JPH10259136A - ウイルス増殖抑制剤および該ウイルス増殖抑制剤を含有する薬学的組成物 - Google Patents

ウイルス増殖抑制剤および該ウイルス増殖抑制剤を含有する薬学的組成物

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JPH10259136A
JPH10259136A JP9084341A JP8434197A JPH10259136A JP H10259136 A JPH10259136 A JP H10259136A JP 9084341 A JP9084341 A JP 9084341A JP 8434197 A JP8434197 A JP 8434197A JP H10259136 A JPH10259136 A JP H10259136A
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plant
virus growth
growth inhibitor
virus
pharmaceutical composition
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JP9084341A
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Masafumi Yamai
雅文 山井
Yasuo Tanaka
康雄 田中
Seiji Fukuda
清司 福田
Mitsuo Shimada
光男 島田
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TAIYO KORYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用・毒性のない天然物由来のウイルス増
殖抑制剤および該ウイルス増殖抑制剤を含む薬学的組成
物を提供する。 【課題解決手段】 この発明のウイルス増殖抑制剤に
は、アブラナ属に属しその植物体にウイルス増殖抑制物
質を産生する植物、およびニンジン属に属しその植物体
にウイルス増殖抑制物質を産生する植物からなる植物群
の中より選択された少なくとも1以上の植物の該植物体
の全部または一部、該植物体の全部または一部の破砕
物、該植物体の全部または一部の搾汁、および該植物体
の全部または一部の抽出物からなる該植物体成分含有物
質群(植物由来のウイルス増殖抑制成分含有物質群)の
うちから選択された少なくとも1以上を有効成分として
含有させた。そして、この発明の薬学的組成物には、前
記ウイルス増殖抑制剤を含有させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ウイルス増殖抑
制剤および該ウイルス増殖抑制剤を含有した薬学的組成
物に関する。更に詳細には、この発明は、天然植物由来
の安全なウイルス増殖抑制物質を含有するウイルス増殖
抑制剤およびこれらのウイルス増殖抑制剤を含有する薬
学的組成物(各種医薬品、各種口腔用組成物および各種
食品・飲料・嗜好品、その他)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種ウイルスが各種疾患の原因になって
いることはよく知られている。ところで、従来のウイル
ス増殖抑制剤、特に抗アデノウイルス剤としては、プリ
ン・ピリミジン誘導体(特開昭64−68325号)、
生理活性ペプチド(特開平2−78631号)などがあ
る。しかし、従来の抗ウイルス剤は、ウイルスが変性細
胞寄生性を有するという特徴から、抗生物質が選択的に
細菌に対して示すほどの効力はないうえに、合成化合物
であるために細胞毒性、副作用を有する危険性があると
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、細胞毒性
・副作用の危険性を可能な限り解消し、且つ天然物由来
の安全なウイルス増殖抑制剤を提供することを第1の目
的とするものである。さらにまた、この発明は、この発
明にかかる前記ウイルス増殖抑制剤を有効成分として含
有する薬学的組成物に関するものであり、各種ウイルス
の増殖抑制に基づく薬学的作用・効果を有する各種組成
物、たとえば各種医薬品、口腔組成物、食品・飲料・嗜
好品、その他などを提供することを第2の目的とするも
のである。そして、この発明にかかるウイルス増殖抑制
剤および薬学的組成物は、ウイルス増殖を抑制し、もっ
て生体内の免疫機能による正常組織の再生・修復を助け
ることを第3の目的とするものでもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、ウイルス増
殖抑制剤および該ウイルス増殖抑制剤を含有する薬学的
組成物に関するものであり、上記課題を解決するため
に、つぎのような手段により発明を構成することとし
た。すなわち
【0005】(1)『アブラナ科( Crucifer
ae )のアブラナ属 ( Brassica )に属
しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する植
物、およびセリ科( Umbelliferae )の
ニンジン属( Daucus)に属しその植物体内にウ
イルス増殖抑制物質を産生する植物からなる植物群の中
より選択された少なくとも1以上の植物の該植物体の全
部または一部、該植物体の全部または一部の破砕物、該
植物体の全部または一部の搾汁、および該植物体の全部
または一部の抽出物からなる該植物体成分含有物質群
(該植物体由来のウイルス増殖抑制物質含有物質群)の
うちから選択された少なくとも1以上を有効成分として
含有することを特徴とするウイルス増殖抑制剤。』を構
成した。
【0006】(2)『前記(1)記載のウイルス増殖抑
制剤を含有することを特徴とする薬学的組成物.』を構
成した。
【0007】(3)そして、前記(2)記載の薬学的組
成物としては、各種ウイルスの増殖抑制に基づく薬学的
作用・効果を有する各種組成物である医薬品、口腔
組成物、食品・飲料・嗜好品、その他などが例示で
きる。
【0008】まず、前記医薬品としては、ウイルス性
疾患およびウイルス性疾患の諸症状を治療・予防・緩和
する医薬品として、その効能形態からいえば、呼吸器系
薬剤(たとえば、総合感冒剤、鎮咳剤、きょ痰剤、解熱
剤、鎮痛剤、消炎剤など)および消化器系薬剤(たとえ
ば、腹痛などの鎮痛剤、下痢止めなど)が例示できる。
該医薬品の利用形態は、特に限定されることはなく、た
とえば経口内服薬、経皮吸収型外用薬(たとえば、塗り
薬・貼り薬などにより薬効成分を経皮吸収する外用薬な
ど)その他の外用剤などが例示できる。また、該医薬品
の形状形態(製品形態)は、特に限定されることなく、
たとえば錠剤、顆粒剤、散剤(粉剤)、液剤、シロップ
剤、カプセル剤、軟膏、貼り薬、噴霧剤、エアゾル、そ
の他等々が例示される。
【0009】次に、前記口腔用組成物としては、 (a)
医薬品(たとえば、トローチ剤、うがい剤、歯磨き、洗
口液、口中清涼剤など、その他の経皮吸収型外用剤)、
(b)医薬部外品(たとえば、トローチ剤、うがい剤、歯
磨き、洗口液、口中清涼剤など、その他の医薬部外
品)、および (c)化粧品(たとえば、歯磨き、洗口液な
ど、その他の化粧品)が例示できる。
【0010】そして、前記食品・飲料・嗜好品などと
しては、 (a)食品(たとえば、キャンディー、チューイ
ンガム、チョコレート、焼き菓子等その他の菓子、アイ
スクリーム、アイスキャンディー、シャーベット等その
他の冷菓、およびその他の食品)、 (b)飲料(たとえ
ば、炭酸飲料、果実飲料等、乳性飲料等その他の清涼飲
料、酒類、およびその他の飲料)、 (c)嗜好品(たとえ
ば、噛みタバコ等、その他の嗜好品)等々、が例示でき
る。最後に、前記その他としては、動物〔たとえば、
家畜、家禽その他の動物など. この動物にはペットなど
の各種愛玩動物の他に各種飼育・養殖動物を含む.そし
て、動物の種類としては、哺乳類、鳥類、魚類、貝類、
その他の動物等を含む)〕のための動物用医薬品および
飼料・餌等々、が例示できる。
【0011】(4)『前記「植物体の全部または一部の
抽出物」は、植物体の全部または一部の生体物または乾
燥物を水、有機溶剤(特に極性有機溶剤)および無機塩
類・糖類などの各種物質群(つまり、抽出の原理・浸透
圧等を利用して植物生体物等から植物成分を抽出できる
物質群)の単独またはこれらの複数の混合液・混合物を
用いて抽出した各種抽出物であることを特徴とする前記
(1)記載のウイルス増殖抑制剤または前記(2)記載
の薬学的組成物.』を構成した。
【0012】(5)前記(1)のウイルス増殖抑制剤ま
たは前記(2)の薬学的組成物のさらなる具体的なもの
の例示としては、『前記「アブラナ科( Crucif
erae )のアブラナ属 ( Brassica )
に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する
植物」が、キャベツ( Brassica oler
acea L.)である前記(1)記載のウイルス増
殖抑制剤または前記(2)記載の薬学的組成物.』を構
成した。
【0013】(6)また、前記(1)のウイルス増殖抑
制剤または前記(2)の薬学的組成物のさらなる具体的
なものの例示としては、『前記「アブラナ科( Cru
ciferae )のアブラナ属 ( Brassic
a )に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産
生する植物」が、カブ( Brassica rap
a L.)である前記(1)記載のウイルス増殖抑制
剤または前記(2)記載の薬学的組成物.』を構成し
た。
【0014】(7)また、前記(1)のウイルス増殖抑
制剤または前記(2)の薬学的組成物のさらなる具体的
なものの例示としては、『前記「アブラナ科( Cru
ciferae )のアブラナ属 ( Brassic
a )に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産
生する植物」が、ブロッコリー( Brassica
oleracea L.)である前記(1)記載の
ウイルス増殖抑制剤または前記(2)記載の薬学的組成
物.』を構成した。
【0015】(8)また、前記(1)のウイルス増殖抑
制剤または前記(2)の薬学的組成物のさらなる具体的
なものの例示としては、『前記「セリ科( Umbel
liferae )のニンジン属( Daucus )
に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する
植物」が、ニンジン( Daucus carota
L.)である前記(1)記載のウイルス増殖抑制剤
または前記(2)記載の薬学的組成物.』を構成した。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の要旨は、前述のとお
り、(1)『アブラナ科( Cruciferae )
のアブラナ属 ( Brassica )に属しその植
物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する植物、および
セリ科( Umbelliferae )のニンジン属
( Daucus)に属しその植物体内にウイルス増殖
抑制物質を産生する植物からなる植物群の中より選択さ
れた少なくとも1以上の植物の該植物体の全部または一
部、該植物体の全部または一部の破砕物、該植物体の全
部または一部の搾汁、および該植物体の全部または一部
の抽出物からなる該植物体成分含有物質群のうちから選
択された少なくとも1以上を有効成分として含有するこ
とを特徴とするウイルス増殖抑制剤.』および(2)
『前記(1)記載のウイルス増殖抑制剤を含有すること
を特徴とする薬学的組成物.』である。この発明を、発
明の実施の形態に則して、さらに詳細・明確に説明す
る。
【0017】この明細書においていう『ウイルス』と
は、原則としてすべての各種ウイルスをいい、たとえ
ば、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメ
ガロウイルスなどのDNAウイルス、およびインフルエ
ンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイ
ルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、ライノ
ウイルス、ポリオウイルスなどのRNAウイルス、その
他ヒト・動物〔たとえば家畜、家禽その他の動物等(飼
育動物・養殖動物・ペットなどの愛玩動物を含む.そし
て、動物の種類としては、たとえば哺乳類、鳥類、魚
類、貝類等、その他の動物などを含む)〕に対して病原
性を有するウイルス、その他のウイルスを含み、原則と
してウイルスの種類等は限定されない。つまり、この明
細書においていう『ウイルス』は、この発明にかかる
「植物由来のウイルス増殖抑制物質」が動物の種を越え
て有効な作用・効果を奏する場合、当該作用・効果が及
ぶ限り当該「ウイルス」の種類等は何ら限定されない。
【0018】この明細書においていう『ウイルス増殖抑
制物質』とは、各種ウイルスに抗ウイルス作用、殺ウイ
ルス作用等々を有する各種物質をいい、換言すれば各種
ウイルスの内少なくとも1以上のウイルスに対して抗ウ
イルス作用、殺ウイルス作用などの作用・効果、つまり
該ウイルスの増殖を抑制しまたは該ウイルスを殺す作用
・効果、または該ウイルスの活性を鎮静をする作用・効
果を有するすべての各種物質をいう。
【0019】この明細書においていう、『その植物体内
にウイルス増殖抑制物質を産生する植物』の記載におけ
る前記『植物』は、原生植物(原生種)、野生植物(野
生種)、栽培植物(栽培種・食用種)、そのほか組織培
養による培養植物(培養種)等々、該植物の生育環境お
よび産地等を問わない。さらにまた、前記『植物』は、
原生種、各種改良種、または慣用名称等で特定される該
植物の名称等々、該植物の『品種』・『名称』を問わな
い。なお、実施例等で用いる各植物の品種に関する具体
例は後述する。
【0020】この明細書においていう『植物体の全部ま
たは一部』とは、その植物体内にウイルス増殖抑制物質
を産生する植物体がウイルス増殖抑制物質を産生してそ
のウイルス増殖抑制物質を蓄積する該植物体の部位をい
う。具体例で説明すれば、そのウイルス増殖抑制物質が
該植物体の全体にわたって蓄積される場合は該植物体の
全部をいい、一方、そのウイルス増殖抑制物質が該植物
体の一部分(局部的)に蓄積される場合はウイルス増殖
抑制物質が蓄積される該部位(たとえば、根、茎・地下
茎、葉、花、花蕾、花茎、果実、種子、その他の植物体
の構成部位など)をいう。そして、『植物体の全部また
は一部』は、つまり生体物(加工等の処理を施されてい
ない生のままの植物体,以下同じ)または加工物(たと
えば乾燥物)のいずれでもよいのは言うまでもない。
【0021】この明細書においていう『植物体の全部ま
たは一部の破砕物』とは、前記『植物体の全部または一
部』の生体物そのもの破砕物(湿潤物)、または植物体
の生体物そのものを破砕した後に乾燥したもの、または
該植物体自体を乾燥した後に粉砕処理して得た破砕物な
どをいう。破砕物は、たとえばスライス状、チップ状、
粒状、粉状などのものをいいその形態・形状・大きさな
ど破砕物の態様を問わない。破砕物は、植物体の全部ま
たは一部を元の大きさよりも小さい大きさまたは元の形
態と異なる状態にし、後処理に都合のよい大きさ・形状
・形態・状態(たとえば、湿潤状態、乾燥状態または凍
結状態等々)にしたものをいい、破砕後の形状・形態・
状態の態様は問わない。さらにまた、破砕方法について
は、全く限定はない。破砕方法は、たとえばミキサーな
どの適当な公知の電動式各種破砕機械を用いて破砕して
もよく、おろし金・乳鉢・薬研等の手動機器等を用いて
植物体を破砕してもよいのはいうまでもない。また、市
販の植物体の乾燥破砕物をそのまま使用することができ
るのも勿論である。なお、この『植物体の全部または一
部の破砕物』群は、『該植物成分含有物質群』の一形態
をなすのは言うまでもない。したがって、該植物成分含
有物質群には、植物が産生したウイルス増殖抑制物質を
含有することは明らかである。前記『植物体の全部また
は一部の破砕物』のうち、乾燥されたものは、耐変質性
および保存性に優れているので、ウイルス増殖抑制剤の
原料として利用するのに優れている。
【0022】この明細書においていう『植物体の全部ま
たは一部の搾汁』とは、植物体の生体物そのものから、
搾汁器などの公知の許容される機械的手段または手動機
器的手段により植物体を搾り、採取した搾り汁をいう。
この場合、植物体の搾汁の採取に際して、植物体から搾
り汁を搾取するに先立ち、必要に応じて該植物体をミキ
サー、おろし金等により破砕物とした後に前述の許容さ
れる手段により搾り汁を搾取することもできる。なお、
この植物体の搾汁の利用形態としては特に限定されない
のは勿論である。たとえば、該搾汁をそのまま利用する
ことができるし、該搾汁を濃縮または減圧濃縮(好まし
くは約20〜60℃で)したものを利用することもで
き、また該搾汁は搾取した後に凍結して保存しておき使
用時に解凍またはそのままで利用することもできるし、
さらにまた該搾汁は凍結乾燥して粉末状その他の状態に
したものを利用することができるのはいうまでもない。
この『植物体の全部または一部の搾汁』を利用するの
は、たとえばキャベツ、カブ、ブロッコリー、ニンジン
などのように該植物体の全部または一部の水分含量が多
い場合に有効である。なお、この『植物体の全部または
一部の搾汁』群は、『該植物成分含有物質群』の一形態
をなすのは言うまでもない。したがって、該植物成分含
有物質群には、植物が産生したウイルス増殖抑制物質を
含有することは明らかである。『植物体の全部または一
部の搾汁』のうち、乾燥されたものは、耐変質性および
保存性に優れているので、ウイルス増殖抑制剤の原料と
して利用するのに優れている。
【0023】この明細書にいう『植物体の全部または一
部の抽出物』とは、植物体の全部または一部の生体物
(湿潤物)・乾燥物または該植物体の前記破砕物または
該植物体の前記搾汁(湿潤物・乾燥物)等に、抽出溶剤
(抽出溶媒)などを所定量添加し、室温または加温など
の条件下で所定時間、抽出処理して得た抽出物をいう。
【0024】前記抽出操作に利用することができる抽出
溶剤(抽出溶媒)は、水、有機溶剤および無機塩類・糖
類などの各種物質群(つまり、抽出の原理・浸透圧等を
利用して植物生体から植物成分を抽出できる物質群)の
単独またはこれら複数の混合液・混合物を利用すること
ができる。前記有機溶剤とは、水と任意の割合に溶解し
得る極性有機溶剤または水とある程度の割合で溶解し得
る極性有機溶剤をいい、具体的にはメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブ
タノールなどの1価アルコール類、プロピレングリコー
ルなどの2価アルコール類(ジオール類)、グリセロー
ルなどの3価アルコール類(トリオール類)、アセトン
などのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、酢酸・
クエン酸などのカルボン酸類・その他の許容される有機
酸類等々、各種極性有機溶剤・各種有機化合物などが利
用できる。なかでも、ウイルス増殖抑制剤の形態および
該ウイルス増殖抑制剤を含有する薬学的組成物の具体的
な実施の形態を考慮した場合、抽出溶剤としては、水、
エタノール、エタノール水溶液が特に好ましい。したが
って、抽出溶剤としては、焼酎(ホワイトリカー)、ウ
ィスキー、ブランディー(果汁を原料とした醸造酒を蒸
留した酒)などの許容される各種蒸留酒、清酒、ぶどう
酒などの許容される各種醸造酒などもまたこの発明にか
かるウイルス増殖抑制剤またはウイルス増殖抑制剤を含
有する薬学的組成物の最終製品の目的に応じて利用する
ことができる。
【0025】また、その化合物が有する浸透圧の作用を
利用して植物生体から植物成分を抽出するのに利用でき
る物質群とは、食塩などその他のウイルス増殖抑制剤に
許容される無機塩類、グルコース(ブドウ糖)、フラク
トース(果糖)、スクロース(ショ糖/砂糖)、マルト
ース(麦芽糖)、オリゴ糖などその他のウイルス増殖抑
制剤として許容される糖類、その他にハチミツ、水飴
(原料が米・デンプン等の水飴)、麦芽水飴(原料が麦
芽の水飴)などその他のウイルス増殖抑制剤として許容
される食品群などの内から選択された単独または複数の
混合液・混合物またはこれらと前記抽出溶剤(水・有機
溶剤・その他)などとの混合物・混合液が利用すること
ができる。この浸透圧・抽出の原理等を利用して植物生
体から植物体成分(植物由来のウイルス増殖抑制物質)
を抽出する場合において、前記無機塩類、糖類を利用す
るときは、無機塩類・糖類そのものを単独で利用するこ
とができるが、これらの無機塩類・糖類等を水等(前記
水および有機溶剤等)に溶解した無機塩類の水溶液等
(前記水および有機溶剤などの抽出用溶剤溶液を含む.
以下同様)または各種単一糖類・塩類等(糖類および無
機塩類等.以下同じ)の水溶液等、複数糖類・塩類等の
混合物(複数の糖類・塩類)の水溶液等を利用すること
もできるのは勿論である。なお、無機塩類・糖類等の水
溶液等の濃度は、いずれも適当濃度液〜飽和溶液を利用
することができ、必要ならば抽出時において植物体から
細胞液等が浸出しても抽出用溶液の濃度が常に前記糖類
・塩類等の飽和状態を保ち得るように該飽和量を越えた
量の無機塩類・糖類等を予め投入した液(過飽和液)を
用いることができる。
【0026】ところで、発明者らは、この発明にかかる
ウイルス増殖抑制剤が、植物体において水に溶ける状態
で存在・分布する場合が多いことを経験上知見として得
ているので、抽出用溶剤または抽出用物質としては、前
記極性有機溶剤、水および前記浸透圧・抽出原理等を利
用して植物成分を抽出するのに利用できる物質群の内か
ら選択された1(単独)または複数の混合物・混合液を
利用することが好ましい。
【0027】前記抽出操作に使用される植物体の全部ま
たは一部(被抽出原料)の形態は、許容される抽出方法
である限り、被抽出原料の生体物(湿潤物)、乾燥物お
よびその混合物のうちのいずれか1または複数でもよい
のは勿論である。そして、前記被抽出原料と抽出に使用
される前記抽出溶剤との量的比率は、原則として何ら制
限はない。前記被抽出原料である『植物体の全部または
一部』の形態により適宜決定されることになる。たとえ
ば、被抽出原料が乾燥物である場合、被抽出原料1に対
して抽出溶剤(液体)の量は1〜1000重量倍が利用
でき1〜100重量倍が好ましい。また、被抽出原料が
水分を含むものたとえば植物生体物または搾汁(湿潤
物)などの場合、被抽出原料1に対して抽出溶剤(液
体)の量は1〜100倍量が利用でき1〜50倍量が好
ましい。被抽出原料と抽出溶剤との比率は、抽出操作お
よび後処理の効率などとの関係より適当な倍率が決定さ
れることとなる。
【0028】前記抽出操作において、加熱などの付加的
条件がある場合には、使用した溶剤の特性(たとえば、
利用する有機溶剤などの沸点)および抽出条件(たとえ
ば、抽出温度・抽出時間など)を考慮して、必要に応じ
て加熱抽出操作中還流条件下において処理することがで
きるのは言うまでもない。
【0029】なお、このようにして得られたこれらの
『植物体の全部または一部の抽出物群』は、植物体に含
まれる有効成分を含有するものであるから、この発明に
かかる『該植物体成分含有物質群』の一形態をなすのは
言うまでもない。したがって、該植物成分含有物質群に
は、植物が産生したウイルス増殖抑制物質を含有するこ
とは明らかである。『植物体の全部または一部の抽出
物』のうち、抽出後に乾燥されたものは、耐変質性およ
び保存性に優れているので、ウイルス増殖抑制剤の原料
として利用するのに優れている。
【0030】この発明において「アブラナ科( Cru
ciferae )のアブラナ属( Brassica
)に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生
する植物」として、キャベツ( Brassica
oleracea L.)を利用することができる。
前記キャベツ( Brassica olerace
a L.)には、たとえば、「葉深」、「レッドキャ
ベツ」、「中野早生」などの種々の品種が存在するけれ
ども、いずれの品種のものでも利用することができ、キ
ャベツの品種の別を問わない。このキャベツをウイルス
増殖抑制物質を植物体内に産生する原料植物として利用
する場合、キャベツの葉の部位を利用するのが最も好ま
しい。
【0031】この発明において「アブラナ科( Cru
ciferae )のアブラナ属( Brassica
)に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生
する植物」として、カブ( Brassica ra
pa L.)を利用することができる。前記カブ(
Brassica rapa L.)には、たとえ
ば、「長カブ」、「野沢菜」、「天王寺」、「大野紅」
などの種々の品種が存在するけれども、いずれの品種の
ものでも利用することができ、カブの品種の別を問わな
い。このカブをウイルス増殖抑制物質を植物体内に産生
する原料植物として利用する場合、カブの植物体の全体
を利用することができるけれども、カブの根の部位を利
用するのが最も好ましい。
【0032】この発明において「アブラナ科( Cru
ciferae )のアブラナ属( Brassica
)に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生
する植物」として、ブロッコリー( Brassica
oleraceaL.)を利用することができる。
このブロッコリー( Brassicaolerace
a L.)には、「緑嶺」、「グリーンビューテ
ィ」、「天蕾」などの種々の品種が存在するけれども、
いずれの品種のものでも利用することができ、ブロッコ
リーの品種の別を問わない。このブロッコリーをウイル
ス増殖抑制物質を植物体内に産生する原料植物として利
用する場合、ブロッコリーの植物体の全体を利用するこ
とができるけれども、ブロッコリーの花蕾および花茎の
部位のいずれか一方の部位または両方の部位を利用する
のが最も好ましい。
【0033】この発明において「アブラナ科( Cru
ciferae )のアブラナ属( Brassica
)に属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生
する植物」として食用野菜を利用する場合、キャベツな
どの葉菜類、カブなどの根菜類、ブロッコリーなどの花
蕾野菜類の可食部位であると否とにかかわらず利用する
ことができる。
【0034】この発明において「セリ科( Umbel
liferae )のニンジン属(Daucus )に
属しその植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する植
物」として、ニンジン( Daucus carot
a L.)を利用することができる。このニンジン
( Daucus carota L.)には野生
種および食用種が存在するけれども、いずれのものであ
っても利用できるのはいうまでもない。さらにまた、ニ
ンジンの食用種のもの(食用ニンジン)には「黒田五
寸」、「国分大長」、「金時」などの種々の品種が存在
するけれども、いずれの品種のものでも利用することが
でき、ニンジンの品種の別を問わない。このニンジンを
ウイルス増殖抑制物質を植物体内に産生する原料植物と
して利用する場合、当該ニンジンの原料部位には限定は
ないけれども、ニンジンの根の部位を利用するのが最も
好ましい。
【0035】この明細書においていう『ウイルス増殖抑
制剤』とは、前述の「植物体成分含有物質」つまり「植
物由来のウイルス増殖抑制物質」を有効量含有するもの
をいい、人・動物〔たとえば、家畜、家禽その他の動物
等(飼育動物・ペット等の愛玩動物・魚貝などの養殖動
物などを含む.そして動物の種類としては哺乳類、鳥
類、魚類、貝類、その他の動物等を含む)〕のウイルス
性疾患の治療・予防・緩和等に抗ウイルス性または殺ウ
イルス性の作用・効果を示すものをいう。そして、この
明細書においていう『ウイルス増殖抑制剤』は、前記
「植物体成分含有物質」つまり「植物由来のウイルス増
殖抑制物質」のほかに、ポピドンヨードその他の公知の
ウイルス増殖抑制剤の単独または複数を併合使用するこ
ともできるのは勿論である。さらにまた、クロルヘキシ
ジンその他の殺菌剤、アンピシリンその他の抗生物質、
タイム、セージ、カモミールエキスその他の抗菌性植物
エキス等々の単独または複数を併合使用することもでき
るのは勿論である。この明細書においていう『ウイルス
増殖抑制剤』における前記「植物体成分含有物質」つま
り前記「植物由来のウイルス増殖抑制物質」の有効配合
量として、乾燥重量換算で0.0001〜99.999
9重量%(100重量%)(なお、100重量%の場合
は原料植物体から調製した調製物そのままを意味する)
が利用することができ、好ましくは0.0005〜8
0.0重量%が利用でき、さらには0.001〜50.
0重量%が最も好ましい。なお、ウイルス増殖抑制剤中
における植物体成分含有物質(植物由来のウイルス増殖
抑制物質)の配合量が0.0001重量%未満の場合に
は、抗ウイルスまたは殺ウイルスの作用・効果の生理活
性が望めないときがあることを意味する。
【0036】この発明にかかる「植物由来のウイルス増
殖抑制物質」のウイルス増殖抑制の効果は、公知の測定
方法で確認することができる。この明細書では、この発
明にかかるウイルス増殖抑制物質のウイルス増殖抑制効
果を、ヒト子宮頸部ガン由来細胞株HeLa S3を用
いて、ヒトアデノウイルス−1型に対する力価として求
めることによって測定した。そして、この発明にかかる
ウイルス増殖抑制物質の各種濃度における50%組織培
養感染価(10n TCID50/ml)を実験値として求
め、このTCID50/mlの値の常用対数値(n)を計算
により求めた。さらに、このTCID50/mlの値につい
て、ブランクにおける測定値(n0 )と、この発明にか
かる植物由来のウイルス増殖抑制物質のある希釈濃度を
含む試料における測定値(n)との差(N)を計算によ
り求めることにより、この発明にかかるウイルス増殖抑
制効果を判定することができる。
【0037】ちなみに、この測定方法によるウイルス増
殖抑制効果をあらわす数値を計算上算出してみると、 ウイルス増殖抑制率が10%、つまり生存率が9/1
0の場合は、N=0.046である。 ウイルス増殖
抑制率が20%、つまり生存率が8/10の場合は、N
=0.097である。 ウイルス増殖抑制率が33.
3%(1/3)、つまり生存率が2/3の場合は、N=
0.176である。 ウイルス増殖抑制率が50%、
つまり生存率が1/2の場合は、N=0.301であ
る。 ウイルス増殖抑制率が75%、つまり生存率が
1/4の場合は、N=0.602である。 ウイルス
増殖抑制率が90%、つまり生存率が1/10の場合
は、N=1.0である。
【0038】後記ウイルス増殖抑制実験に関する実施例
の結果に基づいて、N=1.477つまり生存率が1/
30(3.3%)にまでウイルスの増殖を抑制できる各
濃度、〔つまり各植物(実施例1〜実施例7)の各濃度
および陽性対照(ポピドンヨード/実施例8)の濃
度〕、をグラフから求めた濃度が〔表3〕に示す通りで
ある。なお、この発明にかかるウイルス増殖抑制剤は、
ヒトアデノウイルス−1型に対するその増殖抑制率が1
0%でも十分ウイルス増殖抑制効果があると判定でき
る。
【0039】この明細書にいう、もう一つの発明であ
る、『ウイルス増殖抑制剤を含有する薬物的組成物』と
は、この発明にかかる前記ウイルス増殖抑制剤を含有す
る薬学的組成物をいう。そして、この明細書においてい
う『薬学的組成物』とは、各種ウイルスの増殖抑制に基
づく薬学的作用・効果を有する各種組成物をいい、具体
的な例として、医薬品、口腔組成物、食品・飲料
・嗜好品、およびその他などが例示できる。前記薬学
的作用・効果を有する各種組成物とは、ウイルス性疾患
の諸症状を治療・予防・緩和する効能を有する医薬品、
医薬部外品、食品・飲料・嗜好品、その他などをいう。
この発明にかかる薬学的組成物における、前記『ウイル
ス増殖抑制剤』の配合率としては、該薬学的組成物の形
態に応じて適宜調製配合されるので、その薬学的組成物
の目的に応じた有効量が配合されればよく、その配合量
は原則として限定されない。この発明にかかる薬学的組
成物に対する「ウイルス増殖抑制剤」の配合量は、この
発明にかかる前記ウイルス増殖抑制剤に対する前記配合
率と同様である。
【0040】すなわち、この明細書においていう『薬学
的組成物』におけるこの発明にかかる「ウイルス増殖抑
制剤」の有効配合量として、乾燥重量換算で0.000
1〜99.9999重量%(または100重量%)(な
お、100重量%の場合は原料植物体から調製した調製
物そのままを意味する)が利用することができ、好まし
くは0.0005〜80.0重量%が利用でき、さらに
は0.001〜50.0重量%が最も好ましい。なお、
薬学的組成物中におけるこの発明にかかるウイルス増殖
抑制剤の配合量が0.0001重量%未満の場合には、
抗ウイルスまたは殺ウイルスの作用・効果の生理活性が
望めないときがあることを意味する。
【0041】そして、前記医薬品としては、ウイルス
性疾患およびウイルス性疾患の諸症状を治療・予防・緩
和する医薬品が利用でき、その効能形態からいえば、呼
吸器系薬剤(たとえば、総合感冒剤、鎮咳剤、きょ痰
剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤など)および消化器系薬剤
(たとえば、腹痛などの鎮痛剤、下痢止めなど)が例示
できる。該医薬品の利用形態は、特に限定されることは
なく、経口内服薬、経皮吸収型外用薬(たとえば、塗り
薬・貼り薬・噴霧薬などにより薬効成分を経皮吸収する
外用薬など)、その他の外用剤などが例示できる。ま
た、該医薬品の形状形態(製品形態)は、特に限定され
ることなく、錠剤、顆粒剤、散剤(粉剤)、液剤、シロ
ップ剤、カプセル剤、軟膏、貼り薬、噴霧剤、エアゾル
剤等々、すべての形態が利用できる。また、この発明に
かかるウイルス増殖抑制剤は、公知の医薬品の担体・賦
形剤(たとえばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カ
ルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類
等その他の固形担体、蒸留水、生理食塩水、ぶどう糖水
溶液、エタノールなどのアルコール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等その他の液体担体、各
種動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ等その他
の油性担体、その他)等に対しては全く影響はなく、医
薬品に許容される各種担体、増量剤、賦形剤等々、その
他医薬品などと自由に配合処方できる。もとより、ここ
にいう医薬品には人を対象とするもののほか、動物用の
医薬品をも含むのは言うまでもない。
【0042】この発明にかかる薬学的組成物のうちの実
施形態である前記口腔用組成物としては、 (a)医薬品
(たとえば、トローチ剤、うがい剤、歯磨き、洗口液、
口中清涼剤など、その他の経皮吸収型外用剤)、 (b)医
薬部外品(たとえば、トローチ剤、うがい剤、歯磨き、
洗口液など、その他の医薬部外品)、および (c)化粧品
(たとえば、歯磨き、洗口液など、その他の化粧品)が
利用できる。そして、これら口腔用組成物の実施の形状
形態(製品形態)としては、なんら制限はなく、液状、
固形状、粉状、半固形状、エアゾル等々のすべての形態
でも実施できるのは勿論である。またこの発明にかかる
薬学的組成物の一形態である口腔用組成物は、ウイルス
性諸症状を治療・予防・緩和するための医薬品および医
薬部外品を包含する。
【0043】この発明にかかる薬学的組成物のうちの実
施形態である前記食品・飲料・嗜好品としては、 (a)
食品(たとえば、キャンディー、チューインガム、焼き
菓子等その他の菓子、アイスクリーム、アイスキァンデ
ィー、シャーベット等その他の冷菓、およびその他の食
品)、 (b)飲料(たとえば、炭酸飲料、果実飲料、乳性
飲料等その他の清涼飲料、酒類、およびその他の飲
料)、 (c)嗜好品(たとえば、噛みタバコ等、その他の
嗜好品)等々が利用できる。そして、前記食品・飲料・
嗜好品の実施の形状形態(製品形態)としては、なんら
制限はなく、すべての形態のものが利用でき、液状、固
形状、粉状、半固形状、エアゾル等々、すべての形態に
おいて実施できるのは勿論である。
【0044】この発明にかかる薬学的組成物のうちの実
施形態である前記その他としては、動物〔たとえば家
畜、家禽その他の動物等(飼育動物・ペットなどの愛玩
動物・養殖動物などを含む。そして、当該動物の種類と
しては、哺乳類、鳥類、魚類貝類等、その他の動物を含
む)〕用の医薬品または飼料などに利用できる。
【0045】この発明にかかる薬学的組成物のうち、前
記口腔用組成物および前記食品・飲料・嗜好品の特
記すべき特徴は、薬剤を服用することを意識することな
く、この発明にかかる前記口腔用組成物、または前記
食品・飲料・嗜好品などを使用しているだけで、ウイ
ルス性疾患の治療・予防・緩和に役立っているという点
に意義がある。しかもこの発明にかかる薬学的組成物の
うち、前記口腔用組成物および前記食品・飲料・嗜
好品には、医薬品・抗生物質などの服用または使用の弊
害とされる、ウイルスまたは病原菌に対する耐性が生じ
てその後の病気の治療・予防・症状の緩和に対する悪影
響、または副作用・危険性が全くなく、安心して利用す
ることができる点にある。
【0046】この発明にかかるウイルス増殖抑制剤は、
前記薬学的組成物の内、前記口腔用組成物(医薬品・
医薬部外品など)および前記食品・飲料・嗜好品に通
常使用される各種薬剤・各種増量剤・各種補助剤・各種
賦形剤などに対して悪影響はないので、その利用選定に
は全く制限はない。たとえば、ぶどう糖、果糖、ショ
糖、乳糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイ
ド、ルブソサイド、コーンシロップ、クエン酸、酒石
酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、
dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウ
ム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギー
ナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミン
B類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ア
ミノ酸類、カルウシム塩類、無水ケイ酸、第二リン酸カ
ルシウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、
二酸化チタンその他の薬剤、食品・嗜好品の補助剤・増
量剤として許容されているものすべてが利用できる。そ
の他に、医薬部外品・食品・嗜好品などの許容されるも
ののうち、色素、香料、保存剤が利用できる。また、ク
ロルヘキシジンなどの殺菌剤、アンピシリンその他の抗
生物質、タイム、セージ、カモミールエキスその他の抗
菌性植物エキスなどを併用利用することができ、この併
用利用により、この発明にかかるウイルス増殖抑制剤と
の相乗作用を期待できる。
【0047】
【実施例】つぎに、具体的実施例に基づき、この発明を
さらに詳細に説明するが、これらの実施例によって本願
発明は何ら制限・限定されるものではない。
【0048】植物体成分含有物質群のウイルス増殖抑制
効果の程度を試験するための供試料およびその調製方法
は、つぎのとおりである。(実施例1〜実施例7)
【0049】まず、この実施例において、実施例1〜実
施例2で使用した「キャベツ」とはアブラナ科( Cr
uciferae )のアブラナ属 ( Brassi
ca)に属するキャベツ( Brassica ol
eracea L.)の葉の部分である。(以下、実
施例1〜実施例2に供した上記キャベツの葉の部分を単
に「キャベツ」という)
【0050】また、実施例3〜実施例4で使用した「カ
ブ」とは、アブラナ科( Cruciferae )の
アブラナ属 ( Brassica )に属するカブ
(Brassica rapa L.)の根の部分
である。(以下、実施例3〜実施例4に供した上記カブ
の根の部分を単に「カブ」という。)
【0051】また、実施例5〜実施例6で使用した「ブ
ロッコリー」とは、アブラナ科(Cruciferae
)のアブラナ属 ( Brassica )に属する
ブロッコリー( Brassica olerace
a L.)の花蕾および花茎の部分である。(以下、
実施例5〜実施例6に供した上記ブロッコリーの花蕾お
よび花茎の部分を単に「ブロッコリー」という。)
【0052】また、実施例7で使用した「ニンジン」と
は、セリ科( Umbelliferae )のニンジ
ン属( Daucus )に属する食用ニンジン( D
aucus carota L. var. s
ativa DC.)の根の部分を使用した。(以
下、実施例7に供した上記ニンジンの根の部分を単に
「ニンジン」という。)
【0053】〔実施例1〕キャベツ(生体物を約2〜3
cm幅に刻んだもの) 100.0gに、200mlの80容
量%エタノール−水混合液を加え、還流下80℃にて1
0分間・2回抽出した。抽出処理後、該抽出液(2回
分)と該抽出残渣とをミキサーにかけて固形物を破砕し
た後、これを濾過して得られた濾液を減圧濃縮(約60
℃以下)した後、乾固し、キャベツの80%エタノール
水抽出物(乾燥重量:3.0g)を得た。(収率:3.
0%) (表中、「キャベツの80%エタノール水(80℃)抽
出物」と略記する。)
【0054】〔実施例2〕キャベツ(生体物を約2〜3
cm幅に刻んだもの) 100.0gに、200mlの水を加
え、100℃にて10分間・2回抽出した。抽出処理
後、該抽出液(2回分)と該抽出残渣とをミキサーにか
けて固形物を破砕した後、これを濾過して得られた濾液
を減圧濃縮(約60℃以下)した後、乾固し、キャベツ
の熱水抽出物(乾燥重量:6.3g)を得た。(収率:
6.3%) (表中、「キャベツの熱水抽出物」と略記する。)
【0055】〔実施例3〕カブの葉を除いた根の部分
(生体物を約1cm角に刻んだもの) 103.8gに、2
00mlの80容量%エタノール−水混合液を加え、還流
下80℃にて10分間・2回抽出した。抽出処理後、該
抽出液(2回分)と該抽出残渣とをミキサーにかけて固
形物を破砕した後、これを濾過して得られた濾液を減圧
濃縮(約60℃以下)した後、乾固し、カブの80%エ
タノール水抽出物(乾燥重量:3.1g)を得た。(収
率:3.0%) (表中、「カブの80%エタノール水(80℃)抽出
物」と略記する。)
【0056】〔実施例4〕カブの葉を除いた根の部分
(生体物を約1cm角に刻んだもの) 100.9gに、2
00mlの水を加え、100℃にて10分間・2回抽出し
た。抽出処理後、該抽出液(2回分)と該抽出残渣とを
ミキサーにかけて固形物を破砕した後、これを濾過して
得られた濾液を減圧濃縮(約60℃以下)した後、乾固
し、カブの熱水抽出物(乾燥重量:5.1g)を得た。
(収率:5.0%) (表中、「カブの熱水抽出物」と略記する。)
【0057】〔実施例5〕ブロッコリーの花蕾および花
茎の部分(生体物を約2〜3cm幅に刻んだもの)13
2.2gに、300mlの50容量%エタノール−水混合
液を加え、還流下80℃にて60分間・2回抽出した。
抽出処理後、該抽出液(2回分)と該抽出残渣とをミキ
サーにかけて固形物を破砕した後、これを濾過して得ら
れた濾液を減圧濃縮(約60℃以下)した後、乾固し、
ブロッコリーの50%エタノール水抽出物(乾燥重量:
7.9g)を得た。(収率:5.9%) (表中、「ブロッコリーの50%エタノール水(80
℃)抽出物」と略記する。)
【0058】〔実施例6〕ブロッコリーの花蕾および花
茎の部分(生体物を約2〜3cm幅に刻んだもの)17
5.9gに、450mlの水を加え、100℃にて60分
間・2回抽出した。抽出処理後、該抽出液(2回分)と
該抽出残渣とをミキサーにかけて固形物を破砕した後、
これを濾過して得られた濾液を減圧濃縮(約60℃以
下)した後、乾固し、ブロッコリーの熱水抽出物(乾燥
重量:12.4g)を得た。(収率:7.0%) (表中、「ブロッコリーの熱水抽出物」と略記する。)
【0059】〔実施例7〕ニンジンの葉を除いた根の部
分(生体物を約1cm角に刻んだもの) 232.1gに、
300mlの水を加え、100℃にて30分間・2回抽出
した。抽出処理後、該抽出液(2回分)と該抽出残渣と
をミキサーにかけて固形物を破砕した後、これを濾過し
て得られた濾液を減圧濃縮(約60℃以下)した後、乾
固し、ニンジンの熱水抽出物(乾燥重量:17.1g)
を得た。(収率:7.4%) (表中、「ニンジンの熱水抽出物」と略記する。)
【0060】〔実施例8〕陽性対照として、ポピドンヨ
ードを有効成分として含有する『イソジン』(商標名/
明治製菓株式会社製)の希釈溶液を用いた。ウイルス増
殖抑制試験には前記ポピドンヨードの含量(mg/m
l)に対する50%組織培養感染価を測定した。
【0061】実施例1〜実施例8について、ヒトアデノ
ウイルス−1型に対するそれぞれのウイルス増殖抑制効
果をつぎの試験方法により調べた。なお、ウイルス増殖
抑制効果の試験にヒトアデノウイルス−1型に対する増
殖抑制効果を測定したのは、ヒトアデノウイルス−1型
が急性呼吸器疾患に関与することが知られており最も一
般的なウイルスだからである。
【0062】〔ウイルス増殖抑制効果の試験方法〕 (1)検液の調製。 検液としては、前記実施例1〜実施例8の供試料および
陽性対照のうち、供試料が液状のものはそのまま、固体
のものはリン酸緩衝食塩水(pH7.0)に溶解した
後、それぞれを2%ウシ胎児血清(以下「FBS」とい
う)を含むイーグルMEM培地(ニッスイ株式会社製)
(以下「MEM」という)で所定濃度に希釈したものを
使用した。供試料の濃度は、植物体成分含有物質(植物
由来のウイルス増殖抑制物質)の希釈濃度として、その
濃度を供試料のmg/mlの単位に統一して測定した。
また、実施例8の陽性対照については、ポピドンヨード
濃度に対する各希釈濃度(mg/ml)において試験し
た。
【0063】(2)試験に用いたヒトアデノウイルス−
1型液の調製。 試験に用いたヒトアデノウイルス−1型は、ヒト子宮頸
部ガン由来細胞HeLa S3に感染させ、所定時間経
過後、感染細胞を凍結融解、遠心分離(3,000rp
m、20分間)して、上清をウイルス液として使用し
た。ウイルス液は、量的に、後述する50%組織培養感
染価の力価として、105 〜106 TCID50/mlのも
のを使用し、試験時まで−80℃で保存した。
【0064】(3)ウイルスを感染させる培養細胞の調
製。 ウイルスを感染させる細胞としては、上述のHeLa
S3を10%FBSを含むMEMに懸濁した後、96穴
マルチウェルプレート上に播種し、37℃、炭酸ガスイ
ンキュベーター内で、単層状態になるまで培養したもの
を用いた。
【0065】(4)ウイルス(ヒトアデノウイルス−1
型)に対するウイルス増殖抑制試験の方法。 前記(3)に記載した調製培養細胞、つまり、96穴マ
ルチウェルプレートの各単層培養細胞から培地を除き、
10n 倍に希釈したウイルス液100μlを37℃、1
時間、前記培養細胞に吸着させた。ウイルスの吸着後、
検液をウイルス液と置き換えて、37℃の炭酸ガスイン
キュベーター内で所定時間培養し、細胞変性効果を検鏡
下で観察して、ウイルス量を50%組織培養感染価(T
CID50/ml)として求めた。すなわち、ウイルス試料
を対数関数倍率に希釈し、その一定量を感受性宿主(培
養細胞)に一定ルート・方法で接種し、感染の有無は、
ウイルス増殖のマーカー類のうち再現性のあるもので判
定する。ウイルス液の希釈度が低いときは全宿主が感染
陽性となり、希釈度が高くなると陽性と陰性とに分か
れ、より高いところでは全宿主が陰性となる。50%組
織培養感染価(TCID50/ml)は、使用された宿主の
50%が陽性となり、残りの50%が陰性となる様な希
釈値(10のn乗倍)で表される。ウイルス増殖抑制の
指標は、ブランクの50%組織培養感染価(TCID50
/ml)の常用対数値(n0 )と供試料(検液)添加区の
50%組織培養感染価(TCID50/ml)の常用対数値
(n)との差の値を求める。そして、その差が、1.4
77以上の場合、50%組織培養感染価(TCID50
ml)を1/30以下に抑制した場合に相当し、ウイルス
増殖抑制効果が極めて顕著であると認められることを意
味する。
【0066】〔表1〕、〔表2〕は、実施例1〜実施例
8について前記ヒトアデノウイルスを利用したウイルス
増殖抑制効果の試験結果( log10TCID50/ml)の値
を示す。〔表1〕、〔表2〕において、数値は前記方法
により試験したTCID50/mlの常用対数の値(nの
値)の平均値を示した。( )内の数字は、試験回数を
示した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】各供試料の相互間における、ウイルス増殖
抑制効果を比較するために、前記〔表1〕および〔表
2〕の試験結果に基づき、ヒトアデノウイルス増殖を1
/30に抑制するときの試料濃度(力価)(N=1.4
77)を算出したものを〔表3〕に示す。〔表3〕は、
片対数グラフ用紙を用いて、供試料濃度を横軸の対数目
盛り上に、一方、TCID50/mlの常用対数の値(nの
値)の平均値を縦軸均等割付の目盛り上にプロットし、
ブランク値における力価(供試料濃度)と(n0)との
差〔N=(n0 −n)〕がN=1.477の値を示すと
きの供試料濃度をグラフから読み取り、これをヒトアデ
ノウイルス増殖抑制効果の力価(供試料の濃度)を比較
する。〔表3〕は、ウイルス増殖抑制効果が、比較的強
いと言われているポピドンヨードの力価と比較して、こ
の発明にかかる植物由来のウイルス増殖抑制物質の力価
は、ポピドンヨードの約19%〜232%の優れた力価
を有することを明示している。なお、ウイルス増殖の抑
制率を1/30に抑制するウイルス抑制力価の設定値
は、十分なウイルス増殖抑制効果である。これは、ポピ
ドンヨードが公知のウイルス増殖抑制剤として十分にそ
の力価が評価されている点から考察して、この発明にか
かるウイルス増殖抑制剤にはいずれも満足できるウイル
ス抑制効果が認められることが明らかである。
【0070】
【表3】
【0071】つぎに、この発明にかかる薬学的組成物の
実施例を記載するが、この発明はこの実施例に限定・制
限されないのは言うまでもない。なお、この発明にかか
る薬学的組成物における配合率(%)は、すべて重量%
を示す。
【0072】〔実施例9〕 錠剤の処方例〔鎮咳用内服薬の処方例〕 150mgのキャベツの80%エタノール水(80℃)
抽出物〔実施例1〕、150mgの乳糖および5gのス
テアリン酸マグネシウムを混合し、この混合物を単発式
打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mgの錠剤を
得た。
【0073】〔実施例10〕 顆粒剤の処方例〔鎮咳用内服薬の処方例〕 前記〔実施例9〕で得た錠剤を粉砕、整粒し、篩別して
20〜50メッシュの顆粒剤を得た。
【0074】 〔実施例11〕 軟膏〔鎮咳用外用剤〕 (重量%) モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン ・・・・・・ 1.00% テトラオレイン酸ポロエキシエチレンソルビット ・・・・・・ 1.50 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン ・・・・・・・・・・ 1.50 サラシミツロウ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.00 パラフィン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.00 ステアリン酸 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00 ベヘニルアルコール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00 流動パラフィン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5.00 1,3−ブチレングリコール ・・・・・・・・・・・・・・・ 5.00 クエン酸 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.30 キャベツの熱水抽出物〔実施例2〕・・・・・・・・・・・・・ 1.0 防腐剤 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量 香料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量 精製水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 残量 ─────────────────────────────────── 合計 100.00%
【0075】 〔実施例12〕 歯磨き剤 (重量%) 第二リン酸カルシウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42.0 グリセリン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19.0 カラギーナン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0 ラウリル硫酸ナトリウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0 サッカリン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0 カブの熱水抽出物〔実施例4〕・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5 香料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0 水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 残量 ─────────────────────────────────── 合計 100.0%
【0076】 〔実施例13〕 マウスウォシュ (重量%) エタノール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15.0% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 ・・・・・・・・・・・・・ 2.5 グリセリン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8.0 サッカリンナトリウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5 安息香酸ナトリウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.1 ブロッコリーの熱水抽出物〔実施例6〕・・・・・・・・・・・ 0.5 香料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5 水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 残量 ─────────────────────────────────── 合計 100.0%
【0077】 〔実施例14〕 口腔用トローチ (重量%) アラビアガム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6.0% ぶどう糖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 72.5 乳糖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20.0 カブの80%エタノール(80℃)抽出物〔実施例3〕・・・・・ 0.5 香料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0 ─────────────────────────────────── 合計 100.0%
【0078】 〔実施例15〕 チューインガム (重量%) ガムベース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35.0% 炭酸カルシウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.0 粉糖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41.5 グルコース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20.0 ブロッコリーの50%エタノール(80℃) 抽出物〔実施例5〕・ 0.5 香料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0 ─────────────────────────────────── 合計 100.0%
【0079】 〔実施例16〕 キャンディー (重量%) グラニュー糖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60.0% 水飴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55.0 クエン酸 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0 ニンジンの熱水抽出物〔実施例7〕・・・・・・・・・・・・・ 0.5 香料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.2 ─────────────────────────────────── 水分蒸発全量 100.0%
【0080】
【発明の効果】この発明にかかるウイルス増殖抑制剤お
よび薬学的組成物は、天然物由来のウイルス増殖抑制効
果を有する物質を含有しており、合成化合物のような副
作用・毒性は全くなく、極めて安全なウイルス増殖抑制
剤および薬学的組成物である等等、この発明の目的を達
成するという顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A23G 3/00 101 A23G 3/30 3/30 A23L 1/221 C A23L 1/221 A61K 7/26 A61K 7/26 9/20 U 9/20 A23L 2/00 F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アブラナ科( Cruciferae )
    のアブラナ属 (Brassica )に属しその植物
    体内にウイルス増殖抑制物質を産生する植物、およびセ
    リ科( Umbelliferae )のニンジン属
    ( Daucus )に属しその植物体内にウイルス増
    殖抑制物質を産生する植物からなる植物群の中より選択
    された少なくとも1以上の植物の該植物体の全部または
    一部、該植物体の全部または一部の破砕物、該植物体の
    全部または一部の搾汁、および該植物体の全部または一
    部の抽出物からなる該植物体成分含有物質群のうちから
    選択された少なくとも1以上を有効成分として含有する
    ことを特徴とするウイルス増殖抑制剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載のウイルス増殖抑制剤を含有
    することを特徴とする薬学的組成物。
  3. 【請求項3】前記アブラナ科( Cruciferae
    )のアブラナ属( Brassica )に属しその
    植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する植物が、キ
    ャベツ( Brassica oleracea
    L.)である請求項1記載のウイルス増殖抑制剤または
    請求項2記載の薬学的組成物。
  4. 【請求項4】前記アブラナ科( Cruciferae
    )のアブラナ属( Brassica )に属しその
    植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する植物が、カ
    ブ( Brassica rapa L.)である
    請求項1記載のウイルス増殖抑制剤または請求項2記載
    の薬学的組成物。
  5. 【請求項5】前記アブラナ科( Cruciferae
    )のアブラナ属( Brassica )に属しその
    植物体内にウイルス増殖抑制物質を産生する植物が、ブ
    ロッコリー( Brassica oleracea
    L.)である請求項1記載のウイルス増殖抑制剤ま
    たは請求項2記載の薬学的組成物。
  6. 【請求項6】前記セリ科( Umbelliferae
    )のニンジン属(Daucus )に属しその植物体
    内にウイルス増殖抑制物質を産生する植物が、ニンジン
    ( Daucus carota L.)である請
    求項1記載のウイルス増殖抑制剤または請求項2記載の
    薬学的組成物。
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