JPH10255766A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH10255766A
JPH10255766A JP9051403A JP5140397A JPH10255766A JP H10255766 A JPH10255766 A JP H10255766A JP 9051403 A JP9051403 A JP 9051403A JP 5140397 A JP5140397 A JP 5140397A JP H10255766 A JPH10255766 A JP H10255766A
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JP
Japan
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negative electrode
graphite
active material
electrode active
carbon material
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JP9051403A
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Inventor
Kenji Nakai
賢治 中井
Masahisa Okuda
昌久 奥田
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Resonac Corp
Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】負極構造の崩壊と充放電の繰り返しに伴う容量
低下を抑えながら、エネルギ密度が高い非水電解液二次
電池とする。 【解決手段】リチウムを含む遷移金属複合酸化物を正極
活物質とする正極と、非水電解液と、炭素材料を負極活
物質とする負極を具備してなる非水電解液二次電池にお
いて、前記炭素材料を黒鉛と非黒鉛炭素材料の混合体と
し、混合体に占める非黒鉛炭素材料の割合を4〜40重
量%にする。かつ、非黒鉛炭素材料の平均粒子径を黒鉛
の平均粒子径の0.3〜3倍にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素材料を負極活
物質として用いた非水電解液二次電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、非水電解液二次電池には、負極活
物質として金属リチウムあるいはリチウム合金が用いら
れていた。このような構成の電池では、充電時に、リチ
ウムがデンドライト状に負極に析出、成長して内部短絡
を起こしたり、金属リチウムの化学的活性度が高いため
に安全性が低下するという問題があった。そこで、負極
活物質として金属リチウムではなく、充電、放電に伴
い、リチウムを吸蔵、放出することができる炭素材料が
用いられるようになった。炭素材料として結晶性が高い
黒鉛(またはそれに類するものを含む)や、結晶性の低
い非晶質炭素を用いた非水電解液二次電池が既に商品化
されている。
【0003】黒鉛を負極活物質として用いた負極板は、
黒鉛の真密度が高いこととあいまって、負極板成形工程
のひとつである活物質のプレス充填工程後の負極板密度
が高くなる。また、リチウムの吸蔵、放出電位、すなわ
ち充電、放電電位の経時変化が平坦で、しかもリチウム
の酸化還元電位に極めて近い。さらに、初回充放電のク
ーロン効率が高い。従って、黒鉛を負極活物質として用
いた電池はエネルギ密度が高いという長所がある。一
方、結晶性の低い非晶質炭素を負極活物質として用いた
負極板は、非晶質炭素の真密度が低いこととあいまっ
て、負極板成形工程のひとつである活物質のプレス充填
工程後の負極板密度があまり高くならない。また、リチ
ウムの吸蔵、放出電位、すなわち充電、放電電位の経時
変化が黒鉛のように平坦ではなく傾斜を持っている。リ
チウムの吸蔵量が少ない状態での負極電位は、リチウム
の酸化還元電位よりもずっと高く、リチウムの吸蔵量が
増えるに従いリチウムの酸化還元電位に近づく。さら
に、初回充放電のクーロン効率が黒鉛を負極活物質とし
て用いた場合のようには高くない。従って、非晶質炭素
を負極活物質として用いた電池はエネルギ密度が低いと
いう短所がある。このような炭素材料の種類による特性
の違いから、負極活物質には黒鉛が用いられるようにな
ってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、黒鉛を負極活
物質として用いた非水電解液二次電池は、上記のような
長所がある反面、以下のような短所もある。リチウムの
吸蔵、放出に伴う黒鉛の体積膨張、収縮が非晶質炭素よ
りも大きいために負極構造が崩壊しやすい。黒鉛が高密
度充填された負極板構造では、非水電解液が保持される
べき空間が少なく、充放電反応時のリチウムの拡散が阻
まれ過電圧が増大し、負極電位がリチウムの酸化還元電
位よりも卑となり、黒鉛や負極集電体表面で充放電可逆
性に乏しいリチウムが析出することが原因で、充放電の
繰り返しに伴う容量低下が大きい。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、負極構
造の崩壊と充放電の繰り返しに伴う容量低下を抑えなが
ら、エネルギ密度が高い非水電解液二次電池とすること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係る非
水電解液二次電池は、リチウムを含む遷移金属複合酸化
物を正極活物質とする正極と、非水電解液と、炭素材料
を負極活物質とする負極を具備した構成において、前記
炭素材料を黒鉛と非黒鉛炭素材料の混合体とし、当該混
合体に占める非黒鉛炭素材料の割合を4〜40重量%と
し、かつ非黒鉛炭素材料の平均粒子径を黒鉛の平均粒子
径の0.3〜3倍にする。この特徴により非水電解液二
次電池の上記課題を達成できる。
【0007】負極に用いる炭素材料を黒鉛と非黒鉛炭素
材料の混合体とするのは、非黒鉛炭素材料(特に非晶質
炭素)を用いた場合の負極板密度があまり高くならない
という短所を逆に有効利用して、負極板の密度をあまり
高くせずに、電解液が保持される空間を確保する作用を
発揮させるためである。また、リチウムの吸蔵・放出に
よる体積膨張・収縮が黒鉛よりも小さい非晶質炭素を混
合することで、負極板全体としての体積膨張・収縮を低
減し、負極構造の崩壊をくい止める作用を発揮させるた
めである。
【0008】上記作用を発揮させるためには、黒鉛と非
黒鉛炭素材料の混合体に占める非黒鉛炭素材料の割合が
4重量%以上40重量%以下でなければならない。4重
量%未満であれば、負極板密度は黒鉛を活物質として用
いた負極板と同等に高くなる。一方、40重量%を越え
ると、非黒鉛炭素材料は初回充放電のクーロン効率が低
いという面が顕在化し、十分な電池容量が得られないと
いう不都合が生じるため好ましくない。さらに、非黒鉛
炭素材料の平均粒子径が黒鉛の平均粒子径の0.3倍未
満であると、非黒鉛炭素材料が黒鉛粒子間に詰め込まれ
て負極板密度が高くなり、電解液が保持される空間を確
保することができなくなる。一方、3倍を越えると逆に
負極板密度が低下しすぎ、負極活物質の充填量が低下す
るために電池容量が低下する。
【0009】尚、黒鉛に非黒鉛炭素材料を混合せずに、
負極板成形工程でプレス条件を工夫することにより負極
板密度が高くならないようにすることもできるが、この
ようにして作製した負極板では、黒鉛粒子同士のつなが
りによって形成される電子伝導のネットワークがあまり
発達していないために、特に黒鉛が収縮している放電後
においては、黒鉛粒子同士のつながりが切断された部分
が現れ、電子伝導のネットワークが部分的に切断され
る。電子伝導のネットワークが切断された黒鉛はもはや
次の充電で反応に関与せず、負極板の充電利用率が低下
する。充放電サイクルによりこのような現象が繰り返さ
れると、負極抵抗の増大と、充電量不足による容量低下
をひき起こすこととなり所望の効果は得られない。一
方、本発明に係る非水電解液二次電池は上記のように絶
大なる効果が得られるにもかかわらず、負極製造工程
は、従来の非水電解液二次電池の負極製造工程を大幅に
変更することがなく、簡単で安全であることから、工業
的利用価値は極めて大きいといえる。
【0010】
【発明の実施の形態】正極活物質となるリチウムを含む
遷移金属複合酸化物としてLiCoO2を用い、LiCoO2粉末と
黒鉛粉末(導電剤)とポリフッ化ビニリデン(PVDF,バ
インダ)とを、N−メチル−2−ピロリドン(分散媒)
に分散、混練しスラリを調製する。このスラリを正極集
電体となるアルミニウム箔に塗着、乾燥、プレスの工程
後、裁断し帯状の正極板とする。負極活物質となる炭素
材料として黒鉛と非黒鉛炭素材料である非晶質炭素を用
い、黒鉛と非晶質炭素の混合体とPVDFとをN−メチル−
2−ピロリドンに分散、混練しスラリを調製する。この
スラリを負極集電体となる銅箔に塗着、乾燥、プレス、
裁断し帯状の負極板とする。
【0011】得られた帯状の正極板と負極板を、帯状の
セパレータを介して重ね、捲回する。できあがった捲回
電極体は円筒状の電池缶に入れ、電解液注入後、上蓋を
取付け、封口して本発明に係る電池が得られる。電解液
は、炭酸プロピレンと炭酸ジメチルと炭酸ジエチルの混
合溶媒にLiPF6を1mol/l溶解したものであり、混
合溶媒の混合比は体積にして30:50:20である。
組立てた電池は充電、放電を繰り返し、サイクル容量低
下のないことを確認する。
【0012】黒鉛と非黒鉛炭素材料の混合体に4〜40
重量%の割合で占める非黒鉛炭素材料の平均粒子径は、
黒鉛の平均粒子径の0.3〜3倍であるが、さらに、非
黒鉛炭素材料として、平均粒子径0.1μm以下の微細
な非黒鉛炭素材料(カーボンブラック等)を前記混合体
に少量配合してもよい。このような微細な非黒鉛炭素材
料を、電解液を保持する空間を潰さない程度の量で配合
すると、導電材として、また、電解液保持材として有効
に作用する。
【0013】
【実施例】
比較例1、実施例1〜6、比較例2 図1は、本発明を実施した円筒形リチウム二次電池の断
面図である。1は正極集電体で、厚さ20μmのアルミ
ニウム箔である。平面サイズは50mm×450mmであ
る。2は正極集電体1に保持させた正極活物質層で、リ
チウムイオンを電極反応種とし充電・放電に伴いリチウ
ムイオンを放出・吸蔵する正極活物質LiCoO2と黒鉛(導
電助剤)とPVDF(バインダ)と電解液とから構成され
る。正極活物質層2の詳細な作製方法を記す。LiCoO
2(平均粒径約1〜2μm)と黒鉛(平均粒径約0.5μ
m)とPVDFを重量比で80:10:10に十分混合し、
そこへN−メチル−2−ピロリドンを適量加え、十分に
混練、分散させスラリにする。このスラリをロールtoロ
ールの転写により正極集電体1の両面に塗着、乾燥した
後、プレスにより所定の極板厚さになるまで圧縮し、正
極活物質層2を得る(但し、この段階では電解液は入っ
ていない)。正極活物質層2の厚さは正極集電体1の両
面共各々80〜85μmである。
【0014】3は負極集電体で、厚さ10μmの銅箔で
ある。平面サイズは50mm×490mmである。4は負極
集電体3に保持させた負極活物質層で、リチウムイオン
を電極反応種とし充電・放電に伴いリチウムイオンを吸
蔵・放出する負極活物(黒鉛と非晶質炭素の混合体)と
PVDF(バインダ)と電解液とから構成される。負極活物
質層4の詳細な作製方法を記す。平均粒径15μmの黒
鉛粉末と平均粒径23μmの非晶質炭素(平均粒径は黒
鉛の1.5倍)とを、表1に示すように、重量比で9
8:2〜50:50となるように混合し、さらに、前記
混合体とPVDFを重量比で90:10となるように混合
し、そこへN−メチル−2−ピロリドンを適量加え、十
分に混練、分散させスラリにする。このスラリをロール
toロールの転写により負極集電体3の両面に塗着、乾燥
した後、プレスにより所定の極板厚さになるまで圧縮
し、負極活物質層4を得る(但し、この段階では電解液
は入っていない)。負極活物質層4の厚さは負極集電体
3の両面共各々75〜80μmである。このときの負極
活物質層の密度は、表1に示すように、約1.3〜1.
45g/cm3である。
【0015】5は帯状のセパレータで、厚さ25μmの
微多孔性のポリエチレンフィルムである。帯状の正極板
と負極板を、セパレータ5を介し重ね、捲回する。でき
あがった捲回電極体を円筒状の電池缶6に挿入する。そ
して、負極集電体に予め溶接しておいたタブ端子を電池
缶6の底部に溶接する。
【0016】正極活物質層と負極活物質層の厚さの和は
320μmとした。320μmを越えると、捲回電極体
の直径が電池缶6の内径よりも大きくなって、捲回電極
体を電池缶6に挿入できない。320μm未満であれ
ば、逆に捲回電極体の直径が電池缶6の内径よりも小さ
くなって、電池としての容量が十分得られないからであ
る。また、正極活物質の初回充電容量を145mAh/
g、負極活物質の初回充電容量を黒鉛、非晶質炭素共に
360mAh/gとして、初回充電容量が同じになるよう
に正極、負極活物質量を決定した。このバランスが崩
れ、例えば正極活物質量よりも負極活物質量が多けれ
ば、負極での不可逆容量が大きくなって、容量が低くな
るし、逆に負極活物質量よりも正極活物質量が多けれ
ば、負極活物質のリチウム吸蔵能力以上のリチウムが正
極活物質から供給されるため、初回の充電で、負極活物
質や負極集電体表面でリチウムが析出するという問題が
生じる。
【0017】7は正極キャップで、8は正極タブ端子で
ある。正極タブ端子8は予め正極集電体1に溶接してお
き、正極キャップ7に溶接する。次に、電解液5mlを電
池缶6内に注入する。電解液は、炭酸プロピレンと炭酸
ジメチルと炭酸ジエチルの混合溶媒にLiPF6を1mol
/l溶解したものであり、混合溶媒の混合比は体積にし
て30:50:20である。9は絶縁性のガスケットで
ある。正極キャップ7を電池缶上部に配置し、ガスケッ
ト9を介して電池缶上部をかしめ、電池を密閉する。
【0018】ここで、正極キャップ7内には、電池内圧
の上昇に応じて作動する電流遮断機構(圧力スイッチ)
と前記電流遮断機構が作動する圧力よりも高い圧力に応
じて開放作動する弁機構が組み込まれている。このよう
にして、電池を完成した。
【0019】
【表1】
【0020】比較例3、実施例6〜11、比較例4 負極活物質となる黒鉛と非晶質炭素とを重量比で80:
20となるように混合し、上記実施例3と同様に電極、
電池を作製した。各例で黒鉛の平均粒径を15μmと
し、非晶質炭素の平均粒径を各例で3〜60μmの範囲
から選択して、表2に示すように、非晶質炭素の平均粒
径を黒鉛の0.2〜4倍の範囲で変化させた。このとき
の負極活物質密度は、表2に示すように、約1.34〜
1.44g/cm3である。
【0021】従来例1〜2 従来例1として、負極活物質に黒鉛を用い、非晶質炭素
は混合しない負極板とし、他は上記実施例1〜11と同
様に電池を作製した。従来例1の負極活物質層の密度は
1.5g/cm3である。また、従来例2として負極活物
質層の密度を1.4g/cm3とした以外は前記従来例1
と同様に電池を作製した。
【0022】
【表2】
【0023】実施例1〜11、比較例1〜4において負
極活物質層の密度は、プレスによって可能な最大値であ
る。各例で負極活物質層の密度が異なるのは、黒鉛と非
晶質炭素の混合割合の違い、黒鉛と非晶質炭素の粒径比
の違いによってプレスで可能な最大値が異なるためであ
る。これ以上プレスすると負極活物質層の密度は大きく
なることなく、負極板が負極集電体と共に圧延されるだ
けで、負極板の幅、長さ共に大きくなるといった寸法変
化が生じてしまう。実施例1〜11、比較例1〜4にお
いて負極活物質層の厚さが異なるのは、正極活物質の初
回充電容量を145mAh/g、負極活物質の初回充電容
量を黒鉛、非晶質炭素共に360mAh/gとして、初回
充電容量が同じになるように正極、負極活物質量を決定
したからである。実施例1〜11、比較例1〜4におい
て正極活物質層の密度3.5g/cm3は、プレスによっ
て可能な最大値である。これ以上プレスすると正極活物
質層の密度は大きくなることなく、正極板が正極集電体
と共に圧延されるだけで、正極板の幅、長さ共に大きく
なるといった、寸法変化が生じてしまう。
【0024】上記各例の電池を充放電し、容量確認と充
放電サイクルの進行に伴う容量保持率を調べた。充放電
条件は以下の通りである。 充電:4.15V定電圧、制限電流1A、3時間、25
℃ 放電:1A定電流、終止電圧2.5V、25℃ 図2に、実施例1〜5、比較例1、2の電池および従来
例1、従来例2の電池について、非晶質炭素混合量と初
回放電容量の関係を示す。実施例1〜5、比較例1、2
の電池では、非晶質炭素混合量が増えるに従って初回放
電容量が直線的に低下している。これは、非晶質炭素の
混合量が増えると負極活物質層の密度が低下することに
起因している。しかし、非晶質炭素混合量が40重量%
を越えると、この直線からずれ、初回放電容量の低下が
大きくなる。これは非晶質炭素混合量が40重量%を越
えると、負極活物質層の密度が大きく低下することに起
因している。非晶質炭素を混合しない従来例1の電池で
は初回の放電容量は1427mAhと大きな値を示したの
に対し、従来例2の電池では1380mAhと実施例1と
ほぼ同等となった。これは、従来例1の電池では負極活
物質層の上限密度が1.5g/cm3であったために負極
活物質の充填量が多く、一方、従来例2の電池では負極
活物質層の密度を意図的に1.4g/cm3としたので負
極活物質の充填量が少ないためである。
【0025】図3に、比較例1、実施例1〜5、比較例
2の電池および従来例1、従来例2の電池について、充
放電サイクルを繰り返した時の放電容量の推移を示す。
比較例1および従来例1、従来例2の電池では充放電サ
イクルを繰り返しに伴う放電容量低下が大きいのに対し
て、実施例1〜5の電池では良好なサイクル特性を示し
ている。比較例1および従来例1の電池において放電容
量低下が大きいのは、電池の負極活物質層の密度が高い
ために、高密度充填された負極板構造では非水電解液が
保持されるべき空間が少なく、充放電反応時のリチウム
の拡散が阻まれ、過電圧が増大、負極電位がリチウムの
酸化還元電位よりも卑となり、黒鉛や負極集電体表面で
充放電可逆性に乏しいリチウムが析出することが原因と
考えられる。従来例2の電池において負極活物質層の密
度を1.4g/cm3と意図的に低く抑えてあるにもかか
わらず放電容量低下が大きいのは、次のような現象が起
こっているからと考えられる。すなわち、意図的に負極
活物質層の密度を低く抑えたことによって、黒鉛粒子同
士のつながりによって形成される電子伝導のネットワー
クがあまり発達していないために、特に黒鉛が収縮して
いる放電後においては、黒鉛粒子同士のつながりが切断
された部分が現れ、電子伝導のネットワークが部分的に
切断される。電子伝導のネットワークが切断された黒鉛
はもはや次の充電で反応に関与せず、負極の充電利用率
が低下、充放電サイクルによりこのような現象が繰り返
されると、負極抵抗の増大をも伴って容量低下をひき起
こす。
【0026】以上の実施例、比較例、従来例の結果か
ら、負極板黒鉛と非黒鉛炭素材料の混合体に占める非黒
鉛炭素材料の割合は、4重量%以上40重量%以下でな
ければならないことが理解できる。4重量%未満であれ
ば、非黒鉛炭素材料(特に非晶質炭素)を用いた場合に
負極板密度があまり高くならないという短所を逆に有効
利用することができなくなり、負極板密度は黒鉛だけを
活物質として用いた場合とと同等に高くなる。すなわ
ち、電解液が保持される空間を確保しにくくなる。非黒
鉛炭素材料が40重量%を越えると、初回充放電のクー
ロン効率が低いことと負極抵抗の増大が原因で、十分な
電池容量が得られないという不都合が生じるため好まし
くないことが明らかとなった。
【0027】図4に、比較例3、実施例6〜11、比較
例4の電池について、黒鉛の平均粒子径に対する非晶質
炭素の平均粒子径の比(粒径比)と初回放電容量の関係
を示す。粒径比が大きくなるにつれて緩やかな下に凸の
形状を示しながら初回放電容量が低下していく。ところ
が、粒径比が3を越えると初回放電容量の低下が大きく
なる。これは、粒径比が3を越えると、すなわち、黒鉛
に対して非晶質炭素の平均粒径が大きすぎると負極活物
質層の密度の低下も大きくなり、負極活物質の充填量が
少なくなったためである。
【0028】図5に、比較例3、実施例6〜11、比較
例4の電池について、充放電サイクルを繰り返した時の
放電容量推移を示す。比較例3の電池では充放電サイク
ルを繰り返しに伴う放電容量低下が大きいのに対して、
実施例6〜11、比較例4の電池では良好なサイクル特
性を示している。比較例3の電池において放電容量低下
が大きいのは、負極活物質層の密度が高いために、高密
度充填された負極板構造では非水電解液が保持されるべ
き空間が少なく、充放電反応時のリチウムの拡散が阻ま
れ、過電圧が増大、負極電位がリチウムの酸化還元電位
よりも卑となり、黒鉛や負極集電体表面で充放電可逆性
に乏しいリチウムが析出することが原因と考えられる。
【0029】以上の実施例、比較例の結果から、非黒鉛
炭素材料の平均粒子径は黒鉛の平均粒子径の0.3〜3
倍であることが好ましいことが判る。また、非黒鉛炭素
材料の平均粒子径が黒鉛の平均粒子径の0.3倍未満で
あると、非黒鉛炭素材粒子が黒鉛粒子間に詰め込まれ、
負極板密度が高くなり、電解液が保持される空間を確保
することができず、課題を達成できないし、3倍を越え
ると逆に負極板密度が低下しすぎ、負極活物質の充填量
が低下するために電池容量が低下することが明らかとな
った。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る非水電解液二次電池は、リ
チウムを含む遷移金属複合酸化物を正極活物質とする正
極と、非水電解液と、炭素材料を負極活物質とする負極
を具備してなるものであって、前記炭素材料を黒鉛と非
黒鉛炭素材料の混合体とし、混合体に占める非黒鉛炭素
材料の割合を4〜40重量%とし、かつ非黒鉛炭素材料
の平均粒子径を黒鉛の平均粒子径の0.3〜3倍とする
ことで、高容量でかつ充放電サイクル特性にこの上なく
優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の非水電解液二次電池の断
面図である。
【図2】比較例1、実施例1〜5、比較例2の電池およ
び従来例1、従来例2の電池について、非晶質炭素混合
量と初回放電容量の関係を示す図である。
【図3】比較例1、実施例1〜5、比較例2の電池およ
び従来例1、従来例2の電池について、充放電サイクル
を繰り返した時の放電容量推移を示す図である。
【図4】比較例3、実施例6〜11、比較例4の電池に
ついて、黒鉛の平均粒子径に対する非晶質炭素の平均粒
子径の比(粒径比)と初回放電容量の関係を示す図であ
る。
【図5】比較例3、実施例6〜11、比較例4の電池に
ついて、充放電サイクルを繰り返した時の放電容量推移
を示す図である。
【符号の説明】
1は正極集電体 2は正極活物質層 3は負極集電体 4は負極活物質層 5はセパレータ 6は電池缶 7は正極キャップ 8は正極タブ端子 9はガスケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムを含む遷移金属複合酸化物を正極
    活物質とする正極と、非水電解液と、炭素材料を負極活
    物質とする負極を具備してなる非水電解液二次電池にお
    いて、 前記炭素材料が黒鉛と非黒鉛炭素材料の混合体であり、 当該混合体に占める非黒鉛炭素材料の割合が4〜40重
    量%であり、 非黒鉛炭素材料の平均粒子径が黒鉛の平均粒子径の0.
    3〜3倍であることを特徴とする非水電解液二次電池。
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