JPH10261525A - トランス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は各種電源に使用されるトランスに関
するものであり、高さを低くしたトランスを提供するこ
とを目的としたものである。 【解決手段】 本発明のトランスはコイル１３を巻回す
るコイルボビン１０と、端子１８を植設した端子板１４
を別々に構成し端子１８を植設する肉厚部１６をトラン
スの高さに影響しないように組合せたものに磁心１９を
組合せて構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器の電源
などに利用されるトランスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、各種電子機器は軽薄短小化の要望
により、この電子機器に使用される電源としてのトラン
スにも同様の要望がなされている。

【０００３】従来におけるトランスの代表的なものとし
ては、図６，図７に示すような構成のものが採用されて
いた。図６は従来のトランスの斜視図、図７は同側断面
図である。

【０００４】図６，図７において、コイル１は両端に鍔
２を有したコイルボビン３に巻回され、このコイルボビ
ン３の下側の鍔２と一体に肉厚部４を形成し、この肉厚
部４に端子５を植設し、この端子５にコイル１の引出線
６を接続し、コイルボビン３にはＥＥ型の磁心７を組込
んでトランスとしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成のトラ
ンスにおいては、コイルボビン３の下側の鍔２と一体に
肉厚部４を設け、この肉厚部４に端子５を植設して端子
５の取付強度の確保を図っているため、全体としての高
さが高くなり、電子機器の軽薄短小化に適さないものと
なっていた。

【０００６】本発明は以上のような従来の欠点を除去
し、全体として高さを低くしたトランスを提供すること
を目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のトランスは、コイルを巻装するコイルボビン
と、このコイルボビンを中央部に組込みその両側に上方
に立上がる肉厚部を設けた端子板と、この端子板の肉厚
部の下面に植設され上記コイルの引出線を接続する端子
と、上記コイルボビンと端子板に組込まれる磁心から構
成される。

【０００８】上記構成とすることにより、端子を植設す
る肉厚部はコイルボビンの高さ方向に吸収された形とな
って全体の高さを低くすることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、コイルを巻装するコイルボビンと、このコイルボビ
ンを中央部に組込みその両側に上方に立上がった肉厚部
を設けた端子板と、この端子板の肉厚部の下面に植設さ
れ上記コイルの引出線を接続する端子と、上記コイルボ
ビンと端子板に組込まれる磁心から構成され、コイルボ
ビンと端子板を分割し、端子板の端子を植設する肉厚部
をコイルボビンの高さ方向に突出するように設けている
ため、全体としての高さを低くすることができる。

【００１０】請求項２に記載の発明は、コイルを巻装す
る中空状の筒部からなるコイルボビンと、このコイルボ
ビンの筒部に挿入される内筒を中央部に設けるとともに
外周部に外側面に上記コイルの引出線を接続する端子を
植設する端子部を設けた外筒を有する端子ケースと、上
記コイルボビンおよび端子ケースに組込まれる磁心とで
構成され、端子を植設する肉厚の端子部は外筒の側面に
形成されるため全体の高さを低くでき、しかも外筒でコ
イル部の保護も図れることになる。

【００１１】請求項３に記載の発明は、端子ケースの内
筒にコイルの一方の巻線を巻装し、他方の巻線をコイル
ボビンに巻装した請求項２に記載の構成であり、一方の
コイルと他方のコイルとの絶縁が十分に確保できること
になる。

【００１２】（実施の形態１）以下、本発明の実施の形
態１について図１、図２を用いて説明する。

【００１３】図１は実施の形態１のトランスの主要部分
を示す分解斜視図、図２は同トランスの完成品の斜視図
である。図１、図２において、１０は上端に大きい鍔１
１を持ち、下端に小さい鍔１２を持ったコイルボビン、
１３はこのコイルボビン１０に巻装されたコイル、１４
は中央に磁心を通す開口１５を持ち、上面の両側に肉厚
部１６を上方に立上がるように設けた端子板で、この肉
厚部１６間の肉薄部１７上に上記コイルボビン１０の下
端の鍔１２が載置され接着などで結合される。１８は端
子板１４の肉厚部１６の下面に植設された端子で、この
肉厚部１６に設けた引出溝２０を通って引出されるコイ
ル１３の引出線が接続される。１９はフェライトなどか
らなるＥＥ型の磁心で、コイルボビン１０と端子板１４
を組合せたものに組込まれる。

【００１４】上述のように、端子板１４の肉薄部１７に
コイルボビン１０を結合するため端子板１４の肉厚部１
６はコイルボビン１０の外側に位置し、トランス全体と
しての高さを低くすることができる。

【００１５】（実施の形態２）次に本発明の実施の形態
２について図３〜図５を用いて説明する。図３は本実施
の形態２のトランスの主要部分の分解斜視図、図４は同
完成品の斜視図、図５は同側断面図である。

【００１６】図３〜図５において、１０は上端のみに鍔
１１を有する角筒状のコイルボビン、１３はこのコイル
ボビン１０に巻装されたコイル、２１は端子ケースで合
成樹脂などの絶縁物で構成され、中央部に上記コイルボ
ビン１０内に挿入される角筒状の内筒２２を有し、外周
部にコイルボビン１０に巻装されたコイル１３の外周を
被う外筒２３を有し、さらにこの外筒２３の外側面に複
数の引出溝２０を設けた肉厚の端子部２４が一体に形成
され、この端子部２４の下面には端子１８が複数本植設
されている。１９はフェライトなどからなるＥＥ型の磁
心で端子ケース２１にコイル１３を巻装したコイルボビ
ン１０を組込んだものに上下から組込まれて日の字状の
閉磁路を構成する。

【００１７】なお、磁心１９としてはＥＥ型に限らずＥ
Ｉ型の磁心を用いてもよい。上記構成で、コイルボビン
１０にコイル１３を巻装したものを端子ケース２１の内
筒２２をガイドとして端子ケース２１内に組込み、コイ
ルボビン１０と端子ケース２１の組合せの端部からコイ
ル１３の引出線２５を引出して端子ケース２１の外筒２
３に沿って下方に引出し、端子部２４の引出溝２０で位
置決めしながら端子１８に巻付け、半田付けにより接続
した後、磁心１９を組込んでトランスとする。

【００１８】また、上記実施の形態２においては、コイ
ル１３を全てコイルボビン１０に巻装するものについて
説明したが、コイル１３を構成する一次巻線と二次巻線
との絶縁が必要な場合には、どちらか一方の巻線を端子
ケース２１の内筒２２に巻装し、他方の巻線をコイルボ
ビン１０に巻装し、コイルボビン１０で両巻線間を絶縁
する構成とすることもできる。

【００１９】以上のように本実施の形態２においても、
肉厚の端子部２４が端子ケース２１の外筒２３の外側面
に形成されるため、トランスとしての高さはこの端子部
２４の厚さ分が影響しなくできて低くすることができ
る。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明のトランスは構成さ
れるため、端子を植設する肉厚部がトランス全体の高さ
を決定する要因にならないため、トランスとしての高さ
を低くすることができ、電子機器側の軽薄短小化に十分
対応できるものとなり、工業的価値の大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１におけるトランスの主要
部分の分解斜視図

【図２】同完成品の斜視図

【図３】本発明の実施の形態２におけるトランスの主要
部分の分解斜視図

【図４】同完成品の斜視図

【図５】同側断面図

【図６】従来のトランスの斜視図

【図７】同側断面図

【符号の説明】

１０ コイルボビン １１，１２ 鍔 １３ コイル １４ 端子板 １５ 開口 １６ 肉厚部 １７ 肉薄部 １８ 端子 １９ 磁心 ２１ 端子ケース ２２ 内筒 ２３ 外筒 ２４ 端子部 ２５ 引出線

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイルを巻装するコイルボビンと、この
   コイルボビンを中央部に組込みその両側に上方に立上が
   った肉厚部を設けた端子板と、この端子板の肉厚部の下
   面に植設され上記コイルの引出線を接続する端子と、上
   記コイルボビンと端子板に組込まれる磁心からなるトラ
   ンス。
2. 【請求項２】 コイルを巻装する中空状の筒部からなる
   コイルボビンと、このコイルボビンの筒部に挿入される
   内筒を中央部に設けるとともに外周部に外側面に上記コ
   イルの引出線を接続する端子を植設する端子部を設けた
   外筒を有する端子ケースと、上記コイルボビンおよび端
   子ケースに組込まれる磁心からなるトランス。
3. 【請求項３】 端子ケースの内筒にコイルの一方の巻線
   を巻装し、他方の巻線をコイルボビンに巻装した請求項
   ２に記載のトランス。