JPH10259484A - 金属表面処理装置及び金属表面処理方法 - Google Patents

金属表面処理装置及び金属表面処理方法

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JPH10259484A
JPH10259484A JP6471997A JP6471997A JPH10259484A JP H10259484 A JPH10259484 A JP H10259484A JP 6471997 A JP6471997 A JP 6471997A JP 6471997 A JP6471997 A JP 6471997A JP H10259484 A JPH10259484 A JP H10259484A
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JP
Japan
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ejector nozzle
ejector
surface treatment
metal surface
treatment
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JP6471997A
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English (en)
Inventor
Kunio Goro
邦雄 五老
Tomoshi Miyamoto
智志 宮本
Toru Tsuzuki
融 都築
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車車体3のように水平部3a,3b,3
cを有する被処理物の化成処理において、金属粉等の付
着をより有効に防止することができる金属表面処理装置
及び金属表面処理方法を得る。 【解決手段】 水平移動区間を通過する被処理物3の両
側に位置するように、かつ被処理物3の水平部3a,3
b,3cの位置より50〜150cm上方に位置するよ
うにエジェクターノズルライン5,6を設けてエジェク
ターノズルを配置し、エジェクターノズルに20〜80
リットル/分の処理液2を供給し、これによって生じる
エジェクターノズルからの噴流で水平部3a,3b,3
cの上方の処理液2を攪拌しながら処理を行うことを特
徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等の水
平部を有する被処理物を化成処理槽中の処理液に浸漬し
て化成処理を行う金属表面処理装置及び金属表面処理方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車車体等の金属製品においては、一
般に予備湯洗、脱脂処理、脱脂処理後の水洗を行った
後、耐食性を高めるため金属表面にリン酸塩被膜を形成
する化成処理を行い、その後に電着塗装を施している。
自動車車体等に対し化成処理を行う方法としては、従来
より自動車車体全体を処理液中に浸漬するフルディップ
方式が一般に採用されている。
【0003】このようなフルディップ方式の化成処理に
おいては、化成処理を均一に行うために、化成処理槽に
おける処理液を攪拌させながら処理が行われている。化
成処理を均一に行うため、このような化成処理槽中の処
理液を攪拌する方法として種々の方法が提案されている
(例えば、特開平2−277783号公報、実公平4−
50944号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
車体等の化成処理においては、自動車車体を成形する際
に発生する鉄粉等の金属粉などのゴミが車体に付着した
ままの状態で塗装前処理が行われる。自動車車体に付着
した油や鉄粉等を除去する目的で、通常、アルカリによ
る脱脂処理が行われる。自動車車体の外板等に付着した
鉄粉等は、この脱脂工程においてほとんど除去される
が、内部の袋構造部に溜まったごく一部の鉄粉等は、そ
の後の水洗処理、表面調整処理の工程においても除去さ
れず、化成処理の工程に持ち込まれる。
【0005】上述のように、化成処理の工程において
は、自動車車体等が処理液中に浸漬されるが、この際、
袋構造部内に処理液が入り込むので、袋構造部内の鉄粉
等が処理液中に浮遊し分散する。一般に、この鉄粉等は
処理液に対し1ppm程度含まれるが、その粒径は10
〜50μmと非常に微細なものであるので、鉄粉等の数
としては非常に多量である。このような鉄粉等が自動車
車体等の表面に付着すると、化成処理被膜中に取り込ま
れることとなり、その後の水洗等では除去することがで
きなくなる。従って、後工程の電着塗装の工程において
塗装後の塗膜におけるブツの原因となる。特に、このよ
うな鉄粉等は自動車車体のルーフ部やフード部などの水
平部に多量に付着し、電着塗膜におけるブツの原因とな
っている。
【0006】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、水平部を有する被処理物の化成処理におい
て、金属粉等の付着をより有効に防止することができる
金属表面処理装置及び金属表面処理方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水平部を有す
る被処理物を化成処理槽中の処理液に浸漬し、一定区間
水平に移動させて化成処理を行う金属表面処理装置であ
り、水平移動区間を通過する被処理物の両側に位置する
ように、かつ被処理物の水平部の位置より50〜150
cm上方に位置するようにエジェクターノズルが設けら
れていることを特徴としている。本発明における被処理
物の水平部は、被処理物におけるほぼ水平な部分及び水
平方向から30°までの傾斜部分をも含むものである。
【0008】自動車車体等の一般的な化成処理工程にお
いては、処理槽中の処理液に被処理物が入槽した後、処
理槽中を一定区間水平に移動した後、出槽する。本発明
においては、このような水平移動区間を通過する被処理
物の両側に位置するようにエジェクターノズルが設けら
れており、かつ被処理物の水平部の位置より50〜15
0cm上方に位置するようにエジェクターノズルが設け
られている。エジェクターノズルの位置が水平部の位置
より上方でない場合、水平部上方における処理液の攪拌
を十分に行うことができず、本発明の目的である化成処
理工程における水平部への金属粉等の付着の防止が十分
に達成されない。また、エジェクターノズルの位置が水
平部の位置より上方であっても、50cm未満である
と、被処理物の素材が鉄の場合には、化成ムラを生じる
場合がある。すなわち、被膜に変換される鉄イオンの比
率が減少し、結晶系としてはホーパイトの多い被膜とな
り、耐食性に悪影響がでる場合がある。
【0009】また、エジェクターノズルの位置が、水平
部の位置より150cmを超えて上方である場合には、
エジェクターノズルから噴出される液体による攪拌が水
平部から離れた位置で生じるため、水平部への金属粉等
の付着の防止の効果が十分に発揮されない。また、処理
液の表面に近くなると、エジェクターノズルが空気を抱
き込む場合があり、処理液の攪拌を効果的に行えない場
合がある。
【0010】本発明において、エジェクターノズルは、
水平移動区間の移動距離に応じて適当数設けられる。好
ましくは、各エジェクターノズルが300〜500mm
の間隔となるような個数が配列される。エジェクターノ
ズルを配列する間隔を短くすると、多数のエジェクター
ノズルを配列する必要が生じ、経済的に不利なものとな
る。また、エジェクターノズルを配列する間隔を長くし
すぎると、十分な攪拌が行われない領域が生じ、金属粉
等の付着を防止する本発明の効果が十分に発揮されない
場合がある。
【0011】化成処理工程における金属粉等の付着は、
一般に化成処理工程の初期に生じる。従って、本発明に
おいては、水平移動区間の少なくとも前半の区間におい
てエジェクターノズルによる攪拌が行われることが好ま
しい。従って、処理装置としては、水平移動区間の少な
くとも前半の区間にエジェクターノズルが配列されてい
ることが好ましい。また、エジェクターノズルは、水平
移動区間の全区間に設けられていてもよい。このような
場合、化成処理工程において水平移動区間の全区間にお
いてエジェクターノズルによる攪拌を実施してもよい
し、各エジェクターノズルを独立して制御できるように
し、処理対象である被処理物や化成処理条件等に応じ
て、各エジェクターノズルを独立して稼動させてもよ
い。このような場合、上述のように、少なくとも前半区
間のエジェクターノズルを稼動させるように制御するこ
とが好ましい。
【0012】本発明においては、水平移動区間を通過す
る被処理物の両側にエジェクターノズルが設けられてい
る。エジェクターノズルと被処理物の水平部との幅方向
の距離は、特に限定されるものではないが、エジェクタ
ーノズルからの噴流による攪拌を効率的に利用するため
には、エジェクターノズルと水平部との距離をできるだ
け近付けることが好ましい。
【0013】両側に設けられるエジェクターノズルの配
置の一例として、両側のエジェクターノズルのそれぞれ
が互いに対向するような配置が挙げられる。また、他の
配置例としては、一方側のノズルとノズルの間に他方側
のノズルが位置するように設ける配置も挙げられる。こ
のような場合、一方側のノズルとノズル間の中間の位置
に他方側のノズルが位置するように設けることが一般的
に好ましい。
【0014】以上のように、両側に設けられるエジェク
ターノズルの配置は、特に限定されるものではなく、被
処理物の形状やエジェクターノズルへの液体供給量等の
種々の処理条件を考慮し適宜設定することができる。
【0015】本発明において、被処理物が複数の水平部
を有し、各水平部の高さ位置が異なる場合には、高さ位
置が異なる水平部のそれぞれに対して、複数の配列のエ
ジェクターノズルを設けることが好ましい。例えば、自
動車車体の場合、一般に水平部としてルーフ部及びフー
ド部を有しており、これらの水平部は一般に高さ位置が
異なる。従って、一般に自動車車体を処理する場合、ル
ーフ部及びフード部に対応するようエジェクターノズル
が2段に配列して設けられていることが好ましい。
【0016】本発明の金属表面処理方法は、上記本発明
の金属表面処理装置を用いて表面処理する方法であり、
エジェクターノズルに20〜80リットル/分の流量で
処理液を供給し、これによって生じるエジェクターノズ
ルからの噴流で水平部上方の処理液を攪拌しながら処理
を行うことを特徴としている。
【0017】本発明の処理方法では、エジェクターノズ
ルに20〜80リットル/分、好ましくは30〜50リ
ットル/分の流量で処理液を供給し、水平部上方の処理
液を攪拌している。エジェクターノズルに供給する処理
液の流量が少なすぎると、エジェクターノズルによる十
分な攪拌を行うことができず、金属粉等の付着防止の効
果が十分に得られない場合がある。また、エジェクター
ノズルに供給する処理液の流量が多すぎると、特に素材
が鉄の場合には、化成ムラを生じる場合がある。すなわ
ち、被膜に変換される鉄イオンの比率が減少し、結晶系
としてはホーパイトの多い被膜となり、耐食性に悪影響
がでる場合がある。亜鉛鋼板の場合には、鉄鋼板のよう
な不利はないが、これ以上流量を多くしても効果は変わ
らず、ポンプ容量の増加等の経済的不利点を生ずる。
【0018】本発明の金属表面処理方法において、被処
理物の水平部上方の処理液の攪拌状態は、水平部上方5
cmの箇所で測定される平均流速として5m/秒以上で
あることが好ましい。このような平均流速は、水平部の
複数箇所で測定した平均値として表されるものである。
流速は、例えば三次元電磁流速計(アレック電子社製
「ACM300−A」)を用いて測定することができ
る。
【0019】本発明の金属表面処理方法において用いる
処理液組成は、特に限定されるものではないが、例えば
その処理浴組成として、亜鉛イオン0.5〜2.5g/
リットル、マンガンイオン0.1〜3g/リットル、リ
ン酸イオン5〜40g/リットル、フッ素化合物0.0
5〜3g/リットル(HF換算)、及び、皮膜化成促進
剤として、亜硝酸イオン0.01〜0.5g/リット
ル、過酸化水素0.5〜10g/リットル、及びニトロ
ベンゼンスルフォン酸イオン0.05〜5g/リットル
から選ばれる少なくとも1種の皮膜化成促進剤を含む処
理浴組成が挙げられる。
【0020】亜鉛イオン含有量が0.5g/リットル未
満であると、リン酸塩皮膜にスケや黄錆が発生し、塗装
後耐食性が低下するおそれがある。また2.5g/リッ
トルを超えると、亜鉛系金属表面を有する金属成型物に
対しては、塗装密着性が低下するおそれがある。亜鉛イ
オンのより好ましい含有量は、0.8〜1.5g/リッ
トルである。
【0021】マンガンイオンの含有量が0.1g/リッ
トル未満であると、亜鉛系金属表面を有する場合、塗装
密着性、塗装後耐食性が低下するおそれがある。また3
g/リットルを超えても、格別の効果が得られず経済的
に不利なものとなる。マンガンイオンのより好ましい含
有量は、0.8〜2.0g/リットルである。
【0022】リン酸イオンの含有量が5g/リットル未
満であると、浴組成の変動が大きくなり、安定して良好
な皮膜を形成できなくなるおそれがある。また、リン酸
イオンの含有量が40g/リットルを超えても、より以
上の格別の効果の向上がなく、経済的に不利なものとな
る。リン酸イオンのより好ましい含有量は、10〜20
g/リットルである。
【0023】フッ素化合物の含有量(HF換算)が0.
05g/リットル未満であると、浴組成の変動が大きく
なり、安定して良好な皮膜を形成できなくなるおそれが
ある。また含有量が3g/リットルを超えても、より以
上の格別の効果の向上がなく、経済的に不利なものとな
る。フッ素化合物としては、例えば、フッ酸、珪フッ化
水素酸、硼フッ化水素酸、ジルコニウムフッ酸、チタニ
ウムフッ酸、及びそれらのアルカリ金属塩もしくはアン
モニウム塩等を用いることができる。フッ素化合物のよ
り好ましい含有量は、HF換算で0.3〜1.5g/リ
ットルである。
【0024】処理液中に含有される皮膜化成促進剤とし
ては、上述のように、亜硝酸塩、過酸化水素、及びm−
ニトロベンゼンスルホン酸塩等から選ばれる少なくとも
1種以上を用いることができる。亜硝酸塩を単独で使用
する場合、0.01〜0.5g/リットル含有すること
が好ましい。また過酸化水素を単独で使用する場合は、
0.5〜10g/リットル含有することが好ましい。ま
たm−ニトロベンゼンスルホン酸塩を単独で用いる場合
は、0.05〜5g/リットル含有することが好まし
い。これらの皮膜化成促進剤が上記含有量の範囲よりも
少ない量であると、塩水噴霧試験(SST;JIS−Z
−2371)における耐食性が低下するおそれがある。
また上記含有量の範囲を超えて含有しても、より以上の
格別の効果を得ることができず、経済的に不利なものと
なる。
【0025】さらに、処理液には、硝酸イオン2〜20
g/リットルが含まれていてもよい。さらに、クロレー
トイオンが0.05〜2g/リットル含まれていてもよ
い。さらに、処理液の遊離酸度は、0.5〜2.0ポイ
ントであることが好ましい。処理液の遊離酸度は、処理
液を10ml採取し、ブロムフェノールブルーを指示薬
として、0.1N苛性ソーダで滴定することにより求め
ることができる。0.5ポイント未満であると、処理液
の安定性が低下し、スラッジを生成するおそれが生じ
る。また2.0ポイントを超えると、SSTにおける耐
食性能が低下するおそれがある。
【0026】さらに、処理液中にはニッケルイオンを含
むことができ、ニッケルイオンは0.1〜6.0g/リ
ットルの範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜
2.0g/リットルの範囲である。
【0027】リン酸塩皮膜化成処理の処理温度として
は、室温(20℃)〜70℃の範囲内で適宜選択するこ
とができ、処理時間としては、30秒間以上が好まし
く、さらに好ましくは、1〜2分間で化成処理が行われ
る。
【0028】なお、上述のように金属粉等の付着は、化
成処理工程の初期において生じるので、少なくとも前半
の処理時間において、本発明のエジェクターノズルによ
る攪拌が水平部上方において施されることが好ましい。
【0029】本発明の金属表面処理装置によれば、被処
理物の水平部が通過する位置の上方の処理液を攪拌する
ことができるようにエジェクターノズルが設けられてい
る。このエジェクターノズルから噴出する処理液による
攪拌により、被処理物の水平部上方の処理液を十分に攪
拌することができ、水平部の上に金属粉等が沈着するの
を防止することができる。また、水平部における化成反
応性を高め、金属粉等の付着を減少させることができ
る。従って、化成被膜中に金属粉等が取り込まれること
なく化成処理を行うことができ、後工程における電着塗
装でのブツの発生を防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従う一実施例の
金属表面処理装置を示す概略断面図である。化成処理槽
1内には、処理液2が蓄えられており、化成処理槽1か
ら溢れる処理液2は、オーバーフロータンク8に蓄えら
れる。自動車車体3は、ハンガー4によって吊り下げら
れており、ハンガー4は、コンベア9によって移動す
る。自動車車体3は、ハンガー4に吊り下げられた状態
で、コンベア9によって移動し、化成処理槽1内の処理
液2中に浸漬され、化成処理槽1の処理液2中で一定区
間水平に移動しながら化成処理がなされる。水平移動区
間を通過した後、処理液2から引き上げられ、次工程に
送られる。
【0031】図1に示すように、自動車車体3が処理槽
1内で水平に移動する区間内には、複数のエジェクター
ノズルが配列したエジェクターノズルライン5及び6が
水平方向に延びるように設けられている。これらのエジ
ェクターノズルライン5及び6は、配管7に接続されて
いる。この配管7には、ポンプ(図示せず)により、オ
ーバーフロータンク8内の処理液が供給される。この配
管7に供給された処理液は、エジェクターノズルライン
5及び6に送られ、後述するようにエジェクターノズル
ライン5及び6に取り付けられたエジェクターノズルか
ら処理槽1の内部に噴出され、処理液が攪拌される。な
お、処理槽1内には、図示しないが、入槽部及び底部等
における処理液を攪拌混合するためのライザー(ノズ
ル)が従来の処理槽と同様にして設けられている。
【0032】図2は、図1に示すエジェクターノズルラ
イン5及び6をさらに詳細に説明するための側面図であ
る。自動車車体3は、水平部としてルーフ部3a及びフ
ード部3b,3cを有している。エジェクターノズルラ
イン5は、ルーフ部3aの高さ位置より距離X上方に位
置するように設けられており、エジェクターノズルライ
ン6は、フード部3b,3cの高さ位置より距離Y上方
に位置するように設けられている。本発明においては、
このような距離X及び距離Yが50〜150cmとなる
ように、エジェクターノズルライン5及び6が設けられ
る。
【0033】図3は、図1及び図2に示すエジェクター
ノズルライン5を示す平面図である。図3に示すよう
に、エジェクターノズルライン5は、配管7に接続され
ており、配管7から自動車車体3の両側に位置するライ
ンパイプ5a及び5bに分かれている。ラインパイプ5
a及び5bの内側には、所定の間隔Dで、内側に向かっ
て液体を噴出するように複数のエジェクターノズル10
が取り付けられている。本実施例では、ラインパイプ5
a及び5bの内側に設けられるエジェクターノズル10
がそれぞれ対向する位置に設けられている。しかしなが
ら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
一方のラインパイプ5aのエジェクターノズル10の間
の中間点に、他方のラインパイプ5bのエジェクターノ
ズル10が位置するように設けてもよい。また本実施例
では、図1に示すように、エジェクターノズルライン5
及び6は、水平移動区間のほぼ全区間に渡って設けられ
ている。本実施例では、エジェクターノズル10の先端
と自動車車体3との間隔は、約400mm程度となるよ
うに設定している。
【0034】エジェクターノズルライン5は、自動車車
体3のルーフ部3aの上方の処理液を攪拌するために設
けられている。自動車車体3のフード部3b及び3cの
上方の処理液を攪拌するために設けられるエジェクター
ノズルライン6も、図3に示すエジェクターノズルライ
ン5と同様にして設けられている。
【0035】図4は、本実施例において用いるエジェク
ターノズル10の一例を示す側面図であり、図5は断面
図である。図4及び図5に示すように、エジェクターノ
ズル10は、ノズル部11を有しており、このノズル部
11には、図3に示す配管7及びラインパイプ5aまた
は5bを通り供給される液体(処理液)が供給され、ノ
ズル部11の先端の噴出口11aより噴出する。噴出口
11aから噴出した液体は、ディフューザー12に送ら
れる。噴出口11aから噴出する液体は、高速で噴出し
ディフューザー12に送られるため、周囲の液体を吸い
込みながらディフューザー12に入る。ディフューザー
12からは、ノズル部11からの液体及びディフューザ
ー12が吸い込んだ周囲の液体が共に吐出される。従っ
て、エジェクターノズルを用いれば、ノズルに供給した
液体量よりも多い液体量を噴出させることができる。例
えば、ノズル部11への供給量の約4倍の液体を周囲か
ら吸い込み、合計で5倍量の液体をディフューザー12
から噴出させることができる。従って、比較的小型のポ
ンプを用いて少量の液体をエジェクターノズルに供給し
ても、供給量よりはるかに多い量の液体を噴出させるこ
とができ、多量の液体を循環させ、良好な攪拌状態を得
ることができる。本実施例では、ノズル部11への液体
の供給量の約5倍の液体を噴出することができるエジェ
クターノズルを用いている。
【0036】以下、上記の表面処理装置を用いた具体的
な化成処理の実施例について説明する。実施例1〜3及び比較例1〜2 脱脂処理液として、商品名「サーフクリーナー SD5
50」(日本ペイント社製)を用いて脱脂処理を行い、
表面調整剤として商品名「サーフファイン SN8」
(日本ペイント社製)を用いて表面調整を行った7×1
5cmの大きさを有する冷延鋼板(SPC板)を試験サ
ンプル板として用い、これを自動車車体ルーフ部3a及
びフード部3b,3c上の縦3×横3の9ヵ所にそれぞ
れ貼り付け、上記実施例の表面処理装置で化成処理し
た。化成処理液組成としては、表1に示す組成のものを
用いた。
【0037】
【表1】
【0038】また、水平部であるルーフ部3a及びフー
ド部3b,3cとエジェクターノズルとの間の距離、す
なわち図2に示す距離X及び距離Yが、表2に示すよう
な距離になるように各実施例及び各比較例においてエジ
ェクターノズルライン5,6の位置を調整し、エジェク
ターノズル10に圧力1kg/cm2 で40リットル/
分の流量となるように処理液を供給し、ルーフ部3a及
びフード部3b,3c上方の処理液を攪拌しながら化成
処理を行った。なお、図3に示す間隔D、すなわちエジ
ェクターノズル間の距離は、各実施例及び各比較例にお
いて400mmとなるように設定した。なお、処理温度
は43℃とし、処理時間は、処理槽内における水平移動
区間の通過時間が1分間となるように設定した。化成処
理後、自動車車体から試験サンプル板を取り外した。化
成処理後の試験サンプル板の化成被膜外観を目視により
評価した。評価結果を表2に示す。
【0039】取り外した試験サンプル板に対しては、電
着塗装を行い、塗装後の塗膜の外観を評価した。電着塗
装は、電着塗料として商品名「パワートップV6」(日
本ペイント社製)を用い、液温28℃、塗装電圧250
V、通電時間3分間で行い、160℃で10分間焼き付
けて膜厚20μmの塗膜を得た。塗膜の外観を、塗膜の
ブツを評価することにより行った。塗膜のブツは、7×
15cmのテストピースの電着塗装後のブツの数を目視
で数えることにより行った。評価結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、本発明に従い5
0〜150cm上方の位置にエジェクターノズルを設け
た実施例1〜3は、比較例1及び2の電着塗膜に比べブ
ツが少なく、鉄粉の付着量が少ないことがわかる。
【0042】実施例4〜6及び比較例3〜4 次に、図2に示す距離X及び距離Yを、100cmと一
定にし、エジェクターノズルへの処理液の供給量を表3
のように変化させ、その他は上記実施例1〜3と同様に
して化成処理を行い、得られた試験サンプル板に上記実
施例1〜3と同様にして電着塗装を行い、電着塗装後の
塗膜の外観を評価した。なお、実施例5は、上記実施例
2と同様の条件のものである。評価結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3から明らかなように、本発明の表面処
理方法に従い化成処理がなされた実施例4〜6において
は、電着塗装の塗膜のブツが少なく良好な塗膜外観を示
している。
【0045】実施例7 上記実施例の表面処理装置において、エジェクターノズ
ル10は、水平移動区間のほぼ全区間に渡るように設け
られているが、エジェクターノズルライン5,6の前半
区間のエジェクターノズルのみに処理液を供給して稼動
させ、後半区間のエジェクターノズルは稼動しないよう
に設定し、それ以外は、上記実施例2及び実施例5と同
様の条件となるように設定して、化成処理を行った。そ
の後、電着塗装して、塗膜外観を評価した。その結果、
エジェクターノズルライン5,6の後半区間のエジェク
ターノズルを稼動させない場合にも、実施例2及び実施
例5で得られた塗膜とほぼ同様の塗膜を得ることができ
た。
【0046】
【発明の効果】本発明に従えば、化成処理工程におい
て、処理液中に浮遊している金属粉等の水平部への付着
を抑制することができ、金属粉等が化成被膜中に取り込
まれるのを防止することができる。従って、後工程にお
いて電着塗装等を施す場合、塗膜におけるブツの発生を
極力低減することができ、良好な塗膜外観を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例の金属表面処理装置を示
す概略断面図。
【図2】図1に示す金属表面処理装置におけるエジェク
ターノズルライン近傍を示す側面図。
【図3】図1及び図2に示す金属表面処理装置における
エジェクターノズルラインを示す平面図。
【図4】本発明の一実施例において用いるエジェクター
ノズルの一例を示す側面図。
【図5】本発明の一実施例において用いるエジェクター
ノズルの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1…化成処理槽 2…処理液 3…自動車車体 3a…自動車車体のルーフ部(水平部) 3b,3c…自動車車体のフード部(水平部) 4…ハンガー 5,6…エジェクターノズルライン 7…配管 8…オーバーフロータンク 9…コンベア 10…エジェクターノズル 11…ノズル部 11a…ノズル部の噴出口 12…ディフューザー X…自動車車体のルーフ部とエジェクターノズルライン
5との距離 Y…自動車車体のフード部とエジェクターノズルライン
6との距離 D…エジェクターノズルの設置間隔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平部を有する被処理物を化成処理槽中
    の処理液に浸漬し、一定区間水平に移動させて化成処理
    を行う金属表面処理装置において、 前記水平移動区間を通過する前記被処理物の両側に位置
    するように、かつ前記被処理物の前記水平部の位置より
    50〜150cm上方に位置するようにエジェクターノ
    ズルが設けられていることを特徴とする金属表面処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記エジェクターノズルが300〜50
    0mmの間隔で前記水平移動の方向に配列されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の金属表面処理装置。
  3. 【請求項3】 前記エジェクターノズルが前記水平移動
    区間の全区間に設けられている請求項1または2に記載
    の金属表面処理装置。
  4. 【請求項4】 前記エジェクターノズルが前記水平移動
    区間の少なくとも前半区間に設けられている請求項1ま
    たは2に記載の金属表面処理装置。
  5. 【請求項5】 前記両側に設けられるエジェクターノズ
    ルが互いに対向する位置に設けられている請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の金属表面処理装置。
  6. 【請求項6】 前記両側に設けられるエジェクターノズ
    ルにおいて一方側のノズルとノズルの間の位置に他方側
    のノズルが位置するように設けられている請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の金属表面処理装置。
  7. 【請求項7】 前記被処理物が自動車車体であり、前記
    水平部がルーフ部及びフード部であり、それぞれに対応
    するようにエジェクターノズルが2段に配列して設けら
    れている請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属表面
    処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の金
    属表面処理装置を用いて表面処理する方法であって、 前記エジェクターノズルに20〜80リットル/分の流
    量で処理液を供給し、これによって生じるエジェクター
    ノズルからの噴流で前記水平部上方の処理液を攪拌しな
    がら処理を行うことを特徴とする金属表面処理方法。
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