JP2853574B2 - 耐焼付性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材料 - Google Patents

耐焼付性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材料

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JP2853574B2 JP11950694A JP11950694A JP2853574B2 JP 2853574 B2 JP2853574 B2 JP 2853574B2 JP 11950694 A JP11950694 A JP 11950694A JP 11950694 A JP11950694 A JP 11950694A JP 2853574 B2 JP2853574 B2 JP 2853574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、すぐれた耐焼付性を
有し、例えば各種摺動部品などとして適用される遊離黒
鉛析出鉄系焼結材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭57−16148号
公報および特公昭57−8860号公報に記載される通
り、フェライトの素地中に遊離黒鉛が分散分布した組織
を有する遊離黒鉛鉄系焼結材料が知られており、これが
オイルポンプのピストンシリンダや各種軸受などの各種
駆動装置の摺動部品として適用されていることも知られ
ている。また、上記の遊離黒鉛鉄系焼結材料が、所定の
配合組成を有する混合粉末から成形した圧粉体を、還元
性雰囲気中で、原料粉末として配合した黒鉛粉末が素地
に固溶しない低温、すなわち900〜1000℃の範囲
内の所定温度で焼結することにより製造されることも知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の各種駆動
装置の高出力化および軽量化はめざましく、これに伴な
い、これの構造部材である上記摺動部品の使用条件も一
段と厳しさを増す状況にあるが、上記の素地中に相対的
に粗大な未反応残留遊離黒鉛が分散分布した組織を有す
る従来遊離黒鉛鉄系焼結材料は、苛酷な条件下での使用
では焼付けが発生し易く、このような状況に必ずしも満
足に対応することができないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、耐焼付性のすぐれた遊離黒鉛鉄
系焼結材料を開発すべく研究を行なった結果、原料粉末
として、基本的に鉄粉、黒鉛粉末、Fe−S合金粉末、
六方晶窒化ほう(以下、BNで示す)粉末、およびCu
粉末を用い、これを所定の配合組成に配合し、混合して
なる混合粉末より成形した圧粉体に、還元性雰囲気中、
相対的に高い焼結温度である1100〜1250℃の範
囲内の所定温度に加熱して黒鉛粉末を十分に固溶させ、
この状態から望ましくは40℃/min 以下の冷却速度で
冷却する焼結を施すと、前記BNおよびSが、素地中に
固溶した黒鉛がセメンタイトとして析出するのを抑制
し、一方これが遊離黒鉛として析出するのを著しく促進
するように作用することから、フェライトからなる素地
に微細な遊離黒鉛が析出した組織を有する鉄系焼結材料
が得られるようになり、この結果の遊離黒鉛析出鉄系焼
結材料は、すぐれた耐焼付性を示し、摺動部品として用
いた場合に、苛酷な条件下での使用にも満足に対応する
ことができるという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、重量%で(以下、%は重量%を
示す)、C:0.2〜1%、 S:0.1〜1%、
BN:0.05〜1%、 Cu:0.5〜4%、を含有
し、さらに必要に応じて、P:0.05〜0.6%、を
含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成、並び
にフェライトの素地に微細な遊離黒鉛が析出した組織を
有する、耐焼付性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材料
に特徴を有するものである。
【0006】つぎに、この発明の遊離黒鉛析出鉄系焼結
材料において、成分組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 (a) C C成分には、BNおよびSの共存作用で素地中に微細な
遊離黒鉛として析出して強度と耐焼付性を向上させる作
用があるが、その含有量が0.2%未満では遊離黒鉛の
析出が不十分で前記作用に所望の効果が得られず、一方
その含有量が1%を越えると素地にパーライトが形成さ
れるようになって耐焼付性に低下傾向が現われることか
ら、その含有量を0.2〜1%と定めた。望ましくは
0.5〜0.8%の含有がよい。
【0007】(b) SおよびBN これらの成分には、共存して素地に固溶した黒鉛が冷却
過程でセメンタイトとして析出するのを抑制し、一方微
細な遊離黒鉛として析出するのを促進させる作用があ
り、したがって、その含有量がSおよびBNのいずれか
でもS:0.1%未満およびBN:0.05%未満にな
ると前記作用に所望の効果が得られず、一方その含有量
がいずれかでもS:1%およびBN:1%を越えると焼
結性が阻害され、強度が低下するようになることから、
その含有量をS:0.1〜1%、BN:0.05〜1%
と定めた。なお、望ましくは0.1〜0.6%、BN:
0.1〜0.6%の含有がよい。
【0008】(c) Cu Cu成分には、素地に固溶して強度を向上させる作用が
あるが、その含有量が0.5%未満では所望の強度向上
効果が得られず、一方その含有量が4%を越えてもより
一層の強度向上効果は現われず、加えて焼結時の膨脹量
が大きくなって寸法精度低下の原因となることから、そ
の含有量を0.5〜4%と定めた。望ましくは1〜3%
の含有がよい。
【0009】(d) P P成分には、焼結時に液相を形成して焼結性を向上さ
せ、強度の向上に寄与する作用があるので、必要に応じ
て含有されるが、その含有量が0.05%未満では所望
の強度向上効果が得られず、一方その含有量が0.6%
を越えると脆化するようになることから、その含有量を
0.05〜0.6%と定めた。なお、望ましくは0.2
〜0.3%の含有がよい。
【0010】
【実施例】ついで、この発明の遊離黒鉛析出鉄系焼結材
料を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、
いずれも−300メッシュの粒度を有する鉄粉、銅粉、
黒鉛粉末、FeS粉末、およびFe−P合金(P:27
%含有)粉末、さらに平均粒径:10μmのBN粉末を
用意し、これら原料粉末を表1,2に示される配合組成
に配合し、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛:0.5%を
加えてV型回転混合機中で30分間混合した後、6ton
/cm2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、ついでメッシュ
ベルト式連続焼結炉にて、アンモニア分解ガス雰囲気
中、1100〜1250℃の範囲内の所定温度に25分
間保持後、35℃/min の冷却速度で室温まで冷却の条
件で焼結することにより、実質的に上記配合組成と同じ
成分組成並びに表1,2に示される素地組織を有し、か
つJIS・Z2550に規定される寸法の引張試験片お
よび外径:18mm×内径:8mm×厚さ:10mmの寸法を
もった軸受形状の本発明遊離黒鉛析出鉄系焼結材料(以
下、本発明焼結材料という)1〜12および比較遊離黒
鉛析出鉄系焼結材料(以下、比較焼結材料という)1〜
4をそれぞれ製造した。なお、上記比較焼結材料1〜4
は、構成成分のうち遊離黒鉛の析出に影響を及ぼす成分
のいずれかの含有量がこの発明の範囲から外れた組成を
有するものである。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】つぎに、この結果得られた各種の焼結材料
を軸受として用い、これにS45Cの炭素鋼製軸を挿通
し、潤滑油なしの状態で、前記軸を4000r.p.m.で回
転させながら、これに面圧を漸次増加して行き、軸受に
焼付現象が発生した時点の面圧(焼付荷重)を測定し
た。この測定結果を表1,2に示した。また、表1,2
には引張試験結果も示した。
【0014】
【発明の効果】表1,2に示される結果から、本発明焼
結材料1〜12は、いずれもフェライト素地に微細な遊
離黒鉛が分散分布した組織を有し、すぐれた耐焼付性を
示すのに対して、比較焼結材料1〜4に見られるよう
に、C,S、およびBNのうちのいずれかの成分含有量
(表1に※印を付す)がこの発明の範囲から外れた組成
になると耐焼付性に所望の向上効果が得られないことが
明らかである。上述のように、この発明の遊離黒鉛析出
鉄系焼結材料は、例えば各種駆動装置の摺動部品として
用いた場合に、苛酷な条件下でもすぐれた耐焼付性を示
すので、これの高出力化および小型化にも十分満足に対
応することができるなど工業上有用な特性を有するので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 304 C22C 38/16 C22C 38/60 C22C 33/02 103 B22F 3/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.2〜1%、 S:0.1〜1
    %、 六方晶窒化ほう素:0.05〜1%、 Cu:0.5〜
    4%、を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
    成、並びにフェライトの素地に微細な遊離黒鉛が析出し
    た組織を有することを特徴とする耐焼付性のすぐれた遊
    離黒鉛析出鉄系焼結材料。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C:0.2〜1%、 S:0.1〜1
    %、 六方晶窒化ほう素:0.05〜1%、 Cu:0.5〜
    4%、を含有し、さらに、 P:0.05〜0.6%、を含有し、残りがFeと不可
    避不純物からなる組成、並びにフェライトの素地に微細
    な遊離黒鉛が析出した組織を有することを特徴とする耐
    焼付性のすぐれた遊離黒鉛析出鉄系焼結材料。
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