JPH10259077A - 多孔質炭素材の製造方法 - Google Patents

多孔質炭素材の製造方法

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JPH10259077A
JPH10259077A JP9084346A JP8434697A JPH10259077A JP H10259077 A JPH10259077 A JP H10259077A JP 9084346 A JP9084346 A JP 9084346A JP 8434697 A JP8434697 A JP 8434697A JP H10259077 A JPH10259077 A JP H10259077A
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nonwoven fabric
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porosity
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JP9084346A
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Asuka Matsushita
明日佳 松下
Mitsuo Enomoto
三男 榎本
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Tokai Carbon Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/0022Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof obtained by a chemical conversion or reaction other than those relating to the setting or hardening of cement-like material or to the formation of a sol or a gel, e.g. by carbonising or pyrolysing preformed cellular materials based on polymers, organo-metallic or organo-silicon precursors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな気孔径と高い気孔率を備え、閉塞した
気孔が少なく開気孔を多く有し、均一な気孔性状の多孔
質炭素材の製造方法を提供する。 【解決手段】 積層した不織布シートに、樹脂不揮発分
40〜70重量%、粘度0.2〜30ポイズの熱硬化性
樹脂溶液を含浸する樹脂含浸工程、樹脂含浸不織布シー
ト積層体を加圧処理して積層体の厚さを20〜40%に
圧縮する圧縮工程、圧縮された樹脂含浸不織布シート積
層体を加圧力を解放後減圧下で脱気処理する減圧脱気工
程、脱気処理された樹脂含浸不織布シート積層体を加圧
成形および加熱硬化して成形体の気孔率を45〜75%
に制御する成形工程、次いで非酸化性雰囲気中800℃
以上の温度で熱処理する焼成炭化工程、とを順次に施す
多孔質炭素材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大きな気孔径なら
びに高い気孔率を備え、特に閉塞した気孔が少なく連通
する開気孔を有し、気孔性状の均一性に優れた多孔質炭
素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量で耐熱性、耐蝕性、導電性等に優れ
る多孔質炭素材は、フィルター、断熱材、燃料電池や二
次電池用の電極材、触媒担体および電気化学的水処理用
電極材等の広い用途分野で各種工業用部材として有用さ
れている。
【0003】多孔質炭素材の製造技術として、炭素繊維
や炭素繊維製造用有機繊維をパルプとともに抄紙して得
られるシートに熱硬化性樹脂液を含浸して積層成形し、
焼成炭化する方法(例えば特開昭50−25808 号公報、同
61−236664号公報等)が知られている。この方法は炭素
繊維が補強骨格を形成するので材質強度の増大が図られ
るうえ、熱硬化性樹脂がガラス状カーボン組織に転化す
るため電気や熱に対する伝導性も向上する利点がある。
【0004】また、本出願人は炭素繊維や炭素繊維製造
用有機繊維に代えて、安価な紙類原料を用い、低コスト
で多孔質炭素材を製造する技術として、平均気孔径50〜
150μm 、気孔率50%以上の性状を有する紙を所定の厚
さに積層し、これに残炭率40%以上の熱硬化性樹脂溶液
を含浸して加熱硬化したのち、非酸化性雰囲気下1000℃
以上の温度域で焼成炭化処理することを特徴とする多孔
質炭素材の製造方法(特開平1−320279号公報)を提案
した。
【0005】しかしながら、これらの方法は骨格を形成
する炭素繊維、有機繊維あるいは紙類が抄紙面に配向し
て主に2次元方向に配列しているために、積層体の層間
における強度が充分でないという欠点がある。特に、高
気孔率で大きな気孔径を有する多孔質炭素材を製造する
場合には成形圧を低く設定する必要があるために層間強
度や強度特性の低下が著しくなる。また、積層面に対し
て垂直方向の物性、例えばガス透過率や熱伝導率等が不
均一となる難点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】骨格を形成する炭素繊
維、有機繊維、紙等に替えて不織布を用いることにより
大気孔径で高気孔率を有し強度特性に優れた多孔質炭素
材を得ることができる。不織布は、繊維を適当な方法で
ウエブ状(薄綿状)またはマット状に配列させて、接着
剤あるいは繊維自身の融着力によって繊維相互を接合さ
せて得られるシート状の布状物質で、繊維が抄紙面に2
次元的に配列する織布に対して、垂直方向にも3次元的
に配向した立体的な構造を示し、内部空間を広く形成す
ることができる。
【0007】したがって、不織布シートは大気孔径、高
気孔率の多孔質炭素材を製造するのに有利となる。しか
しながら、不織布シートは嵩高であるため含浸した熱硬
化性樹脂溶液の付着保持性が低い問題点がある。すなわ
ち、不織布に熱硬化性樹脂溶液を含浸する場合、不織布
シートに均一に熱硬化性樹脂溶液を含浸させることが困
難であり付着保持する樹脂量に偏りが生じ易く、また樹
脂保持量の制御が困難となる。その結果、得られる多孔
質炭素材の気孔特性や嵩密度等が安定し難く、ばらつき
が生じ易くなり、更に気孔が閉塞し易い難点もある。こ
の傾向は、大気孔径、高気孔率の気孔性状を有する多孔
質炭素材の製造に有利な嵩密度の低い不織布シートほど
著しくなる。また、均一に含浸させるために熱硬化性樹
脂溶液の濃度を低くすると、不織布シートは樹脂保持性
が小さいために重力により不織布シート内で樹脂溶液の
移動が起こり、付着保持する樹脂量が不均一化してくる
欠点もある。
【0008】本発明者らは、不織布シートに熱硬化性樹
脂溶液を均一に含浸し、樹脂不揮発分を均等に付着保持
させる方法について研究を進めた結果、特定の条件下で
熱硬化性樹脂溶液を含浸し、加圧成形を行うことにより
気孔の閉塞を抑制しつつばらつきの少ない開気孔を有す
る大気孔径および高気孔率の多孔質炭素材が製造できる
ことを見出した。
【0009】本発明は上記の知見に基づいて完成したも
ので、その目的とする解決課題は、大きな気孔径および
高い気孔率を有し、閉塞気孔の少ない均一な気孔性状を
備えた、軽量でフィルター、断熱材、燃料電池や二次電
池用の電極材、触媒担体および電気化学的水処理用電極
材等として有用される多孔質炭素材の製造方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明による多孔質炭素材の製造方法は、積層した不
織布シートに、樹脂不揮発分40〜70重量%、粘度
0.2〜30ポイズの熱硬化性樹脂溶液を含浸する樹脂
含浸工程、樹脂含浸不織布シート積層体を加圧処理して
積層体の厚さを20〜40%に圧縮する圧縮工程、圧縮
された樹脂含浸不織布シート積層体を加圧力を解放後減
圧下で脱気処理する減圧脱気工程、脱気処理された樹脂
含浸不織布シート積層体を加圧成形および加熱硬化して
成形体の気孔率を45〜75%に制御する成形工程、次
いで非酸化性雰囲気中800℃以上の温度で熱処理する
焼成炭化工程、とを順次に施すことを構成上の特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】多孔質炭素材の製造に用いられる
不織布シートは、繊維を適当な方法でウエブ状(薄綿
状)またはマット状に配列させて、接着剤あるいは繊維
自身の融着力によって繊維相互を接合させて得られるシ
ート状の布状物質で、繊維が抄紙面に2次元的に配列す
る紙に対して、垂直方向にも3次元的に配向した立体的
な構造を示し、広い内部空間を有している。本発明に用
いる不織布シートを構成する繊維には非酸化性雰囲気中
で熱処理することにより炭素質物質に転化するコット
ン、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、
アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂等の種々の有機
繊維が単独もしくは混合して使用される。なお、不織布
シートは気孔モード径50μm 以上、気孔率80%以上
の性状のものを用いることが好ましい。
【0012】以下、本発明の多孔質炭素材の製造方法
を、各工程毎に詳細に説明する。 (1)樹脂含浸工程:不織布シートは目的とする多孔質炭
素材の厚さに応じて所定枚数を積層して使用する。積層
した不織布シートに含浸する熱硬化性樹脂にはフェノー
ル系、フラン系、ポリイミド系等の樹脂が用いられ、好
ましくは残炭率40重量%以上のものが適用され、これ
らの熱硬化性樹脂はアセトン、エーテル、エタノール等
の適宜な有機溶媒や水に溶解して溶液化して使用され
る。熱硬化性樹脂溶液は不織布シート積層体の内部にま
で充分に含浸させることが必要であり、不織布シート積
層体を熱硬化性樹脂溶液中に長時間浸漬して内部にまで
充分に浸透させて含浸することが好ましい。
【0013】熱硬化性樹脂溶液は適宜な濃度に調製され
るが、溶液中の樹脂濃度が低いと含浸時に流出して積層
した不織布シートに樹脂分を充分に付着保持することが
困難であり、また樹脂濃度が高い場合には円滑に含浸す
ることができないため、熱硬化性樹脂溶液は樹脂不揮発
分が40〜70重量%、粘度が0.2〜30ポイズに調
製することが必要である。熱硬化性樹脂溶液の濃度が樹
脂不揮発分40重量%を下回り、また粘度が0.2ポイ
ズ未満であると含浸した樹脂溶液の流出が起こり、不織
布シート積層体に安定に付着保持することが難しく、付
着保持される樹脂量の不均一化が生じる。一方、樹脂不
揮発分が70重量%を越え、粘度が30ポイズを上回る
と不織布シート積層体内部に充分に熱硬化性樹脂溶液を
含浸させるのに長時間が必要となるばかりでなく、均等
に含浸させることが困難となる。
【0014】(2)圧縮工程:圧縮工程は、上記の熱硬化
性樹脂溶液を含浸した樹脂含浸不織布シート積層体に圧
力を負荷して、含浸した樹脂溶液の一部を搾り出して排
出除去しながら圧縮する工程である。不織布シート積層
体に含浸した熱硬化性樹脂溶液のうち不織布シートに付
着保持されない余剰の樹脂溶液分は、圧縮工程の加圧処
理により排出除去されるので不織布シート積層体には樹
脂溶液が安定に付着保持され、不織布シート積層体内に
おける樹脂溶液の移動が抑止されるので、付着保持され
る樹脂分を均等化することができる。また、加圧力を解
放すると圧縮された不織布シート積層体は、その3次元
構造の特徴から厚さ方向の復元力が作用するために積層
体の厚さは圧縮処理前の厚さに近い値に復元する。した
がって、排出除去された樹脂溶液分が気孔形成に有効機
能する。
【0015】この場合に、樹脂含浸不織布シート積層体
の厚さの20〜40%になる圧縮比で加圧処理すること
が必要である。圧縮比が20%を下回ると不織布シート
の3次元構造の一部が破壊して加圧力を解放後の復元力
が低下するので、気孔径や気孔率が低下する。また、加
圧処理時の圧縮比が40%を越えると、排出除去される
樹脂溶液量が少ないために気孔径が小さく、低気孔率の
気孔性状になり、更に気孔が閉塞し易くなる。なお、加
圧処理により圧縮する樹脂含浸不織布シート積層体の厚
さは、不織布シートおよび熱硬化性樹脂溶液の特性から
下記式により算出した値が用いられる。 積層体厚さ=(成形体目標嵩密度×成形体体積−不織布
シート成形時重量)/(シート面積×不織布シート気孔
率×樹脂溶液濃度×樹脂溶液比重)
【0016】(3)減圧脱気工程:圧縮工程の加圧処理に
より圧縮された樹脂含浸不織布シート積層体を、加圧力
を解放後減圧下で脱気処理する工程である。加圧力を解
放すると、所定量の樹脂溶液を付着保持した不織布シー
ト積層体は復元力によって厚さが復元し、気孔径の増大
および気孔率の向上に機能し、また閉塞の少ない気孔が
形成される。次いで、樹脂溶液を付着保持した不織布シ
ート積層体は減圧下において脱気処理される。脱気処理
は10mmHg以下の減圧下に、常温で適宜時間放置して熱
硬化性樹脂溶液中の有機溶媒や水等の揮発性成分を揮散
させるもので、不織布シート積層体に付着した熱硬化性
樹脂溶液の粘度を高めることにより樹脂不揮発分の付着
保持性を増大させ、気孔性状の均一化が図られる。更
に、不織布シート積層体内部からの揮発性成分の揮散に
より閉気孔の形成を阻止することもできる。脱気処理
は、付着保持された樹脂溶液の樹脂不揮発分が80重量
%以上になるように脱気することが好ましい。
【0017】(4)成形工程:成形工程は、脱気処理した
不織布シート積層体を所定の形状に加圧成形したのち加
熱して、付着保持された樹脂不揮発分を硬化することに
より不織布シート積層体と硬化樹脂とが一体化した成形
体を得る工程である。硬化時の加熱温度は50〜180
℃の温度に調節される。硬化温度が50℃を下回ると樹
脂不揮発分の硬化が不充分となり、一方180℃を越え
ると気孔径や気孔率が低下するためである。成形体の気
孔率は、多孔質炭素材の気孔径や気孔率等の気孔性状に
よって設定、制御し、大気孔径および高気孔率を有し、
閉塞した気孔が少ない均一な気孔性状を備えた多孔質炭
素材が得るためには、気孔率を45〜75%の範囲に制
御することが必要である。
【0018】(5)焼成炭化工程:焼成炭化工程は、成形
工程で得られた成形体を窒素やアルゴン等の非酸化性雰
囲気中800℃以上の温度で熱処理して不織布および樹
脂不揮発分を焼成炭化することにより多孔質炭素材を製
造する工程である。焼成炭化時の温度が800℃未満で
は不織布や樹脂不揮発分を充分に炭化することができ
ず、また2000℃以上の温度で焼成炭化しても効果上
の差異は小さいので焼成炭化は2000℃以下の温度で
行えば充分である。なお、焼成炭化時に、硬化成形体を
表面が平滑な黒鉛板等に挟んだ状態で加熱処理すると、
得られる多孔質炭素材の表面が平滑化し、また反り等の
変形が防止できるので好ましい。
【0019】本発明の多孔質炭素材の製造方法によれ
ば、不織布シートの積層体に、樹脂含浸工程、圧縮工
程、減圧脱気工程、成形工程および焼成炭化工程を順次
に施すことにより、排出除去された樹脂溶液部分が気孔
形成に有効機能するとともに付着保持された樹脂不揮発
分の安定化、均等化を図ることができ、大気孔径、高気
孔率、開気孔を有し、ばらつきの少ない均一な気孔性状
を備えた多孔質炭素材を製造することが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0021】実施例1 厚さ1.45mm、嵩密度0.10g/cm3 、気孔モード径
60μm 、気孔率81%の不織布シート〔倉敷紡績
(株)製 NP100〕を縦横300mmに切断し、40枚を積
層した。熱硬化性樹脂溶液として、フェノール樹脂〔住
友デュレズ(株)製PR940〕をエタノールに溶解し、樹
脂不揮発分50重量%、粘度0.51ポイズの樹脂溶液
を調製した。不織布シート積層体をこの樹脂溶液中に入
れ、常温で20時間浸漬して樹脂溶液を含浸した。含浸
後の不織布シート積層体の厚さは63mmであった。この
樹脂含浸不織布シート積層体に0.1Kg/cm2の圧力を負
荷して厚さ16mm(圧縮厚さ比25%)に加圧処理して
圧縮した。この圧縮処理により含浸した樹脂溶液の64
%が排出除去された。
【0022】次いで付加した圧力を解放後、常温で10
mmHg以下の減圧下で20時間脱気処理して樹脂不揮発分
が80重量%となるまでエタノールを揮散除去した。こ
の樹脂含浸不織布シート積層体を加圧成形および150
℃の温度で加熱硬化して厚さ20mm、気孔率65%の成
形体とした。得られた成形体を、表面が平滑な黒鉛板に
挟んだ状態で電気炉に入れ、周囲をコークスパッキング
で被包し、窒素雰囲気中で1500℃の温度に加熱して
焼成炭化処理して多孔質炭素材を製造した。
【0023】実施例2〜5、比較例1〜4 実施例1と同一の不織布シートを用い、樹脂不揮発分お
よび粘度の異なる熱硬化性樹脂溶液を調製して不織布シ
ート積層体に含浸した。また、樹脂含浸不織布シート積
層体を加圧処理して積層体の厚さを異なる圧縮比で圧縮
し、更に成形体の気孔率を変えて成形した。これらの条
件の他は、全て実施例1と同一の方法および条件により
多孔質炭素材を製造した。
【0024】このようにして製造した多孔質炭素材につ
いて、その製造条件を表1に、気孔性状を表2に示し
た。なお、表2の気孔性状は多孔質炭素材の上面部、内
部、下面部の3箇所からサンプルを切り出し、水銀圧入
法により測定した気孔モード径および気孔率の平均値(n
=3)である。また、切り出した各サンプルの表面をSE
M観察して、閉塞気孔の状況を下記の評価基準にしたが
って比較した。 ◎…閉塞気孔は観察されず ○…閉塞気孔が全気孔面積の20%以下 △…閉塞気孔が全気孔面積の20〜50% ×…閉塞気孔が全気孔面積の50〜100%
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1、表2の結果から、本発明の製造方法
により製造した多孔質炭素材は、いずれも70μm 以上
の大きな気孔モード径、ならびに50%以上の高い気孔
率を備えており、更に閉塞した気孔を殆ど含まない開気
孔の気孔性状を示した。これに対して、本発明の要件を
外れる製造条件で製造した比較例の多孔質炭素材は気孔
モード径、気孔率とも低位にあり、また開気孔が少なく
閉気孔が多く存在していることが判る。
【0028】次に、これらの多孔質炭素材の材質性状の
均一性を比較するために、多孔質炭素材の上面部、内
部、下面部の3箇所から切り出したサンプルについて嵩
密度を測定し、上面部、内部、下面部の嵩密度の平均値
(n=3)および上面部〜下面部全体(n=9)の平均(a) と各
測定値の最大値−最小値=上下幅(b) とから、(b)/(a)
×100 の値を算出して、そのばらつき度合いを対比して
表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】表3の結果から、嵩密度で気孔性状をマク
ロ的に評価した場合、実施例の多孔質炭素材は比較例の
多孔質炭素材に比較して、ばらつき度合いを示す(b)/
(a) ×100の値が小さく、気孔性状の均一性に優れて
いることが判明する。
【0031】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の多孔質炭素材の
製造方法によれば大きな気孔モード径ならびに高い気孔
率を備え、閉塞した気孔が少なく連通する開気孔を多く
有し、気孔性状の均一性に優れた多孔質炭素材を製造す
ることが可能である。したがって、軽量でフィルター、
断熱材、燃料電池や二次電池用の電極材、触媒担体およ
び電気化学的水処理用電極材等として好適に使用するこ
とのできる多孔質炭素材の製造方法として極めて有用で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層した不織布シートに、樹脂不揮発分
    40〜70重量%、粘度0.2〜30ポイズの熱硬化性
    樹脂溶液を含浸する樹脂含浸工程、樹脂含浸不織布シー
    ト積層体を加圧処理して積層体の厚さを20〜40%に
    圧縮する圧縮工程、圧縮された樹脂含浸不織布シート積
    層体を加圧力を解放後減圧下で脱気処理する減圧脱気工
    程、脱気処理された樹脂含浸不織布シート積層体を加圧
    成形および加熱硬化して成形体の気孔率を45〜75%
    に制御する成形工程、次いで非酸化性雰囲気中800℃
    以上の温度で熱処理する焼成炭化工程、とを順次に施す
    ことを特徴とする多孔質炭素材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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