1トールでガイドワイヤ3に蒸着させ
て、パラ−キシレン系重合体の潤滑被膜7を被覆形成す
る。
【0017】また、パラ−キシレン系重合体としては、
パラ−キシレン(Para-Xylene )の他にモノクロロ−パ
ラ−キシレン(Monochloro-Para-Xylene)やジクロロ−
パラ−キシレン(Dichloro-Para-Xylene)などでもよ
い。
パラ−キシレン(Para-Xylene )の他にモノクロロ−パ
ラ−キシレン(Monochloro-Para-Xylene)やジクロロ−
パラ−キシレン(Dichloro-Para-Xylene)などでもよ
い。
【0018】次に、上記実施例の使用方法について説明
する。
する。
【0019】まず、針などにてガイドワイヤ3のコイル
ばね5側の先端を、図示しない血管内に経皮的に導入
し、体外に位置するガイドワイヤ3の他端側に、可撓性
を有した合成樹脂製で細長筒状のカテーテル1を嵌挿す
る。そして、徐々にガイドワイヤ3を血管内に導入しつ
つ、嵌挿するカテーテル1を徐々に血管内の所定の箇所
にまでガイドワイヤ3にて誘導されつつ導入する。
ばね5側の先端を、図示しない血管内に経皮的に導入
し、体外に位置するガイドワイヤ3の他端側に、可撓性
を有した合成樹脂製で細長筒状のカテーテル1を嵌挿す
る。そして、徐々にガイドワイヤ3を血管内に導入しつ
つ、嵌挿するカテーテル1を徐々に血管内の所定の箇所
にまでガイドワイヤ3にて誘導されつつ導入する。
【0020】この後、ガイドワイヤ3を引き抜き、図示
しない各種治療器具をカテーテル1の操作部2から嵌挿
して患部を治療したり、薬剤などをカテーテル1内に導
入して、カテーテル1を介して患部に投入する。
しない各種治療器具をカテーテル1の操作部2から嵌挿
して患部を治療したり、薬剤などをカテーテル1内に導
入して、カテーテル1を介して患部に投入する。
【0021】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0022】まず、長さが約1.2m、外径が約1.0
mm、内径が約0.6mmのカテーテル1に、長さが約1.
8m、直径が約0.4mmのガイドワイヤ3を嵌挿する。
そして、図4に示すように、カテーテル1を直径が約1
4cmとなるように、2回巻きにし、カテーテル1から突
出するコイルばね5が形成されていない側のガイドワイ
ヤ3の端部を、500mm/分の速度で引き抜き、この引
き抜き抵抗を測定する実験を行った。この実験により、
表1、図5および図6に示す結果が得られた。
mm、内径が約0.6mmのカテーテル1に、長さが約1.
8m、直径が約0.4mmのガイドワイヤ3を嵌挿する。
そして、図4に示すように、カテーテル1を直径が約1
4cmとなるように、2回巻きにし、カテーテル1から突
出するコイルばね5が形成されていない側のガイドワイ
ヤ3の端部を、500mm/分の速度で引き抜き、この引
き抜き抵抗を測定する実験を行った。この実験により、
表1、図5および図6に示す結果が得られた。
【0023】なお、カテーテル1の材料としては、ポリ
エチレン系樹脂と、ナイロン系樹脂を用い、ガイドワイ
ヤ3には、パラ−キシレン重合体の潤滑被膜7を表面に
形成したものを用い、比較試料として、潤滑被膜7を形
成していないもの、および、従来使用しているフッ化エ
チレン(FCH2 CH2 F)の重合体を被覆して潤滑被
膜7を形成したものを用いた。
エチレン系樹脂と、ナイロン系樹脂を用い、ガイドワイ
ヤ3には、パラ−キシレン重合体の潤滑被膜7を表面に
形成したものを用い、比較試料として、潤滑被膜7を形
成していないもの、および、従来使用しているフッ化エ
チレン(FCH2 CH2 F)の重合体を被覆して潤滑被
膜7を形成したものを用いた。
【0024】また、図5および図6に示すグラフは、縦
軸を引き抜き抵抗値[gf/cm2 ]、横軸を引き抜き時間
[秒]で表したグラフである。
軸を引き抜き抵抗値[gf/cm2 ]、横軸を引き抜き時間
[秒]で表したグラフである。
【0025】
【表1】 表1、図5および図6に示す実験結果から、引き抜き抵
抗値は、潤滑被膜7を形成しないものより、図5に示す
ポリエチレン系樹脂製のカテーテル1の場合に、フッ化
エチレン重合体のものは約8割強、パラ−キシレン重合
体のものは約6割弱低減している。また、図6に示すナ
イロン系樹脂製のカテーテル1の場合に、フッ化エチレ
ン重合体のものは約98%強、パラ−キシレン重合体の
ものは約97%弱低減している。このため、パラ−キシ
レン重合体は十分抵抗値が低減する潤滑被膜7として利
用できる。
抗値は、潤滑被膜7を形成しないものより、図5に示す
ポリエチレン系樹脂製のカテーテル1の場合に、フッ化
エチレン重合体のものは約8割強、パラ−キシレン重合
体のものは約6割弱低減している。また、図6に示すナ
イロン系樹脂製のカテーテル1の場合に、フッ化エチレ
ン重合体のものは約98%強、パラ−キシレン重合体の
ものは約97%弱低減している。このため、パラ−キシ
レン重合体は十分抵抗値が低減する潤滑被膜7として利
用できる。
【0026】ところで、パラ−キシレン系重合体とフッ
化エチレン重合体との機械的性質を表2に示す。
化エチレン重合体との機械的性質を表2に示す。
【0027】
【表2】 この表2から、フッ化エチレン重合体に比して、パラ−
キシレン系重合体の引張り強さであるモジュラスおよび
引張り強度が高いことが分かる。
キシレン系重合体の引張り強さであるモジュラスおよび
引張り強度が高いことが分かる。
【0028】また、ガイドワイヤ3を屈曲させた際に、
表面に被覆形成した潤滑被膜7には、引張り応力が掛か
る。
表面に被覆形成した潤滑被膜7には、引張り応力が掛か
る。
【0029】このため、ガイドワイヤ3を屈曲させた際
に、パラ−キシレン系重合体にて潤滑被膜7を形成した
ものは、フッ化エチレン重合体にて形成される潤滑被膜
7に発生する亀裂などの発生を低減できる。
に、パラ−キシレン系重合体にて潤滑被膜7を形成した
ものは、フッ化エチレン重合体にて形成される潤滑被膜
7に発生する亀裂などの発生を低減できる。
【0030】さらに、パラ−キシレン系重合体とフッ化
エチレン重合体とを、ガイドワイヤ3のコイルばね5の
表面に被覆形成した断面を観察すると、フッ化エチレン
重合体は、特にコイルばね5の部分では膜厚が厚くな
り、隣接するコイル線同志が被覆で一体化被覆形成され
ている。一方、パラ−キシレン系重合体は、ほぼ均一に
被覆形成されている。
エチレン重合体とを、ガイドワイヤ3のコイルばね5の
表面に被覆形成した断面を観察すると、フッ化エチレン
重合体は、特にコイルばね5の部分では膜厚が厚くな
り、隣接するコイル線同志が被覆で一体化被覆形成され
ている。一方、パラ−キシレン系重合体は、ほぼ均一に
被覆形成されている。
【0031】したがって、ガイドワイヤ3の表面にパラ
−キシレン系重合体を被覆して潤滑被膜7を形成するた
め、潤滑被膜7に亀裂などの発生を低減でき、剥落を防
止できるとともに、形成される潤滑被膜7が略均一に薄
膜形成でき、過剰な膜厚や不均一による亀裂および剥離
を防止できる。
−キシレン系重合体を被覆して潤滑被膜7を形成するた
め、潤滑被膜7に亀裂などの発生を低減でき、剥落を防
止できるとともに、形成される潤滑被膜7が略均一に薄
膜形成でき、過剰な膜厚や不均一による亀裂および剥離
を防止できる。
【0032】
【発明の効果】本発明の医療用ガイドワイヤによれば、
ガイドワイヤの表面にパラ−キシレン系重合体の潤滑被
膜を薄膜被覆形成したため、潤滑被膜が剥落することな
くガイドワイヤとカテーテルおよび体内との摩擦を低減
できる。
ガイドワイヤの表面にパラ−キシレン系重合体の潤滑被
膜を薄膜被覆形成したため、潤滑被膜が剥落することな
くガイドワイヤとカテーテルおよび体内との摩擦を低減
できる。
【図1】本発明の医療用ガイドワイヤの一実施例を示す
カテーテルに嵌挿した状況の平面図である。
カテーテルに嵌挿した状況の平面図である。
【図2】同上ガイドワイヤを示す平面図である。
【図3】同上潤滑被膜の形成状況を説明する化学式であ
る。
る。
【図4】同上カテーテルからガイドワイヤを引き抜く引
き抜き試験の状況を示す説明図である。
き抜き試験の状況を示す説明図である。
【図5】同上ポリエチレン系樹脂製のカテーテルを用い
た引き抜き試験の結果を示すグラフである。
た引き抜き試験の結果を示すグラフである。
【図6】同上ナイロン系樹脂製のカテーテルを用いた引
き抜き試験の結果を示すグラフである。
き抜き試験の結果を示すグラフである。
1 カテーテル 3 ガイドワイヤ 4 縮径部 5 コイルばね 7 潤滑被膜
Claims (1)
- 【請求項1】 先端に向けて縮径された縮径部と、この
縮径部の先端に設けられ先端に向かうに従って柔軟性が
増加するとともにコイル状のコイルばね体とを備え、可
撓性を有する合成樹脂製で細長筒状のカテーテルに軸方
向に摺動自在に嵌挿し誘導する表面に潤滑被膜が設けら
れた医療用ガイドワイヤにおいて、 前記潤滑被膜は、パラ−キシレン系重合体にて薄膜被覆
形成したことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5337814A JPH07185010A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 医療用ガイドワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5337814A JPH07185010A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 医療用ガイドワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185010A true JPH07185010A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18312224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5337814A Pending JPH07185010A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 医療用ガイドワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07185010A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10263087A (ja) * | 1997-03-25 | 1998-10-06 | Nippon Zeon Co Ltd | カテーテル及びその製造方法 |
JP2001129074A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-05-15 | Asahi Intecc Co Ltd | 潤滑性ガイディングカテーテルおよびスプリングガイドワイヤ |
WO2001064276A1 (fr) * | 2000-02-29 | 2001-09-07 | Japan Lifeline Co., Ltd | Element lineaire d'insertion chirurgicale, production de celui-ci, element lineaire pouvant recevoir une spirale utilisable avec l'element lineaire d'insertion chirurgicale, et production de cet element lineaire pouvant recevoir une spirale |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP5337814A patent/JPH07185010A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10263087A (ja) * | 1997-03-25 | 1998-10-06 | Nippon Zeon Co Ltd | カテーテル及びその製造方法 |
JP2001129074A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-05-15 | Asahi Intecc Co Ltd | 潤滑性ガイディングカテーテルおよびスプリングガイドワイヤ |
WO2001064276A1 (fr) * | 2000-02-29 | 2001-09-07 | Japan Lifeline Co., Ltd | Element lineaire d'insertion chirurgicale, production de celui-ci, element lineaire pouvant recevoir une spirale utilisable avec l'element lineaire d'insertion chirurgicale, et production de cet element lineaire pouvant recevoir une spirale |
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