JPH102577A - 空気調和機の通風路構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱材を設けることなく、通風路板への露付
きを防止できると共に、その強度を向上させることがで
きる空気調和機の通風路構造を提供する。 【解決手段】 室内機本体１の空気吸込口３の内側の室
内熱交換器４，６を介して空気を吸い込むと共に吹出口
１３より吹き出す横流ファン８を設け、上記室内機本体
１内に、横流ファン８を覆って空気を吹出口１３まで案
内する通風路板１１を成形した空気調和機の通風路構造
において、上記通風路板１１を、中空成形して断熱層１
５を形成したことによって構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機の通風
路構造に係り、特に吹出口に至る通風路の露付き防止性
及び強度が向上するように改良した空気調和機の通風路
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、空気調和機の室内機は、室内機
本体の内部に熱交換器が設けられ、その後部に横流ファ
ンが設けられており、室内機本体の前面部の空気吸込口
から室内空気を上記熱交換器を通して吸い込んで熱交換
した後、横流ファンを通して吹出口より冷風または温風
を吹き出すようになっている。

【０００３】従来、横流ファンの後方には、横流ファン
の背面部を覆って冷風または温風を吹出口まで案内する
通風路板が、室内機本体と一体になるように成形されて
いる。そして、この通風路板は、一定肉厚の樹脂で成形
されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成において、冷房時においては冷風が、横流ファンによ
り通風路板に接した状態で流れているので、通風路板が
冷却されるので、その裏面及び吹出口付近で露付きが発
生する。そのため、通風路板の裏面及び吹出口付近に断
熱材を設ける必要があった。

【０００５】また、通風路板は一定肉厚の一枚の板で成
形されているため強度的に弱いという問題があった。

【０００６】そこで、本発明の目的は、断熱材を設ける
ことなく、通風路板への露付きを防止できると共に、そ
の強度を向上させることができる空気調和機の通風路構
造を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく本
発明は、室内機本体の空気吸込口の内側の室内熱交換器
を介して空気を吸い込むと共に吹出口より吹き出す横流
ファンを設け、上記室内機本体内に、横流ファンを覆っ
て空気を吹出口まで案内する通風路板を成形した空気調
和機の通風路構造において、上記通風路板を、中空成形
して断熱層を形成したものである。

【０００８】上記構成によれば、通風路板の吹出口部
が、中空成形して断熱層を形成するので、断熱材を設け
る必要がなく、露付きを防止でき、また、通風路板の強
度を向上させることができる。

【０００９】また、本発明は、上記吹出口の周囲を区画
する通風路板と左右及び上側の通風路ケーシングとを、
中空成形して断熱層を形成したものであってもよい。こ
れにより、吹出口の周囲の露付き防止性及び強度をさら
に向上させることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。

【００１１】図１は、本発明に係る空気調和機の通風路
構造を用いた室内機を示した側断面図である。

【００１２】図示するように、室内機本体１の外殻は、
図示しない据付板によって壁面に固定された後部ケーシ
ング５と、この後部ケーシング５の前面に取り付けられ
た前面パネル２ｂと、この前面パネル２ｂに開閉自在に
取り付けられた吸込グリル２ａとから構成されている。
吸込グリル２ａには空気吸込口３が形成されており、室
内機本体１内部には、空気吸込口３の後方に位置した前
側熱交換器４が設けられ、この前側熱交換器４の上端部
から室内機本体１の後部ケ−シング５まで延びて後側熱
交換器６が設けられている。これら前側熱交換器４及び
後側熱交換器６は、室内機本体１の横方向に延びて横長
に形成されており、前側熱交換器４は円弧状に、後側熱
交換器６は平面状に形成されている。

【００１３】そして、前側熱交換器４の後方には横流フ
ァン８が設けられている。この横流ファン８は、その幅
方向に所定の間隔を隔てて円板９が複数設けられてお
り、各円板９間に、羽根１０が円周方向に複数取り付け
られ形成されている。

【００１４】横流ファン８の後方の後部ケーシング５に
は、横流ファン８の略上方斜め後から背面部を覆って下
方に延出され吹出空気を吹出口１３に案内する通風路板
１１が一体的に成形されている。通風路板１１は、上端
部から下方にいくに連れて横流ファン８との距離が徐々
に大きくなるように設けられ、その断面は略円弧状に形
成されている。また、この通風路板１１と対向して上側
で通風路を区画する上部通風路ケーシング１２と、通風
路板１１及び上部通風路ケーシング１２の左右端部同士
をそれぞれ連結する左右通風路ケーシング（図示せず）
とが形成されている。

【００１５】通風路板１１の裏側には、上方を向き後部
ケーシング５の裏側に発生したドレン水を集水すると共
に、後部ケーシング５の補強を兼ねたリブ１６が二箇
所、横方向に延びて通風路板１１と一体的に成形されて
いる。

【００１６】吹出口１３は、吸込グリル２ａの下側に位
置する上部通風路ケーシング１２と、左右通風路ケーシ
ングと、通風路板１１との下端部で区画されている。

【００１７】この通風路板１１は、その下端部の吹出口
１３部分からその略中央部までは、その内部に断面が略
三角形の空気層による断熱層１５が設けられるように後
部ケーシング５と一体となって中空成型されている。

【００１８】上部通風路ケーシング１２の後方に形成さ
れたノーズ部１４には、断面が略四角形の空気層による
断熱層１７が設けられるように中空成型されている。

【００１９】このノーズ部１４の断熱層１７の下の部分
には、吹出口１３から吹き出される空気の風向きを左右
方向に調節する左右風向板１９が複数回転自在に連結さ
れている。そして、この左右風向板１９の前方には、上
記風向きを上下方向に調節する上下風向板２０が２枚、
左右通風路ケーシング（図示せず）に回転自在に連結さ
れている。

【００２０】また、図示していないが左右通風路ケーシ
ングも、通風板１１及びノーズ部１２と同様に空気層に
よる断熱層が設けられるように中空成型されている。

【００２１】これらの中空成型は樹脂にて射出成型する
際に、中空成型する箇所に樹脂と共にガスを圧送して行
われる。

【００２２】なお、空気吸込口３と前側熱交換器４との
間には、吸い込まれる空気中のほこり等を取り除くため
のフィルタ２１が、後側熱交換器６上方の後部ケーシン
グ５まで延出して設けられている。

【００２３】また、前側熱交換器４の下方の上部通風路
ケーシング１２には、前側熱交換器４で発生した結露水
を受けるためのドレンパン２２が一体して成型されてい
る。さらに、後側熱交換器６の下方には、後部ケーシン
グ５から延出して設けられ後側熱交換器６で発生した結
露水を受けるためのドレンパン２３が一体して成型され
ている。後側のドレンパン２３と前側のドレンパン２２
とは図示しない流路によって接続されており、後側のド
レンパン２３に集水されたドレン水は、この流路を通っ
て前側のドレンパン２２に流れ、前側のドレンパン２２
からは図示しないドレンホースによってドレン水は室外
へ排水される。

【００２４】なお、通風路板１１の後方には、冷媒配管
やドレンホースを収納する収納スペース２４が形成され
ている。

【００２５】以上の構成から本発明の実施の形態の作用
を説明する。

【００２６】空気吸込口３から吸い込まれた空気は、前
側熱交換器４または後側熱交換器６を通過して、熱交換
される。そして、この熱交換後の空気は、横流ファン８
によって通風路板１１に沿って吹出口１３まで流れ、冷
風または温風として吹出口１３から吹き出される。

【００２７】冷房時においては、冷却された空気は、通
風路板１１に接しながら流れて吹き出されるが、冷風が
接している部分は中空成型されていることにより、断熱
層１５が形成されており、露付きを防止できる。また、
吹出口１３付近においても、通風路板１１が冷え過ぎる
ことはなく、通風路板１１に露付きが発生することがな
い。

【００２８】ところで、通風路板１１の略中央部から上
方の中空成形されていない部分は、冷風によって冷やさ
れ露付きが発生しても裏面のリブ１６によって外部に結
露水が流されるようになっている。

【００２９】また、通風路板１１は、中空成型すること
により２枚の板で構成される二層構造となるため、従来
の一定肉厚の一枚の板で成形されているものより、その
強度を向上させることができる。

【００３０】さらに、吹出口１３の周囲の上部通風路ケ
ーシング１２と左右通風路ケーシング（図示せず）と
が、通風板１１と同様に断熱層が設けられるように中空
成型されているので、吹出口１３の周囲においても、露
付きが発生することなく、さらに強度を向上させること
ができる。

【００３１】上記実施の形態においては、本発明は吹出
口１３が室内機１の下端部に設けられている室内機に適
用されているが、図２及び図３に示すように、室内機本
体３１の中間部を境に上部及び下部の両方に、それぞれ
熱交換器３２と横流ファン３３とを設け、室内機３１の
上下両側にそれぞれ吹出口３４を設けた室内機に適用す
ることもできる。

【００３２】この場合は、冷却された空気は上部の吹出
口３４から吹き出されるので、上部の通風路板３５を中
空成型している。これにより断熱層３６が通風路板３５
に形成されるので、上記の実施の形態と同様に、通風路
板３５への露付きを防止することができ、さらに、その
強度を向上させることができる。

【００３３】また、図２に示す下側の通風路板３７は中
空成型されていないが、中空成型を行い断熱層を設ける
ようにしてもよい。これにより、強度をより向上させる
ことができる。

【００３４】

【発明の効果】以上要するに、本発明によれば、通風路
板を中空成型して、断熱層である空気層を設けたので、
断熱材を設けることなく露付きを効果的に防止できる。
また、通風路板を中空成形することにより二層構造にな
るので、その強度を向上させることができるという優れ
た効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る空気調和機の通風路構造を用いた
室内機を示した側断面図である。

【図２】他の実施の形態の空気調和機の室内機を示した
側断面図である。

【図３】図２の要部拡大断面図である。

【符号の説明】 １ 室内機本体 ３ 空気吸込口 ４ 前側熱交換器 ６ 後側熱交換器 ８ 横流ファン １１ 通風路板 １２ 上部通風路ケーシング １３ 吹出口 １５ 断熱層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内機本体の空気吸込口の内側の室内熱
   交換器を介して空気を吸い込むと共に吹出口より吹き出
   す横流ファンを設け、上記室内機本体内に、横流ファン
   を覆って空気を吹出口まで案内する通風路板を成形した
   空気調和機の通風路構造において、上記通風路板を、中
   空成形して断熱層を形成したことを特徴とする空気調和
   機の通風路構造。
2. 【請求項２】 上記吹出口の周囲を区画する通風路板と
   左右及び上側の通風路ケーシングとを、中空成形して断
   熱層を形成した請求項１記載の空気調和機の通風路構
   造。