JPH10259111A - 歯科用印象材 - Google Patents

歯科用印象材

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JPH10259111A
JPH10259111A JP9062900A JP6290097A JPH10259111A JP H10259111 A JPH10259111 A JP H10259111A JP 9062900 A JP9062900 A JP 9062900A JP 6290097 A JP6290097 A JP 6290097A JP H10259111 A JPH10259111 A JP H10259111A
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修 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】歯科用印象材として、硬化体強度、操作性など
は従来のままで、弾性歪みが大きく且つ永久歪みの小さ
い優れた歯科用シリコーン印象材を提供する。 【解決手段】歯科用印象材の構成主成分である末端に不
飽和結合をもつ有機基を分子内に少なくとも2個以上有
するオルガノポリシロキサン、分子内に3個以上のSi
H基を有するオルガハイドロジェンポリシロキサン、ヒ
ドロシリル化反応触媒物質及び充填材に更に、分子内に
SiH基を2個有するオルガハイドロジェンポリシロキ
サンを添加したことを特徴とする歯科用印象材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用材料、特に
歯科用の印象材として有用な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科用印象材としては、寒天、アルギン
酸塩、多硫化ゴム、ポリエーテルゴム縮合型シリコーン
及び付加型シリコーン等が用いられている。寒天、アル
ギン酸塩印象材あるいはその連合印象は臨床的に適度な
弾性を有しているが、永久変形が大きい上に、水分の蒸
発による経時的な寸法変化が大きく、引き裂き強度が小
さい等の欠点がある。また、多硫化ゴムは臭いが強く硬
化が緩慢なため、特殊な用途の印象に限られ、ポリエー
テルゴム印象材は弾性が小さく、吸水膨張する欠点があ
る。一方、縮合型シリコーンは反応過程で脱アルコール
を伴うために、寸法変化が大きい問題がある。
【0003】上記印象材に対して付加型シリコーン印象
材は硬化性が優れ、硬化時の収縮が非常に小さく、副生
物も生じず且つ無味無臭で発熱もほとんど無いという非
常に優れた性質を有している。また、近年の研究におい
て、付加型シリコーン印象材の課題である疎水性も親水
性の界面活性材等の添加により、実用状問題のない程度
まで改善されている。
【0004】しかしながら、付加型シリコーン印象材の
大きな問題点は弾性歪が小さいことにある。弾性歪が小
さいと口腔内で硬化した後に撤去する時に非常に外しに
くくなり、患者に苦痛を与えたり、動揺歯等は抜ける可
能性がある。これまでの付加型シリコーン印象材の弾性
歪みは3〜7%、永久歪みは1%以下の材料がほとんど
であるが、撤去のしやすさから望ましい弾性歪みは8%
以上、更に好ましくは9%以上でかつ変形の防止から永
久歪みを1%以下、更に好ましくは0.8%以下にする
ことが望まれている。
【0005】このため、付加型シリコーン印象材の弾性
歪を大きくする方法として、無機充填材の添加量を低減
させる方法や無機充填材の代わりにポリビニルエーテル
等の有機ポリマーを使用する方法、ハイドロジェンポリ
シロキサン架橋材とジビニルポリシロキサンの混合比を
適量より増加させたり、減少させたりする方法及び流動
パラフィンなどの脂肪族炭化水素、ジメチルポリシロキ
サン等の非反応性の液体を混合する方法等が試みられて
いる。しかしながら、無機充填材添加量の低減や有機ポ
リマーを無機充填材の代わりに使用する方法は、硬化体
の引き裂き強度の低下や熱膨張係数の増加を招き、精密
印象材として好ましくない。また、ジビニルポリシロキ
サンに対してハイドジェンポリシロキサン架橋材の混合
比を適量より大きくすると、水素発生による発泡が起こ
り、小さくすると硬化パターンが緩慢になり印象の変形
につながる。非反応性の液体を弾性歪が優位に大きくな
るほど添加すると、永久歪が大きくなったり、油分のブ
リードが起きたりする問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の材料における問題点を解決し、弾性歪が大きく、か
つ永久歪、硬化体強度、操作性などのその他の性質も良
好な歯科用シリコーン印象材を開発することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは付加型シリ
コーン印象材において、分子中にSiH基を2個有する
オルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加すること
により、弾性歪みが大きく且つ永久歪みの小さいシリコ
ーン精密印象材を開発するに至った。
【0008】即ち、本発明は、末端に不飽和結合をもつ
有機基を分子内に少なくとも2個以上有するオルガノポ
リシロキサン(A)、分子内にSiH基を少なくとも3
個以上有するオルガハイドロジェンポリシロキサン
(B)、分子内にSiH基を2個有するオルガハイドロ
ジェンポリシロキサン(C)、ヒドロシリル化反応触媒
物質(D)及び充填材(E)を含んでなり、(C)のS
iH基の水素原子の総個数が(B)のSiH基の水素原
子の総個数に対して、0.05〜2倍になる比であり、
(B)と(C)のSiH基の水素原子の総個数が(A)
の末端不飽和結合の総個数に対して0.5〜5倍になる
比であることを特徴とする歯科用印象材である。
【0009】
【発明の実施形態】本発明において使用する(A)末端
に不飽和結合をもつ有機基を分子中に少なくとも2個有
するオルガノポリシロキサン(以下、成分(A)と記
す)は、末端に不飽和結合をもつ有機基を1分子中に少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであれば分
子内に存在する他の有機基の構造は制限されず、直鎖状
であっても分枝鎖状であってもよく、更にこれらの混合
物であってもよい。
【0010】成分(A)の分子内に存在する、末端に不
飽和結合をもつ有機基としては、ビニル基、アリル基、
1−ブテニル基及びエチニル基等が例示されるが、合成
のし易さからケイ素原子に結合したビニル基が最も有利
である。これらの末端不飽和結合をもつ有機基は、オル
ガノシロキサンの分子鎖の末端または中間のいずれに存
在しても、あるいはその両方に存在しても良いが、硬化
後の弾性体が優れた物理的性質を有するためには、少な
くとも1個は分子の末端に存在していることが好まし
い。
【0011】成分(A)の分子中に存在する上記の末端
に不飽和結合をもつ有機基以外のケイ素原子に結合した
有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基のよう
なアリール基、クロロメチル基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基等の置換アルキル基等が例示されるが、
これらのうち合成し易く、かつ硬化後に良好な物理的性
質を与えるという点から、メチル基が最も好ましい。
【0012】成分(A)の分子を構成するシロキサン単
位の数(重合度に相当する)は特に限定されないが、歯
科用印象材として好適な性質、即ち、硬化後において適
度の硬度を有し、かつ充分な伸び、機械的強度が得られ
るようにするために、該シロキサン単位は50〜500
0個、特に100〜2000個であることが好ましい。
【0013】本発明に使用する成分(A)の代表的なも
のを具体的に示せば、
【0014】
【化1】
【0015】(ただし、Phはフェニル基を示す)で示
されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、上
記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる化合
物中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であ
り、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は単に各
構成単位の総量の平均を示すに過ぎない。
【0016】本発明における(B)の分子内のSiH基
を少なくとも3個以上有するオルガノハイドロジェンポ
リシロキサン(以下、成分(B)と略す)は、上記成分
(A)を架橋させてゴム弾性体とする働きを持つ成分で
ある。成分(A)と反応して架橋構造となるためには、
SiH基が分子内に少なくとも3個必要である。3個よ
り少ないと架橋構造とならずゴム弾性体が得られない。
【0017】成分(B)は分子内にSiH基を3個以上
有するものであればその構造は特に限定されない。成分
(B)の分子内に存在する水素原子以外のケイ素原子に
結合した有機基も特に限定されず、前述の成分(A)の
分子内に存在する有機基(末端に不飽和基を有するもの
を含む)と同様のものが例示されるが、合成が容易で、
かつ硬化後に良好な物理的性質を与えるという点から、
メチル基が最も好ましい。かかる成分(B)は、直鎖
状、分枝状または環状のいずれであっても良くこれらの
混合物であっても良い。
【0018】成分(B)の分子を構成するSiH基を有
しないシロキサン単位の数(重合度に相当する)は特に
限定されないが、歯科用印象材として好適な性質、即
ち、硬化後において適度の硬度を有し、かつ充分な伸
び、機械的強度が得られるようにするために、該シロキ
サン単位は2〜2000個、特に5〜500個であるこ
とが好ましい。
【0019】本発明に使用する成分(B)の代表的なも
のを具体的に示せば、
【0020】
【化2】
【0021】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン等が挙げられる。上記化合物及び後述する実施
例、比較例に用いられる成分(B)においても、成分
(A)と同様に分子内の各繰り返し構成単位の結合順序
は全く任意である。
【0022】本発明に使用する(C)の分子中にケイ素
原子に結合している水素原子を2個有するオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン(以下、成分(C)と略す)
はSiH基を分子中に2個有するオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンであれば制限なく使用できる。水素原
子以外のケイ素原子に結合した有機基としては、前述の
成分(B)と同じであり、中でも合成が容易で、かつ硬
化後に良好な物理的性質を与えるという点から、メチル
基が最も好ましい。かかる成分(C)は、直鎖状、分枝
状または環状のいずれであっても良くこれらの混合物で
あっても良い。
【0023】成分(C)の分子を構成するSiH基を有
しないシロキサン単位の数(重合度に相当する)は特に
限定されないが、歯科用印象材として好適な性質、即
ち、硬化後において適度の硬度を有し、かつ充分な伸
び、機械的強度が得られるようにするために、該シロキ
サン単位は0〜1000個、特に5〜500個であるこ
とが好ましい。
【0024】本発明に使用する成分(C)の代表的なも
のを具体的に示せば、
【0025】
【化3】
【0026】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン等が挙げられる。上記化合物及び後述する実施
例、比較例に用いられる成分(C)においても、成分
(B)と同様に分子内の各繰り返し構成単位の結合順序
は全く任意である。
【0027】本発明の歯科用印象材において、上記成分
(A)、(B)及び(C)の配合割合としては、成分
(C)のSiH基の水素原子の総個数が成分(B)のS
iH基の水素原子の総個数に対して、0.05〜2倍に
なる比であり、且つ成分(B)と成分(C)のSiH基
の水素原子の総個数が成分(A)の末端不飽和結合の総
個数に対して0.5〜5倍になる比である。成分(C)
のSiH基の水素原子の総個数が成分(B)のSiH基
の水素原子の総個数に対して0.05倍より少ないと十
分な弾性歪みを得ることができず、2倍より大きいと弾
性歪みが大きく成りすぎたり、永久歪みが大きくなる等
の問題が生ずる。また、成分(B)と成分(C)のSi
H基の水素原子の総個数が成分(A)の末端不飽和基の
総個数に対して少なすぎる場合は硬化性が不充分とな
り、また多すぎる場合は過剰のSiH基の水素原子が残
存するために硬化時の水素発生による発泡や経時変化が
生ずる場合がある。従って、特に好ましい配合割合とし
ては、成分(C)のSiH基の水素原子の総個数が成分
(B)のSiH基の水素原子の総個数に対して、0.1
〜1倍になる比で、且つ成分(B)と成分(C)のSi
H基の水素原子の総個数が成分(A)の末端不飽和結合
の総個数に対して2〜4倍になる比であることが望まし
い。
【0028】また、物性に著しい影響を与えない範囲
で、末端に不飽和結合をもつ有機基を分子内に1個しか
含まないオルガノポリシロキサンや分子内にSiH基を
1個しか含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンを添加してもよい。
【0029】本発明に使用される成分(D)ヒドロシリ
ル化反応触媒(以下、成分(D)と略す)は、通常のヒ
ドロシリル化反応に用いられるものであれば制限なく使
用することができ、例えば塩化白金酸、そのアルコール
変性物、白金のビニルシロキサン錯体等を挙げることが
できる。なお、保存性を高めるためには、白金のビニル
シロキサン錯体のようなクロル分の少ないものが好適で
ある。
【0030】この成分(D)の配合量特に限定されない
が一般的には、白金重量換算で成分(A)、成分(B)
及び成分(C)の合計重量に対して0.1〜1000p
pmの範囲とすれば良い。配合量が0.1ppm未満の
場合は、成分(A)及び成分(B)の不飽和結合含有シ
リコーンと成分(C)のSiHシロキサンの架橋反応が
充分に進行せず、1000ppmより多い場合は、白金
黒の析出により硬化体が黄色く、或はひどいときには黒
く着色したり、架橋反応の制御が困難になる等の問題点
が生じる傾向にある。
【0031】本発明に使用される成分(E)充填材(以
下成分(E)と略す)は、成分(A)、成分(B)、成
分(C)及び成分(D)より得られるシリコーンゴムの
補強材としての働きをする。
【0032】成分(E)としては、一般に粉砕石英、溶
融シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、珪藻土、ポリオル
ガノシルセスキオキサン微粒子等のシリカ系粉末、酸化
アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、
炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、カーボンブラック
等が挙げられ、必要に応じてこれらの1種または2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0033】また、これらの充填材は必要に応じてその
表面をポリジメチルシロキサンやオクタメチルシクロテ
トラシロキサンなどのポリオルガノシロキサン類、ヘキ
サメチルシラザンや1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジビニルシラザンなどのシラザン類及びビニル
トリエトキシシランなどのオルガノシラン類等の有機ケ
イ素化合物で処理したものを用いることができる。
【0034】成分(E)の好適な添加量は成分(A)、
成分(B)、成分(C)及び成分(D)の合計量を10
0重量部として5〜500重量部であり、更に好ましい
添加量は20〜200重量部である。
【0035】上記成分(A)乃至(D)からなる歯科用
印象材は高弾性歪み、低永久歪みという優れた特徴を有
するものであるが、更に口腔内粘膜や石膏に対する馴染
みをよくするために親水性を付与することが好ましい。
親水性付与剤は印象材としての物性に悪影響をしない範
囲で制限なく添加できる。親水性付与剤として例を挙げ
るとシリコーン・ポリエーテル化合物、シリコーン・ポ
リオール化合物、カルボキシル基含有ポリオルガノシロ
キサン化合物等の親水性シリコーン系界面活性剤、ソル
ビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デカグリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシソルビット脂肪酸エステ
ル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル、ポ
リオキシエチレンアルキル(アルケニル)フェニルエー
テル等の非イオン系界面活性剤、水溶性または水に微溶
性のタンパク質等が挙げられる。これらは必要に応じて
1種または2種以上組み見合わせて使用され、添加量と
しては成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分
(D)及び成分(E)の合計量100重量部に対して
0.1〜20重量部が好適である。
【0036】また、離型性向上のために高分子量のポリ
オルガノシロキサン生ゴムやパラフィンワックス等を添
加することができる。
【0037】更に、必要に応じて黒色白金あるいは微粒
パラジウム等を水素ガス吸収剤として添加できる。
【0038】また、その物性を著しく低下しない範囲で
更に他の添加剤を添加してもよい。かかる添加剤として
は、非反応性シリコーン、反応抑制剤、紫外線吸収剤、
可塑剤、顔料、酸化防止剤、抗菌剤等が挙げられる。
【0039】本発明の歯科用印象材の好適な態様を挙げ
れば、下記(1)〜(6)のような態様が挙げられる。
【0040】(1)成分(A)のオルガノポリシロキサ
ンが、シロキサン単位50〜5000個を有するオルガ
ノポリシロキサンであり、成分(B)のオルガノポリシ
ロキサンが該オルガノポリシロキサン分子を構成するS
iHを有さないシロキサン単位の数が2〜2000個で
あるオルガノポリシロキサンであり、成分(C)のオル
ガノポリシロキサンが該オルガノポリシロキサン分子を
構成するSiHを有さないシロキサン単位の数が0〜1
000個であるオルガノポリシロキサンである本発明の
歯科用印象材。
【0041】(2)成分(A)のオルガノポリシロキサ
ンが、シロキサン単位100〜2000個を有するオル
ガノポリシロキサンであり、成分(B)のオルガノポリ
シロキサンが該オルガノポリシロキサン分子を構成する
SiHを有さないシロキサン単位の数が5〜500個で
あるオルガノポリシロキサンであり、成分(C)のオル
ガノポリシロキサンが該オルガノポリシロキサン分子を
構成するSiHを有さないシロキサン単位の数が5〜5
00個であるオルガノポリシロキサンである本発明の歯
科用印象材。
【0042】(3)成分(C)のSiH基の水素原子の
総個数が成分(B)のSiH基の水素原子の総個数に対
して0.1〜1倍になる比であり、且つ成分(B)と成
分(C)のSiH基の水素原子の総個数が成分(A)の
末端不飽和結合の総個数に対して2〜4倍になる比であ
る上記(1)又は(2)の歯科用印象材。
【0043】(4)成分(D)が白金系のヒドロシリル
化触媒、特に白金のビニルシロキサン錯体である、上記
(3)の歯科用印象材。
【0044】(5)成分(D)の配合量が、白金重量換
算で、成分(A)、(B)及び(C)の合計重量に対し
て0.1〜1000ppmであり、成分(E)の配合量
が成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を1
00重量部としたときに5〜500重量部、好ましくは
20〜200重量部となる量である、上記(4)の歯科
用印象材。
【0045】(6)更に、親水性付与剤を成分(A)〜
(E)の合計量を100重量部としたときに0.1〜2
0重量部となる量含む上記(5)の歯科用印象材。
【0046】本発明の歯科用印象材は、通常、成分
(A)、成分(B)及び/又は成分(C)並びに成分
(D)が同時に共存しない(即ち、保存中にヒドロシリ
ル化反応が起こらない)形態、例えば成分(A)、成分
(D)、成分(E)及び必要に応じて添加剤を含むペー
スト甲、並びに、成分(A)、成分(B)及び/又は成
分(C)、成分(E)及び必要に応じて添加剤を含むペ
ースト乙からなる2包装型として調製され、使用直前に
両者を混合して使用するのが一般的である。ペースト
甲、乙の製造方法としては、必要成分を適量計量し、ニ
ーダー、プラネタリー等の一般的な混練機によって均一
になるまで混練することにより得ることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明により得られた歯科用印象材は、
硬化後に適度な弾性歪みを有し、且つ永久歪みの小さい
歯科用印象材として好適に用いられる。
【0048】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために実施例
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0049】以下の実施例及び比較例に使用する成分
(A)、成分(B)及びその他ポリシロキサン成分を表
1、成分(C)を表2及び成分(D)、成分(E)、そ
の他成分を表3に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】尚、実施例、比較例において歯科用シリコ
ーン印象材の評価は下記の方法により評価した。
【0054】(1)弾性歪及び永久歪 23℃の恒温室中で表4に示す組成を有するペースト
甲、乙を等量づつ計り取り、両者をスパチュラで30秒
間練和し、硬化体を得る。得られた硬化体について、J
IS T6513に準じて弾性歪、永久歪を測定する。
弾性歪が大きいほど硬化体が柔らかく、永久歪が小さい
ほど変形が小さいことを示す。
【0055】(2)練和性 スパチュラでのペースト甲と乙を練和したときの練和感
を重い、適当、軽すぎるの3段階で評価した。
【0056】(3)印象面及び油分のブリード 実際の口腔内で印象を採得し、直後の表面状態及び1週
間放置した後の油分のブリードの有無を観察した。
【0057】実施例1 表4の実施例1の重量割合で表1,2,3で示した化合
物をそれぞれ計量し、プラネタリーミキサーで約4時間
混合し、ペースト甲と乙を得た。
【0058】このペースト甲と乙を等量計り取り、両者
を練和して上記評価方法で評価した。その結果を表6に
示す。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】実施例2〜5、比較例1〜3 実施例1と同様に表4及び表5の混合比でペースト甲、
乙を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その評価
結果を表6に示す。
【0063】表6の結果より本発明の歯科用印象材は弾
性歪みが大きく且つ永久歪みの小さい物性を有している
ことが判る。更に、練和性、印象面及び油分のブリード
も良好なことが示され、優れた印象材であることが判
る。それに対して成分(C)を添加しない場合は弾性歪
みが小さく(比較例1)、弾性歪みを大きくするために
成分(A)の末端不飽和結合の総個数に対する成分
(B)のSiH基の割合を大きくすると(比較例2)硬
化体表面に発泡が起きる問題点が生じる。また、非反応
性のシリコーンを添加して(比較例5)弾性歪みを大き
くすると永久歪みが大きく、油分のブリードを生じる。
また、成分(C)でも重合度の非常に大きい場合は(比
較例3)、弾性歪みへの効果がないばかりでなく、練和
性が悪い。また、成分(C)を添加し過ぎると(比較例
4)弾性歪みは大きくなるが、永久歪も大きくなり、硬
化も遅くなる問題を生じる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端に不飽和結合をもつ有機基を分子内に
    少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサン
    (A)、分子内にSiH基を少なくとも3個以上有する
    オルガハイドロジェンポリシロキサン(B)、分子内に
    SiH基を2個有するオルガハイドロジェンポリシロキ
    サン(C)、ヒドロシリル化反応触媒物質(D)及び充
    填材(E)を含んでなり、(C)のSiH基の水素原子
    の総個数が(B)のSiH基の水素原子の総個数に対し
    て、0.05〜2倍になる比であり、(B)と(C)の
    SiH基の水素原子の総個数が(A)の末端不飽和結合
    の総個数に対して0.5〜5倍になる比であることを特
    徴とする歯科用印象材。
JP06290097A 1997-03-17 1997-03-17 歯科用印象材 Expired - Lifetime JP3673838B2 (ja)

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