JPH05148665A - 自動車車体のりん酸塩処理方法及び装置 - Google Patents

自動車車体のりん酸塩処理方法及び装置

Info

Publication number
JPH05148665A
JPH05148665A JP4141984A JP14198492A JPH05148665A JP H05148665 A JPH05148665 A JP H05148665A JP 4141984 A JP4141984 A JP 4141984A JP 14198492 A JP14198492 A JP 14198492A JP H05148665 A JPH05148665 A JP H05148665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
automobile body
phosphating
treatment
iron material
immersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4141984A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Fukutani
賢一 福谷
Keiji Hadate
圭爾 羽立
Daijiro Tani
大二郎 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP4141984A priority Critical patent/JPH05148665A/ja
Publication of JPH05148665A publication Critical patent/JPH05148665A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異種金属、特にアルミニウム又はその合金材
及び鉄材が構成部材として含まれる自動車車体あるいは
鉄材が構成部材である自動車車体をフルディップ方式で
りん酸塩処理する方法および装置を開発する。 【構成】 アルミニウム又はその合金材、及び/又は鉄
材が構成部材として含まれている自動車車体をフルディ
ップ方式にてりん酸塩処理する方法において、自動車車
体に対するりん酸塩処理液の浸漬時の受圧力を浸漬開始
から30秒間は0.3g/cm2 以上とし、浸漬30秒
を超えたとき前記受圧力を前記値より高くして処理する
ことを特徴とする自動車車体のりん酸塩処理方法により
目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はその
合金材及び鉄材が構成部材として適用されている自動車
車体、あるいは鉄材が構成部材である自動車車体のフル
ディップ式りん酸塩処理方法及び装置に関するものであ
り、詳しくは電着塗装前処理用のフルディップ式りん酸
塩処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属塗装の前処理にはディップ方
式(浸漬方式)、スプレー又はデイップの併用方式、及
びスプレー方式が知られているが、自動車車体の塗装前
処理には外部とともに内部をも防錆するためにディップ
方式が多く採用されている。
【0003】そして、一般的にはその塗装前処理を連続
的に行うための処理ラインとして、所謂連続式フルディ
ップ塗装前処理ラインがあり、その塗装前処理ラインは
基本的には脱脂、水洗、表面調整、皮膜化成、水洗等の
ゾーンが含まれており、自動車車体がそれらのゾーンを
連続的に通過するようにコンベヤで搬送されるようにな
っている。
【0004】このフルディップ法によるりん酸塩処理方
法としては、例えば特公昭63−8820号公報、及
び特公昭59−4510号公報に開示されたものが従
来例として周知である。
【0005】前記の従来例は、りん酸塩処理液中から
被処理物に向けて下方から処理液を噴射し、被処理物の
底面凹部にエアーポケットを生じ化成不良を起こす部分
に処理液が充分に接触するようにしている。そして、同
時に処理槽の入槽部に処理液を下方に向けて(被処理物
に向けてではなく)噴射して処理液を波動させて被処理
物の段つきマークが発生するのを防止している。
【0006】前記の従来例は、処理槽の両側面から被
処理物に向けて液面に対し平行方向に処理液を噴射し、
被処理物に対し液面跡が残るのを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車車体は、
鉄鋼板及び亜鉛めっき鋼板で構成されていたが、最近に
なってフード部、ルーフ部、トランクリッド部、フェン
ダー部、ドアー部等にアルミニウム板が多く採用される
ようになってきた。しかしながら、このような自動車車
体を前記従来例のフルディップ方式を用いてそのまま処
理した場合に、処理時間が2〜3分と短く、処理時間に
も問題があるが、アルミニウム板は処理液との接触反応
によってアルミニウムイオンが溶出し、そのアルミニウ
ムイオンがりん酸塩皮膜の形成を阻害する。
【0008】そのために、アルミニウム板には完全なり
ん酸塩皮膜を化成することができず、逆に鉄鋼板面及び
亜鉛めっき鋼板面には完成された皮膜が形成される。
【0009】このように、鉄鋼板面及び亜鉛めっき鋼板
面には完成された皮膜が形成され、アルミニウム板には
不完全皮膜が形成された状態で電着塗装工程に移送され
ると、電着塗装において自動車車体にむらな塗膜が形成
され、不良品になると言う問題点を有している。また、
鉄材が構成部材である自動車車体の場合は、鉄材と処理
液との接触反応によって第1鉄イオンが溶出し、その第
1鉄イオンがりん酸塩皮膜の形成を阻害するため、電着
塗装において自動車車体にむらな塗膜が形成されたり、
処理時間を短縮するのが困難であるという問題を有して
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来例の
課題を解決するための具体的手段を提供するものであ
る。本発明の請求項1の発明は、アルミニウム又はその
合金材、及び/又は鉄材が構成部材として含まれている
自動車車体をフルディップ方式にてりん酸塩処理する方
法において、自動車車体に対するりん酸塩処理液の浸漬
時の受圧力を浸漬開始から30秒間は0.3g/cm2
以上とし、浸漬30秒を超えたとき前記受圧力を前記値
より高くして処理することを特徴とする自動車車体のり
ん酸塩処理方法である。
【0011】本発明の請求項2の発明は、アルミニウム
又はその合金材及び鉄材が構成部材として含まれている
自動車車体の場合は、浸漬開始からの処理時間を2分以
上とすることを特徴とする請求項1に記載の自動車車体
のりん酸塩処理方法である。
【0012】本発明の請求項3の発明は、鉄材が構成部
材である自動車車体の場合は、浸漬開始からの処理時間
を1.5分以上とすることを特徴とする請求項1に記載
の自動車車体のりん酸塩処理方法である。
【0013】本発明の請求項4の発明は、アルミニウム
又はその合金材、及び/又は鉄材が構成部材として含ま
れている自動車車体をフルディップ方式にてりん酸塩処
理する方法において、自動車車体がりん酸塩処理液に浸
漬されて30秒後に、りん酸塩処理液中であって自動車
車体の搬送経路の上下及び左右両側部からりん酸塩処理
液をノズル1個あたりの噴射量20〜70リットル/
分、噴射圧0.5〜5kg/cm2 の条件で噴射させて
浸漬処理することを特徴とする自動車車体のりん酸塩処
理方法である。
【0014】本発明の請求項5の発明は、アルミニウム
又はその合金材及び鉄材が構成部材として含まれている
自動車車体の場合は、浸漬開始からの処理時間を2分以
上とすることを特徴とする請求項4に記載の自動車車体
のりん酸塩処理方法である。
【0015】本発明の請求項6の発明は、鉄材が構成部
材である自動車車体の場合は、浸漬開始からの処理時間
を1.5分以上とすることを特徴とする請求項4に記載
の自動車車体のりん酸塩処理方法である。
【0016】本発明の請求項7の発明は、アルミニウム
又はその合金材、及び/又は鉄材が構成部材として適用
されている自動車車体のフルディップ方式りん酸塩処理
装置において、処理槽内の自動車車体の搬送経路の周囲
にりん酸塩処理液の噴射ノズルを取り付け、その噴射ノ
ズルからの各部位の処理液噴射圧力を自在に調整できる
ように構成されていることを特徴とするりん酸塩処理装
置である。
【0017】
【作用】本発明は、アルミニウム又はその合金材及び鉄
材が構成部材として含まれている自動車車体の場合は、
りん酸塩処理液に浸漬してから30秒以内の間は車体に
対する処理液の受圧を低めにして鉄材表面にホスフォフ
ィライトに富んだりん酸塩皮膜を形成させ、30秒を過
ぎてからは化成不完全なアルミニウム又はアルミニウム
合金材に処理液の受圧を高くして溶出したアルミニウム
イオンを反応面から速やかに除去し、化成性を上げてり
ん酸塩皮膜を化成させるものである。
【0018】また、本発明は、鉄材が構成部材である自
動車車体の場合は、上記のようにりん酸塩処理液に浸漬
してから30秒以内の間は車体に対する処理液の受圧を
低めにして鉄材表面にホスフォフィライトに富んだりん
酸塩皮膜を形成させ、30秒を過ぎてからは、鉄材に処
理液の受圧を高くして、鉄材と処理液との接触反応によ
って溶出した第1鉄イオンを反応面から速やかに除去
し、化成性を上げてホスフォフィライトに富んだりん酸
塩皮膜を化成させるものである。
【0019】被処理物に対するりん酸塩処理液の受圧を
余り低くすると化成性が低下するので、下限は0.3g
/cm2 とし、逆に余り受圧を高くすると鉄面にホパイ
トに富んだ皮膜が生成するので上限は3.0g/cm
2 、好ましくは1.5g/cm2 とする。しかし浸漬し
てから30秒後は鉄面にほぼ皮膜化成が完了しているの
で、被処理物に対する受圧力を高くしても電着塗装下地
として性能低下のしない皮膜を得ることができる。よっ
て浸漬30秒を過ぎてからは、被処理物に対する受圧力
を0.4g/cm2 を超えて、好ましくは1.6g/c
2 〜10.0g/cm2 で処理することにより、アル
ミニウム又はその合金の化成性を向上できる。余り高受
圧でも化成むらや設備コスト面でマイナスになる。浸漬
してから30秒以内の間は、表面流層法をとり入れるの
が望ましい。またアルミニウムの場合は鉄材に比較して
受圧力を高くすることで化成性が向上するので、アルミ
ニウム部に対しては当初より2g/cm2 〜5g/cm
2 の受圧力を用いてもよく、浸漬30秒を過ぎてから
は、受圧力を2g/cm2 〜5g/cm2 あるいはそれ
以上とすることが望ましい。
【0020】浸漬後30秒経ってからの高受圧を得るに
は、りん酸塩処理槽液内の自動車車体の搬送経路の左右
両側全体、底部全体及び上部全体の方向からりん酸塩処
理液をノズルを通じて噴射し、その条件としては、好ま
しくは噴射量をノズル1個当たり20〜70リットル/
分とし、噴射圧を0.5〜5.0kg/cm2 (管内圧
力)として行う。又多数取りつけられているノズルの供
給管の適当部位に開閉バルブを設けて必要に応じて調整
することにより、アルミニウム又はその合金材及び鉄材
が構成部材として含まれている自動車車体のアルミ部位
には化成性を向上させ、鉄部位にはホスフォフィライト
に富んだりん酸塩皮膜を化成させることができ、また、
鉄材が構成部材である自動車車体の場合は、上記のよう
に溶出した第1鉄イオンを反応面から速やかに除去する
ので、化成性を上げてホスフォフィライトに富んだりん
酸塩皮膜を化成させることができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を図示の実施例に基づき説明す
る。尚、本発明による塗装前処理方法は、鉄鋼板、亜鉛
めっき鋼板及びアルミニウム板が組み込まれた自動車車
体あるいは鉄材が構成部材である自動車車体の表面にり
ん酸塩皮膜を形成させるため、連続式フルディップ塗装
前処理ラインを連続的に通過するように搬送しながら脱
脂、表面調整及び皮膜化成をフルディップ方式により行
うものである。
【0022】図1〜5において、1はコンベヤであり、
自動車車体2を片持ちハンガー3で吊垂して移送し、リ
ン酸塩処理液の入った処理タンク4内を通過させ、所謂
フルディップ方式により連続的に皮膜化成処理するもの
である。
【0023】この処理タンク4は、フルディップ方式に
よる連続的な皮膜化成処理に適合するように、上方開放
で自動車車体2の進入部及び退出部の壁面が傾斜し中間
部の底面が平坦な箱形になっており、進入部側底面には
スラッジ集積部4aが形成されている。
【0024】片持ちハンガ3は自動車車体2を吊垂して
搬送するものであって、その形状は限定されるものでは
ないが、断面コ字形又は断面L字形のいずれのものでも
使用可能である。
【0025】前記処理タンク4内の自動車車体2の搬送
経路の上下及び左右両側部全面にわたって処理液を噴射
させるための噴射ノズル5が多数配設され、例えば水平
方向の噴射ノズル5aと、入槽部及び出槽部を除く処理
液面に近接して配設された下方向の噴射ノズル5bと、
処理槽の底面に配設された上方向の噴射ノズル5c及び
入槽側噴射ノズル5dに分類することが出来る。
【0026】前記処理タンク4内での処理液の噴射は各
噴射ノズル当たり20〜70リットル/minの吐出量
で且つ0.5〜5.0kg/cm2 、好ましくは2.0
〜4.0kg/cm2 の吐出圧で実質的にV状に勢いよ
く噴射する容量のものが選ばれ、処理液を自動車車体2
に向かって噴射させるようになっている。尚、入槽側の
噴射ノズル5dは、他の噴射ノズル5a,5b,5cよ
りも低吐出力にセットされている。
【0027】又、前記処理タンク4の入槽側にはオーバ
ーフロータンク6が連続して形成され、該オーバーフロ
ータンク6内に溢出してきた処理液は、循環ポンプ7及
びパイプ8を介して前記噴射ノズル5a,5b,5c,
5dに循環させるように構成されている。
【0028】更に、前記パイプ8から分岐させて出槽側
の上方に延びたライザ9を設け、該ライザにスプレーノ
ズル10が設けられ、出槽側において処理液面上方に搬
送されて来た自動車車体2に向かって処理液がスプレー
されるように構成され、この処理液のスプレーで車体表
面のスラッジ除去及びアルミ表面の皮膜化成不完全を補
足するようにしてある。
【0029】そして、前記各噴射ノズル5a,5b,5
c,5dには夫々流量調整バルブ11a〜11cが設け
られると共に、例えば、図4及び図5の如く互いにノズ
ル設置箇所の違う処理液供給パイプを互い違いに処理タ
ンク4内に設けて、前記流量調整バルブ11a,11b
の開閉によりノズルからの処理液噴射量の調整を行うよ
うにしてある。
【0030】このように構成された装置を用いて本発明
の処理方法について説明すると、コンベヤ1の駆動によ
りハンガー3で吊垂された自動車車体2は連続的に搬送
されて処理タンク4内の処理液にフルディップされる。
噴射ノズル5dからは、鉄鋼板表面に生成するりん酸塩
皮膜がホパイト皮膜でなくフォスフォフィライト皮膜に
なるよう、しかも皮膜の段つきむらが出ないような圧力
で処理液が噴射するよう流量調整バルブを調整すること
によって処理液を噴射させる。
【0031】処理タンク4内の処理液は多数の噴射ノズ
ル5から噴射された処理液により、全体が攪拌された状
態になり、その攪拌状態にある処理液によって自動車車
体2の表面が処理される。つまり、処理液は上述のよう
に多数の噴射ノズル5から、各噴射ノズル当たり20〜
70リットル/minの吐出量で且つ0.5〜5.0k
g/cm2 、好ましくは、2.0〜4.0kg/cm2
の吐出圧で噴射され、その噴射処理液に自動車車体2が
接触することで表面処理され、特にアルミニウム板の表
面は溶出したアルミニウムイオンが、速やかに反応系外
に除去されるので、良好なりん酸塩皮膜化成が行われ、
また、鉄材が構成部材である自動車車体の場合も鉄材か
ら溶出した第1鉄イオンを反応面から速やかに除去する
ので、化成性を上げてホスフォフィライトに富んだりん
酸塩皮膜を化成させることができる。尚、噴射ノズルの
吐出圧を高めることによって処理液の攪拌効果が向上す
る。
【0032】図6のグラフは、アルミニウム又はその合
金材及び鉄材が構成部材として含まれている自動車車体
あるいは鉄材が構成部材である自動車車体の場合につい
て、自動車車体2を処理タンク4内に浸漬後、30秒を
超えてからも処理液噴射圧力を0.5g/cm2 に維持
した場合の皮膜重量を示したものであり、アルミニウム
面に形成されるりん酸塩皮膜重量が処理時間が一定時間
(約4分間)経過しても他の鉄鋼板又は亜鉛めっき鋼板
に比べて、安定していないことが理解できる。また、鉄
材の場合も処理時間が約1.5分以内ではりん酸塩皮膜
重量が安定していないことが理解できる。
【0033】図7のグラフは、浸漬して30秒後に噴射
ノズル5a,5b,5cから処理液を強く噴射させなが
ら処理を行った場合を示すものであり、アルミニウム板
の場合は処理時間2分経過後あたりから皮膜重量が一定
になり、鉄材の場合は処理時間1.5分経過後あたりか
ら皮膜重量が一定になっている。この原因としては、自
動車車体を構成するアルミニウムから溶出したアルミニ
ウムイオンが噴射ノズルの噴射液によって化成表面から
反応系外に瞬時に移動させることによって皮膜形成の妨
害因子が除去されるものと思われ、また、鉄材が構成部
材である自動車車体の場合も鉄材から溶出した第1鉄イ
オンが噴射ノズルの噴射液によって反応面から速やかに
除去されたためと考えられる。
【0034】更に、図7に示したグラフの処理条件につ
いて詳しく述べると、アルミニウム板を自動車車体に取
り付けた自動車車体あるいは鉄材が構成部材である自動
車車体をりん酸塩処理液に浸漬し、30秒間は自動車車
体に対する受圧力0.5g/cm2 、それ以後は3.0
g/cm2 になるように、りん酸塩処理液中にて多数の
噴射ノズルから処理液を噴射させて行ったときの皮膜重
量曲線である。この場合の噴射ノズルからの噴射量は3
0リットル/分/個、噴射圧力は2.0kg/cm2
で、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウムを含むりん酸
亜鉛系化成処理液にて処理を行ったものである。
【0035】効果的には、アルミニウム板を自動車車体
に取り付けた自動車車体の場合は、アルミニウム材が適
用されているフード部、ルーフ部、トランクリッド部を
狙った上部の噴射ノズル5b及びフェンダー部を狙った
両側部の噴射ノズル5aを他ノズルよりも多量噴射及び
高圧力噴射を行うのが良く、また鉄材が構成部材である
自動車車体の場合もこれと同様にして適当な噴射ノズル
を他ノズルよりも多量噴射及び高圧力噴射を行うのが良
い。
【0036】図8に示したグラフは、鉄材の被処理物に
対する初期受圧力を0.4g/cm2 にしておいて、一
定時間経過後に受圧力を5g/cm2 に上げて処理し、
被処理物の表面に形成された皮膜のP比の値(ホスフォ
フィライト/ホスフォフィライト+ホパイト×100)
である。このグラフから解るように、浸漬30秒を経過
してから受圧力を上げれば、高いP比のりん酸塩皮膜を
得ることができる。
【0037】図9に示したグラフは、アルミニウムの被
処理物に対する初期受圧力を30秒間は0.5g/cm
2 として処理し、その後に受圧力を0、1、2、3、5
g/cm2 に調整して処理した時の被膜重量と処理時間
の関係である。なお受圧力の調整は前記の装置の吐出口
からの距離を増減して行った。図9から明らかなよう
に、1.5分以内で反応を完了させるにはアルミニウム
の場合は30秒後の受圧力は2〜5g/cm2 が良い。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る自動車車体のりん酸塩処理
方法は、アルミニウム又はその合金材及び鉄材が構成部
材として含まれている自動車車体あるいは鉄材が構成部
材である自動車車体をフルディップ方式にてりん酸塩処
理する方法であって、自動車車体に対するりん酸塩処理
液の浸漬開始から30秒間は受圧力を0.3g/cm2
以上とし、浸漬30秒を超えたときの前記受圧力を前記
値より高くして処理するようにしたこと、並びに自動車
車体がりん酸塩処理液に浸漬開始から30秒後に、りん
酸塩処理液中であって自動車車体の搬送経路の上下及び
左右両側部からりん酸塩処理液をノズル1個あたりの噴
射量20〜70リットル/分、噴射圧0.5〜5kg/
cm2 の条件で噴射させて浸漬処理されることにより、
初期においては鋼板面にフォスフォフィライト皮膜を化
成させることができ、30秒後には高圧、高攪拌を行う
ので、アルミニウム又はその合金材及び鉄材が構成部材
として含まれている自動車車体とりん酸塩処理との界面
に生じた溶出アルミニウムイオンが直ちに反応系外に移
動され、アルミニウム面に対する皮膜化成の妨害要因が
なくなり、アルミニウム面の化成反応を促進して全体的
に均一なりん酸塩皮膜を形成させることができ、また鉄
材が構成部材として含まれている自動車車体の場合も鉄
材から溶出した第1鉄イオンを反応面から速やかに除去
するので、化成性を上げてホスフォフィライトに富んだ
りん酸塩皮膜を化成させることができると言う優れた効
果を奏する。又、本発明に係るりん酸塩処理装置は、ア
ルミニウム又はその合金材及び鉄材が構成部材として適
用されている自動車車体あるいは鉄材が構成部材である
自動車車体のフルディップ方式りん酸塩処理装置であっ
て、処理槽内の自動車車体の搬送経路の周囲にりん酸塩
処理液の噴射ノズルを多数取り付け、その噴射ノズルか
らの各部位の処理液噴射圧力を自在に調整できるように
構成したことにより、初期の一定時間の処理においては
噴射圧を弱くし、その後の処理においては噴射圧を強く
することで、異種の金属、即ち鋼板及びアルミニウムが
混在する被処理物であっても、全体として均一なりん酸
塩皮膜を形成させることができ、また鉄材のみの被処理
物であっても、従来より短時間の処理時間で全体として
均一なりん酸塩皮膜を形成させることができもると言う
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るりん酸塩処理装置の略示的側面図
である。
【図2】本発明に係るりん酸塩処理装置の略示的平面図
である。
【図3】図1のA−A線に沿う略示的断面図である。
【図4】本発明に係るりん酸塩処理装置の噴射ノズルの
1つを示す説明図である。
【図5】本発明に係るりん酸塩処理装置の噴射ノズルの
1つを示す説明図である。
【図6】一般的な処理による各種金属毎の皮膜重量を示
すグラフである。
【図7】本発明の方法による各種金属毎の皮膜重量を示
すグラフである。
【図8】鉄材の被処理物に対する初期受圧力を0.4g
/cm2 にし一定時間経過後に受圧力を5g/cm2
上げて処理した皮膜のP比の値を示すグラフである。
【図9】アルミニウムの被処理物に対する初期受圧力を
0.5g/cm2 にし、30秒後に受圧力を0〜5g/
cm2 にして処理した時の皮膜重量と処理時間の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 コンベヤ 2 自動車車体 3 ハンガー 4 処理タンク 5 パイプノズル 6 オーバーフロータンク 7 循環ポンプ 8 パイプ 9 ライザ 10 スプレーノズル 11a,11b,11c 流量調整バルブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はその合金材、及び/又
    は鉄材が構成部材として含まれている自動車車体をフル
    ディップ方式にてりん酸塩処理する方法において、自動
    車車体に対するりん酸塩処理液の浸漬時の受圧力を浸漬
    開始から30秒間は0.3g/cm2 以上とし、浸漬3
    0秒を超えたとき前記受圧力を前記値より高くして処理
    することを特徴とする自動車車体のりん酸塩処理方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム又はその合金材及び鉄材が
    構成部材として含まれている自動車車体の場合は、浸漬
    開始からの処理時間を2分以上とすることを特徴とする
    請求項1に記載の自動車車体のりん酸塩処理方法。
  3. 【請求項3】 鉄材が構成部材である自動車車体の場合
    は、浸漬開始からの処理時間を1.5分以上とすること
    を特徴とする請求項1に記載の自動車車体のりん酸塩処
    理方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム又はその合金材、及び/又
    は鉄材が構成部材として含まれている自動車車体をフル
    ディップ方式にてりん酸塩処理する方法において、自動
    車車体がりん酸塩処理液に浸漬されて30秒後に、りん
    酸塩処理液中であって自動車車体の搬送経路の上下及び
    左右両側部からりん酸塩処理液をノズル1個あたりの噴
    射量20〜70リットル/分、噴射圧0.5〜5kg/
    cm2 の条件で噴射させて浸漬処理することを特徴とす
    る自動車車体のりん酸塩処理方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム又はその合金材及び鉄材が
    構成部材として含まれている自動車車体の場合は、浸漬
    開始からの処理時間を2分以上とすることを特徴とする
    請求項4に記載の自動車車体のりん酸塩処理方法。
  6. 【請求項6】 鉄材が構成部材である自動車車体の場合
    は、浸漬開始からの処理時間を1.5分以上とすること
    を特徴とする請求項4に記載の自動車車体のりん酸塩処
    理方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウム又はその合金材、及び/又
    は鉄材が構成部材として適用されている自動車車体のフ
    ルディップ方式りん酸塩処理装置において、処理槽内の
    自動車車体の搬送経路の周囲にりん酸塩処理液の噴射ノ
    ズルを取り付け、その噴射ノズルからの各部位の処理液
    噴射圧力を自在に調整できるように構成されていること
    を特徴とするりん酸塩処理装置。
JP4141984A 1991-05-10 1992-05-08 自動車車体のりん酸塩処理方法及び装置 Pending JPH05148665A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4141984A JPH05148665A (ja) 1991-05-10 1992-05-08 自動車車体のりん酸塩処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-133220 1991-05-10
JP13322091 1991-05-10
JP4141984A JPH05148665A (ja) 1991-05-10 1992-05-08 自動車車体のりん酸塩処理方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05148665A true JPH05148665A (ja) 1993-06-15

Family

ID=26467624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4141984A Pending JPH05148665A (ja) 1991-05-10 1992-05-08 自動車車体のりん酸塩処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05148665A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003073854A (ja) * 2001-09-07 2003-03-12 Toyota Motor Corp 自動車ボディーの化成処理方法
CN110592574A (zh) * 2019-09-17 2019-12-20 天成涂装系统(常州)有限公司 新型薄膜前处理循环系统
CN110621807A (zh) * 2017-05-17 2019-12-27 舍弗勒技术股份两合公司 用于对至少一个构件进行表面改性的方法和用于执行该方法的反应器设备

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003073854A (ja) * 2001-09-07 2003-03-12 Toyota Motor Corp 自動車ボディーの化成処理方法
JP4720050B2 (ja) * 2001-09-07 2011-07-13 トヨタ自動車株式会社 自動車ボディーの化成処理方法
CN110621807A (zh) * 2017-05-17 2019-12-27 舍弗勒技术股份两合公司 用于对至少一个构件进行表面改性的方法和用于执行该方法的反应器设备
CN110592574A (zh) * 2019-09-17 2019-12-20 天成涂装系统(常州)有限公司 新型薄膜前处理循环系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104053820B (zh) 防止酸洗后的钢板表面的黄变的方法
US4402765A (en) Method and apparatus for treating steel sheet structures
US5236565A (en) Process of phosphating before electroimmersion painting
CA1332910C (en) Process of phosphating before electroimmersion painting
US6090254A (en) Process for coating metallic molding articles
YOSHIHARA et al. Phosphate coating techniques for car bodies
JPH05148665A (ja) 自動車車体のりん酸塩処理方法及び装置
US3705817A (en) Method for treating the surfaces of vehicle bodies
GB2039538A (en) Dip phosphating process and apparatus therefor
US2228836A (en) Rust-proofing process
JP2006183128A (ja) 塗装前処理方法及び塗装前処理装置
KR100296372B1 (ko) 금속 성형물의 도장 전처리 방법
US10513781B2 (en) Treatment device for pickling and phosphating metal parts, and treatment method, and treatment plant for galvanizing the metal parts
JPS5825505B2 (ja) 板金構成物の塗装前処理方法及びその装置
EP0065015A1 (en) Method of treating the surface of an object and apparatus therefor
JP4321388B2 (ja) 塗装前処理方法及び塗装前処理装置
JP2006028543A (ja) 塗装前処理方法及び塗装前処理装置
JPS632138Y2 (ja)
JP2864822B2 (ja) アルミニウム合金の表面処理方法
JPS6145155Y2 (ja)
JPS594510B2 (ja) 表面処理方法および表面処理装置
JPH0450944Y2 (ja)
JPH02277783A (ja) 箱形板金被処理物の塗装前処理方法
JPH04304385A (ja) 自動車車体の化成処理方法
JPH10259484A (ja) 金属表面処理装置及び金属表面処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term