JPH1026202A - 無段変速装置 - Google Patents
無段変速装置Info
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- JPH1026202A JPH1026202A JP17961496A JP17961496A JPH1026202A JP H1026202 A JPH1026202 A JP H1026202A JP 17961496 A JP17961496 A JP 17961496A JP 17961496 A JP17961496 A JP 17961496A JP H1026202 A JPH1026202 A JP H1026202A
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- ring
- disk
- pressing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 押圧円板と変速リングとの間にて、両者の相
対回転を許容しつつ変速リングの押圧に伴う反力を負担
するスラスト軸受を、油浴潤滑により良好に潤滑できる
ようにする。 【構成】 入力軸4に回転を拘束された押圧円板61との
間に、この押圧円板61の外周近傍に配したスラスト軸受
64を介装し、入力軸4の回転に伴う遠心力の作用により
半径方向外向きに移動する押圧ローラ63により押圧され
て軸長方向に移動する押圧円板61により、スラスト軸受
64、リング板62を介して変速リング34を押圧し、遊星コ
ーン33,33…の外側での転接位置を変える構成とし、ス
ラスト軸受64が伝動ハウジング30内に適量封入された潤
滑油中に確実に浸され、良好な潤滑性が確保されるよう
にする。
対回転を許容しつつ変速リングの押圧に伴う反力を負担
するスラスト軸受を、油浴潤滑により良好に潤滑できる
ようにする。 【構成】 入力軸4に回転を拘束された押圧円板61との
間に、この押圧円板61の外周近傍に配したスラスト軸受
64を介装し、入力軸4の回転に伴う遠心力の作用により
半径方向外向きに移動する押圧ローラ63により押圧され
て軸長方向に移動する押圧円板61により、スラスト軸受
64、リング板62を介して変速リング34を押圧し、遊星コ
ーン33,33…の外側での転接位置を変える構成とし、ス
ラスト軸受64が伝動ハウジング30内に適量封入された潤
滑油中に確実に浸され、良好な潤滑性が確保されるよう
にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、エンジンによ
り駆動される各種の自動車用補機の伝動系において用い
られる無段変速装置に関する。
り駆動される各種の自動車用補機の伝動系において用い
られる無段変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車には、動力舵取装置又は自
動変速機に作動油を供給する油圧ポンプ、バッテリの充
電用発電機、空調用のコンプレッサ等、種々の補機が搭
載されており、これらの多くは、エンジンを駆動源と
し、例えば、クランクシャフトの端部に設けたクランク
プーリを介してのベルト伝動により駆動される。
動変速機に作動油を供給する油圧ポンプ、バッテリの充
電用発電機、空調用のコンプレッサ等、種々の補機が搭
載されており、これらの多くは、エンジンを駆動源と
し、例えば、クランクシャフトの端部に設けたクランク
プーリを介してのベルト伝動により駆動される。
【0003】ところが、この種の補機にエンジンの回転
を直接的に伝達した場合、エンジンの回転数が高い高速
運転時に大なる動力損失を招くという問題があり、ま
た、このような動力損失を低く抑えるべく補機の仕様を
決定した場合、低速運転時に各補機の能力が不足すると
いう問題がある。
を直接的に伝達した場合、エンジンの回転数が高い高速
運転時に大なる動力損失を招くという問題があり、ま
た、このような動力損失を低く抑えるべく補機の仕様を
決定した場合、低速運転時に各補機の能力が不足すると
いう問題がある。
【0004】例えば、近年の自動車に広く装備されてい
る動力舵取装置(パワーステアリング装置)において
は、エンジンの回転数が高い高速走行時には、舵取り用
の車輪に作用する路面反力が小さいことから、操舵補助
力を殆ど必要とせず、エンジンの回転数が低い低速走行
時には、大なる路面反力に抗すべく、大なる操舵補助力
を発生することが要求され、このような動力舵取装置に
作動油を供給する油圧ポンプは、エンジンの回転数が低
いとき高速度にて駆動し、エンジンの回転数が高いとき
低速度にて駆動する必要がある。
る動力舵取装置(パワーステアリング装置)において
は、エンジンの回転数が高い高速走行時には、舵取り用
の車輪に作用する路面反力が小さいことから、操舵補助
力を殆ど必要とせず、エンジンの回転数が低い低速走行
時には、大なる路面反力に抗すべく、大なる操舵補助力
を発生することが要求され、このような動力舵取装置に
作動油を供給する油圧ポンプは、エンジンの回転数が低
いとき高速度にて駆動し、エンジンの回転数が高いとき
低速度にて駆動する必要がある。
【0005】このような事情により自動車用の補機への
伝動系においては、その中途に変速装置を介装し、この
変速装置の変速比をエンジンからの入力回転数の高低に
応じて変更する構成とし、例えば、入力回転数が低いと
きにはそのまま補機に伝え、入力回転数が高いときには
所定の減速を経た後に補機に伝えることにより、前述し
た問題を解消するようにしている。
伝動系においては、その中途に変速装置を介装し、この
変速装置の変速比をエンジンからの入力回転数の高低に
応じて変更する構成とし、例えば、入力回転数が低いと
きにはそのまま補機に伝え、入力回転数が高いときには
所定の減速を経た後に補機に伝えることにより、前述し
た問題を解消するようにしている。
【0006】前記変速装置としては、その変速比を広範
囲に亘って無段階に変更し得ると共に、対象となる補機
の周辺の限られたスペースへの配設を可能とするため、
可及的な小型化が要求される。本願出願人は既に、この
ような要求に応えると共に、運転音の静かな無段変速装
置を、特願平7-47599号に提案している。図6及び図7
は、この無段変速装置の要部を拡大して示す動作説明図
である。
囲に亘って無段階に変更し得ると共に、対象となる補機
の周辺の限られたスペースへの配設を可能とするため、
可及的な小型化が要求される。本願出願人は既に、この
ような要求に応えると共に、運転音の静かな無段変速装
置を、特願平7-47599号に提案している。図6及び図7
は、この無段変速装置の要部を拡大して示す動作説明図
である。
【0007】この無段変速装置3は、入力軸4と一体回
転する入力円板31をその底面の内周側に転接させ、また
図示しない出力軸と一体回転する出力円板32をその底面
の外周側に、前記入力円板31と逆側から転接させてある
複数(1つのみ図示)の遊星コーン33と、各遊星コーン
33の円錐面に外側から一括して転接する変速リング34と
を備え、遊星コーン33の円錐母線上での変速リング34の
転接位置を変えて、入力側(入力円板31)から出力側
(出力円板32)への伝動の際の変速比を無段階に変更し
得るようになしたリングコーン式の無段変速装置であ
り、入力軸4側に構成された変速機構7の後述した動作
により、入力回転数の増大に伴って出力回転数が減少す
る特性を得ようとしたものである。
転する入力円板31をその底面の内周側に転接させ、また
図示しない出力軸と一体回転する出力円板32をその底面
の外周側に、前記入力円板31と逆側から転接させてある
複数(1つのみ図示)の遊星コーン33と、各遊星コーン
33の円錐面に外側から一括して転接する変速リング34と
を備え、遊星コーン33の円錐母線上での変速リング34の
転接位置を変えて、入力側(入力円板31)から出力側
(出力円板32)への伝動の際の変速比を無段階に変更し
得るようになしたリングコーン式の無段変速装置であ
り、入力軸4側に構成された変速機構7の後述した動作
により、入力回転数の増大に伴って出力回転数が減少す
る特性を得ようとしたものである。
【0008】変速リング34は、これの外周に形成された
ガイド溝42を伝動ハウジング30の内周に固設されたガイ
ドキー41に係合させて、軸長方向への移動のみが可能に
保持させてあり、一側(出力円板32側)の端面に弾接す
る押しばね43により他側(入力円板31側)に向けて付勢
してある。
ガイド溝42を伝動ハウジング30の内周に固設されたガイ
ドキー41に係合させて、軸長方向への移動のみが可能に
保持させてあり、一側(出力円板32側)の端面に弾接す
る押しばね43により他側(入力円板31側)に向けて付勢
してある。
【0009】前記変速機構7は、入力軸4の回転に伴う
遠心力の作用により、前記押しばね43の付勢に抗して変
速リング34を押圧して移動させ、遊星コーン33との転接
位置を減速側(遊星コーン33の頂点から離れる側)に変
更せしめる動作をなすものであり、伝動ハウジング30の
内側に変速リング34の他側の端面に臨ませて、カム板7
0、押圧円板71、及びリング板72を配して構成されてい
る。
遠心力の作用により、前記押しばね43の付勢に抗して変
速リング34を押圧して移動させ、遊星コーン33との転接
位置を減速側(遊星コーン33の頂点から離れる側)に変
更せしめる動作をなすものであり、伝動ハウジング30の
内側に変速リング34の他側の端面に臨ませて、カム板7
0、押圧円板71、及びリング板72を配して構成されてい
る。
【0010】カム板70及び押圧円板71は、入力軸4の中
途部にスプライン結合され、該入力軸4と一体回転する
ようになしてあり、変速リング34に近い側の押圧円板71
は軸長方向への移動自在に、変速リング34から離れた側
のカム板70は軸長方向の移動不可に支持されている。押
圧円板71は、外周に向けて放射状をなして形成された複
数のガイド杆を備え、各ガイド杆に沿って半径方向への
移動自在に押圧ローラ73,73…(1つのみ図示)を保持
しており、これらは、カム板70の対向面に転接させてあ
る。
途部にスプライン結合され、該入力軸4と一体回転する
ようになしてあり、変速リング34に近い側の押圧円板71
は軸長方向への移動自在に、変速リング34から離れた側
のカム板70は軸長方向の移動不可に支持されている。押
圧円板71は、外周に向けて放射状をなして形成された複
数のガイド杆を備え、各ガイド杆に沿って半径方向への
移動自在に押圧ローラ73,73…(1つのみ図示)を保持
しており、これらは、カム板70の対向面に転接させてあ
る。
【0011】前記押圧ローラ73,73…は、入力軸4の回
転に伴って前記押圧円板71と共に回転し、この回転に伴
う遠心力の作用により、各別のガイド杆に沿って半径方
向外向きに移動する。カム板70の押圧ローラ73,73…と
の転接面の外周側は、押圧円板71に向けて傾斜するテー
パ状のカム面となっており、前記遠心力の作用により半
径方向外向きに移動する押圧ローラ73,73…は、前記カ
ム面の傾斜に沿って押圧円板71に向けて押圧され、押圧
円板71をカム板70から離れる向きに押圧する作用をな
す。
転に伴って前記押圧円板71と共に回転し、この回転に伴
う遠心力の作用により、各別のガイド杆に沿って半径方
向外向きに移動する。カム板70の押圧ローラ73,73…と
の転接面の外周側は、押圧円板71に向けて傾斜するテー
パ状のカム面となっており、前記遠心力の作用により半
径方向外向きに移動する押圧ローラ73,73…は、前記カ
ム面の傾斜に沿って押圧円板71に向けて押圧され、押圧
円板71をカム板70から離れる向きに押圧する作用をな
す。
【0012】リング板72は、その一側を変速リング34の
他端部側に内嵌固定され、該変速リング34と一体化され
ており、押圧円板71を介してカム板70の一面に対向せし
めてあり、リング板72と押圧円板71との間には、両者の
相対回転を許容しつつ前記押圧に伴う反力の負荷に耐え
るべく、内周縁近傍にスラスト軸受74が介装されてい
る。
他端部側に内嵌固定され、該変速リング34と一体化され
ており、押圧円板71を介してカム板70の一面に対向せし
めてあり、リング板72と押圧円板71との間には、両者の
相対回転を許容しつつ前記押圧に伴う反力の負荷に耐え
るべく、内周縁近傍にスラスト軸受74が介装されてい
る。
【0013】図6は、入力軸4の回転数が低い状態を示
している。このとき変速リング34は押しばね43の付勢力
により、図の右向きに押圧され、ガイドキー41の端面に
押し付けられ、遊星コーン33の頂点位置近傍に転接した
状態となる。この状態で変速比(=出力回転数/入力回
転数)は最大であり、入力軸4の回転は、減速を伴うこ
となく入力円板31及び遊星コーン33を介して出力円板32
に伝達され、該出力円板32と共に回転する出力軸の回転
数は大きい。
している。このとき変速リング34は押しばね43の付勢力
により、図の右向きに押圧され、ガイドキー41の端面に
押し付けられ、遊星コーン33の頂点位置近傍に転接した
状態となる。この状態で変速比(=出力回転数/入力回
転数)は最大であり、入力軸4の回転は、減速を伴うこ
となく入力円板31及び遊星コーン33を介して出力円板32
に伝達され、該出力円板32と共に回転する出力軸の回転
数は大きい。
【0014】この状態で入力軸4の回転数が高くなった
場合、この回転に伴う遠心力の作用により押圧ローラ7
3,73…が、図6中に白抜矢符にて示す如く半径方向外
向きに移動し、前述の如く、押圧円板71がカム板70から
離れる向きに押圧され、更に、スラスト軸受74を介して
リング板72が同向きに押圧される。これによりリング板
72と一体化された変速リング34は、一側に弾接する押し
ばね43の付勢に抗して押圧され、図7に示す如く、遊星
コーン33との転接位置を変え、入力円板31から出力円板
32への伝動に際しての変速比が入力軸4の回転数の増加
に応じて低下することになる。
場合、この回転に伴う遠心力の作用により押圧ローラ7
3,73…が、図6中に白抜矢符にて示す如く半径方向外
向きに移動し、前述の如く、押圧円板71がカム板70から
離れる向きに押圧され、更に、スラスト軸受74を介して
リング板72が同向きに押圧される。これによりリング板
72と一体化された変速リング34は、一側に弾接する押し
ばね43の付勢に抗して押圧され、図7に示す如く、遊星
コーン33との転接位置を変え、入力円板31から出力円板
32への伝動に際しての変速比が入力軸4の回転数の増加
に応じて低下することになる。
【0015】以上の如き変速機構7を備える無段変速装
置3においては、押しばね43のばね力、遠心力の作用に
より移動する押圧ローラ73,73…の重量、カム板70の外
周側のカム面の形状(傾斜度合い)等を適宜に設定する
ことにより、入力軸4の増速に応じて出力軸が減速する
特性、入力軸4の増速に拘わらず出力軸の回転数が略一
定に保たれる特性等、適宜の変速特性が得られ、前述し
た如き自動車用の補機の要求に応えることができる。ま
た、遠心力の作用による押圧ローラ73,73…の移動が、
共に入力軸4と一体回転するカム板70と押圧円板71との
間にて生じ、入力軸4の回転数が高い場合であっても前
記移動に伴う音の発生が少なく、静粛な運転が行われ
る。
置3においては、押しばね43のばね力、遠心力の作用に
より移動する押圧ローラ73,73…の重量、カム板70の外
周側のカム面の形状(傾斜度合い)等を適宜に設定する
ことにより、入力軸4の増速に応じて出力軸が減速する
特性、入力軸4の増速に拘わらず出力軸の回転数が略一
定に保たれる特性等、適宜の変速特性が得られ、前述し
た如き自動車用の補機の要求に応えることができる。ま
た、遠心力の作用による押圧ローラ73,73…の移動が、
共に入力軸4と一体回転するカム板70と押圧円板71との
間にて生じ、入力軸4の回転数が高い場合であっても前
記移動に伴う音の発生が少なく、静粛な運転が行われ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如き無段
変速装置3の動作は、変速機構7と共通の伝動ハウジン
グ30内に適量封入された潤滑油による油浴潤滑下にて行
われるが、入力軸4の回転数が高い場合、伝動ハウジン
グ30内の潤滑油は、前記入力軸4と一体回転するカム板
70及び押圧円板71により高速度に掻き回され、図7中に
破線のハッチングを施して示す如く、伝動ハウジング30
の内側周面に環状をなして張り付いた状態となって、押
圧円板71とリング板72との間に前述の如く介装されたス
ラスト軸受74の潤滑が良好になされなくなる虞れがあっ
た。
変速装置3の動作は、変速機構7と共通の伝動ハウジン
グ30内に適量封入された潤滑油による油浴潤滑下にて行
われるが、入力軸4の回転数が高い場合、伝動ハウジン
グ30内の潤滑油は、前記入力軸4と一体回転するカム板
70及び押圧円板71により高速度に掻き回され、図7中に
破線のハッチングを施して示す如く、伝動ハウジング30
の内側周面に環状をなして張り付いた状態となって、押
圧円板71とリング板72との間に前述の如く介装されたス
ラスト軸受74の潤滑が良好になされなくなる虞れがあっ
た。
【0017】スラスト軸受74は、遠心力の作用による押
圧ローラ73,73…の移動に伴って入力軸4と一体回転す
る押圧円板71に加わる押圧力を、非回転下に拘束された
リング板72を介して変速リング34に伝える作用をなすも
のであり、前記押圧力が負荷された状態において両板7
1,72間の大なる相対回転を許容する必要があり、前述
した如き潤滑不良が生じた場合、変速機構7の動作不良
を招来するという問題があった。
圧ローラ73,73…の移動に伴って入力軸4と一体回転す
る押圧円板71に加わる押圧力を、非回転下に拘束された
リング板72を介して変速リング34に伝える作用をなすも
のであり、前記押圧力が負荷された状態において両板7
1,72間の大なる相対回転を許容する必要があり、前述
した如き潤滑不良が生じた場合、変速機構7の動作不良
を招来するという問題があった。
【0018】このような動作不良の発生は、前記スラス
ト軸受74として、潤滑用のグリスが封入された転がり軸
受を用いる等、潤滑油の供給不足を補う構成により緩和
し得るが、図6及び図7に示す如くスラスト軸受74は、
押圧円板71とリング板72との間の限られたスペースに配
設されており、前述した転がり軸受の採用は難しく、ま
た、変速機構7を含む無段変速装置3の大型化を招来す
る。
ト軸受74として、潤滑用のグリスが封入された転がり軸
受を用いる等、潤滑油の供給不足を補う構成により緩和
し得るが、図6及び図7に示す如くスラスト軸受74は、
押圧円板71とリング板72との間の限られたスペースに配
設されており、前述した転がり軸受の採用は難しく、ま
た、変速機構7を含む無段変速装置3の大型化を招来す
る。
【0019】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、押圧円板と変速リングとの間にて、両者の相対
回転を許容しつつ変速リングの押圧に伴う反力を負担す
るスラスト軸受を、油浴潤滑により良好に潤滑でき、潤
滑不良に伴う動作不良の発生を未然に防止して、入力回
転数の増減に応じた無段階での変速を安定して実現し得
る無段変速装置を提供することを目的とする。
であり、押圧円板と変速リングとの間にて、両者の相対
回転を許容しつつ変速リングの押圧に伴う反力を負担す
るスラスト軸受を、油浴潤滑により良好に潤滑でき、潤
滑不良に伴う動作不良の発生を未然に防止して、入力回
転数の増減に応じた無段階での変速を安定して実現し得
る無段変速装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る無段変速装
置は、入力軸及び出力軸と一体回転する入力円板及び出
力円板をその底面の相異なる位置に転接させた複数の遊
星コーンと、各遊星コーンの円錐面に転接する変速リン
グと、前記入力軸と一体回転し、この回転に伴う遠心力
の作用により軸長方向に移動して前記変速リングを押圧
する押圧円板とを備え、前記押圧により前記遊星コーン
の円錐母線上での前記変速リングの転接位置を変え、前
記出力軸への伝動の際の変速比を無段階に変更する構成
としたリングコーン式の無段変速装置において、前記押
圧円板と前記変速リングとの間に介装され、両者の相対
回転を許容しつつ前記押圧に伴う反力を負担するスラス
ト軸受を、前記押圧円板の外周縁近傍に具備することを
特徴とする。
置は、入力軸及び出力軸と一体回転する入力円板及び出
力円板をその底面の相異なる位置に転接させた複数の遊
星コーンと、各遊星コーンの円錐面に転接する変速リン
グと、前記入力軸と一体回転し、この回転に伴う遠心力
の作用により軸長方向に移動して前記変速リングを押圧
する押圧円板とを備え、前記押圧により前記遊星コーン
の円錐母線上での前記変速リングの転接位置を変え、前
記出力軸への伝動の際の変速比を無段階に変更する構成
としたリングコーン式の無段変速装置において、前記押
圧円板と前記変速リングとの間に介装され、両者の相対
回転を許容しつつ前記押圧に伴う反力を負担するスラス
ト軸受を、前記押圧円板の外周縁近傍に具備することを
特徴とする。
【0021】本発明においては、入力軸の回転に伴う遠
心力の作用により軸長方向に移動する押圧円板が、これ
の外周縁の近傍に配されたスラスト軸受を介して変速リ
ングを押圧する構成としてあり、この動作中、油浴潤滑
のために伝動ハウジング内に封入された潤滑油が、押圧
円板等の回転により伝動ハウジングの内周面に張り付
き、環状の分布状態となった場合であっても、押圧円板
の外周縁近傍に配されたスラスト軸受は潤滑油内に浸さ
れ、良好に潤滑される。
心力の作用により軸長方向に移動する押圧円板が、これ
の外周縁の近傍に配されたスラスト軸受を介して変速リ
ングを押圧する構成としてあり、この動作中、油浴潤滑
のために伝動ハウジング内に封入された潤滑油が、押圧
円板等の回転により伝動ハウジングの内周面に張り付
き、環状の分布状態となった場合であっても、押圧円板
の外周縁近傍に配されたスラスト軸受は潤滑油内に浸さ
れ、良好に潤滑される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、自動車の動力舵取
装置に作動油圧を供給するための油圧ポンプへの本発明
に係る無段変速装置(以下本発明装置という)の適用例
を示す縦断面図である。
す図面に基づいて詳述する。図1は、自動車の動力舵取
装置に作動油圧を供給するための油圧ポンプへの本発明
に係る無段変速装置(以下本発明装置という)の適用例
を示す縦断面図である。
【0023】図示の油圧ポンプ1は、複数枚のベーンを
半径方向への進退自在に保持する短寸円筒形のロータ10
と、偏肉環状をなすカムリング11とを備えたベーンポン
プである。カムリング11は、これの一側に同軸的に位置
決めされたプレッシャプレート12と共にポンプハウジン
グ14の内部に収納され、該ポンプハウジング14の他側を
閉塞するエンドプレート13と前記プレッシャプレート12
との間に挾持固定されている。またロータ10は、カムリ
ング11の内側に遊嵌されており、プレッシャプレート12
を貫通してカムリング11の軸心部を通りエンドプレート
13にその先端を支持された伝動軸2に嵌着され、該伝動
軸2の回転に応じてカムリング11の内側にて同軸的に回
転するようになしてある。
半径方向への進退自在に保持する短寸円筒形のロータ10
と、偏肉環状をなすカムリング11とを備えたベーンポン
プである。カムリング11は、これの一側に同軸的に位置
決めされたプレッシャプレート12と共にポンプハウジン
グ14の内部に収納され、該ポンプハウジング14の他側を
閉塞するエンドプレート13と前記プレッシャプレート12
との間に挾持固定されている。またロータ10は、カムリ
ング11の内側に遊嵌されており、プレッシャプレート12
を貫通してカムリング11の軸心部を通りエンドプレート
13にその先端を支持された伝動軸2に嵌着され、該伝動
軸2の回転に応じてカムリング11の内側にて同軸的に回
転するようになしてある。
【0024】以上の如き油圧ポンプ1は、ロータ10の外
周とカムリング11の内周との間に周方向に複数並べて設
けたポンプ室内に油圧を発生する動作をなす。これらの
ポンプ室は、ポンプハウジング14の上部外側に取り付け
た吸込管15に、エンドプレート13及びポンプハウジング
14の周壁に形成された吸込油路16を介して連通させてあ
り、また図示しない吐出管に、プレッシャプレート12の
背面側に形成された圧力室17を介して連通させてある。
周とカムリング11の内周との間に周方向に複数並べて設
けたポンプ室内に油圧を発生する動作をなす。これらの
ポンプ室は、ポンプハウジング14の上部外側に取り付け
た吸込管15に、エンドプレート13及びポンプハウジング
14の周壁に形成された吸込油路16を介して連通させてあ
り、また図示しない吐出管に、プレッシャプレート12の
背面側に形成された圧力室17を介して連通させてある。
【0025】吸込管15は、動力舵取装置の作動油を収納
する図示しない油タンクに連結してあり、伝動軸2の回
転によりロータ10が回転した場合、該ロータ10の外側に
並ぶ各ポンプ室には、吸込管15及び吸込油路16を経て作
動油が導入される。ロータ10に保持された複数のベーン
は、夫々の先端をカムリング11の内周面に押し付け、内
周の凹凸に追随して半径方向に進退動作しつつロータ10
と共に回転しており、各ポンプ室に導入された作動油
は、相隣するベーン間に封止され、前記ロータ10と共に
回転せしめられて昇圧し、圧力室17及び吐出管を経て動
力舵取装置に供給される。
する図示しない油タンクに連結してあり、伝動軸2の回
転によりロータ10が回転した場合、該ロータ10の外側に
並ぶ各ポンプ室には、吸込管15及び吸込油路16を経て作
動油が導入される。ロータ10に保持された複数のベーン
は、夫々の先端をカムリング11の内周面に押し付け、内
周の凹凸に追随して半径方向に進退動作しつつロータ10
と共に回転しており、各ポンプ室に導入された作動油
は、相隣するベーン間に封止され、前記ロータ10と共に
回転せしめられて昇圧し、圧力室17及び吐出管を経て動
力舵取装置に供給される。
【0026】ポンプハウジング14は、エンドプレート13
による閉塞部の逆側に同軸的に突設された円筒状の連結
ブラケット18を備えており、本発明装置は、前記連結ブ
ラケット18の端面に同軸的に組み付けられた伝動ハウジ
ング30の内部に構成されており、リングコーン式の無段
変速装置3とこれに付設された変速機構6とを備えてな
る。
による閉塞部の逆側に同軸的に突設された円筒状の連結
ブラケット18を備えており、本発明装置は、前記連結ブ
ラケット18の端面に同軸的に組み付けられた伝動ハウジ
ング30の内部に構成されており、リングコーン式の無段
変速装置3とこれに付設された変速機構6とを備えてな
る。
【0027】無段変速装置3は、入力円板31と出力円板
32との外周を、これらの間に介在する周方向に複数個
(2個のみ図示)の遊星コーン33,33…の底面に両側か
ら夫々転接させる一方、これらの外側に周設された円環
状の変速リング34を、入力円板31及び出力円板32の軸心
と平行をなす各遊星コーン33,33…の円錐面上に一括し
て転接させてなり、変速リング34を軸長方向に移動さ
せ、遊星コーン33,33…の円錐母線上での転接位置を変
えることにより変速を行う構成となっている。
32との外周を、これらの間に介在する周方向に複数個
(2個のみ図示)の遊星コーン33,33…の底面に両側か
ら夫々転接させる一方、これらの外側に周設された円環
状の変速リング34を、入力円板31及び出力円板32の軸心
と平行をなす各遊星コーン33,33…の円錐面上に一括し
て転接させてなり、変速リング34を軸長方向に移動さ
せ、遊星コーン33,33…の円錐母線上での転接位置を変
えることにより変速を行う構成となっている。
【0028】入力円板31は、伝動ハウジング30の内部に
同軸的に支承された入力軸4の一側端部近傍にスプライ
ン結合され、該入力軸4と一体回転するようになしてあ
る。入力軸4の他端は、連結ブラケット18への組み付け
側と逆側から伝動ハウジング30の外部に適長突出させて
あり、この突出端に嵌着されたVプーリ5、及びこのV
プーリ5に巻装されたVベルトを介して図示しないエン
ジンの出力端に連結してある。即ち、入力軸4及びこれ
に取り付けた入力円板31は、Vプーリ5を介して伝達さ
れる前記エンジンの回転に伴って回転する。
同軸的に支承された入力軸4の一側端部近傍にスプライ
ン結合され、該入力軸4と一体回転するようになしてあ
る。入力軸4の他端は、連結ブラケット18への組み付け
側と逆側から伝動ハウジング30の外部に適長突出させて
あり、この突出端に嵌着されたVプーリ5、及びこのV
プーリ5に巻装されたVベルトを介して図示しないエン
ジンの出力端に連結してある。即ち、入力軸4及びこれ
に取り付けた入力円板31は、Vプーリ5を介して伝達さ
れる前記エンジンの回転に伴って回転する。
【0029】入力軸4の先端は、伝動ハウジング30の内
部に突出する前記伝動軸2の先端に突き合わせてあり、
前記出力円板32は、該伝動軸2の先端部に同軸上での回
転自在に支持されている。また伝動軸2の突出部には、
厚肉円板形をなす押圧ディスク35がスプライン結合さ
れ、該押圧ディスク35は、前記出力円板32の背面側、即
ち、遊星コーン33,33…との転接側と逆側に対向させて
ある。
部に突出する前記伝動軸2の先端に突き合わせてあり、
前記出力円板32は、該伝動軸2の先端部に同軸上での回
転自在に支持されている。また伝動軸2の突出部には、
厚肉円板形をなす押圧ディスク35がスプライン結合さ
れ、該押圧ディスク35は、前記出力円板32の背面側、即
ち、遊星コーン33,33…との転接側と逆側に対向させて
ある。
【0030】出力円板32と押圧ディスク35との間隔は、
両者間に介装されたコイルばね36のばね力により一定に
保たれている。また出力円板32及び押圧ディスク35は、
夫々との対向面の所定の円周上に周方向に傾斜するカム
面を備えており、これらのカム面間にはカム球37,37…
が介装されている。カム球37,37…は、出力円板32と押
圧ディスク35とが相対回転しようとするとき夫々のカム
面に噛み合い、両者を一体化せしめると共に、出力円板
32を押圧ディスク35から離反する向き、即ち、遊星コー
ン33,33…への転接を強化する向き押圧する作用をな
す。
両者間に介装されたコイルばね36のばね力により一定に
保たれている。また出力円板32及び押圧ディスク35は、
夫々との対向面の所定の円周上に周方向に傾斜するカム
面を備えており、これらのカム面間にはカム球37,37…
が介装されている。カム球37,37…は、出力円板32と押
圧ディスク35とが相対回転しようとするとき夫々のカム
面に噛み合い、両者を一体化せしめると共に、出力円板
32を押圧ディスク35から離反する向き、即ち、遊星コー
ン33,33…への転接を強化する向き押圧する作用をな
す。
【0031】前記遊星コーン33,33…は、入力円板31と
出力円板32との間に配された円錐環状のキャリア38に、
周方向に略等配をなし、同側に傾斜する夫々の軸心回り
に回動自在に保持させてある。入力円板31は、各遊星コ
ーン33,33…の底面の内径側に、出力円板32は、同じく
底面の外縁部に夫々転接しており、入力軸4から伝動軸
2への伝動は、入力円板31と出力円板32との間での各遊
星コーン33,33…の遊転を伴って行われる。
出力円板32との間に配された円錐環状のキャリア38に、
周方向に略等配をなし、同側に傾斜する夫々の軸心回り
に回動自在に保持させてある。入力円板31は、各遊星コ
ーン33,33…の底面の内径側に、出力円板32は、同じく
底面の外縁部に夫々転接しており、入力軸4から伝動軸
2への伝動は、入力円板31と出力円板32との間での各遊
星コーン33,33…の遊転を伴って行われる。
【0032】図2は、無段変速装置3における変速原理
の説明図である。図示の如く、入力円板31と遊星コーン
33との転接が、入力軸4及び伝動軸2の軸心からa、遊
星コーン33の回転中心から距離bなる位置に、また変速
リング34と遊星コーン33との転接が、遊星コーン33の回
転中心から距離c、入力軸4及び伝動軸2の軸心から距
離dなる位置に夫々生じており、更に出力円板32と遊星
コーン33との転接が、遊星コーン33の回転中心から距離
e、入力軸4及び伝動軸2の軸心から距離fなる位置に
生じている場合、出力軸たる伝動軸2の回転数N2 は、
変速リング34の回転が拘束されているという条件下にお
いて、入力軸4の回転数N1 を含む次式により表され
る。
の説明図である。図示の如く、入力円板31と遊星コーン
33との転接が、入力軸4及び伝動軸2の軸心からa、遊
星コーン33の回転中心から距離bなる位置に、また変速
リング34と遊星コーン33との転接が、遊星コーン33の回
転中心から距離c、入力軸4及び伝動軸2の軸心から距
離dなる位置に夫々生じており、更に出力円板32と遊星
コーン33との転接が、遊星コーン33の回転中心から距離
e、入力軸4及び伝動軸2の軸心から距離fなる位置に
生じている場合、出力軸たる伝動軸2の回転数N2 は、
変速リング34の回転が拘束されているという条件下にお
いて、入力軸4の回転数N1 を含む次式により表され
る。
【0033】
【数1】
【0034】変速リング34の転接位置は、遊星コーン33
の円錐母線上において変更され、この母線は、入力軸4
及び伝動軸2の軸心と平行をなす。従って、変速リング
34の転接位置の変更は、入力軸4及び伝動軸2の軸心か
らの距離dを一定に保って行われ、遊星コーン33の回転
中心からの距離cのみが増減する。前記(1)式に明ら
かな如く、入力軸4の回転数N1 が一定であるという条
件下での伝動軸2の回転数N2 、即ち、入力軸4から伝
動軸2への伝動に際しての変速比は、距離cの減少に伴
って増加し、逆に距離cの増加に伴って減少する。
の円錐母線上において変更され、この母線は、入力軸4
及び伝動軸2の軸心と平行をなす。従って、変速リング
34の転接位置の変更は、入力軸4及び伝動軸2の軸心か
らの距離dを一定に保って行われ、遊星コーン33の回転
中心からの距離cのみが増減する。前記(1)式に明ら
かな如く、入力軸4の回転数N1 が一定であるという条
件下での伝動軸2の回転数N2 、即ち、入力軸4から伝
動軸2への伝動に際しての変速比は、距離cの減少に伴
って増加し、逆に距離cの増加に伴って減少する。
【0035】例えば、c=0、即ち、変速リング34の転
接位置が遊星コーン33の頂点上にある場合、(1)式
は、次式の如く簡略化される。 N2 =−(ae/bf)×N1 …(2)
接位置が遊星コーン33の頂点上にある場合、(1)式
は、次式の如く簡略化される。 N2 =−(ae/bf)×N1 …(2)
【0036】この式は、入力円板31及び出力円板32と遊
星コーン33との転接関係を示す数値のみを含む式となっ
ており、このとき、即ち、変速リング34の転接位置が遊
星コーン33の頂点上にあるとき、入力軸4から伝動軸2
への伝動に際しての変速比は最大となる。なお、(2)
式により得られるN2 が負の値となるのは、伝動軸2の
回転方向が入力軸4のそれと逆になるためである。
星コーン33との転接関係を示す数値のみを含む式となっ
ており、このとき、即ち、変速リング34の転接位置が遊
星コーン33の頂点上にあるとき、入力軸4から伝動軸2
への伝動に際しての変速比は最大となる。なお、(2)
式により得られるN2 が負の値となるのは、伝動軸2の
回転方向が入力軸4のそれと逆になるためである。
【0037】また一方、前記(1)式に明らかな如く、
伝動軸2の回転数N2 は、前記距離cが次式を満たす場
合に最小(=0)となる。 c=ed/f …(3)
伝動軸2の回転数N2 は、前記距離cが次式を満たす場
合に最小(=0)となる。 c=ed/f …(3)
【0038】図に明らかな如く、出力円板32と遊星コー
ン33との転接位置は、遊星コーン33の傾斜が上となる側
の周縁近傍に設定されており、入力軸4及び伝動軸2の
軸心からの距離fは、変速リング34の転接位置における
入力軸4及び伝動軸2の軸心からの距離dに略等しい。
従って、図2中に破線により示す如く、出力円板32の転
接位置、即ち、遊星コーン33の周縁近傍に変速リング34
の転接位置を変更した場合、c≒eとなって前記(3)
式が近似的に成立することになり、伝動軸2の回転が停
止した状態を得ることができる。
ン33との転接位置は、遊星コーン33の傾斜が上となる側
の周縁近傍に設定されており、入力軸4及び伝動軸2の
軸心からの距離fは、変速リング34の転接位置における
入力軸4及び伝動軸2の軸心からの距離dに略等しい。
従って、図2中に破線により示す如く、出力円板32の転
接位置、即ち、遊星コーン33の周縁近傍に変速リング34
の転接位置を変更した場合、c≒eとなって前記(3)
式が近似的に成立することになり、伝動軸2の回転が停
止した状態を得ることができる。
【0039】以上の如く伝動軸2の回転速度N2 は、変
速リング34の転接位置が遊星コーン33の頂点に接近する
に従って増加し、離反するに従って減少する。即ち、入
力軸4から伝動軸2への伝動に際しての変速比(=N2
/N1 )は、図1及び図2における右向きの変速リング
34の移動に応じて増大し、左向きの移動に応じて減少す
ることになり、更に、この減少側においては、出力円板
32と共に生じる伝動軸2の回転速度が略零となるまでの
無段階の変速が可能である。
速リング34の転接位置が遊星コーン33の頂点に接近する
に従って増加し、離反するに従って減少する。即ち、入
力軸4から伝動軸2への伝動に際しての変速比(=N2
/N1 )は、図1及び図2における右向きの変速リング
34の移動に応じて増大し、左向きの移動に応じて減少す
ることになり、更に、この減少側においては、出力円板
32と共に生じる伝動軸2の回転速度が略零となるまでの
無段階の変速が可能である。
【0040】図1に示す如く変速リング34は、外周に形
成された複数のガイド溝42,42…を伝動ハウジング30の
内側に固設された各別のガイドキー41,41…に係合さ
せ、軸回りの回転を拘束されると共に、前記ガイドキー
41,41…の案内による軸長方向の移動が可能に保持され
ている。
成された複数のガイド溝42,42…を伝動ハウジング30の
内側に固設された各別のガイドキー41,41…に係合さ
せ、軸回りの回転を拘束されると共に、前記ガイドキー
41,41…の案内による軸長方向の移動が可能に保持され
ている。
【0041】変速リング34の一側(伝動軸2側)にはス
トッパ環40が周設されており、該ストッパ環40の端面
は、連結ブラケット18の内側においてポンプハウジング
14の外面に対向し、両面間には周方向に複数個の押しば
ね43,43…が介装されている。これらの押しばね43,43
…は、前記ストッパ環40をポンプハウジング14から離反
させる向き(図の右向き)に付勢する作用をなす。この
付勢により変速リング34は、ストッパ環40をガイドキー
41,41…の端部に突き当てた状態に拘束され、このとき
変速リング34は、遊星コーン33,33…の頂点近傍に転接
し、入力軸4から伝動軸2への伝動に際しての変速比
(=N2 /N1 )は最大となる。
トッパ環40が周設されており、該ストッパ環40の端面
は、連結ブラケット18の内側においてポンプハウジング
14の外面に対向し、両面間には周方向に複数個の押しば
ね43,43…が介装されている。これらの押しばね43,43
…は、前記ストッパ環40をポンプハウジング14から離反
させる向き(図の右向き)に付勢する作用をなす。この
付勢により変速リング34は、ストッパ環40をガイドキー
41,41…の端部に突き当てた状態に拘束され、このとき
変速リング34は、遊星コーン33,33…の頂点近傍に転接
し、入力軸4から伝動軸2への伝動に際しての変速比
(=N2 /N1 )は最大となる。
【0042】変速リング34の他側(入力軸4側)には、
該変速リング34を前記押しばね43,43…の付勢に抗して
逆向き(図の左向き)に押圧し、遊星コーン33,33…と
の転接位置を変えて、前記変速比(=N2 /N1 )を減
速側に変更すべく、前記変速機構6が構成されている。
該変速リング34を前記押しばね43,43…の付勢に抗して
逆向き(図の左向き)に押圧し、遊星コーン33,33…と
の転接位置を変えて、前記変速比(=N2 /N1 )を減
速側に変更すべく、前記変速機構6が構成されている。
【0043】図1に示す如く、入力軸4の外周面には、
伝動ハウジング30の内側に対応する略全域に亘ってスプ
ラインが形成してあり、変速機構6は、前記スプライン
の形成部分の入力円板31から離れた側に嵌合するカム板
60と、同じく入力円板31に近い側に嵌合する押圧円板61
とを備え、また前記変速リング34の他側縁に一端を嵌合
固定されたリング板62とを備えてなる。なお、前記スプ
ラインの一部は、入力円板31の固定のためにも用いられ
ている。
伝動ハウジング30の内側に対応する略全域に亘ってスプ
ラインが形成してあり、変速機構6は、前記スプライン
の形成部分の入力円板31から離れた側に嵌合するカム板
60と、同じく入力円板31に近い側に嵌合する押圧円板61
とを備え、また前記変速リング34の他側縁に一端を嵌合
固定されたリング板62とを備えてなる。なお、前記スプ
ラインの一部は、入力円板31の固定のためにも用いられ
ている。
【0044】図3は、押圧円板61の外観を示す斜視図で
ある。図示の如く押圧円板61は、円筒状をなすボス部6a
の外側に、周方向に等配をなして放射状に突設された複
数本(図においては6本)のガイド杆6b,6b…を備え、
これらのガイド杆6b,6b…の先端を補強環6cにより相互
に連結してなる円板状の部材である。ガイド杆6b,6b…
は、ボス部6aの外周を盛り上げて形成された所定幅の基
部の一側に、半径方向外向きに直線的に立ち上がる態様
に連設されている。
ある。図示の如く押圧円板61は、円筒状をなすボス部6a
の外側に、周方向に等配をなして放射状に突設された複
数本(図においては6本)のガイド杆6b,6b…を備え、
これらのガイド杆6b,6b…の先端を補強環6cにより相互
に連結してなる円板状の部材である。ガイド杆6b,6b…
は、ボス部6aの外周を盛り上げて形成された所定幅の基
部の一側に、半径方向外向きに直線的に立ち上がる態様
に連設されている。
【0045】ボス部6aの軸心部には、内周面にスプライ
ンを有する軸支孔が貫通形成してあり、入力軸4への押
圧円板61の取り付けは、ボス部6aを入力軸4に外嵌し、
両者のスプラインを相互に係合せしめ、入力軸4と一体
回転可能に、また前記スプラインの案内作用により軸方
向への移動が可能になされている。
ンを有する軸支孔が貫通形成してあり、入力軸4への押
圧円板61の取り付けは、ボス部6aを入力軸4に外嵌し、
両者のスプラインを相互に係合せしめ、入力軸4と一体
回転可能に、また前記スプラインの案内作用により軸方
向への移動が可能になされている。
【0046】このような取り付けにより前記ガイド杆6
b,6b…の先端は、図1に示す如く、カム板60とリング
板62との間にて伝動ハウジング30の内周面近くにまで達
し、これらの先端を相互に連結する補強環6cは、図1に
示す如く、変速リング34に固定されたリング板62の端面
に対向しており、これらの対向面間にスラスト軸受64が
介装されている。
b,6b…の先端は、図1に示す如く、カム板60とリング
板62との間にて伝動ハウジング30の内周面近くにまで達
し、これらの先端を相互に連結する補強環6cは、図1に
示す如く、変速リング34に固定されたリング板62の端面
に対向しており、これらの対向面間にスラスト軸受64が
介装されている。
【0047】一方、前記カム板60の入力軸4への取り付
けは、押圧円板61と同様、入力軸4外周のスプラインと
の係合によりなされ、入力軸4と一体回転するようにな
してある。該カム板60と前記押圧円板61との間には、押
圧ローラ63,63…が介装されており、カム板60は、入力
軸4の大径部と前記押圧ローラ63,63…との間に挾持さ
れ、軸長方向の移動を拘束されている。
けは、押圧円板61と同様、入力軸4外周のスプラインと
の係合によりなされ、入力軸4と一体回転するようにな
してある。該カム板60と前記押圧円板61との間には、押
圧ローラ63,63…が介装されており、カム板60は、入力
軸4の大径部と前記押圧ローラ63,63…との間に挾持さ
れ、軸長方向の移動を拘束されている。
【0048】各押圧ローラ63は、図3に示す如く、中央
の小径部の両側に同軸をなして連設された大径部を備え
てなり、中央の小径部は、押圧円板61に突設されたガイ
ド杆6b,6b…と略等しい幅を有している。カム板60と押
圧円板61との間への押圧ローラ63,63…の介装は、夫々
の小径部を押圧円板61のガイド杆6b,6b…に転接せし
め、両側の大径部により各ガイド杆6b,6b…を挾持する
と共に、これらの大径部を前記カム板60に転接させてな
されている。
の小径部の両側に同軸をなして連設された大径部を備え
てなり、中央の小径部は、押圧円板61に突設されたガイ
ド杆6b,6b…と略等しい幅を有している。カム板60と押
圧円板61との間への押圧ローラ63,63…の介装は、夫々
の小径部を押圧円板61のガイド杆6b,6b…に転接せし
め、両側の大径部により各ガイド杆6b,6b…を挾持する
と共に、これらの大径部を前記カム板60に転接させてな
されている。
【0049】従って押圧ローラ63,63…は、各別のガイ
ド杆6b,6b…により周方向の移動を拘束され、カム板60
及び押圧円板61と共に入力軸4の回転に伴って回転する
ことになり、この回転に伴う遠心力の作用により、各別
のガイド杆6b,6b…に沿って半径方向外向きに移動し、
この移動は、ガイド杆6b,6b…及びカム板60の双方に対
する転動を伴って生じる。
ド杆6b,6b…により周方向の移動を拘束され、カム板60
及び押圧円板61と共に入力軸4の回転に伴って回転する
ことになり、この回転に伴う遠心力の作用により、各別
のガイド杆6b,6b…に沿って半径方向外向きに移動し、
この移動は、ガイド杆6b,6b…及びカム板60の双方に対
する転動を伴って生じる。
【0050】カム板60は、図1に示す如く、外周縁に近
付くに従って押圧円板61側に向けて傾斜するカム面 60a
を、押圧円板61との対向側、即ち、押圧ローラ63,63…
の当接面に有しており、前述の如く半径方向に移動する
押圧ローラ63,63…は、前記カム面 60aの傾斜に応じて
押圧円板61に向けて移動することになり、この移動によ
り押圧円板61は、夫々のガイド杆6b,6b…を各押圧ロー
ラ63,63…の小径部により押圧されて、入力軸4の軸長
方向に移動する。
付くに従って押圧円板61側に向けて傾斜するカム面 60a
を、押圧円板61との対向側、即ち、押圧ローラ63,63…
の当接面に有しており、前述の如く半径方向に移動する
押圧ローラ63,63…は、前記カム面 60aの傾斜に応じて
押圧円板61に向けて移動することになり、この移動によ
り押圧円板61は、夫々のガイド杆6b,6b…を各押圧ロー
ラ63,63…の小径部により押圧されて、入力軸4の軸長
方向に移動する。
【0051】押圧円板61の他側には、これの外周縁を形
成する補強環6cにスラスト軸受64を介してリング板62の
端面が当接しており、前述の如く押圧円板61が軸長方向
に移動した場合、スラスト軸受64を介してリング板62が
押圧され、該リング板62に固設された変速リング34は、
図の左方向、即ち、減速側に押圧される。
成する補強環6cにスラスト軸受64を介してリング板62の
端面が当接しており、前述の如く押圧円板61が軸長方向
に移動した場合、スラスト軸受64を介してリング板62が
押圧され、該リング板62に固設された変速リング34は、
図の左方向、即ち、減速側に押圧される。
【0052】図4及び図5は、以上の如く構成された変
速機構6の動作説明図である。図4は、入力軸4が回転
していない状態を示しており、このとき変速リング34
は、押しばね43の付勢力により、右側に寄った位置に拘
束されており、遊星コーン33の頂点位置近傍に転接した
状態にある。
速機構6の動作説明図である。図4は、入力軸4が回転
していない状態を示しており、このとき変速リング34
は、押しばね43の付勢力により、右側に寄った位置に拘
束されており、遊星コーン33の頂点位置近傍に転接した
状態にある。
【0053】この状態で入力軸4が回転すると、この回
転が入力円板31及び遊星コーン33を介して出力円板32に
伝達され、出力円板32が回転し、この回転が伝動軸2を
介して油圧ポンプ1に伝達される。一方、入力軸4の回
転に応じてカム板60及び押圧円板61が回転し、図4中に
白抜矢符にて示す如く両者間に介装された押圧ローラ63
に遠心力が作用し、カム板60のカム面 60aに押し付けら
れ、押圧ローラ63の他側に転接するガイド杆6bには、前
記カム面 60aからの分力が軸長方向に作用し、この分力
は、スラスト軸受64及びリング板62を介して変速リング
34に加わり、該変速リング34を、前記押しばね43の付勢
に抗して左向きに押圧する。この後の変速リング34は、
押圧円板61による押圧力と押しばね43のばね力との力バ
ランスに応じて左向きに移動し遊星コーン33との転接位
置を変える。
転が入力円板31及び遊星コーン33を介して出力円板32に
伝達され、出力円板32が回転し、この回転が伝動軸2を
介して油圧ポンプ1に伝達される。一方、入力軸4の回
転に応じてカム板60及び押圧円板61が回転し、図4中に
白抜矢符にて示す如く両者間に介装された押圧ローラ63
に遠心力が作用し、カム板60のカム面 60aに押し付けら
れ、押圧ローラ63の他側に転接するガイド杆6bには、前
記カム面 60aからの分力が軸長方向に作用し、この分力
は、スラスト軸受64及びリング板62を介して変速リング
34に加わり、該変速リング34を、前記押しばね43の付勢
に抗して左向きに押圧する。この後の変速リング34は、
押圧円板61による押圧力と押しばね43のばね力との力バ
ランスに応じて左向きに移動し遊星コーン33との転接位
置を変える。
【0054】変速リング34に加わる押圧力は、押圧ロー
ラ63に作用する遠心力に対応し、この遠心力は、入力軸
4の回転数の上昇に伴って増大する。入力軸4の回転数
が低い場合、前記押圧力が十分に小さいために、前記変
速リング34の転接位置は、図4に示す如く遊星コーン33
の頂点近傍に止まり、入力軸4から伝動軸2への変速比
は最大となり、油圧ポンプ1は、入力軸4の回転数に近
い速度にて回転駆動される。
ラ63に作用する遠心力に対応し、この遠心力は、入力軸
4の回転数の上昇に伴って増大する。入力軸4の回転数
が低い場合、前記押圧力が十分に小さいために、前記変
速リング34の転接位置は、図4に示す如く遊星コーン33
の頂点近傍に止まり、入力軸4から伝動軸2への変速比
は最大となり、油圧ポンプ1は、入力軸4の回転数に近
い速度にて回転駆動される。
【0055】入力軸4の回転数が高い場合、変速リング
34に加わる押圧力が増大し、該変速リング34の転接位置
は、図5に示す如く遊星コーン33の底縁側に移動し、入
力軸4から伝動軸2への変速比が低下する結果、油圧ポ
ンプ1は、入力軸4の回転数よりも十分に低い速度にて
回転駆動される。なお、図1の上半部は図4の状態を、
又下半部は図5の状態を夫々示している。
34に加わる押圧力が増大し、該変速リング34の転接位置
は、図5に示す如く遊星コーン33の底縁側に移動し、入
力軸4から伝動軸2への変速比が低下する結果、油圧ポ
ンプ1は、入力軸4の回転数よりも十分に低い速度にて
回転駆動される。なお、図1の上半部は図4の状態を、
又下半部は図5の状態を夫々示している。
【0056】入力軸4から伝動軸2への変速比は、入力
軸4の回転数の増加に応じて低下するが、この低下の程
度は、押しばね43のばね力、カム面 60aの形状、押圧ロ
ーラ63の重量等、前記力バランスに関連する各値の選定
に応じて自在に設定でき、入力軸4の増速に応じて伝動
軸2が減速する特性、入力軸4の増速に拘わらず伝動軸
2の回転数が略一定に保たれる特性等、適宜の特性が得
られる。特に、前者の特性は、動力舵取装置用の油圧ポ
ンプ1の駆動のために望ましい特性である。
軸4の回転数の増加に応じて低下するが、この低下の程
度は、押しばね43のばね力、カム面 60aの形状、押圧ロ
ーラ63の重量等、前記力バランスに関連する各値の選定
に応じて自在に設定でき、入力軸4の増速に応じて伝動
軸2が減速する特性、入力軸4の増速に拘わらず伝動軸
2の回転数が略一定に保たれる特性等、適宜の特性が得
られる。特に、前者の特性は、動力舵取装置用の油圧ポ
ンプ1の駆動のために望ましい特性である。
【0057】以上の動作は、伝動ハウジング30内に適量
封入された潤滑油による各部の油浴潤滑下にて行われ、
特に、押圧円板61とリング板62との間に介装されたスラ
スト軸受64は、前記押圧に伴う反力の負荷下にて両者の
相対回転を許容する作用をなし、良好な潤滑状態を保つ
ことが必要である。伝動ハウジング30内の潤滑油は、入
力軸4の回転に伴って回転するカム板60、押圧円板61、
入力円板31等の回転部材により攪拌されており、特に、
入力軸4の回転数が高い場合に、前記回転に伴う遠心力
の作用により伝動ハウジング30の内側周面に張り付いた
状態となり、図5中に破線のハッチングを施して示す如
く、伝動ハウジング30の内周面に環状をなして分布す
る。
封入された潤滑油による各部の油浴潤滑下にて行われ、
特に、押圧円板61とリング板62との間に介装されたスラ
スト軸受64は、前記押圧に伴う反力の負荷下にて両者の
相対回転を許容する作用をなし、良好な潤滑状態を保つ
ことが必要である。伝動ハウジング30内の潤滑油は、入
力軸4の回転に伴って回転するカム板60、押圧円板61、
入力円板31等の回転部材により攪拌されており、特に、
入力軸4の回転数が高い場合に、前記回転に伴う遠心力
の作用により伝動ハウジング30の内側周面に張り付いた
状態となり、図5中に破線のハッチングを施して示す如
く、伝動ハウジング30の内周面に環状をなして分布す
る。
【0058】本発明においては、前記スラスト軸受64が
押圧円板61の外周縁の近傍に配設されており、該スラス
ト軸受64は、図5に示す如き分布状態となる高速回転時
の潤滑油に全周に亘って浸された状態となり、極めて良
好な潤滑状態を保つことができる。また入力軸4の回転
数が低い場合、伝動ハウジング30内の潤滑油は、据え付
け状態において下となる位置に集中する分布状態を示す
が、このように分布する潤滑油に対しても前記スラスト
軸受64は、その一部において確実に浸された状態とな
り、良好な潤滑状態が保たれる。これにより、スラスト
軸受64として滑り軸受の採用が可能となり、配設スペー
スの削減、運転音の低減に寄与できる。
押圧円板61の外周縁の近傍に配設されており、該スラス
ト軸受64は、図5に示す如き分布状態となる高速回転時
の潤滑油に全周に亘って浸された状態となり、極めて良
好な潤滑状態を保つことができる。また入力軸4の回転
数が低い場合、伝動ハウジング30内の潤滑油は、据え付
け状態において下となる位置に集中する分布状態を示す
が、このように分布する潤滑油に対しても前記スラスト
軸受64は、その一部において確実に浸された状態とな
り、良好な潤滑状態が保たれる。これにより、スラスト
軸受64として滑り軸受の採用が可能となり、配設スペー
スの削減、運転音の低減に寄与できる。
【0059】なお以上の実施の形態においては、動力舵
取装置の作動油供給用の油圧ポンプ1への適用例につい
て述べたが、本発明の適用範囲はこれに限るものではな
い。また以上の実施の形態においては、減速装置として
の使用例について述べたが、本発明装置は、増速装置と
して使用も可能であり、この場合においても同様の効果
が得られることは言うまでもない。
取装置の作動油供給用の油圧ポンプ1への適用例につい
て述べたが、本発明の適用範囲はこれに限るものではな
い。また以上の実施の形態においては、減速装置として
の使用例について述べたが、本発明装置は、増速装置と
して使用も可能であり、この場合においても同様の効果
が得られることは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る無段変速
装置においては、入力軸と一体回転する押圧円板と該押
圧円板により押圧される変速リングとの間に介装され、
押圧に伴う反力の負荷下にて両者の相対回転を許容する
スラスト軸受が、押圧円板の外周縁近傍に配してあるか
ら、高速回転時に伝動ハウジング内に環状をなして分布
する潤滑油に対しても前記スラスト軸受の潤滑を良好に
保つことができ、潤滑不良に伴う動作不良の発生を未然
に防止して、入力回転数の増減に応じた無段階での変速
を安定して実現し得るようになる等、本発明は優れた効
果を奏する。
装置においては、入力軸と一体回転する押圧円板と該押
圧円板により押圧される変速リングとの間に介装され、
押圧に伴う反力の負荷下にて両者の相対回転を許容する
スラスト軸受が、押圧円板の外周縁近傍に配してあるか
ら、高速回転時に伝動ハウジング内に環状をなして分布
する潤滑油に対しても前記スラスト軸受の潤滑を良好に
保つことができ、潤滑不良に伴う動作不良の発生を未然
に防止して、入力回転数の増減に応じた無段階での変速
を安定して実現し得るようになる等、本発明は優れた効
果を奏する。
【図1】動力舵取装置に作動油圧を供給するための油圧
ポンプの伝動系における本発明装置の適用例を示す縦断
面図である。
ポンプの伝動系における本発明装置の適用例を示す縦断
面図である。
【図2】リングコーン式の無段変速装置の変速原理の説
明図である。
明図である。
【図3】押圧円板の外観斜視図である。
【図4】本発明装置の動作説明図である。
【図5】本発明装置の動作説明図である。
【図6】従来の無段変速装置の動作説明図である。
【図7】従来の無段変速装置の動作説明図である。
1 油圧ポンプ 2 伝動軸 3 無段変速装置 4 入力軸 6 変速機構 6b ガイド杆 6c 補強環 10 ロータ 11 カムリング 30 伝動ハウジング 31 入力円板 32 出力円板 33 遊星コーン 34 変速リング 43 押しばね 60 カム板 60a カム面 61 押圧円板 62 リング板 63 押圧ローラ 64 スラスト軸受
Claims (1)
- 【請求項1】 入力軸及び出力軸と一体回転する入力円
板及び出力円板をその底面の相異なる位置に転接させた
複数の遊星コーンと、各遊星コーンの円錐面に転接する
変速リングと、前記入力軸と一体回転し、この回転に伴
う遠心力の作用により軸長方向に移動して前記変速リン
グを押圧する押圧円板とを備え、前記押圧により前記遊
星コーンの円錐母線上での前記変速リングの転接位置を
変え、前記出力軸への伝動の際の変速比を無段階に変更
する構成としたリングコーン式の無段変速装置におい
て、前記押圧円板と前記変速リングとの間に介装され、
両者の相対回転を許容しつつ前記押圧に伴う反力を負担
するスラスト軸受を、前記押圧円板の外周縁近傍に具備
することを特徴とする無段変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17961496A JPH1026202A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 無段変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17961496A JPH1026202A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 無段変速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1026202A true JPH1026202A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16068839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17961496A Pending JPH1026202A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 無段変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1026202A (ja) |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP17961496A patent/JPH1026202A/ja active Pending
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