JP3336981B2 - 半導体積層構造 - Google Patents

半導体積層構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体積層構造に
関し、特に、半導体レーザ等のデバイスに用いられる電
流狭窄構造をなす半導体積層構造に好適に用いられ、I
nP等の化合物半導体基板上に積層されるAlAs
1−x等のIII−V族化合物半導体の電流狭窄層と
なる所定の幅の領域を除いた部分を酸化してなる半導体
積層構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ等の半導体デバイスにおい
て、ある特定の領域のみを電流経路とした電流狭窄構造
としては、半導体エッチングにより形成する分離メサ構
造、また半導体埋込技術を用いて前述のメサ構造両側に
pn接合などの電流ブロック層や半絶縁性半導体層を積
層する構造、電流注入領域以外の領域にイオン注入して
高抵抗化する構造(イントリンシック層(i層)を形成
した構造)、等様々な構造が用いられている。
【0003】これらの構造の中でも、半導体積層構造中
のある特定の層を選択的に酸化させて電流狭窄を行う酸
化狭窄構造は、絶縁性、耐圧性に優れ、埋込構造の様に
結晶成長を複数回施す必要がなく、イオン注入等の方法
に比べて微小な電流注入領域を明確に形成することがで
きる、等の優れた利点を有することから、近年特に注目
されている構造である。また、選択的に酸化された層
は、酸化された部分と酸化されない部分との間で屈折率
が大きく異なるため、光デバイスとして用いる場合に
は、導波路の制御を同時に行うことができるという利点
も有する。
【0004】この酸化狭窄構造の半導体レーザ等への適
用を考えた場合、例えば、酸化し易い材料系からなる活
性層をエッチング等により大気に曝すことが望ましくな
い様な場合等においても、活性層に近接した位置に電流
狭窄層を形成し電流狭窄を行うことで、活性層に直接電
流狭窄構造を形成する必要がなくなるため、活性層の電
流狭窄を行う手法として非常に有効である。
【0005】特に、GaAs基板上に作製される面発光
型半導体レーザにおいては、例えば、AlAs層、Al
GaAs層等のような、積層構造中のAlを含む酸化し
易い材料を酸化させることにより、酸化狭窄構造を形成
した例が多数報告されており、従来の電流狭窄構造を用
いた場合と比べ、デバイス特性を大幅に向上させる重要
なものとなっている。このようなAlAs、AlGaA
s等を用いた酸化狭窄構造は、上述した面発光型半導体
レーザに限らず、GaAs基板上に作製される端面発光
型半導体レーザやその他の半導体デバイスの電流狭窄構
造としても有効である。
【0006】しかしながら、InP基板上に作製される
デバイスに上述した酸化狭窄構造を適用する場合におい
ては、酸化が容易なAlAs層、選択酸化するのに十分
な組成比のAlを含むAlGaAs層等は、InP基板
との格子不整合が大きく、また、これらの層を酸化させ
るためにはある程度以上の膜厚が必要とされるため、I
nP基板上にこのような酸化狭窄構造を作製すること
は、一般に非常に困難と考えられていた。
【0007】ところで、酸化狭窄構造を半導体レーザへ
応用することを考えた場合、従来、光通信に用いられて
いる波長帯の光デバイスの多くは、InP基板上に作製
されたものであるから、酸化狭窄構造をInP基板上に
形成する技術の確立が望まれている。従来、用いられて
いるInP基板上の酸化狭窄構造としては、例えば、A
lAs/InAlAs,AlAs/InPからなる超格
子構造を酸化狭窄層として歪の影響を小さくしたもの、
あるいは、InAlAs、AlAsSb等を酸化狭窄層
としてInP基板との格子整合を図ったもの、等が報告
されている。
【0008】しかしながら、超格子構造を酸化狭窄層と
したものでは、歪の影響を小さくしてはいるものの、こ
の歪の影響が残るために、結晶成長の際に酸化狭窄層を
形成するのに十分な合計の膜厚を確保する必要があり、
多層構造の結晶性が劣化する等の不具合が生じ、この不
具合は無視することができない。また、InP基板に格
子整合するInAlAsの場合、III族元素のAl組
成比が0.48程度と低いことから、AlAsに比べて
酸化速度が遅く、所望の形状の電流狭窄構造を作製する
ためには、高温、長時間の処理が必要となり、酸化処理
中のデバイス構造の劣化が懸念される。
【0009】一方、AlAsSbは、V族混晶であるた
めIII族元素のAl組成比が1.0であり、AlAs
と同様に酸化速度が十分速いことが知られており、In
P基板上に酸化狭窄構造を作製することが可能である。
例えば、Legayらは、膜厚が0.05μmのAlA
sSb層の酸化が、350℃の比較的低温においても、
酸化速度が30μm/20分とGaAs基板上のAlA
sよりも速く酸化されることを報告している(Journal
of AppliedPhysics, vol.81, No.11, pp.7600-7603 (19
97)を参照のこと)。
【0010】図4は、従来の半導体積層構造の一例を示
す断面図であり、図において、符号1はn型のInP
(n−InP)基板、2はn型のInP(n−InP)
層、3はInGaAsP活性層、4はp型のInP(p
−InP)層、5はp−InP層4中に挿入されたAl
AsSb電流狭窄層、6はAlAsSb電流狭窄層5の
領域Aを除いた部分を選択酸化したAl酸化物層、7は
酸化処理時にAl酸化物層6の上下両側に析出した金属
Sb層、8はp型電極、9はn型電極である。この半導
体積層構造では、上記のような電流狭窄構造を有するた
め、n型電極9とp型電極8の間にバイアスをかけた場
合に、電流がInGaAsP活性層3の領域Bのみに流
れるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Legay
らが報告した酸化狭窄構造においては、AlAsSb層
を酸化させた場合、酸化処理後にSbが残ってしまい、
酸化物層の上下片側あるいは両側に金属Sbとして析出
してしまうという問題点があった。このように析出した
金属Sbは導電性の金属であるため、このような構造で
は、電流は酸化層のみでしか狭窄されない。例えば、半
導体レーザの場合においては、活性層に注入される電流
は狭窄されなくなってしまい、電流狭窄構造としての機
能が果たされなくなってしまうという問題点があった。
【0012】また、図4に示す半導体積層構造において
は、Al酸化物層6の上下両側に導電性の金属Sb層
7、7が析出しているため、Al酸化物層6内では領域
A内に狭窄されていた電流は金属Sb層7、7内で再び
横方向に散逸してしまい、活性層3では電流狭窄がされ
なくなってしまうという問題点があった。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、化合物半導体基板上のIII−V族化合物
半導体電流狭窄層を酸化させることにより電流狭窄構造
を形成した半導体積層構造において、狭窄された電流が
層方向に散逸する虞がなく、電流を所定の領域内に良好
に閉じ込めることのできる半導体積層構造を提供する
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な半導体積層構造を提供した。すな
わち、本発明の請求項1記載の半導体積層構造は、化合
物半導体基板上に、活性層と、通電領域と電流狭窄領域
を有する積層構造の電流狭窄構造とが積層され、かつ、
該電流狭窄構造の電流狭窄層は、III−V族化合物半
導体の電流狭窄領域となる所定の幅の領域を除いた部分
を酸化させて得られる半導体積層構造において、前記化
合物半導体基板はInP基板であり、前記III−V族
化合物半導体はAlAsSb1−x(0<x≦1)で
あり、前記電流狭窄層はAsの組成比xを積層方向に段
階的に変化させたAlAsSb1−x多層構造であ
り、前記電流狭窄層の活性層側のSbの析出が抑制され
ていることを特徴としている。
【0015】請求項2記載の半導体積層構造は、請求項
1記載の半導体積層構造において、前記AlAs x Sb
1-x 多層構造は、As組成比xが前記活性層側で最も大
きくなるように、AlAs x Sb 1-x (0<x≦1)のA
s/Sb組成比を段階的に変化させたことを特徴として
いる。
【0016】請求項3記載の半導体積層構造は、請求項
1または2記載の半導体積層構造において、前記InP
基板の導電型をn型とし、前記電流狭窄構造が少なくと
も1つのpn接合を有し、前記電流狭窄層のAsの組成
比xを前記InP基板側で最も大きく、該InP基板よ
り最も離れた側で最も小さくしたことを特徴としてい
る。
【0017】請求項4記載の半導体積層構造は、請求項
1または2記載の半導体積層構造において、前記InP
基板の導電型をp型とし、前記電流狭窄構造が少なくと
も1つのpn接合を有し、前記電流狭窄層のAsの組成
比xを前記InP基板側で最も小さく、該InP基板よ
り最も離れた側で最も大きくしたことを特徴としてい
る。
【0018】請求項5記載の半導体積層構造は、請求項
1ないし4のいずれか1項記載の半導体積層構造におい
て、前記電流狭窄層のAsの組成比xは、0.76以
下、かつ、0.36以上であることを特徴としている。
【0019】請求項6記載の半導体積層構造は、請求項
1ないし4のいずれか1項記載の半導体積層構造におい
て、前記電流狭窄層全体の膜厚は、10nm以上、か
つ、60nm以下であることを特徴としている。
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の半導体積層構造の各実施
形態について図面に基づき説明する。 [第1の実施形態] 図1は本発明の第1の実施形態の半導体積層構造を示す
断面図であり、図において、11はAlAsSb
1−x電流狭窄層、12は酸化処理時にAl酸化物層6
の上側のみに析出する金属Sb層である。
【0022】AlAsxSb1-x電流狭窄層11は、Al
AsxSb1-x(0<x<1)のAs/Sb組成比を積層
方向に段階的に変化させたもので、n−InP基板1側
のAs組成比xが最も大きく、p型電極8側の組成比x
が最も小さくなるように設定されている。組成比xは、
AlAsxSb1-x電流狭窄層11全体の平均の格子定数
がn−InP基板1と整合するように、0.76以下、
かつ、0.36以上、平均組成を0.56とし、組成の
変化量としては、結晶成長上、格子不整合が問題となら
ない範囲で、なるべく大きいことが望ましい。このAl
AsxSb1-x電流狭窄層11は、p−InP層4中に挿
入されており、領域Aを除いた部分が選択酸化されAl
酸化物層6となっている。
【0023】このAlAsxSb1-x電流狭窄層11全体
の膜厚は、10nm以上、かつ、60nm以下である。
この膜厚は、酸化速度が製造プロセス上、十分速くとれ
る程度に厚ければよく、特に屈折率変化による導波路制
御を考慮するような場合には、更に厚くしても構わな
い。一般には、InGaAsP活性層3やその他の層の
結晶性、あるいは電流注入やその他のデバイス特性に影
響を及ぼさない程度に薄いことが望ましい。AlAsx
Sb1-xは酸化速度が比較的速いことが知られており、
例えば半導体レーザの電流狭窄層として用いる場合に
は、20〜50nm程度の膜厚が代表的である。
【0024】この半導体積層構造においては、n型電極
9とp型電極8の間にバイアスをかけた場合に、電流は
AlAsxSb1-x電流狭窄層11において、非酸化領域
Aに限定され、InGaAsP活性層3を通過する電流
もAlAsxSb1-x電流狭窄層11の非酸化領域Aと同
程度の約20μm程度の幅の領域Bに限定される。その
結果、電流がInGaAsP活性層3の領域Bのみに流
れるようになる。すなわち、Al酸化物層6において電
流が領域A内に狭窄され、Al酸化物層6に近接したI
nGaAsP活性層3内でもほぼ同程度の幅を持つ領域
B内に電流が有効に狭窄される。
【0025】この半導体積層構造は、簡易型の半導体レ
ーザとして機能するが、AlAsxSb1-x電流狭窄層1
1を用いることにより、有効活性領域の体積を大きく低
減することができ、発振しきい電流値を低減することが
できる。例えば、レーザ発振の活性領域が電流狭窄を行
う前の約1/10となり、発振しきい値が約1/10に
低減される。
【0026】次に、この半導体積層構造の製造方法につ
いて説明する。まず、n−InP基板1上に、分子線エ
ピタキシー(MBE)法等の結晶成長法を用いて、厚さ
2μmのn−InP層2、厚さ0.2μmのInGaA
sP活性層3、厚さ0.1μmのp−InP層4、厚さ
20nmのAlAsxSb1-x電流狭窄層11、厚さ2μ
mのp−InP層4を順次積層する。この積層構造の幅
は、約200μmである。
【0027】ここで、AlAsxSb1-x電流狭窄層11
は、As/Sb組成比を連続的に変化させており、As
組成比xをn−InP基板1側の0.76からp型電極
8側の0.36まで変化させている。このような構造
は、例えば、分子線エピタキシー法を用いる場合には、
結晶成長中に、Asソース又はSbソースのセル温度を
連続的に変化させていくことで作製することができる。
【0028】次に、この積層構造を、例えば、ある程度
の高温の水蒸気雰囲気中に適当な時間保持することによ
り側面から酸化を浸透させ、InGaAsP活性層3の
電流狭窄領域Bと同程度の幅の非酸化層Aが残るように
電流狭窄構造を形成する。ここでは、水蒸気雰囲気中で
350℃に60分間程度保持すると、AlAsxSb1 -x
電流狭窄層11の側面から酸化が片側約90μmほど進
行し、AlAsxSb1 -x電流狭窄層11のうち幅20μ
m程度の領域Bを残して両側だけが酸化されてAl酸化
物層6となり、電流狭窄構造が形成される。
【0029】この時、AlAsxSb1-x電流狭窄層11
が酸化される際に金属Sb層12が析出するが、本積層
構造においては、n−InP基板1側のSb組成比(1
−x)は0.24と小さいため、n−InP基板1側へ
のSbの析出は抑えられ、Al酸化物層6の上側のみに
金属Sb層12が析出する。
【0030】この半導体積層構造では、Al酸化物層6
の上側のみに金属Sb層12が形成されるが、電流はそ
の下のAlAsxSb1-x電流狭窄層11でブロックされ
るため、問題は生じない。よって、金属Sb層12が形
成されても、電流が有効に狭窄される酸化狭窄層をIn
P基板上のデバイスにも用いることができるようにな
る。例えば、この積層構造をInP基板上の光通信帯リ
ッジストライプレーザに適用すると、光導波路を決定す
るリッジ幅よりも、電流注入される活性領域を小さくす
ることができ、電流のしきい値を大幅に低減することが
でき、あるいは電気光変換効率を向上させることができ
る。
【0031】このような酸化狭窄構造を適用したデバイ
スの例としては、InP基板上に作製される端面発光型
レーザ(リッジストライプ型、半導体埋込型)、面発光
型半導体レーザ、等の発光デバイスの他、特定の領域に
電流を狭窄する必要があり、かつその領域外に電流狭窄
構造を設ける必要があるデバイス等、酸化狭窄構造が有
効に用いられるデバイスのどのようなものにも適用が可
能である。例えば、端面発光型レーザ、あるいは面発光
型半導体レーザ等の光デバイスにおいては、AlAsx
Sb1-x層が酸化して絶縁性のAl酸化物層6となるこ
とにより、屈折率が大きく変化し、電流が狭窄される領
域への光閉じ込め効果が大きくなり、光導波路構造を同
時に設計することも可能になる。
【0032】[第2の実施形態]図2は本発明の第2の
実施形態の光通信用1.3μm帯リッジストライプ型半
導体レーザを示す断面図であり、図において、21はn
−InP基板1上に形成されたn−InPクラッド層、
22は第1のInGaAsP光閉じ込め層、23はIn
GaAsP系量子井戸活性層、24は第2のInGaA
sP光閉じ込め層、25はAlAsxSb1-x電流狭窄
層、26はp−InPクラッド層、27はp−InGa
Asコンタクト層、28は絶縁膜である。
【0033】この半導体レーザにおいては、レーザ発振
電流のしきい値を下げるため、量子井戸活性層23にお
ける水平方向の電流狭窄が必要になっている。この半導
体レーザにおいては、AlAsxSb1-x電流狭窄層25
の領域Aの部分を除いた両側を酸化させてAl酸化物層
29とすることにより、酸化狭窄構造を形成し、量子井
戸活性層23内の領域B内に電流を狭窄する電流狭窄構
造になっている。
【0034】AlAsxSb1-x電流狭窄層25は、Al
AsxSb1-x(0<x<1)のAs/Sb組成比を積層
方向に段階的に変化させたもので、n−InP基板1側
のAs組成比xが最も大きく、p型電極8側の組成比x
が最も小さくなるように設定されている。組成比xは、
AlAsxSb1-x電流狭窄層25全体の平均の格子定数
がn−InP基板1と整合するように、0.76以下、
かつ、0.36以上、平均組成を0.56としている。
このAlAsxSb1-x電流狭窄層25全体の膜厚は、1
0nm以上、かつ、60nm以下である。
【0035】この半導体レーザにおいては、AlAsx
Sb1-x電流狭窄層25のn−InP基板1側のSb組
成比(1−x)は0.24と小さいため、n−InP基
板1側へのSbの析出は抑えられ、Al酸化物層29の
上側のみに金属Sb層12が析出されている。その結
果、量子井戸活性層23においても、電流が領域B内に
有効に狭窄されている。
【0036】次に、この半導体レーザの製造方法につい
て、図3に基づき説明する。まず、n−InP基板1上
に、分子線エピタキシー(MBE)法等の結晶成長法を
用いて、厚さ2μmのn−InPクラッド層21、厚さ
0.1μmの(バンドギャップ波長が1.15μmの)
第1のInGaAsP光閉じ込め層22、InGaAs
P系量子井戸活性層23、厚さ0.1μmの(バンドギ
ャップ波長が1.15μmの)第2のInGaAsP光
閉じ込め層24、As組成比xが0.36≦x≦0.7
6間で段階的に変化するAlAsxSb1-x電流狭窄層2
5、p−InPクラッド層26、p−InGaAsコン
タクト層27を順次積層する。この積層構造の横幅は、
約20μmである(図3(a))。
【0037】次に、フォトリソグラフィー法により形成
した、例えば5μm幅のレジストマスクを用いて、例え
ば塩素系ガスを用いたイオンビームエッチング等による
ドライエッチングの手法を用いて、リッジ導波路構造3
1を形成する。このリッジ導波路構造31の形成は、p
−InGaAsコンタクト層27、p−InPクラッド
層26を約0.1μm程度の幅だけ残して、順次エッチ
ングして除去することにより行う(図3(b))。
【0038】次に、この積層構造を水蒸気雰囲気中で、
320℃に10分間程度保持すると、AlAsxSb1-x
電流狭窄層25の側面から酸化が約9μm程度進行し、
AlAsxSb1-x電流狭窄層25のうち幅約2μmの領
域Aを除いた部分だけが酸化されてAl酸化物層29と
なり、電流狭窄構造が形成される。この酸化処理の工程
においては、Al酸化物層29の上部のみに金属Sb層
12が析出する(図3(c))。
【0039】次に、リッジ導波路構造31を含む全面に
絶縁膜28を形成し、フォトリソグラフィー法により、
p−InGaAsコンタクト層27上部に、ウィンドウ
を形成する。更に、上部にp型電極8をスパッタ等の方
法により形成し、n−InP基板1を約0.1mmの厚
さに研磨してn型電極9をスパッタ等の方法により形成
し、半導体レーザが完成する(図3(d))。
【0040】この半導体レーザでは、AlAsxSb1-x
電流狭窄層25を酸化させたAl酸化物層29の存在に
より、量子井戸活性層23内の電流が注入される領域B
は、5μmのリッジ幅よりも狭い2μm幅の電流狭窄領
域Aと同程度の幅となり、発振電流のしきい値が通常の
リッジストライプ型半導体レーザよりも大幅に下がって
いる。
【0041】以上説明した様に、各実施形態によれば、
AlAsxSb1-x電流狭窄層11(25)を、AlAs
xSb1-x(0<x<1)のAs/Sb組成比を積層方向
に段階的に変化させ、組成比xを、AlAsxSb1-x
流狭窄層11(25)全体の平均の格子定数がn−In
P基板1と整合するように、0.76以下、かつ、0.
36以上としたので、例えば、通常InP基板上に作製
される光通信用波長帯の光デバイス等の作製において、
耐圧の高い完全な電流狭窄構造を形成することができ、
半導体レーザにおける閾値低減、効率増大といった、デ
バイス特性を向上させることができる。
【0042】以上、本発明の半導体積層構造の各実施形
について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成
は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の半導体積層
構造によれば、化合物半導体基板上に、活性層と、通電
領域と電流狭窄領域を有する積層構造の電流狭窄構造と
が積層され、かつ、該電流狭窄構造の電流狭窄層は、
II−V族化合物半導体の電流狭窄領域となる所定の幅
の領域を除いた部分を酸化させて得られる半導体積層構
造において、前記化合物半導体基板はInP基板であ
り、前記III−V族化合物半導体はAlAs x Sb 1-x
(0<x≦1)であり、前記電流狭窄層はAsの組成比
xを積層方向に段階的に変化させたAlAs x Sb 1-x
層構造であり、前記電流狭窄層の活性層側のSbの析出
が抑制されていることとしたので、前記電流狭窄層の格
子定数を化合物半導体基板と整合させた構造とすること
ができ、電流狭窄領域と電流狭窄層を適当に配置するこ
とにより、狭窄された電流が層方向に散逸する虞がなく
なり、電流を所定の領域内に良好に閉じ込めることがで
きる。その結果、活性層等における電流狭窄を良好に行
うことができ、酸化狭窄により有効に電流狭窄された半
導体デバイスを実現することができる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の半導体積層構造を
示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態の光通信用1.3μ
m帯リッジストライプ型半導体レーザを示す断面図であ
る。
【図3】 本発明の第2の実施形態の光通信用1.3μ
m帯リッジストライプ型半導体レーザの製造方法を示す
過程図である。
【図4】 従来の半導体積層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 n−InP層 3 InGaAsP活性層 4 p−InP層 5 AlAsSb電流狭窄層 6 Al酸化物層 7 金属Sb層 8 p型電極 9 n型電極 11 AlAsxSb1-x電流狭窄層 12 金属Sb層 21 n−InPクラッド層 22 第1のInGaAsP光閉じ込め層 23 InGaAsP系量子井戸活性層 24 第2のInGaAsP光閉じ込め層 25 AlAsxSb1-x電流狭窄層 26 p−InPクラッド層 27 p−InGaAsコンタクト層 28 絶縁膜 29 Al酸化物層 31 リッジ導波路構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Journal of Applie d Physics,81[11],p. 7600−7603 Lasers and Electr o−Optics,CLEO’96,p. 472−473 Device Ressarch C onference Digest 1997 5th,p.66−67 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体基板上に、活性層と、通電
    領域と電流狭窄領域を有する積層構造の電流狭窄構造と
    が積層され、かつ、該電流狭窄構造の電流狭窄層は、I
    II−V族化合物半導体の電流狭窄領域となる所定の幅
    の領域を除いた部分を酸化させて得られる半導体積層構
    造において、 前記化合物半導体基板はInP基板であり、前記III
    −V族化合物半導体はAlAsSb1−x(0<x≦
    1)であり、前記電流狭窄層はAsの組成比xを積層方
    向に段階的に変化させたAlAsSb1−x多層構造
    であり、前記電流狭窄層の活性層側のSbの析出が抑制
    されていることを特徴とする半導体積層構造。
  2. 【請求項2】 前記AlAsSb1−x多層構造は、
    As組成比xが前記活性層側で最も大きくなるように、
    AlAsSb1−x(0<x≦1)のAs/Sb組成
    比を段階的に変化させたことを特徴とする請求項1記載
    の半導体積層構造。
  3. 【請求項3】 前記InP基板の導電型をn型とし、前
    記電流狭窄構造が少なくとも1つのpn接合を有し、前
    記電流狭窄層のAsの組成比xを前記InP基板側で最
    も大きく、該InP基板より最も離れた側で最も小さく
    したことを特徴とする請求項1または2記載の半導体積
    層構造。
  4. 【請求項4】 前記InP基板の導電型をp型とし、前
    記電流狭窄構造が少なくとも1つのpn接合を有し、前
    記電流狭窄層のAsの組成比xを前記InP基板側で最
    も小さく、該InP基板より最も離れた側で最も大きく
    したことを特徴とする請求項1または2記載の半導体積
    層構造。
  5. 【請求項5】 前記電流狭窄層のAsの組成比xは、
    0.76以下、かつ、0.36以上であることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか1項記載の半導体積層
    構造。
  6. 【請求項6】 前記電流狭窄層全体の膜厚は、10nm
    以上、かつ、60nm以下であることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか1項記載の半導体積層構造。
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