JP2587410Y2 - 薄形コイル装置 - Google Patents

薄形コイル装置

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JP2587410Y2
JP2587410Y2 JP1992026930U JP2693092U JP2587410Y2 JP 2587410 Y2 JP2587410 Y2 JP 2587410Y2 JP 1992026930 U JP1992026930 U JP 1992026930U JP 2693092 U JP2693092 U JP 2693092U JP 2587410 Y2 JP2587410 Y2 JP 2587410Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、基板等に実装され、実
装体積を小さくできる薄形トランスや薄形鉄心コイルに
関し、特にそのコアとコイルを組み付けるコイルベース
の構造に関係する。
【0002】
【従来の技術】従来、コアとコイルを用いたコイル装置
として、コアに一つあるいは複数の空芯コイルを装着し
たいわゆる鉄心コイル(インダク)や、複数のコイルを
装着したトランスが知られている。一方、電気・電子装
置の小形・軽量化に伴い、部品も小型・軽量化を要求さ
れており、薄形のコイル装置も、これらの要求に答え、
薄形のものが用いられている。以下、代表して、薄形ト
ランスについて説明する。
【0003】従来知られているこの種の薄形トランス
は、図2から図3に示されるように、絶縁材料より成り
中芯孔7を有する長方形の平板状のコイルベース1と、
該コイルベース1のコイル搭載面上に配置され互いに絶
縁フィルム15、16を介して積層された複数の板状空
芯コイル13、14、17と、該板状空芯コイルの空芯
部及び前記コイルベース1の中芯孔7にコア9、10の
中足11を貫通させて該コイルベース1に組み付けられ
たコア9、10とからなっている。
【0004】コイルベース1は、図2に示すような構造
で、長方形の平板状の絶縁材料よりなり、その中央に
は、組み付けられるコア9、10の中足11、12が挿
入される中芯孔7が設けられ、この中芯孔7の周りを囲
ってコアの中足11、12とコイル13、14、17と
の間を絶縁するための薄い板からなるコア中足絶縁鍔4
がコイル搭載面上に設けられている。更に、コイルベー
ス1の両側においてコイル搭載面上には、その縁に沿っ
て延びるコイルガイド鍔3が設けられており、そのコイ
ルガイド鍔3の外面には、コイルベース1の上面から下
面に延びるコアのヨーク部が嵌め合わされる大きさのコ
アガイド溝6が設けられている。尚、コアガイド溝6の
深さは、その底部に、コア9、10とコイル13、1
4、17との間を絶縁する板状のコア絶縁鍔2が残され
る大きさとしている。コイルベース1の両側縁と直交す
る端面近傍には、コイル13、14、17のリード端2
3(図3参照)を終端する端子8が植設されている。図
3は、このコイルベース1を用いた薄形トランスの組立
を説明する分解外観斜視図である。又、図4は、完成品
の側面図である。図3に示すように、コア中足絶縁鍔4
の外側で1ターンを構成する薄板状の1ターンコイル1
3,14や複数ターンを構成する薄い板状の空芯コイル
17を、各々を絶縁するように上下に薄いフィルム状の
絶縁体15、16を挟んで、その空芯部にコア中足絶縁
鍔4を通してコイルベース1上に搭載する。各コイルの
リード端23を、コイルベース1の両端の端子8のリー
ド端固定部22に半田等で固定する。上下からE型コア
9、10を組み付け接着やばねで固定して、図4に示す
ように完成する。
【0005】尚、図示の例では、コイルガイド鍔3の部
分は、図2及び図4に示される様に、ベース1の下面か
ら下方に突出して台部を形成している。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】最近の小型軽量化の要
求は更に薄いトランスや鉄心コイルを栗求しているが、
前記した構造の場合、さらに、全体を薄くしようとする
とコイルベースを薄くするか、コアを薄くしなければな
らず、全体の強度が保てなかったり、効率を下げなけれ
ばならないという問題があった。
【0007】本考案の課題は、上述の問題を解消して、
コイルベースの大きさや全体の厚さを変えたりせず、ま
た、コイルの効率を下げることなく、コイルベースの構
造を改良することで、コイルの回路数や巻数を増やすこ
とが出来る効率的なコイルベースを用いた薄形コイル装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、上述の課題を
解決するため、従来のコイルベースのコイルが取り付け
られる部分に凹部を設け、この部分は、コイル装置に組
み上げた時コアとコイルの間の絶縁が確保される範囲の
厚さだけ残し、コア絶縁鍔、コイルガイド鍔、コイルベ
ースの端子植設部分は従来の厚さに残して組立後の強度
を確保した構造のコイルベースとするものである。
【0009】即ち、本考案は、絶縁材料より成り中芯孔
を有する長方形の平板状のコイルベースと、該コイルベ
ースのコイル搭載面上に配置され板状空芯コイルと、該
板状空芯コイルの空芯部及び前記コイルベースの中芯孔
にコアの中足を貫通させて該コイルベースに組み付けら
れたコアとからなる薄形トランスおいて、前記コイルベ
ースは、そのコイル搭載面上に、前記中芯孔の周りを囲
う薄板からなり前記コアとコイルを絶縁したコア中足絶
縁鍔が設けられているとともに、コイルベースの両側縁
に沿って前記コイルの両側を案内するコイルガイド鍔が
設けられており、該コイルガイド鍔の外側面にはコイル
ベースの上面から下面に至る前記コアのヨーク部が嵌め
合わされたコアガイド溝が、その底部に前記コアとコイ
ルを絶縁する板状のコア絶縁鍔を残して、設けられてお
り、該コイルベースの前記両側縁と直角方向の端部に前
記コイルのリード部を終端接続した端子が植設されてお
り、該コイルベースは、更に、前記コイル搭載面上に前
記コア中足絶縁鍔の外側で、前記コイルガイド鍔及び端
子の内側の部分に、前記コイルの形状とほぼ同じで若干
大きめの凹部からなるコイル溝が、前記コアとコイル間
の絶縁耐圧に必要な底厚を残して形成されており、該コ
イル溝に前記コイルが配置されていることを特徴とする
薄形コイル装置である。
【0010】
【作用】コイルベースの組立後の強度を確保するため周
辺部の厚さは変えず、コイルベースのコイル装着部を薄
くして凹部を設けることにより、コイルベースの大きさ
や、全体の厚さを変える事なく、コイルの巻数やコイル
の回路数を増やす事が出来る。
【0011】
【実施例】本考案の実施例について以下図面を用いて説
明する。図1は、本考案の一実施例出用いる薄形トラン
スに用いるコイルベースの外観斜視図である。尚、コア
及びコイルは、図3に示されるものが同様に用いられる
ので、図示を省略した。
【0012】図1を参照して、このコイルベース1は、
図2のコイルベースとほぼ同様の構成を有するもので、
同様の部分は同じ参照符号で示した。このコイルベース
1は、そのコイル搭載面上に、更に、コア絶縁鍔2を含
むコイルガイド鍔3とコア中足絶縁鍔4との間に、前記
コイルの形状とほぼ同じで若干大きめの凹部からなる方
形環状のコイル溝20を形成したものである。尚、コイ
ル搭載面上には、コア中足絶縁鍔4の周囲に段差、すな
わちコア中足絶縁鍔段差18と、コア絶縁鍔2を含むコ
イルガイド鍔3の内側に沿ってコア絶縁鍔段差21が形
成される。また、コイル溝20の一部は端子8のリード
端固定部22の方へ伸び出してリード引き出し部を構成
している。
【0013】このコイルベースを用いたトランスの、コ
ア及びコイルとの組み付けは、図3の場合と同じあるの
で、図示説明は省略する。尚、コイルはコイル溝20の
底部上に積み上げられる。
【0014】この構成によれば、コイルベース1のコイ
ル装着部にコイル溝20が形成されることにより、コイ
ルベースの大きさや、全体の厚さを変える事なく、コイ
ルの巻数やコイルの回路数を増やす事が出来るととも
に、コア絶縁鍔2、コイルガイド鍔3及びコア中足絶縁
鍔4の厚みは変わらないので、コイルベース1の強度
は、組立や実装後の取扱いに十分耐える強度を保持出来
る。
【0015】コイルベース1の長手方向が35mm、幅
方向が18mm、高さが4mmで、各コア9及び10の
ヨーク部の厚みが1.5mm、コイルガイド部3の下方
台部の厚さをこのヨーク部の厚さと同じとした例に付い
て、図5及び6を参照して説明する。この例では、コイ
ルベース1のコイル収容部の下面から、コア絶縁鍔2の
高さは2.5mmである(4mm−1.5mm=2.5
mm)。従って、上下のコア9、10が同じ寸法を持つ
ものとすると、各コアの足の高さは、1.25mmとな
る(2.5mm/2=1.25mm)。コイル溝20を
形成する前のコイル装着部分の空間の高さ(すなわちコ
ア中足絶縁鍔4のコイル搭載面からの高さ)が1.0m
mとすると、残るコイル装着部分のコイルベースの厚さ
は1.5mmとなる(2.5mm−1mm=1.5m
m)。本考案に従って、コイル装着部分に刑されたコイ
ル溝20の深さを1.0mmとすると、コイル装着のた
めの空間の高さは2.0mmとなる(1mm+1mm=
2mm)。即ち、上方のコア(図3及び図4の9参照)
のヨーク部の厚さ1.5mmがコイルベースの外側に出
る図4の形状の薄形トランスの場合、全体の高さは5.
5mm(1.5+2.5mm+1.5mm=4.5m
m)であるが、従来のコイルベース(コイル溝20を形
成していない構造のもの)ではコイルを装着するために
使える空間は1.0mmのところ、本考案の場合2.0
mmとれる。従って、同じトランス自体のの容積が同じ
ありながら、倍の大きさのコイルを収容することがで
き。しかも、コイルベースの強度は、コア絶縁鍔2、コ
イルガイド鍔3、コア中足絶縁鍔段差段18の存在によ
り、組立や実装後の取扱いに十分耐える強度を保持して
いた。
【0016】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
従来と同じ体積でコイルベース及びコアの体積を減少さ
せることなく、コイルの数を多く組み込んだ薄形コイル
装置、あるいは、同じ数のコイルを組み込んでコイル溝
の深さ分だけ厚みの薄くされた薄形成層コイルを提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の薄形トランスに用いたコイ
ルベースの外観斜視図。
【図2】従来の薄形トランスに用いたコイルベースの外
観斜視図。
【図3】図2に示すコイルベースを用いて薄形トランス
の組立を説明する分解外観斜視図。
【図4】図3の薄形トランスの側面図。
【図5】図1のコイルベースの実施例の横断面図。
【図6】図5のコイルベースとともに用いられるコア
9、10の横断面図。
【符号の説明】
1 コイルベース 2 コア絶縁鍔 3 コイルガイド鍔 4 コア中足絶縁鍔 6 コアガイド溝 7 中芯孔 8 端子 9 E型コア 10 E型コア 11 コア中足 12 コア中足 13 1ターンコイル 14 1ターンコイル 15 絶縁体フィルム 16 絶縁体フィルム 17 空芯コイル 18 コア中足絶縁鍔段差 19 (リード)引出し部 20 コイル溝 21 コア絶縁鍔段差 22 リード端固定部 23 (コイルの)リード端

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁材料より成り中芯孔を有する長方形
    の平板状のコイルベースと、該コイルベースのコイル搭
    載面上に配置された板状空芯コイルと、該板状空芯コイ
    ルの空芯部及び前記コイルベースの中芯孔にコアの中足
    を貫通させて該コイルベースに組み付けられたコアとか
    らなる薄形コイル装置において、前記コイルベースは、
    そのコイル搭載面上に、前記中芯孔の周りを囲う薄板か
    らなり前記コアとコイルを絶縁したコア中足絶縁鍔が設
    けられているとともに、コイルベースの両側縁に沿って
    前記コイルの両側を案内するコイルガイド鍔が設けられ
    ており、該コイルガイド鍔の外側面にはコイルベースの
    上面から下面に至る前記コアのヨーク部が嵌め合わされ
    たコアガイド溝が、その底部に前記コアとコイルを絶縁
    する板状のコア絶縁鍔を残して、設けられており、該コ
    イルベースの前記両側縁と直角方向の端部に前記コイル
    のリード部を終端接続した端子が植設されており、該コ
    イルベースは、更に、前記コイル搭載面上に前記コア中
    足絶縁鍔の外側で、前記コイルガイド鍔及び端子の内側
    の部分に、前記コイルの形状とほぼ同じで若干大きめの
    凹部からなるコイル溝が、前記コアとコイル間の絶縁耐
    圧に必要な底厚を残して形成されており、該コイル溝に
    前記コイルが配置されていることを特徴とする薄形コイ
    ル装置。
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