JPH1025671A - インクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染方法

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JPH1025671A
JPH1025671A JP8201050A JP20105096A JPH1025671A JP H1025671 A JPH1025671 A JP H1025671A JP 8201050 A JP8201050 A JP 8201050A JP 20105096 A JP20105096 A JP 20105096A JP H1025671 A JPH1025671 A JP H1025671A
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JP
Japan
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ink
dye
parts
jet printing
printing method
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JP8201050A
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English (en)
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Tomoya Yamamoto
智也 山本
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
Masahiro Haruta
昌宏 春田
Shoji Koike
祥司 小池
Kinu Shirota
衣 城田
Mariko Suzuki
真理子 鈴木
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • B41J3/4078Printing on textile

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  • Textile Engineering (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の粒状性をなくさせることで、画像のイ
ラツキがなく鮮明で快調性に優れた画像を提供し得るイ
ンクジェット捺染方法の提供。 【解決手段】 (a)インクを布帛上にインクジェット
方式で付与する工程、(b)インクが付与された該布帛
を熱処理により染着させる工程、(c)熱処理した該布
帛を洗浄する工程の3工程を少なくとも有するインクジ
ェット捺染方法において、それぞれが同一色相の染料を
含み、各々の染料含有濃度が異なる2種以上のインクを
用い、且つ該2種以上のインクのうちの染料含有濃度の
最も低いインクの表面張力が30dyn/cm以下であ
り、染料含有濃度の最も高いインクの表面張力が40d
yn/cm以上であることを特徴とするインクジェット
捺染方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット方式
により布帛に階調性に優れると共に彩度の高いプリント
を行うインクジェット捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、捺染方法の主流はスクリーン捺染
方法、ローラー捺染方法である。しかしながら、これら
の方式は、多品種少量生産に不向きであり、流行への敏
速な対応も困難であることから、最近では無製版の電子
捺染システムの確立が要望されている。
【0003】この要望に対してインクジェット方式によ
る捺染方法が数多く提案されており、各方面からの期待
も大きくなっている。インクジェット方式による捺染方
法の課題としては、(1)発色に十分な濃度を与えるこ
と、(2)布帛に対する色素の染着率が高く、洗浄工程
後の廃水処理が容易であること、(3)布帛上で異色間
の混色によって生じる不規則な滲みが目立たないこと、
(4)色再現性が広いこと、(5)常に安定した生産が
可能であること、(6)画像の粒状感が目立たず、画像
のイラツキ(色ムラ)がないこと、等が挙げられる。
【0004】これらの課題を満足させるために、前記の
(1)から(5)までの課題については、インクに様々
な溶剤を加えたり、布帛に対するインクの打込量を操作
したり、布帛に前処理を施す等の様々な提案がされてき
ている。又、ポリエステル布帛に対する捺染方法として
は、特開昭61−118477号公報にインクジェット
用として昇華温度が180℃以上の分散染料を使用する
という方法が開示されている。
【0005】又、(6)の粒状性及びイラツキについて
も、濃度が異なる2種類のインクを使用することで粒状
性やイラツキ等をなくすること等が提案されている。し
かしながら、あらゆる濃度領域で粒状性をなくすために
は、染料含有濃度の異なるインクを数多く、更にそれぞ
れの色の分だけ必要とするため、限られたインク数で非
常に多くの色を再現するインクジェット方式では、多数
のインクを使用するのはどうしても装置的に限界があ
る。そのため、インクジェット方式において現実的な少
ない数のインクでは、濃色部から中淡色部までは粒状性
を低減させることができても、淡色部から極淡色部のよ
うにドットの面積打ち込み密度の低い部分では各ドット
が際立ち、更に他色と混色させた場合においては画像の
イラツキが発生し、粒状性やイラツキを低減させるには
十分な結果が得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、布帛にインクジェット捺染を行う際に、前記のごと
き従来の一般的なインクジェット捺染の問題、特に
(6)で挙げたような画像の粒状性をなくさせることで
イラツキがなく鮮明で且つ階調性に優れた絵柄模様を得
ることができるインクジェット捺染方法を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、(a)イン
クを布帛上にインクジェット方式で付与する工程、
(b)インクが付与された該布帛を熱処理により染着さ
せる工程、(c)熱処理した該布帛を洗浄する工程の3
工程を少なくとも有するインクジェット捺染方法におい
て、それぞれが同一色相の染料を含み、各々の染料含有
濃度が異なる2種以上のインクを用い、且つ該2種以上
のインクのうちの染料含有濃度の最も低いインクの表面
張力が30dyn/cm以下であり、染料含有濃度の最
も高いインクの表面張力が40dyn/cm以上である
ことを特徴とするインクジェット捺染方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、インクジェット捺
染方法において、前述したごとき様々な要求性能、特
に、ドットで画像を表現するインクジェット方式特有の
課題である粒状性を低減すべく改良を行った結果、同一
色相の染料を含む、染料含有濃度の異なる2種以上のイ
ンクを用い、そのうちの染料含有濃度の最も低いインク
の表面張力を30dyn/cm以下とし、且つ染料含有
濃度の最も高いインクの表面張力を40dyn/cm以
上とすることによって、濃色部から極淡色部までの全て
の濃度域で粒状性が改善できることを知見した。
【0009】これは、インクの表面張力を低くすること
によって、布帛の繊維とインクの濡れ性が向上してイン
クの繊維間での浸透性が大きくなるが、このため、表面
張力の低いインクは布帛上に構成されるドットの径が大
きくなり、又、この様なインクのインク中の染料含有濃
度は低いので染料が布帛上に平面的に薄く広く分布さ
れ、更に、染着時の熱処理で繊維間に残存するインク媒
体を介して生じる染料の拡散も大きくなる為、粒状性が
低減されるものと考えられる。又、染着時の熱処理に水
蒸気を併用する方法であると、熱処理時に繊維間のイン
クが水分を吸収することによって、表面張力の小さいイ
ンクの浸透効果が顕著となり染料の拡散がますます増大
し、粒状性の低減がより向上されることも知見した。
【0010】次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明
をより詳細に説明する。本発明に使用するインクジェッ
ト用捺染インクとしては、同一色相で染料含有濃度の異
なる2種以上のインクが用いられ、これらのうち、染料
含有濃度の最も低いインクの表面張力を30dyn/c
m以下、好ましくは27dyn/cm以下とし、染料含
有濃度の最も高いインクの表面張力を40dyn/cm
以上、好ましくは45dyn/cm以上とする。染料含
有濃度の最も低いインクの表面張力を30dyn/cm
より大きくするとドットの粒状感が際立ってしまう。
又、染料含有濃度の最も高いインクの表面張力を40d
yn/cm未満とすると、滲みが大きくなり精細性の低
下を生じる。尚、染料含有濃度の異なるインクを3種以
上使用する場合は、上記の最大と最小の範囲内で、それ
ぞれのインクの表面張力が染料含有濃度の順になるイン
クを使用することが好ましい。
【0011】これらインクの表面張力を制御する方法と
しては、一般的な表面張力調整剤を使用し、インク中に
添加することが好ましい。表面張力調整剤としては、具
体的には、アニオン系またはノニオン系界面活性剤、ア
ルコール、低表面張力水溶性有機溶剤等が挙げられる。
例えば、アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、ア
ルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスル
ホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩、及びこれらの置換誘導体等;ノニ
オン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセ
リン脂肪酸エステル等;アルコールとしては、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルキルア
ルコール、アセチレンアルコール等;低表面張力水溶性
有機溶剤としては、エチルアミン、イソプロピルアミ
ン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、アセト
ン、アセチルアセトン等のケトン類等;が挙げられる。
【0012】インク中に含有する染料としては、反応染
料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、分散染料等熱処
理によって繊維に染着する染料であれば使用することが
でき、これらの染料は単独であるいは2種以上を併用し
て使用することができる。更に、上記の濃度の最も高い
インク染料の含有量は、インク全重量に対して好ましく
は1〜25重量%の範囲とする。染料の含有量が1重量
%未満の場合は、布帛上における発色の濃度が不十分と
なる場合がある。又、25重量%を超えて含有すると分
散インクの保存安定性の劣化やノズル先端付近における
インク蒸発に伴う増粘や析出によるインクの不吐出を引
き起こす場合がある。
【0013】一方、上記の濃度の最も低いインクの染料
含有量は、上記の濃度の最も高いインクの染料含有量に
対し、好ましくは重量比でその1/3以下、より好まし
くはその1/4以下の含有量である。濃度の最も低いイ
ンクの染料含有量が、上記の濃度の最も高いインクの染
料含有量の1/3を超えて含有すると、染色布帛の粒状
性の低減が不十分となり、鮮明な絵柄模様が得られなく
なる場合がある。
【0014】なお、本発明で言う同一色相とは、インク
で染色した後の色を、JIS−Z−8721準拠の標準
色票(マンセルの色表)と照らし合わせて、同一の色相
に分類された色を指すものとする。JIS−Z−872
1準拠の標準色票とは、色見本により対象物の色を判定
するための方法で、色相を、R、YR、Y、GY、G、
BG、B、PB、P及びPRの10通りに分類してい
る。しかし、たとえ標準色票で同一色相を選択し濃淡イ
ンクとして使用したとしても0〜100%の濃度を20
段階に分割した濃淡のグラデーションにおいて色味のず
れが生じてしまう場合もある。そこで濃淡のインクを作
製する時の染料は、同一の染料群からなる物を選択する
ことがより好ましい。
【0015】更に、本発明に用いられるインクは水性媒
体を含有する。インクの成分の1つである水は、インク
全重量に対して好ましくは10〜93重量%、より好ま
しくは25〜87重量%、更に好ましくは30〜82重
量%の範囲で含有することができる。
【0016】更に、水性媒体として、水の他に有機溶剤
を併用することが好ましい。有機溶剤については、例え
ば、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたは
ケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレ
ンまたはオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2乃至
6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;チオジ
グリコール;グリセリン;ビスヒドロキシエチルスルホ
ン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(ま
たはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキ
ルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(また
はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級
ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−
ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0017】上記のごとき有機溶剤を併用する場合は単
独でも混合物としても使用できるが、最も好ましい水性
媒体の組成は、有機溶剤として少なくとも1種の多価ア
ルコール及びその誘導体を含有するものである。なかで
も、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエ
チレングリコールジメチルエーテル、チオジグリコー
ル、ビスヒドロキシエチルスルホンは特に良好なもので
ある。上記有機溶剤の含有量は、一般にはインクの全重
量に対して0〜50重量%、好ましくは2〜45重量%
の範囲である。
【0018】本発明に使用するインクの主要成分は上記
の通りであるが、その他公知の各種の分散剤、粘度調整
剤、蛍光増白剤及び消泡剤等を必要に応じて添加するこ
とができる。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸等の
界面活性剤、樹脂等の分散剤;ポリビニルアルコール、
セルロース類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;緩衝液によ
るpH調整剤、防カビ剤等である。本発明に使用するイ
ンクは、上記の色材、水性媒体、更に必要に応じてその
他の添加剤とともに、従来公知の分散方法や混合方法等
を用いて製造することができる。
【0019】本発明において使用する布帛を構成する素
材としては、インク中に含有されている染料で染色可能
な繊維を含有するものであればよく、綿、絹、麻、羊毛
等の天然繊維;ポリエステル、ナイロン、アクリル等の
合成繊維;レーヨン、アセテート等の再生・半合成繊維
を含有するものが挙げられる。上記繊維は単独でも2種
以上の繊維を併用した混紡、混繊、交織等でもよく、布
帛としては、織物、編物或いは不織布等のいずれの形態
でも使用することができる。
【0020】又、本発明において使用する捺染用布帛に
は、必要に応じて公知の前処理を施すことが好ましい。
本発明においては、特に、前処理によって、尿素、水溶
性高分子、水溶性金属塩等を0.01〜20重量%の量
で付与させた布帛が好適である。この際に用いる水溶性
高分子としては、例えば、トウモロコシ、小麦等のデン
プン物質、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系物
質、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ローカスト
ビーンガム、トラントガム、グアーガム、タマリンド種
子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質物
質、タンニン系物質、リグニン系物質等の公知の天然水
溶性高分子が挙げられる。又、合成高分子としては、例
えば、公知のポリビニルアルコール系化合物、ポリエチ
レンオキサイド系化合物、アクリル酸系水溶性高分子、
無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げられる。これら
のなかでも多糖類系高分子やセルロース系高分子が好ま
しい。
【0021】又、水溶性金属塩としては、例えば、アル
カリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、
典型的なイオン結晶を形成するものであって、pH4〜
10である化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的
な例としては、例えば、アルカリ金属では、NaCl、
Na2SO4、KCl、CH3COONa等が挙げられ、
アルカリ土類金属としてはCaCl2やMgCl2等が挙
げられる。なかでもNa、KまたはCaの塩類が好まし
い。又、従来公知のアルカリ剤、還元防止剤、均染剤等
を必要に応じて添加することもできる。これらの物質を
布帛に予め付与する方法としては、従来公知のパッド
法、スプレー法等が使用できるが、本発明においては、
処理液中に布帛を浸漬した後、引き上げて絞り、その後
に乾燥させるパッド法が好ましい。
【0022】本発明のインクジェット捺染方法に用いる
インクジェット方式は、従来公知のいずれのインクジェ
ット方式でもよいが、例えば、特開昭54−59936
号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を
受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化に
よる作用力によって、インクをノズルから吐出させる方
式、即ち、バブルジェット方式が最も有効である。これ
は、上記方式は複数のノズルを有する記録ヘッドを用い
る場合、各ノズル間のインクの吐出速度のばらつきが小
さく、インクの吐出速度が5〜20m/secの範囲に
集約されており、この速度で染料を含むインクが布帛に
衝突した際の着滴時の液滴の繊維に対する浸透の具合が
最適となるためと思われる。
【0023】又、以上のようにして布帛上にインクジェ
ット方式で付与された分散インクは、この状態では単に
付着しているに過ぎないので、引続き布帛への染料の染
着及び未染着の染料の除去工程を施す必要がある。この
ような布帛への更なる染着及び未染着の染料の除去方法
は、従来公知の方法でよい。なかでも、染着法に関して
はHTスチーミング法を用いることが好ましい。更にH
Tスチーミング法の場合には、染料の特性に合わせた公
知の処理条件が好ましく、例えば、反応染料を用いた場
合には90〜110℃で2〜30分間、酸性染料を用い
た場合には90〜110℃で15〜60分間、分散染料
を用いた場合には160〜190℃で6〜15分間の処
理条件とすることが好ましい。
【0024】本発明のインクジェット捺染方法を行うた
めに好適な装置の一例としては、記録ヘッドの室内のイ
ンクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エ
ネルギーにより液滴を発生させる装置が挙げられるが、
以下これについて図に則してその一例を説明する。
【0025】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。ヘッド13は、インクを通す
溝14を有するガラス、セラミックまたはプラスチック
板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では
薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるもので
はない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸
化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電
極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱
抵抗体層18、蓄熱層19、及びアルミナ等の放熱性の
よい基板20より成っている。
【0026】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を
形成している。今、アルミニウム電極17−1及び17
−2に電気信号情報が加わると、発熱ヘッド15のnで
示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク
21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出
し、インク21が吐出しインク小滴24となり、吐出オ
リフィス22より被記録材25に向かって飛翔する。
【0027】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1で説明したものと同
様の発熱ヘッド28を密着して作製されている。なお、
図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であ
り、図2は図1のA−B線での断面図である。
【0028】図4に、上記ヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチ
レバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65に
よる記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場
合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置
され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動し
て、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成
を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けら
れるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘ
ッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0029】上記ブレード61、キャップ62及びイン
ク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレ
ード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面
の水分、塵埃等の除去が行われる。65は吐出エネルギ
ー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する
被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、6
6は記録ヘッド65を搭載してその移動を行うためのキ
ャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動
可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68に
よって駆動されるベルト69と接続(不図示)してい
る。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った
移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及び
その隣接した領域の移動が可能となる。
【0030】51は被記録材を挿入するための給紙部、
52は不図示のモーターにより駆動する紙送りローラー
である。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口
面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行す
るにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。
【0031】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキ
ャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出するように移動する。
【0032】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッド65のホ
ームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ば
かりでなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を
移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポ
ジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが
行われる。
【0033】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで、40は
供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク
袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容するインク吸収体である。イ
ンク吸収部としては、インクとの接液面がポリオレフィ
ン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明に
とって好ましい。
【0034】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記のごときヘッドとインクカートリッジ
とが別体となったものに限らず、図6に示すごときそれ
らが一体になったものにも好適に用いられる。図6にお
いて、70は記録ユニットであって、この中にはインク
を収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納
されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオ
リフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出
される構成になっている。
【0035】インク吸収体の材料としては、ポリウレタ
ンを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録
ユニット内部を大気に連通させる為の大気連通口であ
る。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに
代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し
着脱自在になっている。
【0036】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあ
るのは、特に断りのない限り重量基準である。実施例1〜3 [布帛Aの作製]ポリエステル繊維100%からなる織
布を、予め濃度10%の尿素の水溶液に浸し、絞り率6
0%で脱水後、乾燥したものを、布帛Aとした。 [分散染料液(I〜III)の作製] ・β−ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 20部 ・イオン交換水 55部 ・ジエチレングリコール 10部 上記の成分を混合し、この溶液に新たに下記の分散染料
15部をそれぞれ加え、30分間プレミキシングを行っ
た。 ・分散染料 C.I.ディスパースイエロー93(I、インクa及びd用) C.I.ディスパースレッド92 (II、インクb及びe用) C.I.ディスパースブルー87 (III、インクc及びf用) その後、下記の条件で分散処理を行った。 ・分散機 サンドグラインダー(五十嵐機械製) ・粉砕メディア ジルコニウムビーズ1mm径 ・粉砕メディアの充填率 50%(体積) ・粉砕時間 3時間 上記の分散処理の後、更にフロロポアフィルターFP−
250(商品名、住友電工製)にて濾過を行い、粗大粒
子を除去して分散染料液(I〜III)を得た。
【0037】[インク(a〜c)の製造]上記で得られ
た分散染料液I〜IIIを用い、下記の方法で3種のイン
クジェット用の捺染インクを得た。 ・上記分散染料液(I〜III) 40部 ・ビスヒドロキシエチルスルホン 20部 ・ジエチレングリコール 10部 ・イオン交換水 30部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH7〜9に調整して2時間撹拌した後、フロロポア
フィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾
過を行い、インク(a〜c)を得た。夫々のインクの表
面張力は、インク(a)が45dyn/cm、インク
(b)が48dyn/cm、インク(c)が49dyn
/cmであった。
【0038】 [インク(d)の製造] ・上記分散染料液(I) 10部 ・ビスヒドロキシエチルスルホン 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10部 ・イソプロピルアルコール 10部 ・イオン交換水 50部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH7〜9に調整して2時間撹拌した後、フロロポア
フィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾
過を行い、インクジェット捺染インク(d)を得た。イ
ンク(d)の表面張力は、26dyn/cmであった。
【0039】 [インク(e)の製造] ・上記分散染料液(II) 8部 ・ビスヒドロキシエチルスルホン 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10部 ・イソプロピルアルコール 10部 ・イオン交換水 52部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7〜9に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(e)を得た。インク
の表面張力は、27dyn/cmであった。
【0040】 [インク(f)の製造] ・上記分散染料液(III) 5部 ・ビスヒドロキシエチルスルホン 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10部 ・イソプロピルアルコール 10部 ・イオン交換水 55部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH7〜9に調整して2時間撹拌した後、フロロポア
フィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾
過を行い、インクジェット捺染インク(f)を得た。イ
ンクの表面張力は、27dyn/cmであった。
【0041】以上のようにして得られたインクジェット
捺染インク(a〜f)を、カラーバブルジェットプリン
タBJC600(商品名、キヤノン製)に搭載して用
い、前記したポリエステル布帛A上に、淡色から濃色の
単一及び混合色のグラデーションと、画像サンプルのプ
リントを行い、その後180℃で8分間のHTスチーム
処理による定着を行った。これを常法により水洗、還元
洗浄及び乾燥を行って、グラデーション及び画像が捺染
されたポリエステル布帛を得た。この得られた布帛につ
いて、染色品の粒状性及び精細性の評価を行った。その
結果、いずれの場合も表1に示したように、淡色から濃
色部全ての濃度域において粒状性がなく、精細性も良好
であった。
【0042】実施例4〜6 [布帛Bの作製]ナイロン繊維100%からなる織布
を、予めアルギン酸ナトリウム2%及びNaCl5%の
水溶液に浸し、絞り率60%で脱水後乾燥した。 [インク(g)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Yellow 135) 3部 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 86) 2部 ・チオジグリコール 24部 ・ジエチレングリコール 11部 ・イオン交換水 60部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(g)を得た。インク
の表面張力は52dyn/cmであった。
【0043】 [インク(h)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Red 266) 8部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 5部 ・イオン交換水 62部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(h)を得た。インク
の表面張力は47dyn/cmであった。
【0044】 [インク(i)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Blue 185) 9部 ・チオジグリコール 20部 ・ジエチレングリコール 5部 ・イオン交換水 66部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(i)を得た。インク
の表面張力は53dyn/cmであった。
【0045】 [インク(j)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Yellow 135) 0.7部 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 86) 0.5部 ・チオジグリコール 24部 ・ジエチレングリコール 11部 ・サーフィノール440(日信化学工業製、アセチレンアルコール) 0.3部 ・イオン交換水 63.5部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(j)を得た。インク
の表面張力は25dyn/cmであった。
【0046】 [インク(k)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Red 266) 1部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 5部 ・p−オクチルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.3部 ・イオン交換水 68.7部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(k)を得た。インク
の表面張力は26dyn/cmであった。
【0047】 [インク(l)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Bule 185) 1.5部 ・チオジグリコール 20部 ・ジエチレングリコール 5部 ・硫酸ドデシルソーダ 0.3部 ・イオン交換水 73.2部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(l)を得た。インク
の表面張力は27dyn/cmであった。
【0048】このようにして得られたインクジェット捺
染インク(g〜l)を使用し、上記で得られたナイロン
布帛B上に、実施例1〜3と同様にグラデーションと画
像サンプルのプリントをし、その後102℃で30分間
のHTスチーム処理による定着を行った。これを洗浄及
び乾燥を行って、グラデーション及び画像が捺染された
布帛を得た。この得られた布帛について、染色品の粒状
性及び精細性の評価を行った。その結果、いずれの場合
も表1に示したように、淡色から濃色部全ての濃度域に
おいて粒状性がなく、精細性も良好であった。
【0049】比較例1 [インク(m)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Yellow 135) 0.7部 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 86) 0.5部 ・チオジグリコール 24部 ・ジエチレングリコール 11部 ・サーフィノール440(日信化学工業製:アセチレンアルコール) 0.1部 ・イオン交換水 63.7部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(m)を得た。インク
の表面張力は32dyn/cmであった。
【0050】 [インク(n)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Red 266) 8部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールメチルエーテル 5部 ・p−オクチルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.1部 ・イオン交換水 61.9部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィルタ
ーFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を行
い、インクジェット捺染インク(n)を得た。インクの
表面張力は36dyn/cmであった。
【0051】 [インク(o)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Red 266) 1部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールメチルエーテル 5部 ・p−オクチルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.03部 ・イオン交換水 68.97部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(o)を得た。インク
の表面張力は41dyn/cmであった。
【0052】 [インク(p)の製造] ・酸性染料(C.I.Acid Bule 185) 9部 ・チオジグリコール 20部 ・ジエチレングリコール 5部 ・硫酸ドデシルソーダ 0.1部 ・イオン交換水 65.9部 上記の全成分を混合し、この混合液を水酸化ナトリウム
でpH8に調整して2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過を
行い、インクジェット捺染インク(p)を得た。インク
の表面張力は38dyn/cmであった。
【0053】このようにして得られたインク(m〜p)
と実施例4及び6で使用したインク(g及びl)を使用
し、布帛B上に実施例4及び6と同様の方法でグラデー
ションと画像サンプルのプリントをし、その後102℃
で30分間のHTスチーム処理による定着を行った。こ
れを洗浄及び乾燥を行って、グラデーション及び画像が
捺染された布帛を得た。
【0054】
【評価】上記で得られた布帛の染色品について、それぞ
れ粒状性及び精細性を調べ、下記の基準で評価を行っ
た。その結果、表1に示したように、実施例4〜6と比
較して、淡色から濃色部の全ての濃度域において、粒状
性または精細性が悪くなるという結果となった。
【0055】 粒状性 単一色部については、極淡色(インクの打ち込み密度0
%)から濃色(染料含有濃度の高いインクで打ち込み密
度100%)までの、濃淡グラデーション(極淡色から
淡色部は染料含有濃度の低いインク単独で、濃色部は染
料含有濃度の高いインク単独で、中間色部は両方の併用
で)を各インクの打ち込み密度を調整して20段階の濃
度階調パッチをプリントした後、熱処理及び洗浄して得
られた各パッチの粒状性を肉眼で観察して判定した。一
方、混合色部については、単一色部と同様な方法でプリ
ントした濃淡のグラデーション部に、他色のインクを重
ねてプリントした後、熱処理及び洗浄して得られた各パ
ッチの粒状性を肉眼で観察して判定した。
【0056】(評価基準) ○:極淡色部でも粒状感がない。極淡色部を重ねた混色
部でもイラツキ(混合部の粒状感)がない。 △:極淡色部で粒状感が見られる。極淡色部を重ねた混
色部でイラツキが見られる。 ×:淡色部でも粒状感が見られる。淡色部を重ねた混色
部でもイラツキが見られる。
【0057】 精細性 画像サンプルの細線やエッジのシャープさを肉眼で観察
して判定した。 (評価基準) ○:乱れが全くない △:乱れが少しある ×:乱れが多い
【0058】
【表1】 表1 実施例及び比較例の染色品に使用したインクと評
価結果
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット捺染方法によれば、淡色部においての粒状感や他
色との混合部のイラツキ感がなく、且つ精細性に優れた
捺染物を得ることができるインクジェット捺染方法が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図で
ある。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図で
ある。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17−1、17−2:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:被記録材 26:マルチ溝 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク袋 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 祥司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 城田 衣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 真理子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)インクを布帛上にインクジェット方
    式で付与する工程、 (b)インクが付与された該布帛を熱処理により染着さ
    せる工程、 (c)熱処理した該布帛を洗浄する工程の3工程を少な
    くとも有するインクジェット捺染方法において、それぞ
    れが同一色相の染料を含み、各々の染料含有濃度が異な
    る2種以上のインクを用い、且つ該2種以上のインクの
    うちの染料含有濃度の最も低いインクの表面張力が30
    dyn/cm以下であり、染料含有濃度の最も高いイン
    クの表面張力が40dyn/cm以上であることを特徴
    とするインクジェット捺染方法。
  2. 【請求項2】 染料含有濃度の最も低いインクの染料含
    有濃度が、染料含有濃度の最も高いインクの染料濃度の
    1/3以下である請求項1に記載のインクジェット捺染
    方法。
  3. 【請求項3】 各々の染料含有濃度が異なる2種以上の
    インク中の染料が、マンセルの色表で同一色相に分類さ
    れる染料である請求項1に記載のインクジェット捺染方
    法。
  4. 【請求項4】 (b)工程中の熱処理方法が、高温蒸発
    法(HTスチーミング)である請求項1に記載のインク
    ジェット捺染方法。
  5. 【請求項5】 (a)工程の前に布帛を前処理する前処
    理工程を有し、該前処理が、尿素、水溶性高分子及び水
    溶性金属塩からなる群から選ばれた1種以上の物質を予
    め付与する工程である請求項1に記載のインクジェット
    捺染方法。
  6. 【請求項6】 インクジェット方式が、熱エネルギーを
    利用してインクを吐出させるインクジェット方式である
    請求項1に記載のインクジェット捺染方法。
  7. 【請求項7】 インクの吐出速度が5〜20m/sec
    である請求項1に記載のインクジェット捺染方法。
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