JPH10256570A - 薄膜デバイスおよび薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜デバイスおよび薄膜の製造方法

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JPH10256570A
JPH10256570A JP6135197A JP6135197A JPH10256570A JP H10256570 A JPH10256570 A JP H10256570A JP 6135197 A JP6135197 A JP 6135197A JP 6135197 A JP6135197 A JP 6135197A JP H10256570 A JPH10256570 A JP H10256570A
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JP
Japan
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thin film
substrate
region
layer
local heating
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Application number
JP6135197A
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English (en)
Inventor
Yoshio Manabe
由雄 真鍋
Kazusuke Maenaka
一介 前中
Yoshihiko Suzuki
義彦 鈴木
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Osaka Prefecture
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Osaka Prefecture
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜形成の際の基板温度を局部的に制御し
て、優れた特性の薄膜を形成するとともに、その薄膜周
辺の領域に悪影響を及ぼさない薄膜の形成方法、および
薄膜デバイスを提供する。 【解決手段】 下部電極7や圧電体薄膜8を形成する際
にマイクロヒータ5を薄膜形成領域Rに対応して局部的
に設け、このマイクロヒータ5に通電することで薄膜形
成領域Rに対応する基板温度のみを薄膜形成に適した温
度に上昇させている。このため、このようにして加熱さ
れる薄膜形成領域Rで優れた特性を有する薄膜8が形成
される一方、薄膜形成領域R以外の基板領域の温度上昇
が抑制され、薄膜材料が処理回路の形成領域に拡散され
たり、すでに半導体基板2中にドープした不純物が再拡
散されてしまい、処理回路の性能が著しく低下してしま
うといった問題を解消することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に薄膜を形
成する方法(薄膜の形成方法)、および薄膜デバイス、
例えば半導体基板に圧電体薄膜を形成してなる超音波セ
ンサーなどに関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜形成技術は、エレクトロニクス分
野、特に半導体製造プロセスを中心に発展してきた。例
えば、基板に圧電体薄膜を形成し、超音波センサーを作
成する技術もその1つである。近年、このような超音波
センサーを単体で製造するのではなく、同一の半導体基
板に、超音波センサーと、そのセンサーから出力される
信号を処理する処理回路とを形成した知能化センサーの
製造が検討されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高感度のセ
ンサーを形成するには、例えば特開平6−299330
号公報に記載されたように基板に赤外線を照射して基板
全体の温度を数百度の高温に加熱する必要がある。しか
しながら、このように高温で薄膜形成を行うことによっ
て、優れた特性のセンサーを製造することができる反
面、薄膜材料が処理回路の形成領域に拡散されたり、す
でに半導体基板中にドープした不純物が再拡散されてし
まい、処理回路の性能が著しく低下してしまうという問
題がある。
【0004】この発明は、上記のような問題に鑑みてな
されたものであり、薄膜形成の際の基板温度を局部的に
制御して、優れた特性の薄膜を形成するとともに、その
薄膜周辺の領域に悪影響を及ぼさない薄膜の形成方法、
および薄膜デバイスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
に対して薄膜が局部的に形成されてなる薄膜デバイスで
あって、上記目的を達成するため、前記基板と前記薄膜
との間に局部加熱層を設けている。
【0006】請求項2の発明は、前記局部加熱層に対応
して前記基板の上面部に空隙領域を設けている。
【0007】請求項3の発明は、前記局部加熱層と前記
基板との間に空隙領域を設けている。
【0008】請求項4の発明は、前記局部加熱層と前記
基板との間に熱的遮断層を設けている。
【0009】請求項5の発明は、基板に対して薄膜を形
成する薄膜の製造方法であって、上記目的を達成するた
め、前記基板に対して前記薄膜を形成する薄膜形成領域
に局部加熱層を形成する第1の工程と、前記局部加熱層
によって加熱しながら、前記局部加熱層に対して薄膜材
料を堆積する第2の工程と、を備えている。
【0010】請求項6の発明は、前記第2の工程に先立
って、前記局部加熱層に対応して前記基板の上面部に空
隙領域を設ける第3の工程をさらに備えている。
【0011】請求項7の発明は、前記第1の工程に先立
って、前記基板上に熱的遮断層を形成する第4の工程を
さらに備え、前記第1の工程では、前記薄膜形成領域に
対応する前記熱的遮断層上に前記局部加熱層を形成して
いる。
【0012】請求項8の発明は、基板に対して薄膜を形
成する薄膜の製造方法であって、上記目的を達成するた
め、前記薄膜を形成する薄膜形成領域に対応する前記基
板上に犠牲層を形成する第1の工程と、前記犠牲層に対
して局部加熱層を形成する第2の工程と、前記犠牲層を
除去して前記局部加熱層を浮き構造に仕上げる第3の工
程と、前記局部加熱層によって加熱しながら、前記局部
加熱層に対して薄膜材料を堆積する第4の工程と、を備
えている。
【0013】請求項9の発明は、前記第2の工程に先立
って、前記基板および前記犠牲層上に熱的遮断層を形成
する第5の工程をさらに備え、前記第2の工程では、前
記薄膜形成領域に対応する前記熱的遮断層上に前記局部
加熱層を形成している。
【0014】請求項10の発明は、前記薄膜を圧電体材
料より構成している。
【0015】この発明の一構成では、基板に対して薄膜
を形成する薄膜形成領域に局部加熱層が形成されてお
り、この局部加熱層によって加熱しながら、局部加熱層
に対して薄膜材料を堆積して薄膜が形成される。このよ
うに、加熱される領域が薄膜に対応する領域に限定され
る。
【0016】また、この発明の他の構成では、局部加熱
層に対応して基板の上面部に空隙領域が設けられたり、
局部加熱層と基板との間に空隙領域が設けられており、
局部加熱層によって加熱処理を行ったとしても、空隙領
域が薄膜形成領域以外の基板領域への熱伝導を抑制して
温度上昇を防止する。
【0017】さらに、この発明の別の構成では、局部加
熱層と基板との間に熱的遮断層が設けられており、局部
加熱層において発生した熱が基板側に熱伝導されるのを
抑制して基板の温度上昇を防止する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる薄膜デ
バイスの第1の実施の形態を示す図であり、ここでは、
超音波センサーと、この超音波センサーから出力される
信号を処理する処理回路とを同一基板に形成してなる知
能化センサーを薄膜デバイスの一例として示している。
この薄膜デバイス1は、シリコンなどの半導体基板2の
処理回路形成領域に処理回路(図示省略)を形成すると
ともに、この半導体基板2の薄膜形成領域Rに超音波セ
ンサーSを形成している。なお、処理回路については、
従来より周知であるため、ここでは、その説明を省略す
る。
【0019】超音波センサーSでは、同図に示すよう
に、半導体基板2の上面部で、しかも薄膜形成領域Rに
対応して空隙領域3が形成されている。また、半導体基
板2上に熱的遮断層4が形成されている。この熱的遮断
層4としては、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化チ
タン、酸化アルミニウム、またはこれらの多層膜で構成
されている。そして、この熱的遮断層4上には、薄膜形
成領域Rに対応してマイクロヒータ5が設けられてい
る。このマイクロヒータ5としては、ポリシリコン、酸
化ケイ素あるいは窒化ケイ素などを用いることができ、
適当な電流を流すことでマイクロヒータ5は発熱し、後
の製造方法の説明において詳述するように、薄膜を形成
する際に半導体基板2の薄膜形成領域Rを加熱するため
の局部加熱層として機能する。この時、マイクロヒータ
5からの熱は薄膜形成領域R以外の基板領域に熱伝導し
ようとするが、上記のように設けられた空隙領域3およ
び熱的遮断層4によって薄膜形成領域R以外の基板領域
への熱伝導が抑制される。
【0020】このマイクロヒータ5を覆うように、絶縁
層6が熱的遮断層4およびマイクロヒータ5上に形成さ
れている。この絶縁層6としては、酸化マグネシウム、
窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化チタン、酸化アルミニウ
ムなどを用いることができる。そして、絶縁層6上に下
部電極7が設けられている。この下部電極7としては、
例えばアルミニウム、チタン/白金、クロム/金あるい
はチタン/クロムなどを用いることができる。なお、こ
こで、「チタン/白金」はチタン層と白金層を重ね合わ
せた積層構造の電極を意味し、また「クロム/金」はク
ロム層と金層を重ね合わせた積層構造の電極を意味し、
さらに「チタン/クロム」はチタン層とクロム層を重ね
合わせた積層構造の電極を意味している。
【0021】また、下部電極7と絶縁層6の上に、薄膜
形成領域Rに対応しながら、圧電体材料からなる薄膜8
が堆積されている。圧電体材料としては、酸化亜鉛、硫
化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化インジウムおよび窒化
ガリウムなどの半導体材料系と、チタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)、チタン酸ランタン酸鉛(PLT)、チタン
酸鉛およびチタン酸バリウムなどの強誘電体材料系を用
いることができるが、いずれの材料を用いてもよい。そ
れらの材料のうち、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3)につ
いて、音響インピーダンス、透過率、電歪定数g33、圧
電定数d33、電気機械結合係数k33、比誘電率ε33、形
成温度(薄膜の軸を基板の軸に揃えるのに必要な温度)
およびキュリー温度を表1にリストアップしておく。な
お、参考のために、酸化シリコンおよび、高分子系の強
誘電体として知られているポリフッ化ビニリデン(PV
DF)についての諸定数についても、同表にリストアッ
プしておく。
【0022】
【表1】
【0023】この薄膜8の上面に上部電極9が形成され
ている。なお、上部電極9を構成する材料としては、下
部電極7として使用可能な上記電極材料を用いることが
できるが、下部電極7と上部電極9とを必ずしも同一電
極材料で形成しなければならないというわけではなく、
電極材料の組み合わせは任意である。
【0024】さらに、電極露出領域10を除いてデバイ
スの表面全体がデバイス保護用の保護絶縁層11で覆わ
れている。
【0025】次に、上記のように構成された薄膜デバイ
ス1の製造方法について図2ないし図4を参照しつつ具
体的に説明する。まず、超音波センサーSから出力され
る信号を処理する処理回路が形成された半導体基板2を
準備し、この半導体基板2の上面に次の作成条件、 ・ガス :SiH4(30sccm)+O2(50scc
m) ・圧力 :0.4Torr ・炉温度:400゜C で減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により0.8μ
mの厚みを有する熱的遮断層(酸化ケイ素)4を形成す
る(図2)。
【0026】それに続いて、熱的遮断層4上に次の作成
条件 ・ガス :SiH4(45sccm) ・圧力 :0.5Torr ・炉温度:600゜C で減圧化学的気相堆積(LPCVD)法によりポリシリ
コン層(図示省略)を堆積させ、またリン(P)を当該
ポリシリコン層に拡散させて、その比抵抗を1.5×1
-5(Ωm)まで下げた後、反応性イオンエッチング法
により図3(a)に示すように略M字状にパターニングし
ている。薄膜形成領域Rに対応して熱的遮断層4上にマ
イクロヒータ(ポリシリコン)5が形成される(図
3)。
【0027】次に、熱的遮断層4およびマイクロヒータ
5上に次の作成条件、 ・ターゲット :酸化マグネシウム ・スパッタガス:アルゴン+酸素(比率1:1) ・圧力 :4Pa ・基板温度 :250゜C で高周波マグネトロン・スパッタ法により10nmの厚
みを有する酸化マグネシウムよりなる絶縁層6を形成す
る(図4)。このように、絶縁層6として酸化マグネシ
ウムを用いた場合、後で形成する圧電体薄膜8と電極
7、9との配向性が向上されるため、超音波の受信感度
を向上させることができる。
【0028】そして、絶縁層6上にレジスト層12を形
成し、さらに写真製版法を用いて互いに平行な複数の開
口13、13をレジスト層12に形成する(図4
(a))。このようにして形成したレジスト層12をエッ
チングマスクとし、25wt%の異方性エッチング液T
MAHを用いて液温度100゜Cで10時間エッチング
することで、図4に示すようにマイクロヒータ5の下方
に位置する半導体基板2の上面部が異方性エッチングさ
れて、空隙領域3が形成される。なお、こうして空隙領
域3を形成した後で、レジスト層12を除去しておく。
【0029】次に、マイクロヒータ5に電流を流して基
板温度を550゜Cに高めながら、絶縁層6上に次の作
成条件、 ・ターゲット :チタン、白金 ・スパッタガス:アルゴン ・圧力 :5Pa ・基板温度 :550゜C で高周波マグネトロン・スパッタ法により白金(0.1
μm)/チタン(0.1μm)構造の下部電極7を形成
する。
【0030】そして、マイクロヒータ5に電流を流して
基板温度を450゜Cに高めながら、次の作成条件、 ・ターゲット :チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr
0.52Ti0.48)O3) ・スパッタガス:アルゴン+酸素(比率1:1) ・圧力 :1Pa ・印加電極 :600W ・成膜速度 :0.3μm/時 ・基板温度 :450゜C で高周波マグネトロン・スパッタ法により厚み1μmの
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)よりなる圧電体薄膜8
を、薄膜形成領域Rに対応させながら、下部電極7上に
堆積する。
【0031】また、圧電体薄膜8および絶縁層6に次の
作成条件、 ・ターゲット :白金 ・スパッタガス:アルゴン ・圧力 :5Pa で高周波マグネトロン・スパッタ法により白金の上部電
極9を形成する。この後、薄膜デバイスの表面を保護す
る保護絶縁層11を形成する。
【0032】以上のように、この実施の形態によれば、
下部電極7や圧電体薄膜8を形成する際にマイクロヒー
タ5を薄膜形成領域Rに対応して局部的に設け、このマ
イクロヒータ5に通電することで薄膜形成領域Rに対応
する基板温度のみを薄膜形成に適した温度に上昇させて
いるため、薄膜形成領域R以外の基板領域の温度上昇を
抑制することができ、従来の問題、つまり薄膜材料が処
理回路の形成領域に拡散されたり、すでに半導体基板2
中にドープした不純物が再拡散されてしまい、処理回路
の性能が著しく低下してしまうといった問題を解消する
ことができる。
【0033】また、この実施の形態では、マイクロヒー
タ(局部加熱層)5に対応して半導体基板2の上面部に
空隙領域3を設けているため、マイクロヒータ5によっ
て加熱処理を行ったとしても、空隙領域3が薄膜形成領
域R以外の基板領域への熱伝導を抑制して温度上昇を防
止し、上記従来の問題を解消している。なお、上記のよ
うにして作製されたマイクロヒータ5に10mW(3.
3V、3mA)の電力を印加すると、130Kの温度上
昇が確認され、さらに900゜Cまで上昇させても、マ
イクロヒータ5の断線は見られなかった。また、マイク
ロヒータ5の昇温時において、マイクロヒータ5の周辺
部の基板領域の温度上昇は見られなかった。
【0034】さらに、マイクロヒータ5と半導体基板2
との間に熱的遮断層4を設けているため、マイクロヒー
タ5において発生した熱が半導体基板2側に熱伝導され
るのを抑制して基板2の温度上昇を防止することがで
き、上記従来の問題を解消することができる。
【0035】図5は、この発明にかかる薄膜デバイスの
第2の実施の形態を示す図である。この薄膜デバイスが
第1の実施の形態(図1)と大きく相違する点は、浮き
構造によって空隙領域3が形成されている点であり、そ
の他の基本的構成は同一である。したがって、ここで
は、この薄膜デバイスの具体的製造方法を中心に説明
し、同一の構成については同一あるいは相当符号を付し
て説明を省略する。
【0036】まず、超音波センサーSから出力される信
号を処理する処理回路が形成された半導体基板2を準備
し、この半導体基板2の上面に次の作成条件、 ・ガス :SiH4(30sccm)+O2(50scc
m) ・圧力 :0.4Torr ・炉温度:400゜C で減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により0.4μ
mの厚みを有する犠牲層(酸化ケイ素)21を形成する
(図6)。
【0037】それに続いて、この犠牲層21を覆うよう
に、半導体基板2および犠牲層21上に次の作成条件、 ・ガス :SiCl22(40sccm)+NH3(4
0sccm) ・圧力 :0.6Torr ・炉温度:780゜C で減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により0.6μ
mの厚みを有する熱的遮断層(窒化ケイ素)4を形成す
る(図6)。
【0038】そして、上記において説明した実施の形態
と同様にして、薄膜形成領域Rに対応して熱的遮断層4
上にマイクロヒータ(ポリシリコン)5を形成する(図
6)。さらに、熱的遮断層4およびマイクロヒータ5上
に次の作成条件、 ・ガス :SiCl22(40sccm)+NH3(4
0sccm) ・圧力 :0.6Torr ・炉温度:780゜C で減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により20nm
の厚みを有する絶縁層(窒化ケイ素)6を形成する(図
6)。なお、この実施の形態では、同図(a)に示すよう
に、犠牲層21をエッチング除去するための2つの開口
22、22と、マイクロヒータ5に通電するための2つ
の開口23、23をそれぞれ設けている。
【0039】次に、絶縁層6に設けられた開口22、2
2を介してエッチング液(HF)を用いて犠牲層21を
エッチング除去する。これによって、図5に示すよう
に、空隙領域3が形成され、上記第1実施の形態と同様
に、マイクロヒータ5に10mW(3.3V、3mA)
の電力を印加すると、130Kの温度上昇が確認され、
さらに900゜Cまで上昇させても、マイクロヒータ5
の断線は見られなかった。また、マイクロヒータ5の昇
温時において、マイクロヒータ5の周辺部の基板領域の
温度上昇は見られなかった。
【0040】次に、マイクロヒータ5に電流を流して基
板温度を250゜Cに高めながら、絶縁層6上に次の作
成条件、 ・ターゲット :金、クロム ・スパッタガス:アルゴン ・圧力 :5Pa ・基板温度 :250゜C でスパッタ法により金(0.2μm)/クロム(30n
m)構造の下部電極7を形成する。
【0041】そして、マイクロヒータ5に電流を流して
基板温度を200゜Cに高めながら、次の作成条件、 ・ターゲット :酸化亜鉛 ・スパッタガス:アルゴン+酸素(比率1:1) ・圧力 :1Pa ・印加電極 :400W ・成膜速度 :1μm/時 ・基板温度 :200゜C で高周波マグネトロン・スパッタ法により厚み3μmの
酸化亜鉛よりなる圧電体薄膜8を、薄膜形成領域Rに対
応させながら、下部電極7上に堆積する。
【0042】また、圧電体薄膜8および絶縁層6に次の
作成条件、 ・ターゲット :アルミニウム ・スパッタガス:アルゴン ・圧力 :5Pa でスパッタ法により厚み0.2μmのアルミニウムの上
部電極9を形成する。
【0043】以上のように、この実施の形態において
も、 下部電極7や圧電体薄膜8を形成する際にマイクロヒ
ータ5を薄膜形成領域Rに対応して局部的に設け、この
マイクロヒータ5に通電することで薄膜形成領域Rに対
応する基板温度のみを薄膜形成に適した温度に上昇させ
る、 マイクロヒータ(局部加熱層)5に対応して空隙領域
3を設けている、 マイクロヒータ5と半導体基板2との間に熱的遮断層
4を設けている、ため、第1の実施の形態と同様の効果
が得られる。
【0044】なお、上記においては、薄膜材料としてチ
タン酸ジルコン酸鉛(PZT)および酸化亜鉛を用いて
薄膜デバイスを製造する方法を具体的に説明したが、こ
れら以外の薄膜材料、つまり、硫化亜鉛、窒化アルミニ
ウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、チタン酸ランタ
ン酸鉛(PLT)、チタン酸鉛およびチタン酸バリウム
などの圧電体材料を用いた場合も、上記と同様にして薄
膜デバイスを製造することができる。
【0045】また、上記においては、圧電体材料の薄膜
を形成してなる薄膜デバイスについて説明したが、この
発明の適用対象は圧電体薄膜を備えた薄膜デバイスに限
定されるものではなく、基板を加熱して所望の形成温度
で形成された薄膜を備える薄膜デバイス全般に適用する
ことができ、圧電体薄膜以外としては例えば焦電体薄膜
がある。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、基板
に対して薄膜を形成する薄膜形成領域に局部加熱層を形
成し、この局部加熱層によって加熱しながら、局部加熱
層に対して薄膜材料を堆積して薄膜を形成するように構
成しているので、加熱される領域を薄膜に対応する領域
に限定することができ、加熱されている薄膜形成領域に
優れた特性の薄膜を形成することができる一方、薄膜形
成領域以外の基板領域の温度が上昇するのを防止するこ
とができる。
【0047】また、この発明によれば、局部加熱層に対
応して基板の上面部や、局部加熱層と基板との間に空隙
領域を設けているため、当該空隙領域によって薄膜形成
領域以外の基板領域への熱伝導を抑制することができ、
薄膜形成領域以外の基板領域の温度が上昇するのを防止
することができる。
【0048】さらに、この発明によれば、局部加熱層と
基板との間に熱的遮断層を設けているので、局部加熱層
において発生した熱が基板側に熱伝導されるのを抑制す
ることができ、薄膜形成領域以外の基板領域の温度が上
昇するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる薄膜デバイスの第1の実施の
形態を示す図である。
【図2】図1の薄膜デバイスの製造方法を示す図であ
る。
【図3】図1の薄膜デバイスの製造方法を示す図であ
る。
【図4】図1の薄膜デバイスの製造方法を示す図であ
る。
【図5】この発明にかかる薄膜デバイスの第2の実施の
形態を示す図である。
【図6】図5の薄膜デバイスの製造方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 薄膜デバイス 2 半導体基板 3 空隙領域 4 熱的遮断層 5 マイクロヒータ(局部加熱部) 8 薄膜 R 薄膜形成領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04R 17/00 330 H01L 41/08 D 41/22 Z (72)発明者 前中 一介 兵庫県姫路市御立東2丁目23−1 (72)発明者 鈴木 義彦 大阪府豊中市上野西3−14−22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に対して薄膜が局部的に形成されて
    なる薄膜デバイスにおいて、前記基板と前記薄膜との間
    に局部加熱層が設けられたことを特徴とする薄膜デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 前記局部加熱層に対応して前記基板の上
    面部に空隙領域が設けられた請求項1記載の薄膜デバイ
    ス。
  3. 【請求項3】 前記局部加熱層と前記基板との間に空隙
    領域が設けられた請求項1記載の薄膜デバイス。
  4. 【請求項4】 前記局部加熱層と前記基板との間に熱的
    遮断層が設けられた請求項1、2または3記載の薄膜デ
    バイス。
  5. 【請求項5】 基板に対して薄膜を形成する薄膜の製造
    方法であって、 前記基板に対して前記薄膜を形成する薄膜形成領域に局
    部加熱層を形成する第1の工程と、 前記局部加熱層によって加熱しながら、前記局部加熱層
    に対して薄膜材料を堆積する第2の工程と、を備えた薄
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程に先立って、前記局部加
    熱層に対応して前記基板の上面部に空隙領域を設ける第
    3の工程を備えた請求項5記載の薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程に先立って、前記基板上
    に熱的遮断層を形成する第4の工程を備え、 前記第1の工程では、前記薄膜形成領域に対応する前記
    熱的遮断層上に前記局部加熱層が形成される請求項5ま
    たは6記載の薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板に対して薄膜を形成する薄膜の製造
    方法であって、 前記薄膜を形成する薄膜形成領域に対応する前記基板上
    に犠牲層を形成する第1の工程と、 前記犠牲層に対して局部加熱層を形成する第2の工程
    と、 前記犠牲層を除去して前記局部加熱層を浮き構造に仕上
    げる第3の工程と、 前記局部加熱層によって加熱しながら、前記局部加熱層
    に対して薄膜材料を堆積する第4の工程と、を備えた薄
    膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程に先立って、前記基板お
    よび前記犠牲層上に熱的遮断層を形成する第5の工程を
    備え、 前記第2の工程では、前記薄膜形成領域に対応する前記
    熱的遮断層上に前記局部加熱層が形成される請求項8記
    載の薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記薄膜が圧電体材料よりなる請求項
    1ないし5のいずれかに記載の薄膜デバイス、あるいは
    請求項5ないし9のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
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