JPH10262692A - ムタンの製造方法 - Google Patents

ムタンの製造方法

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JPH10262692A
JPH10262692A JP9091667A JP9166797A JPH10262692A JP H10262692 A JPH10262692 A JP H10262692A JP 9091667 A JP9091667 A JP 9091667A JP 9166797 A JP9166797 A JP 9166797A JP H10262692 A JPH10262692 A JP H10262692A
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mutan
dextranase
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oral
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JP9091667A
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Masanori Hirano
正徳 平野
Koji Shibuya
耕司 渋谷
Ami Nagata
亜美 永田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業製品としての規格もしくはムタナーゼ等
を使用した工業製品の品質管理等に耐え得る均質な品質
を有するムタンを比較的短時間で効率良く製造する。 【解決手段】 口腔連鎖球菌から培養法又は酵素法でム
タンを製造する際、ムタン生合成工程中にデキストラナ
ーゼを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均質な品質を有
し、工業的に利用可能で、ムタナーゼ等を使用した工業
製品の品質管理に耐え得る基質ムタンを提供することが
可能な、ムタンを効率よく製造することができるムタン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】う蝕予
防の手段として、歯垢形成抑制及び歯垢除去を行うこと
は広く一般に認知された方法である。この歯垢は、細菌
とグルカンからなり、グルカンはα−1,6結合を有す
るデキストランとα−1,3結合を有するムタンで構成
される。
【0003】近年、う蝕予防歯磨としてこのデキストラ
ンを分解する酵素「デキストラナーゼ」を配合した商品
は上市されているが、ムタンを分解する酵素「ムタナー
ゼ」に関しては、う蝕予防に対して有効性があるという
報告は数多くある(特許登録第1055365号、口腔
衛生学会誌 39,124〜128(1989))もの
の、実際に製品化された例はまだない。
【0004】上記のようなムタナーゼ及びムタンを利用
した技術の製品化を妨げている理由の一つには、現在ム
タンは上市されておらず、ムタンもしくはムタナーゼ開
発者は自らムタンを製造する必要があり、規格化された
ムタンの供給性が悪いという問題があった。
【0005】この場合、α−1,3結合を有するグルコ
ースから構成される高分子多糖であるムタンの製造方法
としては、口腔連鎖球菌をショ糖存在下で培養すること
により得られるグルカン(α−1,3結合とα−1,6
結合の混合物)をデキストラナーゼで処理し、α−1,
6結合を切断除去する方法(培養法)が知られている。
また、上記菌株よりグルカン合成酵素(グルコシルトラ
ンスフェラーゼ)を取り出し、酵素反応でグルカンを合
成した後、デキストラナーゼで処理してα−1,6結合
を切断除去する方法(酵素法)も利用可能である。
【0006】しかしながら、上記のようなデキストラナ
ーゼ処理を後から行う方法では、工業製品の規格化に耐
えられる高品質のムタンを工業的に有利に確保すること
は容易ではない。即ち、デキストラナーゼ処理を後から
行う従来の方法では、ムタンの製造工程においてデキス
トラナーゼ処理に長い日数を要するため、ランニングコ
ストがかかると同時に、雑菌のコンタミネーションなど
のリスクも大きかった。また、得られるムタンは、ロッ
トバラツキが大きく、工業製品としての規格もしくはム
タナーゼ等を使用した工業製品の品質管理に耐え得るも
のではなかった。なお、このデキストラナーゼ処理を後
から行う方法では、高度に枝分かれし複雑な構造を持つ
ムタンを合成した後からα−1,6結合のみを切断除去
することになるため、非常に非効率であると同時に酵素
が作用しづらい部分が残り、均一性に欠けたムタンとな
ってしまうものである。
【0007】従って、上記問題点なく高品質のムタンを
製造し得る技術の開発が望まれていた。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、工業製品としての規格もしくはムタナーゼ等を使用
した工業製品の品質管理等に耐え得る均質な品質を有す
るムタンを効率良く製造することができるムタンの製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、口腔連鎖球菌から培養法又は酵素法でムタンを製造
する際、ムタン生合成工程中にデキストラナーゼを好ま
しくは1〜1000U/ml/日の範囲で添加するこ
と、特に口腔連鎖球菌から培養法でムタンを製造する際
には、口腔連鎖球菌の培養工程中にデキストラナーゼを
10〜1000U/ml/日の範囲、また、口腔連鎖球
菌から酵素法でムタンを製造する際には、口腔連鎖球菌
から取り出したグルカン合成酵素を用いた酵素反応工程
中にデキストラナーゼを1〜1000U/ml/日の範
囲で添加することにより、従来のムタン製造方法での問
題点を解決でき、雑菌のコンタミネーションやロット間
のバラツキがなく、工業製品としての規格もしくはムタ
ナーゼ等を使用した工業製品の品質管理等に耐え得る均
質な品質を有するムタンを比較的短時間で効率良く製造
することができることを知見し、本発明をなすに至っ
た。
【0010】従って、本発明は、口腔連鎖球菌から培養
法又は酵素法でムタンを製造する際、ムタン生合成工程
中にデキストラナーゼを添加することを特徴とするムタ
ンの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のムタンの製造方法で使用するムタンの生産
菌である口腔連鎖球菌としては、グルカンを生産するも
のであるならばいずれの菌でも差し支えないが、好まし
くはミュータンス連鎖球菌、特に生産性においてストレ
プトコッカス・ソブリナスもしくはストレプトコッカス
・ドネイが好適に使用され、これら菌株より分離調製し
たグルコシルトランスフェラーゼも当然使用することが
できる。また、グルコシルトランスフェラーゼ遺伝子を
組み込んだ組み換え菌を用いた場合でもα−1,6鎖の
微量のコンタミネーションを防ぐ意味で本法は有効であ
る。
【0012】上記ムタン生産菌からムタンを生合成する
方法としては、培養法と酵素法があり、培養法は口腔連
鎖球菌を培地培養することによりムタンを生合成する方
法であり、酵素法は口腔連鎖球菌から取り出したグルカ
ン合成酵素を用いた酵素反応によりムタンを生合成する
方法である。
【0013】この場合、菌株培養に使用する培地として
は、上記口腔連鎖球菌が生育し得るものであればいずれ
の培地も使用可能であるが、具体的にはBHI(ブレイ
ン・ハート・インヒュージョン)培地、TTY(トリプ
トース・トリプチケース・イースト・イクストラクト)
培地、THB(トッド・ヒューイット・ブロース)培地
等が好ましく、中でもTTY培地が特に好ましい。
【0014】また、ムタンの培養法では、通常上記培地
にショ糖を添加するもので、ショ糖の添加量は、1〜1
5%重量濃度の範囲が好適である。なお、このショ糖
は、過度の糖濃度の上昇を避けるため分割して添加する
ことがより好適である。
【0015】まず、培養法においては、上記培地を使用
してタンク培養でも培養瓶を用いた静置培養でも可能で
あり、一般に口腔連鎖球菌は嫌気状態を好むが、好気培
養でも問題は生じない。培養温度は20〜40℃、特に
35〜40℃が好適であり、製造日数は製造条件によっ
ても異なるが、通常の静置培養の場合で2〜10日程度
である。
【0016】更に、培養中のpH制御は重要であり、グ
ルカン合成に関与するグルコシルトランスフェラーゼの
多くはpH5.0〜6.0に至適pHを持つため、pH
の低下は収量の低下につながる場合があることから、培
養中のpHは4〜7、特に5〜7に制御することが好ま
しい。
【0017】また、酵素法では、上記口腔連鎖球菌を上
記培地で1晩程度培養した培養液から通常の方法で分取
したグルカン合成酵素をショ糖を添加した溶媒中で酵素
反応させる。
【0018】この場合、溶媒としては緩衝液の使用が好
ましく、緩衝液としては酵素が作用するものであれば特
に制限はないが、例えばリン酸緩衝液が好ましく使用さ
れる。なお、溶媒pHは、上記したようにグルカン合成
酵素の至適pHからpHが4〜7の範囲が好適である。
【0019】また、緩衝液に添加するショ糖の量は、1
〜15%重量濃度となる範囲が望ましい。
【0020】酵素反応条件は適宜調整できるが、通常2
0〜40℃、特に35〜40℃で2〜5日であり、1日
の反応でも可能である。
【0021】本発明の製造方法では、上記培養法又は酵
素法でムタンを製造する際、ムタン生合成工程中にデキ
ストラナーゼを添加するものであり、特に培養法でムタ
ンを製造する際は、口腔連鎖球菌の培養工程中に、ま
た、酵素法でムタンを製造する際は、口腔連鎖球菌から
取り出したグルカン合成酵素を用いた酵素反応工程中に
デキストラナーゼを添加する。
【0022】この場合、デキストラナーゼとしては、公
知のものを使用することができ、例えばケトミウム属、
ペニシリウム属、アスペルギルス属に属する糸状菌やバ
チルス属、ラクトバチルス属に属する細菌等のデキスト
ラナーゼ生産菌を培養して調製したもの、もしくは動植
物から調製したものなどを使用できる。
【0023】上記デキストラナーゼは、水又は適当な緩
衝液に溶解して添加しても、あるいは粉末のまま添加し
ても差し支えはない。
【0024】デキストラナーゼの添加量は、基本的には
1U/ml/日以上の添加量が好ましく、これ以上であ
ればどれだけ添加してもよいが、より好ましくは1〜1
000U/ml/日、更に好ましくは50〜1000U
/ml/日の範囲がよい。
【0025】また、培養法でムタンを製造する場合は、
口腔連鎖球菌の培養工程中にデキストラナーゼを10〜
1000U/ml/日、特に100〜1000U/ml
/日の範囲で添加することが望ましい。添加量が10U
/ml未満では十分な効果が発揮されない場合があり、
1000U/mlを超えて添加してもそれ以上の効果が
見られない場合がある。更に、酵素法でムタンを製造す
る場合は、口腔連鎖球菌から取り出したグルカン合成酵
素による酵素反応工程中にデキストラナーゼを1〜10
00U/ml/日、特に50〜1000U/ml/日の
範囲で添加することが望ましい。
【0026】上記いずれの場合も添加量が少なすぎると
十分な効果が発揮されず、デキストラナーゼを過度に添
加してもそれ以上の効果がみられない場合がある。
【0027】更に、本発明では、デキストラナーゼの合
計添加量が1〜10000U/ml、特に50〜100
00U/mlの範囲であることが好ましい。
【0028】なお、ここでいうデキストラナーゼ1単位
とは、デキストランを基質として反応を行った場合に1
分間当たりグルコース1μgに相当する遊離還元糖を生
じる酵素量をいう。
【0029】また、デキストラナーゼの添加方法は、ム
タン生合成中に定期的かつ連続して行うことが好適であ
り、添加開始時期は早い方が効率的であるが、ムタン生
合成の途中から添加しても十分量の酵素を添加すれば目
的を達成することはできる。
【0030】上記方法で合成した後は、沈殿物を遠心分
離することで生成したムタンを回収することができる。
なお、この際、目的によっては培地にエタノール、メタ
ノール、アセトンのような有機溶媒を添加することによ
り、低分子量のムタンも回収することができる。更に、
得られた沈殿物を水酸化ナトリウム等のアルカリにムタ
ンを溶解することで菌体を除いた後、塩酸、硫酸等の酸
で中和することにより、水への分散性が高まり、よりバ
ラツキの少ないムタンを析出させることができる。析出
したムタンは、凍結乾燥等の適当な方法で乾燥粉末とし
て保存することができる。
【0031】本発明の製造方法で得られるムタンは、均
一な品質を有するもので、力価バラツキ(C.V値)が
3%以下となり得るものである。
【0032】
【発明の効果】本発明のムタンの製造方法によれば、雑
菌のコンタミネーションやロット間のバラツキがなく、
工業製品としての規格もしくはムタナーゼ等を使用した
工業製品の品質管理等に耐え得る均質な品質を有するム
タンを比較的短時間で効率良く製造することができ、得
られたムタンは、例えばムタナーゼ力価測定用基質又は
試薬、練歯磨、液状歯磨、洗口剤等の歯垢形成抑制や歯
垢除去等を目的とした口腔用組成物などに応用可能であ
る。
【0033】
【実施例】以下、実験例及び実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限される
ものではない。
【0034】〔実験例1〕デキストラナーゼ添加条件の
検討(培養法) ムタンを培養法により、下記培養条件及び方法で製造し
た。 ムタンの製造方法:500mlの培養瓶を用いて10%
ショ糖を含むブレイン・ハート・インヒュージョン培地
(BHI培地、BBL社製)を300mlの脱イオン水
中に溶解し、121℃で20分間のオートクレーブ処理
を行った。次いで、予めBHI培地で一晩前培養を行っ
たストレプトコッカス・ソブリナス6715菌液を3m
l植菌した。同時にデキストラナーゼを表1の条件に従
い添加し、37℃で静置培養を行った。以後24時間ご
とに所定の条件でデキストラナーゼを添加すると共に、
適当な濃度の水酸化ナトリウム溶液を用いて培地pHを
7.0に調整した。培養6日目に得られた沈殿物(グル
カンと菌体の混合物)を遠心分離により回収した。
【0035】次に、得られた沈殿物を1Nの水酸化ナト
リウム溶液に溶解し、室温で1時間放置した。放置後、
遠心分離により除菌操作を行い、得られた上清は2Nの
塩酸を用いて中和後、低温室に一晩放置しムタンを析出
させた。翌日、析出したムタンを遠心分離で集め、脱イ
オン水で十分洗浄した後、凍結乾燥を行い、ムタン標品
を得た。
【0036】得られたムタンの評価を以下の方法で行っ
た。 ムタナーゼ力価:上記方法で調製したムタンを4%(W
/W)となるように蒸留水に懸濁し、本懸濁液0.6m
lに酢酸緩衝液(0.1M、pH4.0)に溶解したム
タナーゼ0.2mlを加え、40℃で10分間反応させ
た。上清に遊離した還元糖をソモギーネルソン法を用い
て測定し、力価とした。 デキストラナーゼとの反応性:本懸濁液0.6mlにリ
ン酸緩衝液(0.1M、pH6.0)に溶解した500
U/mlのデキストラナーゼ0.2mlを加え、40℃
で10分間反応させ、上清に遊離した還元糖をソモギー
ネルソン法を用いて測定した。
【0037】表1の結果より、デキストラナーゼと反応
しない(O.D0.1以下)グルカンをムタンと定義す
るならば、培養法でのムタン製造においては、デキスト
ラナーゼを10U/ml/日以上添加することが望まし
く、更にムタンの純度(デキストラナーゼと反応しない
こと)やバラツキの点から判断すると、100U/ml
/日以上添加することが好ましいことがわかった。
【0038】
【表1】 *1)◎:3ロットのムタンを力価を指標に評価したと
きのバラツキ(C.V値)が3%以下 ○:3ロットのムタンを力価を指標に評価したときのバ
ラツキ(C.V値)が5%以下 ×:3ロットのムタンを力価を指標に評価したときのバ
ラツキ(C.V値)が5%超 *2)デキストラナーゼと反応させた結果遊離した還元
糖量 ◎:O.D660nmが0.05以下 ○:O.D660nmが0.05超0.1以下 ×:O.D660nmが0.1超 *3)デキストラナーゼを添加しないで得られたムタン
を1ヶ月デキストラナーゼ処理した後の値。なお、それ
以上のデキストラナーゼ処理を繰り返してもO.D値が
0.07以下にはならなかった。
【0039】〔実験例2〕デキストラナーゼ添加条件の
検討(酵素法) ムタンを酵素法により下記反応条件及び方法で製造し
た。 ムタンの製造方法: (1)菌体外グルコシルトランスフェラーゼの調製 ストレプトコッカス・ソブリナス6715株を1リット
ルのBHI培地を用いて一晩培養し、この培養液を遠心
分離により上清と沈渣に分けた。上清に50%飽和にな
るように硫安(313g/L)を加え、4℃で一晩スタ
ーラーで撹拌した。これを遠心し得られた沈渣を培養上
清の1/40容量の5mMナトリウム・リン酸緩衝液
(以下、リン酸緩衝液という)に懸濁させた。この懸濁
液を同緩衝液に対して4℃で一晩透析したものを菌体外
グルコシルトランスフェラーゼ標品とした。 (2)酵素反応 500mlの培養瓶に上記菌体外グルコシルトランスフ
ェラーゼ標品と10%ショ糖を含むリン酸緩衝液300
mlを加え、同時にデキストラナーゼを表2の条件に従
い添加し、37℃で反応を行った。反応2日目に得られ
た沈殿物を遠心分離により回収した。
【0040】次に、得られた沈殿物を1Nの水酸化ナト
リウム溶液に溶解し、室温で1時間放置した。放置後、
遠心分離により不溶物を除去し、得られた上清は2Nの
塩酸を用いて中和後、低温室に一晩放置しムタンを析出
させた。翌日析出したムタンを遠心分離で集め、脱イオ
ン水で十分洗浄した後、凍結乾燥を行いムタン標品とし
た。
【0041】得られたムタンの評価を実験例1と同様の
方法で行った。結果を表2に示す。表2の結果より、デ
キストラナーゼと反応しない(O.D0.1以下)グル
カンをムタンと定義するならば、酵素法によるムタン製
造においては、デキストラナーゼを1U/ml/日以上
添加することが好ましく、更にムタンの純度(デキスト
ラナーゼと反応しないこと)やバラツキの点から判断す
ると50U/ml/日以上添加することが好ましいこと
がわかった。
【0042】
【表2】 *1)、*2)、*3)は表1と同様
【0043】〔実施例1〕下記方法及び条件でムタンを
製造した。 培地組成: TTY培地 トリプチケース(BBL) 15g/L トリプトース(Difco) 4 酵母エキス(Difco) 4 K2HPO4 2 Na2CO3 2 NaCl 2 KH2PO4 5 グルコース 10 ムタンの製造方法:5リットルの培養瓶を用いて1%シ
ョ糖を含む上記TTY培地成分を3リットルの脱イオン
水中に溶解し、121℃で20分間のオートクレーブ処
理を行った。次いで、予めブレイン・ハート・インヒュ
ージョン培地(BBL社製)で一晩前培養を行ったスト
レプトコッカス・ソブリナス6715菌液を3ml植菌
した。同時にデキストラナーゼを100U/mlとなる
よう添加し、37℃で静置培養を行った。
【0044】24時間培養後、今度は40%ショ糖を含
むTTY培地1リットルとデキストラナーゼ100U/
mlを培養液に添加すると共に、適当な濃度の水酸化ナ
トリウム溶液を用いて培地pHを7.0に調整した。
【0045】以後24時間ごとにデキストラナーゼの添
加とpHの調整を行い、培養6日目に、得られた沈殿物
(グルカンと菌体の混合物)を遠心分離により回収し
た。
【0046】次に、得られた沈殿物を1Nの水酸化ナト
リウム溶液に溶解し、室温で1時間放置した。放置後遠
心分離により除菌操作を行い、得られた上清は2Nの塩
酸を用いて中和後、低温室に一晩放置しムタンを析出さ
せた。翌日析出したムタンを遠心分離で集め、脱イオン
水で十分洗浄した後、凍結乾燥を行った。
【0047】この操作により、約8gの白色粉末(ムタ
ン)を得ることができた。得られたムタンを下記方法で
評価した。結果を表3に示す。 ムタナーゼ力価の測定法:上記方法で調製したムタン4
gを45mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液に溶解し、
室温に10分間放置した。次いで1Nの硫酸水溶液を用
いて中和し、ムタンを析出させた。最後に4%(W/
W)となるよう蒸留水でメスアップしホモミキサーで十
分懸濁したものを基質用液(以下、コロイダルムタンと
いう)とした。
【0048】力価の測定は、上記コロイダルムタン0.
6mlに酵素液0.2mlを加え、40℃で10分間反
応を行い、上清中に遊離した還元糖をソモギーネルソン
法を用いて測定した。 デキストラナーゼとの反応性:上記コロイダルムタン
0.6mlにリン酸緩衝液(0.1M、pH6.0)に
溶解した500U/mlのデキストラナーゼ0.2ml
を加え、40℃で10分間反応させ、上清に遊離した還
元糖をソモギーネルソン法を用いて測定した。
【0049】
【表3】
【0050】表3の結果から、5リットルスケールでも
高品質のムタンが調製できることが確認された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口腔連鎖球菌から培養法又は酵素法でム
    タンを製造する際、ムタン生合成工程中にデキストラナ
    ーゼを添加することを特徴とするムタンの製造方法。
JP9091667A 1997-03-26 1997-03-26 ムタンの製造方法 Pending JPH10262692A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017195797A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 ライオン株式会社 インビトロバイオフィルムモデル及びその製造方法
JP2018507929A (ja) * 2015-02-06 2018-03-22 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company ポリα−1,3−グルカン系ポリマーのコロイド分散液

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JP2018507929A (ja) * 2015-02-06 2018-03-22 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company ポリα−1,3−グルカン系ポリマーのコロイド分散液
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