JPH10256206A - 洗浄具及び基板洗浄方法並びに基板洗浄装置 - Google Patents
洗浄具及び基板洗浄方法並びに基板洗浄装置Info
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- JPH10256206A JPH10256206A JP5605797A JP5605797A JPH10256206A JP H10256206 A JPH10256206 A JP H10256206A JP 5605797 A JP5605797 A JP 5605797A JP 5605797 A JP5605797 A JP 5605797A JP H10256206 A JPH10256206 A JP H10256206A
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- substrate
- cleaning member
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 洗浄部材の材質を工夫して洗浄部材への微粒
子の付着を防止することによって、洗浄部材に起因して
基板に微粒子が再付着することを抑制でき、洗浄効果を
高めることができる。 【解決手段】 洗浄液を供給させつつ、基板側に向けら
れた洗浄部材11cを当接あるいは若干浮かせた状態で
基板の洗浄に用いられるブラシ10において、洗浄部材
11cを、pH7の水溶液中におけるゼータ電位が−1
0mVより小さなポリウレタン製のスポンジで構成し
た。負極性に帯電している微粒子と洗浄部材11cとの
間に静電気的な反発力を生じさせ、微粒子の付着を防止
して基板への微粒子の再付着を防止する。
子の付着を防止することによって、洗浄部材に起因して
基板に微粒子が再付着することを抑制でき、洗浄効果を
高めることができる。 【解決手段】 洗浄液を供給させつつ、基板側に向けら
れた洗浄部材11cを当接あるいは若干浮かせた状態で
基板の洗浄に用いられるブラシ10において、洗浄部材
11cを、pH7の水溶液中におけるゼータ電位が−1
0mVより小さなポリウレタン製のスポンジで構成し
た。負極性に帯電している微粒子と洗浄部材11cとの
間に静電気的な反発力を生じさせ、微粒子の付着を防止
して基板への微粒子の再付着を防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、フ
ォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基
板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称す
る)に対して、洗浄部材を当接あるいは若干浮かせた状
態で洗浄に用いられる洗浄具及び基板洗浄方法並びに基
板洗浄装置に関する。
ォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基
板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称す
る)に対して、洗浄部材を当接あるいは若干浮かせた状
態で洗浄に用いられる洗浄具及び基板洗浄方法並びに基
板洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の洗浄具として、例えば、
支持部材に洗浄部材として多数の毛を植設したものや、
支持部材に洗浄部材としてスポンジを設けたものがあ
る。上記の毛の材料としてはナイロンやモヘアが一般的
に利用され、上記スポンジの材料としてはPVA(ポリ
ビニルアルコール)が利用されている。
支持部材に洗浄部材として多数の毛を植設したものや、
支持部材に洗浄部材としてスポンジを設けたものがあ
る。上記の毛の材料としてはナイロンやモヘアが一般的
に利用され、上記スポンジの材料としてはPVA(ポリ
ビニルアルコール)が利用されている。
【0003】上記のように構成されている洗浄具を用い
た洗浄では、基板を回転させながら純水などの洗浄液を
供給し、洗浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせた状
態で、洗浄具を自転させつつあるいは自転させずに回転
している基板の中央部と周辺部との間で洗浄具を水平方
向に揺動させるようになっている。
た洗浄では、基板を回転させながら純水などの洗浄液を
供給し、洗浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせた状
態で、洗浄具を自転させつつあるいは自転させずに回転
している基板の中央部と周辺部との間で洗浄具を水平方
向に揺動させるようになっている。
【0004】このような洗浄においては、まず、基板に
付着している微粒子が洗浄部材に転写され、その後、洗
浄部材との付着力が小さな微粒子の一部が離脱して基板
面に落下する。落下した微粒子は、洗浄液によって基板
面から押し流されるように除去される。このようにして
基板面に付着している微粒子が洗浄部材および洗浄液に
よって除去されるようになっている。
付着している微粒子が洗浄部材に転写され、その後、洗
浄部材との付着力が小さな微粒子の一部が離脱して基板
面に落下する。落下した微粒子は、洗浄液によって基板
面から押し流されるように除去される。このようにして
基板面に付着している微粒子が洗浄部材および洗浄液に
よって除去されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、洗浄具の洗浄部材には微粒子が必然的
に堆積してゆくことになり、洗浄部材に捕捉される微粒
子が多くなればなるほど基板面に落下する微粒子の数が
増大する。このように洗浄具の洗浄部材から基板面に落
下する微粒子の数が増大すると、洗浄液によって押し流
されることなく再び基板に付着する再付着微粒子の数が
増えることになるので、洗浄効果が低くなるという問題
点がある。
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、洗浄具の洗浄部材には微粒子が必然的
に堆積してゆくことになり、洗浄部材に捕捉される微粒
子が多くなればなるほど基板面に落下する微粒子の数が
増大する。このように洗浄具の洗浄部材から基板面に落
下する微粒子の数が増大すると、洗浄液によって押し流
されることなく再び基板に付着する再付着微粒子の数が
増えることになるので、洗浄効果が低くなるという問題
点がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、洗浄部材の材質を工夫して洗浄部材へ
の微粒子の付着を防止することによって、洗浄部材に起
因して基板に微粒子が再付着することを抑制でき、洗浄
効果を高めることができる洗浄具及び基板洗浄方法並び
に基板洗浄装置を提供することを目的とする。
たものであって、洗浄部材の材質を工夫して洗浄部材へ
の微粒子の付着を防止することによって、洗浄部材に起
因して基板に微粒子が再付着することを抑制でき、洗浄
効果を高めることができる洗浄具及び基板洗浄方法並び
に基板洗浄装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の洗浄具は、洗浄液を供給させつ
つ、基板側に向けられた洗浄部材を当接あるいは若干浮
かせた状態で基板の洗浄に用いられる洗浄具において、
前記洗浄部材を、pH7の水溶液中におけるゼータ電位
が−10mVより小さな材料で構成したことを特徴とす
るものである。
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の洗浄具は、洗浄液を供給させつ
つ、基板側に向けられた洗浄部材を当接あるいは若干浮
かせた状態で基板の洗浄に用いられる洗浄具において、
前記洗浄部材を、pH7の水溶液中におけるゼータ電位
が−10mVより小さな材料で構成したことを特徴とす
るものである。
【0008】また、請求項2に記載の基板洗浄方法は、
洗浄液を供給させつつ、基板側に向けられた洗浄具の洗
浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせた状態で洗浄す
る基板洗浄方法において、pH7の水溶液中におけるゼ
ータ電位が−10mVより小さな洗浄部材を備えた洗浄
具を用いて基板を洗浄する洗浄工程を含むことを特徴と
するものである。
洗浄液を供給させつつ、基板側に向けられた洗浄具の洗
浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせた状態で洗浄す
る基板洗浄方法において、pH7の水溶液中におけるゼ
ータ電位が−10mVより小さな洗浄部材を備えた洗浄
具を用いて基板を洗浄する洗浄工程を含むことを特徴と
するものである。
【0009】また、請求項3に記載の基板洗浄方法は、
洗浄液を供給させつつ、基板側に向けられた洗浄具の洗
浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせた状態で洗浄す
る洗浄工程を、前記洗浄具を交換して少なくとも2回行
う基板洗浄方法において、前記洗浄工程のうち、後の洗
浄工程で用いる洗浄部材のゼータ電位を、先の洗浄工程
で用いる洗浄部材のゼータ電位よりも小さいものとし、
かつ、そのゼータ電位がpH7の水溶液中において−1
0mVより小さいものとしたことを特徴とするものであ
る。
洗浄液を供給させつつ、基板側に向けられた洗浄具の洗
浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせた状態で洗浄す
る洗浄工程を、前記洗浄具を交換して少なくとも2回行
う基板洗浄方法において、前記洗浄工程のうち、後の洗
浄工程で用いる洗浄部材のゼータ電位を、先の洗浄工程
で用いる洗浄部材のゼータ電位よりも小さいものとし、
かつ、そのゼータ電位がpH7の水溶液中において−1
0mVより小さいものとしたことを特徴とするものであ
る。
【0010】また、請求項4に記載の基板洗浄装置は、
基板を回転可能に支持する支持手段と、前記基板の上面
に洗浄液を供給する供給手段と、前記基板側に洗浄部材
を向けた姿勢で洗浄具を揺動させる駆動手段とを備えて
いる基板洗浄装置において、前記洗浄部材を、pH7の
水溶液中におけるゼータ電位が−10mVより小さな材
料としたことを特徴とするものである。
基板を回転可能に支持する支持手段と、前記基板の上面
に洗浄液を供給する供給手段と、前記基板側に洗浄部材
を向けた姿勢で洗浄具を揺動させる駆動手段とを備えて
いる基板洗浄装置において、前記洗浄部材を、pH7の
水溶液中におけるゼータ電位が−10mVより小さな材
料としたことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。最近の洗浄手法として、アルカリ性の薬剤や負イオ
ン活性剤を洗浄液として供給したり、それらを洗浄液に
添加して供給することが提案されている。これは、基板
および基板に付着している微粒子を同極性に帯電させて
静電気的な反発力を生じさせ、基板面から除去された微
粒子を再び基板面に付着させることなく遠ざけようとす
るものである。上記の提案手法は、このようなメカニズ
ムによって基板面から除去した微粒子の再付着防止を目
指したものである。しかしながら、この手法は、基板お
よび付着している微粒子の帯電状態を制御しようとする
ものであって、基板および微粒子だけが対象となってい
る。つまり、洗浄具が備える洗浄部材に起因する微粒子
の再付着を防止するものではない。
る。最近の洗浄手法として、アルカリ性の薬剤や負イオ
ン活性剤を洗浄液として供給したり、それらを洗浄液に
添加して供給することが提案されている。これは、基板
および基板に付着している微粒子を同極性に帯電させて
静電気的な反発力を生じさせ、基板面から除去された微
粒子を再び基板面に付着させることなく遠ざけようとす
るものである。上記の提案手法は、このようなメカニズ
ムによって基板面から除去した微粒子の再付着防止を目
指したものである。しかしながら、この手法は、基板お
よび付着している微粒子の帯電状態を制御しようとする
ものであって、基板および微粒子だけが対象となってい
る。つまり、洗浄具が備える洗浄部材に起因する微粒子
の再付着を防止するものではない。
【0012】ここで、まず、水溶液中における物質表面
の帯電メカニズムについて説明する。一般的に、帯電し
ていない物質であっても、水溶液中に浸漬するだけでそ
の表面は電荷を帯びることが知られている。厳密には、
物質の種類や表面状態により差異があるが、例えば、中
性の水溶液中に浸漬された物質の表面には -OHと-Hとが
ほぼバランスして吸着している。しかし、酸性の水溶液
中では高濃度の H+ が-OH に吸着して-OH2 + となるの
で、その物質は酸性の水溶液中で正に帯電する。その一
方、アルカリ性の水溶液中では物質表面の-OH がプロト
ンを失って-O- となるので、負に帯電するものと考えら
れている。つまり、水溶液中での物質の帯電は、物質表
面に吸着した -OH基のプロトン H+ の放出あるいは引き
込みから起こることが通説となっている。
の帯電メカニズムについて説明する。一般的に、帯電し
ていない物質であっても、水溶液中に浸漬するだけでそ
の表面は電荷を帯びることが知られている。厳密には、
物質の種類や表面状態により差異があるが、例えば、中
性の水溶液中に浸漬された物質の表面には -OHと-Hとが
ほぼバランスして吸着している。しかし、酸性の水溶液
中では高濃度の H+ が-OH に吸着して-OH2 + となるの
で、その物質は酸性の水溶液中で正に帯電する。その一
方、アルカリ性の水溶液中では物質表面の-OH がプロト
ンを失って-O- となるので、負に帯電するものと考えら
れている。つまり、水溶液中での物質の帯電は、物質表
面に吸着した -OH基のプロトン H+ の放出あるいは引き
込みから起こることが通説となっている。
【0013】発明者等は、上述した知見等に基づき洗浄
部材として利用可能な種々の材料について水溶液中にお
ける帯電状態を計測することにより、基板面から除去し
た微粒子が付着しにくい材料を選別できることを見出し
た。
部材として利用可能な種々の材料について水溶液中にお
ける帯電状態を計測することにより、基板面から除去し
た微粒子が付着しにくい材料を選別できることを見出し
た。
【0014】ところで材料の帯電状態は、ゼータ電位ζ
という指標で表すことができる。このゼータ電位につい
て図1を参照して簡単に説明する。
という指標で表すことができる。このゼータ電位につい
て図1を参照して簡単に説明する。
【0015】一般にゼータ電位は、水溶液中の帯電の程
度を表す指標として広く用いられてる。上述したように
水溶液に浸漬された物質の表面は、浸漬されるだけで帯
電するが、その帯電した物質表面(表面電位ψ)の近傍
には、物質表面の極性とは逆極性のイオンが静電気的な
引力によって引き付けられてイオン雰囲気(拡散電気二
重層)が形成される。対象となる物質が微粒子であれば
後述する電気泳動法により見かけの帯電量、すなわちゼ
ータ電位を求めることができる。ここで見かけの帯電量
と表現した理由は、水溶液中で微粒子が動くとき水溶液
の粘性のために微粒子表面に近接した逆極性のイオンを
含んだイオン雰囲気の一部を引きずるので、実際に動く
微粒子の見かけの総電荷量は真の電荷量より必ず小さな
値になるからである。この引きずられるイオン雰囲気と
水溶液の境界は、滑り面と呼ばれている。この見かけの
総電荷量Qによって発生する無限遠点を基準にした滑り
面までの電位がゼータ電位ζとして定義されている。
度を表す指標として広く用いられてる。上述したように
水溶液に浸漬された物質の表面は、浸漬されるだけで帯
電するが、その帯電した物質表面(表面電位ψ)の近傍
には、物質表面の極性とは逆極性のイオンが静電気的な
引力によって引き付けられてイオン雰囲気(拡散電気二
重層)が形成される。対象となる物質が微粒子であれば
後述する電気泳動法により見かけの帯電量、すなわちゼ
ータ電位を求めることができる。ここで見かけの帯電量
と表現した理由は、水溶液中で微粒子が動くとき水溶液
の粘性のために微粒子表面に近接した逆極性のイオンを
含んだイオン雰囲気の一部を引きずるので、実際に動く
微粒子の見かけの総電荷量は真の電荷量より必ず小さな
値になるからである。この引きずられるイオン雰囲気と
水溶液の境界は、滑り面と呼ばれている。この見かけの
総電荷量Qによって発生する無限遠点を基準にした滑り
面までの電位がゼータ電位ζとして定義されている。
【0016】ゼータ電位ζは、水溶液の誘電率をε、水
溶液の粘度をη、泳動速度をυ、電界をΕとすると、 ζ=6πη・υ/εΕ となる。
溶液の粘度をη、泳動速度をυ、電界をΕとすると、 ζ=6πη・υ/εΕ となる。
【0017】なお、具体的なゼータ電位ζの測定方法と
しては、洗浄部材が繊維状の材料である場合には流動電
位法を利用し、洗浄部材がシート状の材料である場合に
は非対称電気泳動法を利用することが一般的に行われ
る。
しては、洗浄部材が繊維状の材料である場合には流動電
位法を利用し、洗浄部材がシート状の材料である場合に
は非対称電気泳動法を利用することが一般的に行われ
る。
【0018】発明者等は、洗浄部材としてナイロンの
毛、モヘアの毛、PVAのスポンジ、ポリウレタンのシ
ートを用意し、これらの各部材のゼータ電位を測定し
た。なお、PVAは一般的なPVAとは異なり、表面に
それぞれ異なる特殊な処理を施した2種類を用意した。
これらのPVAを、以下、PVA1およびPVA2と称
することにする。また、これらの各洗浄部材の測定方法
として、ナイロンとモヘアに流動電位法を、PVAとポ
リウレタンに非対称電気泳動法を採用した。そして、各
洗浄部材を浸漬した水溶液(純水)に塩酸を溶解させて
酸性側に調整し、アンモニアを溶解させてアルカリ側に
pHを調整しつつゼータ電位の測定を行った。その測定
結果を図2のグラフに示す。
毛、モヘアの毛、PVAのスポンジ、ポリウレタンのシ
ートを用意し、これらの各部材のゼータ電位を測定し
た。なお、PVAは一般的なPVAとは異なり、表面に
それぞれ異なる特殊な処理を施した2種類を用意した。
これらのPVAを、以下、PVA1およびPVA2と称
することにする。また、これらの各洗浄部材の測定方法
として、ナイロンとモヘアに流動電位法を、PVAとポ
リウレタンに非対称電気泳動法を採用した。そして、各
洗浄部材を浸漬した水溶液(純水)に塩酸を溶解させて
酸性側に調整し、アンモニアを溶解させてアルカリ側に
pHを調整しつつゼータ電位の測定を行った。その測定
結果を図2のグラフに示す。
【0019】このグラフより、発明者等はpH7におけ
るゼータ電位に着目し、上述した各洗浄部材がpH7に
おけるゼータ電位によって明らかに2つのグループに分
けられる点に注目した。つまり、純水(pH7の水溶
液)中におけるゼータ電位が−5mVより大きなナイロ
ンおよびモヘアのグループと、−10mVよりも小さな
PVA1,PVA2,ポリウレタンのグループである。
換言すると、pH7の水溶液中でほとんど帯電しない材
料の非帯電グループと、このグループに比較して大きく
負極性に帯電する材料の負帯電グループである。
るゼータ電位に着目し、上述した各洗浄部材がpH7に
おけるゼータ電位によって明らかに2つのグループに分
けられる点に注目した。つまり、純水(pH7の水溶
液)中におけるゼータ電位が−5mVより大きなナイロ
ンおよびモヘアのグループと、−10mVよりも小さな
PVA1,PVA2,ポリウレタンのグループである。
換言すると、pH7の水溶液中でほとんど帯電しない材
料の非帯電グループと、このグループに比較して大きく
負極性に帯電する材料の負帯電グループである。
【0020】ところで、基板に付着する微粒子には、図
3に示すように様々なものがあるが、純水中における各
微粒子のゼータ電位は、アルミナ(Al2O3) を除くほとん
どのものが負極性に帯電することが判っている。
3に示すように様々なものがあるが、純水中における各
微粒子のゼータ電位は、アルミナ(Al2O3) を除くほとん
どのものが負極性に帯電することが判っている。
【0021】そこで、発明者等は、pH7の純水を洗浄
液とし、上記各洗浄部材のうち、非帯電グループからナ
イロンの毛およびモヘアの毛を、負帯電グループからP
VA1のスポンジをサンプルとして採用し、SiO2膜が形
成されたシリコンウエハを各洗浄部材で洗浄した。そし
て、洗浄後に表面に付着している微粒子(再付着微粒
子)の数を計数してその結果をグラフ化した(図4)。
液とし、上記各洗浄部材のうち、非帯電グループからナ
イロンの毛およびモヘアの毛を、負帯電グループからP
VA1のスポンジをサンプルとして採用し、SiO2膜が形
成されたシリコンウエハを各洗浄部材で洗浄した。そし
て、洗浄後に表面に付着している微粒子(再付着微粒
子)の数を計数してその結果をグラフ化した(図4)。
【0022】この結果から明らかなように、非帯電グル
ープと負帯電グループとの間には、粒径が0.2〜0.
3μmおよび0.3μm以上の比較的大きな微粒子の再
付着数に顕著な差異はないが、粒径が0.16〜0.2
μmの比較的小さな微粒子の再付着数に顕著な差異が生
じている。これは負帯電グループの洗浄部材が純水中に
おいて大きく負極性に帯電するため、これと同極性に帯
電している微粒子に強い反発力が生じて洗浄部材に付着
することなく、基板に供給されている洗浄液によって押
し流されるためと考えられる。また、粒径の小さな微粒
子について顕著な差異が生じたのは、粒径の小さな微粒
子ほど質量が小さくなって反発力の影響を強く受け、洗
浄部材への付着が阻止され易いためと考えられる。
ープと負帯電グループとの間には、粒径が0.2〜0.
3μmおよび0.3μm以上の比較的大きな微粒子の再
付着数に顕著な差異はないが、粒径が0.16〜0.2
μmの比較的小さな微粒子の再付着数に顕著な差異が生
じている。これは負帯電グループの洗浄部材が純水中に
おいて大きく負極性に帯電するため、これと同極性に帯
電している微粒子に強い反発力が生じて洗浄部材に付着
することなく、基板に供給されている洗浄液によって押
し流されるためと考えられる。また、粒径の小さな微粒
子について顕著な差異が生じたのは、粒径の小さな微粒
子ほど質量が小さくなって反発力の影響を強く受け、洗
浄部材への付着が阻止され易いためと考えられる。
【0023】したがって、pH7の水溶液中におけるゼ
ータ電位が−10mVよりも小さな材料で洗浄具の洗浄
部材を構成することによって、ほとんどの微粒子と洗浄
部材との間に大きな静電気的反発力を生じさせることが
でき、微粒子を洗浄部材に付着させにくくすることがで
きる。
ータ電位が−10mVよりも小さな材料で洗浄具の洗浄
部材を構成することによって、ほとんどの微粒子と洗浄
部材との間に大きな静電気的反発力を生じさせることが
でき、微粒子を洗浄部材に付着させにくくすることがで
きる。
【0024】なお、静電気的な反発力をより大きなもの
にして微粒子がさらに洗浄部材に付着しにくくするため
に、上述した負帯電グループのうちポリウレタンおよび
PVA1のようにゼータ電位が−25mVよりも小さな
材料で洗浄部材を構成することが好ましい。
にして微粒子がさらに洗浄部材に付着しにくくするため
に、上述した負帯電グループのうちポリウレタンおよび
PVA1のようにゼータ電位が−25mVよりも小さな
材料で洗浄部材を構成することが好ましい。
【0025】また、図3に示すようにアルミナ(Al2O3)
やフッ酸やバッファードフッ酸中のシリコン(自然酸化
膜がない状態)などのほんの僅かな微粒子は、純水中に
おいて正極性に帯電するので、これらを洗浄部材と同じ
負極性に帯電させて洗浄部材への付着を防止するため
に、洗浄液にアルカリ薬剤もしくは負イオン活性剤を添
加しておくことがより好ましい。これにより洗浄部材へ
の微粒子の付着がより防止できるとともに基板と微粒子
との間にも反発力が生じるので、基板への微粒子の再付
着をさらに防止できる。
やフッ酸やバッファードフッ酸中のシリコン(自然酸化
膜がない状態)などのほんの僅かな微粒子は、純水中に
おいて正極性に帯電するので、これらを洗浄部材と同じ
負極性に帯電させて洗浄部材への付着を防止するため
に、洗浄液にアルカリ薬剤もしくは負イオン活性剤を添
加しておくことがより好ましい。これにより洗浄部材へ
の微粒子の付着がより防止できるとともに基板と微粒子
との間にも反発力が生じるので、基板への微粒子の再付
着をさらに防止できる。
【0026】また、請求項2に記載の発明の作用は次の
とおりである。pH7の水溶液中におけるゼータ電位が
−10mVよりも小さな洗浄部材を備えた洗浄具を用い
て、洗浄液を供給させつつ、洗浄部材を基板に当接ある
いは若干浮かせた状態で洗浄することにより、微粒子は
物理的な衝撃力で基板から引き離される。このようにし
て引き離された微粒子のほとんどは同極性の洗浄部材に
対して静電気的に反発して洗浄液により押し流される
で、微粒子が洗浄部材に付着することを防止することが
できる。
とおりである。pH7の水溶液中におけるゼータ電位が
−10mVよりも小さな洗浄部材を備えた洗浄具を用い
て、洗浄液を供給させつつ、洗浄部材を基板に当接ある
いは若干浮かせた状態で洗浄することにより、微粒子は
物理的な衝撃力で基板から引き離される。このようにし
て引き離された微粒子のほとんどは同極性の洗浄部材に
対して静電気的に反発して洗浄液により押し流される
で、微粒子が洗浄部材に付着することを防止することが
できる。
【0027】また、請求項3に記載の発明の作用は次の
とおりである。洗浄具を用いて基板を洗浄する洗浄工程
を、洗浄具を交換して少なくとも2回行う場合がある。
例えば、粗洗浄用の洗浄具を用いて大まかに微粒子を除
去したり、大きめの微粒子を除去するための粗洗浄工程
と、この工程に次いで、精密洗浄用の洗浄具を用いて残
りの微粒子を除去したり、小さめの微粒子を除去するた
めの精密洗浄工程とを行う基板洗浄方法がある。このよ
うに2回以上の洗浄を行う場合に、後の工程ほどゼータ
電位が小さな洗浄部材を用い、かつ、ゼータ電位がpH
7の水溶液中において−10mVより小さな洗浄部材を
用いることにより、後の工程ほど基板から引き離された
微粒子が洗浄部材に付着しにくくなる。したがって、後
の工程ほど洗浄具の洗浄部材に微粒子が付着することを
防止することができる。
とおりである。洗浄具を用いて基板を洗浄する洗浄工程
を、洗浄具を交換して少なくとも2回行う場合がある。
例えば、粗洗浄用の洗浄具を用いて大まかに微粒子を除
去したり、大きめの微粒子を除去するための粗洗浄工程
と、この工程に次いで、精密洗浄用の洗浄具を用いて残
りの微粒子を除去したり、小さめの微粒子を除去するた
めの精密洗浄工程とを行う基板洗浄方法がある。このよ
うに2回以上の洗浄を行う場合に、後の工程ほどゼータ
電位が小さな洗浄部材を用い、かつ、ゼータ電位がpH
7の水溶液中において−10mVより小さな洗浄部材を
用いることにより、後の工程ほど基板から引き離された
微粒子が洗浄部材に付着しにくくなる。したがって、後
の工程ほど洗浄具の洗浄部材に微粒子が付着することを
防止することができる。
【0028】また、請求項4に記載の発明によれば、支
持手段により支持された基板に供給手段から洗浄液を供
給させつつ、基板側に洗浄部材を向けた姿勢で洗浄具を
駆動手段により揺動して洗浄を行う。洗浄具の洗浄部材
はpH7の水溶液中におけるゼータ電位が−10mVよ
り小さな材料で構成されているので、洗浄具の物理的な
衝撃力により基板から引き離された微粒子と洗浄部材と
の間には静電気的な反発力が生じ、微粒子が洗浄部材に
付着しにくくなる。したがって、洗浄部材に微粒子が付
着することを防止できる。
持手段により支持された基板に供給手段から洗浄液を供
給させつつ、基板側に洗浄部材を向けた姿勢で洗浄具を
駆動手段により揺動して洗浄を行う。洗浄具の洗浄部材
はpH7の水溶液中におけるゼータ電位が−10mVよ
り小さな材料で構成されているので、洗浄具の物理的な
衝撃力により基板から引き離された微粒子と洗浄部材と
の間には静電気的な反発力が生じ、微粒子が洗浄部材に
付着しにくくなる。したがって、洗浄部材に微粒子が付
着することを防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図5は実施例に係るブラシ式の基板
洗浄装置(ブラシスクラバとも呼ばれる)の概略構成を
示す一部切欠き側面図であり、図6はその平面図であ
る。また、図7は、その待機ポットの縦断面図である。
この基板洗浄装置は、本発明に係る洗浄具を備えるとと
もに本発明に係る基板洗浄方法を実施するものである。
実施例を説明する。図5は実施例に係るブラシ式の基板
洗浄装置(ブラシスクラバとも呼ばれる)の概略構成を
示す一部切欠き側面図であり、図6はその平面図であ
る。また、図7は、その待機ポットの縦断面図である。
この基板洗浄装置は、本発明に係る洗浄具を備えるとと
もに本発明に係る基板洗浄方法を実施するものである。
【0030】図中、符号1は、真空吸着によって基板W
を水平姿勢で支持するスピンチャック(支持手段)であ
り、図示しない電動モータによって回転中心CP周りに
回転駆動されるようになっている。なお、図示省略して
いるが、スピンチャック1の周囲には、供給手段に相当
するノズルNZから供給された洗浄液が周囲に飛散する
のを防止する飛散防止カップが一般的に配設されてい
る。
を水平姿勢で支持するスピンチャック(支持手段)であ
り、図示しない電動モータによって回転中心CP周りに
回転駆動されるようになっている。なお、図示省略して
いるが、スピンチャック1の周囲には、供給手段に相当
するノズルNZから供給された洗浄液が周囲に飛散する
のを防止する飛散防止カップが一般的に配設されてい
る。
【0031】なお、上記のようなスピンチャック1に代
えて、基板Wの裏面および周縁部を当接支持する、いわ
ゆるメカ式のスピンチャックを採用してもよい。
えて、基板Wの裏面および周縁部を当接支持する、いわ
ゆるメカ式のスピンチャックを採用してもよい。
【0032】基板Wの表面に当接あるいは若干浮いた状
態で洗浄を行うブラシ10は、基板Wの側方に離れた位
置に配設されている待機ポットTPと、基板Wの回転中
心CPの洗浄位置とにわたって1つの揺動アーム12に
より移動される。揺動アーム12の基端部側は、スピン
チャック1の側方に配設されたアーム支軸14の先端部
に取り付けられている。このアーム支軸14は、基台1
6に回転自在かつ昇降自在に立設されており、その下端
部側にベルト18を介して電動モータ20の回転が伝達
される。したがって、電動モータ20を回転することに
より揺動アーム12が揺動軸芯S周りに揺動する。な
お、上記ブラシ10が本発明における洗浄具に相当し、
上記電動モータ20が本発明における駆動手段に相当す
る。
態で洗浄を行うブラシ10は、基板Wの側方に離れた位
置に配設されている待機ポットTPと、基板Wの回転中
心CPの洗浄位置とにわたって1つの揺動アーム12に
より移動される。揺動アーム12の基端部側は、スピン
チャック1の側方に配設されたアーム支軸14の先端部
に取り付けられている。このアーム支軸14は、基台1
6に回転自在かつ昇降自在に立設されており、その下端
部側にベルト18を介して電動モータ20の回転が伝達
される。したがって、電動モータ20を回転することに
より揺動アーム12が揺動軸芯S周りに揺動する。な
お、上記ブラシ10が本発明における洗浄具に相当し、
上記電動モータ20が本発明における駆動手段に相当す
る。
【0033】アーム支軸14の下端部の下方には、エア
シリンダ22が配設されている。このエアシリンダ22
のロッド22aを伸縮することにより、アーム支軸14
の下端部が昇降して、揺動アーム12を昇降するように
なっている。また、アーム支軸14の中央部付近には、
環状のストッパ24が取り付けられており、支持台26
の上面に当接してアーム支軸14の下降位置を規制す
る。さらに、アーム支軸14はエアシリンダ28を内蔵
しており、そのロッド28aの伸縮によりアーム支軸1
4を伸縮する。
シリンダ22が配設されている。このエアシリンダ22
のロッド22aを伸縮することにより、アーム支軸14
の下端部が昇降して、揺動アーム12を昇降するように
なっている。また、アーム支軸14の中央部付近には、
環状のストッパ24が取り付けられており、支持台26
の上面に当接してアーム支軸14の下降位置を規制す
る。さらに、アーム支軸14はエアシリンダ28を内蔵
しており、そのロッド28aの伸縮によりアーム支軸1
4を伸縮する。
【0034】揺動アーム12の先端部には、ブラシチャ
ック30が配備されている。ブラシチャック30は、揺
動アーム12の先端部下方に回転自在に取り付けられて
いる。揺動アーム12の基端部側上面に配設された電動
モータ32は、揺動アーム12内に配設された図示しな
いベルトを介してブラシチャック30を回転する。この
電動モータ32を回転することにより、ブラシチャック
30に支持されたブラシ10が自転する。ブラシチャッ
ク30の下端部には、4個の爪34が十字方向に開閉自
在に取り付けられており、揺動アーム12の先端部上面
に配設されたエアシリンダ36を駆動することにより開
閉する。これらの爪34の開閉により、四方からブラシ
10の上部溝11aを挟持して支持するようになってい
る。
ック30が配備されている。ブラシチャック30は、揺
動アーム12の先端部下方に回転自在に取り付けられて
いる。揺動アーム12の基端部側上面に配設された電動
モータ32は、揺動アーム12内に配設された図示しな
いベルトを介してブラシチャック30を回転する。この
電動モータ32を回転することにより、ブラシチャック
30に支持されたブラシ10が自転する。ブラシチャッ
ク30の下端部には、4個の爪34が十字方向に開閉自
在に取り付けられており、揺動アーム12の先端部上面
に配設されたエアシリンダ36を駆動することにより開
閉する。これらの爪34の開閉により、四方からブラシ
10の上部溝11aを挟持して支持するようになってい
る。
【0035】なお、基板Wの種類や汚染の度合いまたは
洗浄方法などによっては、電動モータ32を含むブラシ
チャック30を自転させる機構を備える必要はない。
洗浄方法などによっては、電動モータ32を含むブラシ
チャック30を自転させる機構を備える必要はない。
【0036】待機ポットTPは、揺動アーム12の先端
部に配備されたブラシチャック30の揺動軌跡に沿って
3個の待機カップ40が形成されている。各待機カップ
40には、各ブラシ10の支持部材11bの下端部に設
けられた洗浄部材11cが下方に向けられた状態で挿抜
自在に収納されている。なお、本実施例では、一例とし
て待機ポットTPに3種類のそれぞれ異なるブラシ10
(10a,10b,10c)を配備している。
部に配備されたブラシチャック30の揺動軌跡に沿って
3個の待機カップ40が形成されている。各待機カップ
40には、各ブラシ10の支持部材11bの下端部に設
けられた洗浄部材11cが下方に向けられた状態で挿抜
自在に収納されている。なお、本実施例では、一例とし
て待機ポットTPに3種類のそれぞれ異なるブラシ10
(10a,10b,10c)を配備している。
【0037】具体的には、図2に示すように、pH7の
水溶液中においてゼータ電位が−4mV程度のナイロン
製の毛を洗浄部材11cとして備えたナイロンブラシ1
0aと、同条件でゼータ電位が−28mV程度のポリウ
レタン製のシート状スポンジを洗浄部材11cとして備
えたポリウレタンブラシ10bと、同条件でゼータ電位
が−42mV程度のPVA1製のスポンジを洗浄部材1
1cとして備えたPVA1ブラシ10cである。なお、
このPVA1とは、一般的なPVAに対して特殊な表面
処理を施してpH7の水溶液中におけるゼータ電位を下
げたものである。
水溶液中においてゼータ電位が−4mV程度のナイロン
製の毛を洗浄部材11cとして備えたナイロンブラシ1
0aと、同条件でゼータ電位が−28mV程度のポリウ
レタン製のシート状スポンジを洗浄部材11cとして備
えたポリウレタンブラシ10bと、同条件でゼータ電位
が−42mV程度のPVA1製のスポンジを洗浄部材1
1cとして備えたPVA1ブラシ10cである。なお、
このPVA1とは、一般的なPVAに対して特殊な表面
処理を施してpH7の水溶液中におけるゼータ電位を下
げたものである。
【0038】また、待機ポットTPは、各ブラシ10a
〜10cによる洗浄後に、各待機カップ40に収納され
たブラシ10の洗浄部材11bから落下する洗浄液を回
収するための排液口HDを底部に備えている。
〜10cによる洗浄後に、各待機カップ40に収納され
たブラシ10の洗浄部材11bから落下する洗浄液を回
収するための排液口HDを底部に備えている。
【0039】次に、上述した装置による基板の洗浄処理
について、図8のフローチャートを参照して説明する。
なお、初期状態では、図5に二点鎖線で示すように、揺
動アーム12の先端部が待機ポットTPの上方に待機し
ている。このとき、アーム支軸14のストッパ24は支
持台26に当接しているとともに、エアシリンダ28の
ロッド28aが伸長され、アーム支軸14が伸長された
状態である。
について、図8のフローチャートを参照して説明する。
なお、初期状態では、図5に二点鎖線で示すように、揺
動アーム12の先端部が待機ポットTPの上方に待機し
ている。このとき、アーム支軸14のストッパ24は支
持台26に当接しているとともに、エアシリンダ28の
ロッド28aが伸長され、アーム支軸14が伸長された
状態である。
【0040】また、本実施例装置が備える3種類のブラ
シ10a〜10cの使用順序は、装置のオペレータによ
り処理プログラムに予め記憶されており、第1のブラシ
としてナイロンブラシ10aが、第2のブラシとしてポ
リウレタンブラシ10bが、第3のブラシとしてPVA
1ブラシ10cが記憶されている。
シ10a〜10cの使用順序は、装置のオペレータによ
り処理プログラムに予め記憶されており、第1のブラシ
としてナイロンブラシ10aが、第2のブラシとしてポ
リウレタンブラシ10bが、第3のブラシとしてPVA
1ブラシ10cが記憶されている。
【0041】ステップS1(基板の搬入) ある処理を終えて微粒子が付着した基板Wが、図示しな
い搬送手段により運ばれてスピンチャック1に載置され
る。そして、真空吸着によりスピンチャック1に基板W
が吸着保持される。
い搬送手段により運ばれてスピンチャック1に載置され
る。そして、真空吸着によりスピンチャック1に基板W
が吸着保持される。
【0042】ステップS2(洗浄液の供給) 図示しない電動モータを駆動して基板Wを回転させ始
め、その回転数が一定の回転数に到達した後に、ノズル
NZから基板Wの表面に向けて純水を洗浄液として供給
開始する。
め、その回転数が一定の回転数に到達した後に、ノズル
NZから基板Wの表面に向けて純水を洗浄液として供給
開始する。
【0043】なお、図3に示したように、基板Wに付着
している微粒子には様々なものがあり、しかも純水中に
おける帯電状態も様々である。ほとんどの微粒子は負極
性に帯電しているが、アルミナ(Al2O3) や自然酸化膜に
覆われていないシリコンSiなどのほんの僅かな微粒子は
純水中において正極性に帯電する。そこで、これらの微
粒子をも洗浄部材11cと同じ負極性に帯電させて洗浄
部材11cへの付着を防止するために、アルカリ薬剤も
しくは負イオン活性剤を洗浄液として利用するか、また
は純水にこれらを添加したものを洗浄液とすることが好
ましい。これにより洗浄部材11cへの微粒子の付着が
さらに防止できるとともに基板Wと微粒子との間にも静
電気的な反発力が生じるので、基板Wに付着した微粒子
が基板Wから離れ易くすることができるとともに、基板
Wへの微粒子の再付着がより防止できる。
している微粒子には様々なものがあり、しかも純水中に
おける帯電状態も様々である。ほとんどの微粒子は負極
性に帯電しているが、アルミナ(Al2O3) や自然酸化膜に
覆われていないシリコンSiなどのほんの僅かな微粒子は
純水中において正極性に帯電する。そこで、これらの微
粒子をも洗浄部材11cと同じ負極性に帯電させて洗浄
部材11cへの付着を防止するために、アルカリ薬剤も
しくは負イオン活性剤を洗浄液として利用するか、また
は純水にこれらを添加したものを洗浄液とすることが好
ましい。これにより洗浄部材11cへの微粒子の付着が
さらに防止できるとともに基板Wと微粒子との間にも静
電気的な反発力が生じるので、基板Wに付着した微粒子
が基板Wから離れ易くすることができるとともに、基板
Wへの微粒子の再付着がより防止できる。
【0044】ステップS3(第1のブラシによる洗浄:
粗洗浄工程) 予め記憶されている処理プログラムのブラシ使用順序に
基づいて、第1のブラシであるナイロンブラシ10aに
よる洗浄を行う。この工程は、ナイロンブラシ10aに
よって基板Wに付着している微粒子を大まかに除去する
ためのものであり、以下、この工程を粗洗浄工程と称す
ることにする。
粗洗浄工程) 予め記憶されている処理プログラムのブラシ使用順序に
基づいて、第1のブラシであるナイロンブラシ10aに
よる洗浄を行う。この工程は、ナイロンブラシ10aに
よって基板Wに付着している微粒子を大まかに除去する
ためのものであり、以下、この工程を粗洗浄工程と称す
ることにする。
【0045】具体的には、電動モータ20を駆動して揺
動アーム12のブラシチャック30が、待機ポットTP
の待機カップ40に収納されたナイロンブラシ10aの
上方に位置するように揺動アーム12を揺動させる。そ
して、エアシリンダ36を動作させて爪34を開き、エ
アシリンダ28のロッド28aを収縮させてブラシチャ
ック30を下降させる。次いで、エアシリンダ36を動
作させて爪34を閉じてナイロンブラシ10aの上部溝
11aをブラシチャック30で挟持し、エアシリンダ2
8のロッド28aを伸長させて挟持したナイロンブラシ
10aを待機カップ40から上方に取り出す。
動アーム12のブラシチャック30が、待機ポットTP
の待機カップ40に収納されたナイロンブラシ10aの
上方に位置するように揺動アーム12を揺動させる。そ
して、エアシリンダ36を動作させて爪34を開き、エ
アシリンダ28のロッド28aを収縮させてブラシチャ
ック30を下降させる。次いで、エアシリンダ36を動
作させて爪34を閉じてナイロンブラシ10aの上部溝
11aをブラシチャック30で挟持し、エアシリンダ2
8のロッド28aを伸長させて挟持したナイロンブラシ
10aを待機カップ40から上方に取り出す。
【0046】次に、エアシリンダ22のロッド22aを
伸長させてアーム支軸14を上方に持ち上げ、その状態
で電動モータ20を正転させて揺動アーム12を揺動さ
せ、ナイロンブラシ10aを基板Wの回転中心CP上方
に移動させる。
伸長させてアーム支軸14を上方に持ち上げ、その状態
で電動モータ20を正転させて揺動アーム12を揺動さ
せ、ナイロンブラシ10aを基板Wの回転中心CP上方
に移動させる。
【0047】そして、エアシリンダ22のロッド22a
を収縮させ、ナイロンブラシ10aを下降させて基板W
の表面にナイロンブラシ10aの毛を当接させる。な
お、ナイロンブラシ10aの毛(洗浄部材11c)を基
板Wに当接させることなく若干浮かせた状態にして、い
わゆるハイドロプレーンによって洗浄するようにしても
よい。さらに電動モータ32を駆動してナイロンブラシ
10aを自転させつつ、処理時間だけ電動モータ20の
逆転/正転を繰り返す。これによりナイロンブラシ10
aは、図6に示すように、回転中心CPから基板Wの外
縁まで移動を繰り返すことになり、基板Wの表面全体を
洗浄する。
を収縮させ、ナイロンブラシ10aを下降させて基板W
の表面にナイロンブラシ10aの毛を当接させる。な
お、ナイロンブラシ10aの毛(洗浄部材11c)を基
板Wに当接させることなく若干浮かせた状態にして、い
わゆるハイドロプレーンによって洗浄するようにしても
よい。さらに電動モータ32を駆動してナイロンブラシ
10aを自転させつつ、処理時間だけ電動モータ20の
逆転/正転を繰り返す。これによりナイロンブラシ10
aは、図6に示すように、回転中心CPから基板Wの外
縁まで移動を繰り返すことになり、基板Wの表面全体を
洗浄する。
【0048】なお、この粗洗浄工程では、pH7の水溶
液中におけるゼータ電位が−4mV程度の、ほとんど帯
電しない材料であるナイロン製の洗浄部材11cによっ
て洗浄を行うので、洗浄部材11cとの物理的衝撃力に
よって基板Wから引き離された一部の微粒子は、洗浄液
によって押し流されたり、静電気的な吸着力によりナイ
ロンブラシ10aの洗浄部材11cに転写されて基板W
から除去される。そして、洗浄部材11cに転写された
微粒子の一部は徐々に堆積し、静電気的な吸着力の変動
やブラシ10の自転に伴う遠心力などによりいずれ落下
して基板Wに再付着することになる。
液中におけるゼータ電位が−4mV程度の、ほとんど帯
電しない材料であるナイロン製の洗浄部材11cによっ
て洗浄を行うので、洗浄部材11cとの物理的衝撃力に
よって基板Wから引き離された一部の微粒子は、洗浄液
によって押し流されたり、静電気的な吸着力によりナイ
ロンブラシ10aの洗浄部材11cに転写されて基板W
から除去される。そして、洗浄部材11cに転写された
微粒子の一部は徐々に堆積し、静電気的な吸着力の変動
やブラシ10の自転に伴う遠心力などによりいずれ落下
して基板Wに再付着することになる。
【0049】ナイロンブラシ10aによる粗洗浄工程が
終了すると、上述した動作を逆の順序で行って、ナイロ
ンブラシ10aを待機ポットTPの待機カップ40に移
動して収納する。
終了すると、上述した動作を逆の順序で行って、ナイロ
ンブラシ10aを待機ポットTPの待機カップ40に移
動して収納する。
【0050】ステップS4(第2のブラシによる洗浄:
精密洗浄工程) 処理プログラムのブラシ使用順序に基づいて、第2のブ
ラシであるポリウレタンブラシ10bによる洗浄を行
う。この工程は、先の粗洗浄工程では除去されたなかっ
た微粒子をポリウレタンブラシ10bによって除去する
ためのものであり、以下、この工程を精密洗浄工程と称
する。
精密洗浄工程) 処理プログラムのブラシ使用順序に基づいて、第2のブ
ラシであるポリウレタンブラシ10bによる洗浄を行
う。この工程は、先の粗洗浄工程では除去されたなかっ
た微粒子をポリウレタンブラシ10bによって除去する
ためのものであり、以下、この工程を精密洗浄工程と称
する。
【0051】具体的には、次に使用するポリウレタンブ
ラシ10bを、上述した動作によってブラシチャック3
0に挟持する。そして、上述したナイロンブラシ10a
と同様にして、ポリウレタンブラシ10bを自転させつ
つ基板Wに当接させ、揺動アーム12を揺動させながら
処理時間だけ処理する。
ラシ10bを、上述した動作によってブラシチャック3
0に挟持する。そして、上述したナイロンブラシ10a
と同様にして、ポリウレタンブラシ10bを自転させつ
つ基板Wに当接させ、揺動アーム12を揺動させながら
処理時間だけ処理する。
【0052】なお、この精密洗浄工程では、pH7の水
溶液中におけるゼータ電位が−28mV程度の負極性に
帯電する材料であるポリウレタン製の洗浄部材11cに
よって洗浄を行うようにしているので、物理的衝撃力に
よって基板Wから引き離された微粒子は、ほとんどが洗
浄液によって押し流され、微粒子とポリウレタンブラシ
10bの洗浄部材11cとの間に生じる静電気的反発力
によってほとんど転写されない。したがって、ポリウレ
タンブラシ10bの洗浄部材11cに微粒子が付着堆積
して、この微粒子が落下して基板Wに再付着するような
ことが抑制でき、洗浄効果を高めることができる。
溶液中におけるゼータ電位が−28mV程度の負極性に
帯電する材料であるポリウレタン製の洗浄部材11cに
よって洗浄を行うようにしているので、物理的衝撃力に
よって基板Wから引き離された微粒子は、ほとんどが洗
浄液によって押し流され、微粒子とポリウレタンブラシ
10bの洗浄部材11cとの間に生じる静電気的反発力
によってほとんど転写されない。したがって、ポリウレ
タンブラシ10bの洗浄部材11cに微粒子が付着堆積
して、この微粒子が落下して基板Wに再付着するような
ことが抑制でき、洗浄効果を高めることができる。
【0053】ステップS5(第3のブラシによる洗浄:
仕上げ洗浄工程) 処理プログラムを参照し、第3のブラシであるPVA1
ブラシ10cによる洗浄を行う。この工程は、先の粗洗
浄工程と先の精密洗浄工程を経ても除去されたなかった
一部の微粒子をPVA1ブラシ10cによって除去する
仕上げ洗浄工程である。具体的には、次に使用するPV
A1ブラシ10cをブラシチャック30に挟持し、PV
A1ブラシ10cを自転させつつ基板Wに当接させ、揺
動アーム12を揺動させて処理時間だけ処理する。
仕上げ洗浄工程) 処理プログラムを参照し、第3のブラシであるPVA1
ブラシ10cによる洗浄を行う。この工程は、先の粗洗
浄工程と先の精密洗浄工程を経ても除去されたなかった
一部の微粒子をPVA1ブラシ10cによって除去する
仕上げ洗浄工程である。具体的には、次に使用するPV
A1ブラシ10cをブラシチャック30に挟持し、PV
A1ブラシ10cを自転させつつ基板Wに当接させ、揺
動アーム12を揺動させて処理時間だけ処理する。
【0054】なお、この仕上げ洗浄工程では、先の精密
洗浄工程で使用したポリウレタンブラシ10bの洗浄部
材11cよりも大きく負極性に帯電する材料であるPV
A1製の洗浄部材11cによって洗浄を行う。したがっ
て、物理的衝撃力によって基板Wから引き離された微粒
子は、洗浄液によって押し流され、微粒子と同極性に強
く帯電しているPVA1ブラシ10cの洗浄部材11c
に付着堆積することが抑制される。したがって、付着堆
積した微粒子が落下して基板Wに再付着するようなこと
が抑制でき、洗浄効果を高めることができる。
洗浄工程で使用したポリウレタンブラシ10bの洗浄部
材11cよりも大きく負極性に帯電する材料であるPV
A1製の洗浄部材11cによって洗浄を行う。したがっ
て、物理的衝撃力によって基板Wから引き離された微粒
子は、洗浄液によって押し流され、微粒子と同極性に強
く帯電しているPVA1ブラシ10cの洗浄部材11c
に付着堆積することが抑制される。したがって、付着堆
積した微粒子が落下して基板Wに再付着するようなこと
が抑制でき、洗浄効果を高めることができる。
【0055】ステップS6(基板の搬出) 上記のように異なる3種類のブラシを順次に交換して、
粗洗浄工程、精密洗浄工程、仕上げ洗浄工程からなる一
連の洗浄処理工程を終えた後、ノズルNZからの洗浄液
の供給を停止するとともに、基板Wを高速回転させて基
板Wを乾燥させる。次いで、スピンチャック1の回転を
停止した後、図示しない搬送手段により洗浄処理済みの
基板Wを搬出する。これにより1枚の基板Wに対する洗
浄処理が完了する。
粗洗浄工程、精密洗浄工程、仕上げ洗浄工程からなる一
連の洗浄処理工程を終えた後、ノズルNZからの洗浄液
の供給を停止するとともに、基板Wを高速回転させて基
板Wを乾燥させる。次いで、スピンチャック1の回転を
停止した後、図示しない搬送手段により洗浄処理済みの
基板Wを搬出する。これにより1枚の基板Wに対する洗
浄処理が完了する。
【0056】上述したように、3つの洗浄工程を経て基
板Wを洗浄するが、精密洗浄工程および仕上げ洗浄工程
のように後の洗浄工程で使用するブラシ10の洗浄部材
11cのゼータ電位が、粗洗浄工程および精密洗浄工程
のように先の洗浄工程で使用するブラシ10の洗浄部材
11cのゼータ電位よりも小さく、かつ、pH7の水溶
液中におけるゼータ電位が−25mVよりも小さなもの
となるようにしている。したがって、後の洗浄工程ほど
洗浄部材11cと微粒子との間に生じる静電気的な反発
力が強くなり、洗浄部材11cに微粒子が付着しにくく
なる。よって、後の洗浄工程ほど基板Wから引き離され
た微粒子が洗浄部材11cに転写されることを抑制する
ことができ、基板Wに微粒子が再付着することを防止す
ることができる。その結果、洗浄効果を高めることがで
きて、基板Wをより清浄にすることができる。
板Wを洗浄するが、精密洗浄工程および仕上げ洗浄工程
のように後の洗浄工程で使用するブラシ10の洗浄部材
11cのゼータ電位が、粗洗浄工程および精密洗浄工程
のように先の洗浄工程で使用するブラシ10の洗浄部材
11cのゼータ電位よりも小さく、かつ、pH7の水溶
液中におけるゼータ電位が−25mVよりも小さなもの
となるようにしている。したがって、後の洗浄工程ほど
洗浄部材11cと微粒子との間に生じる静電気的な反発
力が強くなり、洗浄部材11cに微粒子が付着しにくく
なる。よって、後の洗浄工程ほど基板Wから引き離され
た微粒子が洗浄部材11cに転写されることを抑制する
ことができ、基板Wに微粒子が再付着することを防止す
ることができる。その結果、洗浄効果を高めることがで
きて、基板Wをより清浄にすることができる。
【0057】なお、上記実施例では、3つの洗浄工程か
らなる一連の洗浄処理で1枚の基板を洗浄するように
し、後の2つの洗浄工程においてゼータ電位が−25m
Vより小さなブラシを使用したが、最後の洗浄工程だけ
にゼータ電位が−25mVより小さなブラシを使用する
ようにしても上記同様の効果を奏する。
らなる一連の洗浄処理で1枚の基板を洗浄するように
し、後の2つの洗浄工程においてゼータ電位が−25m
Vより小さなブラシを使用したが、最後の洗浄工程だけ
にゼータ電位が−25mVより小さなブラシを使用する
ようにしても上記同様の効果を奏する。
【0058】また、複数の洗浄工程からなる洗浄処理で
なく、1つの洗浄工程だけからなる洗浄処理においてゼ
ータ電位が−25mVより小さなブラシを使用するよう
にしてもよい。
なく、1つの洗浄工程だけからなる洗浄処理においてゼ
ータ電位が−25mVより小さなブラシを使用するよう
にしてもよい。
【0059】また、上述した実施例では、精密洗浄工程
において、pH7の水溶液中におけるゼータ電位が−2
5mVより小さな−28mV程度のポリウレタブラシ1
0bを使用したが、同条件でゼータ電位が−10mVよ
り小さな洗浄部材を備えるブラシ、例えば、ゼータ電位
が−20mV程度のPVA2ブラシを採用してもよい。
なお、ここで言うPVA2とは、一般的なPVAに特殊
な表面処理を施したものである。
において、pH7の水溶液中におけるゼータ電位が−2
5mVより小さな−28mV程度のポリウレタブラシ1
0bを使用したが、同条件でゼータ電位が−10mVよ
り小さな洗浄部材を備えるブラシ、例えば、ゼータ電位
が−20mV程度のPVA2ブラシを採用してもよい。
なお、ここで言うPVA2とは、一般的なPVAに特殊
な表面処理を施したものである。
【0060】また、基板と微粒子との間に反発力を生じ
させるため、洗浄液にアルカリ性薬剤や負イオン活性剤
を溶解させてもよいことは上述したが、その結果として
洗浄液のpHが11を越える場合がある。このような場
合には、図2に示したようにポリウレタンとPVA1の
ゼータ電位の大きさが入れ替わるので、上記実施例と同
様の効果を得るためにはそれらのブラシ使用順序を入れ
換えて洗浄すればよい。
させるため、洗浄液にアルカリ性薬剤や負イオン活性剤
を溶解させてもよいことは上述したが、その結果として
洗浄液のpHが11を越える場合がある。このような場
合には、図2に示したようにポリウレタンとPVA1の
ゼータ電位の大きさが入れ替わるので、上記実施例と同
様の効果を得るためにはそれらのブラシ使用順序を入れ
換えて洗浄すればよい。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、pH7の水溶液中におけるゼ
ータ電位が−10mVよりも小さくなる材料で洗浄具の
洗浄部材を構成することにより、ほとんどの微粒子と洗
浄部材との間に静電気的な反発力を強く生じさせること
ができる。したがって、基板から引き離された微粒子が
洗浄部材に付着することを防止できる。その結果、洗浄
部材に微粒子が付着堆積することに起因して、基板に微
粒子が再付着することを抑制でき、洗浄効果の高い洗浄
具を実現することができる。
1に記載の発明によれば、pH7の水溶液中におけるゼ
ータ電位が−10mVよりも小さくなる材料で洗浄具の
洗浄部材を構成することにより、ほとんどの微粒子と洗
浄部材との間に静電気的な反発力を強く生じさせること
ができる。したがって、基板から引き離された微粒子が
洗浄部材に付着することを防止できる。その結果、洗浄
部材に微粒子が付着堆積することに起因して、基板に微
粒子が再付着することを抑制でき、洗浄効果の高い洗浄
具を実現することができる。
【0062】また、請求項2に記載の発明方法によれ
ば、基板から引き離された微粒子のほとんどが同極性の
洗浄部材に対して静電気的に反発して洗浄液により押し
流されるので、微粒子が洗浄部材に付着することを防止
できる。その結果、洗浄部材に微粒子が付着堆積するこ
とに起因して、基板に微粒子が再付着することを抑制で
き、洗浄効果の高い基板洗浄方法とすることができる。
ば、基板から引き離された微粒子のほとんどが同極性の
洗浄部材に対して静電気的に反発して洗浄液により押し
流されるので、微粒子が洗浄部材に付着することを防止
できる。その結果、洗浄部材に微粒子が付着堆積するこ
とに起因して、基板に微粒子が再付着することを抑制で
き、洗浄効果の高い基板洗浄方法とすることができる。
【0063】また、請求項3に記載の発明方法によれ
ば、後の洗浄工程ほど洗浄具の洗浄部材に微粒子が付着
することを防止できるので、洗浄の仕上げに近づくにつ
れて洗浄部材に起因して基板に微粒子が再付着すること
を抑制できる。したがって、複数の洗浄工程からなる基
板洗浄方法において、後の洗浄工程ほど基板に微粒子が
再付着することを防止でき、洗浄効果をさらに高めるこ
とができる。
ば、後の洗浄工程ほど洗浄具の洗浄部材に微粒子が付着
することを防止できるので、洗浄の仕上げに近づくにつ
れて洗浄部材に起因して基板に微粒子が再付着すること
を抑制できる。したがって、複数の洗浄工程からなる基
板洗浄方法において、後の洗浄工程ほど基板に微粒子が
再付着することを防止でき、洗浄効果をさらに高めるこ
とができる。
【0064】また、請求項4に記載の発明装置によれ
ば、請求項2の発明方法を好適に実施することができ、
洗浄効果の高い基板洗浄装置を実現することができる。
ば、請求項2の発明方法を好適に実施することができ、
洗浄効果の高い基板洗浄装置を実現することができる。
【図1】ゼータ電位の説明に供する図である。
【図2】洗浄部材ごとのゼータ電位とpHの関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図3】種々の微粒子のゼータ電位を示す図である。
【図4】材料による再付着微粒子の除去性能を示すグラ
フである。
フである。
【図5】基板洗浄装置の概略構成を示す一部切欠き側面
図である。
図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】待機ポットの縦断面図である。
【図8】基板の洗浄処理を示すフローチャートである。
W … 基板 NZ … ノズル(供給手段) 1 … スピンチャック(支持手段) 10 … ブラシ(洗浄具) 10a … ナイロンブラシ 10b … ポリウレタンブラシ 10c … PVA1ブラシ 11a … 上部溝 11b … 支持部材 11c … 洗浄部材 12 … 揺動アーム TP … 待機ポット 20 … 電動モータ(駆動手段) 30 … ブラシチャック
Claims (4)
- 【請求項1】 洗浄液を供給させつつ、基板側に向けら
れた洗浄部材を当接あるいは若干浮かせた状態で基板の
洗浄に用いられる洗浄具において、 前記洗浄部材を、pH7の水溶液中におけるゼータ電位
が−10mVより小さな材料で構成したことを特徴とす
る洗浄具。 - 【請求項2】 洗浄液を供給させつつ、基板側に向けら
れた洗浄具の洗浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせ
た状態で洗浄する基板洗浄方法において、 pH7の水溶液中におけるゼータ電位が−10mVより
小さな洗浄部材を備えた洗浄具を用いて基板を洗浄する
洗浄工程を含むことを特徴とする基板洗浄方法。 - 【請求項3】 洗浄液を供給させつつ、基板側に向けら
れた洗浄具の洗浄部材を基板に当接あるいは若干浮かせ
た状態で洗浄する洗浄工程を、前記洗浄具を交換して少
なくとも2回行う基板洗浄方法において、 前記洗浄工程のうち、後の洗浄工程で用いる洗浄部材の
ゼータ電位を、先の洗浄工程で用いる洗浄部材のゼータ
電位よりも小さいものとし、かつ、そのゼータ電位がp
H7の水溶液中において−10mVより小さいものとし
たことを特徴とする基板洗浄装置。 - 【請求項4】 基板を回転可能に支持する支持手段と、
前記基板の上面に洗浄液を供給する供給手段と、前記基
板側に洗浄部材を向けた姿勢で洗浄具を揺動させる駆動
手段とを備えている基板洗浄装置において、 前記洗浄部材を、pH7の水溶液中におけるゼータ電位
が−10mVより小さな材料としたことを特徴とする基
板洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5605797A JPH10256206A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 洗浄具及び基板洗浄方法並びに基板洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5605797A JPH10256206A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 洗浄具及び基板洗浄方法並びに基板洗浄装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10256206A true JPH10256206A (ja) | 1998-09-25 |
Family
ID=13016463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5605797A Abandoned JPH10256206A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 洗浄具及び基板洗浄方法並びに基板洗浄装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10256206A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001177136A (ja) * | 1999-10-05 | 2001-06-29 | Fuji Electric Co Ltd | 薄膜太陽電池の製造方法ならびに粉体噴射法による薄膜基板貫通孔加工装置およびパターニング装置 |
JP2006278957A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理装置および基板処理方法 |
JP2008028175A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Fujifilm Corp | ウエハ洗浄装置 |
US7913346B2 (en) | 2005-03-30 | 2011-03-29 | Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. | Substrate treatment apparatus and substrate treatment method |
US8027017B2 (en) | 2008-01-16 | 2011-09-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Substrate treating apparatus and exposing apparatus for cleaning a chuck cleaning tool with treating bath |
JP2017183517A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社Screenホールディングス | 基板処理装置、基板処理方法およびプログラム記録媒体 |
JP2018049926A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | 株式会社Screenホールディングス | ブラシ収納容器、洗浄ブラシを収納したブラシ収納容器、および基板処理装置 |
JP2020136488A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 株式会社荏原製作所 | 洗浄部材用洗浄装置及び基板処理装置 |
-
1997
- 1997-03-11 JP JP5605797A patent/JPH10256206A/ja not_active Abandoned
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001177136A (ja) * | 1999-10-05 | 2001-06-29 | Fuji Electric Co Ltd | 薄膜太陽電池の製造方法ならびに粉体噴射法による薄膜基板貫通孔加工装置およびパターニング装置 |
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US7913346B2 (en) | 2005-03-30 | 2011-03-29 | Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. | Substrate treatment apparatus and substrate treatment method |
JP2008028175A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Fujifilm Corp | ウエハ洗浄装置 |
US8027017B2 (en) | 2008-01-16 | 2011-09-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Substrate treating apparatus and exposing apparatus for cleaning a chuck cleaning tool with treating bath |
JP2017183517A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社Screenホールディングス | 基板処理装置、基板処理方法およびプログラム記録媒体 |
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JP2020136488A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 株式会社荏原製作所 | 洗浄部材用洗浄装置及び基板処理装置 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040202 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040303 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20040420 |