JPH10256669A - 光変調器集積半導体レーザダイオード - Google Patents

光変調器集積半導体レーザダイオード

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JPH10256669A
JPH10256669A JP6054097A JP6054097A JPH10256669A JP H10256669 A JPH10256669 A JP H10256669A JP 6054097 A JP6054097 A JP 6054097A JP 6054097 A JP6054097 A JP 6054097A JP H10256669 A JPH10256669 A JP H10256669A
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JP
Japan
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layer
type
hole trap
isolation
laser diode
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JP6054097A
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Inventor
Kazuhisa Takagi
和久 高木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 レーザ部におけるリーク電流を低くでき、レ
ーザ部と変調部の間のアイソレーション抵抗を高くする
ことができる光変調器集積型半導体レーザダイオードを
提供する。 【解決手段】 n型又は半絶縁性のInP基板上に、活
性層及び光吸収層として動作する動作層とp型クラッド
層とを含む半導体層が積層された動作部積層体と、該動
作部積層体の両側に設けられた半絶縁性半導体の埋め込
み層と、該埋め込み層上に形成されたn型半導体層から
なるホールトラップ層20と、レーザ発振部300と光
変調部100とを分離するアイソレーション部200に
おいて分離されたレーザ部アノード電極9と光変調部電
極10とを備え、ホールトラップ層20が、n型InA
lAsからなり、かつ上記アイソレーション部におい
て、該ホールトラップ層に該n型InAlAsを高抵抗
化するイオンを注入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として光通信
網で使用する光変調器集積半導体レーザダイオードに関
する。
【0002】
【従来の技術】幹線系に使用される光通信網において、
2.5Gb/s以上の広帯域デジタル伝送用光源とし
て、光吸収型変調器と半導体レーザダイオードを1つの
チップに集積した光変調器集積半導体レーザダイオード
が用いられている。従来の光変調器集積半導体レーザダ
イオードは、図6に示すように、下面のほぼ全面にカソ
ード電極13が形成されたn−InP基板1上に、n−
InGaAsP光閉じ込め層2、InGaAsP動作層
3(光変調器部において、光吸収層として動作し、レー
ザ部においてレーザ発振する活性層として動作す
る。)、p−InGaAsP光閉じ込め層4、p−In
Pクラッド層6が積層されてなる動作積層部を備え、レ
ーザ部の動作積層部においてレーザ発振してレーザ光を
発生し、該レーザ光を光変調部の動作積層部で変調して
出力する。この従来例の光変調器集積半導体レーザダイ
オードにおいて、動作積層部の両側にはFeドープIn
P埋込層11が形成され、レーザ部において、p+In
GaAsコンタクト層7b及び絶縁膜8bを介してレー
ザ部電極9が形成され、光変調部において、アイソレー
ション部によってp+InGaAsコンタクト層7bと
電気的に分離されたp+InGaAsコンタクト層7a
及び絶縁膜8aを介して変調部電極10が形成される。
さらに、従来例の光変調器集積半導体レーザダイオード
では、レーザ部において、埋め込み層11を流れるホー
ルによるリーク電流を低減するために、p+InGaA
sコンタクト層7a,7bと埋め込み層11との間にn
−InPホールトラップ層12を形成している。
【0003】以上のように構成された従来例の光変調器
集積半導体レーザダイオードにおいて、光変調部の吸収
層への印加電圧が0Vのときには、半導体レーザダイオ
ードからの光が光変調部の吸収層でほとんで吸収されず
透過する。また、光変調部の電極間に1〜3Vの逆バイ
アス電圧を印加すると、量子閉じ込めシュタルク効果ま
たはフランツ・ケルディッシュ効果により、レーザ部か
らの光は光変調部の吸収層で吸収される。このようにし
て、光変調部への印加電圧の大小によりレーザ部からの
光を変調することが可能となる。この従来例の光変調器
集積半導体レーザダイオードでは、通常、光変調部の変
調部電極10とレーザ部のレーザ部電極9の間の分離抵
抗は2kΩ程度である。
【0004】図6の従来例の光変調器集積半導体レーザ
ダイオードにおいて、アイソレーション部の等価回路
は、図7に示すように表すことができる。図7におい
て、Rpはp−InPクラッド層6により生じる抵抗、
1は光変調部の変調部電極10、SiO2からなる絶縁
膜8a、n−InP埋込層12により構成される静電容
量であり、C2はレーザ部のレーザ部電極9、SiO2
らなる絶縁膜8b、n−InP埋込層12により構成さ
れる静電容量であり、Rnはn−InP埋込層12によ
り生じる抵抗である。例えば、p−InPクラッド層6
の厚さを2μm、アイソレーション部の長さを50μ
m、動作積層部(リッジ)のリッジ幅を2μm、n−I
nP埋込層11の幅を片側5μm、n−InP埋込層1
1の厚さを0.5μm、変調部電極9及びレーザ部電極
10の電極パッドの大きさを50μm×50μm、Si
2からなる絶縁膜8a,8bの膜厚を0.1nmとし
たとき、抵抗Rpは約2kΩ、抵抗Rnは約0.2k
Ω、C1及びC2は約0.4pFとなる。また、変調部の
変調部電極10とレーザ部のレーザ部電極9の間のイン
ピーダンスZは、変調信号の周波数をfとして次の式
(1)で表すことができ、周波数fに対するインピーダ
ンスZのグラフは、図8に示すようになる。
【0005】
【数1】 │Z│=Rp√{(πfcRn)2+1}/√[{πfc(Rp+Rn)}2+1]…式(1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の光変調器集積半導体レーザダイオードは、図8のグラ
フに示すように、比較的低い周波数f(100MHz以
下)においても、アイソレーション抵抗は2kΩとひく
く、周波数fが高くなるに従ってアイソレーション抵抗
はさらに低くなる(10GHzでは0.2kΩにまで低
下)という問題点があった。このように分離抵抗が低い
と、たとえば光変調部の変調電圧Vp−p(パルス信号の
ハイレベルとローレベルとの間の電圧差)を2Vとした
場合、変調電圧の変化がアイソレーション部(メサ部)
のp−InPクラッド層6およびn−InPホールトラ
ップ層12を介してレーザ部の電流を、低周波(アイソ
レーション抵抗が2kΩのとき)で1mA、高周波(ア
イソレーション抵抗が0.2kΩのとき)で10mA変
動させる。この電流の変動にともなう、レーザ部の発振
波長の変動量は約0.1〜1Åとなり、この波長の変動
により、レーザ光が光ファイバ内を伝搬するときに、光
ファイバのもつ分散特性により波形劣化が生じ、高い周
波数の光通信の光源として使用することができないとい
う問題点があった。
【0007】このアイソレーション抵抗を十分高くする
ためには、アイソレーション部分のみ、p−InPクラ
ッド層6およびn−InPホールトラップ層12の抵抗
率を高くすればよく、p−InPクラッド層6について
は、He+イオンを注入することにより高抵抗化するこ
とが可能であることが分かっている(S.J.Pearton,
Indium Phosphide and Related Materials;Pr
ocessing,Technology,and Devlces,ed,A Katz(B
oston:Artech House,1992),chap.7.参照)。
しかしながらn−InPホールトラップ層12に対して
は現時点ではイオン注入等による高抵抗化は実現されて
いない。また、n−ホールトラップ層12は、レーザ部
と光変調部との間のアイソレーション抵抗を高くするに
は無いほうがよいが、レーザ部で埋込層11を流れるホ
ールによるリーク電流を低減するために不可欠のもので
ある。従って、光変調器集積半導体レーザダイオードに
おいては、n−InPホールトラップ層に代わる、別の
n型半導体でInP基板に格子整合し、波長1.53〜
1.56μmのLD光を吸収しない材料で、しかも高抵
抗化の可能な材料が求められていたが、未だ、そのよう
な用途に適した材料を見いだすまで至っていなかった。
【0008】本発明の目的は、以上の問題点を解決し
て、レーザ部におけるリーク電流を低くでき、レーザ部
と変調部との間のアイソレーション抵抗を高くすること
ができる光変調器集積型半導体レーザダイオードを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、InP半
導体基板上に形成された光変調器集積型半導体レーザダ
イオードにおいて、従来、多く使用されているn−In
Pホールトラップ層にかえて、所定のイオンが注入され
たn型InAlAsからなるホールトラップ層を用いて
形成することにより、レーザ部と変調部との間のアイソ
レーション抵抗を高くすることができることを見いだし
て完成させたものである。すなわち、本発明は、n型又
は半絶縁性のInP基板上に、レーザ発振部において活
性層として動作しかつ光変調部において光吸収層として
動作する動作層とp型クラッド層とを含む複数の半導体
層が積層されてなり、所定の幅と該幅に比べて十分長い
長さを有する動作部積層体と、該動作部積層体の両側に
設けられた半絶縁性半導体からなる埋め込み層と、該埋
め込み層上に形成されたn型半導体層からなるホールト
ラップ層と、レーザ発振部と光変調部とを分離するアイ
ソレーション部において互いに電気的に分離されたレー
ザ部アノード電極と光変調部電極とを備えた光変調器集
積半導体レーザダイオードであって、上記ホールトラッ
プ層が、n型InAlAs系半導体からなり、かつ上記
アイソレーション部において、該ホールトラップ層に該
n型InAlAs系半導体を高抵抗化するイオンが注入
されたことを特徴とする。
【0010】また、本発明において、上記アイソレーシ
ョン部の上記ホールトラップ層に、該ホールトラップ層
を効果的に高抵抗化するために、H+、硼素(B)イオ
ン及び鉄(Fe)イオンからなる群から選ばれた少なく
とも1つのイオンが注入されることが好ましい。
【0011】また、本発明において、アイソレーション
抵抗をさらに高くするために、上記p型クラッド層がp
型InPからなり、かつ上記アイソレーション部のp型
クラッド層にHe+が注入されることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。本実施の形態の光変調
器集積型半導体レーザダイオードは、図1に示すよう
に、従来例の光変調器集積半導体レーザダイオードに比
較して以下の(1)〜(3)に示す点が異なり、これに
よって、アイソレーション部200のホールトラップ層
20とp−InPクラッド層6とを極めて高抵抗にした
ことを特徴とする。 (1)従来例のn−InPホールトラップ層12に代え
て、InPに格子整合するn−InAlAsからなるホ
ールトラップ層20を用いた。 (2)アイソレーション部200の、n−InAlAs
からなるホールトラップ層にH+イオン(プロトン)を
注入して、該ホールトラップ層を高抵抗化した。 (3)アイソレーション部の、p型クラッド層6にHe
+を注入して、該p型クラッド層6を高抵抗化した。
【0013】ここで、ホールトラップ層20として用い
ることができるn−InAlAsは、InxAl1-xAs
(0<x<1)で表すことができる半導体であり、本発
明において好ましくは、InP基板と良好な格子整合さ
せるためにxを0.5<x<0.6の範囲に設定するこ
とが好ましく、さらに好ましくはx=0.53に設定す
る。また、本発明において、n−InAlAsホールト
ラップ層20に注入するH+イオン濃度は、n−InA
lAsのn型ドーパント量(通常、1×1019cm-3
よりも十分に大きい1×1020cm-3以上であることが
好ましく、p−InPクラッド層6に注入するHe+
オンの濃度は、p−InPのp型ドーパント量(通常5
×1018cm-3)よりも十分に大きい1×1019cm-3
以上であることが好ましい。尚、図1において、図6
(従来例)と同一のものには、同一の符号を付して示し
ている。
【0014】次に、図1の実施の形態の光変調器集積半
導体レーザダイオードの製造方法について、図2〜図4
を参照して説明する。ここで、図2(a)(b)(c)
(d)、図3(a)(b)(c)及び図4(a)(b)
は、半導体チップのアイソレーション部200における
レーザ光の進行方向に直交する横断面を模式的に示し、
図2(b1)(c1)、図3(b1)(c1)及び図4
(a1)(b1)は、半導体チップの動作積層部におけ
るレーザ光の進行方向に平行な縦断面を模式的に示す。
【0015】本実施の形態の光変調器集積半導体レーザ
ダイオード製造方法では、まず、図2(a)に示すよう
に、n−InP基板1上にn−InGaAsP光閉じ込
め層2、レーザ部300において活性層として動作し、
光変調部100において光吸収層として動作するInG
aAsP動作層3及びp−InGaAsP光閉じ込め層
4を、MOCVDによるSiO2マスクを用いた選択成
長法により形成する。ここで、本実施の形態において、
InGaAsP動作層3は、例えば、光吸収又は光放出
波長λgが1.5〜1.6μmになるようにエネルギー
ギャップが設定された組成からなる5〜12nmの厚さ
のウエル層と、λgが1.0〜1.4μmになるように
エネルギーギャップが設定された組成からなる4〜12
nmの厚さを有するバリア層とを、5〜20周期積層し
た多重量子井戸構造で構成する。また、n−InGaA
sP光閉込層2は、例えば、30nm〜200nmの間
の所定の膜厚になるように形成し、p−InGaAsP
光閉込層4は、30nm〜200nmの所定の膜厚にな
るように形成する。
【0016】次に、図2(b)に示すように、p−In
Pクラッド層6a、p−InGaAsPをMOCVD法
などで結晶成長し、その後、干渉露光法と化学エッチン
グをすることにより、図2(b1)に示すように、所定
の間隔に形成されたp−InGaAsPからなる回折格
子5を形成する。ここで、p−InPクラッド層6a
は、例えば、0.1〜0.5μmの間の所定の膜厚に形
成し、p−InGaAsP回折格子層5は、例えば、1
00〜2000Åの間の所定の膜厚に形成する。また、
回折格子5を形成する場合、上記化学エッチングに代え
て、RIEドライエッチングまたはそれ以外のエッチン
グ方法を用いてもよい。
【0017】次に、図2(c)(c1)に示すように、
MOCVD法などによりp−InPクラッド層6bを、
例えば、1〜4μmの間の所定の膜厚に形成する。次
に、上述のようにして積層した層を、峰状の動作積層部
(リッジ導波路)を形成すべき領域を残して、該動作積
層部(リッジ導波路)の両側にInP基板1の表面が露
出するように、RIEエッチング又は化学エッチング等
を用いてエッチングする。これによって、上述の各層が
積層され、その幅に比べて十分長い長さを有する動作積
層部(リッジ導波路)を形成する。次に、図3(a)に
示すように、動作積層部(リッジ導波路)の両側に、M
OCVD法などを用いて、FeドープInP埋込層11,
n−InAlAsホールトラップ層20を、該ホールト
ラップ層20の上面が、リッジ部の上平坦面とほぼ等し
い高さになるように順次形成する。ここで、Feドープ
InP埋込層11は、1〜4.5μmの間の所定の膜厚
に形成し、n−InAlAsホールトラップ層20は、
約0.5μmの厚さになるように形成する。
【0018】次に、図3(b)(b1)に示すように、
MOCVD法などにより、p+InGaAsコンタクト
層7を、0.1〜2μmの間の所定の厚さに形成た後、
図3(c)(c1)に示すように、アイソレーション部
200のp+InGaAsコンタクト層7をエッチング
により除去する。これによって、互いに電気的に分離さ
れたp+InGaAsコンタクト層7aとp+InGaA
sコンタクト層7bとを形成する。
【0019】そして、p+InGaAsコンタクト層7
が除去されて露出したアイソレーション部200のn−
InAlAsホールトラップ層20に、図4(a)(a
1)に示すように、H+イオン(プロトン)を注入し
て、該ホールトラップ層20を高抵抗化する。さらに、
図4(b)(b1)に示すように、アイソレーション部
200のp−InPクラッド層6にHe+イオンを注入
して、該p−InPクラッド層6を高抵抗化する。ここ
で、このH+及びHe+イオンの注入は、例えば、ドーズ
量4〜6×1013cm-2にて、1回目100keV,2
回目200keV,3回目300keV,4回目400
keVのエネルギー値に設定して,4回に分けて注入す
る。
【0020】そして、光変調部100、レーザ部300
にそれぞれ、SiO2からなる絶縁膜8a、8bを50
0〜4000Åの間の所定の厚さに形成した後、それぞ
れ絶縁膜8a,8bに形成された開口部を介して、p+
InGaAsコンタクト層7aとオーミック接触する変
調部電極10と、p+InGaAsコンタクト層7bと
オーミック接触するレーザ部電極9とをCr/Auの蒸着
とAuメッキにより形成する。この変調部電極10、お
よびレーザ部電極9の形成は、例えば、蒸着することに
よりCrを200Å、Auを2000Å形成した後、メッ
キによりAuを0.5〜3μm形成することにより行
う。
【0021】次に、InP基板1の下面にカソード共通
電極13をAuGe/Ni/Ti/Pt/Ti/Pt/
Auの蒸着およびAuメッキにより形成して、図1に示
す実施形態の光変調器集積半導体レーザダイオードが作
製される。ここで、カソード共通電極13における各層
の厚さは、例えば、AuGeを450Å、Niを150
Å、Tiを1000Å、Ptを500Å、Auを500
Å、Au(メッキ)を0.5〜3μmに設定する。以上
の製造方法において、各半導体層をMOCVD(有機金
属ガスを用いた化学気相成長法)により形成する場合、
例えば、Inの原料としてトリメチルインジウム、Ga
の原料としてトリメチルガリウム、Asの原料としてア
ルシン、Pの原料としてホスフィンを原料として用いる
ことができる。
【0022】以上のように構成された実施形態の光変調
器集積半導体レーザダイオードにおいて、ホールトラッ
プ層20に用いた、n−InAlAsは H+イオンを
注入することにより極めて高抵抗化することができ、本
発明者らの検討結果によれば、H+イオンが注入された
n−InAlAsからなるホールトラップ層20の抵抗
Rnは、従来のn−InPを用いたときの数千倍の0.
6MΩ程度が得られることがわかった。以上の結果に基
づいて、周波数に対するアイソレーション抵抗をシミュ
レーションによって評価すると、図5に示すように、n
−InAlAsホールトラップ層20にのみH+イオン
を注入しても、100MHz以上の高い周波数における
アイソレーション抵抗の低下を防止でき、n−InAl
Asホールトラップ層20にH+イオンを注入しかつp
−クラッド層6にHe+イオンを注入したときには、従
来例に比較して、アイソレーション抵抗を極めて高くで
きることがわかる。
【0023】従って、アイソレーション部200におけ
る、ホールトラップ層20のn−InAlAsに対して
はH+のイオン注入をして、アイソレーション部200
のホールトラップ層20を高抵抗化し、アイソレーショ
ン部200のp−InPクラッド層6に対しては従来技
術文献1に示されているHe+をイオン注入して高抵抗
化することにより、従来例に比べて極めて高抵抗のアイ
ソレーション領域を形成できる。これによりレーザ部3
00への光変調部100の変調電圧のもれは、従来の約
1/1,000(低周波)〜1/10,000(高周波)の数
μA程度に低減でき、これによって生じるレーザ部30
0におけるレーザ発振波長の変動も数μÅに低減でき
る。
【0024】以上の実施形態では、n−InAlAsホ
ールトラップ層20にH+イオンを注入することによ
り、該n−InAlAsホールトラップ層20を高抵抗
化したが、本発明はこれに限らず、H+イオンに代えて
Bイオンを注入することにより該n−InAlAsホー
ルトラップ層20を高抵抗化するようにしてもよい。以
上のように構成しても、実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0025】以上の実施形態では、n−InAlAsホ
ールトラップ層20にH+イオンを注入することによ
り、該n−InAlAsホールトラップ層20を高抵抗
化したが、本発明はこれに限らず、H+イオンに代えて
Feイオンを注入することにより該n−InAlAsホ
ールトラップ層20を高抵抗化するようにしてもよい。
以上のように構成しても、実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0026】以上の実施の形態においては、n−InG
aAsPからなる光閉じ込め層2、p−InGaAsP
からなる光閉じ込め層4、p−InGaAsPからなる
回折格子5、p−InPからなるクラッド層6、Feド
ープInPからなる埋込層11、p+InGaAsから
なるコンタクト層7a,7bを用いて構成した。しかし
ながら、本発明はこれに限らず、上述の各半導体層は、
InP基板と格子整合し、該基板上に形成することがで
き、かつ所定の導電型に設定可能な種々の半導体層で構
成できる。また、InGaAsPからなる動作層3に代
えて、例えば、InGaAs等の他の半導体層で構成し
てもよい。以上のように構成しても、実施の形態と同様
の効果を有する。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光変調器
集積型半導体レーザダイオードは、n型又は半絶縁性の
InP基板上に、上記動作部積層体と、該動作部積層体
の両側に設けられた埋め込み層と、該埋め込み層上に形
成されたn型半導体層からなるホールトラップ層とを備
え、上記ホールトラップ層が、n型InAlAsからな
り、かつ上記アイソレーション部において、該ホールト
ラップ層に該n型InAlAsを高抵抗化するイオンを
注入しているので、レーザ部におけるリーク電流を低く
でき、レーザ部のカソード電極と変調部の電極との間の
アイソレーション抵抗を高くすることができる。
【0028】また、本発明の光変調器集積型半導体レー
ザダイオードにおいて、上記アイソレーション部の上記
ホールトラップ層に、H+、硼素(B)イオン及び鉄
(Fe)イオンからなる群から選ばれた少なくとも1つ
のイオンを注入することにより、効果的に該イオンが注
入されたホールトラップ層を低抵抗化することができ、
容易にアイソレーション抵抗を高くできる。
【0029】また、本発明の光変調器集積型半導体レー
ザダイオードにおいて、上記p型クラッド層がp型In
Pからなり、かつ上記アイソレーション部のp型クラッ
ド層にHe+を注入することにより、極めてアイソレー
ション抵抗を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態の光変調器集積半導
体レーザダイオード構成を示す模式図である。
【図2】 図1の光変調器集積半導体レーザダイオード
の製造工程の主要な工程後のチップ断面を模式的に示す
図(その1)である。
【図3】 図1の光変調器集積半導体レーザダイオード
の製造工程の主要な工程後のチップ断面を模式的に示す
図(その2)である。
【図4】 図1の光変調器集積半導体レーザダイオード
の製造工程の主要な工程後のチップ断面を模式的に示す
図(その3)である。
【図5】 本実施形態におけるアイソレーション抵抗の
周波数特性を示すグラフである。
【図6】 従来の光変調器集積半導体レーザダイオード
構成を示す模式図である。
【図7】 光変調器集積半導体レーザダイオードのアイ
ソレーション部の等価回路である。
【図8】 従来例の光変調器集積半導体レーザダイオー
ドのアイソレーション部の抵抗の周波数特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 n−InP基板、2 n−InGaAsP光閉じ込
め層、3 i−InGaAsP動作層、4 p−InG
aAsP光閉じ込め層、5 回折格子、6 p−InP
クラッド層、11 FeドープInP埋込層、7 p+
InGaAsコンタクト層、8a,8b 絶縁膜、9
レーザ部電極、10 変調部電極、13カソード電極、
20 n−InAlAsホールトラップ層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型又は半絶縁性のInP基板上に、レ
    ーザ発振部において活性層として動作しかつ光変調部に
    おいて光吸収層として動作する動作層とp型クラッド層
    とを含む複数の半導体層が積層されてなり、所定の幅と
    該幅に比べて十分長い長さとを有する動作部積層体と、
    該動作部積層体の両側に設けられた半絶縁性半導体から
    なる埋め込み層と、該埋め込み層上に形成されたn型半
    導体層からなるホールトラップ層と、レーザ発振部と光
    変調部とを分離するアイソレーション部において互いに
    電気的に分離されたレーザ部アノード電極と光変調部電
    極とを備えた光変調器集積半導体レーザダイオードであ
    って、 上記ホールトラップ層が、n型InAlAs系半導体か
    らなり、かつ上記アイソレーション部において、該ホー
    ルトラップ層に該n型InAlAs系半導体を高抵抗化
    するイオンが注入されたことを特徴とする光変調器集積
    半導体レーザダイオード。
  2. 【請求項2】 上記アイソレーション部の上記ホールト
    ラップ層に、H+、硼素(B)イオン及び鉄(Fe)イ
    オンからなる群から選ばれた少なくとも1つのイオンが
    注入された請求項1記載の光変調器集積半導体レーザダ
    イオード。
  3. 【請求項3】 上記p型クラッド層がp型InPからな
    り、かつ上記アイソレーション部のp型クラッド層にH
    +が注入された請求項1又は2記載の光変調器集積半
    導体レーザダイオード。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6332048B1 (en) * 1998-10-15 2001-12-18 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Modulator and method for manufacturing of such a modulator
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