JPH10259462A - 耐焼付性および耐摩耗性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材料製摺動部材 - Google Patents

耐焼付性および耐摩耗性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材料製摺動部材

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JPH10259462A
JPH10259462A JP9066491A JP6649197A JPH10259462A JP H10259462 A JPH10259462 A JP H10259462A JP 9066491 A JP9066491 A JP 9066491A JP 6649197 A JP6649197 A JP 6649197A JP H10259462 A JPH10259462 A JP H10259462A
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JP
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Sekihin You
楊  積彬
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐焼付性および耐摩耗性のすぐれた遊離黒鉛
析出鉄系焼結材料製摺動部材を提供する。 【解決手段】 摺動部材を、析出遊離黒鉛形成成分とし
て、C:1.1〜4%、S:0.02〜0.5%、B:
0.01〜0.5%を含有し、硬質粒子としてTiB2
および/またはSiC:0.5〜2%を含有し、さらに
必要に応じて焼結性向上成分としてP:0.05〜0.
6%を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成
(以上、重量%)、並びにパーライトの素地に微細な析
出遊離黒鉛と前記硬質粒子が分散分布した組織を有する
遊離黒鉛析出鉄系焼結材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた耐焼付
性と耐摩耗性を有し、苛酷な条件下での実用に際しても
すぐれた性能を長期に亘って発揮する遊離黒鉛析出鉄系
焼結材料製摺動部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭57−16148号
公報および特公昭57−8860号公報に記載される通
り、パーライトの素地中に原料粉末として配合した炭素
粉末が分散分布した組織を有する鉄系焼結材料が、オイ
ルポンプの歯車やロータリコンレッサの軸受、さらに自
動車のミッション部品などの摺動部材として適用されて
いることが知られている。また、上記の鉄系焼結材料製
摺動部材が、所定の配合組成を有する混合粉末から成形
した圧粉体を、還元性雰囲気中で、原料粉末として配合
した炭素粉末が素地に固溶しない低温、すなわち900
〜1000℃の範囲内の所定温度で焼結することにより
製造されることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の各種駆動
装置の高出力化および軽量化はめざましく、これに伴な
い、これの構造部材である上記摺動部材の使用条件は一
段と厳しさを増す状況にあるが、上記の素地中に相対的
に粗大な未反応残留炭素粉末が分散分布した組織を有す
る従来鉄系焼結材料製摺動部材は、苛酷な条件下での使
用では焼き付きが発生し易く、かつ摩耗進行が促進され
ることと相まって、所望の性能を長期に亘って安定的に
発揮することができないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、耐焼付性および耐摩耗性のすぐ
れた摺動部材を開発すべく研究を行なった結果、原料粉
末として、基本的にFe−B−S合金粉末と炭素粉末、
さらにほう化チタン(以下、TiB2 で示す)粉末およ
び/または炭化けい素(以下、SiCで示す)粉末を用
い、これを所定の配合組成に配合し、混合してなる混合
粉末より成形した圧粉体に、還元性雰囲気中、相対的に
高い焼結温度である1100〜1250℃の範囲内の所
定温度に加熱して炭素粉末を前記Fe−B−S合金粉末
に十分に固溶させ、この状態から望ましくは40℃/mi
n.以下の冷却速度で冷却する焼結を施すと、前記Bおよ
びSが、前記焼結温度で素地中に固溶した炭素を冷却時
に微細な遊離黒鉛として析出するのを著しく促進するよ
うに作用することから、パーライトからなる素地に微細
な遊離黒鉛が析出し、かつ前記TiB2 粉末およびSi
C粉末が微細な硬質粒子(望ましくは平均粒径で2μm
以下)として共に分散した組織を有する鉄系焼結材料が
得られるようになり、この結果の遊離黒鉛析出鉄系焼結
材料で構成された摺動部材は、素地中に微細に分散分布
した前記析出遊離黒鉛によってすぐれた耐焼付性を示
し、かつ前記硬質粒子によってすぐれた耐摩耗性が確保
されるようになり、苛酷な条件下での使用にも長期に亘
ってすぐれた性能を発揮するするようになるという研究
結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、重量%で(以下、%は重量%を
示す)、析出遊離黒鉛形成成分として、C:1.1〜4
%、 S:0.02〜0.5%、B:0.01〜
0.5%、を含有し、硬質粒子として、TiB2 および
/またはSiC:0.5〜2%、を含有し、さらに必要
に応じて、焼結性向上成分として、P:0.05〜0.
6%、を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成、並びにパーライトの素地に微細な析出遊離黒鉛と上
記硬質粒子が分散した組織を有する遊離黒鉛析出鉄系焼
結材料で構成してなる耐焼付性および耐摩耗性のすぐれ
た遊離黒鉛析出鉄系焼結材料製摺動部材に特徴を有する
ものである。
【0006】つぎに、この発明の摺動部材において、こ
れを構成する遊離黒鉛析出鉄系焼結材料の成分組成を上
記の通りに限定した理由を説明する。 (a) C C成分には、素地のパーライトを形成して、これの強度
を向上させると共に、BおよびSの共存作用で素地中に
微細な遊離黒鉛として析出して耐焼付性を向上させる作
用があるが、その含有量が1.1%未満では素地中にフ
ェライトが析出するようになって強度が低下するように
なり、一方その含有量が4%を越えると粒界セメンタイ
トが析出するようになって脆化が急激に発生するように
なることから、その含有量を1.1〜4%と定めた。望
ましくは1.5〜2.5%の含有がよい。
【0007】(b) SおよびB これらの成分には、共存して素地に固溶した炭素を冷却
過程で微細な遊離黒鉛として析出するのを促進させる作
用があり、この場合前記作用を十分に発揮させるには、
原料粉末としてFe中にBおよびSを所定量含有させた
溶湯からアトマイズ法により形成したFe−B−S合金
粉末を使用するのが望ましく、したがって、その含有量
がSおよびBのいずれかでもS:0.02%未満および
B:0.01%未満になると前記作用に所望の効果が得
られないばかりでなく、脆い粒界セメンタイトが析出す
るようになり、一方その含有量がいずれかでもS:0.
5%およびB:0.5%を越えると焼結性が阻害され、
強度が低下するようになることから、その含有量をS:
0.02〜0.5%、B:0.01〜0.5%と定め
た。なお、望ましくはS:0.1〜0.3%、B:0.
05〜0.2%の含有がよい。
【0008】(c) TiB2 および/またはSiC これらの成分には、きわめて硬質なので、パーライト素
地に、望ましくは平均粒径で2μm以下の粒度で分散し
て耐摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.5%未満では所望の耐摩耗性向上効果が得られず、
一方その含有量が2%を超えると、強度が低下するよう
になることから、その含有量を0.5〜2%と定めた。
なお、望ましくは0.8〜1.5%の含有がよい。
【0009】(c) P P成分には、焼結時に液相を形成して焼結性を向上さ
せ、強度の向上に寄与する作用があるので、必要に応じ
て含有されるが、その含有量が0.05%未満では所望
の強度向上効果が得られず、一方その含有量が0.6%
を越えると脆化するようになることから、その含有量を
0.05〜0.6%と定めた。なお、望ましくは0.2
〜0.3%の含有がよい。
【0010】
【発明の実施の形態】ついで、この発明の摺動部材を実
施例により具体的に説明する。原料粉末として、いずれ
も−300メッシュの粒度を有するBおよびSの含有量
を種々変化せしめた各種のFe−B−S合金粉末、炭素
粉末、およびFe−P合金(P:27%含有)粉末、さ
らに平均粒径:1.5μmのTiB2 粉末および同1μ
mのSiC粉末を用意し、これら原料粉末を表1,2に
示される配合組成に配合し、潤滑剤としてステアリン酸
亜鉛:0.5%を加えてV型回転混合機中で30分間混
合した後、6ton /cm2 の圧力で圧粉体にプレス成形
し、ついでメッシュベルト式連続焼結炉にて、アンモニ
ア分解ガス雰囲気中、1100〜1250℃の範囲内の
所定温度に25分間保持後、35℃/min.の冷却速度で
室温まで冷却の条件で焼結することにより、実質的に上
記配合組成と同じ成分組成並びに表1,2に示される素
地組織を有する遊離黒鉛析出鉄系焼結材料で構成され、
かつJIS・Z2550に規定される寸法の引張試験片
および外径:18mm×内径:8mm×厚さ:10mmの寸法
をもった、摺動部材の1種である軸受部材、すなわち本
発明軸受部材1〜10および比較軸受部材1、2をそれ
ぞれ製造した。なお、上記比較軸受部材1、2は、これ
の構成成分のうち遊離黒鉛の析出に影響を及ぼすSおよ
びB成分のいずれかの含有量(表2に※印を付す)がこ
の発明の範囲から外れた組成を有するものである。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】つぎに、この結果得られた各種の軸受部材
について、耐焼付性を評価する目的で、軸受部材にS4
5Cの炭素鋼製軸を挿通し、潤滑油なしの状態で、前記
軸を4000r.p.m.(周速:100m/min.)で回転さ
せながら、これに面圧を漸次増加して行き、軸受部材に
焼付現象が発生した時点の面圧(焼付荷重)を測定し
た。また耐摩耗性を評価する目的で、同じく上記軸受部
材にS45Cの炭素鋼製軸を挿通し、軸回転速度:40
00r.p.m.、面圧力:20kgf/cm2 、運転時間:1時
間の条件で摩耗試験を行ない、軸受摺動面の最大摩耗深
さを測定した。また強度を評価する目的で上記引張試験
片を用いて引張試験を行ない、引張強さを測定した。こ
れらの測定結果を表1,2に示した。
【0014】
【発明の効果】表1,2に示される結果から、本発明軸
受部材1〜10は、いずれもパーライト素地に微細な析
出遊離黒鉛が分散分布した組織を有し、これによってす
ぐれた耐焼付性を示すようになり、同じく素地に分散分
布する微細な硬質粒子による耐摩耗性向上と相まってす
ぐれた性能を示すのに対して、比較軸受部材1、2に見
られるように、SおよびBのうちのいずれかの成分含有
量がこの発明の範囲から外れた組成になると耐焼付性に
所望の向上効果が得られないことが明らかである。上述
のように、この発明の遊離黒鉛析出鉄系焼結材料製摺動
部材は、すぐれた耐焼付性と耐摩耗性を有するので、苛
酷な条件下での実用に際してもすぐれた性能を長期に亘
って発揮するものであり、したがって各種駆動装置の高
出力化および軽量化に十分満足に対応することができる
など工業上有用な特性を有するのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 析出遊離黒鉛形成成分として、 C:1.1〜4%、 S:0.02〜0.5%、 B:0.01〜0.5%、を含有し、硬質粒子として、 ほう化チタンおよび/または炭化けい素:0.5〜2
    %、を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成
    (以上、重量%)、並びにパーライトの素地に微細な析
    出遊離黒鉛と上記硬質粒子が分散した組織を有する遊離
    黒鉛析出鉄系焼結材料で構成したことを特徴とする耐焼
    付性および耐摩耗性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材
    料製摺動部材。
  2. 【請求項2】 析出遊離黒鉛形成成分として、 C:1.1〜4%、 S:0.02〜0.5%、 B:0.01〜0.5%、を含有し、硬質粒子として、 ほう化チタンおよび/または炭化けい素:0.5〜2
    %、を含有し、さらに焼結性向上成分として、 P:0.05〜0.6%、を含有し、残りがFeと不可
    避不純物からなる組成(以上、重量%)、並びにパーラ
    イトの素地に微細な析出遊離黒鉛と上記硬質粒子が分散
    した組織を有する遊離黒鉛析出鉄系焼結材料で構成した
    ことを特徴とする耐焼付性および耐摩耗性のすぐれた遊
    離黒鉛析出鉄系焼結材料製摺動部材。
JP9066491A 1997-03-19 1997-03-19 耐焼付性および耐摩耗性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材料製摺動部材 Pending JPH10259462A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005256062A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Sumitomo Denko Shoketsu Gokin Kk コンプレッサ用軸受

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005256062A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Sumitomo Denko Shoketsu Gokin Kk コンプレッサ用軸受
JP4528542B2 (ja) * 2004-03-10 2010-08-18 住友電工焼結合金株式会社 コンプレッサ用軸受

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Effective date: 20030311