JPH10258811A - 容器の殺菌装置及び容器の殺菌方法 - Google Patents

容器の殺菌装置及び容器の殺菌方法

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JPH10258811A
JPH10258811A JP6448597A JP6448597A JPH10258811A JP H10258811 A JPH10258811 A JP H10258811A JP 6448597 A JP6448597 A JP 6448597A JP 6448597 A JP6448597 A JP 6448597A JP H10258811 A JPH10258811 A JP H10258811A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液状殺菌剤に含まれる安定剤を析出させ、析出
させた安定剤が容易に取り出せ、かつ、殺菌装置の分解
メンテナンス清掃の作業頻度を少なくした容器の殺菌装
置及び容器の殺菌方法を提供すること。 【解決手段】無菌充填包装用容器の殺菌装置において、
殺菌剤を気化させるヒーターが、第1ヒーター13と第
2ヒーター22の2段階で構成されており、かつ、別個
に温度制御可能で、第1ヒーター13は、気化させる殺
菌剤に直接接触させない部位に取り付けられている。ま
た、第1ヒーター13と第2ヒーター22の間にはフィ
ルター16が設置され、第1ヒーター13とフィルター
16の間には冷却器が設置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、果汁、ドリンク類
等の無菌充填包装用容器の殺菌装置及び該容器の殺菌方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、無菌充填包装機における容器の
殺菌方法は、充填物が中性食品の場合には、過酸化水素
や過酢酸系の液状の殺菌剤に容器を浸漬するか、または
この種の殺菌剤を容器に吹き付けるといった殺菌方法を
とることが多い。また、充填物が酸性食品やアルコール
類の場合は、上記の殺菌方法を用いるか、蒸気を使用し
た熱的な殺菌方法をとることが多い。
【0003】このうち、液状の殺菌剤を容器に吹き付け
る方法を取る場合、殺菌剤をヒーターで加熱して気化さ
せ、噴霧ノズルから容器に吹き付け、ついで、乾燥した
ホットエアーで殺菌剤を除去する工程を取ることがあ
る。この場合、殺菌効果が良好であるため、少量の殺菌
剤の使用で容器の殺菌が可能であり、従って、殺菌剤の
除去も容易であり、また、経済的でもある。一方、使用
する液状殺菌剤は、輸送中や保存中の殺菌剤の分解を防
止するため、安定剤が添加されている。一例を示すと、
食品添加物として認可されている35%過酸化水素に
は、リン酸二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等の安
定剤が添加され、過酸化水素付加物として安定化が計ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】容器の殺菌において、
液状殺菌剤を吹き付ける方法を取る場合には、殺菌剤を
加熱して気化させる工程を取る。このため、殺菌剤に添
加されている安定剤等が析出し、ヒーターの性能が低下
したり、噴霧ノズルが詰まるといった問題を引き起こす
ことがある。
【0005】ところで、無菌充填包装機内のヒーターの
性能が低下したり、噴霧ノズルが詰まったりする問題
は、本来無菌充填包装機にあってはならない問題であ
る。また、これらを未然に回避するためには、無菌充填
包装機の殺菌装置部分を分解して定期的なメンテナンス
清掃を行わなければならず、生産性への影響も大きい。
【0006】本発明は、安定剤入りの液状殺菌剤を使用
して無菌充填包装機用の容器を殺菌する殺菌装置におけ
る上記のような問題点を解決するためになされたもの
で、液状殺菌剤に含まれる安定剤を析出させ、析出させ
た安定剤が容易に取り出せ、かつ、殺菌装置の分解メン
テナンス清掃の作業頻度を少なくした容器の殺菌装置及
び容器の殺菌方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
無菌充填包装用容器の殺菌に用いる容器の殺菌装置にお
いて、殺菌剤を気化させるヒーターが第1ヒーターと第
2ヒーターの2段階で構成されている容器の殺菌装置で
ある。
【0008】第2の発明は、第1の発明において前記第
1ヒーターと第2ヒーターとは、別個に温度制御可能と
なっている容器の殺菌装置である。
【0009】第3の発明は、第1および第2の発明にお
いて、前記第1ヒーターは、気化させる殺菌剤に直接接
触させない部位に取り付けられている容器の殺菌装置で
ある。
【0010】第4の発明は、第1、第2および第3の発
明において、第1ヒーターの内側には、第1ヒーターに
取り囲まれるように、殺菌剤が第1ヒーターと接触しな
いよう該殺菌剤を遮蔽するためのタンクが、取り外し自
在に設けられていることを特徴とする容器の殺菌装置で
ある。
【0011】第5の発明は、第1、第2、第3および第
4の発明において、第1ヒーターと第2ヒーターの間に
は、殺菌剤を濾過するためのフィルターが設置されてい
ることを特徴とする容器の殺菌装置である。
【0012】第6の発明は、第1、第2、第3、第4お
よび第5の発明において、前記第1ヒーターとフィルタ
ーの間には、気化した殺菌剤を冷却するための冷却器が
設置されていることを特徴とする容器の殺菌装置であ
る。
【0013】第7の発明は、無菌充填包装用容器の殺菌
に用いる容器の殺菌方法において、殺菌剤を気化させ、
殺菌剤中に存在する安定剤を除去する工程と、安定剤を
除去した殺菌剤を冷却し、液化させる工程と、液化させ
た殺菌剤をフィルターで濾過する工程と、濾過した殺菌
剤を再気化させる工程と、再気化させた殺菌剤を無菌加
熱空気と共に容器に噴霧する工程と、を有する容器の殺
菌方法である。
【0014】上記のように本発明によれば、殺菌剤を気
化させるヒーターが第1ヒーターと第2ヒーターの2段
階で構成され、別個に温度制御が可能な構造で、また、
第1ヒーターと第2ヒーターの間には冷却器とフィルタ
ーが設置されているので、殺菌剤中に存在する安定剤は
容易に析出可能となる。
【0015】また、第1ヒーターは、気化させる殺菌剤
に直接接触させない部位に取り付けてあり、殺菌剤と直
接接触する個所は取り外しが可能な構造となっているの
で、析出した安定剤は容易に取り出しができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の容器の殺菌装置において
は、安定剤等が殺菌装置内の特定の場所にトラップさ
れ、殺菌装置の性能に係る場所には溜まらないようにす
る方法が有効である。さらに、安定剤等がトラップされ
る部位は、相当量を溜めることができ、かつメンテナン
ス清掃が容易な場所になければならない。
【0017】具体的な解決策として、安定剤を特定の部
位に集めるためヒーターを2段階に設置し、それぞれの
ヒーター温度が別個に制御できる構造とした。すなわ
ち、1つ目のヒーター(第1ヒーター)で殺菌剤を沸点
以上に加熱し、殺菌剤を気化させる(食品添加物グレー
ドである35%過酸化水素水の場合は108°C)。こ
の際、殺菌剤に含まれる安定剤のほとんどが析出し、ト
ラップされる。その後、一旦加熱温度を低下させ、フィ
ルターを通過後に2つ目のヒーター(第2ヒーター)で
再度沸点以上に加熱し気化させる構造とした。このフィ
ルター通過時に、残存していた析出した安定剤がトラッ
プされる。
【0018】いずれの場合でも、殺菌剤中の安定剤は第
1ヒーター部分に集まることになる。そこで、第1ヒー
ター部分は、集まった安定剤等を容易に取り除くことが
できるような、また、できるだけ多量の安定剤等を溜め
ることができるような構造であることが望ましい。すな
わち、ヒーターと殺菌剤が接しないような構造で、か
つ、殺菌剤が接する表面は凹凸がないような構造にす
る。
【0019】また、第1ヒーターと第2ヒーターの間に
設置するフィルターは、析出した安定剤等を通さないこ
とが必要である。第1ヒーター部分から気化した殺菌剤
を供給する経路は、第1ヒーターの上部に接続すること
が好ましい。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
本発明の容器の殺菌装置は図1に示すように、殺菌剤中
の安定剤を除去するためのトラップ部10と、トラップ
部と経路14によって連続している、安定剤が除かれた
殺菌剤を殺菌に適した温度に制御するための温度制御部
20などから構成されている。
【0021】トラップ部10は、殺菌剤を供給するため
の殺菌剤供給路11と、殺菌剤中の安定剤を析出させる
タンク12と、タンクの外側に配置された第1ヒーター
13と、気化した殺菌剤を温度制御部20に送るための
経路14と、経路14の途中に設けられた気化した殺菌
剤を冷却する冷却器15と、冷却されて液化した殺菌剤
中の安定剤を濾過するフィルター16などから構成され
ている。
【0022】トラップ部10を構成する殺菌剤供給路1
1および経路14を中心とする各部品は、図1に示すよ
うに、各部品がクランプ19で接続されており、容易に
分解作業ができるよう設計されている。
【0023】そして、殺菌剤中の安定剤のほとんどは、
タンク12内でタンクの内壁に析出し、取り除くことが
できる。このため、タンク内は凹凸のないように、ま
た、タンク12の取り付けにはボルト18を使用して容
易に取り外せる構造とし、タンクの交換、清掃による析
出物の除去が容易に実施可能とした。
【0024】温度制御部20は、フィルターを経てトラ
ップ部10から排出される液状の殺菌剤を溜める第2タ
ンク22と、第2タンク22内に溜まった殺菌剤を加熱
する第2タンクに取り付けられた第2ヒーター21など
から構成されている。
【0025】次に、殺菌剤が容器に噴射されるまでの流
れを記述する。液状の殺菌剤は、殺菌剤供給路11を経
て第1ヒーター13と殺菌剤が接触することのないよう
に設けられ、かつ、殺菌剤中の安定剤を析出させるため
に設けられたタンク12に、殺菌剤供給路11の先端に
取り付けられたノズル17から噴霧される。タンク12
の内壁は第1ヒーター13により殺菌剤の沸点以上に加
熱されている。このため、殺菌剤は気化され、経路14
を経て冷却器15にて沸点以下に冷却され、液体とな
る。液化された殺菌剤はフィルター16で濾過され、タ
ンク12中で除去されなかった少量の安定剤が取り除か
れる。
【0026】安定剤が取り除かれた殺菌剤は、経路14
を経て経路の先端に取り付けられたノズル26より温度
制御部20に送られる。この温度制御部20は、前述の
通り、安定剤が取り除かれた殺菌剤を再加熱して再度気
化し、容器殺菌に適した温度に制御するためのものであ
る。
【0027】安定剤が取り除かれた殺菌剤は、温度制御
部20内の第2タンク22に滴下される。そして殺菌剤
は、第2ヒーター21により加熱され、気化される。こ
の第2ヒーターは、殺菌剤中の安定剤がすでに除去さ
れ、析出するおそれがないため、熱効率を考慮し第2タ
ンク22の中に設置することが望ましい。
【0028】気化した殺菌剤は、経路23より供給され
る無菌加熱空気により、第2タンク22に設けられた経
路23とは別の経路25に搬送され、経路25の先端に
設けられたノズル24より殺菌対象物31に噴射され
る。この際、気化した殺菌剤が経路14に逆流するのを
防止するため、例えば、逆止弁27のような逆流防止装
置を経路のフィルター16からの出口側、フィルター2
6の手前に、設けることが好ましい。
【0029】タンク12の加熱温度は、殺菌剤の沸点以
上、分解温度未満であり、例えば、殺菌剤として35%
濃度の過酸化水素水を用いた場合には、108°C以
上、200°C未満である。ここで述べる分解温度と
は、本発明による容器の殺菌装置において、その温度以
上に加熱すると、ノズルより殺菌剤が噴霧された時点で
分解により殺菌性を失う温度をいう。
【0030】また、冷却器15での冷却温度は、殺菌剤
の沸点未満であり、例えば35%濃度の過酸化水素水で
は108°C未満である。
【0031】さらに、第2タンク22の加熱温度は、殺
菌剤の沸点以上、分解温度未満であり、例えば、35%
濃度の過酸化水素水では108°C以上、200°C未
満であるが、殺菌性を考慮するとノズル24から噴霧さ
れる気化過酸化水素の温度が110°Cから160°C
となるように制御すると良い。
【0032】
【発明の効果】上記のように本発明の容器の殺菌装置を
用いることで、使用する殺菌剤の種類を変えることなく
容器の殺菌不良を回避することができる。また、メンテ
ナンス清掃の頻度を低下させることができ、清掃自体も
容易になるため、生産性を低下させることが現象すると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る殺菌方法を用いた無菌充填包装装
置の殺菌装置部の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1‥‥殺菌装置 10‥‥トラップ部 11‥‥殺菌剤供給路 12‥‥タンク 13‥‥第1ヒーター 14‥‥経路 15‥‥冷却器 16‥‥フィルター 17‥‥ノズル 18‥‥ボルト 19‥‥クランプ 20‥‥温度制御部 21‥‥第2ヒーター 22‥‥第2タンク 23‥‥経路 24‥‥ノズル 25‥‥経路 26‥‥ノズル 27‥‥逆止弁 31‥‥殺菌対象物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 信哉 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無菌充填包装用容器の殺菌に用いる容器の
    殺菌装置において、 殺菌剤を気化させるヒーターが第1ヒーターと第2ヒー
    ターの2段階で構成されていることを特徴とする容器の
    殺菌装置。
  2. 【請求項2】第1ヒーターと第2ヒーターとは、別個に
    温度制御可能となっていることを特徴とする請求項1記
    載の容器の殺菌装置。
  3. 【請求項3】第1ヒーターは、気化させる殺菌剤に直接
    接触させない部位に取り付けられていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の容器の殺菌装置。
  4. 【請求項4】第1ヒーターの内側には、第1ヒーターに
    取り囲まれるように、殺菌剤が第1ヒーターと接触しな
    いよう該殺菌剤を遮蔽するためのタンクが、取り外し自
    在に設けられていることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の容器の殺菌装置。
  5. 【請求項5】第1ヒーターと第2ヒーターの間には、殺
    菌剤を濾過するためのフィルターが設置されていること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載の容器の殺
    菌装置。
  6. 【請求項6】第1ヒーターとフィルターの間には、気化
    した殺菌剤を冷却するための冷却器が設置されているこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の容
    器の殺菌装置。
  7. 【請求項7】無菌充填包装用容器の殺菌に用いる容器の
    殺菌方法において、 殺菌剤を気化させ、殺菌剤中に存在する安定剤を除去す
    る工程と、 安定剤を除去した殺菌剤を冷却し、液化させる工程と、 液化させた殺菌剤をフィルターで濾過する工程と、 濾過した殺菌剤を再気化させる工程と、 再気化させた殺菌剤を無菌加熱空気と共に容器に噴霧す
    る工程と、を有することを特徴とする容器の殺菌方法。
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