JPH10261543A - コンデンサ - Google Patents
コンデンサInfo
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- JPH10261543A JPH10261543A JP8589397A JP8589397A JPH10261543A JP H10261543 A JPH10261543 A JP H10261543A JP 8589397 A JP8589397 A JP 8589397A JP 8589397 A JP8589397 A JP 8589397A JP H10261543 A JPH10261543 A JP H10261543A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 外部電極と金属電極箔との接続面積・接続強
度が大きく、従って、外部電極と金属電極箔との接続抵
抗が低く、誘電正接の小さいコンデンサの実現。 【解決手段】 アルミニウム電極箔10と誘電体層12と
を、該誘電体層12の一側辺に沿ってマージン部16が形成
されると共に上記アルミニウム電極箔10の一方の端部10
aが誘電体層12の一方の端部12aより突出するように積
層して形成した積層体14を、複数枚積層してコンデンサ
素子18を形成し、さらに上記コンデンサ素子18の両端面
に金属材料を溶射して外部電極20を形成した。
度が大きく、従って、外部電極と金属電極箔との接続抵
抗が低く、誘電正接の小さいコンデンサの実現。 【解決手段】 アルミニウム電極箔10と誘電体層12と
を、該誘電体層12の一側辺に沿ってマージン部16が形成
されると共に上記アルミニウム電極箔10の一方の端部10
aが誘電体層12の一方の端部12aより突出するように積
層して形成した積層体14を、複数枚積層してコンデンサ
素子18を形成し、さらに上記コンデンサ素子18の両端面
に金属材料を溶射して外部電極20を形成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンデンサに係
り、特に、メタリコン製外部電極と金属電極箔との接続
面積・接続強度を大きくすることにより、誘電正接を小
さくすることのできるコンデンサに関する。
り、特に、メタリコン製外部電極と金属電極箔との接続
面積・接続強度を大きくすることにより、誘電正接を小
さくすることのできるコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図8及び図9に示すような、アル
ミニウム箔等の金属電極箔60の表面に、ポリプロピレン
やポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルフ
ァイド等より成る誘電体フィルム62を該誘電体フィルム
62の一側辺に沿ってマージン部64が形成されるように積
層して成る積層体66を形成し、複数枚の上記積層体66を
それぞれのマージン部64が反対側に配されるように積層
し、或いは積層後に巻回してコンデンサ素子68を形成す
ると共に、該コンデンサ素子68の両端面に金属材料を溶
射して外部電極(メタリコン電極)70を形成して成るコ
ンデンサ72が用いられている。
ミニウム箔等の金属電極箔60の表面に、ポリプロピレン
やポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルフ
ァイド等より成る誘電体フィルム62を該誘電体フィルム
62の一側辺に沿ってマージン部64が形成されるように積
層して成る積層体66を形成し、複数枚の上記積層体66を
それぞれのマージン部64が反対側に配されるように積層
し、或いは積層後に巻回してコンデンサ素子68を形成す
ると共に、該コンデンサ素子68の両端面に金属材料を溶
射して外部電極(メタリコン電極)70を形成して成るコ
ンデンサ72が用いられている。
【0003】該コンデンサ72にあっては、各金属電極箔
60が、それぞれ誘電体フィルム62を間に介して対向配置
され、また、積層された各金属電極箔60の一方の端部60
aは、それぞれ交互に左右の外部電極70に接続されてい
る。さらに、上記積層体66の表面には、それぞれ反対側
の側辺に沿って金属電極箔60に覆われていないマージン
部64が所定の幅で形成されている。
60が、それぞれ誘電体フィルム62を間に介して対向配置
され、また、積層された各金属電極箔60の一方の端部60
aは、それぞれ交互に左右の外部電極70に接続されてい
る。さらに、上記積層体66の表面には、それぞれ反対側
の側辺に沿って金属電極箔60に覆われていないマージン
部64が所定の幅で形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のコ
ンデンサ72にあっては、金属電極箔60の一方の端部60a
と誘電体フィルム62の一方の端部62aとが略面一に配置
されていることから、金属電極箔60は一方の端部60aの
端面のみが上記外部電極70と接続された構造となってい
る。このため、外部電極70と金属電極箔60との接続面積
が小さく、両者の接続強度も小さいことから、外部電極
70と金属電極箔60との接続抵抗が比較的高く、その結
果、誘電正接が大きくなってしまうという問題点があっ
た。特に、コンデンサ72に外力が加わった場合に、外部
電極70と金属電極箔60との接続抵抗が高まり、誘電正接
の悪化をもたらしていた。
ンデンサ72にあっては、金属電極箔60の一方の端部60a
と誘電体フィルム62の一方の端部62aとが略面一に配置
されていることから、金属電極箔60は一方の端部60aの
端面のみが上記外部電極70と接続された構造となってい
る。このため、外部電極70と金属電極箔60との接続面積
が小さく、両者の接続強度も小さいことから、外部電極
70と金属電極箔60との接続抵抗が比較的高く、その結
果、誘電正接が大きくなってしまうという問題点があっ
た。特に、コンデンサ72に外力が加わった場合に、外部
電極70と金属電極箔60との接続抵抗が高まり、誘電正接
の悪化をもたらしていた。
【0005】本発明は、従来例の抱える上記の問題を解
決するために案出されたものであり、外部電極と金属電
極箔との接続面積・接続強度が大きく、従って、外部電
極と金属電極箔との接続抵抗が低く、誘電正接の小さい
コンデンサを実現することを目的とする。
決するために案出されたものであり、外部電極と金属電
極箔との接続面積・接続強度が大きく、従って、外部電
極と金属電極箔との接続抵抗が低く、誘電正接の小さい
コンデンサを実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るコンデンサは、金属電極箔と誘電体
層とを、該誘電体層の一側辺に沿ってマージン部が形成
されると共に上記金属電極箔の一方の端部が誘電体層の
一方の端部より突出するように積層して形成した積層体
を、複数枚積層し、或いは積層巻回してコンデンサ素子
を形成し、さらに上記コンデンサ素子の両端面に電極材
料を溶射して外部電極を形成したことを特徴とする。
めに、本発明に係るコンデンサは、金属電極箔と誘電体
層とを、該誘電体層の一側辺に沿ってマージン部が形成
されると共に上記金属電極箔の一方の端部が誘電体層の
一方の端部より突出するように積層して形成した積層体
を、複数枚積層し、或いは積層巻回してコンデンサ素子
を形成し、さらに上記コンデンサ素子の両端面に電極材
料を溶射して外部電極を形成したことを特徴とする。
【0007】また、金属電極箔と誘電体層とを、上記金
属電極箔の一方の端部が上記誘電体層の一方の端部より
突出すると共に、上記金属電極箔の他方の端部を上記誘
電体層が被覆するように積層して形成した積層体を、複
数枚積層し、或いは積層巻回してコンデンサ素子を形成
し、さらに上記コンデンサ素子の両端面に電極材料を溶
射して外部電極を形成したことを特徴とする。上記誘電
体層はポリイミド樹脂で構成することが望ましい。
属電極箔の一方の端部が上記誘電体層の一方の端部より
突出すると共に、上記金属電極箔の他方の端部を上記誘
電体層が被覆するように積層して形成した積層体を、複
数枚積層し、或いは積層巻回してコンデンサ素子を形成
し、さらに上記コンデンサ素子の両端面に電極材料を溶
射して外部電極を形成したことを特徴とする。上記誘電
体層はポリイミド樹脂で構成することが望ましい。
【0008】上記の如く構成されたコンデンサにあって
は、金属電極箔の一方の端部が誘電体層の一方の端部よ
り突出するように積層していることから、外部電極を形
成するためコンデンサ素子の両端面に金属材料を溶射す
ると、突出している金属電極箔の一方の端部の外表面全
体が外部電極と接続され、一方の端部全体が外部電極内
部に深く入り込んだ状態で金属電極箔と外部電極との接
続が成される。従って、外部電極と金属電極箔との接続
面積が大きく、両者の接続強度も大きくなることから、
外部電極と金属電極箔との接続抵抗を小さくすることが
でき、誘電正接も小さくすることができる。
は、金属電極箔の一方の端部が誘電体層の一方の端部よ
り突出するように積層していることから、外部電極を形
成するためコンデンサ素子の両端面に金属材料を溶射す
ると、突出している金属電極箔の一方の端部の外表面全
体が外部電極と接続され、一方の端部全体が外部電極内
部に深く入り込んだ状態で金属電極箔と外部電極との接
続が成される。従って、外部電極と金属電極箔との接続
面積が大きく、両者の接続強度も大きくなることから、
外部電極と金属電極箔との接続抵抗を小さくすることが
でき、誘電正接も小さくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1の実施の形態
に係るコンデンサを図1〜図4に基づいて説明する。図
1において、10は、アルミニウム電極箔であり、また、
12は、半硬化状態でフィルム状と成されている高耐熱性
のポリイミド樹脂より成る誘電体層である。ポリイミド
樹脂は、熱安定性が極めて高く約500℃までは分解し
ない性質を有する高耐熱性樹脂である。そして、上記ア
ルミニウム電極箔10の表面に、上記誘電体層12を積層す
ることにより積層体14を形成する。このとき、誘電体層
12の一側辺に沿ってマージン部16が形成されると共に、
アルミニウム電極箔10の一方の端部10aが誘電体層12の
一方の端部12aより突出するように、アルミニウム電極
箔10の表面に誘電体層12を積層する。
に係るコンデンサを図1〜図4に基づいて説明する。図
1において、10は、アルミニウム電極箔であり、また、
12は、半硬化状態でフィルム状と成されている高耐熱性
のポリイミド樹脂より成る誘電体層である。ポリイミド
樹脂は、熱安定性が極めて高く約500℃までは分解し
ない性質を有する高耐熱性樹脂である。そして、上記ア
ルミニウム電極箔10の表面に、上記誘電体層12を積層す
ることにより積層体14を形成する。このとき、誘電体層
12の一側辺に沿ってマージン部16が形成されると共に、
アルミニウム電極箔10の一方の端部10aが誘電体層12の
一方の端部12aより突出するように、アルミニウム電極
箔10の表面に誘電体層12を積層する。
【0010】次に、図2に示すように、複数枚の積層体
14をそれぞれのマージン部16が反対側に配されるよう交
互に積層していく。所望の枚数の積層体14を積層後、加
圧処理を施し、半硬化状態の誘電体層12を圧縮させるこ
とにより、誘電体層12とアルミニウム電極箔10とを密着
させる。その後、加熱処理を施し、半硬化状態の誘電体
層12を硬化させることにより、誘電体層12とアルミニウ
ム電極箔10とを接着状態と成して、コンデンサ素子18を
形成する。而して、誘電体層12が半硬化状態のまま、複
数枚の積層体14を積層し、積層後に加圧及び加熱処理を
施すため、1枚の積層体14における誘電体層12が積層さ
れていないアルミニウム電極箔10の裏面も、その下に積
層された他の積層体14の誘電体層12と密着及び接着状態
と成されることとなり、積層された全ての積層体14間は
誘電体層12を介して隙間なく接着状態と成されるもので
ある。
14をそれぞれのマージン部16が反対側に配されるよう交
互に積層していく。所望の枚数の積層体14を積層後、加
圧処理を施し、半硬化状態の誘電体層12を圧縮させるこ
とにより、誘電体層12とアルミニウム電極箔10とを密着
させる。その後、加熱処理を施し、半硬化状態の誘電体
層12を硬化させることにより、誘電体層12とアルミニウ
ム電極箔10とを接着状態と成して、コンデンサ素子18を
形成する。而して、誘電体層12が半硬化状態のまま、複
数枚の積層体14を積層し、積層後に加圧及び加熱処理を
施すため、1枚の積層体14における誘電体層12が積層さ
れていないアルミニウム電極箔10の裏面も、その下に積
層された他の積層体14の誘電体層12と密着及び接着状態
と成されることとなり、積層された全ての積層体14間は
誘電体層12を介して隙間なく接着状態と成されるもので
ある。
【0011】さらに、図3及び図4に示すように、上記
コンデンサ素子18の両端面に丹銅や半田等の金属材料を
溶射するメタリコンを施して外部電極20を形成すること
により、第1の実施の形態に係るコンデンサ22は形成さ
れるものである。而して、図4に示すように、各アルミ
ニウム電極箔10は、それぞれ誘電体層12を間に介して対
向配置されると共に、各アルミニウム電極箔10の一方の
端部10aは、それぞれ交互に左右の外部電極20と接続さ
れるものである。本発明においては、上記の通り、アル
ミニウム電極箔10の一方の端部10aが誘電体層12の一方
の端部12aより突出しているので、外部電極20を形成す
るためコンデンサ素子18の両端面に金属材料を溶射する
と、金属材料はアルミニウム電極箔10の一方の端部10a
の端面だけでなく、一方の端部10aの外表面全体に金属
材料が付着することとなる。この結果、アルミニウム電
極箔10の一方の端部10a全体が外部電極20内部に深く入
り込んだ状態で、アルミニウム電極箔10と外部電極20と
の接続が成されている。また、上記積層体14の表面に
は、それぞれ反対側の側辺に沿ってアルミニウム電極箔
10に覆われていないマージン部16が所定の幅で形成され
ている。
コンデンサ素子18の両端面に丹銅や半田等の金属材料を
溶射するメタリコンを施して外部電極20を形成すること
により、第1の実施の形態に係るコンデンサ22は形成さ
れるものである。而して、図4に示すように、各アルミ
ニウム電極箔10は、それぞれ誘電体層12を間に介して対
向配置されると共に、各アルミニウム電極箔10の一方の
端部10aは、それぞれ交互に左右の外部電極20と接続さ
れるものである。本発明においては、上記の通り、アル
ミニウム電極箔10の一方の端部10aが誘電体層12の一方
の端部12aより突出しているので、外部電極20を形成す
るためコンデンサ素子18の両端面に金属材料を溶射する
と、金属材料はアルミニウム電極箔10の一方の端部10a
の端面だけでなく、一方の端部10aの外表面全体に金属
材料が付着することとなる。この結果、アルミニウム電
極箔10の一方の端部10a全体が外部電極20内部に深く入
り込んだ状態で、アルミニウム電極箔10と外部電極20と
の接続が成されている。また、上記積層体14の表面に
は、それぞれ反対側の側辺に沿ってアルミニウム電極箔
10に覆われていないマージン部16が所定の幅で形成され
ている。
【0012】上記構成を有する第1の実施の形態に係る
コンデンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の一方
の端部10aの外表面全体が外部電極20と接続され、一方
の端部10a全体が外部電極20内部に深く入り込んだ状態
でアルミニウム電極箔10と外部電極20との接続が成され
ていることから、外部電極20とアルミニウム電極箔10と
の接続面積を大きくとることができ、両者の接続強度が
大きくなっている。この結果、外部電極20とアルミニウ
ム電極箔10との接続抵抗を小さくすることができ、誘電
正接の小さなコンデンサ22を実現することができるので
ある。
コンデンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の一方
の端部10aの外表面全体が外部電極20と接続され、一方
の端部10a全体が外部電極20内部に深く入り込んだ状態
でアルミニウム電極箔10と外部電極20との接続が成され
ていることから、外部電極20とアルミニウム電極箔10と
の接続面積を大きくとることができ、両者の接続強度が
大きくなっている。この結果、外部電極20とアルミニウ
ム電極箔10との接続抵抗を小さくすることができ、誘電
正接の小さなコンデンサ22を実現することができるので
ある。
【0013】また、誘電体層12をポリイミド樹脂で構成
したため、耐熱性に優れたコンデンサ22となっている。
このため、コンデンサ22の外部からハンダ付の熱等の高
温で加熱された場合にあっても、静電容量の変動や絶縁
耐力の低下といったコンデンサの特性劣化を生じるのを
防止することができる。また、外部電極20の形成に際し
ては、図4に示すように、溶融した金属材料20aがマー
ジン部16に侵入する結果、マージン部16の幅がかなり狭
小化し絶縁耐力の低下を招くと共に、侵入した金属材料
の表面は不均一な形状となり、尖鋭部が生じるため、そ
こに電界が集中し、比較的低い電圧で外部電極20とアル
ミニウム電極箔10の他方の端部10bとの間に沿面コロナ
放電が繰り返し生成されてしまう。このような場合、図
8及び図9に示した従来のコンデンサにあっては、沿面
コロナ放電による熱エネルギによって、金属電極箔60が
加熱されると共に、誘電体フィルム62が熱劣化して絶縁
破壊を生じて、甚だしい場合には誘電体フィルム62の上
下に配された金属電極箔60間が短絡したり、絶縁破壊に
伴う異常な温度上昇によって、コンデンサ素子68が発火
する危険性が生じるが、本実施の形態に係るコンデンサ
22にあっては、上記の通り誘電体層12を高耐熱性のポリ
イミド樹脂で構成していることから、沿面コロナ放電が
繰り返し生成されても、誘電体層12は熱劣化せず、アル
ミニウム電極箔10,10間の短絡やコンデンサ素子18の発
火を防止することができる。
したため、耐熱性に優れたコンデンサ22となっている。
このため、コンデンサ22の外部からハンダ付の熱等の高
温で加熱された場合にあっても、静電容量の変動や絶縁
耐力の低下といったコンデンサの特性劣化を生じるのを
防止することができる。また、外部電極20の形成に際し
ては、図4に示すように、溶融した金属材料20aがマー
ジン部16に侵入する結果、マージン部16の幅がかなり狭
小化し絶縁耐力の低下を招くと共に、侵入した金属材料
の表面は不均一な形状となり、尖鋭部が生じるため、そ
こに電界が集中し、比較的低い電圧で外部電極20とアル
ミニウム電極箔10の他方の端部10bとの間に沿面コロナ
放電が繰り返し生成されてしまう。このような場合、図
8及び図9に示した従来のコンデンサにあっては、沿面
コロナ放電による熱エネルギによって、金属電極箔60が
加熱されると共に、誘電体フィルム62が熱劣化して絶縁
破壊を生じて、甚だしい場合には誘電体フィルム62の上
下に配された金属電極箔60間が短絡したり、絶縁破壊に
伴う異常な温度上昇によって、コンデンサ素子68が発火
する危険性が生じるが、本実施の形態に係るコンデンサ
22にあっては、上記の通り誘電体層12を高耐熱性のポリ
イミド樹脂で構成していることから、沿面コロナ放電が
繰り返し生成されても、誘電体層12は熱劣化せず、アル
ミニウム電極箔10,10間の短絡やコンデンサ素子18の発
火を防止することができる。
【0014】さらに、上記第1の実施の形態に係るコン
デンサ22にあっては、半硬化状態の誘電体層12をアルミ
ニウム電極箔10表面に積層して成る積層体14を複数枚積
層した後、加圧処理を施して誘電体層12とアルミニウム
電極箔10とを密着させ、さらに加熱処理を施して誘電体
層12を硬化せしめるので、ポリイミド樹脂層12とアルミ
ニウム電極箔10とが隙間なく接着状態と成され、その結
果、外部の湿気がコンデンサ素子18内部に侵入するのを
防止することができる。
デンサ22にあっては、半硬化状態の誘電体層12をアルミ
ニウム電極箔10表面に積層して成る積層体14を複数枚積
層した後、加圧処理を施して誘電体層12とアルミニウム
電極箔10とを密着させ、さらに加熱処理を施して誘電体
層12を硬化せしめるので、ポリイミド樹脂層12とアルミ
ニウム電極箔10とが隙間なく接着状態と成され、その結
果、外部の湿気がコンデンサ素子18内部に侵入するのを
防止することができる。
【0015】図5〜図7は、本発明に係る第2の実施の
形態に係るコンデンサ22を示すものである。このコンデ
ンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の他方の端部
10bの表面及び端面を誘電体層12が被覆するようにし
て、アルミニウム電極箔10の表面に誘電体層12を積層す
ることにより積層体14を形成して成り、マージン部を設
けていない点が、上記第1の実施の形態とは異なるもの
である。この積層体14は、アルミニウム電極箔10表面上
の一方の端部10a側をマスクした状態で、溶融したポリ
イミド樹脂をアルミニウム電極箔10の表面に吹付けるこ
とにより形成することができる。すなわち、溶融したポ
リイミド樹脂をアルミニウム電極箔10の表面に吹付ける
と、アルミニウム電極箔10表面上の一方の端部10a側は
マスクされているためポリイミド樹脂は被着されない
が、アルミニウム電極箔10の他方の端部10b側はマスク
されていないためポリイミド樹脂は他方の端部10bの表
面のみならず端面を垂れ下がって覆うこととなる。その
後、ポリイミド樹脂を半硬化状態と成して誘電体層12を
形成すれば、アルミニウム電極箔10の一方の端部10aが
誘電体層12の一方の端部12aより突出すると共に、アル
ミニウム電極箔10の他方の端部10bの表面及び端面を誘
電体層12が被覆した状態の積層体14が形成される。
形態に係るコンデンサ22を示すものである。このコンデ
ンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の他方の端部
10bの表面及び端面を誘電体層12が被覆するようにし
て、アルミニウム電極箔10の表面に誘電体層12を積層す
ることにより積層体14を形成して成り、マージン部を設
けていない点が、上記第1の実施の形態とは異なるもの
である。この積層体14は、アルミニウム電極箔10表面上
の一方の端部10a側をマスクした状態で、溶融したポリ
イミド樹脂をアルミニウム電極箔10の表面に吹付けるこ
とにより形成することができる。すなわち、溶融したポ
リイミド樹脂をアルミニウム電極箔10の表面に吹付ける
と、アルミニウム電極箔10表面上の一方の端部10a側は
マスクされているためポリイミド樹脂は被着されない
が、アルミニウム電極箔10の他方の端部10b側はマスク
されていないためポリイミド樹脂は他方の端部10bの表
面のみならず端面を垂れ下がって覆うこととなる。その
後、ポリイミド樹脂を半硬化状態と成して誘電体層12を
形成すれば、アルミニウム電極箔10の一方の端部10aが
誘電体層12の一方の端部12aより突出すると共に、アル
ミニウム電極箔10の他方の端部10bの表面及び端面を誘
電体層12が被覆した状態の積層体14が形成される。
【0016】上記の如く構成した複数枚の積層体14を、
図6に示すように、誘電体層12で被覆されたアルミニウ
ム電極箔10の他方の端部10bが、それぞれ反対側に配さ
れるよう交互に積層していく。所望の枚数の積層体14を
積層後、加圧処理を施し、半硬化状態の誘電体層12を圧
縮させることにより、誘電体層12とアルミニウム電極箔
10とを密着させる。その後、加熱処理を施し、半硬化状
態の誘電体層12を硬化させることにより、誘電体層12と
アルミニウム電極箔10とを接着状態と成して、コンデン
サ素子18を形成する。
図6に示すように、誘電体層12で被覆されたアルミニウ
ム電極箔10の他方の端部10bが、それぞれ反対側に配さ
れるよう交互に積層していく。所望の枚数の積層体14を
積層後、加圧処理を施し、半硬化状態の誘電体層12を圧
縮させることにより、誘電体層12とアルミニウム電極箔
10とを密着させる。その後、加熱処理を施し、半硬化状
態の誘電体層12を硬化させることにより、誘電体層12と
アルミニウム電極箔10とを接着状態と成して、コンデン
サ素子18を形成する。
【0017】さらに、図7に示すように、上記コンデン
サ素子18の両端面に丹銅や半田等の金属材料を溶射する
メタリコンを施して外部電極20を形成することにより、
本実施の形態に係るコンデンサ22は形成されるものであ
る。而して、図7に示すように、各アルミニウム電極箔1
0は、それぞれ誘電体層12を間に介して対向配置される
と共に、各アルミニウム電極箔10の一方の端部10aは、
それぞれ交互に左右の外部電極16と接続されるものであ
る。上記の通り、アルミニウム電極箔10の一方の端部10
aが誘電体層12の一方の端部12aより突出しているの
で、外部電極20を形成するためコンデンサ素子18の両端
面に金属材料を溶射すると、金属材料はアルミニウム電
極箔10の一方の端部10aの端面だけでなく、一方の端部
10aの外表面全体に金属材料が付着することとなる。こ
の結果、アルミニウム電極箔10の一方の端部10a全体が
外部電極20内部に深く入り込んだ状態で、アルミニウム
電極箔10と外部電極20との接続が成されている。
サ素子18の両端面に丹銅や半田等の金属材料を溶射する
メタリコンを施して外部電極20を形成することにより、
本実施の形態に係るコンデンサ22は形成されるものであ
る。而して、図7に示すように、各アルミニウム電極箔1
0は、それぞれ誘電体層12を間に介して対向配置される
と共に、各アルミニウム電極箔10の一方の端部10aは、
それぞれ交互に左右の外部電極16と接続されるものであ
る。上記の通り、アルミニウム電極箔10の一方の端部10
aが誘電体層12の一方の端部12aより突出しているの
で、外部電極20を形成するためコンデンサ素子18の両端
面に金属材料を溶射すると、金属材料はアルミニウム電
極箔10の一方の端部10aの端面だけでなく、一方の端部
10aの外表面全体に金属材料が付着することとなる。こ
の結果、アルミニウム電極箔10の一方の端部10a全体が
外部電極20内部に深く入り込んだ状態で、アルミニウム
電極箔10と外部電極20との接続が成されている。
【0018】また、この第2の実施の形態に係るコンデ
ンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の他方の端部
10bの表面及び端面を誘電体層12が被覆し、積層体14の
表面にマージン部が存在しないことから、外部電極20の
形成時に金属材料がマージン部内に侵入することはな
く、アルミニウム電極箔10の他方の端部10bと外部電極
20とは端部10bを被覆した誘電体層12によって完全に絶
縁されているものである。
ンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の他方の端部
10bの表面及び端面を誘電体層12が被覆し、積層体14の
表面にマージン部が存在しないことから、外部電極20の
形成時に金属材料がマージン部内に侵入することはな
く、アルミニウム電極箔10の他方の端部10bと外部電極
20とは端部10bを被覆した誘電体層12によって完全に絶
縁されているものである。
【0019】而して、この第2の実施の形態に係るコン
デンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の他方の端
部10bと外部電極20との間にマージン部は存在せず、ア
ルミニウム電極箔10の他方の端部10bと外部電極20と
は、端部10bを被覆した誘電体層12によって完全に絶縁
されていることから、外部電極20の形成に際して溶融し
た金属材料がマージン部に侵入して絶縁耐力の低下を招
いたり、外部電極20とアルミニウム電極箔10の他方の端
部10bとの間に沿面コロナ放電が生成されることがな
く、コンデンサの特性劣化を防止することができる。
デンサ22にあっては、アルミニウム電極箔10の他方の端
部10bと外部電極20との間にマージン部は存在せず、ア
ルミニウム電極箔10の他方の端部10bと外部電極20と
は、端部10bを被覆した誘電体層12によって完全に絶縁
されていることから、外部電極20の形成に際して溶融し
た金属材料がマージン部に侵入して絶縁耐力の低下を招
いたり、外部電極20とアルミニウム電極箔10の他方の端
部10bとの間に沿面コロナ放電が生成されることがな
く、コンデンサの特性劣化を防止することができる。
【0020】尚、上記においては、アルミニウム電極箔
10の表面に、上記誘電体層12を積層することにより形成
した複数枚の積層体14を複数枚積層して成る積層型のコ
ンデンサについて説明したが、本発明はこれに限定され
ることなく、積層後に巻回する工程を経る積層・巻回型
のコンデンサについても適用可能である。
10の表面に、上記誘電体層12を積層することにより形成
した複数枚の積層体14を複数枚積層して成る積層型のコ
ンデンサについて説明したが、本発明はこれに限定され
ることなく、積層後に巻回する工程を経る積層・巻回型
のコンデンサについても適用可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明に係るコンデンサにあっては、金
属電極箔の一方の端部が誘電体層の一方の端部より突出
するように積層していることから、外部電極を形成する
ためコンデンサ素子の両端面に金属材料を溶射すると、
突出している金属電極箔の一方の端部の外表面全体が外
部電極と接続され、一方の端部全体が外部電極内部に深
く入り込んだ状態で金属電極箔と外部電極との接続が成
される。従って、外部電極と金属電極箔との接続面積が
大きく、両者の接続強度も大きくなることから、外部電
極と金属電極箔との接続抵抗を小さくすることができ、
誘電正接の小さなコンデンサを実現することができる。
属電極箔の一方の端部が誘電体層の一方の端部より突出
するように積層していることから、外部電極を形成する
ためコンデンサ素子の両端面に金属材料を溶射すると、
突出している金属電極箔の一方の端部の外表面全体が外
部電極と接続され、一方の端部全体が外部電極内部に深
く入り込んだ状態で金属電極箔と外部電極との接続が成
される。従って、外部電極と金属電極箔との接続面積が
大きく、両者の接続強度も大きくなることから、外部電
極と金属電極箔との接続抵抗を小さくすることができ、
誘電正接の小さなコンデンサを実現することができる。
【図1】本発明に係る積層体を示す断面図である。
【図2】本発明に係るコンデンサ素子を示す断面図であ
る。
る。
【図3】本発明に係るコンデンサの斜視図である。
【図4】本発明に係るコンデンサの部分断面図である。
【図5】本発明に係る他の積層体を示す断面図である。
【図6】本発明に係る他のコンデンサ素子を示す断面図
である。
である。
【図7】本発明に係る他のコンデンサの部分断面図であ
る。
る。
【図8】従来の積層体を示す断面図である。
【図9】従来のコンデンサの部分断面図である。
10 アルミニウム電極箔 12 誘電体層 14 積層体 16 マージン部 18 コンデンサ素子 20 外部電極 22 コンデンサ
Claims (3)
- 【請求項1】 金属電極箔と誘電体層とを、該誘電体層
の一側辺に沿ってマージン部が形成されると共に上記金
属電極箔の一方の端部が誘電体層の一方の端部より突出
するように積層して形成した積層体を、複数枚積層し、
或いは積層巻回してコンデンサ素子を形成し、さらに上
記コンデンサ素子の両端面に電極材料を溶射して外部電
極を形成したことを特徴とするコンデンサ。 - 【請求項2】 金属電極箔と誘電体層とを、上記金属電
極箔の一方の端部が上記誘電体層の一方の端部より突出
すると共に、上記金属電極箔の他方の端部を上記誘電体
層が被覆するように積層して形成した積層体を、複数枚
積層し、或いは積層巻回してコンデンサ素子を形成し、
さらに上記コンデンサ素子の両端面に電極材料を溶射し
て外部電極を形成したことを特徴とするコンデンサ。 - 【請求項3】 上記誘電体層がポリイミド樹脂より成る
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8589397A JPH10261543A (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8589397A JPH10261543A (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10261543A true JPH10261543A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13871574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8589397A Pending JPH10261543A (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10261543A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015122412A (ja) * | 2013-12-24 | 2015-07-02 | 京セラ株式会社 | フィルムコンデンサ |
WO2015199079A1 (ja) * | 2014-06-26 | 2015-12-30 | ギガフォトン株式会社 | ガスレーザ装置及びコンデンサ |
JPWO2015041126A1 (ja) * | 2013-09-20 | 2017-03-02 | 株式会社村田製作所 | コンデンサ部品、コンデンサモジュール、電力変換装置、および、コンデンサ部品の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-19 JP JP8589397A patent/JPH10261543A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015041126A1 (ja) * | 2013-09-20 | 2017-03-02 | 株式会社村田製作所 | コンデンサ部品、コンデンサモジュール、電力変換装置、および、コンデンサ部品の製造方法 |
JP2015122412A (ja) * | 2013-12-24 | 2015-07-02 | 京セラ株式会社 | フィルムコンデンサ |
WO2015199079A1 (ja) * | 2014-06-26 | 2015-12-30 | ギガフォトン株式会社 | ガスレーザ装置及びコンデンサ |
WO2015198457A1 (ja) * | 2014-06-26 | 2015-12-30 | ギガフォトン株式会社 | ガスレーザ装置及びコンデンサ |
US20170033527A1 (en) * | 2014-06-26 | 2017-02-02 | Gigaphoton Inc. | Gas laser device and condenser |
JPWO2015199079A1 (ja) * | 2014-06-26 | 2017-04-20 | ギガフォトン株式会社 | ガスレーザ装置及びコンデンサ |
US10096966B2 (en) | 2014-06-26 | 2018-10-09 | Gigaphoton Inc. | Gas laser device and condenser |
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