JPH10257320A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH10257320A
JPH10257320A JP9074491A JP7449197A JPH10257320A JP H10257320 A JPH10257320 A JP H10257320A JP 9074491 A JP9074491 A JP 9074491A JP 7449197 A JP7449197 A JP 7449197A JP H10257320 A JPH10257320 A JP H10257320A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ドット密度が疎な場合にドット分散効果が高
い多階調画像データを2値画像データヘ変換する画像処
理装置を提供する。 【解決手段】 多階調画像データ出力手段1は入力多階
調画像データdxyが出力され、加算手段2は入力画素
の補正値であるExyと入力多階調画像データdxy
加算し補正画像データDxyを算出する。2値化手段3
は補正画像データDxyと閾値Tを比較し、2値化処理
を行う。閾値発生手段4は閾値Tを発生させ、誤差算出
手段5は補正画像データDxyと2値化結果Oxyより
注目画素の誤差を算出する。また、誤差値補正手段6は
2値化結果Oxyの結果をもとに注目画素および、注目
画素の左側の画素の誤差値を補正し、重み発生手段8は
その重みWijを発生させ、補正値演算手段9は周辺画
素の誤差ex+i,y+jと重みWijを積和演算する
と共に、FLGの状態を判定し、入力多階調画像データ
の補正値を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平均誤差最小法ま
たは誤差拡散法を用いて、多階調画像データを2値化す
る画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に多階調画像データを、2値出力
のみ可能なプリンタ装置に出力する場合や、保存容量を
低減し、転送速度を高速化するためにデータ容量を減少
させるために、各画素の階調数を減らす2値化処理が行
われている。この2値化の手法には、各種の方法がある
が、その中でも高解像度でかつ連続的な階調制御が可能
な優れた特性を持つ誤差拡散法や平均誤差最小法が広く
用いられている。特に近年パーソナル向けとして大幅に
生産台数を伸ばしている安価なインクジェット方式のプ
リンタではこれらの方式を2値化手法として採用してい
る場合が多い。ここで、誤差拡散法とは、ある画素の2
値化時に生じた量子化誤差を、周辺のまだ2値化してい
ない画素へ重み付けをして拡散分配するものである。ま
た、平均誤差最小法とは、周辺の2値化済みの画素に生
じた量子化誤差の重み付き平均値により、注目画素の画
像データ値を補正するものである。誤差拡散法と平均誤
差最小法は、誤差の拡散作業をいつ行うかが異なるだけ
であり、論理的には等価なものである。
【0003】これら誤差拡散法や平均誤差最小法の手法
に関する技術としては、特開平7−226841号公報
に記載の発明が公知である。一般的な平均誤差最小法の
手法は、注目画素の多階調画像データを、既に2値化し
た周辺画素の重み付き誤差分を加算して補正し、その補
正値を予め設定された閾値によって2値化するものであ
る。その際に発生する誤差はまだ2値化されていない周
辺画素に拡散されることになる。まず、注目画素に対応
する誤差の算出方法について説明する。なお、説明に際
して、画像の主走査方向は向かって左から右へ走査され
るものとし、副走査は上から下へ走査されるものとす
る。図3のマトリクスはウェイトマトリクスと呼ばれる
ものの一例である。
【0004】図3の*は注目画素を示し、2値化済みの
画素から算出された誤差に、対応するマトリクスの重み
付き係数を掛け、2値化済みの周辺画素の誤差の合計を
算出する。次にウェイトマトリクスの重みを全て加算し
た合計値で除算される。よって、2値化済みの周辺画素
の誤差を正規化し、注目画素の画像データを補正する誤
差を算出することになる。以上のことを式に表すと下式
のようになる。 Dxy=dxy+Σ〔ex+i,y+j ・wi,j /Σwi,j 〕 但し、x,y:注目多階調画素座標、i,j:ウェイト
マトリクス座標(但し、注目画素を’0,0として左、
上方向はマイナス) dxy :注目画素の画像データ ex+i,y+j :周辺画素の誤差分 wij :ウェイトマトリクスの係数 Dxy :補正データ
【0005】次に、2値化方法について説明する。前式
の補正画素データDxyを予め設定された閾値Tにより2
値化する。2値化方法は、DxyがTよりも小さい場合、
出力データを0、DxyがT以上の場合出力データを1と
する。なお、ここではDxy=Tの場合出力データを1と
しているが、0としても出力画像はほとんど変わらな
い。これらを式に表すと以下の用になる。 IF Dxy<T THEN Oxy=0 ELSE Oxy=1 但し、T:閾値 Oxy:出力2値データ
【0006】最後に、注目画素の誤差の算出方法につい
て説明する。補正データDxyと出力データOxyにより注
目画素における誤差分を計算する。一般的にOxyの値が
0であった場合、Dxyそのものが誤差となり、Oxyの値
が1であった場合、Dxyから、入力画像データにおける
最大値が減算された値が誤差となる。これらを式で表す
と以下のようになる。 exy=Dxy−Oxy・dmax 但し、dmax :入力画像データの最大値
【0007】
【発明が解決しようとする課題】理論的にはこれらの方
法により、画像全体の濃度情報が入力画像と出力画像で
保存された2値化処理を行うことが可能となるのであ
る。前述してきたように平均誤差最小法や誤差拡散法
は、2値化処理法として優れた特徴を有するが、特開平
7−226841号公報でも述べられているように、2
値化によって形成されるドットの密度が疎な場合に、
「ドットが均一に分散されず、不均一に連なったドット
が形成され、画質劣化を生じる」という問題点がある。
一般的に「ウォーム」(worm)等と呼ばれている。
ここで、ドットが疎な場合というのは、画像の光学濃度
が低い部分のことである。例えば画像データが8ビット
であり、白データを0、黒データを255とした場合、
濃度の低い部分とは0に近い数字(0データ部はドット
を打たない)の画像データ部であり、この部分を平均誤
差最小法や誤差拡散法にて処理を行うと、黒ドットがま
ばらに存在することになる。図4に、従来の平均誤差最
小法または誤差拡散法により低濃度部を処理した出力画
像の例を示す。
【0008】前述の特開平7−226841号公報にお
いては、この問題をウェイトマトリクス(この公報にお
いては誤差拡散マトリクスとしている)サイズを大きく
することによって改善している。しかし、本発明者の実
験においては、ウェイトマトリクスサイズを大きくする
ことによって多少の改善はされるものの、依然としてウ
ォームは存在していた。また、たとえ画像の一部にのみ
大きなサイズのウェイトマトリクスを使用するアルゴリ
ズムにおいても、平均誤差最小法や誤差拡散法の処理を
ハードウェアにて構成した場合に、誤差を記憶するメモ
リ量が増えるためにコストアップにつながってしまうと
いう問題があった。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、ドット密
度が疎な場合にドット分散効果が高く、コストアップに
繋がらない平均誤差最小法または誤差拡散法により多階
調画像データを2値画像データヘ変換する画像処理装置
を提供することである。また、本発明の第2の目的は、
本発明をハードウェアにて実現した場合において、コス
トを低く押さえる画像処理装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、本発明をソフトウェアにて実現
した場合における処理速度を高速にする画像処理装置を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、多階調画像データを平均誤差最小法または誤差拡散
法により2値画像データへ変換する画像処理装置であっ
て、注目画素の多階調画像データに、周辺の既に2値化
済みの画素から拡散された誤差を加えて補正し、補正画
像データとして出力する画像データ補正手段と、予め設
定された閾値と前記画像データ補正手段による補正画像
データを比較して2値画像データへ変換する2値化手段
と、前記補正画像データと2値化結果により誤差を演算
する誤差演算手段と、前記2値化手段による注目画素の
2値化結果がオンである場合に、その周辺画素の誤差値
を補正する誤差補正手段とを具備したことにより前記第
1の目的を達成する。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記誤差補正手段は、誤差値を減算する
手段であることにより前記第1の目的を達成する。請求
項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前
記誤差補正手段による誤差値の補正は、注目画素と同一
ラインの画素にのみ行われることにより前記第2の目的
を達成する。請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記注目画素の入力多階調画像データの
値により、前記誤差値を補正するか否かの判定手段を具
備したことにより前記第3の目的を達成する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図1ないし図17を参照して詳細に説明する。図1
は、本実施の形態における平均誤差最小法処理部の構成
図である。本実施の形態では、画像データの処理は、画
像データの向かって左側上部を起点として、主走査
(横)方向へ処理が進み、1ライン分の処理が終了する
と次ラインの処理(副走査方向への処理)が行なわれ
る。以下同図における構成要素を説明する。多階調画像
データ出力手段1は入力多階調画像データdxyが出力さ
れ、加算手段2は入力画素の補正値であるExyと入力多
階調画像データdxyを加算し補正画像データDxyを算出
する。2値化手段3は補正画像データDxyと閾値Tを比
較し、2値化処理を行う。閾値発生手段4は閾値Tを発
生させ、誤差算出手段5は補正画像データDxyと2値化
結果Oxyより画素座標(x,y)で表される注目画素の
誤差を算出する。
【0013】また、誤差値補正手段6は2値化結果Oxy
の結果をもとに注目画素および、注目画素の左側の画素
の誤差値を補正し、誤差記憶手段7は算出された誤差e
xyを格納する。重み発生手段8はウェイトマトリクスを
格納しその重みWijを発生させ、補正値演算手段9は周
辺画素の誤差ex+i,y+j と重みWijを積和演算すると共
に、FLGの状態を判定し、入力多階調画像データの補
正値(注目画素の右側の誤差値)を補正する。
【0014】図2は本実施の形態のシステムの構成例を
表した図である。本実施の形態においては、平均誤差最
小法処理部をホストコンピュータ21内に備えており、
この場合平均誤差最小法処理はホストコンピュータ21
にソフトウェアにより処理され、2値画像出力プリンタ
22へ転送されて2値画像が出力される。なお、このよ
うなシステム構成は、コスト的に有利な方法でありパー
ソナル向けのインクジェトプリンタ等に多く使用されて
いる。また、システム構成は他にもさまざまな構成が可
能である。
【0015】図3は本実施の形態におけるウェイトマト
リクスである。前述したように、*は注目画素を表す。
同図における数値が、対応する画素の誤差の重みであ
る。なお、ウェイトマトリクスはさまざまな構成が可能
である。
【0016】図6、図7は本実施の形態における平均誤
差最小法の手順を示したフローチャートである。処理に
先立ち主走査方向の画素カウンタxおよび副走査方向の
ラインカウンタyを初期値”0”とし、FLGを初期化
する(ステップ10)。次に、補正値演算手段9によ
り、誤差記憶手段7より読み出された2値化済みの画素
の誤差e’x+i,y+j と対応する、重み発生手段8より読
み出されたウェイトマトリクスの重みを乗算し、各々を
加算し、ウェイトマトリクスの重みの合計にて除算し
て、補正値Exyを算出する(ステップ11)。Exyは図
3のウェイトマトリクスを使用して展開すると、
【0017】
【数1】Exy=( ex-1,y-1 ×1+ex,y-1 ×2+e
x+1,y-1 ×1+ex-1,y ×2)1×6
【0018】となる。ここでもし、FLGが0でない場
合は(ステップ12;N)、予め定められた数値VをE
xyより減算し(ステップ13)、FLGを1減算する
(ステップ14)。これは、以前に走査された画素の2
値化結果Oxyが1(オン)であった場合の、その右側の
画素の誤差値の補正と等価である。なお、本実施の形態
においては、入力多階調画像データの補正値に補正を行
っているが、入力多階調画像データに同様に補正を行っ
ても同様の結果を得ることができる。
【0019】次に、入力多階調画像データdxyと補正値
xyを加算手段2により加算して補正データDxyを算出
する(ステップ15)。次に、2値化手段3によって補
正画素データDxyを予め設定された閾値Tにより2値化
する(ステップ16)。2値化方法は、DxyがTよりも
小さい場合(ステップ16;Y)、出力2値画像データ
xyを0(ステップ17)、DxyがT以上の場合(ステ
ップ16;N)出力2値画像データOxyを1とする(ス
テップ18)。続いて、誤差演算手段5により補正画素
データDxyと出力2値画像データOxy、および予め定め
られた値Bにより注目画素における誤差exyを計算する
(ステップ19)。なお、Bは通常入力階調の最大値の
データ(黒)と同一の値となる。例えば入力多階調画像
データが、8ビットだとするとBは255となる。
【0020】次に、誤差補正手段6は2値化結果Oxy
0(ドットオフ)の場合は(ステップ20;N)、exy
の値をそのまま補正誤差値e’xyとして誤差記憶手段段
7に格納し(ステップ22)、Oxyが1(ドットオン)
の場合は(ステップ20;Y)、注目画素の誤差値であ
るexyと共に、予め定められたC個分の、注目画素の左
側の(注目画素以前に走査された)画素において算出さ
れた誤差ex-k (この場合kは1〜Cの自然数となる。
なお、0を含めると注目画素の誤差をも含めることにな
る)から前述のVを減算し、補正誤差値e’x-k とする
(ステップ23)。これにより、注目画素と注目画素の
左側の部分の誤差値の補正を行ったことになるが、前述
の注目画素の右側の誤差値を補正するためにFLGにC
の値をセットする(ステップ26)。
【0021】続いて、主走査方向の画素カウンタxをイ
ンクリメントする(ステップ27)。これで1画素分の
処理が終了である。1画素分の処理が終了すると、主走
査1ライン分の処理が終了したか判断し(ステップ2
8)、終了していなければ(ステップ28;N)、次
(右隣)の画素の処理を行う。もし、先ほどの判断によ
り主走査1ライン分の処理が終了していれば(ステップ
28;Y)、ラインカウンタyをインクリメントし(ス
テップ30)、副走査方向の処理が終了したかどうか判
断する(ステップ31)。もし、終了していなければ
(ステップ31;N)、FLGの値をクリアし、次(下
段)のラインの処理を行い、全てのラインの処理が終了
していればこの画像の処理は終了となる。
【0022】以下、本実施の形態の有効性を詳細に説明
する。図8に低濃度部において通常の平均誤差最小法処
理を施した時の、誤差の分布を示してある。この図にお
ける平均誤差最小法処理は、図3に示したウェイトマト
リクスを使用し、入力多階調画像データを8ビットとし
て図中全画素の入力多階調データ値を2、閾値を128
とした。誤差はその値によってパターンに分けて示して
いる。なお、この図の場合も紙面上向かって左上から横
方向に主走査を行い、下方向へ副走査が行われる。図中
最小の楕円の画素(誤差値−150〜−100の楕円)
が2値化結果が1(オン)となった画素である。このよ
うに低濃度部における2値化結果が1となった場合の誤
差は、入力多階調画像データ値が低いため、大きなマイ
ナスの誤差が出力される。そのため、平均誤差最小法
は、その方法自体に、低濃度部では、ドットの周辺にド
ットが打たれる(ドットが集中する)のを防ぐ働きがあ
る。
【0023】ところで、図8より、左から右へ主走査を
行う通常の平均誤差最小法処理においては、負の誤差の
影響は右斜め下方向へ強く現れ、左方向はあまり影響を
与えないことが分かる。このため、ドットが打たれた画
素の左側には、大きな誤差が残り、ドットが打たれ易い
状況が残る。結果的に、図4に示したように、左斜め下
方向へドットが連なる現象が起こり、画像品質を低下さ
せていた。しかし、本実施の形態によれば、多階調画像
データを平均誤差最小法により2値画像データへ変換す
る画像処理装置において、注目画素の2値化結果が1
(オン)となった場合に、注目画素の、左右の複数の画
素の誤差値を減算して補正し、注目画素の左側にも負の
誤差の影響を与えているので、2値化によって形成され
るドットの密度が疎な場合においても、ドットの分散性
の良い、図5に示したような画像が得られる。
【0024】この説明においては、補正画素数C(ドッ
トが打たれた場合の総補正画素数は2C+1となる)補
正数値Vについて明確な数値を示していないが、これら
は、実験により画像を出力して、定めていくのが望まし
い。実験においては、これらの数値が、小さい状態で
は、効果が低く、大きくすると効果が大となり、あまり
大きくし過ぎると、過補正となることが確認されてい
る。また、これらの数値はウェイトマトリクスの種類、
大きさ等によっても効果が変化するため、本実施の形態
のそれぞれの系によって最適値を実験により求めていく
のが望ましい。なお、本実施の形態では平均誤差最小法
にて行う方法であったが、これが誤差拡散法を使用して
も、理論的に効果は等価であり、本実施の形態は平均誤
差最小法と誤差拡散法の違いによって制約を受けるもの
ではない。また、平均誤差最小法および誤差拡散法には
閾値にランダムノイズを重畳したり、ディザマトリクス
を使用して閾値を変化させる方法、ラインの処理方向を
互い違いに行う方法等が行われているが、本実施の形態
はいずれの場合にも対応し、それらの平均誤差最小法ま
たは誤差拡散法の付加手法によって制約を受けない。
【0025】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。第1の実施の形態では、ソフトウェアによっ
て平均誤差最小法を実現する方法を説明したが、この実
施の形態においてはハードウェアにて平均誤差最小法を
実現する方法を述べる。図9は本実施の形態のシステム
の構成例を示した図である。本実施の形態においては、
平均誤差最小法処理部を2値画像プリンタ24内にハー
ドウェアにより備えた例であり、ホストコンピュータ2
3は例えばポストスクリプトのようなページ記述言語等
により2値画像出力プリンタ24と通信を行い、2値画
像出力プリンタ24側ではそれを展開し、平均誤差最小
法処理を施して2値画像を出力する。
【0026】このようなシステム構成は高速性に有利な
方法で、電子写真方式等のプリンタ装置に多く用いられ
る。なお、システム構成は他にもさまざまな構成が考え
られる。本実施の形態の概略の構成は、図1に示す第1
の実施の形態の場合と同様である。誤差演算手段5、誤
差値補正手段6、誤差記憶手段7、補正値演算手段9に
ついて以下詳細な構成図により説明する。図10は、誤
差演算手段5の構成図である。以下同図における構成要
素を説明する。加算器31は補正画像データDxyと−2
55を加算し、セレクタ32は2値化結果Oxyの結果が
1(ドットオン)の場合加算器31の出力値を選択し、
2値化結果Oxyの結果が0(ドットオフ)の場合補正画
像データDxyを選択し誤差値exyとして出力する。
【0027】図11は、誤差値補正手段6の構成図であ
る。以下、同図における構成要素を説明する。フリップ
フロップ41〜44は、誤差値eをラッチする。図中簡
略化してあるが本実施の形態におけるフリップフロップ
41〜44は予め定められた数C個存在し、C画素分の
誤差eのシフトレジスタとして使用している。加算器4
5は誤差値ex-c,y と予め定められた数−Vを加算し、
セレクタ46はFLGが0(オフ)であった場合誤差値
x-c,y を選択し、FLGが1(オン)であった場合誤
差値ex-c,y と−Vの加算結果を選択し補正誤差値e’
x-c,yとして出力する。
【0028】加算器47は注目画素の誤差値exyと−V
を加算し、セレクタ48は2値化結果Oxyの結果が0
(ドットオフ)であった場合誤差値exyを選択し、2値
化結果Oxyの結果が1(ドットオン)の場合誤差値exy
と−Vの加算結果を選択し補正誤差値e’xyとして出力
する。カウンタ49は、2値化結果Oxyの結果が1(ド
ットオン)となった時に、0の値がロードされ、その値
を1づつカウントアップする。このカウンタ49は、そ
のカウンタ値がC+1となるとカウントを停止する構成
となっている。比較器50はカウンタ49の値と、Cを
比較しカウンタ49のカウント値がC以下であった場
合、FLG信号をオンする。
【0029】図12は、誤差記憶手段7と補正値演算手
段9の構成を表した図である。フリップフロップ61
は、補正誤差値e’xyをラッチし、FIFO(Firs
t ln First Out)62は補正誤差値e’
を1ライン分記憶する容量を持つラインメモリである。
フリップフロップ63、64はFIFO62から読み出
された注目画素の1ライン前の補正誤差値e’をラッチ
し、乗算機65〜68は注目画素周辺の補正誤差値e’
と、ウェイトマトリクスの重み係数を乗算する。
【0030】加算器69は乗算機65〜68の出力結果
を加算し、除算器70は加算器69の出力値をウェイト
マトリクスの合計値6により除算する。フリップフロッ
プ71は誤差値補正手段6により出力されたFLG信号
をラッチして、1画素分遅延させる。なお、この際にF
LG信号を遅延させる理由であるが、FLG信号が発生
した時点における注目画素は、座標(x,y)である。
FLG信号は、座標(x,y)の画像を2値化した結果
が1(オン)となった場合に、その次の画素(x+1,
y)からC個の画素を処理する為の判定信号であるか
ら、ここでは1画素分遅延させる必要がある。加算器7
2は除算器70の除算結果と−Vを加算し、セレクタ7
3はFLGが0(オフ)であった場合除算器70の出力
結果を選択し、FLGが1(オン)であった場合加算器
72の出力結果を選択し補正値Exyとして出力する。
【0031】図13、図14は本実施の形態における動
作のフローチャートである。以下同図をもとに本実施の
形態の動作を説明する。まず、処理に先立って主走査方
向の画素カウンタxおよび副走査方向のラインカウンタ
yを初期値”0”とし、FLG信号を初期化(オフ)す
る(ステップ40)。次に、補正値演算手段9により、
誤差記憶手段7より読み出された、2値化済みの画素の
補正誤差、e’x-1,y-1 と1を乗算器68にて乗算し、
e’x,x-1 と2を乗算器67にて乗算し、e’x+1,y-1
と1を乗算器66にて乗算し、e’x-1,y と2を乗算器
65にて乗算し、加算器69にてそれらを加算する(ス
テップ41)。その結果を誤差値補正手段6により除算
器70にて除算し、補正値Exyを算出する。Exyは第1
の実施の形態の場合と同様に
【0032】
【数2】Exy=(ex-1,y-1 ×1+ex,y-1 ×2+e
x+1,y-1 ×1+ex-1,y ×2)×1/6
【0033】となる。ここでもし、FLGが0でない場
合は(ステップ42;N)、予め定められた数値−Vと
xyを加算器72にて加算する(ステップ43)。前述
したように、これは、以前に走査された画素の2値化結
果Oxyが1(オン)であった場合の、その右側の画素の
誤差値の補正と等価である。なお、本実施の形態におい
ては、入力多階調画像データの補正値に補正を行ってい
るが、入力多階調画像データに同様に補正を行っても同
様の結果が得られる。
【0034】次に、入力多階調画像データdxyと補正値
xyを加算手段2により加算して補正データDxyを算出
する(ステップ44)。続いて、2値化手段3によって
補正画素データDxyを予め設定された閾値Tにより2値
化する(ステップ45)。2値化方法は、DxyがTより
も小さい場合(ステップ45;Y)、出力2値画像デー
タOxyを0(ステップ46)、DxyがT以上の場合(ス
テップ45;N)、出力2値画像データOxyを1とする
(ステップ47)。
【0035】次に、セレクタ32は、2値化結果Oxy
1(ドットオン)であった場合は(ステップ48;
Y)、Dxyと−255を加算器31にて加算した結果を
誤差値exyとし(ステップ49)、2値化結果が0(ド
ットオフ)であった場合は(ステップ48;N)、Dxy
を誤差値exyとする(ステップ50)。続いて、セレク
タ48は、2値化結果Oxyが0(ドットオフ)の場合は
(ステップ51;N)、exyの値をそのまま補正誤差値
e’xyとして誤差記憶手段7に出力し(ステップ5
3)、2値化結果Oxyが1(ドットオン)の場合は(ス
テップ51;Y)、加算器47により加算された注目画
素の誤差値であるexyと−Vの加算結果を、e’xyとし
て誤差記憶手段7に出力する(ステップ52)。
【0036】また、2値化結果Oxyが1(ドットオン)
となると(ステップ54)、カウンタ49が0クリアさ
れ、カウントを開始する。比較器50は、このカウンタ
の値の変化により出力(FLG信号)をオンとする(ス
テップ55)。なお、FLG信号は2値化結果Oxyが1
(ドットオン)となった画素からC個分の画素の処理が
終了するまでオンとなる。次にセレクタ46は、FLG
信号が1(オン)であった場合は(ステップ55;
Y)、誤差ex-c,y と−Vを加算器45により加算した
結果を補正誤差値e’x-c,y として出力し(ステップ5
6)、FLG信号が0(オフ)であった場合は(ステッ
プ55;N)、誤差ex-c,y を補正誤差値e’x-c,y
して出力する(ステップ57)。この注目画素と注目画
素の左側の部分の誤差値の補正は、本実施の形態の場
合、注目画素の処理を行っている時に、座標(x−C,
y)の画素の補正を行い、以下注目画素が進む毎に順
次、2値化結果Oxyが1(オン)となった画素(現在の
注目画素)まで補正が行われる。
【0037】補正が行われた画素の補正誤差e’x-c,y
はFIFO62に格納される。一方セレクタ48より出
力された注目画素の補正誤差e’xyは、フリップフロッ
プ61により1画素分遅延され、次の座標(x+1,
y)の補正値Ex+1,yを求めるために使用され、F
IFO62には、現段階では保存されない。次に、主走
査方向の画素カウンタxをインクリメントする。 これ
で1画素分の処理が終了である。1画素分の処理が終了
すると、主走査1ライン分の処理が終了したか判断し
(ステップ62)、終了していなければ(ステップ6
2;N)、次(右隣)の画素の処理を行う。
【0038】もし、先ほどの判断により主走査1ライン
分の処理が終了していれば(ステップ62;Y)、ライ
ンカウンタyをインクリメントし(ステップ63、ステ
ップ64)、副走査方向の処理が終了したかどうか判断
する(ステップ65)。そして、終了していなければ、
FLG信号をクリアし、次(下段)のラインの処理を行
い、全てのラインの処理が終了していればこの画像の処
理は終了となる。
【0039】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、多階調画像データを平均誤差最小法により2値画像
データへ変換する画像処理装置において、注目画素の2
値化結果が1(オン)となった場合に、注目画素の、左
右の複数の画素の誤差値を減算して補正し、注目画素の
左側にも負の誤差の影響を与えているので、2値化によ
って形成されるドットの密度が疎な場合においても、ド
ットの分散性の良い、図5に示したような画像が得るこ
とができる。また、本実施の形態のように、ハードウェ
アにより平均誤差最小法を実現した場合、特に大きな誤
差拡散マトリクスを使用せず、また注目画素と同一ライ
ンの誤差にのみ誤差値の補正を行っているので、ライン
メモリが最小限の数で済みコスト的にも有利であるとい
う効果を併せ持つ。
【0040】なお、本実施の形態では平均誤差最小法に
て行う方法であったが、これが誤差拡散法を使用して
も、理論的に効果は等価であり、平均誤差最小法と誤差
拡散法の違いによって制約を受けるものではない。ま
た、平均誤差最小法および誤差拡散法には閾値にランダ
ムノイズを重畳したり、ディザマトリクスを使用して閾
値を変化させる方法、ラインの処理方向を互い違いに行
う方法等が用いられているが、本実施の形態はいずれの
場合にも対応し、それらの平均誤差最小法または誤差拡
散法の付加手法によって制約を受けることはない。
【0041】次に、第3の実施の形態を説明する。前記
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、全入力
データレベルにより誤差値の補正を行う例を示したが、
前述したように一般的に平均誤差最小法や誤差拡散法に
よりウォームが問題となるのは、低濃度部のみであるの
で、それ以外の部分では特に誤差値の補正を行う必要が
ない。また、平均誤差最小法や誤差拡散法をソフトウェ
アで行う場合、誤差値の補正を全入力レベルにて行うこ
とは、速度的に不利となる可能性があるため、本実施の
形態では、入力データレベルによって選択的に誤差値の
補正を行う方法を示す。
【0042】本実施の形態におけるシステム構成は第1
の実施の形態と同様である。即ち、本実施の形態でも平
均誤差最小法処理はホストコンピュータ21にソフトウ
ェアにより処理され、2値画像出力プリンタ22へ転送
され2値画像が出力されることになる。図15に本実施
の形態における平均誤差最小法の構成図を示してある。
誤差値補正手段6以外は、第1の実施の形態と同様であ
る。本実施の形態の誤差値補正手段6は、2値化結果O
xyの結果をもとに注目画素および、注目画素の左側の画
素の誤差値を、入力画像データの値により補正を行うか
どうか判定し補正する誤差値補正手段である。また、本
実施の形態におけるウェイトマトリクスも第1の実施の
形態と同様である。
【0043】図16、図17は本実施の形態の平均誤差
最小法の処理の手順を示したフローチャートである。第
1の実施の形態との相違点は、誤差補正手段6のみであ
るので、ここでは相違点のみを説明する。誤差補正手段
6は入力多階調画像データの値を、予め定められた数J
と比較し(ステップ80)、入力多階調画像データがJ
以下であった場合のみ(ステップ80;Y)、第1の実
施の形態の場合と同様に2値化結果Oxyの2値化結果が
1(オン)であった場合に(ステップ81;Y)、注目
画素とその右側のC個分の画素の誤差値ex-k,y を補正
し(ステップ84)、FLGにCの値をセットする(ス
テップ87)。つまり、本実施の形態では、ドット分散
性の悪い低濃度部のみに誤差値の補正を行うことにな
る。
【0044】以上説明したように、多階調画像データを
平均誤差最小法により2値画像データへ変換する画像処
理装置または画像処理方法において、入力多値画像デー
タの値が低濃度部に属する値であった場合にのみ、注目
画素の2値化結果が1(オン)となったときに、注目画
素の、左右の複数の画素の誤差値を減算して補正し、注
目画素の左側にも負の誤差の影響を与えているので、2
値化によって形成されるドットの密度が疎な場合におい
ても、ドットの分散性の良い、図5に示したような画像
が得られる。また、誤差値の補正処理が必要な階調レベ
ルのみを選択して行っているので、本実施の形態のよう
にソフトウェアにより平均誤差最小法処理を行った場合
でも高速な処理が可能となる。
【0045】なお、この説明においても、補正画素数C
(ドットが打たれた場合の総補正画素数は2C+1とな
る)補正数値V、入力多階調画像データ判定値J等の明
確な数値を示していないが、これらは、第1の実施の形
態で述べたのと同様に、実施するそれぞれの系によって
最適値を実験により求めていくのが望ましい。この実施
の形態は、平均誤差最小法にて行う方法であったが、こ
れが誤差拡散法を使用しても、理論的に効果は等価であ
る。また、平均誤差最小法および誤差拡散法には閾値に
ランダムノイズを重畳したり、ディザマトリクスを使用
して閾値を変化させる方法、ラインの処理方向を互い違
いに行う方法等があるが、それらの平均誤差最小法また
は誤差拡散法の付加手法によって本実施の形態は制約を
受けない。さらに、第2の実施の形態のようにハードウ
ェアによって構成しても良く、システム構成の違いによ
っても制約を受けることはない。
【0046】
【発明の効果】請求項1または請求項2記載の発明で
は、多階調画像データを平均誤差最小法または誤差拡散
法により2値画像データへ変換する画像処理装置におい
て、注目画素の2値化結果が1(オン)となった場合
に、注目画素の、左右の複数の画素の誤差値を減算して
補正し、注目画素の左側にも負の誤差の影響を与えてい
るので、2値化によって形成されるドットの密度が疎な
場合においても、ドットの分散効果の高い平均誤差最小
法または誤差拡散法処理を行うことができる。また、特
に大きなウェイトマトリクスを必要としないのでコスト
アップに繋がることがない。
【0047】請求項3記載の発明では、誤差値を補正す
る画素を注目画素と同一ラインのみに限定しているの
で、ハードウェアにより実施した場合においても不要な
コストアップを招かずに上記の効果を実現できる。請求
項4記載の発明では、請求項1の効果に加えて、誤差値
の補正処理が必要な階調レベルのみを選択して誤差値の
補正を行っているので、本発明をソフトウェアにより実
現した場合でも高速な処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における平均誤差最小法処理部の
構成図である。
【図2】本実施の形態のシステムの構成例を表した図で
ある。
【図3】ウェイトマトリクスの一例を表した図である。
【図4】従来の平均誤差最小法または誤差拡散法により
低濃度部を処理した出力画像の例を示した図である。
【図5】ドットの分散性が優れた出力画像の例である。
【図6】第1の実施の形態に係る画像処理装置の処理の
手順を示したフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る画像処理装置の処理の
手順を示したフローチャートであり、図6の続きであ
る。
【図8】低濃度部において通常の平均誤差最小法処理を
施した時の誤差の分布を示した図である。
【図9】第2の実施の形態のシステムの構成例を示した
図である。
【図10】誤差演算手段の構成を示した図である。
【図11】誤差値補正手段の構成を示した図である。
【図12】誤差記憶手段と補正値演算手段の構成を示し
た図である。
【図13】第2の実施の形態に係る画像処理装置の処理
の手順を示したフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態に係る画像処理装置の処理
の手順を示したフローチャートであり、図14の続きで
ある。
【図15】第3の実施の形態における平均誤差最小法の
構成を示した図である。
【図16】第3の実施の形態に係る画像処理装置の処理
の手順を示したフローチャートである。
【図17】第3の実施の形態に係る画像処理装置の処理
の手順を示したフローチャートであり、図16の続きで
ある。
【符号の説明】
1 多階調画像データ出力手段 2 加算手段 3 2値化手段 4 閾値発生手段 5 誤差算出手段 6 誤差値補正手段 7 誤差記憶手段 8 重み発生手段 9 補正値演算手段 21 ホストコンピュータ 22 2値画像出力プリンタ 23 ホストコンピュータ 31、45、47、69、72 加算器 32、46、48、73 セレクタ 41〜44、61、63、64、71 フリップフロッ
プ 49 カウンタ 62 FIFO 65〜68 乗算機 70 除算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多階調画像データを平均誤差最小法また
    は誤差拡散法により2値画像データへ変換する画像処理
    装置であって、 注目画素の多階調画像データに、周辺の既に2値化済み
    の画素から拡散された誤差を加えて補正し、補正画像デ
    ータとして出力する画像データ補正手段と、 予め設定された閾値と前記画像データ補正手段による補
    正画像データを比較して2値画像データへ変換する2値
    化手段と、 前記補正画像データと2値化結果により誤差を演算する
    誤差演算手段と、 前記2値化手段による注目画素の2値化結果がオンであ
    る場合に、その周辺画素の誤差値を補正する誤差補正手
    段とを具備したことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記誤差補正手段は、誤差値を減算する
    手段であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記誤差補正手段による誤差値の補正
    は、注目画素と同一ラインの画素にのみ行われることを
    特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記注目画素の入力多階調画像データの
    値により、前記誤差値を補正するか否かの判定手段を具
    備したことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
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